JPH08129800A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

Info

Publication number
JPH08129800A
JPH08129800A JP6290497A JP29049794A JPH08129800A JP H08129800 A JPH08129800 A JP H08129800A JP 6290497 A JP6290497 A JP 6290497A JP 29049794 A JP29049794 A JP 29049794A JP H08129800 A JPH08129800 A JP H08129800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching
cam
tape
mode
lever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6290497A
Other languages
English (en)
Inventor
Masabumi Tamura
正文 田村
Morihiro Komoriya
守弘 小森谷
Kenichi Tamura
健一 田村
Yasuaki Kano
安章 加納
Takuji Himeno
卓治 姫野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP6290497A priority Critical patent/JPH08129800A/ja
Publication of JPH08129800A publication Critical patent/JPH08129800A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造を簡易とすることによって小型化を図る
とともに各動作モードへの切換え動作が確実に行い得る
ようにする。 【構成】 モード切換えモータ27によって駆動される
モード切換えカム39に、ヘッド駆動機構部17を駆動
して磁気ヘッド装置15を磁気テープ110に対して記
録・再生動作を可能とするプレイモード位置と、磁気テ
ープ110の走行動作が停止されたストップモード位置
及びテープカセット100の挿脱操作を可能とするイジ
ェクト位置とに移動動作させるための第1のカム部40
と、プレイモード時に磁気テープ110の走行方向を切
換え動作させる第1の切換えカムレバー52とストップ
モード時に磁気テープ110の走行方向を切換え動作さ
せる第2の切換えカムレバー57とが係合する第2の環
状カム溝41とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非イジェクトモード時
には磁気ヘッドが搭載されたヘッドプレートが弾性手段
によってテープカセットが装填されたカセットホルダ側
に付勢されてテープカセット内に進入され、磁気ヘッド
と磁気テープとが接触状態に保持されるように構成した
テープレコーダやビデオテープレコーダ等の磁気記録再
生装置に関し、特にモード切換え機構に関する。
【0002】
【従来の技術】テープレコーダやビデオテープレコーダ
等の磁気記録再生装置は、一般に、カセット装填部に装
填されたテープカセットから磁気テープが引き出されて
磁気ヘッドへのローデイング動作が行われるように構成
されている。これに対して、例えば特開平3−2168
51号「テーププレレーヤのカセットイジェクト機構」
公報に開示されたいわゆる切手サイズのテープカセット
が用いられる超小型の携帯型テープレコーダにおいて
は、回転磁気ヘッド装置を搭載したヘッドプレートがカ
セット装填部を構成するカセットホルダに対して接離動
作自在に設けられている。そして、テープレコーダは、
ヘッドプレートをカセットホルダ側に付勢する弾性手段
(ヘッドスプリング)が設けられることによって、非イ
ジェクト動作状態において、回転磁気ヘッド装置がこの
カセットホルダに装填されたテープカセットの内部に進
入した状態となり、磁気ヘッドと磁気テープとが接触状
態に保持されるように構成されている。
【0003】このように構成したテープレコーダは、カ
セット装填部に装填したテープカセットから磁気テープ
を引き出して回転磁気ヘッド装置に巻き付けるローデイ
ング機構が不要とされることによって構造が簡易とな
り、また記録動作や再生動作が素早く開始され、使い勝
手の向上が図られるといった特徴を有している。また、
テープレコーダは、一般に、テープカセットがカセット
装填部に装填されかつ動作が停止されている状態から種
々の操作が行われる。本明細書においては、以下この状
態をストップモード(STOPモード)と称し、また各
部材の位置をストップモード位置と称するものとする。
テープレコーダは、記録操作部材或いは再生操作部材が
操作されて記録操作或いは再生操作が行われると、ヘッ
ドプレートがさらにカセットホルダの内部側へと移動し
て回転磁気ヘッド装置の外周部に磁気テープが略半周分
に亘って圧接するローディング動作が行われ、回転磁気
ヘッド装置による磁気テープへの記録動作或いは再生動
作が行われる。また、テープレコーダは、記録操作部材
或いは再生操作部材が操作されることによって、制御部
が動作される。本明細書においては、以下、回転磁気ヘ
ッド装置がテープカセットの内部に深く進入した状態を
プレイモード(PLAYモード)と称し、また各部材の
位置をプレイモード位置と称するものとする。
【0004】また、テープレコーダは、カセット装填部
に装填されたテープカセットを、このカセット装填部か
ら取り出すためのイジェクト機構を備えている。テープ
レコーダは、このイジェクト機構を動作させるイジェク
ト操作部材が操作されると、カセットホルダの内部に位
置された回転磁気ヘッド装置がヘッドスプリングの弾性
力に抗してカセットホルダの内部から後退するととも
に、カセットホルダ及びカセット装填部を開閉して装置
筐体の一部を構成する蓋体とが回動動作する。本明細書
においては、以下、この状態をイジェクトモード(EJ
ECTモード)と称し、また各部材の位置をイジェクト
モード位置と称するものとする。
【0005】このように、テープレコーダにおいては、
カセット装填部に装填されたテープカセットに対して、
回転磁気ヘッド装置がプレイモード位置、ストップモー
ド位置及びイジェクトモード位置の3つの位置に亘って
移動動作するように構成されている。一方、テープレコ
ーダは、ストップモード状態において、磁気テープを高
速で走行させる早送り操作及び巻戻し操作が行われる。
早送り操作は、早送り操作部材を操作することによっ
て、磁気テープを順送り方向に高速で送り出す操作であ
り、以下この操作状態をファストフォワードモード(F
Fモード)と称し、また各部材の位置をファストフォワ
ードモード位置と称するものとする。巻戻し操作は、巻
戻し操作部材を操作することによって、繰り出された磁
気テープを高速で巻き戻す操作であり、以下この操作状
態をリワインドモード(REWモード)と称し、また各
部材の位置をリワインドモード位置と称するものとす
る。
【0006】また、テープレコーダは、プレイモード状
態において、磁気テープを高速で走行させる早送り再生
操作及び巻戻し再生操作が行われる。早送り再生操作
は、早送り再生操作部材を操作することによって、磁気
テープを順送り方向に高速で走行させる操作であり、以
下この操作状態をフォワードドライブモード(FWDモ
ード)と称し、また各部材の位置をフォワードドライブ
モード位置と称するものとする。巻戻し再生操作は、巻
戻し再生操作部材を操作することによって、磁気テープ
を巻戻し方向に高速で走行させる操作であり、以下この
操作状態をリバースモード(RVSモード)と称し、ま
た各部材の位置をリバースモード位置と称するものとす
る。
【0007】さらに、テープレコーダは、プレイモード
状態において、ポーズ操作部材を操作することによって
磁気テープの走行動作を一時停止するポーズ操作が行わ
れ、以下この操作状態をポーズモード(PAUSEモー
ド)と称し、また各部材の位置をポーズモード位置と称
するものとする。勿論、テープレコーダは、各モード操
作部材が操作されることによって、各機構部の構成部材
が所定の位置へと動作されるとともに、電気信号がマイ
クロコンピュータを含む制御部へと送出され、ヘッド駆
動モータの制御、磁気ヘッドの制御等の所定の電気的切
換え動作が行われる。したがって、テープレコーダは、
上述した機構部の動作機構と制御部の動作機構部とが設
けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】テープレコーダは、上
述したように各モード操作部材を操作することによって
構成各部材がそれぞれ所定のモード位置へと移動動作さ
れるとともに、制御部を介して所定の制御動作が行われ
る。従来のテープレコーダは、各モード操作部材と各機
構部の構成部材との間にそれぞれ独立の連結機構が設け
られており、全体として構造が複雑となっていた。ま
た、これらの連結機構は、各モード操作部材の操作にし
たがって、機構部の構成各部材の動作タイミングを一致
させるための面倒な調整が必要であった。
【0009】上述した一般のテープレコーダに採用され
る動作モードは、切手サイズのテープカセットを使用す
る超小型テープレコーダにも当然備えられる機能である
が、一般のテープレコーダに採用された機構をそのまま
搭載することは困難である。また、このテープレコーダ
は、ストップモード位置において回転磁気ヘッド装置の
磁気ヘッドがカセットホルダに装填されたテープカセッ
トに正しく進入されなければならない。このため、回転
磁気ヘッド装置とカセットホルダとは、リジェクトモー
ドからストップモードへと切換り動作する際に、離間動
作された回転磁気ヘッド装置がヘッドスプリングの弾性
力によって所定位置へと復帰動作するタイミングとテー
プカセットを装填したカセットホルダがカセットスプリ
ングの弾性力によって所定位置へと復帰動作するタイミ
ングとが一致されるように調整される。
【0010】一方、上述した各モードに切換え動作され
るテープレコーダは、各モード操作部材の操作によって
機構部の構成各部材が動作されるとともに制御部の動作
機構部も動作されて電気的切換え動作が行われている。
一般のテープレコーダにおいては、この動作機構部が各
動作モードに対応してそれぞれ独立に構成されている
が、超小型テープレコーダにそのまま適用した場合に
は、全体の構造が複雑となるばかりか小型化の大きな支
障となっていた。
【0011】さらに、テープレコーダにおいては、モー
ド切換え動作にしたがって磁気テープの走行方向或いは
走行速度の切り換えが行われる。一般のテープレコーダ
においては、この走行方向の切換え機構と走行速度の切
換え機構とがそれぞれ独立に構成されているが、超小型
テープレコーダにそのまま適用した場合には、これら切
換え機構が全体の構造が複雑となり、また小型化の大き
な支障となっていた。また、走行方向の切換え機構と走
行速度の切換え機構とは、モード切換え動作に際して、
テープ駆動モータの回転を伝達する歯車列を切換えて行
われるが、切り換えられた歯車が再噛合する際に、歯先
の干渉現象が発生して伝達歯車列が構成されないといっ
た不都合が発生することがあった。
【0012】したがって、本発明は、テープレコーダや
ビデオテープレコーダ等の磁気記録再生装置において、
構造を簡易化して装置の小型化を図るとともに、動作モ
ードの切り換えが確実に行なわれるようにした磁気記録
再生装置を提供することを目的に提案されたものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成した本発
明に係る磁気記録再生装置は、磁気ヘッド装置と、一方
側に開口されたカセット装填口からテープカセットが装
填されるカセット装填部を構成するカセットホルダを有
するカセット装填機構部と、テープ駆動モータと伝達歯
車列とから構成されるテープ駆動機構部と、磁気ヘッド
装置をテープカセット側へ付勢するヘッド弾性手段を有
するとともに磁気ヘッド装置をカセットホルダに対して
接離する方向に動作させるヘッド駆動機構部と、テープ
駆動機構部の伝達歯車列を切り換えてテープ駆動モータ
の回転をリール軸へと伝達して磁気テープの走行方向を
切り換える第1のテープ走行方向切換え機構部及び第2
のテープ走行方向切換え機構部と、モード切換えモータ
とこのモード切換えモータによって駆動されるモード切
換えカムとを有し、ヘッド駆動機構部を駆動して磁気ヘ
ッド装置を磁気テープに対して記録動作或いは再生動作
を可能とするプレイモード位置と、記録動作又は再生動
作が停止されるストップモード位置及びヘッド駆動機構
部とカセット装填機構部とを駆動してカセットホルダに
対してテープカセットの挿脱操作を可能とするイジェク
トモード位置とに亘って移動させる切換え動作ととも
に、プレイモードにおいて第1のテープ走行方向切換え
機構部を駆動してカセット装填部に装填された磁気テー
プの走行方向を切り換える動作及び磁気テープの走行を
停止させる切換え動作と、ストップモードにおいて第2
のテープ走行方向切換え機構部を駆動してカセット装填
部に装填された磁気テープの走行方向を切り換える切換
え動作とを行うモード切換え機構部とを備えて構成され
る。そして、モード切換え機構部のモード切換えカムに
は、ヘッド駆動機構部のヘッド駆動カムレバーが係合す
る第1のカム部と、第1のテープ走行方向切換え機構部
の切換えカムレバー及び第2のテープ走行方向切換え機
構部の切換えカムレバーとが係合する第2のカム部とが
形成されて構成される。
【0014】また、本発明に係る磁気記録再生装置は、
モード切換えカムに形成される第1のカム部と第2のカ
ム部とを、互いに同心とされた環状のカム溝によって構
成するとともに、第2のカム溝に対して第1のテープ走
行方向切換え機構部の切換えカムレバーの係合部と第2
のテープ走行方向切換え機構部の切換えカムレバーの係
合部とがモード切換えカムの回転中心に対して対称位置
でそれぞれ相対係合されるように構成する。
【0015】さらに、本発明に係る磁気記録再生装置
は、モード切換え機構部に、各動作モードに対応したモ
ード切換えカムの回転位置を検出する回転位置検出機構
を設けて構成する。さらにまた、本発明に係る磁気記録
再生装置は、モード切換え機構部の回転位置検出機構
