JPH08136001A - 一体形空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は従来の蒸発器と凝縮器とを本体内に
備えた窓掛形ルームエアコン等ではドレン排水を冷房時
に凝縮器に散水、蒸発させ屋外へ排出できたものの、暖
房時は凝縮器が蒸発器として作用するため、そのように
できなかった不具合を解消した一体形空気調和機を提供
することを目的とする。 【構成】 本発明は蒸発器及び凝縮器を内蔵してなる一
体形空気調和機において、空気調和機本体の外面に開口
する排出口を有するケーシング内にスプラッシャディス
クとファン用羽根とを備え、モータにより回転駆動され
る回転体を設けてなる噴霧化ユニットを前記空気調和機
本体内に設置すると共に、前記蒸発器及び凝縮器の下部
にそれぞれ設置したドレンパンをドレンパイプを介して
前記噴霧化ユニットのケーシングに連通してなることを
特徴とする一体形空気調和機、を構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、窓掛形ルームエアコ
ン、ウォールスルー形パッケージエアコン等、一体形空
気調和機、詳しくはそのドレン水噴霧化ユニットに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来の窓掛形ルームエアコンの側
断面図（左が室内側）を示す。

【０００３】先ず部材の名称を列記すると、１は窓掛形
ルームエアコン本体、２は蒸発器、３は凝縮器、４は蒸
発器用ドレンパン、５はドレンパイプ、６は下部ドレン
パン、７はディスク、８はスプラッシャモータ、９はモ
ータ軸、１０は仕切板、１１は内外仕切板、１２は室内
側室、１３は室外側室、１４は室内吹出口、１５は室外
吹出口である。

【０００４】即ち、室内側室１２の側には蒸発器２があ
り、蒸発器２の下部には蒸発器用ドレンパン４が配設さ
れている。

【０００５】室外側室１３の側には凝縮器３があり、そ
の下には仕切板１０で仕切られた下部ドレンパン６が配
設されている。蒸発器用ドレンパン４に接続されたドレ
ンパイプ５の一端は下部ドレンパン６に通じるように構
成されている。下部ドレンパン６部には、スプラッシャ
機構としてモータ８が配設され、モータ軸９を介してデ
ィスク７が取付けられている。

【０００６】図６は図５のスプラッシャ機構を示す斜視
図で、１４は溝である。

【０００７】即ち、スプラッシャモータ８のモータ軸９
の先端にディスク７が取付けられている。ディスク７の
表面には図示のような溝１４が設けられている。

【０００８】従来例の作用を概述すると、冷房時には、
蒸発器２より生じたドレン水は、蒸発器用ドレンパン４
にたまりドレンパイプ５により下部ドレンパン６に導入
される。下部ドレンパン６にたまったドレン水に、スプ
ラッシャモータ８により回転させられるディスク７が接
触し、ドレン水は細かい水滴となり、凝縮器３にかか
る。凝縮器３にかけられた水滴は凝縮器３の熱により蒸
発する。

【０００９】室内側室１２から流入した室内の空気は蒸
発器２により冷却され室内吹出口１４より室内に吹出
し、また室外側室１５より流入した室外の空気は凝縮器
３により加熱され室外吹出口１５より吹出す。

【００１０】図６で水のかき上げを説明するとスプラッ
シャモータ８の動作することにより、モータ軸９が回転
し、ディスク７が回転しドレン水がかき上げられる。そ
の際、溝１４は水の汲み上げを助ける。

【００１１】即ち、最終的なドレン排水を、外部へドレ
ンパイプを設けることなく、ルームエアコン自体で処理
できるよう構成されている。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の窓掛形ルー
ムエアコンには解決すべき次の課題があった。

【００１３】即ち、従来の上記ルームエアコンでは、冷
房時には十分なドレン排水の作用を果たすものの、暖房
時には蒸発器２と凝縮器３の作用が逆になるため、蒸発
器（吸熱側）となった凝縮器３が、湿度の低い寒冷期と
は云え、大気温に比し十分に低温の表面にフロストを生
じ、デフロスト運転によってドレン水を生じるが、これ
を低温の凝縮器３にかけても蒸発消散しないばかりか、
凍りつく原因になるという問題があった。

【００１４】本発明は上記課題を解決した一体（蒸発器
と凝縮器を一体的に内蔵）形空気調和機を提供すること
を目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題の解決
手段として次の（１）〜（３）に記載の一体形空気調和
機を提供しようとするものである。

【００１６】（１）．蒸発器及び凝縮器を内蔵してなる
一体形空気調和機において、空気調和機本体の外面に開
口する排出口を有するケーシング内にスプラッシャディ
スクとファン用羽根とを備え、モータにより回転駆動さ
れる回転体を設けてなる噴霧化ユニットを前記空気調和
機本体内に設置すると共に、前記蒸発器及び凝縮器の下
部にそれぞれ設置したドレンパンをドレンパイプを介し
て前記噴霧化ユニットのケーシングに連通してなること
を特徴とする一体形空気調和機。

