JPH08129614A - 文字認識装置 - Google Patents

文字認識装置

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JPH08129614A
JPH08129614A JP6289256A JP28925694A JPH08129614A JP H08129614 A JPH08129614 A JP H08129614A JP 6289256 A JP6289256 A JP 6289256A JP 28925694 A JP28925694 A JP 28925694A JP H08129614 A JPH08129614 A JP H08129614A
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JP6289256A
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English (en)
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Shizuo Nagata
静男 永田
Kinya Endo
欽也 遠藤
Tsutomu Tabata
努 田畑
Hideo Tanimoto
英雄 谷本
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正しい認識結果が詳細判定の候補から事前に
除外される。 【構成】 タブレット部10を用いて筆記文字イメージ
が入力されると、前処理部1と特徴点抽出部2によって
その特徴点が抽出される。マッチング処理部3は、文字
辞書5を元に特徴パラメータとのマッチングを行う。詳
細判定部4では、そのマッチング結果から距離値の差、
距離値の比、画数に応じた類似文字を選択して詳細な判
定の候補を得る。同形異種文字や大小形状類似文字等は
強制的に詳細の候補とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イメージリーダやタブ
レット等を用いて、イメージデータとして入力された筆
記文字を識別する文字認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、情報処理装置に対するマンマシン
インタフェースの多様化に伴って、イメージデータとし
て入力された筆記文字の認識精度向上の要求が高まって
いる。筆記文字は、イメージリーダにより読み取った
り、タブレット等の感圧パネルを用いて情報処理装置に
入力される。こうした筆記文字の一般的な文字認識装置
は、パターンマッチング方式等により文字を識別する分
類ステップと、この分類ステップによる分類後、類似し
た文字の局所的特徴を捉えて識別する詳細識別ステップ
とからなる。パターンマッチングでは、例えばタブレッ
トにより筆記入力されたストローク(ペンオンからペン
オフまでの筆記部分)の座標データ列より特徴点を抽出
し、抽出された特徴点の情報より、文字の特徴を表す特
徴パラメータ等による特徴を抽出する。その後、予め同
一の方法で特徴を抽出し登録しておいた特徴パラメータ
とマッチングし、文字を分類する。
【0003】ここで例えば、“土”、“工”は、形状が
類似しており、上記パターンマッチングのみでは、
“土”と“工”を識別することは難しい。このため、パ
ターンマッチングの結果として“土”あるいは“工”が
候補として選ばれた場合、次の詳細判定ステップにて、
局所的特徴を捉え、縦ストロークが上側の横ストローク
より上に突き出ていれば“土”、突き出ていなければ
“工”と識別する。具体的には、その突き出し量がある
閾値αより大であれば“土”、小であれば“工”とす
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、2つの類似
文字を識別する場合は、上記のように単純に、ある閾値
にて判定すればよいが、“田”、“旧”、“由”等の類
似した複数の文字を詳細判定する場合もある。この場合
に、“田”と“旧”の識別には、左縦ストロークとそれ
以外のストロークの始点との距離が近いかどうかを、あ
る閾値で判定しどちらかの文字に判定する。また、
“田”と“由”では、右上の“フ”の字状ストロークか
ら中央縦ストロークの突き出た量をある閾値にて判定し
