JPH08135950A - Frp廃船の焼却処理装置及び焼却処理方法 - Google Patents

Frp廃船の焼却処理装置及び焼却処理方法

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Publication number
JPH08135950A
JPH08135950A JP30160194A JP30160194A JPH08135950A JP H08135950 A JPH08135950 A JP H08135950A JP 30160194 A JP30160194 A JP 30160194A JP 30160194 A JP30160194 A JP 30160194A JP H08135950 A JPH08135950 A JP H08135950A
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JP
Japan
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frp
ship
heating chamber
abandoned
combustion chamber
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Application number
JP30160194A
Other languages
English (en)
Inventor
Kanji Takano
完司 鷹野
Takeshi Tsuda
猛 津田
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YAMAGUCHI PREF GOV SANGYO GIJU
YAMAGUCHI PREF GOV SANGYO GIJUTSU KAIHATSU KIKO
Original Assignee
YAMAGUCHI PREF GOV SANGYO GIJU
YAMAGUCHI PREF GOV SANGYO GIJUTSU KAIHATSU KIKO
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 FRP廃船の焼却処理をコンパクトな処理装
置により実施し、省力化、省エネ化及び無公害化を図
る。 【構成】 熱分解加熱室(一次燃焼ガス化室)2を横型
円筒形窯構造とし、側面の開閉扉6を開き、引込用台車
7にFRP廃船Sを上載して、その燃焼室2bにまるご
と装入し、開閉扉6を閉封し、廃船Sに着火した後はF
RPの自燃性を利用し、制限量のエアーを供給して熱分
解し、可燃性ガスとする。二次燃焼室3ではその可燃性
ガスをLPGバーナーで着火燃焼し、また煙道式の三次
燃焼室4で更に完全燃焼し、その後サイクロン5を介し
無公害化して大気中へ放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FRP(強化プラスチ
ック)製の廃船、すなわちFRP廃船を熱分解加熱室で
丸ごと焼却処理して可燃物は可燃性ガスにガス化する一
方、不燃物は残滓として集合回収し、さらに必要に応じ
て前記可燃性ガスを二次燃焼室であるいはさらに三次燃
焼室に導き、簡易かつ完全に燃焼させるごとくしたFR
P廃船の焼却処理装置及び焼却処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、F
RP廃船は破砕剪断等により一定の大きさのチップ状に
前処理してから焼却装置に投入され焼却処理されてい
た。従来はかかる前処理設備を必要とするため、処理設
備全体の規模が大きくなり、高価となっていた。加え
て、破砕する際に発生する粉塵は二次公害や職業病にも
発展しかねず、公害問題を発生する恐れがあった。また
従来は、FRP廃船を破砕剪断する前処理工程で、エン
ジン等の金属製品並びに装備を艤装解除していたので、
作業コストが更に高くなっていた。一方、FRP舟艇が
採用されてから30余年を経過し、現在国内ではFRP
廃船は約1万隻にのぼり、年を追う毎に急速に増加の傾
向にあって、その廃船処理が関連業界を始め、大きな社
会問題となっているが、現状ではFRP廃船の焼却、残
滓処理に関し、有効な処理方法が確立されておらず、有
効な廃船処理装置の出現が期待されている。
【0003】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は上記課
