JPH0813428B2 - クラッド鋼管の接合方法 - Google Patents

クラッド鋼管の接合方法

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JPH0813428B2
JPH0813428B2 JP22229789A JP22229789A JPH0813428B2 JP H0813428 B2 JPH0813428 B2 JP H0813428B2 JP 22229789 A JP22229789 A JP 22229789A JP 22229789 A JP22229789 A JP 22229789A JP H0813428 B2 JPH0813428 B2 JP H0813428B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、内面クラッド鋼管または外面クラッド鋼管
を相互に突合せ接合するクラッド鋼管の接合方法に関す
る。
〔従来の技術〕
炭素鋼または低合金鋼よりなる外管にステレンス鋼よ
りなる内管を組み合わせた内面ステレンスクラッド鋼管
は、搬送流体に接触する内面側の耐食性がステンレス鋼
によって確保され、鋼管全体の強度は安価な炭素鋼管で
確保されるので、その経済性と実用性の高さから、化学
工業プラント、ラインパイプ等に多用されている。ま
た、炭素鋼または低合金鋼を内管とし、ステンレス鋼を
外管とする外面ステンレスクラッド鋼管も内面ステンレ
スクラッド鋼管と同様に化学工業プラント等に多用され
ている。
このようなステレンスクラッド鋼管はその製造法によ
って溶接管と継目無管とに大別される。溶接管は管状に
成型されたステレンスクラッド鋼管の接合部を種々の溶
接法で突合せ溶接することにより製造され、継目無管は
複層素材からの押出し、圧延により製造される。いずれ
のステンレスクラッド鋼管もその長尺材を製造する場合
には、設備上の制約、経済的見地からステンレスクラッ
ド鋼管を相互に接続して延長する方法が多用されてい
る。そして、ステレンスクラッド鋼管の相互接続法とし
ては、ステンレスクラッド鋼管の相互突合せ部を全周に
わたってアーク溶接する円周溶接が主に使用されてい
る。
しかし、その溶接に従来の一般的技術を適用したので
は種々の問題を誘発するので、格別の配慮が必要とされ
ている。例えば特開昭58−167094号公報には、合せ材か
ら母材の側にかけて合せ材と同種の合金元素を含有する
内層、中間層、母材と同種の合金元素を含有する外層を
順番に形成させてゆく継手溶接方法が開示されている。
しかしながら、このような溶接法によってもクラッド鋼
管の円周溶接にはなお多くの困難が伴う。ステンレスク
ラッド鋼管の円周溶接における問題点を内面ステンレス
クラッド鋼管について以下に説明する。
〔発明が解決しようとする課題〕
鋼管の円周溶接は外面側から行われるのが通例であ
り、溶接材料には共金系材料が用いられる。内面ステン
レスクラッド鋼管を外面側から片側溶接する際、内管の
合わせ材の溶接にステレンス鋼溶接材料、外管の母材の
溶接に炭素鋼溶接材料を使用すると、母材を溶接する
時、既に形成されている合せ材のステレンス鋼溶接金属
の一部が再溶融し、ステレンス鋼溶接金属の炭素鋼溶接
金属による希釈が生じ、硬化層を生じる。その結果、溶
接部に亀裂を誘発したりステンレス鋼の組成によっては
溶接高温割れが発生する。一方、溶接金属全体を高合金
溶接材料で形成した場合には、接合強度の不足が懸念さ
れるだけでなく、外面側にステンレス鋼が露出し、この
部分がステンレス鋼と炭素鋼との異種金属接触になるの
でガルバニック腐食等の点でも好ましくない。
また、外面ステンレスクラッド鋼管の円周溶接におい
ても外面側から片側溶接する際は、前記内面ステンレス
クラッド鋼管の場合と同様の問題を生じる。すなわち、
外面ステンレスクラッド鋼管を外面側より溶接する場
合、内管の炭素鋼を炭素鋼溶接材料で溶接したのち、そ
の上にステンレス鋼溶接材料を積層していくと、希釈に
より硬化層を生じる場合があり、好ましくないのであ
る。
このような問題の解決策として、特開昭58−167094号
公報に開示されているような溶接方法を採用するとして