を、各動作モードに対応した複数組のモード摺動接点片
及び共通摺動接点片とからなりモード切換えカムの一方
側面部に一体に組み付けられた摺動接点群と、各モード
摺動接点片と共通摺動接点片とが摺擦するモード固定接
点及び共通固定接点とが環状に形成されモード切換えカ
ムの一方側面部に対向して配設された固定接点板とから
構成する。そして、摺動接点群の少なくとも共通摺動接
点片は、モード切換えカムの回転中心に対して対称位置
で共通固定接点に摺擦する一対の接点部を有するように
して構成する。
【0016】さらにまた、本発明に係る磁気記録再生装
置は、第1のテープ走行方向切換え機構部を、一対のリ
ール軸にそれぞれ一体に形成されたリール歯車間に配設
されるとともにモード切換え機構部の切換えカムによっ
て揺動動作される切換えカムレバーと、この切換えカム
レバーを介していずれか一方のリール歯車側に回動動作
される切換え部材と、この切換え部材に支持されテープ
駆動機構部のテープ駆動モータの回転をリール歯車へと
伝達する切換え歯車とを備えて構成する。そして、切換
え歯車は、テープ駆動機構部の伝達歯車列の出力端側に
位置する一対の駆動歯車のいずれか一方の駆動歯車と、
一対のリール歯車のいずれか一方のリール歯車とにそれ
ぞれ相対噛合するようにして構成する。
【0017】さらにまた、第1のテープ走行方向切換え
機構部の切換え部材に、切換え歯車をテープ駆動機構部
の駆動歯車側へと付勢する歯車弾性手段と、切換え歯車
と同軸上に軸装され駆動歯車を支持する支持部材の先端
部と相対係合することによってこの駆動歯車と切換え歯
車との軸間距離を規定する間隔保持部材とを組み付ける
とともに、切換えカムレバーの作動部が相対係合する係
合部に移動方向に対して弾性偏位可能な弾性部を形成し
て構成する。
【0018】
【作用】以上のように構成された本発明に係る磁気記録
再生装置によれば、磁気ヘッド装置の磁気ヘッドが、ヘ
ッド弾性手段の弾性力によってカセットホルダに装填さ
れたテープカセットに進入して磁気テープと接触するス
トップモード位置から、モードの切換え操作によって動
作されるヘッド駆動機構部を介して、カセットホルダに
装填されたテープカセットの内部側へとさらに進入する
プレイモード位置及びテープカセットから後退するイジ
ェクトモード位置へと移動動作される。
【0019】また、モード切換え機構部は、ストップモ
ード状態において、磁気テープの走行方向の切換え操作
によって第1のテープ走行方向切換え機構部を動作し
て、磁気テープが順送り方向に高速で送り出されるFF
モードと、繰り出された磁気テープが高速で巻き戻され
るREWモードとのモード切り換えを行う。モード切換
え機構部は、プレイモード状態において、磁気テープの
走行方向の切換え操作によって第1のテープ走行方向切
換え機構部を動作して、磁気テープを高速で順方向に走
行させるFWDモードと、磁気テープを高速で巻き戻し
方向に走行させるRVSモードとの切り換えを行う。さ
らに、モード切換え機構部は、このプレイモード状態に
おいて、切換え操作によって走行状態の磁気テープが停
止されるPAUSEモードへの切り換えを行う。
【0020】上述した各モードの切換え動作は、モード
切換え機構部を構成するモード切換えカムの第1のカム
溝にヘッド駆動機構部の切換えカムレバーが相対係合さ
れるとともに、第2のカム溝に第1のテープ走行方向切
換え機構部の切換えカムレバーと第2のテープ走行方向
切換え機構部の切換えカムレバーとがそれぞれ相対係合
されることによって、各機構部が同一の動作タイミング
によって駆動されて行われる。したがって、磁気記録再
生装置は、駆動機構及び連結機構とが簡易化されるとと
もに、各モードへの切換えの動作タイミングの調整が容
易となる。
【0021】モード切換え機構部の位置検出機構は、モ
ード切換えカムの回転位置を検出して、各動作モードに
対応した電気的出力を送出する。例えば、電気的出力
は、プレイモード状態において、再生動作と記録動作と
に応じて制御部から制御出力を送出させて磁気ヘッドの
制御を行う。また、電気的出力は、動作モードの切り換
えに応じて制御部を介してテープ駆動モータの速度制御
を行う。さらに、電気的出力は、モード切換えモータを
所定の位置で停止させる。
【0022】位置検出機構の共通摺動接点片は、モード
切換えカムの回転中心に対して対称位置で共通固定接点
に摺擦する一対の接点部を有して構成されることから、
このモード切換えカムが相対係合する切換えカムレバー
によって厚み方向に傾けられた場合においても、いずれ
か一方の接点部によって共通固定接点との接触状態が保
持される。したがって、位置検出機構は、モード切換え
カムの回転位置を安定した状態で検出して出力を送出す
る。
【0023】第1のテープ走行方向切換え機構部は、プ
レイモード状態においてモード切換え機構部によって揺
動動作される切換えカムレバーを介してリール歯車間に
配設された切換え部材がいずれか一方のリール歯車側に
切換え動作されることによって、リール歯車の回転方向
及び回転速度の切り換えを行う。したがって、磁気記録
再生装置は、例えば再生操作に際して磁気テープが順送
り方向に高速走行されることによっていわゆる頭出し動
作が行われ、また任意の区間の繰返し再生動作が行われ
るとともに、切換え機構が簡易化されるとともに歯車列
間における駆動力の損失が軽減され、低電力化が図られ
る。。
【0024】また、第1のテープ走行方向切換え機構部
は、動作モードの切換え操作に従って切換え部材に支持
された切換え歯車が、テープ駆動機構部の伝達歯車列と
リール歯車との噛合状態が解除、再噛合される。切換え
歯車は、駆動歯車との再噛合動作が間隔保持部材によっ
て軸間距離が保持された状態で歯車弾性手段の弾性力に
よって確実に行われる。また、切換え歯車は、切換えカ
ムレバーの作動部が相対係合する切換え部材の弾性部が
移動方向に対して弾性変位することによって、その弾性
力によってリール歯車と確実に再噛合する。
【0025】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照
して詳細に説明する。なお、以下の説明において、「前
後」、「左右」及び「上下」は、図4を基準とし、図面
上下方向を「前後」、図面左右方向を「左右」、さらに
図面表裏方向を「上下」と称するものとする。
【0026】〔テープレコーダの概要〕実施例テープレ
コーダ1は、デジタル音声信号、楽音信号或いはデータ
信号等の記録・再生を可能とし、図2に示したいわゆる
切手サイズのテープカセット100が用いられる超小型
の携帯型テープレコーダである。テープレコーダ1は、
図1に示すように、矩形の薄箱状に構成された筐体2の
上面部2Aの右側領域に後述するカセット装填部20を
開閉する蓋体3が後方側の両側部を回動自在に支持され
て組み付けられている。この蓋体3には、表示窓3Aが
設けられており、カセット装填部20に装填されたテー
プカセット100の磁気テープ110の状態が外方から
視認可能に構成されている。
【0027】筐体2の上面部2Aの左側領域には、液晶
表示器4が配設されている。この液晶表示器4は、記録
時間等の数字表示、電池の消耗度の表示或いは時計・カ
レンダ表示等を表示する複合表示器として構成され、記
録・再生操作時には通常テープカウンタ表示が行われる
とともに、後述するモード切換え操作によって磁気テー
プの残量時間、現在時間・年月日等の表示に切り換わ
る。筐体2の上面部2Aには、蓋体3と液晶表示器4と
の間に位置して、液晶表示器4の表示モードを切り換え
るためのモード操作ボタン群5及びボリューム操作ボタ
ン6とが配設されている。ボリューム操作ボタン6は、
モード操作ボタン5の操作に関連して例えば時刻、年月
日等の修正スイッチとしても作用する。
【0028】さらに、筐体2の上面部2Aには、液晶表
示器4と前面部2Bとの間に位置して記録操作ボタン9
及びポーズ操作ボタン10とが配設されている。記録操
作ボタン9は、詳細を省略するが、スライド部材のなか
に押しボタンが組み込まれた複合スイッチボタンとして
構成され、押しボタンを押圧操作しながらスライド部材
をスライド操作することによって後述する記録モードへ
の切り換えを行って磁気テープ110への情報信号の記
録を可能とする。また、ポーズ操作スイッチ10は、押
圧操作することによって後述するポーズモードへの切り
換えを行って走行中の磁気テープ110を一時停止させ
る操作スイッチであり、例えば記録動作を一時中断した
り、いわゆる最適なタイミングで記録が開始されるよう
にスタンバイ状態としたりする場合等に使用される。な
お、液晶表示器4の制御は、図示しないマイクロコンピ
ュータを介して行われる。
【0029】筐体2の前面部2Bには、左側から順に磁
気テープ110の走行方向を切り換えるテープ走行方向
切換えスイッチ11、ストップ操作ボタン12、早送り
操作ボタン13及び巻戻し操作ボタン14がそれぞれ配
設されている。テープレコーダ1は、これらスイッチ群
を操作することによって内部の接点機構が動作され、電
気信号がマイクロコンピュータに送出されて後述する動
作モードの切り換えが行われる。
【0030】詳細な動作については後述するが、テープ
カセット100がリッド102を設けた前面部側を挿入
側としてテープカセット装填部20に装填されるとリッ
ド102を回動動作させてヘッド進入部105を開放状
態とする。そして、テープレコーダ1は、このヘッド進
入部105から磁気ヘッドが搭載された回転磁気ヘッド
装置15の外周面の一部が進入して、磁気ヘッドが磁気
テープ110と接触したストップモード状態となる。テ
ープレコーダ1は、このストップモードから、記録操作
ボタン9がスライド操作されることによって回転磁気ヘ
ッド装置15がテープカセット100の内部にさらに進
入したプレイモード状態となる。勿論、テープレコーダ
1は、記録操作ボタン9の押しボタンが押圧操作されて
いない状態では磁気テープ110への情報信号の記録は
行われない。
【0031】テープレコーダ1は、ストップ操作ボタン
12が押圧操作されることにより、磁気テープ110の
走行動作を停止させるとともに、上述したストップモー
ドへの切換え動作が行われる。テープレコーダ1は、早
送り操作ボタン13が押圧操作されることにより、磁気
テープ110を順送り方向に高速で繰り出す早送り動作
が行われる。この早送り動作は、ストップモード状態に
おいて行われた場合にはファーストフォワードモードと
なり、プレイモード状態において行われた場合にはフォ
ワードドライブモードとなる。
【0032】テープレコーダ1は、巻戻し操作ボタン1
4が押圧操作されることにより、繰り出した磁気テープ
110を高速で巻き取る巻戻し動作が行われる。この巻
戻し動作は、ストップモード状態において行われた場合
にはリワインドモードとなり、またプレイモード状態に
おいて行われた場合にはリバースモードとなる。筐体2
の右側面部2Cには、前面部2B側に位置して詳細を省
略する電池収納部を開閉する電池蓋7が設けられるとと
もに、後述するイジェクト機構部24を動作させるため
のイジェクト操作ツマミ8が前後方向にスライド自在に
配設されている。イジェクト操作ツマミ8は、右側面部
2Cに沿って後方へとスライド操作されることによって
イジェクト機構部24を動作させ、図3に示すように、
蓋体3を回動してカセット装填部20を開放し、テープ
カセット100の挿脱操作を可能とする。このように、
テープレコーダ1は、機械的な動作を行うイジェクト操
作ツマミ8が、その他の電気接点を開閉する操作スイッ
チ群の配設箇所とは別箇所である右側面部2Cに配設さ
れていることにより、筐体デザインの制約が緩和され
て、このイジェクト操作ツマミ8を大型化しかつ十分な
ストロークを付与して操作性の向上が図られている。
【0033】〔テープカセット〕テープカセット100
は、上面部及び前面部とが開放された略薄箱型の下ハー
フと、この下ハーフの開放された上面部を閉塞するよう
にして組み合わされた板状の上ハーフとによってカセッ
ト本体101を構成し、このカセット本体101の開放
された前面部を開閉するようにしてリッド102が回動
自在に組み合わされている。リッド102は、カセット
本体101の両側面部に、上下いずれの方向に対しても
回動操作される。
【0034】カセット本体101を構成する下ハーフの
略中央部には、長手方向に離間して一対のテープハブ1
03A、103Bがそれぞれ回転自在に支持されて配設
されている。また、下ハーフには、開放された前面部の
両側に位置して一対のピンチローラ104A、104B
がそれぞれ配設されている。下ハーフには、これらピン
チローラ104A、104B間に位置して底面部から立
上り壁部106が一体に立設されている。この立上り壁
部106は、前面側が湾曲した凹部として形成されるこ
とによって、後述する回転磁気ヘッド装置15が進入す
るヘッド進入部105を構成している。
【0035】テープハブ103A、103Bには、磁気
テープ110が巻回されている。磁気テープ110は、
一方のテープハブ103Aから引き出されて一方のピン
チローラ104Aに架け合わされた後、リッド102の
背面部に沿って他方のピンチローラ104Bに架け合わ
されて他方のテープハブ103Bに巻回される。このよ
うに、ヘッド進入部105を横断するようにして一対の
ピンチローラ104A、104B間に架け合わされた磁
気テープ110は、リッド102が回動操作されること
によって、外方へと露呈する。
【0036】〔支持部材の構成〕テープレコーダ1は、
各機構部を構成する各部材が、装置筐体にねじ止め固定
された機構フレーム30と、この機構フレーム30に対
して止めねじ30Gによって組み付けられるベースフレ
ーム31と、このベースフレーム31に対して前後方向
に移動自在に組み合わされたヘッドプレート32及びベ
ースフレーム31に対して回動自在に支持されたカセッ
トホルダ28とを主たる組付け基材としてそれぞれ組み
付けられている。
【0037】機構フレーム30は、図4に示すように、
全体横長矩形に形成された底面部30Aの外周部にそれ
ぞれ立上り側板が一体に立設されている。この機構フレ
ーム30は、前面板30Bに止めねじ30Gがねじ込ま
れる一対の取付け穴30Fが設けられるとともに背面板
30Cに図示しないベースフレーム31の先端係合凸部
が相対係合する係合部30Eが設けられている。したが
って、ベースフレーム31は、背面側が係合凸部を嵌合