どちらかの文字に判定する。このしぼり込みが不十分だ
と詳細判定の対象が増えて処理時間が増大する。また、
更にしぼり込み過ぎれば正しい結果が候補から事前に除
外されてしまうおそれもある。従って、こうした詳細判
定の前に、確実に正しい認識結果を含むいくつかの候補
が類似文字としてしぼり込まれる必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の点を解決
するため次の構成を採用する。本発明の文字認識装置
は、筆記文字イメージを構成する座標データ列から、不
要データを除去して直線化処理を施す前処理部と、前処
理部によって直線化処理された座標データ列から、筆記
文字を構成するストロークの特徴を表す特徴点を抽出す
る特徴点抽出部と、特徴点抽出部で抽出された特徴点に
より筆記文字の特徴を表す特徴パラメータを算出し、予
め同様に算出し登録されている文字辞書の特徴パラメー
タとのマッチングにより、文字認識を行う文字認識装置
において該マッチング処理部とを有する。特徴パラメー
タとのマッチングでは明瞭に区別できない範囲の類似文
字を、局所的特徴により識別するための類似文字毎に固
有の局所的特徴辞書とを具備し、類似文字が存在すると
判断したものについて、筆記文字の局所的特徴と局所的
特徴辞書とを比較して得られた結果を、類似文字につい
て順位付けする詳細判定部を備える。
【0006】なお、具体的には、例えば詳細判定部は、
筆記文字の各特徴パラメータと辞書の対応する各特徴パ
ラメータとの間の距離を累積して得た距離値をマッチン
グ結果とし、この距離値が短いものから順位付けをし
て、その第1位と第2位以下の距離値を比較したとき、
第1位と第2位の距離値の差が設定値以下の場合に、明
瞭に区別できない範囲の類似文字が存在すると判断し
て、詳細判定を実行する。
【0007】また、詳細判定部は、筆記文字の各特徴パ
ラメータと辞書の対応する各特徴パラメータとの間の距
離を累積して得た距離値をマッチング結果とし、この距
離値が短いものから順位付けをして、その第1位と第2
位以下の距離値を比較したとき、第1位と第2位の距離
値の比が設定値以下の場合に、明瞭に区別できない範囲
の類似文字が存在すると判断して、詳細判定を実行す
る。
【0008】詳細判定部は、筆記文字の各特徴パラメー
タと辞書の対応する各特徴パラメータとの間の距離を累
積して得た距離値をマッチング結果とし、この距離値が
予め設定した判定閾値より大きいときは、類似文字の候
補から除外する。予め設定した判定閾値を、筆記文字の
画数が少ないものほど大きく、筆記文字の画数が多いも
のほど小さく設定する画数対応設定部を設けたことを特
徴とする。
【0009】同形異種文字が存在する場合には、明瞭に
区別できない範囲の類似文字が存在すると判断する。大
きさは異なるが形状の類似する文字が存在する場合に
は、明瞭に区別できない範囲の類似文字が存在すると判
断する。
【0010】文字の大きさを判定して、筆記文字が小さ
いときは強制的に詳細判定を実行させる文字大小判定部
を設ける。筆記文字が小さいかどうかを判定するための
閾値を、筆記文字の画数毎に設定する。文字枠が設定さ
れていない場合に、文字の大小判定のための固定閾値を
設定する。タブレットにオンラインで筆記入力して得ら
れた座標データ列から特徴点を抽出して、マッチング処
理と詳細判定を実行する。
【0011】
【作用】タブレット部を用いて筆記文字イメージが入力
されると、前処理部と特徴点抽出部によってその特徴点
が抽出される。マッチング処理部は、文字辞書を元に特
徴パラメータとのマッチングを行う。詳細判定部では、
そのマッチング結果から距離値の差、距離値の比、画数
に応じた類似文字を選択して詳細な判定の候補を得る。
同形異種文字や大小形状類似文字等は強制的に詳細の候
補とする。従って、正しい認識結果が詳細判定の候補か
ら事前に除外されるといった処理が防止される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図の実施例を用いて詳細に説
明する。なお、本発明はイメージデータ中から切り出し
た筆記文字の認識にも適用できるが、以下の実施例では
タブレットを用いたオンライン処理による認識例をもっ
て説明する。 [装置の構成]図1は、本発明の実施例を示す文字認識