も、内層、中間層、外層の順で溶接材料、溶接条件を順
次変えて行かなければならないので、溶接作業が繁雑化
するとか、接合部の健全性が施工者個々の技量に影響さ
れるので、品質が不安定になるといった問題がある。そ
して、更に大きな問題としては、溶接欠陥の発生を防止
するために溶接速度を抑制しなければならず、施工能率
が極めて悪いことがある。
本発明は斯かる状況に鑑みなされたもので、その目的
はステンレスクラッド鋼管を能率よく接合でき、しかも
健全な接合部を得ることができるクラッド鋼管の接合方
法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
鋼管の接合方法として、その突合せ部をインサート材
により拡散接合する方法は公知である。この方法による
と、鋼管の突合せ部を雰囲気管理して加熱加圧するだけ
で接合を行うことができ、ステンレスクラッド鋼管の接
合に対しても施工容易なこの拡散接合法の適用が考えら
れる。しかしながら、ステンレスクラッド鋼管を接合す
る場合は、ソリッド鋼管を接合する場合と異なり次のよ
うな問題がある。
ソリッド鋼管の場合は単一材質を接合し、その接合部
に鋼管材質に相当する特性を付与すればよい。しかる
に、ステンレスクラッド鋼管の場合は二種類の材質に対
する接合を共通のインサート材で行う必要があり、更に
接合部の母材側および合せ材側には母材および合せ材に
対応する異なる特性を単一のインサート材で与える必要
がある。また、施工性を考慮すると、接合時の雰囲気管
理も容易でなければならない。そして、更に大きな問題
は、突合せ部の加熱に伴って母材と合せ材の間に温度差
が生じることである。
すなわち、母材である炭素鋼や低合金鋼と、合せ材に
用いられるオーステナイト系ステンレス鋼やNi合金とで
は、熱伝導度や透磁率、比抵抗が異なるため、高周波誘
導加熱や抵抗加熱を行うと、母材と合せ材とは同一温度
とならない場合が多い。母材と合せ材とに温度差を生じ
ると、インサート材が溶融しない場合や、鋼管自体が溶
融する場合もある。
本発明者らはこのような問題点を解決すべく種々の実
験研究を行った結果、内面クラッド鋼管および外面クラ
ッド鋼管の拡散接合方法について次のような知見を得
た。
クラッド鋼管を簡便に突合せ接合するにはインサート
材の溶融が必須である。接合部に十分な接合強度を付与
するためには接合界面での酸化物の分断、分解を図る必
要があり、そのためにはインサート材にSi,Bを添加して
その融点を低下させるのが有効である。インサート材に
Si,Bを添加すると、インサート材の融点が低下し、雰囲
気管理の許容範囲が広がると同時に、加熱接合中にこれ
らの添加元素が被接合材側に拡散し、Si,Bの添加に起因
する接合層の脆化も防止される。接合部の合せ材側の耐
食性確保のためには、インサート材の厚さ制限と、イン
サート材へのCrの添加および拡散の速いB,Siの添加と、
適正温度および適正時間の加熱によりB,Siを十分拡散さ
せることが有効である。そして、加熱接合時の母材と合
せ材の温度差の緩和に対しては、内面クラッド鋼管の時
は100〜400kHz、外面クラッド鋼管の時は10kHz以下の高
周波を用いた高周波誘導加熱が効果的である。
本発明は斯かる知見に基づきなされたもので、クラッ
ド鋼管の相互突合せ部に、重量%でSi:8%以下、B:4%
以下、Cr:5〜40%と、更に必要に応じてMo:10%以下を
含み、残部が不可避的不純物およびFeまたはNiからなる
融点1150℃以下、厚さ10〜80μmのインサート材を介在
させ、酸素量が200ppm以下の雰囲気において、その突合
せ部を0.5〜2kgf/mm2の圧力で加圧しつつ、前記クラッ
ド鋼管が内面クラッド鋼管の場合は100〜400kHzの高周
波電流にて、また、前記クラッド鋼管が外面クラッド鋼
管の場合は10kHz以下の高周波にて1150℃〜1250℃の温
度に120秒以上誘導加熱し、前記インサート材を溶融さ
せることを特徴とするクラット鋼管の接合方法を要旨と
する。
〔作用〕
本発明の接合方法は母材が炭素鋼または低合金鋼、合
せ材がステンレス鋼または高Ni合金鋼からなるクラッド
鋼管を対象とし、合せ材は内管側、外管側のいずれの側