題の解決を目的とするものであって、先ずFRP廃船を
丸ごと熱分解加熱処理することにより、従来艤装解除や
チップ状に破砕剪断するために必要とした前処理設備や
破砕等前処理の手間を不要として省力化、省エネ化を図
るようにしたものである。すなわち前記課題は以下の構
成の本発明により解決できる。 (1)FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸法の熱分解
加熱室とFRP廃船の熱分解加熱手段と熱分解加熱室内
へFRP廃船を導入する誘導手段とを備えてなることを
特徴とするFRP廃船の焼却処理装置。 (2)FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸法の熱分解
加熱室(一次燃焼室)とFRP廃船の熱分解加熱手段と
熱分解加熱室内へFRP廃船を導入する誘導手段と熱分
解加熱室に付設された二次燃焼室とを備えてなり、熱分
解加熱室ではFRP廃船をそのまま熱分解加熱処理して
可燃ガスを含む可燃性ガスと不燃性残滓とを生成せし
め、二次燃焼室では熱分解加熱室からの可燃性ガスを再
燃焼させるごとくしたことを特徴とするFRP廃船の焼
却処理装置。 (3)FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸法の熱分解
加熱室とFRP廃船の熱分解加熱手段と熱分解加熱室内
へFRP廃船を導入する誘導手段と熱分解加熱室に付設
された二次燃焼室と二次燃焼室の後部に連接された(煙
道式)三次燃焼室と三次燃焼室の後部に連接されたサイ
クロン装置とを備えてなり、熱分解加熱室ではFRP廃
船をそのまま加熱熱分解処理して可燃ガスを含む可燃性
ガスと不燃性残滓とを生成せしめ、二次燃焼室では熱分
解加熱室からの可燃性ガスを燃焼させ、三次燃焼室では
二次燃焼室からの排出ガスを完全燃焼させかつ亜硫酸ガ
ス等の有害ガスを触媒により除去し、サイクロン装置で
は三次燃焼室からの排出ガス中のスラグ微粉末等の不燃
性微粒粉塵を除去して、無公害化したガスを大気中へ放
出するごとくしたことを特徴とするFRP廃船の焼却処
理装置。 (4)熱分解加熱室が、横型円筒形の窯であり、側面に
開閉扉を備え、室内の中央沿線底部にFRP廃船を上載
する引込用台車と走行自在な引込レールとからなる誘導
手段を敷設してなることを特徴とする上記第1項ないし
第3項のいずれかに記載のFRP廃船の焼却処理装置。 (5)室外に、室内の引込レールに接続可能な補助引込
レール台を並設し、室外から引込用台車を介しFRP廃
船を押入可能とした構成を特徴とする第4項記載のFR
P廃船の焼却処理装置。 (6)熱分解加熱室内に、着火用具と空気供給管が配設
されてなることを特徴とする第1項1ないし第5項のい
ずれかに記載のFRP廃船の焼却処理装置。 (7)熱分解加熱室内に、非常消火用水兼洗浄用水とし
て切換え使用可能な冷却水供給管が配設されてなること
を特徴とする第1項ないし第6項のいずれかに記載のF
RP廃船の焼却処理装置。 (8)請求項1ないし7のいずれかに記載のFRP廃船
の焼却処理装置を搭載してなることを特徴とするFRP
廃船の焼却処理装置を搭載したFRP廃船処理船舶。 (9)FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸法の熱分解
加熱室内で、加熱熱分解処理することを特徴とするFR
P廃船の焼却処理方法。 (10)FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸法の熱分
解加熱室内で、引込用台車と走行自在な引込レールとか
らなる誘導手段の引込用台車にFRP廃船を上載したま
ま熱分解加熱処理することを特徴とするFRP廃船の焼
却処理方法。 (11)熱分解加熱室の上部に配設された二次燃焼室
へ、熱分解加熱室からの可燃ガスを含む可燃性ガスを導
入して再燃焼させることを特徴とする第10項記載のF
RP廃船の焼却処理方法。 (12)熱分解加熱室に丸ごと収容されたFRP廃船に
着火後は、空気供給管からのエアーの供給のみで加熱熱
分解処理することを特徴とする第9項ないし第11項の
いずれかに記載のFRP廃船の焼却処理方法。 (13)第1項ないし第7項のいずれかに記載のFRP
廃船の焼却処理装置を船舶に搭載して同船舶上でFRP
廃船を焼却することを特徴とする第9項ないし第12項
のいずれかに記載のFRP廃船の焼却処理方法。
【0004】上記のごとく、本発明ではFRP廃船を丸