装置の機能ブロック図である。この文字認識装置は、集
積回路を用いた個別回路、あるいはデジタル・シグナル
・プロセッサ(DSP)等のプログラム制御部等によっ
て構成されるもので、文字の位置座標をペンタッチ入力
するタブレット部10を有している。タブレット部10
には、前処理部1、特徴点抽出部2、マッチング処理部
3、詳細判定部4、表示器7が順に接続されており、マ
ッチング処理部3には文字辞書5が、詳細判定部4には
局所的特徴辞書6が接続されている。
【0013】更に、詳細判定部4には、定数記憶部1
1、画数対応設定部12、同形異種文字表示部13、大
小形状類似文字表示部14、文字大小判定部15が接続
されている。なお、これの機能ブロックは、以下に説明
する実施例を実施する際に、必要に応じて取捨選択され
るもので、本装置にこの全てを予め備えておく必要はな
い。
【0014】[概略動作]図2は、図1に示した装置の
概略動作を示すフローチャートである。まずステップS
1では、前処理部1と特徴点抽出部2による前処理及び
筆記文字特徴点抽出処理、ステップS2では、文字辞書
5の検索処理終了判定、ステップS3では、マッチング
処理部3にて行う筆記文字と文字辞書5の登録パターン
とのマッチング処理を行う。ステップS4ではパターン
マッチング処理後の候補文字の確保処理、ステップS5
では詳細判定部4にて行うところの詳細判定を実行する
かどうかを判断する処理、ステップS6では筆記文字の
大小、あるいは特定文字かどうか等を検査し後続の詳細
判定処理を行うか否かの判断を行う。
【0015】ステップS7では、パターンマッチングに
より得られた距離値Di により、ステップS8の詳細判
定処理を行うか否かの判定を行う。ステップS8の詳細
判定処理の内容は図14により後述する。ステップS9
は処理済みの候補数をカウントするパラメータのインク
リメント、ステップS10は全候補の処理が終了したか
どうかの判断である。こうして得られた結果がステップ
S11で表示器7に出力される。以下、図1に示す各部
の具体的な構成や動作を順に説明する。
【0016】[筆記データの入力及び前処理・特徴点抽
出]図3(a)〜(c)は、図1の前処理部1と特徴点
抽出部2の動作説明図であり、図中の網点はタブレット
部10により得られる筆記データ列、「×」は特徴点を
表す。図1のタブレット部10は文字を筆記入力するた
めのもので、このタブレット部10によって文字が筆記
入力されると、図3(a)のように、筆記データ列
{(xi ,yi )、i=1,2,…njj (ここで、
jはストローク数、nj はjストロークの座標数を示
す。)が抽出され、前処理部1へ送られる。前処理部1
は、この筆記データ列に対し、ノイズ除去処理、移動平
均処理、あるいは平滑化処理を行うことにより、図3
(b)のようにデータを平滑化する。
【0017】次に、特徴点抽出部2が、平滑化されたデ
ータ列を用い、特徴点の抽出処理を行う。この特徴点抽
出処理としてはいくつかの方法があるが、ここでは一例
として、平滑化されたデータ列{(xi ,yi )、i=
1,2,…njj のデータ間のx,y方向のサイン
(正、負、0の符号)を算出し、サインの状態の変化点
を特徴点として抽出する方法について述べる。データ間
のx,y方向のサインXSi ,YSi を XSi =Sign(xi −xi-i ) XSi =Sign(yi −yi-i ) …(1) で求め、+、0、−で表現する。
【0018】このようにして求めた各データ間のx方
向、y方向のサインを、前データ間のサインと比較し、
同じであれば特徴点として登録せず、異なった場合には
状態が変わったとして特徴点として登録する。図3
(c)に、このようにして求めた点の他に始点、終点を
加えた特徴点を「×」印で示す。一般には、この処理を
直線近似化処理と称する。この特徴点間を結ぶ線分を以
下セグメントと称し、特徴点を{(Xi ,Yi )、i=
1,2,…1jj で表すことにする。以上のようにし
て得られた特徴点情報は、マッチング処理部3へ送出さ
れる。
【0019】[マッチング処理]図4に、本発明の装置
による処理対象として適する筆記文字の例を図示した。
(a)、(b)は“土”と“工”という文字であって、
両者は縦のストロークが2本の横向きのストロークの上
に突き出しているかどうかが異なるが、筆記文字ではそ