に位置していてもよい。ただし、合せ材が外管側に位置
する時、すなわち外面クラッド鋼管の加熱周波数は10kH
z以下とし、合せ材が内管側に位置する時、すなわち内
面クラッド鋼管の加熱周波数は100〜400kHzとする。
インサート材としては、重量%でSi:8%以下、B:4%
以下、Cr:5〜40%を含むFe基またはNi基合金、もしくは
前記成分に更にMo:10%以下を含むFe基またはNi基合金
を使用する。
Si,Bはインサート材の融点を低下させるための融点降
下元素であり、かつクラッド鋼管に拡散しやすい元素で
ある。Siの含有量を8%以下としたのは、Siが8%を超
えて含有されると被接合材に拡散できずに接合層に残留
したSiによって接合層が脆化するからである。Bの含有
量を4%以下としたのは、Bが4%を超えて含有るとSi
と同様に接合層が脆化するからである。Si,Bの含有量の
下限については、インサート材の融点が1150℃以下にな
り得る最少量である。ただしBの含有量が上限量(4
%)の時はSiは含有されなくても支障はない。インサー
ト材の融点を1150℃以下としたのは短時間で良好な接合
が得られる温度(1150℃以上)で接合するためである。
Cr,Moは接合部の耐食性を向上させるために含有され
る。Crの含有量を5〜40%としたのは、Crの含有量が5
%未満では接合部の耐食性が著しく低下し、Crが40%を
超えて含有されるとSi,Bと同様に接合層を脆化させるか
らである。Moは合せ材の鋼種によって適宜含有され、そ
の含有量を10%以下としたのは、Moが10%を超えて含有
されるとSi,Bと同様に接合層を脆化させるからである。
インサート材がNi基の場合とFe基の場合とでは、合せ
材がステンレス鋼の場合にはいずれでもよいが、高Ni合
金鋼の場合には耐食性の点からNi基が望ましい。
インサート材の組織としては非晶質が望ましい。これ
は前記インサート材成分系では、非品質とすることによ
ってインサート材の取扱いが容易となる他、非品質の方
が製造上コストも安くかつ容易に製造できるためであ
る。
インサート材の厚さについては10〜80μmとする。イ
ンサート材を使用した主な目的はインサート材なしの拡
散接合に比べて接合雰囲気、接合面粗さの許容限を広く
することであり、上記厚さが10μm未満ではこれらの許
容範囲を拡大する効果が十分とは言えない。一方、接合
層の合せ材側における耐食性を考慮すると、クラッド鋼
の合せ材から接合層にCr、Mo等の合金成分を移行させ、
接合層内の合金成分を富化することが望まれる。しか
し、合せ材が厚くなると、インサート材による希釈のた
めにこの合金成分の富化が進まない。従って、インサー
ト材の厚みは上限を設ける必要があり、80μm以下とす
る。
接合時の突合せ部に対する加熱は高周波誘導加熱と
し、その周波数は外管が炭素鋼、低合金鋼、内管がステ
ンレス鋼、高Ni合金鋼の内面クラッド鋼管の場合は100
〜400kHzとし、その逆の場合、すなわち外管がステンレ
ス鋼、高Ni合金鋼、内管が炭素鋼、低合金鋼の外面クラ
ッド鋼管の場合は10kHz以下とする。
高周波誘導加熱を採用したのは、最も簡単に、かつ迅
速に接合部を主に加熱できるからである。そして、高周
波誘導加熱における周波数は本発明法の重要なポイント
である。
すなわち、本発明法においては、接合すべきクラッド
鋼管の合せ材、母材が内管にあるか、外管にあるかによ
ってその加熱周波数が異なる。このことについて以下に
詳細に説明する。
鋼管を相互突合せで高周波加熱で接合する場合、高周
波特有の表皮効果により鋼管外面が集中的に加熱され
る。
まず、母材となる炭素鋼もしくは低合金鋼が外管、合
せ材となるステンレス鋼もしくは高Ni合金鋼が内管を構
成する内面クラッド鋼管の場合について述べる。
本来、外管の炭素鋼、低合金鋼は内管のステンレス
鋼、高Ni合金鋼に比べ熱伝導率が高く加熱されやすく、
この状態で100〜400kHzの高周波で加熱する外管、内管
共に接合できる温度まで加熱可能となる他、インサート
材も十分に溶融できる。しかし、100kHz未満の場合は表
皮効果が小さくなって内管の方の加熱が進行し、更に外
管の炭素鋼、低合金鋼の熱伝導率が高い等の条件も加わ