ごと収容可能な熱分解加熱室を用意し、解体等の必要な
しに簡易かつ有効に可燃性ガスと不燃物とに分離回収で
きるようにしたものである。そして、船舶上に上記本発
明FRP廃船焼却処理装置を搭載して、同船舶をFRP
廃船の所在場所へ自由に移動させ、FRP廃船を積載し
て適宜場所で焼却処理することが提案される。従来の単
なる焼却窯を大型化する発想では燃焼温度が不均一にな
り過ぎたり、高温になり過ぎたりして、ガラス繊維の溶
融、炉の劣化等が起こり、FRPの焼却には不向きであ
った。そこで、本発明の熱分解加熱室ではFRPの自燃
性を利用し、着火後はエアーの供給のみで熱分解加熱処
理させることができる。エアーの供給制御により不十分
量の空気を供給しつつむし焼き状態を持続し、FRPの
樹脂成分を一部自燃させつつ樹脂成分を熱分解させて可
燃ガスを含む可燃性ガスを生成するようにした。そし
て、そのとき副産するガラス繊維、金属等の残滓は、熱
分解加熱室の底部、特に横型円筒形窯の中央沿線底部に
設けた回収溝に重力的に集積させて回収可能とするなど
により、大電力、大量の燃焼を要さない省エネ方式によ
りFRP廃船を丸ごと焼却処理を可能としたものであ
る。
【0005】本発明では、熱分解加熱室にFRP廃船を
丸ごと収容した後に、燃焼用ブロワーで空気を送給し、
着火用LPGバーナー等の着火具で廃船に着火する。F
RP廃船は330℃程度で燃焼し始めるので、その燃焼
状況によりブロワーの空気供給量を制御調整し、400
℃程度に加熱してFRP廃船の合成樹脂分を熱分解処理
して可燃ガスを含む可燃性ガスを生成させる。熱分解加
熱室に丸ごと収容されたFRP廃船の材料主成分はFR
P材と金属であって、FRP材のうちの不燃性のグラス
ウール、金属等は残留し、合成樹脂成分は熱分解処理し
て可燃ガスを含む可燃性ガスを生成する。さらにこの熱
分解加熱処理で、合成樹脂成分の自燃と熱分解が進んで
可燃性ガスが生成するとともに、分解油分が液状物とし
て回収される。また、残留するグラスウールは、熱分解
室の中央沿線下部に集積物として重力的に集積回収され
る。 そして、不燃のまま該廃船を積載した引込用台車と共
に熱分解室内に残存した金属材は、後で装置外において
回収される。 熱分解加熱室で発生した可燃性ガスは、煙道を通して二
次燃焼室に送ることができるが、二次燃焼室では十分量
の空気が供給され、LPGバーナー等の着火具による着
火で440℃程度に加熱燃焼され、ほとんどが燃焼され
る。なお、燃焼時の発生エネルギーは、温水製造・過熱
水蒸気製造等に利用できる。しかし、二次燃焼室で燃焼
除去できなかった残留ガスは、煙道をLPGバーナー等
で加熱する煙道式三次燃焼室を通して、更に燃焼するこ
とができる。三次燃焼室でも燃焼除去できなかったさら
なる残留ガスに対しては、例えばクーリングサイクロン
方式集塵器を介し、含有有機物を触媒体で除去すると共
に、微粒粉塵をサイクロン方式で採集除去し、最終的に
無公害化させて大気中へ放出することができる。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき以下に詳述す
る。図1は本発明実施例のFRP廃船の焼却処理装置の
構成説明図であって、図中、1は焼却処理装置、2はそ
の熱分解加熱室(一次燃焼ガス化室)、3は二次燃焼
室、4は三次燃焼室、5はクーリングサイクロン、6は
開閉扉、7は引込用台車、8は引込レール、9は引込レ
ール台である。熱分解加熱室2はFRP廃船Sを丸ごと
導入でき、高効率に燃焼し易いように横長の長方形状の
本体2aに円筒穴状の熱分解燃焼室2bを内設した横型
円筒形窯となっている。かつ、熱分解燃焼室2bの側面
には導入口2cが開口され、監視窓6aを備えた開閉扉
6が付設されている。なお、6bは開閉扉を気密に閉止
するための締付金具である。また、熱分解燃焼室2bの
室内底部の両側に対向して段部2dが形設され、各段部
2d、2dの上面には引込レール8、8が敷設されてい
て、FRP廃船Sを積載した引込用台車7が走行可能と
なっている。なお、7a、7aは台車7の両側の車輪
で、前記レール8、8上を転動する。本発明では、FR
P廃船Sは引込用台車7を介して丸ごと熱分解燃焼室2
bに導入可能であり、導入後は該廃船Sを台車7と共に
一括熱分解加熱処理するごとくなっている。また、FR
P廃船Sを引込用台車7と共に一括処理する場合、熱分
解燃焼室2b内を400℃程度にしてFRP廃船Sを熱
分解処理するが、鋼製の台車7は400℃程度では不燃