させた係合部30Eにより、また前面側が取付け穴30
Fにねじ込まれた止めねじ30Gによって機構フレーム
30に組み立てられる。
【0038】機構フレーム30の内部には、右側領域
に、後述するモード切換え機構部16が配設され、また
左側領域に底面部30Aの表裏面に沿って各種のレバー
群が配設されるとともに上方部に回転磁気ヘッド装置1
5を搭載したヘッドプレート32及び内部にカセット装
填部20を構成したカセットホルダ28とを組み付けた
ベースフレーム31がそれぞれ配設されている。また、
機構フレーム30の右側面板30Dには、イジェクト機
構部24を構成する各部材が配設されている。
【0039】右側面板30Dは、図5に示すように、下
向き凸字状の切欠き30Jが設けられるとともに、この
切欠き30Jの凸部分を内方へと折曲して後述するイジ
ェクト回動カムレバー68に同図反時計方向の回動習性
を付与する第1のイジェクトスプリング70の一端部が
掛止めされる掛止め部30Kが形成されている。また、
右側面板30Dの前方縁からは、イジェクト機構部24
を構成するイジェクトスライドレバー27の先端部が突
出されている。なお、このイジェクトスライドレバー2
7には、上述したイジェクト操作レバー8が取り付けら
れている。
【0040】また、機構フレーム30には、底面部30
Aの左側領域に形成した矩形の切欠き部にスライドプレ
ート32が前後方向に移動自在に組み付けられている。
このスライドプレート32は、ヘッド駆動機構部17を
構成する後述するヘッド駆動レバー60の一端部60A
が固定されており、このヘッド駆動レバー60の回動動
作にしたがって機構フレーム30に沿って前後方向に移
動動作して後述するリール軸33への回転伝達を行う減
速歯車群の切り換えを行う。
【0041】ベースフレーム31は、図26に示すよう
に、底面部31Aに回転磁気ヘッド装置15を搭載した
ヘッドプレート32が前後方向に移動自在に組み合わさ
れる切欠き部31Dが形成されるとともに、左右両側面
部にはそれぞれ立上り側板31B、31Cが一体に立設
されている。また、このベースフレーム31の前方部に
は、上述した機構フレーム30の前面板30Bのねじ穴
30Fに対応してねじ穴31eが設けられたねじ止め部
31Eが立ち上がり形成されている。ベースフレーム3
1の右側板31Bには、後述するようにホルダロック機
構部25の構成部材が組み付けられる。
【0042】このため、右側板31Bには、詳細を後述
するが、前方側から前後方向の第1のガイド溝31I、
スプリング掛止め部31J、上縁から切欠いた係合溝3
1K、L字状の第2のガイド溝31L、右側板31Bの
上縁部から切欠いて前方部分に垂直壁のストッパ部31
Nを構成するとともに後方部分に傾斜カム部31Pを構
成したガイド部31M及び前後方向の第3のガイド溝3
1Qがそれぞれ形成されている。また、右側板31Bの
後端部には、後述するようにホルダスプリング80の一
端部を掛け止めするための逆L字状のスプリング掛止め
片31Hが一体に突設されている。さらに、ベースフレ
ーム31は、右側板31Bに沿った底面部31Aの後方
側に、図示しないが前後方向のガイド溝が設けられてい
る。
【0043】ヘッドプレート32は、詳細を省略する
が、回転磁気ヘッド装置15が搭載されるとともに、こ
の回転磁気ヘッド装置15の底面側にテープ駆動機構部
18を構成するテープ駆動モータ26及びリール駆動歯
車列43とが搭載されている。テープ駆動モータ26
は、回転磁気ヘッド装置15を回転駆動するとともに後
述するようにリール駆動歯車列43を介してリール軸3
3A、33Bを回転駆動する。このヘッドプレート32
には、底面部の後方側に位置して左右方向のガイド溝3
2Aが設けられるとともに、後端部には高さ方向の係合
部32Bが立ち上がり形成されている。また、ヘッドプ
レート32には、前方縁に後述する切換え部材47を位
置決めする一対の位置決め凹部32C、32Dが形成さ
れている。
【0044】カセットホルダ28は、図26に示すよう
に、断面コ字状のホルダプレートとホルダ部材とを互い
に組み合わせて矩形空間部であるカセット装填部20を
内部に構成するとともに、開放された前方側がカセット
装填口28Aとして構成される。このカセットホルダ2
8は、詳細を省略するが、両側面部28B、28Cの内
面にテープカセット100のリッド102を回動させる
円弧状のガイド凸部がそれぞれ一体に形成されている。
したがって、テープカセット100は、カセット装填口
28Aからカセット装填部20の内部に装填されること
によって、リッド102が回動動作されて収納した磁気
テープ110が外部に露呈される。
【0045】また、カセットホルダ28は、両側面部2
8B、28Cの後端部側に互いに軸線を一致させた状態
で軸穴28D、28Eが形成されている。カセットホル
ダ28は、両側面部28B、28Cをベースフレーム3
1の両側板31B、31Cの内面に重ね合わせるように
して組み合わせた状態で、両側板31B、31Cに設け
た軸穴31F、31Gから挿入されるホルダ支軸78
(78A、78B)が軸穴28D、28Eにそれぞれ貫
通されることによって、ベースフレーム31に回動自在
な状態で組み付けられる。ホルダ支軸78には、ホルダ
スプリング80が組み付けられている。トーションスプ
リングが採用されるこのホルダスプリング80は、一端
部をベースフレーム31に形成したスプリング掛止め片
31Hに掛け止めするとともに、他端部をカセットホル
ダ28に形成したスプリング掛止め片28Hに掛け止め
することによって、カセットホルダ28に対してベース
フレーム31側への回動習性を付与している。
【0046】また、カセットホルダ28は、両側面部2
8B、28Cの後端部側にヘッドプレート32の係合部
32Bと係合してこのヘッドプレート32の前方側への
移動動作を係止するための係合部28F、28Gが突出
形成されている。これら係合部28F、28Gの詳細に
ついては後述するが、端面28f、28gはそれぞれ円
弧状に形成されている。さらに、カセットホルダ28に
は、右側面部28Bの前方側に位置してカム軸28Iが
外方へと突出されている。このカム軸28Iの詳細につ
いても後述する。なお、左側面部28Cの後方部には、
外側へと折曲されたガイド片28Jが一体に形成されて
いる。このガイド片28Jは、後述するカセットホルダ
28の回動動作に際して、ベースフレーム31の左側板
31Cの外側面に取り付けた図示しないガイドローラに
沿って摺動することによってカセットホルダ28が円滑
に回動動作されるように作用する。
【0047】〔モード切換え機構部〕上述したように、
テープレコーダ1は、各操作ボタン群を操作することに
よって図示しない電気接点が開閉され、所定の制御動作
を行うマイクロコンピュータによりテープ駆動モータ2
6及びモード切換えモータ27を介して各部材を駆動す
るモード切換え機構部16が動作されて各動作モードに
切り換えられる。モード切換え機構部16は、モード切
換えモータ27と、このモード切換えモータ27の出力
歯車37Aを含む歯車列37を介して回転駆動されるモ
ード切換えカム39等の部材によって構成されている。
【0048】モード切換えカム39は、図5及び図6に
示すように、機構フレーム30の底面部30Aに立設し
た支軸38に回転自在に支持され、周縁には外周歯車3
9Aが形成されている。また、このモード切換えカム3
9には、上面部に後述する回転位置を検出するための回
転位置検出機構部23を構成する摺動接点部材42が一
体に組み付けられている。また、このモード切換えカム
39の底面部には、半径方向の位置を異にすることによ
って後述するように各機構部及び歯車列をそれぞれプレ
イモード位置、ストップモード位置及びイジェクモード
位置とに切換え動作させる第1の環状カム溝40と、こ
の第1の環状カム溝40の外周部に位置して各機構部及
び歯車列をファーストフォワードモード位置とリワイン
ドモード位置及びフォワードドライブモード位置とリバ
ースモード位置とに切換え動作させる第2の環状カム溝
41とが形成されている。
【0049】すなわち、第1の環状カム溝40には、後
述するヘッド駆動機構部17を構成するヘッド駆動カム
レバー61のカムピン61Aが係合されている。また、
第2の環状カム溝41には、後述する第1のテープ走行
方向切換え機構部21を構成する第1の切換えカムレバ
ー52のカムピン52Aと、第2のテープ走行方向切換
え機構部22を構成する第2の切換えカムレバー57の
カムピン57Aとがそれぞれ支軸38に対して対称位置
で係合している。
【0050】第1の環状カム溝40は、図9に示すよう
に、支軸38を中心とした対称位置に半径R1の内周側
カム部40Aと半径R2(R2>R1)の外周側カム部
40Bとの両端を緩やかなカム溝で連結した略々おむす
び形を呈した溝として構成されている。そして、内周側
カム部40Aは、約90°の角度範囲に亘って形成され
るとともに外周側カム部40Bは、約180°の角度範
囲に亘って形成されている。また、第2の環状カム溝4
1には、支軸38から間隔がL1の内周側カム部41A
と、間隔L1より大とされた間隔L2の中央カム部41
B及び間隔L2より大とされた間隔L3の外周側カム部
41Cとが形成されている。
【0051】これら内周側カム部41A、中央カム部4
1B及び外周側カム部41Cは、第1の環状カム溝40
の内周側カム部40Aが設けられた領域に、互いに約4
5°の角度間隔を以って形成されている。第2の環状カ
ム溝41の内周側カム部41Aは、第1の環状カム溝4
0の内周側カム部40Aの始端位置に対応しており、ま
た外周側カム部41Cは、第1の環状カム溝40の内周
カム部40Aのほぼ中心線上に対応している。内周側カ
ム部41Aと中央カム部41Bとは、直線状のカム溝に
よって連結され、中央カム部41B部分においてやや屈
折されながら外周側へと向かうカム溝によって外周側カ
ム部41Cが連結されている。第2の環状カム溝41
は、外周側カム部41Cから約90°の角度範囲で中央
カム部41Bの半径とほぼ同径部分まで直線状のカム溝
によって連結されている。第2の環状カム溝41の他方
領域部分は、中央カム部41Bとほぼ同径の円弧状カム
溝41Dによって構成されている。
【0052】上述したモード切換えカム39を挟んで機
構フレーム30には一対の取付け部30Iが形成されて
おり、これら取付け部30Iを介して互いに積層状態に
組み合わされた回転位置検出機構部23を構成する固定
接点板35とモード切換えモータ27とがモード切換え
カム39の上方に組み付けられている。モード切換えモ
ータ27の回転をモード切換えカム39へと伝達する歯
車列37は、図6に示すように、傘歯歯車からなる出力
歯車37Aと、この出力歯車37Aと噛合する傘歯歯車
が一端部に形成されるともに他端側の外周部に外周歯車
が形成された第1の伝達歯車37Bと、第1の伝達歯車
37Bの外周歯車と噛合される第1のカナ歯車37C及
び第2のカナ歯車37Dとから構成されている。モード
切換えカム39は、外周歯車39Aが第2のカナ歯車3
7Dと噛合するすることによってモード切換えモータ2
7からの回転伝達を受ける。
【0053】モード切換えモータ27は、上述した各操
作ボタンの操作に基づくマイクロコンピュータの出力に
よって回転動作されてモード切換えカム39を駆動し、
このモード切換えカム39が所定の角度まで回転すると
回転位置検出機構部23の検出出力によって停止され
る。以上のように構成されたモード切換え機構部16に
おいて、後述するヘッド駆動機構部17のヘッド駆動レ
バー60のカムピン60Aが第1の環状カム溝40中を
動作する軌跡、或いは第1のテープ走行方向切換え機構
21の第1の切換えカムレバー52のカムピン52A及
び第2のテープ走行方向切換え機構22の第2の切換え
カムレバー57のカムピン57Aが第2の環状カム溝4
1中を動作する軌跡と、各動作モードの関係が図10に
示されている。
【0054】〔回転位置検出機構部〕回転位置検出機構
部23は、上述したように、固定接点板35とモード切
換えカム39に取り付けられた摺動接点部材42とから
構成されている。固定接点板35は、支軸38を中心と
して、内周側から外周側へ向かって4種類の固定接点群
36A乃至36Dが同心円上に位置して形成されてい
る。最内周に位置する固定接点36Aは、環状に形成さ
れており、共通固定接点として作用する。固定接点36
Aは、外周部の一部からリード36aが引き出されてい
る。この固定接点36Aの外側に形成される第1のモー
ド固定接点36Bは、円周方向の長さが180°領域よ
りもやや小とされた円弧状に形成され、外周部の一部か
らリード36bが引き出されている。
【0055】第2のモード固定接点36Cは、第1のモ
ード固定接点36Bが形成された領域側に位置するとと
もに略45°領域の長さとされた第1の円弧状接点部
と、略45°の領域部分をリードによって連結され第1
のモード固定接点36Bの一端部にやや重なった領域を
始端として略90°の領域の長さを有する第2の円弧状
接点部と、略45°の領域部分をリードによって連結さ
れ略45°の領域の長さを有する第3の円弧状接点部と
から構成されている。第3のモード固定接点36Dは、
第2のモード固定接点36Cの第1の円弧状接点部の一
端部にやや重なった領域を始端として略45°の領域の
長さを有する第1の円弧状接点部と、第2のモード個別
接点36Cの第2の円弧状接点部の終端部にやや重なっ
た領域を始端として略45°の領域の長さを有する第2
の円弧状接点部と、第2のモード固定接点36Cの第3
の円弧状接点部の終端部にやや重なった領域を始端とし
て180°の領域よりもやや小とされた長さを有する第
3の円弧状接点部とから構成されている。
【0056】摺動接点部材42は、図8に示すように、
円弧状の接点板によって形成され、上述した固定接点板
35の各固定接点群36A乃至36Dにそれぞれ対応し
た摺動接点片42A乃至42Dが立ち上がり形成されて
構成されている。共通固定接点36Aに対応した共通摺
動接点片42は、支軸38を挟んで対向位置する一対の
摺動接点片42A1、42A2とから構成されている。
摺動接点片42A乃至42Dは、モード切換えカム39
が回転動作することによって、このモード切換えカム3
9と相対向する固定接点板36の対応する各固定接点群
36A乃至36Dの領域をそれぞれ摺擦回転する。摺動
接点片42Aは、上述したように、共通固定接点36A