って内管のステンレス鋼、高Ni合金鋼が加熱されすぎて
溶け落ちることとなる。
また、400kHzを超えて加熱した場合は、前記の100kHz
未満の時とは逆に、外管の炭素鋼、低合金鋼の方が高周
波の表皮効果が大となり、外管のみが加熱され、内管の
ステンレス鋼、高Ni合金はあまり加熱されず、インサー
ト材も熔融不十分で、適切な接合ができなくなる。
従って、外管が炭素鋼、低合金鋼、内管がステンレス
鋼、高Ni合金鋼よりなる内面クラッド鋼管の接合は、周
波数100〜400kHzの高周波で行う。
次に、前記とは逆の場合、すなわち外管がステンレス
鋼、高Ni合金鋼、内管が炭素鋼、低合金鋼よりなる外面
クラッド鋼管の場合についての高周波加熱の条件につい
て説明する。
この場合は、10kHz以下の高周波加熱で加熱する。こ
れは、10kHzを超えて加熱すると高周波の表皮効果及び
熱伝導率の関係より、外管のステンレス鋼、高Ni合金鋼
のみが加熱され、内管の炭素鋼、低合金鋼は加熱されに
くく加熱不足となり、インサート材は十分に溶融せず適
切な接合ができなくなるからである。
なお、下限については特に限定するものではないが、
望ましくは1kHz以上の高周波とすることが経済的な面よ
り好ましい。
接合雰囲気については、酸素量を200ppm以下とした。
これは接合界面に酸化物が生成して欠陥を生じるのを防
止するためである。
接合時の加熱温度は低いほうが経済的である。しか
し、加熱温度が1150℃未満ではインサート材を完全に溶
融させ得ない場合があり、またインサート材が溶融して
もインサート材に含有される融点降下元素のクラッド鋼
への拡散が不十分になり、接合性が低下する。従って、
加熱温度は1150℃以上とした。ただし、加熱温度が1250
℃を超えると、経済性が悪化するだけでなく、接合部周
辺の結晶粒が粗大化して靱性の低下を招く原因になるの
で、1250℃を加熱温度の上限とする。
1150〜1250℃の加熱温度に保持する時間は120秒以上
とする。これはインサート材に含有される融点降下元素
を接合母体であるクラッド鋼管に十分に拡散させるため
である。加熱保持時間の上限は特に定めないが、接合、
拡散が十分に促進されさえすれば短時間の方が経済的で
ある。
接合時の加圧力は接合面密着のために0.5kgf/mm2以上
とした。すなわち加圧力が0.5kgf/mm2未満では液相化し
たインサート材とクラッド鋼管との密着力が不足して接
合不良が発生する惧れがある。逆に加圧力が高すぎると
接合部が変形する惧れがあるので、その上限を2kgf/mm2
とした。
なお、クラッド鋼管の材質によっては、接合後、接合
部を500〜700℃の温度で熱処理してもよい。
〔実施例〕
以下に本発明の接合方法の実施例を説明する。接合対
象材としては、外径91mm、内径67mm、肉厚12mm、長さ15
00mmのクラッド鋼管を使用した。クラッド鋼管の形態は
母材を外管、合せ材を内管とした内面クラッド鋼管と、
母材を内管、合せ材を外管とした外面クラッド鋼管の二
種類とした。
クラッド鋼管の母材は厚み9mmで、炭素鋼(CS)また
は低合金鋼(CM)とし、炭素鋼としては50kgf/mm2
鋼、低合金鋼としては2 1/4Cr−1Mo鋼をそれぞれ使用し
た。合せ材は厚み3mmで、ステンレス鋼または高Ni合金
鋼とし、ステンレス鋼としてはSUS316L、高Ni合金鋼と
してはAlloy625またはAlloy825をそれぞれ使用した。各
々の成分組成を第1表に示す。
接合は、上記各クラッド鋼管を管軸方向に直角に切断
し、その管端面を50μmRmaxまで研磨した後、端面間に
インサート材を挟んで行った。インサート材は、急冷凝
固法により作製した厚さ25μmまたは50μmの非晶質合
金薄帯である。その成分組成を第2表に示す。また、接
合には第1図に示すように1組の供試材1a,1bを突き合
わせ固定する環状の加熱ヘッド2を使用した。
加熱ヘッド2は半割形で、両端に供試材1a,1bに対す
る拘束部3a,3bを備え、その間に誘導子4を備えてい
る。そして、この加熱ヘッド2により、1組の供試材1
a,1bをその端面間にインサート材に挟んで固定し、供試
材1a,1bの内面側および加熱ヘッド2内にN2ガスを流し