で損傷することもなくそのまま残存し、繰返し使用可能
である。また、熱分解燃焼室2b内の中央沿線下の最底
部には断面U字状の回収溝2eが掘設されていて、FR
P廃船Sの加熱処理により発生したグラスウール等の残
滓(図示せず)は落下集積され、回収可能としている。
【0007】熱分解加熱室2の室外の、導入口2cの前
方には、複数個の脚9aに支えられ、熱分解燃焼室2b
の段部2と同一高さに設置された補助引込レール台9が
移動可能に並設されている。かつまた、該レール台9の
上面には熱分解燃焼室2bの引込レール8、8と同一形
状で接続可能な延長レール9b、9bが並んで敷設され
ている。該補助引込レール台9は開閉扉6を開閉すると
きは邪魔になるので離しておき、開閉扉6の全開後は当
接させて、その延長レール9b、9bを引込レール8、
8に接続する。かくして、熱分解燃焼室2b内にある引
込用台車7は延長レール9b、9bの末端位置Eまで移
送可能となり、該E位置で熱分解加熱処理しようとする
FRP廃船Sを積載し、熱分解燃焼室2b内に移送した
後に、補助引込レール台9が離され、開閉扉6が閉止さ
れて丸ごと熱分解加熱処理が可能となる。
【0008】熱分解加熱室2は廃船を自燃させるための
着火装置として、熱分解燃焼室2bの内周壁の両側各3
ケ所に対向して、着火用LPGガスバーナー10を設置
すると共に、内周壁に沿い、奥壁から投入口2cにむか
って、上部に2ケ所、下部に1ケ所平行に、多数個のシ
ャワー噴出用ノズル12(図7)をそれぞれ並設した3
本の空気供給管11を室内へのエアー放出用として配設
する。なお、上部2本の空気供給管11、11は室外に
付設した燃焼用ブロワー13と開閉弁14を介して連結
され、下部1本の空気供給管11は直接にブロワー13
と連結して上下3本全部に空気が供給される。また、上
部2本の空気供給管11、11は切換弁15を介して本
体2aの冷却ジャケット構造(図8)に対する冷却水循
環用として併設された消火兼循環ポンプ16及びクーリ
ングタワー17、さらに、開閉弁18を介して補水タン
ク19と連結されている。そこで、開閉弁14を閉止
し、切換弁15を冷却水供給に切替えると、燃焼用ブロ
ワー13に代り消火兼循環ポンプ16及びクーリングタ
ワー17と連結し、エアーに代わり冷却水が供給され、
上部2本の空気供給管11、11は非常消火兼洗浄用水
供給管として使用可能となる。
【0009】次に、熱分解加熱室2の内寄り、外寄り2
ケ所の天井孔2f、2fに鉛直に配管された2本の煙道
20、20は、上方に立設された頭部が半球状の円筒形
タンク体からなる二次燃焼室3の下部2ケ所に対向穿設
された入口3a、3aに配管され、熱分解燃焼室2bの
発生ガスを煙道20、20を介して上方の二次燃焼室3
に排出可能としている。また、煙道20、20の途中の
下方には、それぞれエゼクト用ブロワー21、21が配
設されてガスの排出を助け、更に、上方にはそれぞれL
PGバーナー22、22が配設されて、熱分解燃焼室2
bから排出される黒煙(有害)ガスを440℃に加熱
し、二次燃焼室3で完全燃焼可能としている。また二次
燃焼室3のタンク体の上部に出口3bが穿設され、三次
燃焼室4の上部の入り口4aとの間に煙道23が配管さ
れ、二次燃焼室3で燃焼除去できなかった残留ガスを三
次燃焼室4に流出させて燃焼させるごとくしている。
【0010】円筒タンク体からなる三次燃焼室4の内部
には、上方の入口4aと下方の出口4bの間に案内板4
cが螺旋状に内設され、煙道4dを形成している。ま
た、前記煙道23の入口4aの前方にブロワー24が介
設されて、前記二次燃焼室3の残留ガスはブロワー24
により三次燃焼室4の入口4aから出口4bに向かって
煙道4d内を圧送される。また、煙道4dにはLPGバ
ーナー25が介設されていて、煙道4dを通過する残留
ガスを完全燃焼させる。
【0011】本装置では、三次燃焼室4の次にクーリン
グサイクロン5を連設し、熱分解加熱室2、二次燃焼室
3、及び三次燃焼室4を介して除去できなかったスラグ
微粉末等の不燃性微粒粉塵を除去し、かつ亜硫酸ガス等
の有害ガスを除去し、無公害化したガスを大気中へ放出
している。三次燃焼室4の出口4bとクーリングサイク
ロン5の入口5aの間には煙道26が配管され、三次燃
焼室4からの排出ガスをサイクロン5に誘導する。サイ
クロン5の内部の入口5aに隣接したガス通路には触媒
体(図示せず)が装着されている。またサイクロン5の
内部には回転流式集塵装置(図示せず)が備設され、流
