JPH08130021A - アルカリ電池 - Google Patents

アルカリ電池

Info

Publication number
JPH08130021A
JPH08130021A JP20632895A JP20632895A JPH08130021A JP H08130021 A JPH08130021 A JP H08130021A JP 20632895 A JP20632895 A JP 20632895A JP 20632895 A JP20632895 A JP 20632895A JP H08130021 A JPH08130021 A JP H08130021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
zinc
active material
triazine thiol
battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20632895A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunji Watanabe
俊二 渡邊
Tsugio Sakai
次夫 酒井
Toyoo Hayasaka
豊夫 早坂
Hideo Sakamoto
秀夫 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP20632895A priority Critical patent/JPH08130021A/ja
Publication of JPH08130021A publication Critical patent/JPH08130021A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02E60/12

Landscapes

  • Primary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 無水銀亜鉛粉末を負極活物質とするコイ
ン型、またはボタン型アルカリ電池に用いる負極缶表面
を化学研磨、酸洗浄またはめっきで清浄にし、トリアジ
ンチオール、アルキルイミダゾールまたはフッ化炭素系
界面活性剤で処理する。さらに、電解液または負極合剤
中にインジウム化合物や酸化鉛等のインヒビターを添加
する。 【効果】 本発明によると、自己放電が少なく、漏液を
改善した無水銀アルカリ電池を作製することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ電解液を使用
する酸化銀電池、二酸化マンガン電池、空気電池などの
アルカリ電池の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ電池には、筒型、ボタン型等が
ある。例えば、図1に示すようなボタン型アルカリ電池
では、ガスケット8と負極缶1と正極缶6をはめ合わせ
て、正極合剤7、負極合剤2、電解極含浸材4、セパレ
ータ5、水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化カリウ
ム(KOH)を主とするアルカリ電解液を封入すること
を基本的な構成としている。
【0003】従来、このようなアルカリ電池では、時計
やページャ、携帯電話など精密機器に使用中に、アルカ
リ電解液が、ガスケットの周辺部、特に負極缶(蓋)と
ガスケットの当接面から漏出する場合があった。この原
因は、以下の電気化学的現象によると一般的に考えられ
ている。 (1)負極缶に集電体として配設されている銅面が酸化
して、負極活物質との電位差が大きくなりる。 (2)これにより、電池内のアルカリ電解液が移動し、
ガスケットの周辺部分、特に、負極缶とガスケットの当
接面に沿って這いあがり局所的に集中する。 (3)負極缶とガスケットの密封性が悪いと、さらに、
アルカリ電解液は、漏液しやすい。
【0004】そこで、この密封性を高めるために、ガス
ケット形状の改善(特公平5年第6303号)、負極缶
折返し部の改善(特開昭62年第82644号)、負極
缶銅面へのシール材配設(特公昭58年第41627
号)、負極缶集電体表面に脂肪族炭化水素を有するチオ
ール(特開昭56年第78066号)、ベンゾトリアゾ
ール(特公昭62年第49701号)、官能基が低分子
であるトリアジンチオール(特公昭61年第55219
号)の皮膜を形成することが行われていた。しかしそれ
らによっても十分な耐漏液性は得られていなかった。
【0005】また、官能基に撥水性の大きな基を用いた
トリアジンチオールの場合(特開昭57年第18786
2号)、有水銀亜鉛を用いれば多少漏液防止に効果があ
るが、無水銀亜鉛を用いたアルカリ電池の場合、電池内
でのガス発生を減らす対策を行わなければ十分な漏液防
止効果は得られなかった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】従来の方法によって
も、このアルカリ電解液の経時的な這いあがり現象(ク
リープ現象)を完全に防ぐことは困難だった。現在、電
子機器の小型薄型化や高出力電池の要請から、電池の蓋
と缶を薄くする必要が強く、従来の負極缶やガスケット
の改善だけでは、アルカリ電解液の漏出を防ぐのに限界
があった。
【0007】アルカリ電池の漏液は、負極缶集電体の銅
とガスケットの間から起こりやすい。これは、集電体と
なる金属と負極活物質との電位差が大きいため電気化学
的な駆動力により電解液が移動し漏液にいたるといわれ
ている。特に無水銀亜鉛を用いた場合は内部の集電体や
亜鉛からのガス発生により、内部の圧力が高まり漏液が
起こりやすい。また、集電体表面金属の酸化膜が厚いと
さらに漏液が起こりやすいという傾向がある。
【0008】無水銀亜鉛を用いたアルカリ電池に従来か
らの対策であった撥水剤だけを用いた場合の課題を記
す。アルカリ電池に用いられる負極缶の多くは、ニッケ
ル、ステンレス、銅の三層クラッド材をプレス成形した
ものが用いられている。そのため、成形時にニッケルや
ステンレスの切り粉や鋼具からの鉄粉が銅面に付着して
いた。集電体である銅面に付着した、ニッケル、ステン
レス、鉄等の金属粉末(コンタミ)は、水素過電圧が小
さいため亜鉛と接触し局部電池を形成して、水素ガスを
発生する。そのため、電池缶の膨らみや保存容量の劣化
といった不良の原因となっていた。これらのコンタミ
は、有水銀亜鉛を用いた場合も大きな問題であったが、
銅面は水銀によりアマルガム化されるため、極端に大き