ながら酵素量200ppm以下の雰囲気下で供試材1a,1bの突
き合わせ部を誘導子4により加熱した。この加熱によ
り、端面間のインサート材が溶融すると共に、供試材の
管軸方向に延び、接合面間に加圧力が付加されて端面間
が拡散接合される。加圧力は拘束部3a,3bの熱膨張によ
る反力で緩和することにより調整した。加熱温度、加熱
保持時間は、誘導子4の高周波電源5の操作により行っ
た。なお、母材として低合金鋼を使用したクラッド鋼管
に対しては、接合後に700℃×15分間,ACの後熱処理を施
した。
接合部の健全性は、接合強度と耐食性試験とにより評
価した。接合強度は第2図に示す側曲試験片6を使用し
て、曲半径14mm(2t)にて側曲試験を行い、側曲試験片
6の接合部7周辺における亀裂の有無も調査し、亀裂を
発生していないものは良とし、亀裂を発生しているもの
は否とすることにより評価した。図中、9は母材、10は
合せ材を表わしている。また、接合部7の耐食性は、合
せ材10より第3図に示す孔食試験片8を採取して、その
接合部の孔食電位V′cjとクラッド鋼管本体部の孔食電
位V′cbとの比を求めることによって評価した。試験液
は人工海水とし、その温度はSUS361Lの場合は60℃と
し、Alloy625、Alloy825の場合には100℃とした。
試験結果を接合条件と共に第3表に示す。
A1〜9は外管が炭素鋼、内管がSUS316Lからなる内面
クラッド鋼管をインサート材I1〜I8にて相互に接合した
本発明例である。インサート材の組成および他の条件が
適切である。従って、優れた接合性、耐食性を示してい
る。
A10は外管が低合金鋼、内管がSUS316Lからなる内面ク
ラッド鋼管をインサート材I2にて相互に接合した例であ
り、他の条件も適切で優れた接合性、耐食性を示してい
る。
A11は外管が炭素鋼、内管が高Ni合金鋼であるAlloy82
5からなるクラッド鋼管をインサート材I2にて相互に接
合した例、A12は外管が炭素鋼、内管が高Ni合金鋼であ
るAlloy625からなるクラッド鋼管をインサート材I4にて
相互に接合した例、A13は外管が低合金鋼、内管がAlloy
625からなるクラッド鋼管をインサート材I4を使用して
接合した例である。いずれもインサート材の厚み25μ
m、加熱時間300秒、加圧力1kgf/mm2、電源周波数が本
発明条件で優れた接合性および接合部の耐食性を示して
いる。
また、A14はA2と同様、外管が炭素鋼、内管がSUS316L
からなるクラッド鋼管を、インサート材I2を使用して、
加熱温度1250℃の条件で接合した例であるが、やはり優
れた接合性、耐食性を示している。
同様に、クラッド鋼管が外面クラッド鋼管の場合も、
本発明例(A15〜A24)は優れた接合性および接合部の耐
食性を示している。
これらに対し、B1はインサート材を使用しておらず、
接合不良を生じている。B2はインサート材を使用するも
のの、加熱温度が低すぎるために、接合不良を生じてい
る。B3は加圧力が小さすぎるために接合不良を生じてい
る。B4は電源周波数が高すぎるために、他の条件が適切
であるにもかかわらず接合不良を生じている。これは、
外管の炭素鋼は1200℃に加熱されても、内管のAlloy825
は加熱されにくく、外管炭素鋼に比べ100℃程度低くな
っているためである。
また、B5,B6,B7は、インサート材に本発明範囲外の成
分組成のものを使用しているために、接合不良を生じて
いる。
B8は外管が炭素鋼、内管が高Ni合金鋼であるAlloy825
からなるクラッド鋼管をインサート材I2にて相互に接合
した例、B9は外管がSUS316L、内管が炭素鋼からなるク
ラッド鋼管をインサート材I2にて相互に接合した例であ
る。いずれも電源周波数が本発明条件を外れており、接
合不良を生じている。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明の接合方法
は、クラッド鋼管を強固に相互接合でき、しかも溶接法
で問題になる硬化層の生成に起因する亀裂および溶接高
温割れ、さらには異種金属との接触によるガルバニック
腐食を生じる惧れがない。従って、接合部に優れた接合
性および耐食性を付与することができる。更に、溶接法