入する排出ガスに遠心力を付与し、ガス中の微粒粉塵を
分離捕集させて、ホッパー5cから回収すると共に、無
公害化された処理ガスは排気クーリングタワー5dを介
し、出口5bから大気中に放出される。
【0012】図2は本発明焼却処理装置の実施例の一部
断面表示の正面図であって、熱分解加熱室2の本体2a
の上面には二次燃焼室3、三次燃焼室4及びサイクロン
5のすべてを記載している。図3は図2の上面図、図4
は図2の一部断面右側面図、図5は図2の開閉扉(かん
のん開き)を閉止した状態の左側面図である。図中、2
7(図2、図3参照)はエゼクト用ノズルであって、煙
道20内に挿着され、載設された5台のうちの2台のエ
ゼクト用ブロワー21、21(図3)と個々に連結配管
され、煙道20内にエアーを送ってガスの排出を助け
る。28は冷却ジャケット構造(図8)となっている本
体2aのエアー抜きであり、29は熱分解燃焼室2bの
安全弁である。また30(図3)はLPGタンクであ
る。なお、図2の構造では三次燃焼室4は水平に設置さ
れている。また、図2及び図4に例示される空気供給管
11に関しては、上部の2本はそのまま室内に露出配管
されているが、下部の供給管11は円筒内壁の裏側に埋
設されたエアーチャンバー31に形を変えて、室内に露
出配管されていない。エアーチャンバー31、31は円
筒内壁の下部の左右の裏側に沿って箱状に形設され、入
口側に介設されたエアータンク32に連通し、更に燃焼
用ブロワー13と連結して直接にエアーを供給される。
また、エアーチャンバー31の内壁には4列に多数個の
ノズル口33が開口されていて、該ノズル口33を介し
て室内にエアーが放出される。
【0013】また図6は本発明装置の他の実施例の上面
図である。図中、34は制御盤で別置の発電機35と結
線され、本装置をどの場所に移動しても運転可能として
いる。また図6においては、本体2aの上面は周縁を高
くして水きり36を突設し、上面に漏出した水、油等を
溜め、戻しパイプ37で回収し、濾過装置38を介して
その油分を油回収タンク39に回収して資源の活用をは
かっている。また本体上面の周縁に保護手摺を設ける
(図示せず)ことは安全上好ましい。また、43は吊ピ
ースである。また図7はシャワー噴出用ノズル12の詳
細図(図1のP部分)であって、空気供給管11に配設
され、多数のシャワー孔12aを介してエアーを放出す
る。また、図8は図1の本体2aの冷却ジャケット構造
に関する要部断面図示の説明図であって、本体2aを角
筒外壁体2tの中心に円筒内壁体2sを内設した箱状体
の銅板構造に形成し、その中間部2uには消火兼循環ポ
ンプ16等(図1)により冷却水を循環させて、本体2
aを水冷させる水冷ジャケット構造となっている。また
図中、40は中間部2u内の長手方向に埋設された複数
本の空気供給管であって、図4のエアーチャンバー31
の構造に代わるものであり、本体2aの背面で図1と同
様にエアー供給源である燃焼用ブロワー13に連結配管
(図示せず)されている。また空気供給管40からは円
筒内壁体2sに向って多数個のノズル管41が分岐され
ていて、その先端部の壁体2sには6φ〜8φのノズル
口42が開口されている。該ノズル口42から室内中心
に向けてエアーが放出される。
【0014】なお、一般的なFRP船の構成材料組成
は、表1に記載するごときものであり、可燃物(熱分解
性材料)が約60%を占めており、その内訳はFRP樹
脂としてのポリスチレン系樹脂、塩化ビニル等であり、
また不燃物は約40%で、金属としての鉄、ガラス、F
RP補強材としてのグラスウール等である。
【0015】
【表1】
【0016】前記実施例においてFRP廃船を熱分解加
熱室2内で、制限された空気供給下(空気供給量≡約
%)、約400℃で自燃させる熱分解処理をしたとこ
ろ、生成した可燃性ガス(可燃ガスを含むガス)は分析
の結果、表2に示す組成のとおりであった。表2の分析
結果から見ても、該可燃性ガスは、一酸化炭素、メタ
ン、水素、エチレン等の可燃ガスを約50%含有してお
り、該可燃性ガスは燃エネルギー源として大いに利用で
きるものであることが解った。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明は上記の構成であるので、以下の
諸効果が期待できる。 1.本発明ではFRP廃船を艤装解除しなくて丸ごと有
姿状態で熱分解加熱室へ導入して加熱処理させるもので
あるから、廃船の分解、破砕等の手間がかからず、焼却