の突き出し量がまちまちで判定が容易でない。(c)、
(d)、(e)は、“田”、“旧”、“由”という文字
で、これらの識別も容易でない。従って、まずパターン
マッチング等でこれらに候補をしぼり、更にその上で詳
細な比較判定をしたい。しかし、全ての文字について、
詳細判定が可能な辞書を用意するのは、マッチング処理
部の処理速度が低下し、また文字辞書5も膨大なものに
なってしまう。
【0020】そこで、本発明では、マッチング処理部で
のマッチングでは明瞭に区別できない範囲の類似文字を
的確に選定してしぼり込み、これを文字辞書5とは別に
用意した局所的特徴辞書6を用いて詳細に判定する。従
って、この局所的特徴辞書6は、類似文字間の区別を目
的とし、類似文字毎に固有の内容とされている。
【0021】図5に、マッチング処理のための文字辞書
5の内容説明図を示す。この文字辞書は、筆記文字の画
数(ストローク数)毎にその画数となり得る文字を、候
補文字として用意しておく。例えば、筆記入力された文
字パターンが“田”でストローク数が5画であったとす
る。この場合、文字辞書に格納されている5画となり得
る文字…“田”、“由”、“旧”…をこの辞書に含めて
おく。マッチング処理部3では、入力された筆記文字の
特徴を表す特徴パラメータ例えば、Q値を算出し、前述
の文字辞書に格納されているQ値とのマッチングを行
う。この辞書のQ値は、登録パターンより予め作成さ
れ、格納されているものである。ここで、特徴パラメー
タQ値とは、特公平5−31797号公報にて既に開示
されているように、各セグメントの長さ、方向及び位置
を表す特徴パラメータをいう。オンライン文字認識で
は、筆記するペンの動きとして、X,Y方向、+または
−の方向も重要な情報として得られ、この情報を有効に
使用したのが特徴パラメータQ値である。図の例では、
1 〜Q16の16種類のQ値がある。
【0022】[特徴パラメータの算出]図6は、特徴パ
ラメータQ値の算出法説明図である。なお、図中の各式
において、Σは全ストローク全セグメントに関する加
算、HX、HYは文字幅を示す。これらの式の場合に、
Q値は、原点を左下に設定したときの各方向位置の値で
あるが、このとき原点近くにあるものは乗算に供すると
0となってしまう。そのため0となるのを防ぐため、原
点を入れ替え、原点を右上に設定したときの各方向位置
の値Q9 〜Q16についても同様に記述し、Q1 〜Q16
合計16個の値により、対象文字の各ストロークのセグ
メントの長さ、方向及び位置を表している。
【0023】マッチング処理部3では、入力された筆記
文字パターンから算出した特徴パラメータQ1*〜Q16*
と辞書のQ1 〜Q16をマッチングさせる。これらのマッ
チングにおける差を合計したものをマッチング距離Dと
すると、この距離Dは例えば入力パターン“田”が図5
の辞書に用意された各文字候補にどれだけ近いかを表
す。
【0024】図7に、マッチング距離Dの算出式とその
使用記号を示す。詳細判定部4は、以上のマッチング距
離算出を文字辞書に画数毎に予め格納された文字候補に
ついて行い、各候補文字毎に算出された距離値Diによ
りソーティングを行い距離値が短いものから順位付けを
行う。(Dの添字iは候補順位を示す。)
【0025】[距離値の差と判定閾値]ここで例えば、
算出された各距離値Diが、ある図1に示す判定閾値1
1Cより大(Di>γ)のときは、筆記文字に類似して
いないとして候補として残さず、ある閾値より小(Di
≦γ)の候補のみ以下の詳細判定を行う候補として残
す。こうして、明瞭に区別できる類似文字を候補として
残す。候補を適正な数にしぼり込むためである。
【0026】なお、図5の文字辞書5には、各候補文字
に詳細No.が付加されており、マッチング処理部3に
て得られたいずれかの候補文字に詳細判定が必要であれ
ば、その判定内容を示す詳細No.が示されるように構
成されている。候補文字のうち、類似した文字がなく詳
細判定が不要な文字の場合は、例えば、辞書の詳細N
o.として”000”を記述しておく。従って、この実
施例では、文字辞書5によって自動的に詳細判定の要否
に関する情報が得られる。これがマッチング結果と共に
詳細判定部4に送り込まれる。
【0027】一般に、筆記入力した文字と形状が似た類
似文字がある場合は、マッチング処理部3にて得られる
マッチング距離の第1位と第2位以下の距離が接近する