よりも作業が簡単で、接合に要する時間が短縮され、施
工法にも著しく優れる。また、接合部の健全性が施工者
個々の技量に影響されるので品質のばらつきも解消でき
る。
従って、本発明の接合方法は、例えばクラッド鋼管を
配管現場等においても簡単かつ低コストで長尺化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の接合方法に用いる接合装置の一例を示
す模式図、第2図は側曲試験片の形状説明図、第3図は
孔食試験片の形状説明図である。 図中、1a,1b:供試材、2:加熱ヘッド、3a,3b:拘束部、4:
誘導子、5:高周波電源、6:側曲試験片、7:接合部、8:孔
食試験片、9:母材、10:合せ材。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外管が炭素鋼もしくは低合金鋼よりなり、
    内管がステンレス鋼もしくは高Ni合金鋼よりなる内面ク
    ラッド鋼管の相互突合せ部に、重量%でB:4%以下、Si:
    8%以下(Bが上限量の場合は省略可能)、Cr:5〜40%
    を含み、残部が不可避不純物およびFeまたはNiからなる
    融点1150℃以下、厚さ10〜80μmのインサート材を介在
    させ、酸素量が200ppm以下の雰囲気中においてその突合
    せ部を0.5〜2kgf/mm2の圧力で加圧しながら100〜400kHz
    の高周波電流にて1150〜1250℃の温度に120秒以上誘導
    加熱し、前記インサート材を溶融させることを特徴とす
    るクラッド鋼管の接合方法。
  2. 【請求項2】外管が炭素鋼もしくは低合金鋼よりなり、
    内管がステンレス鋼もしくは高Ni合金鋼よりなる内面ク
    ラッド鋼管の相互突合せ部に、重量%でB:4%以下、Si:
    8%以下(Bが上限量の場合は省略可能)、Cr:5〜40
    %、Mo:10%以下を含み、残部が不可避不純物およびFe
    またはNiからなる融点1150℃以下、厚さ10〜80μmのイ
    ンサート材を介在させ、酸素量が200ppm以下の雰囲気中
    においてその突合せ部を0.5〜2kgf/mm2の圧力で加圧し
    ながら100〜400kHzの高周波電流にて1150〜1250℃の温
    度に120秒以上誘導加熱し、前記インサート材を溶融さ
    せることを特徴とするクラッド鋼管の接合方法。
  3. 【請求項3】外管がステンレス鋼もしくは高Ni合金鋼よ
    りなり、内管が炭素鋼もしくは低合金鋼よりなる外面ク
    ラッド鋼管の相互突合せ部に、重量%でB:4%以下、Si:
    8%以下(Bが上限量の場合は省略可能)、Cr:5〜40%
    を含み、残部が不可避不純物およびFeまたはNiからなる
    融点1150℃以下、厚さ10〜80μmのインサート材を介在
    させ、酸素量が200ppm以下の雰囲気中においてその突合
    せ部を0.5〜2kgf/mm2の圧力で加圧しながら10kHz以下の
    高周波電流にて1150〜1250℃の温度に120秒以上誘導加
    熱し、前記インサート材を溶融させることを特徴とする
    クラッド鋼管の接合方法。
  4. 【請求項4】外管がステンレス鋼もしくは高Ni合金鋼よ
    りなり、内管が炭素鋼もしくは低合金鋼よりなる外面ク
    ラッド鋼管の相互突合せ部に、重量%でB:4%以下、Si:
    8%以下(Bが上限量の場合は省略可能)、Cr:5〜40
    %、Mo:10%以下を含み、残部が不可避不純物およびFe
    またはNiからなる融点1150℃以下、厚さ10〜80μmのイ
    ンサート材を介在させ、酸素量が200ppm以下の雰囲気中
    においてその突合せ部を0.5〜2kgf/mm2の圧力で加圧し
    ながら10kHz以下の高周波電流にて1150〜1250℃の温度
    に120秒以上誘導加熱し、前記インサート材を溶融させ
    ることを特徴とするクラッド鋼管の接合方法。
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