が環状に形成されていることから、この共通固定接点3
6Aと常時電気的に接続される。また、他のモード摺動
接点片42B乃至42Dは、第1乃至第3のモード個別
接点36B乃至36Dの各円弧状接点部分において、電
気的に接続される。
【0057】以上のように構成された回転位置検出機構
部23は、共通摺動接点片42Aと共通固定接点36A
とが電気的に接触した状態に保持されていることから、
モード切換えカム39の回転にしたがってモード摺動接
点片42B乃至42Dが相対応するモード固定接点36
B乃至36Dの各円弧状接点部分に達すると電気的信号
を送出する。回転位置検出機構部23から送出される電
気的信号は、マイクロコンピュータに送出され、このマ
イクロコンピュータから回転磁気ヘッド装置15へ制御
出力が送出されるとともに、モード切換えモータ27へ
停止出力が送出される。したがって、モード切換えモー
タ27は、所定位置において確実に停止し、モード切換
えカム39の回転も停止する。したがって、テープレコ
ーダ1は、このモード切換えカム39によって構成各部
材或いは各機構部が各動作モードに正確に位置決めされ
る。
【0058】ところで、モード切換えカム39には、詳
細については後述するが、第1の環状カム溝40にヘッ
ド駆動カムレバー61が係合されるとともに、第2の環
状カム溝41に第1の切換えカムレバー52及び第2の
切換えカムレバー57が係合されている。したがって、
モード切換えカム39は、これらカムレバーからの作用
力によって傾き現象が生じることがある。さらに、モー
ド切換えカム39は、底面部に組み付けた摺動接点部材
42の各モード摺動接点片42B乃至42Dが一方側の
領域に設けられていることから、これらモード摺動接点
片42B乃至42Dの弾性力によって傾き現象が生じる
ことがある。このモード切換えカム39の傾き現象は、
第1の環状カム溝40に係合されるヘッド駆動カムレバ
ー61或いは第2の環状カム溝41に係合される第1の
切換えカムレバー52及び第2の切換えカムレバー57
の外れ現象や、摺動接点部材42の摺動接点片42A乃
至42Dと固定接点板36の固定接点群36A乃至36
Dとの接触不良といった不都合を生じさせる虞れがあ
る。
【0059】摺動接点部材42は、かかる不都合の発生
を防止するために、共通摺動接点片42Aが、支軸38
を挟んで対称に位置する一対の接点片42A1、42A
2とから構成されている。勿論、これら接点片42A
1、42A2は、支軸38からの間隔が共通固定接点3
6Aの半径とほぼ等しい。このように、摺動接点部材4
2は、接点片42A1、42A2が支軸38を挟んで両
側の領域で固定接点板36に弾接するように構成したこ
とにより、モード切換えカム39をバランスよく保持
し、傾き現象の発生を回避している。
【0060】勿論、共通摺動接点片42Aについては、
支軸38を挟んで対称に位置する一対の接点片42A
1、42A2の構成ばかりでなく、等間隔に配置された
複数の接点片によって構成してもよい。
【0061】〔ヘッド駆動機構部〕回転磁気ヘッド装置
15は、上述したモード切換え機構部16によって駆動
されるヘッド駆動機構部17によって、プレイモード位
置、ストップモード位置及びイジェクモード位置ヘと移
動動作される。ヘッド駆動機構部17は、回転磁気ヘッ
ド装置15を搭載したヘッドプレート32を各動作モー
ド位置へと移動動作させるヘッド駆動レバー60と、モ
ード切換えカム39の第1の環状カム溝40に係合され
たヘッド駆動カムレバー61と、これらヘッド駆動レバ
ー60とヘッド駆動カムレバー61とを連結する連結カ
ムレバー62及び回動カムレバー63と、第1のヘッド
スプリング65及び第2のヘッドスプリング66等の部
材によって構成されている。これらヘッド駆動機構部1
7の構成各部材は、機構フレーム30にそれぞれ組み付
けられている。また、ヘッド駆動機構部17は、連結カ
ムレバー62を保持するスライドロックレバー64を備
えている。
【0062】ヘッド駆動レバー60は、図11に示すよ
うに、薄板材によって全体が略々クランク状を呈する部
材として構成され、略々中央部にL字状の折曲片を立上
り形成することによって支点部60Eを構成し、この支
点部60Eによってベースフレーム31に立設した支軸
59に回動自在に支持されている。を支持ブラケット部
材17によって回動自在に支持されている。ヘッド駆動
レバー60は、支点部60Eに対する一端部60Aが底
面部側で、機構フレーム30の底面部30Aにスライド
自在に支持されることによってヘッドプレート32をガ
イドするスライドプレート81に固定されるとともに、
上面部側にヘッドプレート32に設けたガイド溝29A
と相対係合するカムローラ60Hが回転自在に取り付け
られている。
【0063】また、ヘッド駆動レバー60は、一端部6
0A側の支点部60Eの近傍において、第2のヘッドス
プリング66の一端側が掛け合わされるスプリング掛止
め部60Cが前方へ向かって略直交する方向に一体に形
成されている。また、ヘッド駆動レバー60には、支点
部60Eを貫通する支軸59に第1のヘッドスプリング
65が組み付けられている。この第1のヘッドスプリン
グ65は、コイル状の基部から両端を外方へと突出させ
て構成したトーションスプリングであって、図32に示
すように、圧縮した状態の一端部が支点部60Eと掛け
止めするとともに、他端部が回動カムレバー63の後端
部側に形成した掛止め部63Bに掛け止めされている。
したがって、ヘッド駆動レバー60は、この第1のヘッ
ドスプリング65の弾性力によって、図11において反
時計方向の回動習性が付与されている。
【0064】第2のヘッドスプリング66は、コイルス
プリングであって、上述したように一端部がスプリング
掛止め部60Cに掛け止めされるとともに、他端部が機
構フレーム30に形成したスプリング掛止め部に引張り
状態で掛け止めされている。したがって、この第2のヘ
ッドスプリング66は、第1のヘッドスプリング65と
協動してヘッド駆動レバー60に図11において反時計
方向の回動習性を付与する。このよう回動習性を付与さ
れたヘッド駆動レバー60は、ヘッドプレート32を介
して、このヘッドプレート32に搭載された回転磁気ヘ
ッド装置15をカセット装填部20側へと付勢する。
【0065】ヘッド駆動レバー60は、ガイドローラ6
0Hを組み付けた一端部60Aと反対側の他端部側の先
端部に係合部60Dが形成されている。係合部60D
は、図29に示すように機構フレーム30の右側板30
Dの外方へと突出され、後述するイジェクト機構部24
を構成するイジェクトレバー69の先端部と係合可能と
される。
【0066】ヘッド駆動カムレバー61は、モード切換
えカム39によって揺動動作されてスライドカムレバー
64を介してヘッド駆動レバー60を駆動する部材であ
り、図15に示すように、全体が細長い略々略菱形に形
成されており、中央部を支軸61Dによって機構フレー
ム30の底面部30Aに回動自在に支持されている。ヘ
ッド駆動カムレバー61は、前方側の端部がモード切換
えカム39の底面部に対向して延在されており、このモ
ード切換えカム39に形成した第1の環状カム溝41に
相対係合するカムピン61が設けられている。また、ヘ
ッド駆動カムレバー61は、後方側の端部に連結カムレ
バー62に形成した係合溝62Bと相対係合されるカム
ピン61Bが立設されている。さらに、ヘッド駆動カム
レバー61には、支点部の近傍の側縁部に係合腕部61
Cが一体に突設されている。
【0067】この係合腕部61Cは、先端部が機構フレ
ーム30の底面部30A側に向かってL字状に折曲され
ており、底面部30Aに設けたガイド溝を貫通してい
る。そして、係合腕部61Cは、図33に示すように、
機構フレーム30の底面部30Aに前後方向に離間して
立設された一対のガイドピン64E、64Fに支持され
て前後方向にスライド動作するスライドロックレバー6
4の係合部64Dと相対係合されている。
【0068】連結カムレバー62は、全体略々扇形を呈
して形成された部材であって、要部分に設けた支軸62
Aが回動カムレバー63に設けた長穴63Cに貫通され
ている。この連結カムレバー62は、弧状の自由端縁か
ら支軸62A側に向かって、上述したヘッド駆動カムレ
バー61のカムピン61Bが相対係合する係合溝62B
が設けられている。また、この連結カムレバー62に
は、係合溝62Bを構成する右側舌片部の側縁部にスプ
リング掛止め部62Dが一体に形成されている。このス
プリング掛止め部62Dには、一端部を回動カムレバー
63に掛け止めしたカムスプリング63Fの一端部が掛
け止めされている。
【0069】回動カムレバー63は、略く字状を呈する
部材であり、中央部の支点部63Aがヘッド駆動レバー
60の支軸59を共軸として機構フレーム30の底面部
30Aに回動自在に支持されている。この回動カムレバ
ー63は、図32に示すように、後方側の一端部にヘッ
ド駆動レバー60の側縁部と相対係合可能な係合部63
Bが折曲形成されている。また、この回動カムレバー6
3には、上述した長穴63Cを設けた側の側縁に、連結
カムレバー62の回動位置を規制するストッパ片63D
が一体に形成されている。
【0070】さらに、回動カムレバー63には、このス
トッパ片63Dの後方側に位置した側縁にカムスプリン
グ63Fの一端部を掛け止めするスプリング掛止め部6
3Eが一体に形成されている。回動カムレバー63は、
図38に示すように、略円弧状に形成された他端部が、
連結カムレバー62の係合溝62Bに臨むようにして延
在されている。カムスプリング63Fは、連結カムレバ
ー62を図35において時計方向の回動習性を付与して
いる。このカムスプリング63Fは、上述したヘッドス
プリング65、66に比べて弾性力が小とされている。
【0071】スライドロックレバー64は、図33に示
すように、一対のガイドピン64E、64Fがそれぞれ
相対係合する前後方向に長軸とされたガイド溝64A、
64Bが形成されるとともに、前方端部の側縁部には上
述したヘッド駆動カムレバー61の係合腕部61Cが係
合するコ字状の係合部64Dが一体に突出形成されてい
る。また、このスライドカムレバー64には、係合部6
4Dと同側の略中央部に位置した側縁部に、回動カムレ
バー63の長穴63Cに相対係合された連結カムレバー
62の支軸62Aに臨むカム腕部64Cが一体に突設さ
れている。
【0072】以上のように構成されたヘッド駆動機構部
17は、モード切換えカム39が回転動作すると、第1
の環状カム溝40にカムピン61Aが係合されたヘッド
駆動カムレバー61が、この第1の環状カム溝40の溝
形状にしたがって半径R1の内周側カム部40Aに対応
する第1の位置と、半径R2の外周側カム部40Bに対
応する第2の位置とに亘って支軸61Dを支点として回
動動作する。このヘッド駆動カムレバー61の動作は、
他端側のカムピン61Bが係合溝62Bに係合されてい
ることにより、連結カムレバー62へと伝達される。
【0073】連結カムレバー62は、ヘッド駆動カムレ
バー61のカムピン61Aが第1の環状カム溝40の外
周側カム部40B側に位置された状態において、このヘ
ッド駆動カムレバー61が図32において全体反時計方
向へと回動された状態となることから、支軸62Aを支
点としてカムスプリング63Fの弾性力に抗して時計方
向へと回動動作される。また、ヘッド駆動カムレバー6
1は、このようにして連結カムレバー62を回動動作さ
せるとともに、カムピン61Bを介して係合溝62Bに
臨む回動カムレバー63の他端部を押圧する。
【0074】回動カムレバー63は、第1のヘッドスプ
リング65の弾性力に抗して図32において反時計方向
へと回動動作し、係合部63Bによるヘッド駆動レバー
60の係止状態を解除する。したがって、ヘッド駆動レ
バー60は、第1のヘッドスプリング65及び第2のヘ
ッドスプリング66の弾性力に抗して支軸59を支点と
して図32において、反時計方向へと回動動作する。こ
のヘッド駆動レバー60の動作は、カムローラ60Hを
介してヘッドプレート32へと伝達され、このヘッドプ
レート32をカセット装填部20に装填されたテープカ
セット100側へと移動動作させる。
【0075】一方、ヘッド駆動機構部17は、モード切
換えカム39が回転動作されて、ヘッド駆動カムレバー
61のカムピン61Aが第1の環状カム溝40の内周側
カム部40Bに位置されると、このヘッド駆動カムレバ
ー61が支軸61Dを支点として図32において全体時
計方向へと回動された状態となる。このヘッド駆動カム
レバー61の動作は、カムピン61Bを介して連結カム
レバー62へと伝達され、この連結カムレバー62がカ
ムスプリング63Fの弾性力によって、支軸62Aを支
点として反時計方向へと回動動作される。また、ヘッド
駆動カムレバー61は、カムピン61Bによる回動カム
レバー63の押圧状態を解除する。
【0076】回動カムレバー63は、第1のヘッドスプ
リング65の弾性力によって図32において時計方向へ
と回動動作し、ヘッド駆動レバー60を係合部63Bに
よって押圧する。したがって、ヘッド駆動レバー60
は、第1のヘッドスプリング65及び第2のヘッドスプ
リング66の弾性力によって支軸59を支点として図3
2において、時計方向へと回動動作する。このヘッド駆
動レバー60の動作は、カムローラ60Hを介してヘッ
ドプレート32へと伝達され、このヘッドプレート32
をカセット装填部20に装填されたテープカセット10
0から離間する方向へと移動動作させる。なお、ヘッド
駆動レバー60、後述するイジェクト機構部24が動作
されることによって、さらにテープカセット100から
離間する方向に移動される。
【0077】〔テープ駆動機構部〕実施例テープレコー
ダ1は、テープ駆動モータ26の回転をテープ駆動機構
部18を介してリール軸33へと伝達することによっ
て、テープカセット100に収納された磁気テープ11
0を双方向に切り換え走行させる。上述したように、磁
気テープ110は、回転磁気ヘッド装置15がストップ
モード位置に保持された状態において繰出し方向に高速
で走行されるファーストフォワード走行と、巻取り方向
に高速で走行されるリワインド走行の走行動作が行われ
る。また、磁気テープ110は、回転磁気ヘッド装置1
5がプレイモード位置に保持された状態において、記録
・再生に際しての通常走行の他に、繰出し方向に高速で
走行されるフォワードドライブ走行及び巻取り方向に高
速で走行されるリバース走行とに切り換えられる。この