なコンタミ以外は多い隠され、それほど大きな水素ガス
発生をもたらさなかった。
【0009】無水銀亜鉛の場合、アマルガム化のかわり
に、電池内で、銅と亜鉛が接触すると銅がカソードとな
り銅面へ亜鉛がめっきされる。このめっきはアマルガム
化程ではないが、亜鉛粉末と集電体の電気的コンタクト
がよくしたり、銅面についていたコンタミを覆い隠すと
いう効果がある。この缶へのめっきを撥水剤を負極缶の
集電体の金属表面に配置することにより、阻害するとい
う課題があった。
【0010】はい上がりを防止する撥水剤は、この銅面
へのめっきを阻害する場合が多い。従って、このコンタ
クトを阻害しない必要がある。そのため、漏液を止める
ためにはこれらの原因を改善するため、それぞれの原因
への対策を組み合わせて実施する必要がある。そこで、
次のことに着目して本発明にいたった。 (1)負極缶集電体自体に撥水性をもたせアルカリのは
い上がりをおさえる。 (2)集電体からのガス発生を抑える。 (3)集電体の酸化を防止する。 (4)集電体へのめっきをつき易くする
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、以下の内容を単独または組み合わせて用いた。 (1)負極缶集電体自体に撥水性をもたせアルカリのは
い上がりをおさえる。トリアジンチオール、アルキルイ
ミダゾール、フッ化炭素系界面活性剤より選ばれる1種
以上を含んだ水溶液に負極缶を浸漬し、撥水剤となるこ
れらの皮膜を負極缶の集電体となる銅または銅合金上に
配設した。これにより、はい上がってくるアルカリ電解
液をはじくことができる。
【0012】(2)集電体からのガス発生を抑える。 集電体のコンタミを除去するため酸洗浄して用いた。 集電体のコンタミを除去するため化学研磨して用い
た。 集電体のコンタミを除去するため負極缶にめっきして
用いた。 インヒビターとして電解液にインジウム化合物や酸化
鉛等を添加して用いた。
【0013】(3)集電体の酸化を防止する。 トリアジンチオール、アルキルイミダゾール、フッ化
炭素系界面活性剤等の撥水剤となるこれらの皮膜を負極
缶の集電体となる銅に配設したことにより、負極缶製造
から電池に組むまでの間に、集電対が酸化することを防
いだ。 負極缶の化学研磨、または酸洗浄後非酸化性の酸に浸
漬した。 トリアジンチオール、アルキルイミダゾール、フッ化
炭素系界面活性剤より選ばれる1種以上を含んだ水溶液
を酸性にして用いた。
【0014】(4)集電体へのめっき(電池内での)を
つき易くする 電解液にインジウム化合物や酸化鉛等を添加して用い
た。 撥水皮膜をできる限り薄くした。 撥水剤にカチオン系フッ化炭素界面活性剤を用いた。
【0015】特に、無水銀亜鉛を用いたアルカリ電池の
集電体に撥水剤を用いると亜鉛めっきが阻害され、電池
缶についたコンタミを十分に多い隠すことができなく、
ガス発生により、内部の圧力が高まり漏液が起こりやす
いという課題があることを述べた。この課題を解決する
手段として、コンタミを酸洗浄または化学研磨により十
分に落としてから配置するか、負極缶をSn等の金属で
予めめっきしてコンタミを多い隠してから配置する等の
組み合わせを用いる方が効果的である。
【0016】本発明の撥水剤は漏液を防止する効果の
他、酸洗浄やめっき直後の非常に活性な金属表面の酸化
を防止する効果もある。コンタミの除去や隠ぺいが十分
でない場合(撥水剤の影響が強い場合)は、インジウム
化合物、酸化鉛等のインヒビターを添加し、電池内での
亜鉛めっきが起こりやすいようにすればよい。
【0017】
【作用】撥水剤として用いたトリアジンチオール、アル
キルイミダゾール、フッ化炭素系界面活性剤作用につい
て記す。トリアジンチオールのチオール基は、金属と容
易に反応して金属塩を形成する。その結果、金属表面に
安定なトリアジンチオール皮膜が形成される。トリアジ
ンチオールのR1、R2の脂肪族炭化水素が疎水性を持
つため、皮膜は撥水性および金属の防食性を持つ。金属
との反応によってできた皮膜であるため比較的強固であ
る。
【0018】メチルイミダゾール等のアルキル基の小さ
いアルキルイミダゾールは水に溶解する。溶解したアル
キルイミダゾールは銅と反応して錯体を形成し、銅表面
に皮膜をつくる。この皮膜のアルキル基が疎水性を持つ
ため、皮膜は撥水性および金属の防食性を持つ。
【0019】カチオン性のフッ素系界面活性剤は、水溶
液中でプラスに帯電するためマイナス荷電を有する金属
等の物質に吸着皮膜を形成することが知られている。疎
水基としては、パーフルオロアルキル基等を有するため
皮膜は撥水性および金属の防食性を持つ。撥水性は強い
が、アルカリで分解し易いため電池内での亜鉛めっきを
阻害しにくい。
【0020】これらの撥水剤を単独または組み合わせて
用いることにより、皮膜強度や撥水性を調整できる。こ
れらの撥水皮膜をニッケル、ステンレス、銅の三層クラ
ッド材を用いたアルカリ電池負極缶に配置した場合、ニ
ッケル側ではニッケルの腐食を防止し、接触端子との接
触抵抗の増加を抑制する。銅側でも同様に腐食を防止
し、シール材との馴染みをよくし漏液を防止する効果が
ある。缶、集電体、ガスケットの表面に、溶液に溶解
し、直接塗布することによって、単独の物質として配設
してもよいし、シール材に含有せしめて配設することも
可能である。又、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン等から成るガスケットに含有せしめて配設しても効
果がある。
【0021】これらの撥水剤は、亜鉛を用いるアルカリ
電池であれば有水銀、無水銀に関わり無く、漏液を減少
するという効果がある。初期的に負極缶がきれいであれ
ば、無水銀亜鉛を用いてもこれらの方法の組み合わせで
十分である。しかし、負極缶のコンタミによる汚れは缶
の製造ロットによりばらつきが大きく、致命的な品質不
良を招きかねない。無水銀亜鉛を用いる場合には以下の
ような方法との組み合わせを検討せざるを得ない。
【0022】無水銀亜鉛を用いたアルカリ電池の負極缶
に撥水剤を配した場合、電池内での亜鉛めっきが阻害さ
れ、電池缶についたコンタミを十分に多い隠すことがで
きなく、ガス発生により、内部の圧力が高まり漏液が起
こりやすい。負極缶に付いたコンタミを酸洗浄または化
学研磨により十分に落とすか、めっきによりコンタミを
隠ぺいしてから撥水剤やシール材薄膜を配置する必要が
ある。
【0023】化学研磨の方法としては以下のような方法
が有効である。ニッケル、ステンレス、銅の三層クラッ
ド材を用いたアルカリ電池負極缶を過酸化水素水(市販
の30%程度の濃度のもの)5〜20vol%、硫酸
