JPH08134466A - 高純度インデンの製造方法 - Google Patents

高純度インデンの製造方法

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JPH08134466A
JPH08134466A JP27227294A JP27227294A JPH08134466A JP H08134466 A JPH08134466 A JP H08134466A JP 27227294 A JP27227294 A JP 27227294A JP 27227294 A JP27227294 A JP 27227294A JP H08134466 A JPH08134466 A JP H08134466A
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JP
Japan
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acid
indene
alkali
washing
distillation
Prior art date
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Pending
Application number
JP27227294A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Taniguchi
博昭 谷口
Tomonori Kato
友則 加藤
Yasuyuki Takigawa
泰行 滝川
Seiji Komura
省二 甲村
Hiromi Nakaoka
博美 中岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コ−ルタ−ル留分から高純度で経時着色のな
いインデンを製造する。 【構成】 コ−ルタ−ル留分からタ−ル酸を除去した後
の残油を直接アルカリ洗浄し、次いで蒸留し、さらに酸
洗浄し、再度蒸留することによりインデンを得る。 【効果】 酸、アルカリ洗浄もしくはアルカリ、酸洗浄
による塩の析出、逆抽出等の問題点を完全に防止し、効
率よくインデンの高純度化が行なえ、経時着色のないイ
ンデンを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインデンの製造方法に関
するもので、詳しくはコ−ルタ−ル留分からインデンを
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インデンはコ−ルタ−ルから分別される
タ−ル系軽油に含まれており、コ−ルタ−ルからインデ
ンを製造するにあたっては、インデンと近似する沸点成
分が多量に存在するため、インデンの高純度化は困難と
されてきた。
【0003】特公昭62−32731号公報にはインデ
ンを約20重量%含有するタ−ル軽油を蒸留して、イン
デン濃度50重量%以上の留分を得、次いでこれを酸又
は/およびアルカリ水溶液で洗浄した後再度蒸留するこ
とにより、インデンを分離回収する技術が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特公昭62−3273
1号公報に開示される技術は、下記に示す問題点があ
る。
【0005】1)洗浄前にあらかじめ蒸留を行なうた
め、インデンの濃度が高まり、インデンを含有する留分
とアルカリ水溶液との比重差が小さくなり、油水分離が
困難となる。
【0006】2)酸、アルカリ洗浄を連続して行なう場
合、酸洗浄後の分離インデン中に残存する酸がアルカリ
洗浄工程で、アルカリと反応し塩を生じる。そのため洗
浄後の蒸留工程の脱水において、塩が析出し、閉塞の危
険性をもたらす。アルカリ、酸連続洗浄の場合も同様の
問題を生じる。
【0007】3)上記2)に記載の問題点を防止するた
めには、酸、アルカリ洗浄もしくはアルカリ、酸洗浄後
に水洗を行なう必要があり、それに伴い、設備増設、廃
水処理する必要が出てくる。
【0008】4)さらに、酸洗浄次いでアルカリ洗浄と
連続して行なう場合、酸洗浄後の分離インデンに、酸と
反応したタ−ル酸塩が同伴され、アルカリ洗浄工程で酸
と反応したタ−ル酸塩の一部が遊離し、再びインデン中
に逆抽出される。
【0009】5)アルカリ洗浄次いで酸洗浄と連続して
行なう場合、蒸留等の後工程における酸による設備腐食
の問題が生じる。など工業的方法として未だ満足し得る
ものではなかった。
【0010】本発明は従来技術に見られる前記問題を解
決し、高純度で経時着色のないインデンの製造方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、コ−ル
タ−ル留分からタ−ル酸を除去した後の残油を直接アル
カリ洗浄し、その後蒸留し酸洗浄を行い、アルカリ洗浄
工程と酸洗浄工程と隔てたことにより、酸、アルカリも
しくはアルカリ、酸連続洗浄による塩の析出、逆抽出等
の問題点を完全に防止でき、油水分離も良く、洗浄効果
も十分であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0012】即ち、本発明は、インデンを含有するコ−