磁気テープ110の走行速度は、各操作ボタン群の操作
によってマイクロコンピュータからテープ駆動モータ2
6へ切換え信号が送出されることによって行われる。
【0078】また、磁気テープ110の走行方向は、テ
ープ駆動機構部18を構成する各歯車列が、上述したモ
ード切換え機構部16のモード切換えカム39によって
切換え動作されることによって行われる。テープ駆動機
構部18は、図14に全体を示す各歯車列及びこれら歯
車列を支持する各切換え部材によって構成される。すな
わち、テープ駆動機構部18は、回転磁気ヘッド装置1
5の下方に位置して積層状態でヘッドプレート29に組
み付けられたテープ駆動モータ26と、このテープ駆動
モータ26の出力歯車26Aを含んでヘッドプレート2
9に実装されたリール駆動歯車列43と、このリール駆
動歯車列43からの回転伝達を受けてプレイモード時の
磁気テープ110の走行方向を切り換える第1のテープ
走行方向切換え機構21と、ストップモード時の磁気テ
ープ110の走行方向を切り換える第2のテープ走行方
向切換え機構22とから構成されている。
【0079】リール駆動歯車列43は、上述したよう
に、テープ駆動モータ26の出力歯車26Aと、ヘッド
プレート32に立設した支軸にそれぞれ回転自在に支持
され、この出力歯車26Aと噛合された第1の伝達歯車
43Aと、この第1の伝達歯車43Aのカナ歯車と噛合
された第2の伝達歯車43Bと、この第2の伝達歯車4
3Bのカナ歯車と噛合された第3の伝達歯車43Cの歯
車列によって構成されている。また、第3の伝達歯車4
3Cは、ヘッドプレート32の前方縁部に左右方向に配
設された一対のリール駆動歯車44A、44Bの第1の
リール駆動歯車44Aと噛合されている。なお、第1の
リール駆動歯車44Aは、第2のリール駆動歯車44B
と噛合状態が保持されている。
【0080】また、テープ駆動機構部18は、テープカ
セット100のキャプスタン104A、104Bを駆動
するための第1のキャプスタン駆動歯車列45と第2の
キャプスタン駆動歯車列46を備えている。第1のキャ
プスタン駆動歯車列45は、図14に示すように、リー
ル駆動歯車列43の第3の伝達歯車43Cに噛合する第
1の伝達歯車45Aと、この第1の伝達歯車45Aの支
軸に一端を支持された揺動レバー45Cの他端部に支持
した支軸45Dに回転自在に支持され第1の伝達歯車4
5Aと噛合された第2の伝達歯車45Bとから構成され
ている。第2のキャプスタン駆動歯車列46は、リール
駆動歯車列43の第2の伝達歯車43Bと噛合された第
1の伝達歯車46Aと、この第1の伝達歯車46Aの支
軸に一端を支持された揺動レバー46Bの他端部に支持
した支軸46Cに回転自在に支持され第2の伝達歯車4
6Aと噛合された第2の伝達歯車46Bとから構成され
ている。
【0081】一方、リール軸33A、33Bには、それ
ぞれリール歯車34A、34Bが一体に形成されてい
る。これらリール歯車34A、34Bには、一端部をリ
ール軸33A、33Bに揺動自在に片持ち支持された一
対の支持プレート54、55の他端部に回転自在に組み
付けられた第2の切換え歯車53A、53Bがそれぞれ
噛合している。これら第2の切換え歯車53A、53B
は、それぞれテープカセット100のキャプスタン10
4A、104Bと噛合している。さらに、リール歯車3
4A、34B間には、切換え部材47に支持された第1
の切換え歯車48が配設されている。
【0082】後述するように、第1の切換え歯車48
は、プレイモード状態において、後述するようにリール
歯車34A、34Bと選択的に噛合することによって磁
気テープ110の走行方向を切り換える第1のテープ走
行方向切換え機構部21を構成する。また、第2の切換
え歯車53A、53Bは、ストップモード状態におい
て、後述するようにリール歯車34A、34Bと選択的
に噛合することによって磁気テープ110の走行方向を
切り換える第2のテープ走行方向切換え機構部22を構
成する。
【0083】すなわち、テープレコーダ1は、プレイモ
ード状態においては、図15に示すように、磁気ヘッド
装置15がカセット装填部20に装填されたテープカセ
ット100の内部へと深く進入してヘッドプレート32
も前進した位置にあることから、このヘッドプレート3
2の前方部に配設されたリール駆動歯車44が第1の切
換え歯車48と噛合可能な位置にある。したがって、テ
ープ駆動モータ26の回転は、テープ駆動機構部18を
構成する第1のテープ走行方向切換え機構部21を介し
てリール歯車34へと伝達されて磁気テープ110が走
行駆動される。なお、図14は、プレイモードに設定さ
れたテープ駆動機構部18の各部材の位置を示してい
る。
【0084】一方、テープレコーダ1は、ストップモー
ド状態においては、図16に示すように、磁気ヘッド装
置15がカセット装填部20に装填されたテープカセッ
ト100に進入した状態にあるが、ヘッドプレート32
がやや後退した位置にあって、リール駆動歯車44と第
1の切換え歯車48との噛合状態が解除されている。し
たがって、テープ駆動モータ26の回転は、テープ駆動
機構部18を構成する第2のテープ走行方向切換え機構
部22を介してリール歯車34へと伝達されて磁気テー
プ110が走行駆動される。
【0085】第1のテープ走行方向切換え機構部21
は、図17乃至図19に示すように、リール駆動歯車4
4及びリール歯車34と噛合される第1の切換え歯車4
8と、この第1の切換え歯車48を支持する切換え部材
47と、この切換え部材47を揺動動作させる第1の切
換えカムレバー52等の部材によって構成されている。
第1の切換えカムレバー52は、機構フレーム30の底
面部30Aの下側に、一対のリール軸33A、33Bを
横切るようにして配設された細長い部材であり、左右方
向に離間して設けた長穴52B1、52B2に底面部3
0Aに設けたガイドピン52C1、52C2がそれぞれ
係合することによって、左右方向にスライド自在に支持
されている。
【0086】この第1の切換えカムレバー52は、上述
したモード切換えカム39の第2の環状カム溝41に相
対係合するカムピン52Aが一端部に設けられるととも
に、リール軸33A、33Bの中央部に対応位置した切
欠き部に係合片52Dを一体に折曲形成している。切換
え部材47は、機構フレーム30の底面部30Aに立設
した支軸50に略中央部を回動自在に支持されている。
また、切換え部材47は、この支軸50が貫通する軸穴
47Aが、図21に示すように、前後方向の長穴として
構成されることによって、この軸穴47Aの範囲で底面
部30Aに沿って前後方向に移動自在とされている。
【0087】この切換え部材47には、前方側に位置し
て、第1の切換えカムレバー52の係合片52Dが臨む
矩形の切欠き部47Bが設けられるとともに、前方縁に
はスプリング掛止め部47Cが形成されている。また、
切換え部材47は、両側面部に立上り側面板47D、4
7Eが一体に折曲形成されている。これら立上り側面板
47D、47Eには、切欠き部47Bに向かってL字状
に折曲された弾性変形部47F、47Gが一体に形成さ
れている。さらに、これら弾性変形部47F、47G
は、先端部がそれぞれ切欠き部47B中へと突出するよ
うに折曲され、第1の切換えカムレバー52の係合片5
2Dとの係合部47f、47gを構成している。したが
って、係合部47f、47gと切欠き部47Bの両側縁
47b1、47b2との間には、図21に示すように間
隙Δxが構成されている。
【0088】切換え部材47には、後方側の先端部に第
1の切換え歯車48の支軸49Aが設けられている。こ
の支軸49Aには、第1の切換え歯車48よりもやや小
径とされたガイドローラ49が軸装されている。切換え
部材47の立上り側面板47D、47Eは、このガイド
ローラ49の両側面部に当接している。支軸49Aとス
プリング掛止め部47Cとの間には、引張りスプリング
51が掛け合わされている。したがって、切換え部材4
7は、この引張りスプリング51の弾性力によって後方
側へと付勢されている。
【0089】以上のように構成された第1のテープ走行
方向切換え機構部21は、図17に示すように、第1の
切換えカムレバー52のカムピン52Aがモード切換え
カム39の第2の環状カム溝41の中央カム部41Aに
位置している状態においては、この第1の切換えカムレ
バー52の係合部52Dが切欠き部47Bの左右方向の
中央部に位置している。したがって、切換え部材47
は、リール歯車34A、34Bの中立位置にあって、こ
れらリール歯車34A、34Bと第1の切換え歯車48
との噛合が解除された状態としている。したがって、テ
ープ駆動モータ26の回転は、リール軸33に伝達され
ない。換言すれば、テープレコーダ1は、ストップ状態
にある。
【0090】第1のテープ走行方向切換え機構部21
は、図18に示すように、第1の切換えカムレバー52
のカムピン52Aがモード切換えカム39の第2の環状
カム溝41の内周側カム部41Aに位置している状態に
おいては、この第1の切換えカムレバー52が全体とし
て左側に移動した状態となる。したがって、第1の切換
えカムレバー52は、係合部52Dが切欠き部47Bの
左側係合部47gと係合して切換え部材47を時計方向
へと回動動作させている。切換え部材47に支持された
第1の切換え歯車48は、左側のリール歯車34Aと噛
合する。なお、この場合、テープレコーダ1は、モード
切換えカム39によってヘッド駆動機構部17が動作さ
れプレイモード状態に切り換えられており、第1の切換
え歯車48は、左側のリール駆動歯車44Aと噛合され
ている。
【0091】第1のテープ走行方向切換え機構部21
は、図19に示すように、第1の切換えカムレバー52
のカムピン52Aがモード切換えカム39の第2の環状
カム溝41の外周側カム部41Aに位置している状態に
おいては、この第1の切換えカムレバー52が全体とし
て右側に移動した状態となる。したがって、第1の切換
えカムレバー52は、係合部52Dが切欠き部47Bの
右側係合部47fと係合して切換え部材47を反時計方
向へと回動動作させている。切換え部材47に支持され
た第1の切換え歯車48は、右側のリール歯車34A及
び右側のリール駆動歯車44Aと噛合する。
【0092】上述した第1のテープ走行方向切換え機構
部21の切換え動作に際して、第1の切換えカムレバー
52は、係合部52Dが切欠き部47Bの左右係合部4
7g、47fと係合して切換え部材47を回動動作させ
て、第1の切換え歯車48を左右のリール歯車34A、
34Bと噛合させる。この場合、第1の切換え歯車48
は、係合部47f、47gがそれぞれ切欠き部47Bの
両側縁47b1、47b2との間の間隙Δx分弾性変形
可能とされることによって調整され、リール歯車34と
の軸間距離が適正に保持されて円滑に噛合される。
【0093】また、第1のテープ走行方向切換え機構部
21の切換え動作に際して、第1の切換え歯車48は、
プレイモードに切り換えられてヘッドプレート32が移
動動作されることによって、リール駆動歯車44とも噛
合される。この場合、ガイドローラ49の周面がヘッド
プレート32前方部のガイド凹部32C、32Dと相対
係合する。第1の切換え歯車48は、切換え部材47が
長穴とされた軸穴47Aの範囲で前後方向に移動自在で
あり、かつ引張りスプリング51の弾性力によってリー
ル駆動歯車44側に付勢されていることにより、このリ
ール駆動歯車44との軸間距離が適正に保持されて円滑
に噛合される。
【0094】上述した第1のテープ走行方向切換え機構
部21の動作は、プレイモード状態において行われるも
のであって、磁気テープ110が順送り方向に走行され
る図18の状態がフォワードドライブモードであり、磁
気テープ110が逆方向に走行される図19の状態がリ
バースモードである。第2のテープ走行方向切換え機構
部22は、図22乃至図24に示すように、リール駆動
歯車44及びリール歯車34と噛合される第2の切換え
歯車53と、この第2の切換え歯車53をそれぞれ支持
する支持プレート部材54、55と、これら支持プレー
ト部材54、55を揺動動作させる第2の切換えカムレ
バー57等の部材によって構成されている。第2の切換
えカムレバー57は、機構フレーム30の底面部30A
に沿ってスライド動作する左右一対のガイド部57B、
57Fを前面板30Bに沿った連結部57Jで連結した
部材として構成されている。右ガイド部57Bには、モ
ード切換えカム39の第2の環状カム溝41に係合され
るカムピン57Aが設けられている。
【0095】第2の切換えカムレバー57は、上述した
第1の切換えカムレバー52のカムピン52Aがモード
切換えカム39の第2の環状カム溝41の右側領域で係
合されているのに対して左側領域で係合されている。し
たがって、テープレコーダ1は、動作モードに応じて磁
気テープ110の走行方向を変える2種類の切換え機構
が1個のモード切換えカム39によって制御されること
になる。しかも、このモード切換えカム39は、回転磁
気ヘッド装置15も切り換えることから、複合制御カム
として構成され、全体の機構の簡易化が図られている。
【0096】第2の切換えカムレバー57は、左右ガイ
ド部57B、57Fに設けた左右方向に長いガイド穴5
7C、57Gに機構フレーム30の底面部30Aに立設
したガイドピン57D、57Hが係合することによっ
て、底面部30Aに沿って左右方向にスライド自在に支
持されている。また、第2の切換えカムレバー57は、
左右ガイド部57B、57Fの相対向する側縁部に支持
プレート部材54、55との係合部57E、57Iが一
体に形成されている。また、右ガイド部57Bには、後
述するイジェクト機構部24のイジェクトキャンセル部
材72と連結されるための略ヘ字状のカム溝57Kが設
けられている。
【0097】支持プレート部材54、55は、中央部を
リール軸33A、33Bに回動自在に支持され、一端側
にそれぞれ第2の切換え歯車53A、53Bが回転自在
に支持されている。また、この支持プレート部材54、
55は、他端部が第2の切換えカムレバー57の係合部
57E、57Iとそれぞれ対向するようにして延在され
ている。支持プレート部材54、55は、この他端部側
に機構フレーム30の前面板30Bに一端を掛け止めし
た引張りスプリング56A、56Bの他端部が掛け止め
されることによって、図22において、右側支持プレー
ト部材54が反時計方向の回動習性を付与されるととも