作業を簡単かつ効率よく遂行できる。 2.熱分解加熱室をFRP廃船を引込用台車に上載して
導入可能な横型円筒形の窯に構成することにより、かつ
該廃船を丸ごと有姿状態で引込用台車に上載したまま熱
分解処理することにより、操作性が抜群に優れ、高効率
で焼却処理ができる。 3.FRP廃船の丸ごと導入熱分解・焼却処理により、
破砕、粉砕に伴う公害発生の恐れがなく、特に一次から
三次までの熱分解・燃焼処理と最終のサイクロン処理を
採用することにより有害発生ガスは完全に除去され、全
く二次公害を発生させる恐れがない。 4.熱分解加熱室ではFRP廃船に着火するのみで、そ
の後はFRP廃船の自燃性により熱分解燃焼させること
ができるから、着火後はエアー供給のみで済むために燃
料がかからず省エネ効果が高い。 5.エアー供給用の空気供給管を、冷却水供給ポンプへ
の切換えにより非常消火兼洗浄管として兼用することに
より、コンパクトな構造にもかかわらず作業性・安全性
に優れる。 6.本発明FRP廃船焼却処理装置を搭載した船舶を使
用すれば、同船舶をFRP廃船の所在場所へ自由に洋上
移動させ、適宜場所で積載FRP廃船を熱分解・燃焼焼
却処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のFRP廃船の焼却処理装置の構
成説明図である。
【図2】本発明実施例装置の一部断面正面図である。
【図3】図2の上面図である。
【図4】図2の一部断面右側面図である。
【図5】図2の左側面図である。
【図6】本発明装置の他の実施例の上面図である。
【図7】シャワー噴出用ノズルの詳細図である。
【図8】熱分解加熱室の要部説明断面図である。
【符号の説明】
1 実施例の焼却処理装置 2 熱分解加熱室(一次燃焼ガス化室) 2a 本体 2b 熱分解燃焼室 2c 導入
口 2d 段部 2e 回収
溝 2f 天井孔 2s 円筒
内壁体 2t 角筒外壁体 2u 中間部(水冷ジャケット構造) 3 二次燃
焼室 3a 入口 3b 出口 4 三次燃焼室 4a 入口 4b 出口 4c 案内
板 4d 煙道 5 サイ
クロン 5a 入口 5b 出口 5c ホッパー 5d クー
リングタワー 6 開閉扉 6a 監視
窓 6b 締付金具 7 引込
用台車 7a 車輪 8 引込
みレール 9 補助引込レール台 9a 脚 9b 延長レール 10 着火
用LPGバーナー 11 空気供給管 12 シャ
ワー噴出用ノズル 12aノズル孔 13 燃焼
用ブロワー 14 開閉弁 15 切換
弁 16 消火兼循環ポンプ 17 クー
リングタワー 18 開閉弁 19 補水
タンク 20 煙道 21 エゼ
クト用ブロワー 22 LPGバーナー 23 煙道 24 ブロワー 25 LP
Gバーナー 26 煙道 27 エゼ
クターノズル 28 エアー抜き 29 安全
弁 30 LPGタンク 31 エア
ーチャンバー 32 エアータンク 33 ノズ
ル口 34 制御盤 35 発電
機 36 水切り 37 戻し
パイプ 38 濾過装置 39 油回
収タンク 40 空気供給管 41 ノズ
ル管 42 ノズル口 43 吊ピ
ース S FRP廃船 E 末端位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 5/16 E 5/32 ZAB

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸法
    の熱分解加熱解室とFRP廃船の熱分解加熱手段と熱分
    解加熱室内へFRP廃船を導入する誘導手段とを備えて
    なることを特徴とするFRP廃船の焼却処理装置。
  2. 【請求項2】 FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸法
    の熱分解加熱室(一次燃焼室)とFRP廃船の熱分解加
    熱手段と熱分解加熱室内へFRP廃船を導入する誘導手
    段と熱分解加熱室に付設された二次燃焼室とを備えてな
    り、熱分解加熱室ではFRP廃船をそのまま加熱熱分解
    処理して可燃ガスを含む可燃性ガスと不燃性残滓とを生
    成せしめ、二次燃焼室では熱分解加熱室からの可燃性ガ
    スを再燃焼させるごとくしたことを特徴とするFRP廃
    船の焼却処理装置。
  3. 【請求項3】 FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸法
    の熱分解加熱室とFRP廃船の熱分解加熱手段と熱分解