ルタ−ル留分をアルカリ洗浄し、次いで蒸留し、さらに
酸洗浄し、再度蒸留することによりインデンを製造する
ことを特徴とする。
【0013】原料として用いるコ−ルタ−ル留分とは、
コ−ルタ−ル蒸留により、沸点範囲が170〜210℃
のタ−ル酸留分をサイドカット油として抜き出し、この
留分からタ−ル酸を除去したインデンを30〜40重量
%含む残油である。このコ−ルタ−ル留分からタ−ル酸
を除去し、インデンを30〜40重量%まで濃縮する工
程は公知の方法により行なわれる。
【0014】まず、アルカリ洗浄により、タ−ル酸が除
去される。この時、タ−ル酸類の含有率は0.01重量
%以下まで除去されることが望ましい。
【0015】アルカリ洗浄に用いるアルカリ水溶液とし
ては水酸化ナトリウム(NaOH)等が挙げられ、濃度
は10%程度が望ましい。
【0016】アルカリ洗浄後、蒸留によりインデン以外
の軽質分、重質分を除去する。蒸留は2段で行い、イン
デンは90重量%以上に濃縮される。まず減圧下で理論
段30段、還流比5程度の蒸留塔で軽質分を塔頂より除
去する。次いで理論段50段、還流比10程度の減圧蒸
留塔で重質分を塔底より除去し、塔頂より含有率90重
量%以上のインデン含有油を得る。
【0017】蒸留後、酸水溶液にて洗浄する。酸洗浄に
よりピリジン類、アニリン類が除去される。酸洗浄に用
いる酸水溶液としては硫酸等が挙げられ、濃度は10%
程度が望ましい。
【0018】次いで再度、蒸留を行い、軽質分を濃縮除
去し、重合物や酸化物等の着色成分は塔底の重質油側か
ら除去し、塔頂から95重量%以上に濃縮されたインデ
ンを得る。蒸留は2段で行なう。まず、減圧下で理論段
30段、還流比10以上として水分、インダン等の極め
てインデンと沸点の近い物質を塔頂より除去する。次い
で減圧下で理論段10段、還流比1〜3程度で重質油を
塔底側に分離除去する。そして、塔頂よりインデンを得
る。これに重合防止剤を添加する。この時添加する重合
防止剤としては、4−t−ブチルカテコ−ル、2−t−
ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメタルエ−テ
ル、メタキノン等のキノン系及びフェノ−ル系重合防止
剤が挙げられる。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。 (ハ−ゼン値)ハ−ゼン値とは黄味を帯びた色調の着色
度合いを示す値である。
【0020】測定方法 同じガラス管に入れた標準液と試料を比色し、最も試料
に近い標準液のハ−ゼンNoで表す。
【0021】図1は本発明を実施する場合のフロ−シ−
トの一例を示したものである。図1において1はコ−ル
タ−ル、2は蒸留塔、3はアルカリ水溶液、4はライン
ミキサ−、5はタ−ル酸抽出槽、6はアルカリ水溶液、
7はラインミキサ−、8は分離槽、9は蒸留塔、10は
蒸留塔、11は酸水溶液、12はラインミキサ−、13
は分離槽、14は蒸留塔、15は蒸留塔、16は重合防
止剤槽である。図1においてコ−ルタ−ル1を蒸留塔2
に供給し、沸点範囲170〜210℃の留分をサイドカ
ットする。次いで、この沸点範囲170〜210℃の留
分にアルカリ水溶液3を加え、ラインミキサ−4にて洗
浄後、タ−ル酸抽出槽5に流入する。タ−ル酸抽出槽5
よりタ−ル酸類を除去した残油を原料とする。この原料
に再度アルカリ水溶液6を加え、ラインミキサ−7にて
アルカリ洗浄を行ない、残余のタ−ル酸分を除去する。
タ−ル酸分を除去した原料は分離槽8に送られ、分離槽
8にてアルカリ水溶液を分離する。次いで蒸留塔9、1
0に送られ、蒸留により、軽質分、重質分を除去し、イ
ンデンを濃縮する。この濃縮されたインデン含有油に酸
水溶液11を加え、ラインミキサ−12にて酸洗浄し、
経時着色に影響する塩基分を除去する。次いで分離槽1
3にて酸水溶液を分離し、インデン含有油は蒸留塔1
4、15に送られ、水、軽質分、重質分を除去し、イン
デンを得る。さらにこのインデンに、重合防止剤槽16
より重合防止剤4−t−ブチルカテコ−ルを添加する。
【0022】図1に示したフロ−シ−トに基づき、実験
を行なった。原料としては、上記方法によりタ−ル酸を
除去し、インデン40重量%を含有する残油を100部
用いた。また、アルカリ水溶液として、残油に対して重
量比1/2の10%水酸化ナトリウム50部を用いた。
アルカリ水溶液6を加え、ラインミキサ−7にてアルカ
リ洗浄を行い、アルカリ水溶液を分離槽8にて分離後、
蒸留塔9、10にて蒸留しインデン濃度94.5重量%
の洗浄油35部得た。さらにこれに酸水溶液11として
洗浄油に対して重量比1/2の10%硫酸17部を加
え、ラインミキサ−12にて酸洗浄を行い、酸水溶液を
分離槽13にて分離後、蒸留塔14、15にて蒸留し、
純度96.3%のインデンを31.5部得た。ト−タル
の収率は75.8%であった。得られたインデンに重合
防止剤として4−t−ブチルカテコ−ルを100ppm
添加し、窒素シ−ル下保存した。保存後、8ヵ月経過し
ても全く着色することはなかった。またハ−ゼン値は5
0であった。以上のようにして得たインデンは経時着色
の著しく抑制されたものであった。