(市販の98%程度の濃度のもの)0.01〜0.5w
t%からなるエッチング液に浸漬すると、銅は過酸化水
素水により酸化されさらに微量の硫酸により銅酸化膜が
徐々に溶けていく。銅の酸化は、表面の突起している部
分で起こりやすいため、銅の表面は徐々に平坦化してい
く。酸化膜の生成は表面の突起している部分で起こりや
すく、酸化膜の溶解は凹凸に関係なく起こる。過酸化水
素水、水を含む溶液に、硫酸を0wt%から加えていく
と他の組成にもよるが0.03から0.2wt%に茶色
の銅の酸化膜生成速度の最も大きいピークがあらわれ
る。約1wt%以上硫酸を加えると酸化膜生成速度より
酸化膜の溶解速度が大きくなり表面は荒れてくる。
【0024】このエッチング液で銅は茶色の酸化膜で覆
われている。さらにこの負極缶を酸性の溶液に浸漬する
ことにより銅酸化膜を溶解することができる。酸の種類
は硫酸、塩酸、硝酸等いづれでもよい。ニッケルをあま
り溶解しない濃度がよい。例えば、10重量%前後の硫
酸に数十秒間浸漬することにより銅酸化膜は完全に除去
することができ、光沢銅面を有する負極缶を得ることが
できる。負極缶の周囲の180度近く折り返されている
部分も表面が滑らかになるため、ガスケットとの密着が
良くなり漏液も少なくなる。
【0025】酸洗浄としては以下の方法が有効である。
鉄やニッケル系のコンタミがついた場合、酸洗浄が有効
であるが、銅、ステンレス、ニッケルの三層クラッド材
を用いた負極缶で、長く酸洗浄を行うニッケルやステン
レスが溶けてしまうという問題があるため注意が必要で
ある。酸としては硫酸、塩酸、硝酸の単独または混合し
たものを用いることができる。望ましい。酸濃度は10
〜60%程度に数10秒〜数分浸漬することが望まし
い。例えば、酸濃度をA重量%、浸漬時間をB分とした
場合、A×Bの値が10以上となるよう設定すれば十分
な効果が得られる。使用する負極缶によりコンタミの付
着状態は異なるため、適正濃度と浸漬時間は実施例記載
のガス発生テストにより各製造ロットごとに決めればよ
い。酸処理温度は、硫酸の場合室温から80℃、塩酸の
場合揮発性が強いため室温で行う。コンタミとしてつい
た鉄やニッケルの多くが深く打ち込まれている場合や酸
化物となっている場合は、酸洗浄だけでは除去しきれな
い場合もあるため、化学研磨との併用も効果的である。
【0026】化学研磨、または酸洗浄後の銅表面は非常
に清浄となっている。そのため、清浄を保ったまま次の
工程に入らなければならない。化学研磨、または酸洗浄
後の銅表面は非常に活性であるため、その後の水洗で酸
化してしまうことがる。水温の高い夏場や溶存酸素の多
い水で洗浄する場合は数十秒で酸化がはじまる。特に酸
化性のある酸(硝酸、高濃度の硫酸、高濃度の塩酸)で
酸洗浄等を行った場合は、非酸化性の酸に10〜30秒
程度浸漬すれば、その後の水による洗浄工程での銅の酸
化を遅らすことができる。この場合の酸はpH2〜3に
調整されていることが望ましい。
【0027】さらに活性である銅表面は、撥水剤等の金
属の防食性を持つ皮膜をすばやく配置する必要がある。
そのため化学研磨や酸洗浄後水溶性の撥水剤の溶解した
液にできるだけはやく浸漬する必要がある。非水溶性溶
液に溶けた撥水剤を用いると、化学研磨や酸洗浄後の水
洗や乾燥(または水の非水溶媒への置換)に時間がかか
るため銅が撥水処理する前に酸化してしまう。
【0028】トリアジンチオールのM1、M2の少なく
ても片方がナトリウムかカリウムであるもの、アルキル
基の小さいアルキルイミダゾール、フッ素系の界面活性
剤は水溶性である。つまり、酸洗浄および化学研磨後非
常に活性である銅表面にすばやく撥水処理できる。ま
た、これらの撥水処理液を酸性にしておけば、酸洗浄お
よび化学研磨後の水洗で多少銅が酸化しても、撥水処理
液浸漬中に銅酸化膜を除去できる。酸の濃度は、できる
限り薄い方がよい。トリアジンチオールの場合酸が高濃
度になると沈澱を生じる。アルキルイミダゾール、フッ
素系の界面活性剤の場合は表面が酸化したように茶色に
なる。pHは2〜3程度がよい。硫酸、塩酸の場合は
0.01vol%、燐酸の場合0.025vol%、酢
酸の場合0.5vol%前後の低濃度がよい。このうち
燐酸を用いた場合が最も効果的であった。これは、硫酸
によるCuSO4・3Cu(OH)2や塩酸によるCu
Cl2・3Cu(OH)2などの皮膜を生じないためと
思われる。
【0029】トリアジンチオールは酸性で沈澱するた
め、酸洗浄での酸が、トリアジンチオールの処理液に持
ち込まれると処理できなくなるという課題がある。これ
は、M1、M2のナトリウムかカリウムが水素で置換さ
れ溶解性を失うためである。例えば、トリアジンチオー
ル0.2重量%溶液では、硫酸を0.01重量%加えた
だけで沈澱する。しかし、トリアジンチオール0.01
重量%では硫酸数重量%でも沈澱しなかった。トリアジ
ンチオールを低濃度にすることにより沈澱を防ぐことが
できる。すなわち、酸洗浄後の負極缶のトリアジンチオ
ール溶液への浸漬は、撥水効果のある範囲でできるだけ
低濃度であることが望まれる。万が一、沈澱が生成して
しまった場合は、アルカリ溶液で中和すれば沈澱物は速
やかに溶解し、処理液はまた使えるようになる。
【0030】負極缶についたコンタミの影響をなくす方
法としては、負極缶に亜鉛、インジウム、スズ、鉛の中
から選ばれる1種以上の金属または合金めっきを施すこ
とも有効である。コンタミを隠ぺいすると同時に負極缶
と負極活物質の電位差を小さくするため、局部電池を形
成を阻止し、そこから水素ガスが発生するのを防ぐため
である。めっき前に、酸洗浄や化学研磨しておけばさら
にコンタミは少なくなる。
【0031】めっき直後の表面も非常に活性であるため
すばやく撥水性および金属の防食性を持つ皮膜を配置す
る必要がある。めっき工程は水溶液系の処理が主である
ため、本発明の水溶性撥水剤の金属の防食性を持つ皮膜
はここでも非常に有効な手段である。
【0032】化学研磨、酸洗浄またはめっき処理した
後、撥水剤皮膜を配置した負極缶を用いて無水銀アルカ
リ電池を作製すると、電特、漏液等優れた電池を作製す
ることができる。しかし実際の量産では、撥水剤皮膜を
配置した負極缶は数万個単位で扱われるため、一度きれ
いにした負極缶も缶どうしの接触により負極缶外側のニ
ッケルが内側の銅やめっき面の金属に付着し、そこから
ガスが発生し電池特性を悪くするという問題があった。
無水銀亜鉛を用いた電池の場合、アマルガム化のかわり
に、電池内で、銅と亜鉛が接触すると銅がカソードとな
り銅面へ亜鉛がめっきされる。銅面に撥水剤皮膜が存在