に、左側支持プレート部材55が同図時計方向の回動習
性を付与されている。
【0098】第2のテープ走行方向切換え機構部22
は、図22に示すように、第2の切換えカムレバー57
のカムピン57Aがモード切換えカム39の第2の環状
カム溝41の中央カム部41Bに位置している状態にお
いては、この第2の切換えカムレバー57が中立位置に
ある。したがって、第2の切換えカム歯車53は、リー
ル駆動歯車44との噛合状態が解除されている。テープ
レコーダ1は、この状態において、ストップモードにあ
る。
【0099】第2のテープ走行方向切換え機構部22
は、図23に示すように、第2の切換えカムレバー57
のカムピン57Aがモード切換えカム39の第2の環状
カム溝41の内周側カム部41Aに位置している状態に
おいては、この第2の切換えカムレバー57が全体とし
て右側に移動した状態となっている。したがって、第2
の切換えカムレバー57は、左側係合部57Iが左側支
持プレート部材55の係合部55Aを押圧して、この左
側支持プレート部材55を引張りスプリング56Bの弾
性力に抗して反時計方向へと回動させている。左側第2
の切換えカム歯車53Bは、左側リール駆動歯車44B
との噛合が解除される。
【0100】一方、第2の切換えカムレバー57は、右
側係合部57Eが右側支持プレート部材54の係合部5
4Aの係止状態を解除することにより、この右側支持プ
レート部材54が引張りスプリング56Aの弾性力によ
って、時計方向への回動動作を可能とする。したがっ
て、右側第2の切換えカム歯車53Aは、右側リール駆
動歯車44Aと噛合して、回転伝達を受けリール軸33
Aを回転させる。
【0101】第2のテープ走行方向切換え機構部22
は、図24に示すように、第2の切換えカムレバー57
のカムピン57Aがモード切換えカム39の第2の環状
カム溝41の外周側カム部41Cに位置している状態に
おいては、この第2の切換えカムレバー57が全体とし
て左側に移動した状態となっている。したがって、第2
の切換えカムレバー57は、右側係合部57Eが右側支
持プレート部材54の係合部54Aを押圧して、この右
側支持プレート部材54を引張りスプリング56Aの弾
性力に抗して時計方向へと回動させている。これによっ
て、右側第2の切換えカム歯車53Aは、右側リール駆
動歯車44Bとの噛合が解除される。
【0102】一方、第2の切換えカムレバー57は、左
側係合部57Iが左側支持プレート部材55の係合部5
5Aの係止状態を解除することにより、この左側支持プ
レート部材55が引張りスプリング56Bの弾性力によ
って、反時計方向への回動動作を可能とする。したがっ
て、左側第2の切換えカム歯車53Bは、左側リール駆
動歯車44Bと噛合して、回転伝達を受けリール軸33
Bを回転させる。
【0103】以上のように、第2のテープ走行方向切換
え機構部22は、モード切換えカム39によって第2の
切換えレバー57が切換え動作されることによって、リ
ール軸33の回転方向を切り換え、磁気テープ110の
走行方向の切り換えを行う。上述した第2のテープ走行
方向切換え機構部21の動作は、ストップモード状態に
おいて行われるものであって、磁気テープ110が順送
り方向に走行される図23の状態がファーストフォワー
ドモードであり、磁気テープ110が逆方向に走行され
る図19の状態がリワインドモードである。
【0104】〔イジェクト機構部〕イジェクト機構部2
4は、上述したようにヘッド駆動レバー60をヘッドス
プリング65、66の弾性力に抗して図11において時
計方向へと回動動作させてヘッドプレート32をテープ
カセット100から後退させるとともに、カセットホル
ダ28をロックする後述するホルダロック機構部25の
ロック状態を解除する。イジェクト機構部24は、図2
9に示すように、筐体2に配設されたイジェクト操作レ
バー8と連動して機構フレーム30の右側板30Dの外
側に立設したガイドピン67B、67Dが係合するガイ
ド溝67A、67Cに沿って前後方向に移動自在に支持
されたイジェクトスライドレバー67と、右側板30D
の内側に配設されたイジェクト回動カムレバー68及び
イジェクトレバー69等の各レバーとイジェクトスプリ
ング70、71とを主たる構成部材として構成されてい
る。
【0105】詳細を省略するが、イジェクト回動カムレ
バー68は、略中央部に設けた軸穴に右側板30Dの内
面に立設した支軸68Aが嵌合することによって、右側
板30Dに上下方向に垂直な状態で回動自在に支持さ
れ、後述するように、第1及び第2のイジェクトスプリ
ング70、71の弾性力によって、図29において反時
計方向の回動習性が付与されている。このイジェクト回
動カムレバー68は、下端側に支軸68Bが立設される
ことによってイジェクトレバー69を回動自在に支持す
るとともに、上側端部68Cにイジェクトスライドレバ
ー67の作動部67Fを係合させている。
【0106】また、イジェクト回動カムレバー68に
は、後端側にストッパ片68Dが折曲形成されるととも
に、第2のイジェクトスプリング71のコイル状基部を
装着する軸68Eが設けられている。さらに、イジェク
ト回動カムレバー68には、第2のイジェクトスプリン
グ71の一端部を掛け止めする掛止め部68Fと第1の
イジェクトスプリング70の一端部を掛け止めするため
の掛止め部68Gが設けられている。
【0107】イジェクトレバー69は、全体が略ト字状
に形成され、下端部に設けた軸穴69Aにイジェクト回
動カムレバー68に設けた支軸68Bを貫通させること
によって、このイジェクト回動カムレバー68に回動自
在に組み合わされている。イジェクトレバー69は、後
方へと延長された端部がヘッド駆動レバー60の係合部
60Dの上方部に延在されて、作動部69Bとして構成
されている。イジェクトレバー69は、この作動部69
Bの近傍に位置してスプリング掛止め部69Cが折曲形
成されている。イジェクトレバー69は、上端部69D
がイジェクト回動カムレバー68のストッパ片68Dと
相対係合している。
【0108】第1のイジェクトスプリング70は、一端
部が機構フレーム30の右側板30Dに形成した掛止め
部30Kに掛け止めされるとともに、他端部がイジェク
ト回動カムレバー68の掛止め部68Cに掛け止めされ
ている。したがって、第1のイジェクトスプリング70
は、イジェクト回動カムレバー68を図29において反
時計方向の回動習性を付与する。また、第2のイジェク
トスプリング71は、一端部をイジェクト回動カムレバ
ー68の掛止め部68Fに掛け止めされるとともに、他
端部がイジェクトレバー69の掛止め部69Cに掛け止
めされることによってイジェクト回動カムレバー68に
対しては図29において反時計方向の回動習性を付与
し、またイジェクトレバー69に対しては同図時計方向
の回動習性を付与している。
【0109】以上のように構成されたイジェクト機構部
24は、イジェクト操作レバー8が押圧操作されること
によって、イジェクトスライドレバー67が機構フレー
ム30の右側板30Dに沿って後方へと移動動作され
る。イジェクトスライドレバー67は、作動部67Fが
上側端部68Cを押圧することによって、第1及び第2
のイジェクトスプリング70、71の弾性力に抗してイ
ジェクト回動カムレバー68を、図29において時計方
向へと回動動作させる。したがって、イジェクトレバー
69は、イジェクト回動カムレバー68のストッパ片6
8Dによる係止状態が解除されることによって支軸69
Bを支点として第2のイジェクトスプリング71の弾性
力によって時計方向へと回動動作し、後端部の作動部6
9Bがヘッド駆動レバー60の係合部60Dと相対係合
する。
【0110】また、イジェクトレバー69は、この回動
動作とともにイジェクト回動カムレバー68が回動する
ことによって前方側へと移動動作する。したがって、イ
ジェクトレバー69は、作動部69Bがヘッド駆動レバ
ー60の係合部60Dを前方側へと吸引動作する。これ
によって、ヘッド駆動レバー60は、支軸59を支点と
して図11において全体が時計方向へと回動動作し、ガ
イド溝32Aに相対係合したカムローラ60Hを介し
て、ヘッドプレート32を後方側へとスライド動作させ
る。したがって、ヘッドプレート32に搭載された回転
磁気ヘッド装置15は、上述したイジェクトモードで説
明したように、テープカセット100の内部から退出
し、後述するカセットホルダ28の回動動作を可能な状
態とする。
【0111】なお、テープレコーダ1は、このイジェク
ト動作に際して、イジェクト操作レバー8に設けた図示
しないスイッチ手段が閉成されて出力がマイクロコンピ
ュータに送出される。マイクロコンピュータは、モード
切換えモード切換えモータ27に対して起動出力を送出
し、モード切換えカム39を所定のイジェクトモード位
置へと回動動作させる。これに伴って、モード切換えカ
ム39と連結された各カムレバー61、52、57が所
定のモード位置へと動作される。
【0112】イジェクト機構部24は、後述するように
ホルダロック機構部25を駆動してカセットホルダ28
のロック状態を解除してこのカセットホルダ28の回動
動作を可能とするとともに、カセット装填部20を開閉
する蓋体3を回動動作させる駆動機構を駆動してこの蓋
体3を開放動作させる。カセットホルダ28は、ホルダ
スプリング75の弾性力によって回動動作する。
【0113】イジエクト機構部24は、イジェクト操作
レバー8の操作力が解除されると、イジェクトスライド
レバー67が第1及び第2のイジェクトスプリング7
0、71の弾性力によって機構フレーム30の右側板3
0Dに沿って初期位置へと復帰動作する。また、イジェ
クト回動カムレバー68及びイジェクトレバー69も、
イジェクトスライドレバー67とともに第1及び第2の
イジェクトスプリング70、71の弾性力によってそれ
ぞれ初期位置へと復帰動作する。この際、イジェクトレ
バー69は、ヘッド駆動レバー60の係合部60Dとの
係合状態が解除されながら、初期位置へと復帰動作す
る。
【0114】このように、ヘッド駆動レバー60は、イ
ジェクトレバー69との係合状態が解除されるが、モー
ド切換え機構部16がイジェクトモードに設定された状
態に保持されているため、復帰動作されることは無い。
したがって、ヘッドプレート32は、ベースフレーム3
1の切欠き部31Dに沿って後方側に後退した状態に保
持され、搭載した回転磁気ヘッド装置15をカセット装
填部20から退避させた状態に保持している。
【0115】イジェクト機構部24は、上述したイジェ
クトモードに設定された状態において、イジェクト操作
レバー8が再操作された場合には、不要な力が構成各部
材に作用されて破損等の不都合が生じることがある。し
たがって、イジェクト機構部24には、イジェクトモー
ド時のイジェクト操作を不能とするイジェクトキャンセ
ル機構が設けられている。このイジェクトキャンセル機
構は、図30及び図31に示したイジェクトキャンセル
部材72及びイジェクト連結レバー58によって構成さ
れている。イジェクトキャンセル部材72は、機構フレ
ーム30の底面部30Dに設けたガイドピン73E、7
3Fに前後方向の長穴72B、72Aを係合させること
によって、底面部30Dに沿って前後方向にスライド自
在に支持されている。
【0116】イジェクトキャンセル部材72は、一端部
73Cにイジェク連結レバー58の一端部に設けたカム
ピン58Bが係合するカム溝73Cが設けられるととも
に、後端部には、図31に示すように、コ字状に折曲し
て係合部73Dが形成されている。イジェク連結レバー
58は、支軸50Cに揺動自在に支持され、他端部に設
けたカムピン58Aが上述した第2の切換えカムレバー
57の右ガイド部57Bに設けたヘ字状のカム溝57K
に係合されている。
【0117】以上のように構成されたイジェクトキャン
セル機構は、モード切換えカム39によって第2の切換
えカムレバー57がイジェクトモードに位置された状態
において、イジェク連結レバー58を介してイジェクト
キャンセル部材72を前方側へと移動動作させる。イジ
ェクトキャンセル部材72は、係合部73Dによってヘ
ッド駆動レバー60の係合部60Dを上方へと押し上げ
る。したがって、テープレコーダ1は、イジェクト操作
レバー8が操作された場合にも、イジェクトレバー69
がヘッド駆動レバー60と係合されることは無く、不要
な力がヘッド駆動レバー60に作用されることが防止さ
れる。
【0118】〔カセットホルダとヘッドプレートの構
成〕カセットホルダ28は、上述したイジェクト操作に
よって回動動作された状態において、第1及び第2のヘ
ッドスプリング65、66によって前方側へと付勢され
たヘッドプレート32の位置決めを行う。カセットホル
ダ28は、ストップモード状態において、図27に示す
ように、側面部28B、28Cの後端側に形成された係
合部28F、28Gがヘッドプレート32の後方部に立
ち上がり形成された係合部32Bの上方部に延在してい
る。
【0119】カセットホルダ28は、イジェクト操作に
よって、ホルダスプリング75の弾性力によって、図2
8に示すように支軸78を支点として反時計方向へと回
動動作する。これによって、カセットホルダ28は、係
合部28F、28Gがヘッドプレート32の係合部32
Bと当接する。上述したように、ヘッドプレート32
は、第1及び第2のヘッドスプリング65、66の弾性
力によって前方側へと付勢されているが、カセットホル
ダ28の係合部7F、7Gが係合部6Bと当接すること
によって位置決め保持される。したがって、ヘッドプレ
ート32は、モード切換え機構部16がイジェクト動作
中に操作された場合であっても、所定の位置に係止保持
され、回転磁気ヘッド装置15をカセット装填部20か
ら確実に退避させている。
【0120】また、カセットホルダ28は、ホルダスプ
リング75によって開放方向の回動習性が付与される
が、非イジェクトモード時には、このホルダスプリング
75の弾性力に抗して後述するホルダロック機構部25
によってロック状態に保持されることになる。ホルダロ
ック機構部25は、カセットホルダ28を確実にロック
状態に保持するためには、ホルダスプリング75に対し
てより大きな保持力をカセットホルダ28に作用させる
必要がある。一方、イジェクト操作は、ヘッドプレート
32を付勢する第1及び第2のヘッドスプリング65、
66の弾性力とともにホルダロック機構部25の保持力
に抗して行われる。
