JPH08134546A - 高強度ベイナイトレールの製造法 - Google Patents

高強度ベイナイトレールの製造法

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JPH08134546A
JPH08134546A JP27252794A JP27252794A JPH08134546A JP H08134546 A JPH08134546 A JP H08134546A JP 27252794 A JP27252794 A JP 27252794A JP 27252794 A JP27252794 A JP 27252794A JP H08134546 A JPH08134546 A JP H08134546A
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JP
Japan
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rail
high strength
heat
cooling
bainite
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Withdrawn
Application number
JP27252794A
Other languages
English (en)
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Hideaki Kageyama
英明 影山
Masaharu Ueda
正治 上田
Kuniomi Tsuchiya
国臣 土谷
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Nippon Steel Corp
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度ベイナイトレールの製造法オフライン
熱処理設備により、熱処理高強度ベイナイトレールを製
造する技術の確立を図り、高速鉄道用耐表面損傷性に優
れたレールを製造すること。 【構成】 レールを長手方向に移送しつつレール頭部を
高温に加熱し、オーステナイト域温度から500〜35
0℃までの温度範囲を、加熱装置の後に配置した冷却装
置で1〜10℃/sで冷却し、引き続き保熱装置で50
0〜350℃の温度範囲で30秒以上保熱することを特
徴とする高強度ベイナイトレールの製造法。 【効果】 以上の発明により、高速鉄道用耐表面損傷性
に優れた高強度ベイナイトレールを、オフライン熱処理
設備を用いて安定して製造するための技術を確立し、現
在実線路での評価試験を実施中である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旅客鉄道の高速運転区
間あるいは、海外の鉱山鉄道のような高荷重条件下で要
求されるレール頭表面のころがり疲労損傷抵抗性の向上
に有効なベイナイト組織を有する高強度レールの製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道輸送の高効率化を目的として
列車速度の向上や、列車積載重量の増加が図られてきて
おり、レールにとって過酷な使用条件が負荷されるよう
になってきた。このような使用条件の下では、特に曲線
区間に敷設されるレールの摩耗が寿命を支配する第一の
要因として、その延命化が懸命に検討されてきた。その
結果、レール材料の代表的金属組織であるパーライト組
織を熱処理などにより微細化することにより高強度化を
達成し、飛躍的なレール摩耗寿命の改善を果たすに至っ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、曲線区間の摩耗
寿命の改善に伴って直線区間のレール損傷が注目される
ようになり、特に近年のめざましい列車の高速化によ
り、レール頭表面のころがり疲労損傷性が直線区間の寿
命を左右するとともに、列車の安全走行の意味からもそ
の改善が緊急の課題となっている。
【0004】直線区間のレールは曲線区間のレールと異
なり、圧延ままのパーライト組織レールが使用されてお
り、低強度でありながらも摩擦によって寿命を全うする
例は非常に少ない。むしろころがり疲労損傷は、レール
と車輪の接触問題としてとらえる時、より一層の摩耗の
促進によって車輪の接触によってもたらされる疲労層を
除去することが望ましい。
【0005】高速鉄道における典型的なレール表面損傷
は、「頭頂面シェリング」あるいは「ダークスポット損
傷」と呼ばれる損傷であり、このような損傷の特徴は一
定経過年数後にレール表面から発生したき裂が、やがて
はレール折損にまで発達することから「ころがり疲労損
傷」として位置づけられている。すなわち、レールと車
輪の接触により疲労ダメージがレール表面に蓄積し、あ
る経年後にき裂を発生させるに至ると考えられている。
【0006】
【課題を解決するための手段】車輪との接触疲労ダメー
ジ層を摩耗によって自己除去する手段として、現行のパ
ーライト組織レールを低強度化し、摩耗を促進する方法
が考えられる。圧延ままレールの強度を低下する方法と
しては炭素量を減らす方法が最も容易な方法として考え
られる。しかし、レール材料の低強度化はレール頭部の
塑性変形を招き、塑性変形によって張り出した部分から
表面損傷が生成してレール寿命に悪影響を及ぼすばかり
か、あまり低強度化し過ぎると構造部材としてのレール
の安全性が損なわれる結果となる。
【0007】そこで、塑性変形抵抗性がある高強度でか
つ摩耗しやすいレール材料について検討した結果、本発
明者らは先にベイナイト組織を呈し、熱処理によって高
強度化したレール材料が最もころがり疲労損傷抵抗性に
優れていることを見いだした。
【0008】本発明と同様の趣旨で発明されたベイナイ
トレール鋼としては、本発明者らが特開平5−2718
71号公報で開示したレール圧延まま硬さがHv370
以上のベイナイトレール鋼があるが、圧延ままでベイナ
イト組織を得るためには多量の合金元素の添加が必要と
なり、高速鉄道に必須のロングレールのための溶接継手
部にマルテンサイト組織が生成したり、多量に添加され
たCrやSiなどの酸化し易い合金元素が継手部の圧着
を阻害し易い難点があった。
【0009】合金元素を多量に添加することなく高強度
のベイナイト組織を得る方法としては、熱処理によって