すると亜鉛めっきが阻害されることがあった。この解決
方法として、 (1)撥水剤を効果のある範囲できるだけ薄くするこ
と。 (2)撥水剤としてカチオン系の界面活性剤を用いるこ
と。 (3)電解液または負極活物質中にインジウム化合物、
酸化鉛から選ばれる1種以上のインヒビターを添加する
こと。 を行った。
【0033】本発明の撥水剤を薄くすれば、めっきを妨
害する皮膜が薄くなるため銅面への亜鉛めっきは着き易
くなる。撥水剤としての界面活性剤の吸着力は、化学的
に結合するトリアジンチオールや錯化合物を形成するア
ルキルイミダゾールに比べて強くない。カチオン系の第
4アンモニウム塩構造のものは酸性および中性では金属
に吸着し易く、アルカリでは分解し易い。特に、疎水基
にフッ化炭素をもつものは、金属の撥水剤として良好な
特性を示す。つまり、カチオン系のフッ化炭素界面活性
剤を用いれば、化学研磨、または酸洗浄後の銅表面は非
常に清浄な銅面に吸着しその後の水洗や保管での酸化を
防止する。さらに、電池組立後においては、アルカリで
分解し、電池内での銅面への亜鉛めっきを妨害しない。
【0034】電解液または負極活物質中に硫酸インジウ
ム、スルファミン酸インジウム、塩化インジウム等のイ
ンジウム化合物や酸化鉛をインヒビターとして添加する
と、インジウムや鉛は亜鉛より析出電位が高いため電池
内で負極缶にインジウムや鉛そして誘起共析される亜鉛
がすみやかにめっきされる。これにより、付着したニッ
ケル等のコンタミを隠ぺいしガス発生を抑制することが
できる。また、これらのインヒビターは、負極缶の輸送
や電池の組立中に混入する鉄やニッケル等の粒子状の金
属コンタミの表面にも析出し、ガス発生を抑制する効果
もある。
【0035】撥水剤を配置した負極缶の表面は物理的、
化学的に保護される。そのためニッケルと銅の摩擦が少
なくなり、多少ではあるが負極缶銅面へのニッケルの付
着が少なくなる。これらのインヒビターは量が多いと電
解液内で水酸化物つくり、実質的な電解液の量を少なく
することになり電圧を下げる。
【0036】撥水剤は、できるだけ薄くしたり、カチオ
ン系のフッ化炭素界面活性剤を用い、インヒビターが少
量で効果がでるように工夫することが大切である。以上
述べた技術を電池の種類、組立方法、構成部品の状況に
より組み合わせて用いれば良い。組み合わせは、品質と
製造コストの兼ね合いにより最大の効果の現れる組み合
わせを状況により選択し用いれば良い。
【0037】
【実施例】
[実施例1]負極活物質が無水銀亜鉛粉末であるアルカ
リ電池に本発明を実施するため以下のような実験を行っ
た。
【0038】(実験1)負極缶銅面の撥水剤が、電池の
漏液に効果があるかどうか予測するために次の電解液這
いあがりテストをした。実験は撥水剤を着けた1×14
cm銅板を、無水銀亜鉛粉末20g(アトマイズで作製
したビスマス130ppm、インジウム500ppm、
アルミニウム30ppm含むみ、100〜200メッシ
ュのもの)とKOH系電解液の50ml入った300m
lのコニカルビーカー内部に立てかけてシーロンテープ
で蓋をした。次に、電解液が水面からどのように這いあ
がるか銅表面を観察した。銅面を這いあがる速度が速け
れば実際の電池でも漏液しやすいことになる。銅板は、
予め化学研磨(実験2で示す方法と同じ処理をしたも
の)を施しておいた銅板を酸洗浄(硫酸10重量%)し
て用いた。
【0039】トリアジンチオールは、R1、R2がエチ
ル基であるジエチルアミン基をもち、M1、M2が水素
であるものを用いた。このトリアジンチオールは水に溶
解しないため、等モルのNaOHで中和し、M1または
M2にNaを付加して用いた。水100mlにNaOH
30重量%を0.47ml(0.0093mol)加え
た溶液にトリアジンチオール2g(分子量216)を加
え常温でスターラー攪拌した。約30分で完全に溶解す
る。この液を0.004、0.2重量%に希釈したもの
に銅板を30秒間浸漬した。その後、水洗し熱風乾燥機
で表面の水分を飛ばし乾燥する事によりトリアジンチオ
ールを銅表面に配置した。次にこの結果を示す。
【0040】
【表1】 このように、トリアジンチオール処理は、低濃度でもア
ルカリ電解液の這いあがり抑制効果がある。 (実験2−1)負極缶の酸化防止効果があるかどうかを
予測するために、SR626SWサイズでニッケル、ス
テンレス、銅の三層クラッド材より成る負極缶を用い、
トリアジンチオール処理後の負極缶銅面変色を調べた。
【0041】トリアジンチオールを配置する前に次の化
学研磨により、負極缶銅面を清浄にした。 (1)過酸化水素水(試薬特級30重量%)70ml、
硫酸(試薬特級97重量%)1g、水(純水)930m
lからなるA液と硫酸約10重量%の水溶液であるB液
を500ml作製した。液温は、A、B液とも室温とし
た。
【0042】(2)ポリプロピレン製バスケットに入れ
た負極缶200個を、80度に熱したアルカリ脱脂液に
15秒間振とうを加えながら浸漬し、次に10秒間水洗
した。これを3回繰り返してから、空気になるべく晒さ
ないように水及び純水に浸漬して数秒間洗浄した。
【0043】(3)次に、この負極缶をばやくA液に入
れ、3分間軽い振とうを加えながら浸漬し、均一なあめ
色の酸化銅皮膜が生成した負極缶を水洗した。 (4)さらに、B液に30秒間浸漬して銅酸化膜の溶解
を行い光沢のある銅面を有する負極缶を得た。
【0044】(5)得られた負極缶を、なるべく空気に
晒さないように、水及び純水に浸漬して数秒間洗浄した
後に、所定の濃度に調整したトリアジンチオールの5リ
ットル溶液に軽い浸とうを加えながら30秒間浸漬して
から、流水で2分間、純水で1分間洗浄した。
【0045】(6)メタノールを入れた槽を2槽用意
し、負極缶を、各槽に30秒づつ浸とうを加えながら浸
漬して、缶表面の水をメタノールで置換した。置換後、
メタノール分を熱風乾燥機で大まかにとばし、50℃に
加熱した乾燥炉で15分間乾燥した。その後、負極缶銅
面の酸化による変色を肉眼で観察して次の結果を得た。
【0046】
【表2】 この結果よれば、200個レベルの負極缶処理だと、ト
リアジンチオールの濃度が0.02から0.002重量
%で効果があることがわかる。さらに、負極缶の数を1
000及び10000個に増やして同様に実験した。負
極缶200個レベルで問題の無かった0.002重量%
の濃度で、僅かな銅の変色が認められるものがあった。
したがって、処理する負極缶が少なく液がよく回る状態
であればトリアジンチオールの濃度は、0.002重量
%で効果があるが、負極缶の数が多くなる量産では、