傾向があり、また、類似文字がない場合は第1位と第2
位以下の距離が離れる傾向がある。このことを利用し
て、筆記文字と類似した文字があり、詳細判定を必要と
する場合と、類似文字が無く詳細判定が不要の場合を判
断するために、マッチング結果の第1位距離値D1と第
2位以下の距離値の比あるいは差を(1)式のように算
出する。この比βが小ならば詳細判定を行い、大ならば
詳細判定を行わないようにする。なお、(2)式のよう
に、距離値の差によってもよい。この判定は図1の定数
記憶部11に記憶した設定値11A,11Bにより行
う。 β=Di/D1 …(1) γ=Di−D1 …(2) この判定は詳細判定部7にて行う。
【0028】上記距離値の差が一定以上あれば比較した
両者は類似文字ではないと判断できる。しかし、逆にど
の位差が小さいと類似文字と判断するかは容易でない。
ここで、2文字の比較を考えると、距離値の差よりも、
文字全体から見てどの程度の割合で差異があるかを明ら
かにする距離値の比の方が、実際的な場合もある。従っ
て、距離値の比か差のいずれをとるかは使用環境に合わ
せて選択するとよい。
【0029】ここで、マッチングの精度としては、一般
に、画数が多い文字では情報量が多く精度が良く行える
が、画数の少ない文字では情報量が少なく結果的にマッ
チング距離値にバラツキが生ずる。従って、画数が少な
い文字ほど、精度が悪く(1)式のβは大きく、画数が
多い文字ほど精度が良くβを小さく設定すべきである。
(2)式のγも同様である。
【0030】この画数にてβ値を設定する処理を図1の
画数対応設定部12にて行う。同様の理由により、文字
種、例えばANK(英字、数字、カナ/かな)、と漢字
に分け、β値を設定することも可能である。経験的に、
このβ値は 1画〜 3画 … β=2.0 4画〜10画 … β=1.5 11画〜 … β=1.0 …(3) または、 ANK文字 … β=2.0 漢字文字 … β=1.0 …(4) のように設定するのが良い。
【0031】[同形異種文字設定処理]一般に、“工
(漢字)”、“エ(カタカナ)”等の異種の文字で、形
状がほぼ同一の文字の場合、文字辞書には一方の文字の
み定義しておき、認識結果としていずれかの文字が得ら
れたとき、次候補として表示し選択できるようにする方
法が採られている。これらの文字は、特徴パラメータが
ほぼ等しくなり、辞書内容削減及び処理時間削減策とし
て、文字辞書には一方の文字のみ定義する方法が採られ
るのである。
【0032】上記辞書容量及び処理時間の削減策として
やむ得なく一方の文字のみ文字辞書に定義した場合、マ
ッチング結果として、類似文字があるにも関わらず、第
2候補以下に候補が得られない、あるいは距離が離れる
等により(1)式の判定から詳細判定なしとなり、“工
(漢字)”、“エ(カタカナ)”のいずれかの識別がで
きなくなるおそれがある。そこで、図1の同形異種文字
表示部13は、上記問題を解決するためにこれら同形異
種文字を予め格納しておき、候補としてこれら文字があ
るかどうかを判定して、あった場合、詳細判定を必ず行
うルートを設けた。図8に、同形異種文字判定テーブル
説明図を示す。これにより、文字コードから同形異種文
字を自動的に得ることができる。
【0033】[文字大小判定処理]一般
に、“、”、“。”等の微少な記号文字の識別では、各
々“\”、“○”等大きさは異なるが、形状がほぼ同一
の文字については、文字辞書には一方の文字のみ定義し
ておき、詳細判定にて大きさを判定し文字を同定する方
法が採られる。これは、特徴パラメータ列で説明した図
6に示す式から分かるように、文字の大きさにて特徴パ
ラメータを正規化しているため、これらの文字は、特徴
パラメータがほぼ等しくなり、辞書容量削減及び処理時
間削減策として、文字辞書には一方の文字のみ定義する
方法が採られるのである。
【0034】上記辞書容量及び処理時間の削減策として
やむ得なく一方の文字のみ文字辞書に定義した場合、マ
ッチング結果として、類似文字があるにも関わらず、第
2候補以下に候補が得られない、あるいは距離が離れる
等により(1)式の判定により、詳細判定なしとなり、
“、”、“。”あるいは“\”、“○”のいずれかの識
別ができなくなる。図1の文字大小判定部15は、上記
問題を解決するため筆記文字が小さいかどうかの閾値を