ベイナイト変態を生成させる方法がある。この方法とし
ては、本発明者が特願平5−37959号や特願平5−
129729号で提案した、高温レールを加速冷却した
後、一定温度で加速冷却を停止することにより、レール
の復熱を利用してベイナイト変態を促進させる方法があ
る。しかしこれらの方法はレールの断面サイズによって
は復熱量が異なったり、ベイナイト変態が不安定になっ
たりする難点があった。
【0010】本発明は、上記難点を解消し、より安定し
た熱処理高強度ベイナイトレールを製造するもので、そ
の要旨は、圧延されたレールを長手方向に移送しつつ該
レール頭部をまず高温に加熱し、続いてオーステナイト
域温度から500℃〜350℃までの温度範囲を1〜1
0℃/secで冷却し、引き続き500℃〜350℃間の温
度で30秒以上保熱することを特徴とする高強度ベイナ
イトレールの製造法、である。
【0011】レールの連続移送加熱・冷却装置はこれま
でもパーライト組織の高強度化のため、すなわち加速冷
却速度を変化させて冷却中で生成するパーライト組織の
強度制御を行うための連続冷却制御装置として使用され
てきた。一方、本発明のベイナイトレールの場合は、加
速冷却されたレール頭部のベイナイト変態を安定的に継
続させるための技術で、レールの連続移送加熱・冷却装
置に加えて保熱炉が必須であり、上記従来のパーライト
組織の高強度化とはその目的も構成も異なるものであ
る。なお、本発明の素材となるレールは、圧延を終了し
室温まで冷却されたレールであってもよい。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例について図1を用いて
詳細に説明する。圧延されたレール(1)を連続してピ
ンチローラー(2)により一定速度でローラーテーブル
(3)上を移送しながら、レール頭部を加熱装置(4)
によりオーステナイト温度以上に加熱する。そして該加
熱装置を通過したレール(1)は直ちに冷却装置(5)
で1〜10℃/secで500〜350℃の温度範囲まで冷
却され、引き続き保熱装置(6)により500〜350
℃で保熱されながらレール(1)は移送される。
【0013】加熱装置(4)は、高周波あるいは電気、
ガス加熱などでレール頭部を均一に加熱する装置であ
る。引き続くレール冷却装置(5)は、レール頭部に指
向するノズルにより気体、気液体混合、あるいは噴霧水
などを用いてレール頭部を均一に冷却する機能を有して
いる。ここで、冷却速度を1〜10℃/secに限定した理
由は、1℃/sec未満では塑性変形に伴うレール表面損傷
を防止するに望ましい高強度が達成できないからであ
り、また10℃/secを超える冷却速度では500〜35
0℃で生成させるベイナイト変態時間が長くなって、以
下に説明する保熱装置を長くする必要があり、不経済な
ためである。
【0014】次に、レール(1)は保熱装置(6)に搬
送される。ここで、500℃〜350℃の温度で冷却を
停止し、直ちに保熱装置にレール頭部を誘導する。この
理由は、500℃以上で冷却を停止し保熱すると高温で
生成した粗いベイナイト組織により高強度を達成できな
くなるからである。また350℃以下で冷却を停止し保
熱を行うとベイナイト変態に時間がかかり、保熱装置の
後で不完全なまま冷却を受けることによりマルテンサイ
ト組織が混入して、レール材料特性を著しく阻害する。
従って、冷却停止および引き続く保熱温度を500〜3
50℃に限定した。この時の保熱装置は、高周波加熱あ
るいは電気、ガス加熱のいずれでも可能であり、30秒
以上の保熱によりベイナイト変態を少なくとも80%以
上完遂させる。保熱装置を出た後のレールは放冷もしく
は水冷される。80%以上のベイナイト変態の完遂がな
いときは放冷され、冷却中にベイナイト変態を完遂させ
る。この保熱装置中では、レール頭部は変態発熱やレー
ル頭部内部からの復熱によって温度上昇が生じ、ベイナ
イト変態が促進される。従って、冷却後の到達強度を見
ながらレール化学成分、加速冷却速度、保熱温度のバラ
ンスを調整する。
【0015】表1に、0.3%C−0.23%Si−
1.5%Mn−2.0Crを含有するレール鋼を用い
て、圧延後に同レールを長手方向に連結し、高周波加熱
により1050℃に加熱し、加熱後に3deg C/sで冷
却し、冷却を420℃で停止して420℃に設定された
保熱炉で45秒保熱した後、放冷したベイナイトレール
鋼の機械的性質を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明によって、レール頭部のベイナイ
ト変態を安定的に継続することができ、列車の高速運転
や、高荷重運転に耐える高強度ベイナイトレールを製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する高強度ベイナイトレール製造
設備の概要を示す図。
フロントページの続き (72)発明者 土谷 国臣 福岡県北九州市八幡東区 前田2丁目13番 5−401

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延されたレールを長手方向に移送しつ
    つ該レール頭部をまず高温に加熱し、続いてオーステナ
    イト域温度から500℃〜350℃までの温度範囲を1
    〜10℃/secで冷却し、引き続き500℃〜350℃間
    の温度範囲で30秒以上保熱することを特徴とする高強
    度ベイナイトレールの製造法。
JP27252794A 1994-11-07 1994-11-07 高強度ベイナイトレールの製造法 Withdrawn JPH08134546A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113755670A (zh) * 2021-08-24 2021-12-07 中铁宝桥集团有限公司 贝氏体钢辙叉心轨淬火冷却方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113755670A (zh) * 2021-08-24 2021-12-07 中铁宝桥集团有限公司 贝氏体钢辙叉心轨淬火冷却方法
CN113755670B (zh) * 2021-08-24 2022-10-25 中铁宝桥集团有限公司 贝氏体钢辙叉心轨淬火冷却方法

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