0.004重量%もしくはこれ以上が望ましい。
【0047】また、作業工程を簡略する目的で、負極缶
を、化学研磨に代えて次の酸洗浄を行った。 (イ)ポリプロピレン製のバスケットに入れた負極缶2
00個を80℃に熱したアルカリ脱脂液に15秒間振と
うを加えながら浸漬し、次に10秒間水洗した。この操
作を3回繰り返した後、空気になるべく晒さないよう
に、水及び純水に浸漬して数秒間洗浄した。 (ロ)次に、この負極缶を、すばやく硫酸(試薬特級9
7重量%)200ml、塩酸(試薬特級35重量%)2
00ml、水または純水300mlからなる液に入れ、
2分間軽い振とうを加えながら浸漬して清浄な銅面を有
する負極缶を得た。以後の処理は、上記(5)以降と同
様として負極缶表面の変色を確認したところた、全く化
学研磨と同様な結果となった。つまり、清浄にする方法
がなんであれ清浄な銅面がでていれば、トリアジンチオ
ールの効果は変わらないことが分かった。
【0048】(実験2−2)負極缶を上記のような化学
研磨または酸洗浄処理した後に、トリアジンチオール処
理により白濁が生じて、液寿命が短くなったり、負極缶
が汚染されないかどうかをテストした。
【0049】(1)0.2重量%のトリアジンチオール
溶液100mlに、0.1体積%の硫酸をビューレット
で滴下した。その結果、5.8mlで溶液は白濁した。
この硫酸は、溶液中のトリアジンチオールとほぼ等モル
である。この溶液に、NaOH30重量%のアルカリ液
を数滴たらす(等モル以上)と沈殿は再び溶解する。
【0050】(2)0.004重量%のトリアジンチオ
ール溶液100mlに10体積%の硫酸をビューレット
で添加した。その結果、30mlの滴下でもトリアジン
チオールの溶液は白濁しなかった。 (3)0.004重量%のトリアジンチオール溶液90
mlに10体積%の硫酸を10ml加え放置したとこ
ろ、5日後でも沈殿しなかった。このように、トリアジ
ンチオール0.004重量%程度の稀薄溶液であれば、
トリアジンチオールのモル濃度以上の硫酸等の酸が入っ
ても白濁し沈殿しないことがわかった。液の寿命から言
ってもトリアジンチオールを低濃度で使用することは効
果がある。また、万が一沈殿しても、アルカリで中和す
れば再び溶解するため、負極缶の汚染を回避することが
できる。
【0051】(実験3)次にアルキルイミダゾールとし
て2−メチルイミダゾールについて適正処理濃度を調べ
た。2−メチルイミダゾールは容易に水に溶解するた
め、処理液は純水に所定量をスターラー攪拌しながら加
えることにより調製した。負極缶(SR626サイズ)
への2−メチルイミダゾールの配置は以下のような方法
で行った。
【0052】(1)ポリプロピレン製のバスケットに入
れた負極缶10000個を80℃に熱したアルカリ脱脂
液に15秒間振とうを加えながら浸漬し、次に10秒間
水洗した。この操作を3回繰り返した後、空気になるべ
く晒さないように、水及び純水に浸漬して数秒間洗浄し
た。
【0053】(2)次に、この負極缶を、硫酸(試薬特
級97重量%)200ml、純水800ml、温度60
℃の液に入れ、2分間軽い振とうを加えながら浸漬して
清浄な銅面を有する負極缶を得た。 (3)得られた負極缶を、なるべく空気に晒さないよう
に、水及び純水に浸漬して数秒間洗浄した後に、所定の
濃度に調整した2−メチルイミダゾールの5リットル溶
液に軽い浸とうを加えながら30秒間浸漬してから、流
水で2分間、純水で1分間洗浄した。
【0054】(4)メタノールを入れた槽を2槽用意
し、負極缶を、各槽に30秒づつ浸とうを加えながら浸
漬して、缶表面の水をメタノールで置換した。置換後、
メタノール分を熱風乾燥機で大まかにとばし、50℃に
加熱した乾燥炉で15分間乾燥した。その後、負極缶銅
面の酸化による変色を肉眼で観察した。
【0055】その結果0.01〜0.5重量%で変色し
なかった。 (実験4−1)フッ素系の界面活性剤としてパーフルオ
ロアルキル第4アンモニウムヨウ化物(住友スリーエム
株式会社製FC−135固形分濃度50%)を用い、適
正濃度を調べた。FC−135は容易に水に溶解するた
め、処理液は純水に所定量をスターラー攪拌しながら加
えることにより調製した。負極缶(SR626サイズ)
へのFC−135の配置は(実験3)と同様の方法で配
置するための処理液だけを替えて行った。その後の変色
も同様に調べた。処理液のFC−135濃度は0、0.
005、0.01、0.05、0.1g/Lついて調べ
た。その結果、0.01g/L以上の濃度で変色しなか
った。
【0056】(実験4−2)フッ素系の界面活性剤とし
てパーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩(旭
硝子株式会社製S−121固形分濃度30%)を用い、
適正濃度を調べた。S−121は容易に水に溶解するた
め、処理液は純水に所定量をスターラー攪拌しながら加
えることにより調製した。負極缶(SR626サイズ)
へのS−121の配置は(実験3)と同様の方法で配置
するための処理液だけを替えて行った。その後の変色も
同様に調べた。処理液のS−121濃度は0、0.00
5、0.01、0.05、0.1g/Lついて調べた。
その結果、0.05g/L以上の濃度で変色しなかっ
た。
【0057】(実験5)化学研磨や酸洗浄後の銅表面は
非常に活性である。負極缶の処理量が10000個以上
になると、水洗に時間がかかり銅が撥水処理する前に酸
化してしまう危険がある。
【0058】そこで、撥水処理液を酸性にしておくこと
により、酸洗浄および化学研磨後の水洗で多少銅が酸化
しても、撥水処理液浸漬中に銅酸化膜を除去することを
考案した。極端に高い酸濃度、例えば硫酸20vol%
の液で撥水処理液を調製すると銅面はかえって茶色に変
色してしまった。トリアジンチオールの処理液の場合は
高濃度の酸により沈澱を生じてしまった。そこで、撥水
剤の処理時間30秒内に酸化膜を除去できる酸濃度を調
べた。以下その方法を記す。
【0059】(1)アルカリ脱脂したSR626SWサ
イズの負極缶を流水中に10分缶浸漬し、表面を酸化し
茶色にした。 (2)表面の腐食した負極缶を所定の濃度に調製した酸
に浸漬し、酸化膜のなくなるまでの時間を測定した。
【0060】約10秒で酸化膜のなくなるまでの濃度を
測定した結果を示す。硫酸(試薬特級98%)は、0.
01vol%でpHは2.41であった。塩酸(試薬特
級36%)は、0.02vol%でpH2.62であっ
た。燐酸(試薬1級85%以上)は、0.025vol
%でpH2.86であった。酢酸(試薬特級)は、0.