設定して、文字大小を判定して、小ならば、詳細判定を
必ず行うルートを設けた。この閾値は、文字枠があれば
その文字枠の大きさを基準に設定し、文字枠が無いとき
は想定される適切な固定値により設定する。また文字の
画数に応じて該当する文字を想定し、適切な値に設定し
てもよい。
【0035】[局所的特徴辞書]図9の局所的特徴辞書
6は、予め類似した文字を詳細判定するためのチェック
項目を記載してあるもので、図5に示す詳細No.の詳
細判定を行うとき使用するものである。局所的特徴辞書
は、各詳細No.毎に、チェック数とチェック数分のチ
ェック内容、及び候補数と候補数に応じた詳細候補のコ
ードと標準文字についてのチェック内容に対するチェッ
ク結果Rj値が格納されている。
【0036】ここで、図9の詳細No.301に示した
ように同形異種文字“工(漢字)”、“エ(カタカ
ナ)”等がある場合には、この関係を漢字コードのMS
Bにフラグを設ける等により表示し、チェック結果Rj
値を省略して、重複する処理および辞書容量を削減す
る。本例では、エ(カタカナ)のJISコードは252
8hであるが、同形異種文字を表示するため、MSBに
1をセットしA528hとしRj値を省略する。チェッ
ク内容としては、一般に筆記文字のストロークのうち2
つのストロークを指定し(ここではA、Bストロークと
称する)この2つのストロークの位置関係を表現する方
法が採られている。
【0037】図10に、A,Bストロークの指定条件説
明図を示す。これには、特許1717878号公報「オ
ンライン文字認識方法」にて開示されているところの筆
順に依存しないストローク指定方法が有効であろう。例
えば、条件No.00を指定すると、始点が1番左のス
トロークをAあるいはBとして指定され、ストロークの
位置関係のみで各ストロークを区別して指定でき、まっ
たく筆順に依存せず指定できる。
【0038】図11に、チェック内容の例を示す。例え
ば、図8に示すチェック内容で、チェックNo.として
00が選択された場合、ストローク指定されたA,Bに
対して「Aストロークの始点がBストローク始点より右
にある。」というチェックを行う。
【0039】図12に、チェック内容毎にその結果を示
すチェック結果Rj値のデータ例を示す。この例では、
図9に示す局所的特徴辞書の容量を削減するために、各
チェックの結果R1,…Rjを距離値で表すものとし、
これをそれぞれ1バイトにて記述しており、各チェック
結果の値を符号を含めた形で格納してある。従って、こ
の例では距離値の最小を1とすれば最大は128であ
る。
【0040】[正規化]辞書に格納するための筆記文字
としては、文字枠が設定されこの文字枠に文字を筆記す
る場合と、文字枠等の制約がなく自由に文字を筆記する
場合とがある。これを1つの局所的特徴辞書に記述して
利用するためには正規化が必要である。以下に、この正
規化方法について述べる。この処理は、図13に示す正
規化処理説明図を参照する。 a)文字枠が設定されている場合 文字枠が予め設定されている場合、設定された文字枠の
幅をWX、WYとすると各位置関係チェックにより得ら
れた距離をX,Y方向に分け正規化する。例えば、図1
1に示したチェックNo.として00が選択されている
場合は、ストローク指定されたA,Bに対して「Aスト
ロークの始点がBストローク始点より右にある。」とい
うチェックを行い、このチェックによりAストロークの
始点とBストロークの始点間距離が結果として得られ
る。図13(a)に示したように、筆記文字が“田”の
場合、左縦方向のAストローク始点座標として(Xa
s,Yas)、上から右横へ向かうBストローク始点座
標として(Xbs,Ybs)が得られ、始点間距離とし
て、Xas−Xbsが算出される。
【0041】このチェックはX方向のチェックであるた
め、次式にて正規化する。 Rj=(Xas−XbsX)/WX …(5) また、図11に示すチェックNo.10のようにA,B
ストロークの始点間の上下関係をチェックする場合は、
Y方向にて正規化を行う。即ち、 Rj=(Yas−YbsX)/WY …(6) また、同じくチェックNo.20のようにA,Bストロ
ークの交差度合いをチェックする場合等では、X,Y両
方にて正規化するのが一般的で、例えば次式のように行
う。 Rj=(dcx+dcy)/(WX+WY) …(7)