【００１７】（２）．上記（１）記載の一体形空気調和
機において、ケーシングをうず巻状ケーシングとなし、
前記スプラッシャディスクの側面にターボファン用羽根
を設けて、前記噴霧化ユニットを構成してなることを特
徴とする一体形空気調和機。

【００１８】（３）．上記（１）記載の一体形空気調和
機において、噴霧化ユニットを空気調和機本体内の下部
に設置し、その排出口を同本体の後面に面して開口して
なることを特徴とする一体形空気調和機。

【００１９】

【作用】本発明は上記のように構成されるので次の作用
を有する。

【００２０】（１）．上記（１）の構成にあっては空気
調和機本体の外面に開口する排出口を有するケーシング
内にスプラッシャディスクとファン用羽根とを備え、モ
ータにより回転駆動される回転体を設けてなる噴霧化ユ
ニットを前記空気調和機内に設けるのでモータを作動さ
せるとスプラッシャディスクとファン用羽根が回転し、
いわば遠心送風体となって上記排出口から高速風等を排
出可能状態となる。

【００２１】一方、蒸発器、凝縮器の下部にそれぞれ設
置したドレンパンをドレンパイプを介して噴霧化ユニッ
トのケーシングに連通するため、蒸発器、凝縮器の何れ
のドレン水も噴霧化ユニットのケーシング内に導かれて
溜まる。すると、上記噴霧化ユニットのスプラッシャデ
ィスクに、溜まったドレン水が触れ、回転するファン等
によって遠心力により霧化されると共に高速風と共に排
出口から機外へ排出されてゆく。

【００２２】即ち、冷房時、暖房時の別なく、ドレン水
は機外へ排出され得る。

【００２３】（２）．上記（２）の構成にあっては上記
（１）の構成の噴霧化ユニットのケーシングをうず巻状
に形成し、かつスプラッシャディスクの側面にターボフ
ァン用羽根を設けるため、吸込み空気及び霧化されたド
レン水の流れが渦や乱れを生じることなく遠心状にスム
ースに膨張し流出してゆくので、ドレン水の微細霧化が
一層能率的に助長され、かつ、最小の動力によって、即
ち、動力損失を殆ど伴うことなく排出されてゆく。

【００２４】（３）．上記（３）の構成にあっては上記
（１）の構成の噴霧化ユニットを空気調和機本体内の下
部に設置し、その排出口を同本体の後面に面して開口す
るため、蒸発器、凝縮器のドレン水の誘導、貯留が容易
でかつ、一般的に大気との熱交換側となる背面（後面）
に霧化されたドレン排水が出るため、即、屋外への排出
となって非常に実際的である。

【００２５】

【実施例】本発明の一実施例を図１〜図４により説明す
る。なお、従来例と同様の構成部材には同符号を付し、
必要ある場合を除き説明を省略する。

【００２６】図１は本実施例の側断面図、図２は本実施
例の後面図、図３は図１に示されるドレン水噴霧化ユニ
ット２７の拡大側断面図、図４は図３に示されるドレン
水噴霧化ユニット２７の要部を図３の左から見た一部破
断図（正面図）である。

【００２７】説明は各図において先ず部材の名称を列記
し、次いでそれら相互の構成を述べることにより行な
う。

【００２８】図１において、１７はうず巻状のケーシン
グ、１８は水をかき上げるための円盤、２０は水滴排出
口、２１は凝縮器用ドレンパン、２２は円盤１８を回転
するモータ、２７はドレン水噴霧化ユニットである。そ
れ以外の構成は上記従来例と同様である。

【００２９】即ち、窓掛形ルームエアコン本体１内は仕
切板１０により室内側室１２と室外側室１３が分離され
ている。室内側室１２の側には蒸発器２があり、その下
には蒸発器用ドレンパン４が配設されている。

【００３０】室外側室１３の側には、凝縮器３があり、
その下には凝縮器用ドレンパン２１が配設されている。

【００３１】窓掛形ルームエアコン本体１の下方には、
ドレン水噴霧化ユニット２７があり、うず巻状のケーシ
ング１７が配設されており、その内側には円盤１８が収
納されている。円盤１８とモータ２２とはモータ軸９で
接続されている。

【００３２】蒸発器用ドレンパン４および凝縮器用ドレ
ンパン２１にはドレンパイプ５が接続されている。その
ドレンパイプ５の片端は、ケーシング１７に接続されて
おり、ドレン水はケーシング１７の底部に留まる構造と
なっている。

【００３３】図２において、１６はファン、１９はファ
ンモータ、２０はドレン水噴霧化ユニット２７の水滴排
出口である。

【００３４】即ち、窓掛形ルームエアコン本体１の後面
には凝縮器３とファン１６が配設されている。ファン１
６はファンモータ１９により駆動される。

【００３５】窓掛形ルームエアコン本体１の下部には、
ドレン水噴霧化ユニット２７がありケーシング１７およ
び円盤１８が配設されている。

【００３６】ケーシング１７の水滴排出口２０は本体１
の外面（後面）に面するように配設される。

【００３７】図３において、２３はスプラッシャディス
ク、２４はターボファン、２５は水切板、２６は空気吸
込口である。

【００３８】即ち、円盤１８はスプラッシャディスク２
３とターボファン２４とが一体となって構成されてい
る。円盤１８はモータ２２のモータ軸９に接続されてい
る。円盤１８はケーシング１７内に収納されており、そ
の下部にはドレンパイプ５が接続されている。ケーシン
グ１７のターボファン２４がある方には空気吸込口２６
が設けられている。またケーシング１７の上部には水滴
排出口２０が設けられている。