【0121】テープレコーダ1は、イジェクト操作の操
作力を低減するために、本来磁気ヘッドと磁気テープと
の圧接させるために備えられた第1及び第2のヘッドス
プリング65、66の弾性力がカセットホルダ28に開
放方向の回動習性を付与するために利用される。このた
め、カセットホルダ28は、ヘッドプレート32の係合
部32Bが当接する係合部28F、28Gの端面28
f、28gが円弧状に形成されている。ヘッドプレート
32を介してカセットホルダ28に作用される第1及び
第2のヘッドスプリング65、66の弾性力は、端面2
8f、28gを円弧状に形成することによって、上向き
方向の分力が生じてカセットホルダ28に対して開放方
向の回動習性を付与する。
【0122】端面28f、28gは、第1及び第2のヘ
ッドスプリング65、66の弾性力をカセットホルダ2
8に対して上向き方向により有効に作用させるため、円
弧面の中心をカセットホルダ28の回動支点である支軸
78の位置に対して下方側に偏位させた構成とする。し
たがって、ヘッドプレート32の係合部32Bは、カセ
ットホルダ28の係合部端面28f、28gに対して下
方から突き上げるようにして当接し、第1及び第2のヘ
ッドスプリング65、66の弾性力のカセットホルダ2
8に対する作用方向も上向きとなる。
【0123】勿論、第1及び第2のヘッドスプリング6
5、66の弾性力は、ヘッドプレート32の係合部32
Bと係合部端面28f、28gとの係合状態が解除され
ることによってカセットホルダ28には作用されなくな
る。しかしながら、カセットホルダ28の開放方向の弾
性力は、イシェクト操作によってこのカセットホルダ2
8が回動動作された状態において大きな保持力として作
用されればよい。
【0124】したがって、テープレコーダ1は、第1及
び第2のヘッドスプリング65、66の弾性力がカセッ
トホルダ28を開放状態に保持する弾性力として作用さ
れるように構成したことにより、大きな弾性力を有する
ホルダスプリングが不要となり、イジェクト操作力の低
減が図られる。なお、上述した実施例においては、カセ
ットホルダ28の係合部端面28f、28gを円弧状に
形成するようにしたが、ヘッドプレート32の係合部3
2B側を円弧状に形成したり、双方を円弧状に形成して
もよいことは勿論である。
【0125】テープレコーダ1は、イジェクト操作が完
了してストップモード状態へと切り換わる際に、ヘッド
プレート32を第1及び第2のヘッドスプリング65、
66の弾性力によってカセットホルダ28側へと移動さ
せて搭載した回転磁気ヘッド装置15をカセット装填部
20に装填されたテープカセット100の内部へと進入
させる。テープレコーダ1は、上述したように、イジェ
クトモード状態において、カセットホルダ28とヘッド
プレート32とが、その係合部28F、28Gと係合部
32Bとを相対係合させることによって直接相互に位置
決めされるように構成されていることから、ストップモ
ード状態へと切り換わる際には同一のタイミングで動作
する。したがって、回転磁気ヘッド装置15は、復帰回
動するカセットホルダ28に対する上下位置が極めて正
確に保持され、装填されたテープカセット100の内部
へと進入する。
【0126】〔ホルダロック機構部〕カセットホルダ2
8は、上述したようにイジェクト機構部24に連動して
ベースフレーム31に対して回動動作され、カセット装
填口28Aを外方へと露呈させた状態とする。勿論、筐
体2の蓋体3は、このカセットホルダ28の回動動作に
際して回動動作してカセット装填部20を開放状態とし
ている。したがって、カセット装填部20からは、装填
したテープカセット100の取り出しが行われ、或いは
新たなテープカセット100の装填が行われる。蓋体3
は、このテープカセット100の挿脱操作を行った後、
閉じられてカセット装填部20を閉塞する。テープレコ
ーダ1は、上述したように、この蓋体3の操作によって
モード切換え機構部16が動作されてイジェクトモード
からストップモードへと切り換えられる。
【0127】ホルダロック機構部25は、上述したイジ
ェクト操作によって回動動作されるカセットホルダ28
を、ホルダスプリング75の弾性力に抗して非イジェク
ト位置にしっかりと保持する。ホルダロック機構部25
は、図25及び図34に示すように、イジェクト機構部
24とを連結する伝達レバー73と、ベースフレーム3
1の右側側板31Bに組み付けられたホルダロックレバ
ー74と、ホルダロックスプリング75と、回動カムレ
バー76及びホルダカムスプリング77等の部材によっ
て構成されている。
【0128】ホルダロックレバー74は、ベースフレー
ム31の右側側板31Bの内面部に、この右側側板31
Bに形成した第1のガイド溝31Hに支持軸80を相対
係合させることによって前後方向に移動自在に支持され
ている。このホルダロックレバー74には、上縁部にベ
ースフレーム31の右側側板31Bに形成した係合溝3
1Jに対応して円弧状の周面を有するカム凸部74Bが
水平方向のカム溝74Cを介して突出形成されるととも
に、ベースフレーム31の第2のガイド溝31Kに臨む
カム溝74Cの後方側に位置して水平方向のガイド溝7
4Dが形成されている。
【0129】また、ホルダロックレバー74には、ベー
スフレーム31のガイド部31Lに臨む後端部の上縁に
位置して第1のスプリング掛止め片74Fが形成される
とともに、この後端部の下側にはベースフレーム31の
底面部に設けた図示しないガイド溝を貫通して下方部に
露呈された係合カム部74Hが突設形成されている。こ
の係合カム部74Hには、下縁部に伝達レバー73の一
端部73Cが係合する係合溝74Iが形成されるととも
に、ベースフレーム31の第3のガイド溝31Pに臨む
上縁部に第2のスプリング掛止め片74Gが形成されて
いる。
【0130】以上のように構成されたホルダロックレバ
ー74には、その内面側に回動カムレバー76が支軸7
9によって回動自在に組み付けられている。すなわち、
支軸79は、ホルダロックレバー74の後方側のやや上
方位置において回動カムレバー76を支持する。この回
動カムレバー76の先端カム部76Aは、ホルダロック
レバー74のカム溝74Cに臨んで延在している。ま
た、回動カムレバー76には、ホルダロックレバー74
のガイド溝74Dに対応してスプリング掛止め片76B
が形成されるとともに、略U字状を呈してホルダロック
レバー74の後端部よりさらに後方へと延長された後端
部76Cの先端部に係合部76Dが折曲形成されてい
る。
【0131】ホルダロックスプリング75は、ホルダロ
ックレバー74を後述するようにカセットホルダ28を
係止保持する方向、すなわちベースフレーム31に沿っ
て前方側へと付勢するコイルスプリングである。ホルダ
ロックスプリング75は、圧縮した状態で、一端部をベ
ースフレーム31のスプリング掛止め部31Iに掛け合
わすとともに他端部をベースフレーム31の第3のガイ
ド溝31Pから突出されたホルダロックレバー74の第
2のスプリング掛止め片74Gに掛け合わす。したがっ
て、ホルダロックレバー74は、このホルダロックスプ
リング75の弾性力によって前方側へと付勢される。
【0132】ホルダカムスプリング77は、回動カムレ
バー76に対してヘッドプレート32の係合部32Bと
係合する方向、すなわち図36において時計方向に回動
習性を付与するためのコイルスプリングである。ホルダ
カムスプリング77は、圧縮した状態で一端部をベース
フレーム31のガイド部31Lから突出されたホルダロ
ックレバー74に形成した第1のスプリング掛止め片7
4Fに掛け合わすとともに、他端部をベースフレーム3
1の第2のガイド溝31Kから突出された回動カムレバ
ー76に形成したスプリング掛止め片76Bに掛け合わ
す。したがって、回動カムレバー76は、支点部である
支軸79を超えてホルダロックレバー74との間に張架
されたホルダカムスプリング77の弾性力によって、図
36において時計方向の回動習性が付与される。
【0133】カセットホルダ28は、図36に示すスト
ップモード状態或いはプレイモード状態において、ベー
スフレーム31の係合溝31Jに対応位置されたカム軸
28Iが、ホルダロックスプリング75の弾性力によっ
てベースフレーム31に沿って前方側に位置されたホル
ダロックレバー27のカム溝27Cに係合することによ
ってロック状態に保持される。この非イジェクトモード
状態において、ホルダロックレバー75の支持軸は第1
のガイド溝31Hの前方側に位置し、第2のスプリング
掛止め部74Gも第3のガイド溝31Pの前方側に位置
している。
【0134】また、回動カムレバー76は、スプリング
掛止め部76Bがベースフレーム31の第2のガイド溝
31Kの前方側に位置し、ホルダカムスプリング77の
弾性力によって図36において反時計方向に回動された
状態にある。したがって、この回動カムレバー76の後
端側に形成された係合部76Dは、ヘッドプレート32
の係合部32Bに対して上方に位置し、ヘッドプレート
32のプレイモード位置とストップモード位置とに亘る
移動動作を許可している。
【0135】テープレコーダ1は、上述したイジェクト
機構部24を動作させてイジエクト操作が行われると、
ヘッドプレート32の係合部32Bがイジェクト位置へ
と移動動作し、伝達レバー73が揺動動作する。この伝
達レバー73の動作は、係合カム部74Hを介してホル
ダロックレバー74へと伝達され、このホルダロックレ
バー74をホルダロックスプリング75の弾性力に抗し
てベースフレーム31に沿って後方側へと移動動作させ
る。ホルダロックレバー74は、支持軸74Aが第1の
ガイド溝31Hに沿って後方側へと移動するとともに係
合溝31Jに臨んで位置されたカム部74Aが後方へと
後退する。したがって、カセットホルダ28は、ホルダ
ロックレバー74によるカム軸28Iの係止状態が解除
されてホルダスプリング75の弾性力により、支軸78
を支点としてイジェクトモード位置へと回動動作する。
【0136】また、回動カムレバー76は、ホルダロッ
クレバー74の移動動作によって、スプリング掛止め部
74Bが第2のガイド溝31Kの水平部から立上り部へ
と移動し、ホルダロックレバー74に対して回動動作可
能な状態となる。したがって、回動カムレバー76は、
ホルダカムスプリング77の弾性力によって、図37に
示すように支軸79を支点として時計方向へと回動動作
する。この回動カムレバー76の回動動作によって、係
合部76Dは、イジェクトモード位置に後退しているヘ
ッドプレート32の係合部32Bと相対係合する。ま
た、回動カムレバー76は、先端カム部29Aが、図1
2に示すように、ホルダロックレバー74のカム溝74
Cの上縁よりやや突出した状態に位置する。
【0137】テープレコーダ1は、イジェクト操作が完
了してストップモード状態へと切り換わる際に、ヘッド
プレート32をカセットホルダ28側へと移動させて搭
載した回転磁気ヘッド装置15をカセット装填部20に
装填されたテープカセット100の内部へと進入させる
ための第1及び第2のヘッドスプリング65、66の弾
性力がカセットホルダ28をロックするための弾性力と
して利用される。上述したように、ホルダロックレバー
74には、回動カムレバー76が一体的に組み合わされ
ている。そして、この回動カムレバー76は、イジェク
トモード状態において、係合部76Dがヘッドプレート
32の係合部32Bと相対係合している。したがって、
回動カムレバー76には、ヘッドプレート32がストッ
プモード位置へと復帰する過程で第1及び第2のヘッド
スプリング65、66の弾性力が作用される。
【0138】ホルダロックレバー74は、ホルダロック
スプリング75の弾性力とともに第1及び第2のヘッド
スプリング65、66の弾性力が付加されて、ベースフ
レーム31に沿って前方へと移動動作する。そして、ホ
ルダロックレバー74は、係合溝31Jに臨んで復帰位
置されたカム軸28Iにカム部74Bが相対係合して円
弧状の外周縁に沿ってこのカム軸28Iをカム溝74C
へと呼び込む。カセットホルダ28は、カム軸28Iが
カム溝74Cに相対係合することによって、ホルダロッ
クレバー74によって非イジェクトモード位置にロック
される。
【0139】一方、カセットホルダ28のカム軸28I
は、カム溝74Cへと呼込み動作される途中で、ホルダ
ロックレバー74のカム溝74Cの上縁よりやや突出し
た状態に位置された回動カムレバー76の先端カム部7
6Aを押圧動作する。これによって、回動カムレバー7
6は、ホルダカムスプリング77の弾性力に抗して図3
7において反時計方向へと復帰動作する。回動カムレバ
ー76は、この復帰動作によって、係合部76Dとヘッ
ドプレート32の係合部32Bとの係合状態が解除され
る。したがって、ホルダロックレバー74は、付加され
ていた第1及び第2のヘッドスプリング65、66の弾
性力から開放される。
【0140】このように、テープレコーダ1は、カセッ
トホルダ28がイジェクト位置からストップモード位置
へと復帰し、カム軸28Iがカム部74Bの外周縁に沿
ってカム溝74Cへと呼び込んでホルダロックレバー7
4によってロックされる際に、ホルダロックスプリング
77の弾性力とともに第1及び第2のヘッドスプリング
65、66の弾性力を利用するように構成したことによ
って、カセットホルダ28のロック動作が確実に行われ
るようになる。
【0141】また、第1及び第2のヘッドスプリング6
5、66の弾性力は、カセットホルダ28のロック動作
に際して最も大きな作用力を必要とするタイミングのみ
に作用される。カセットホルダ28は、通常ホルダロッ
クスプリング75の弾性力によって係止保持されること
から、この保持力に抗して行われるイジェクト操作の操
作力の低減が図られる。
【0142】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る記録再生装置によれば、構成各部材、各機構を所定の
動作モード位置へと駆動動作する動作モードの切り換え
が1つのモード切換えモータとこのモード切換えモータ
によって回転駆動されるモード切換えカムによって行わ
れるように構成されたことにより、テープ駆動モータか
らの回転をリール軸に伝達するための歯車列の切り換え
機構等が大幅に簡易化され、全体の小型化が達成され
る。また、各機構、各部材は、同一のタイミングによっ
て動作されることから、動作が正確となり、精度の向上