5vol%でpH2.90であった。
【0061】酸の濃度は、実験結果のように低濃度で十
分で、できる限り薄い方がよい。トリアジンチオールの
場合酸が高濃度になると沈澱を生じるし、アルキルイミ
ダゾール、フッ素系の界面活性剤の場合は表面が酸化し
たように茶色になる。pHは2〜3程度がよい。
【0062】(実験6)撥水剤と酸との組み合わせ このうち燐酸を用いた場合が最も効果的であった。これ
は、硫酸によるCuSO4・3Cu(OH)2や塩酸に
よるCuCl2・3Cu(OH)2などの皮膜を生じな
いためと思われる。
【0063】(実験6)量産では、負極缶は数万個単位
で扱われるため、上記の化学研磨または酸洗浄で予めコ
ンタミを除かれた負極缶も、缶同士の接触および摩擦で
缶外側のニッケル微粉が、内側の銅面に付着してガス発
生の原因になる。トリアジンチオール処理は、これを防
止する効果があるかどうか確認するために、次のテスト
を行った。
【0064】上記実験2と同じように酸洗浄により初期
コンタミを落とした後に0.004重量%の処理濃度で
トリアジンチオール処理したものとしないものを800
個づつ用意した。それぞれの負極缶を直径3.5cm、
高さ12cmのガラス瓶に200個入れ、ガラス瓶長手
方向の中央を中心として回転数66rpmで10、3
0、60分間回転させ、缶どうしの接触により銅面にニ
ッケルを付着させ、ガス発生テストを行った。
【0065】負極缶の評価は、トリアジンチオール処理
した負極缶に電解液をこぼれる寸前まで駒込ピペットで
いれた後、100から200メッシュの大きさの無水銀
亜鉛を数10粒いれ、負極缶に発生する気泡と銅面への
亜鉛めっきのされ方を実体顕微鏡により観察するという
ガス発生テストにより行った。負極缶にニッケル、ステ
ンレス、鉄等の金属粉末が付着しているとそこから気泡
が発生する。比較的大きな金属粉末からは、気泡が連続
的に発生する連続気泡がみられ、小さな金属粉末からは
静止気泡がみられる。このテストでガス発生が少なく、
めっきのされ方に異常がなければ実際の電池でも良好な
特性が期待できる。ガス発生テスト結果を次に示す。
【0066】
【表3】 この結果によれば、トリアジンチオールで処理した負極
缶で電池は、10、30分間の回転で多少ガス発生が少
なくなっている。しかし、60回転/間分になると、ト
リアジンチオールの膜が損傷を受けるため、ガス発生が
多くなると考えられる。
【0067】通常の負極缶の取扱い(乾燥、梱包、輸送
等)による缶同士の接触のガス発生は、10分間の回転
でのガス発生とほぼ同等である。トリアジンチオール処
理は、通常の取扱いの缶同士の接触によるニッケルの付
着も抑制する効果がある。 (実験7)電池内で、負極缶の銅と負極活物質である亜
鉛が接触すると銅がカソードとなり銅面へ亜鉛等がめっ
きされる。このめっきにより亜鉛粉末と集電体の電気的
コンタクトがよくなったり、銅面についていたコンタミ
が覆い隠される等のよい効果がある。この缶へのめっき
がトリアジンチオール処理により阻害されないか調べ
た。
【0068】負極缶の評価は、トリアジンチオール処理
した負極缶に電解液をこぼれる寸前まで駒込ピペットで
いれた後、100から200メッシュの大きさの無水銀
亜鉛を数10粒いれ、負極缶に発生する気泡と銅面への
亜鉛めっきのされ方を実体顕微鏡により観察するという
ガス発生テストにより行った。負極缶にニッケル、ステ
ンレス、鉄等の金属粉末が付着しているとそこから気泡
が発生する。比較的大きな金属粉末からは、気泡が連続
的に発生する連続気泡がみられ、小さな金属粉末からは
静止気泡がみられる。このテストでガス発生が少なく、
めっきのされ方に異常がなければ実際の電池でも良好な
特性が期待できる。
【0069】負極缶はSR626SWサイズで実験2同
様の酸洗浄により初期コンタミを落とした後、直径3.
5cm、高さ12cmのガラス瓶に200個入れ、ガラ
ス瓶長手方向を中心として回転数66rpmで60分回
転させ、缶どうしの接触により銅面にニッケルを付着さ
せ、故意にガス発生を多くしたものを用いた。
【0070】トリアジンチオール処理は、ニッケルを付
着させた負極缶を0、0.0002、0.002、、
0.02重量%の処理濃度で30秒間浸漬することによ
り行った。ガス発生テストに用いた電解液は25%のN
aOHの酸化亜鉛を飽和近く加えたものとそれにインヒ
ビターとして硫酸インジウムを200ppmさらに加え
たものを用いた。 ・結果 結果を表4、5に示した。
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】 インヒビターがない場合、トリアジンチオール処理濃度
が0.002重量%以上になるとめっきのつきが悪くな
りガス発生も悪くなる。一方、インヒビターがあれば、
0.02重量%の処理濃度でもめっきの析出は阻害され
ない。ガス発生は処理濃度が0.02重量%以上になる
と多少多くなる。
【0073】トリアジンチオール処理をしても硫酸イン
ジウムをインヒビターとして用いることにより、負極缶
へのめっきが阻害されないことがわかった。また、イン
ヒビターを用いた場合、0.002〜0.02重量%の
処理濃度の間にガス発生が増えず銅の防食効果のある条
件がある。トリアジンチオール処理とインヒビターとの
組み合わせは非常に有効な方法である。
【0074】また、同様のガス発生テストで、スルファ
ミン酸インジウム、塩化インジウム、水酸化インジウム
および酸化鉛をそれぞれ200ppm(インヒビター効
果は5〜1000ppmで確認された)インヒビターと
して用いた場合も缶へのめっきに効果があった。(ただ
し、酸化鉛を用いた場合は多少めっきされるまで時間が
かかる) 以上の実験結果をまとめると、負極缶銅面の酸か防止に
対し、トリアジンチオールの処理濃度は、0.002〜
0.02重量%程度が適当である。また、負極缶100
00個の処理であれば処理濃度0.004重量%、処理
時間30秒程度が適当である。負極缶のガス発生防止と
しては、トリアジンチオール処理とインヒビターとの組
み合わせは非常に有効な方法であることがわかった。
【0075】そこで、実際の処理は次のようにすると良
い。化学研磨または酸洗浄後の水洗から、水と少量の酸
が持ち込まれトリアジンチオール処理後トリアジンチオ
ール溶液が持ち出される。この持ち込み量を少量の負極
缶で調べると、1回にSR626SWサイズの負極缶1
0000個(740g)処理する場合、約200mlと
なった。トリアジンチオール濃度が0.004重量%の
場合、5回に1回程度、トリアジンチオール2重量%溶
液を2ml加えてれば、処理を連続して行うことができ
る。沈殿した(白濁した)場合は、希釈したアルカリ水
溶液を沈殿が溶解する。ただし、処理液が黄緑色に白濁
した場合は、酸洗浄から持ち込まれた銅などの金属イオ
ンが増加した合図なので液交換をする必要がある。
【0076】以上の結果より確認される本発明を実施し
て、SR626SWサイズの電池を作製した。前記実験
2の方法により化学研磨、酸洗浄した負極缶および、置
換めっきの手法でSnめっきを0.1μm施した負極缶
にトリアジンチオール処理を施し実際の電池を作製し、
漏液を評価した。
【0077】無水銀亜鉛粉末は、アトマイズで作製した
ビスマス130ppm、インジウム500ppm、アル
ミニウム30ppm含むみ、100〜200メッシュの
を用いた。化学研磨、酸洗浄は実験2の方法で行った。
トリアジンチオール処理は0.004重量%の処理濃度
の溶液を10リットル作製し負極缶を量産のロット構成
と同じ数の10000個づつ処理した。処理方法は、前
記実験と同様の方法で行った。
【0078】電池はSR626SWサイズのNaOH系
の電解液を用いた酸化銀電池をそれぞれ1000個作製
し、100個について漏液発生数を調べた。酸化銀電池
は以下に記すように作製した。正極缶6の凹面の中央部
にNaOHにZnOを飽和近くまで加えた電解液の1部
を滴下した。そこに酸化銀に2重量%の黒鉛を加えペレ
ット化した正極合剤7、次にセパレータ5としてポリエ