【００３９】図４において、ターボファン２４には図示
のような翼が設けられているとともにスプラッシャディ
スク２３には図示のような溝１４が設けられていること
が好ましい。

【００４０】次に上記構成の作用について説明する。

【００４１】先ず、冷房時には、蒸発器２により生じた
ドレン水は蒸発器用ドレンパン４にたまり、ドレンパイ
プ５によりドレン水噴霧化ユニット２７のケーシング１
７の下部にたまる。そのドレン水はモータ２２によって
回転するスプラッシャディスク２３により微粒化した水
滴となり、ターボファン２４の作用により送風され、水
滴排出口２０から窓掛形ルームエアコン本体１の機外に
排出される。

【００４２】次に暖房時には凝縮器３は冷媒回路の逆サ
イクルにより蒸発器の作用に変わり、デフロスト水が凝
縮器用ドレンパン２１にたまり、上記と同様にドレンパ
イプ５を通ってケーシング１７の下部にたまる。この結
果、上記と同様にドレン水はスプラッシャディスク２３
で微粒化した水滴となり、機外に排出される。

【００４３】以上の通り、本実施例によれば蒸発器２、
凝縮器３の何れのドレン水もケーシング１７内に導いて
溜め、ドレン水噴霧化ユニット２７により、微細水滴と
して直接、水滴排出口２０から屋外へ排出するので従来
のように暖房時は排水困難に陥るといった不具合がな
く、冷・暖房何れの場合も排水できるという利点があ
る。

【００４４】また、冷・暖房何れの場合も排水できるの
で、屋外に向って長いドレン排水パイプを施設したり、
空調機に暖房使用の季節に大きなドレンタンクを用意し
たり、或は手作業でドレン水を投棄したりする必要がな
いという利点がある。

【００４５】また、冷・暖房運転とは拘りなく独立して
ドレン排水できるという利点がある。

【００４６】

【発明の効果】本発明は上記のように構成されるので次
の効果を有する。

【００４７】即ち、空気調和機本体の外面に開口する排
出口を通じ、蒸発器、凝縮器のドレン水を噴霧化ユニッ
トで直接、機外、即ち屋外へ排出するので、冷房時、暖
房時の何れを問わず排水できる。

【００４８】また、空気調和機本体から直接、ドレン水
を霧化して排出するのでドレンパイプを屋外に誘導施設
する必要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の側断面図、

【図２】上記実施例の後面図（図１の右側面図）、

【図３】図１に示されるドレン水噴霧化ユニット２７の
拡大側断面図、

【図４】図３に示されるドレン水噴霧化ユニット２７の
要部を図３の左から見た一部破断図（正面図）、

【図５】従来例の側断面図、

【図６】図５のスプラッシャ機構（ディスク７等）の拡
大斜視図である。

【符号の説明】

１ 窓掛形ルームエアコン ２ 蒸発器 ３ 凝縮器 ４ 蒸発器用ドレンパン ５ ドレンパイプ ９ モータ軸 １０ 仕切板 １２ 室内側室 １３ 室外側室 １４ 溝 １７ ケーシング １８ 円盤 ２０ 水滴排出口 ２１ 凝縮器用ドレンパン ２２ モータ ２３ スプラッシャディスク ２４ ターボファン ２５ 水切板 ２６ 空気吸込口 ２７ ドレン水噴霧化ユニット

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蒸発器及び凝縮器を内蔵してなる一体形
   空気調和機において、空気調和機本体の外面に開口する
   排出口を有するケーシング内にスプラッシャディスクと
   ファン用羽根とを備え、モータにより回転駆動される回
   転体を設けてなる噴霧化ユニットを前記空気調和機本体
   内に設置すると共に、前記蒸発器及び凝縮器の下部にそ
   れぞれ設置したドレンパンをドレンパイプを介して前記
   噴霧化ユニットのケーシングに連通してなることを特徴
   とする一体形空気調和機。
2. 【請求項２】 請求項１記載の一体形空気調和機におい
   て、ケーシングをうず巻状ケーシングとなし、前記スプ
   ラッシャディスクの側面にターボファン用羽根を設け
   て、前記噴霧化ユニットを構成してなることを特徴とす
   る一体形空気調和機。
3. 【請求項３】 請求項１記載の一体形空気調和機におい
   て、噴霧化ユニットを空気調和機本体内の下部に設置
   し、その排出口を同本体の後面に面して開口してなるこ
   とを特徴とする一体形空気調和機。