が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録再生装置の実施例として
示す超小型テープレコーダの全体斜視図である。
【図2】同テープレコーダに用いられるテープカセット
の上ハーフを取り除いて示した一部切欠き斜視図であ
る。
【図3】同テープレコーダの蓋体を開放してカセット装
填部にテープカセットを装填する状態を示した要部斜視
図である。
【図4】同テープレコーダの機構部を示す分解斜視図で
ある。
【図5】同テープレコーダのモード切換え機構部及びイ
ジエクト機構部を示す要部分解斜視図である。
【図6】同テープレコーダのモード切換え機構部及びモ
ード切換えカムの回転位置を検出する回転位置検出機構
部を示す要部縦断面図である。
【図7】同テープレコーダの回転位置検出機構部を構成
する固定接点板及び固定接点の構成を説明する要部平面
図である。
【図8】同テープレコーダの回転位置検出機構部を構成
する摺動接点部材の構成を説明するモード切換えカムの
底面側からの斜視図である。
【図9】同テープレコーダのモード切換え機構部を構成
するモード切換えカムのカム溝の構成を平面図である。
【図10】モード切換えカムの回転位置によるテープレ
コーダの動作モードチャート図である。
【図11】同ストップモード時の機構部の状態を説明す
る透視平面図である。
【図12】同プレイモード時の機構部の状態を説明する
透視平面図である。
【図13】同イジェクトモード時の機構部の状態を説明
する透視平面図である。
【図14】同テープレコーダの駆動系の構成説明図であ
る。
【図15】ヘッド駆動機構部を構成する駆動系の構成説
明図であり、プレイモード時の状態を示す。
【図16】同ヘッド駆動機構部の駆動系の構成説明図で
あり、ストップモード時の状態を示す。
【図17】第1のテープ走行方向切換え機構部を構成す
る駆動系の構成説明図であり、ストップモード時の状態
を示す。
【図18】第1のテープ走行方向切換え機構部の駆動系
の構成説明図であり、フォワードモード時の状態を示
す。
【図19】第1のテープ走行方向切換え機構部の駆動系
の構成説明図であり、リバースモード時の状態を示す。
【図20】第1のテープ走行方向切換え機構部を構成す
る切換え機構部の構成を説明する要部平面図である。
【図21】テープ走行方向切換え機構部を構成する切換
え部材の平面図である。
【図22】第2のテープ走行方向切換え機構部の駆動系
の構成説明図であり、ストップモード時の状態を示す。
【図23】同第2のテープ走行方向切換え機構部の駆動
系の構成説明図であり、早送りモード時の状態を示す。
【図24】同第2のテープ走行方向切換え機構部の駆動
系の構成説明図であり、巻戻しモード時の状態を示す。
【図25】同テープレコーダのカセット装填部の構成を
説明する斜視図である。
【図26】同テープレコーダのカセット装填部を構成す
るカセットホルダとベースフレームの構成を説明する分
解斜視図である。
【図27】同テープレコーダのカセット装填部を構成す
るカセットホルダの側面図であり、非イジェクト時の状
態を示す。
【図28】同テープレコーダのカセット装填部を構成す
るカセットホルダの側面図であり、イジェクト時の状態
を示す。
【図29】同テープレコーダのイジェクト機構部を構成
するイジェクト操作部を説明する要部側面図である。
【図30】同テープレコーダのイジェクト機構部の要部
平面図である。
【図31】同テープレコーダのイジェクト機構部を構成
するイジェクト操作部に備えられるイジェクトキャンセ
ル部材の斜視図である。
【図32】同テープレコーダのイジェクト機構部とイジ
ェクト切換えカムの構成を説明する要部平面図である。
【図33】同テープレコーダのイジェクト機構部とモー
ド切換え機構部との連結構造を説明する要部平面図であ
る。
【図34】同テープレコーダのホルダロック機構部の駆
動機構部分を説明する要部平面図である。
【図35】同テープレコーダのイジェクト機構部に備え
られるシフトアーム部材の動作説明図であり、同図
(A)は非イジェクト動作時の状態を示し、同図(B)
はイジェクト動作時の状態を示す。
【図36】同テープレコーダのホルダロック機構部を説
明する側面図であり、非イジェクト動作時の状態を示
す。
【図37】同テープレコーダのホルダロック機構部を説
明する側面図であり、イジェクト動作時の状態を示す。
【図38】同テープレコーダのホルダロック機構部をベ
ースフレームを取り除いて示した側面図である。
【符号の説明】
1 テープレコーダ 2 筐体 3 蓋体 15 回転磁気ヘッド装置 16 モード切換え機構部 17 ヘッド駆動機構部 18 テープ駆動機構部 19 カセット装填機構部 20 カセット装填部 21 第1のテープ走行方向切換え機構部 22 第2のテープ走行方向切換え機構部 23 モード切換えカムの位置検出機構 24 イジェクト機構部 25 ホルダロック機構部 26 テープ駆動モータ 27 モード切換えモータ 28 カセットホルダ 30 機構フレーム 32 ヘッドプレート 33 リール軸 36 固定接点板 39 モード切換えカム 40 第1の環状カム溝 41 第2の環状カム溝 42 摺動接点部材 43 リール駆動歯車列 44 リール駆動歯車 47 切換え部材 52 第1の切換えレバー 57 第2の切換えレバー 60 ヘッド駆動レバー 61 ヘッド駆動カムレバー 100 テープカセット 110 磁気テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加納 安章 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 姫野 卓治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッド装置と、 一方側に開口されたカセット装填口からテープカセット
    が装填されるカセット装填部を構成するカセットホルダ
    を有するカセット装填機構部と、 テープ駆動モータと伝達歯車列とから構成されるテープ
    駆動機構部と、 磁気ヘッド装置をカセットホルダ側に付勢するヘッド弾
    性手段を備えるとともにこの磁気ヘッド装置をカセット
    ホルダに対して接離する方向に動作させるヘッド駆動機
    構部と、 テープ駆動機構部の伝達歯車列を切り換えてテープ駆動
    モータの回転をリール軸へと伝達して磁気テープの走行
    方向を切り換える第1のテープ走行方向切換え機構部及
    び第2のテープ走行方向切換え機構部と、 モード切換えモータとこのモード切換えモータによって
    駆動されるモード切換えカムとを有し、ヘッド駆動機構
    部を駆動して磁気ヘッド装置を磁気テープに対して記録
    動作或いは再生動作を可能とするプレイモード位置と、
    記録動作又は再生動作が停止されるストップモード位置
    及びヘッド駆動機構部とカセット装填機構部とを駆動し
    てカセットホルダに対してテープカセットの挿脱操作を
    可能とするイジェクトモード位置とに亘って移動させる
    切換え動作とともに、プレイモードにおいて第1のテー
    プ走行方向切換え機構部を駆動してカセット装填部に装
    填された磁気テープの走行方向を切り換える動作及び磁
    気テープの走行を停止させる切換え動作と、ストップモ
    ードにおいて第2のテープ走行方向切換え機構部を駆動
    してカセット装填部に装填された磁気テープの走行方向
    を切り換える切換え動作とを行うモード切換え機構部と
    を備えて構成され、 モード切換え機構部のモード切換えカムには、ヘッド駆
    動機構部のヘッド駆動カムレバーが係合する第1のカム
    部と、第1のテープ走行方向切換え機構部の切換えカム
    レバー及び第2のテープ走行方向切換え機構部の切換え
    カムレバーとが係合する第2のカム部とが形成されたこ
    とを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】 モード切換えカムに形成された第1のカ
    ム部と第2のカム部とは、互いに同心とされた環状のカ
    ム溝によって構成され、第2のカム溝に対して第1のテ
    ープ走行方向切換え機構部の切換えカムレバーの係合部
    と第2のテープ走行方向切換え機構部の切換えカムレバ
    ーの係合部とがモード切換えカムの回転中心に対して対
    称位置でそれぞれ相対係合されるように構成したことを
    特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】 モード切換え機構部には、各動作モード
    に対応したモード切換えカムの回転位置を検出する回転
    位置検出機構が設けられたことを特徴とした請求項1又
    は請求項2のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】 モード切換え機構部の回転位置検出機構
    は、各動作モードに対応した複数組のモード摺動接点片
    及び共通摺動接点片とからなりモード切換えカムの一方
    側面部に一体に組み付けられた摺動接点部材と、各モー
    ド摺動接点片と共通摺動接点片とが摺擦するモード固定
    接点及び共通固定接点とが環状に形成されモード切換え
    カムの一方側面部に対向して配設された固定接点板とか
    ら構成され、 摺動接点群の少なくとも共通摺動接点片は、モード切換
    えカムの回転中心に対して対称位置で共通固定接点に摺
    擦する一対の接点部を有することを特徴とした請求項3
    に記載の磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】 第1のテープ走行方向切換え機構部は、
    一対のリール軸にそれぞれ一体に形成されたリール歯車
    間に配設されるとともにモード切換え機構部の切換えカ
    ムによって揺動動作される切換えカムレバーと、この切
    換えカムレバーを介していずれか一方のリール歯車側に
    回動動作される切換え部材と、この切換え部材に支持さ
    れテープ駆動機構部のテープ駆動モータの回転をリール
    歯車へと伝達する切換え歯車とを備えて構成され、 切換え歯車は、テープ駆動機構部の伝達歯車列の出力端
    側に位置する一対の駆動歯車のいずれか一方の駆動歯車
    と一対のリール歯車のいずれか一方のリール歯車とそれ
    ぞれ相対噛合することによって、磁気テープの走行方向
    の切り換えを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】 第1のテープ走行方向切換え機構部の切
    換え部材には、切換え歯車をテープ駆動機構部の駆動歯
    車側へと付勢する歯車弾性手段と、切換え歯車と同軸上
    に軸装され駆動歯車を支持する支持部材の先端部と相対
    係合することによってこの駆動歯車と切換え歯車との軸
    間距離を規定する間隔保持部材とが組み付けられるとと
    もに、切換えカムレバーの作動部が相対係合する係合部
    に移動方向に対して弾性偏位可能な弾性部を形成したこ
    とを特徴とする請求項5に記載の磁気記録再生装置。
JP6290497A 1994-10-31 1994-10-31 磁気記録再生装置 Pending JPH08129800A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6290497A JPH08129800A (ja) 1994-10-31 1994-10-31 磁気記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6290497A JPH08129800A (ja) 1994-10-31 1994-10-31 磁気記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08129800A true JPH08129800A (ja) 1996-05-21

Family

ID=17756794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6290497A Pending JPH08129800A (ja) 1994-10-31 1994-10-31 磁気記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08129800A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6185661A (ja) テ−プレコ−ダ−
AU639280B2 (en) Rotary head tape recording and/or reproducing apparatus
JP3208621B2 (ja) 記録再生装置
JPH04285750A (ja) テーププレーヤ
JPH08129800A (ja) 磁気記録再生装置
JP2727708B2 (ja) テーププレーヤのカセットホルダー
JPH01192049A (ja) 磁気記録再生装置
JPH02143969A (ja) テープカセット用アダプタ
JP3067302B2 (ja) テーププレーヤ
JPS60205848A (ja) 記録再生装置
JP2893987B2 (ja) テーププレーヤ
JPS60205885A (ja) 短時間記録用テ−プカセツト
JP3044809B2 (ja) テーププレーヤ
JP2667843B2 (ja) テープレコーダ
JPH048503Y2 (ja)
JPH10143947A (ja) 記録及び/又は再生装置
JP3008528B2 (ja) テーププレーヤ
JP3579999B2 (ja) カセット装填装置
JPH034984Y2 (ja)
JP2727707B2 (ja) テーププレーヤ
JPH0817102A (ja) 駆動力伝達切り換え機構及びテーププレーヤ装置
JPH10143937A (ja) 記録及び/又は再生装置
JPS6059649B2 (ja) 記録再生装置における操作機構
JPH10143942A (ja) 記録及び/又は再生装置
JPH10143949A (ja) 記録及び/又は再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030630