【0042】ここで、dcx,dcyはA,Bストロー
クの交差した位置から各ストローク端点(始点または終
点)までの距離をいう。文字大小判定の場合は、文字幅
HX、HYを下式のように正規化する。 Rj=(HX+HY)/(WX+WY) …(8) この交差位置検出方法等については、本願の目的と直接
関連がないため詳細な説明は省略する。
【0043】b)文字枠がない場合 文字枠等が予め設定されておらず自由に筆記する場合
(これを一般にフリーフォマット筆記と称する)、筆記
文字の大きさによる正規化を行う。文字の大きさは、図
13(b)に示したように、文字を構成する全ストロー
ク座標のX,Y方向の最大、最小座標値(Xmin,Y
min)、(Xmax,Ymax)を算出し、次式のよ
うに算出する。 HX=Xmax−Xmin HY=Ymin−Ymin …(9) このとき、文字枠ありのときと同様に、各位置関係チェ
ックにより得られた距離をX,Y方向に分けて正規化す
る。
【0044】例えばチェックNo.として000が選択
されている場合、はストローク指定されたA,Bに対し
て「Aストロークの始点がBストローク始点より右にあ
る。」というチェックを行うが、このチェックによりA
ストロークの始点とBストロークの始点間距離が結果と
して得られる。図13(b)に示した筆記文字が“田”
の場合、Aストローク始点座標として(Xas,Ya
s)、Bストローク始点座標として(Xbs,Ybs)
として得られ始点間距離として、Xas−Xbsが算出
される。
【0045】このチェックはX方向のチェックであるた
め、次式にて正規化する。 Rj=(Xas−XbsX)/HX …(10) また、チェックNo.10のようにA,Bストロークの
始点間の上下関係をチェックする場合は、Y方向にて正
規化を行う。即ち、 Rj=(Yas−YbsX)/HY …(11) また、チェックNo.20のようにA,Bストロークの
交差度合いをチェックする場合等では、X,Y両方にて
正規化するのが一般的で、例えば次式のように行う。 Rj=(bcx+bcy)/(HX+HY) …(12)
【0046】文字大小判定の場合は、字枠幅等がないた
め、文字幅HX、HYを下式のようにある閾値にて正規
化する。経験的にある閾値として字枠なし筆記の場合の
筆記文字の平均大きさよりWX=WY=15mmするの
が良い。 Rj=(HX+HY)/(WX+WY) =(HX+HY)/30mm …(13)
【0047】c)罫線のみ設定されている場合 横書きで罫線のみが設定されている場合は、罫線幅をW
Yとすると、一般に筆記文字は罫線に沿って罫線の幅に
はいるように筆記し、文字幅も縦罫線幅とほぼ同等の大
きさにて筆記する。従って、文字幅の正規化としては、
縦方向(Y方向)のWYと同じ幅にて正規化する。即
ち、WX=WYとしてa)の文字枠が設定されている場
合と同様に正規化すれば良い。 Rj=(Xas−XbsX)/WY …(14)
【0048】また、チェックNo.10のようにA,B
ストロークの始点間の上下関係をチェックする場合は、
Y方向にて正規化を行う。即ち、 Rj=(Yas−YbsX)/WY …(15) また、チェックNo.20のようにA,Bストロークの
交差度合いをチェックする場合等では、X,Y両方にて
正規化するのが一般的で、例えば次式のように行う。 Rj=(bcx+bcy)/(2*WY) …(16)
【0049】文字大小判定の場合は、下式のように正規
化する。 Rj=(HX+HY)/(2*WY) …(17) 以上述べた各チェック毎の正規化を図1に示した正規化
設定部8にて行う。
【0050】[詳細判定処理]詳細判定部7では、前述
の各チェック結果Rjについて、局所的特徴辞書に既に
格納されているRjと、同様に筆記文字について算出し
たR*jとの差を演算し、チェック数分これを繰り返し加
算し、加算した詳細距離値の小さい順に順位付けを行い
表示器7等の出力部に出力する。以上が本実施例装置の
主な処理および構成である。
【0051】[具体的な処理動作]以下、本発明の装置
の更に具体的な動作を図2のフローチャートと、図14
に示す詳細判定のフローチャートに従って順に説明す
る。対象となる筆記文字は、例えば図4に示した5文字
とする。 [前処理・特徴点抽出](ステップS1) ステップS1では、既に説明したようにタブレット部1
0から筆記データ列{(xi ,yi )、i=1,2,…