チレンのグラフト重合膜2枚、セロハン1枚をのせた。
その上にシール材9としてエポキシ系の接着剤とアスフ
ァルトピッチをトルエンに溶解したものを塗布したガス
ケット8を押し込んだ。さらに、ガスケット8とセパレ
ータ5からなる凹部に電解液含浸材4と負極合剤2(亜
鉛100部に対しポリアクリル酸系のゲル化剤を0.5
部加え、容量1000mlのガラス製ポットを持つV型
混合機で10分間混合したもの)をいれ、電解液の残り
を負極合剤2に滴下した。負極缶1をガスケット8の凹
部の溝にはいるように挿入し、最後に正極缶6上部をシ
ェービングプレスを用いかしめて、封口し酸化銀電池を
作製した。
【0079】漏液については温度60℃、湿度90%で
20日保存後、電池を負極缶を上にした方向から見て、
電池内部からの液漏れによる負極缶上面の平坦部に達す
る液後の確認できる漏液の発生したのものの比率を記し
た。合格は漏液発生が10%以下とした。
【0080】
【表6】 表6に示すようにトリアジンチオール処理と化学研磨、
酸洗浄またはSnめっきを組み合わせることにより漏液
発生率は、合格レベルに達した。さに、インヒビターを
組み合わせることにより漏液はほとんど発生しなくなっ
た。
【0081】本実施例ではジエチルアミン基を持つR
1、R2の炭素数が4個のトリアジンチオールについて
述べた。同様の実験および電池での実施をR1、R2が
ブチル基であるジブチルアミン基を持つトリアジンチオ
ールで行ったところほぼ同様の効果があった。R1、R
2の炭素数が小さいと撥水性が低下し、大きいと電池内
でのめっきの付きが悪くなる。R1、R2の合計の炭素
数は2〜10が望ましい。
【0082】[実施例2]本発明の技術を組み合わせ
た、SR626SWサイズの電池を1000個づつ作製
し評価した。実施例1の電池仕様と重なるものもある。
なお、有水銀亜鉛は、鉛を500ppm含みこう化率が
10%のもの、無水銀亜鉛はビスマス130ppm、イ
ンジウム500ppm、アルミニウム30ppm含むも
のを用いた。
【0083】用いた技術を以下に示す。 <負極缶の清浄化技術> (1)化学研磨:実施例1の実験2−1と同じ条件 (2)酸洗浄 :実施例1の実験2−1と同じ条件 (3)Snめっき:無電解めっきで負極缶銅面に0.1
μmつけた <負極缶の撥水・防錆処理技術> (4)トリアジンチオール処理 トリアジンチオールは、R1、R2がエチル基であるジ
エチルアミン基をもち、M1、M2が水素であるものを
用いた。このトリアジンチオールは水に溶解しないた
め、等モルのNaOHで中和し、M1またはM2にNa
を付加して用いた。水100mlにNaOH30重量%
を0.47ml(0.0093mol)加えた溶液にト
リアジンチオール2g(分子量216)を加え常温でス
ターラー攪拌した。約30分で完全に溶解する。この液
を0.004重量%に希釈し燐酸(試薬1級85%以
上)を0.025vol%加えpH2から3に調整した
ものを用いた。この溶液に負極缶を30秒間浸漬し、ト
リアジンチオールを銅表面に配置した。
【0084】(5)アルキルイミダゾール処理 アルキルイミダゾールは2−メチルイミダゾールを用い
た。2−メチルイミダゾールは容易に水に溶解するた
め、処理液は純水に所定量をスターラー攪拌しながら加
えることにより調製した。この液を0.01重量%に希
釈し燐酸(試薬1級85%以上)を0.025vol%
加えpH2から3に調整したものを用いた。この溶液に
負極缶を30秒間浸漬し、アルキルイミダゾールを銅表
面に配置した。
【0085】(6)フッ素系の界面活性剤処理1 フッ素系の界面活性剤としてパーフルオロアルキル第4
アンモニウムヨウ化物(住友スリーエム株式会社製FC
−135固形分濃度50%)を用いた。FC−135は
容易に水に溶解するため、処理液は純水に所定量をスタ
ーラー攪拌しながら加えることにより調製した。この液
を0.01g/Lに希釈し燐酸(試薬1級85%以上)
を0.025vol%加えpH2から3に調整したもの
を用いた。この溶液に負極缶を30秒間浸漬し、パーフ
ルオロアルキル第4アンモニウムヨウ化物を銅表面に配
置した。
【0086】(7)フッ素系の界面活性剤処理2 フッ素系の界面活性剤としてパーフルオロアルキルトリ
メチルアンモニウム塩(旭硝子株式会社製S−121固
形分濃度30%)を用いた。S−121は容易に水に溶
解するため、処理液は純水に所定量をスターラー攪拌し
ながら加えることにより調製した。この液を0.05g
/Lに希釈し燐酸(試薬1級85%以上)を0.025
vol%加えpH2から3に調整したものを用いた。こ
の溶液に負極缶を30秒間浸漬し、パーフルオロアルキ
ルトリメチルアンモニウム塩を銅表面に配置した。
【0087】<インヒビター添加技術> (8)インヒビターとして硫酸インジウムを電解液に2
00ppm添加した。 (9)インヒビターとして酸化鉛を電解液に50ppm
添加した。 結果を表7、8、9に示した。
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】 表中用いた技術については○印を記入した。一番右の欄
の評価は、×、△、○、◎で行った。実用上問題の無い
レベルを○とした。負極缶のコンタミの付着状況は製造
ロットによってかなりばらつきがある。負極缶の清浄化
(酸洗浄、化学研磨、Snめっき)しなくとも評価が○
となっているものもなるが、清浄化を施した方がより安
定した品質が得られる。逆に負極缶自体で清浄化したも
のが安定して得られるのであれば、酸洗浄、化学研磨、
Snめっきはしなくともよいことになる。組み合わせ
は、品質と製造コストの兼ね合いにより最大の効果の現
れる組み合わせを状況により適宜選択し用いれば良い。
【0091】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、極
めて簡単な方法で、アルカリ電池の耐漏液性を大幅に向
上させることができる。また、本発明の皮膜によれば、
缶の表面と空気を遮断しコンタミをつきにくくすること
から負極缶の表面保護にも有効である。
【0092】本発明の実施例では、アルカリ電解液を用
いる酸化銀電池につて記述したが、銅または銅合金を集
電体とする負極缶を用いるものであれば、二酸化マンガ
ン電池、空気電池等であっても同様の効果を示すことは
いうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を説明する図である。
【符号の説明】
1 負極缶 2 負極合剤 3 負極缶の折返し部 4 電解液含侵材 5 セパレータ 6 正極缶 7 正極合剤 8 ガスケット 9 負極缶とガスケットの当接面 10 本発明による皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 秀夫 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコー電子工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極缶表面に、トリアジンチオール、ア
    ルキルイミダゾール、フッ化炭素系界面活性剤より選ば
    れる1種以上を配設したことを特徴とする無水銀亜鉛粉
    末を負極活物質とするアルカリ電池。
  2. 【請求項2】 前記トリアジンチオールの一般式が、 【化1】 (式中、R1は水素または脂肪酸炭化水素、R2は脂肪
    酸炭化水素で、M1およびM2はナトリウム、カリウム
    または水素である。)であることを特徴とする求項1記
    載の無水銀亜鉛粉末を負極活物質とするアルカリ電池
  3. 【請求項3】 前記フッ化炭素系界面活性剤が、パーフ
    ルオロアルキル基を持つカチオン性の界面活性剤である
    ことを特徴とする求項1記載の無水銀亜鉛粉末を負極活
    物質とするアルカリ電池
  4. 【請求項4】 負極缶が、予め、化学研磨または酸洗浄
    されている請求項1記載の無水銀亜鉛粉末を負極活物質
    とするアルカリ電池
  5. 【請求項5】 負極缶が、予め行う化学研磨または酸洗