【0023】(比較例)図2は比較例を実施する場合の
フロ−シ−トの一例を示したものである。図2において
符号は図1に付してある番号と同じであるため説明を省
略する。原料は実施例1と同様の方法により得た蒸留後
のインデン40重量%を含有する残油を100部用い
た。図2において、原料を蒸留塔2に供給し、蒸留し、
インデン濃度94.3%の留出油33部を得た。次いで
酸水溶液11から酸水溶液として10%硫酸を17部加
え、ラインミキサ−12にて酸洗浄を行い、酸水溶液を
分離槽13にて分離した。次いでアルカリ水溶液6より
アルカリ水溶液として10%水酸化ナトリウムを17部
加え、ラインミキサ−7にてアルカリ洗浄を行い、アル
カリ水溶液を分離槽8にて分離した。さらに、蒸留塔1
4、15にて蒸留し純度95.6%のインデンを29.
2部得た。ト−タル収率は69.8%であった。得られ
たインデンに重合防止剤槽16より重合防止剤として4
−t−ブチルカテコ−ルを100ppmを添加し、窒素
シ−ル下保存した。保存後、8ヵ月経過すると着色が認
められた。またハ−ゼン値は200であった。この原因
としては、酸洗浄、アルカリ洗浄の連続工程において、
逆抽出によりインデン側へ移行した塩基分によるものと
考えられる。
【0024】表1は実施例、比較例の結果を示したもの
である。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、 1)油水分離が容易であり、逆抽出もなく、効率よくイ
ンデンの高純度化が行なえ、経時着色のないインデンを
製造することができる。 2)洗浄工程において、塩を生成しないため、水洗を行
なう必要がなく、水洗に伴う設備、運転費用等のコスト
の削減がはかれる。 など、工業的に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はインデンの製造方法のフロ−シ−トを示
したものである。
【図2】図2は比較例のフロ−シ−トを示したものであ
る。
【符号の説明】
1 コ−ルタ−ル 6 アルカリ水溶液 7 ラインミキサ− 8 分離槽 9 蒸留塔 10 蒸留塔 11 酸水溶液 12 ラインミキサ− 13 分離槽 14 蒸留塔 15 蒸留塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲村 省二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中岡 博美 東京都千代田区九段北四丁目1番3号 ア ドケムコ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インデンを含有するコ−ルタ−ル留分を
    アルカリ洗浄し、次いで蒸留し、さらに酸洗浄し、再度
    蒸留することを特徴とするインデンの製造方法。
JP27227294A 1994-11-07 1994-11-07 高純度インデンの製造方法 Pending JPH08134466A (ja)

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JP27227294A JPH08134466A (ja) 1994-11-07 1994-11-07 高純度インデンの製造方法

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JP27227294A JPH08134466A (ja) 1994-11-07 1994-11-07 高純度インデンの製造方法

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JPH08134466A true JPH08134466A (ja) 1996-05-28

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ID=17511543

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JP (1) JPH08134466A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005145855A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Mitsui Chemicals Inc 環状オレフィン組成物および環状オレフィン系重合体の製造方法
JP2008115099A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Jfe Chemical Corp インデンの保管方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005145855A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Mitsui Chemicals Inc 環状オレフィン組成物および環状オレフィン系重合体の製造方法
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