    加熱室内へFRP廃船を導入する誘導手段と熱分解加熱
    室に付設された二次燃焼室と二次燃焼室の後部に連接さ
    れた(煙道式)三次燃焼室と三次燃焼室の後部に連接さ
    れたサイクロン装置とを備えてなり、熱分解加熱室では
    FRP廃船をそのまま加熱熱分解処理して可燃ガスを含
    む可燃性ガスと不燃性残滓とを生成せしめ、二次燃焼室
    では熱分解加熱室からの可燃性ガスを燃焼させ、三次燃
    焼室では二次燃焼室からの排出ガスを完全燃焼させかつ
    亜硫酸ガス等の有害ガスを触媒により除去し、サイクロ
    ン装置では三次燃焼室からの排出ガス中のスラグ微粉末
    等の不燃性微粒粉塵を除去して、無公害化したガスを大
    気中へ放出するごとくしたことを特徴とするFRP廃船
    の焼却処理装置。
  4. 【請求項4】 熱分解加熱室が、横型円筒形の窯であ
    り、側面に開閉扉を備え、室内の中央沿線底部にFRP
    廃船を上載する引込用台車と走行自在な引込レールとか
    らなる誘導手段を敷設してなることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載のFRP廃船の焼却処理装
    置。
  5. 【請求項5】 室外に、室内の引込レールに接続可能な
    補助引込レール台を並設し、室外から引込用台車を介し
    FRP廃船を押入可能とした構成を特徴とする請求項4
    記載のFRP廃船の焼却処理装置。
  6. 【請求項6】 熱分解加熱室内に、着火用具と空気供給
    管が配設されてなることを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれかに記載のFRP廃船の焼却処理装置。
  7. 【請求項7】 熱分解加熱室内に、非常消火用水兼洗浄
    用水として切換え使用可能な冷却水供給管が配設されて
    なることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
    載のFRP廃船の焼却処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載のF
    RP廃船の焼却処理装置を搭載してなることを特徴とす
    るFRP廃船の焼却処理装置を搭載したFRP廃船処理
    船舶。
  9. 【請求項9】 FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸法
    の熱分解加熱室内で、加熱熱分解処理することを特徴と
    するFRP廃船の焼却処理方法。
  10. 【請求項10】 FRP廃船を丸ごと収容可能な形状寸
    法の熱分解加熱室内で、引込用台車と走行自在な引込レ
    ールとからなる誘導手段の引込用台車にFRP廃船を上
    載したまま熱分解加熱処理することを特徴とするFRP
    廃船の焼却処理方法。
  11. 【請求項11】 熱分解加熱室の上部に配設された二次
    燃焼室へ、熱分解加熱室からの可燃性ガスを導入して再
    燃焼させることを特徴とする請求項10記載のFRP廃
    船の焼却処理方法。
  12. 【請求項12】 熱分解加熱室に丸ごと収容されたFR
    P廃船に着火後は、空気供給管からのエアーの供給のみ
    で加熱熱分解処理することを特徴とする請求項9ないし
    11のいずれかに記載のFRP廃船の焼却処理方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし7のいずれかに記載の
    FRP廃船の焼却処理装置を船舶に搭載して同船舶上で
    FRP廃船を焼却することを特徴とする請求項9ないし
    12のいずれかに記載のFRP廃船の焼却処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105627321A (zh) * 2015-12-23 2016-06-01 广西高远环境工程有限公司 模块式结构垃圾裂解气化燃烧一体式装置与方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05280720A (ja) * 1992-03-31 1993-10-26 Koji Kuboyama 廃船焼却炉

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