    浄後に非酸化性の酸に浸漬されたものであることを特徴
    とする請求項4記載の無水銀亜鉛粉末を負極活物質とす
    るアルカリ電池
  6. 【請求項6】 負極缶表面に、トリアジンチオール、ア
    ルキルイミダゾール、フッ化炭素系界面活性剤より選ば
    れる1種以上を配設するための処理液が酸性に調整され
    ていることを特徴とする請求項1記載の無水銀亜鉛粉末
    を負極活物質とするアルカリ電池
  7. 【請求項7】 負極缶が、濃度0.02重量%以下のト
    リアジンチオール液で処理されたものであることを特徴
    とする請求項1記載の無水銀亜鉛粉末を負極活物質とす
    るアルカリ電池
  8. 【請求項8】 負極缶表面に、トリアジンチオール、ア
    ルキルイミダゾール、フッ化炭素系界面活性剤より選ば
    れる1種以上を配設する前に負極缶の少なくとも負極活
    物質と接する部分に、亜鉛、インジウム、スズ、鉛の少
    なくとも1種以上を含むめっき面を有する請求項1記載
    の無水銀亜鉛を負極活物質とするアルカリ電池
  9. 【請求項9】 電解液または負極活物質中に、インジウ
    ム化合物、酸化鉛から選ばれる1種以上の物質を添加し
    たことを特徴とする請求項1記載の無水銀亜鉛を負極活
    物質とするアルカリ電池
  10. 【請求項10】 インジウム化合物が、硫酸インジウ
    ム、スルファミン酸インジウム、水酸化インジウムであ
    ることを特徴とする請求項9記載の無水銀亜鉛を負極活
    物質とするアルカリ電池
JP20632895A 1994-09-09 1995-08-11 アルカリ電池 Pending JPH08130021A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20632895A JPH08130021A (ja) 1994-09-09 1995-08-11 アルカリ電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21643794 1994-09-09
JP6-216437 1994-09-09
JP20632895A JPH08130021A (ja) 1994-09-09 1995-08-11 アルカリ電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08130021A true JPH08130021A (ja) 1996-05-21

Family

ID=26515589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20632895A Pending JPH08130021A (ja) 1994-09-09 1995-08-11 アルカリ電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08130021A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001110442A (ja) * 1999-10-13 2001-04-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電気化学装置
JP2005235595A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Hitachi Maxell Ltd ボタン形アルカリ電池およびその製造方法
JP2005332852A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd コイン形蓄電セル
JP2006032122A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Hitachi Maxell Ltd ボタン形アルカリ電池
US8003247B2 (en) 2003-12-10 2011-08-23 Hitachi Maxell Energy, Ltd. Button-type alkaline battery and method of manufacturing the same

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001110442A (ja) * 1999-10-13 2001-04-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電気化学装置
US8003247B2 (en) 2003-12-10 2011-08-23 Hitachi Maxell Energy, Ltd. Button-type alkaline battery and method of manufacturing the same
JP2005235595A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Hitachi Maxell Ltd ボタン形アルカリ電池およびその製造方法
JP2005332852A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd コイン形蓄電セル
JP4501529B2 (ja) * 2004-05-18 2010-07-14 パナソニック株式会社 コイン形蓄電セル
JP2006032122A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Hitachi Maxell Ltd ボタン形アルカリ電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6830847B2 (en) Zinc/air cell
EP1187236B1 (en) Alkaline battery
JP3553104B2 (ja) アルカリ電池
EP1875530B1 (en) Alkaline cell anode casing
CN1797811B (zh) 负极罐、碱性电池和制造该碱性电池的方法
KR20090028616A (ko) 알칼리 전지용 주석 도금 애노드 케이스
CN1042378C (zh) 碱性干电池
JPH08130021A (ja) アルカリ電池
Lee et al. Electrochemical Migration in Electronic Materials: Factors Affecting the Mechanism and Recent Strategies for Inhibition
JPH07302581A (ja) アルカリ電池
CA1214207A (en) Galvanic element
JPS61267264A (ja) アルカリ電池
JPH0955193A (ja) アルカリ電池
JPS6156285A (ja) アルカリ電池
JP4618771B2 (ja) ボタン形アルカリ電池
JPS6224512B2 (ja)
JP3293977B2 (ja) ボタン型電池用負極缶の製造方法
EP1997933A1 (en) Plating method of electrode can of flat alkaline cell and plating apparatus thereof
US20070287065A1 (en) Electrochemical electrode surface encapsulation
JPH0750612B2 (ja) 亜鉛アルカリ電池
JPS61267265A (ja) アルカリ電池
JPH08190901A (ja) ボタン形アルカリ電池
JPH0831428A (ja) 負極集電体とそれを用いたボタン形アルカリ電池
US3891447A (en) Bath for plating gold on titanium metal
JPS58155657A (ja) アルカリ電池の製造方法