jj を前処理部1と特徴点抽出部2に受け入れ、ノ
イズ除去処理、移動平均処理、或いは平滑化処理を行
い、その後平滑化されたデータ間のx,y方向サイン
(正、負、0符号)により状態の変化点を特徴点として
抽出する。
【0052】[マッチング処理](ステップS2、S
3) ステップS2は、図5に示した画数(ストローク数)毎
に用意された文字辞書5を使用し、これに記載された候
補文字数分、マッチング処理(ステップS3)がなされ
たかどうかを判定する処理である。ステップS3は、マ
ッチング処理部3にて、入力された筆記文字の特徴を表
す特徴パラメータを算出し、前述の文字辞書に格納され
ているQ値とのマッチングを行う処理である。
【0053】マッチングとしては、前述のように、入力
された筆記文字パターンから算出した特徴パラメータQ
1*〜Q16* と辞書のQ1 〜Q16のマッチングにおける差
を合計したものをマッチング距離Diとして算出する。
以上のマッチング距離算出を文字辞書に画数毎に予め格
納された文字候補について行い、ステップS2にて全候
補分マッチングが終了したと判定されたとき、各候補文
字毎に算出された距離値Diによりソーティングを行い
順位付けを行う。次に、先に説明した文字候補のしぼり
込みを行う。
【0054】例えば、筆記入力された文字が5画の
“田”であり、類似文字として、マッチング距離値Dが
小さい順に“旧”、“由”、“田”、“用”が候補とし
て残ったとする。ステップS4では、マッチング結果の
候補として“旧”、“由”、“田”、“用”を確保し、
候補数n=4、演算繰り返し制御変数をi=1に初期化
する。ステップS5では、先ず候補文字“旧”、
“由”、“田”、“用”のうちマッチングにて第1位と
なった文字“旧”の詳細No.の有無を図5に示した辞
書により判断する。
【0055】また、同形異種文字や大きさは異なるが形
状が類似した文字等、類似文字があり詳細判定を行う必
要があるのに詳細判定が行われなくなるケースを防ぐた
めに、文字小あるいは特殊文字の判定を行う(ステップ
S6)。
【0056】[特定文字設定処理]図8のテーブルに掲
載されたJISコードに候補文字が一致した場合は、以
降の詳細判定を強制的に行う。
【0057】[文字大小判定処理]文字大小判定は、筆
記入力文字の各ストローク座標の最大、最小座標を抽出
し、筆記文字座標の最大値、最小値をX,Y座標毎算出
することにより、得られる(Xmin,Ymin)及び
(Xmax,Ymax)よりHX=Xmax−Xmi
n、HY=Ymax−Yminにて求めた文字幅によ
り、以下の判定条件にて文字大小を判定する。
【0058】字枠設定ありの場合 HX/WX<δ1 かつ HY/WY<δ2 あるいは、 HX+HY<δ3 …(18) 字枠設定なしの場合 HX <δ4 かつ HY <δ5 あるいは、 HX+HY<δ6 …(19) ここで、各δ1〜6は、ある閾値あるいは画数毎に経験
的に設定した値である。
【0059】次のステップS7で、マッチング結果の第
1位距離値D1と第2位以下の距離値の比を下式のよう
に算出し、この比βが小ならば詳細判定を行い、大なら
ば詳細判定を行わないようにする。 β=Di/D1 …(20)
【0060】図14には、詳細判定フローチャートを示
す。以下、詳細判定処理はこの流れに従う。なお、図1
5は、図9に示した局所的特徴辞書の詳細チェック内容
に対する辞書格納値を示したものである。図15中の第
1のチェック〜第3のチェックの具体例を図16に図解
した。図17には、入力文字が“田”の場合のチェック
結果R*jの例が示してある。
【0061】図5に示す文字辞書5には、本例では候補
文字“旧”の詳細No.=501と記載してあり詳細判
定があると判断され、図14のステップのS21にて詳
細No.のチェック内容に対応したチェック値R*jを算
出する。詳細No.501の内容としては、図15のよ
うに“田”、“旧”、“由”を識別する内容が記載され
ており、この内容に従って図17に示すチェック値R*j
を算出する。
【0062】先ず、チェック数として03h、これは3
個のチェックがあることを表し、第1のチェックとして
Aストローク条件00h、Bストローク条件01h、チ
ェック内容00hが記載されており、図10より、Aス
トロークは「始点が左から1番目」のストローク、Bス
トロークは「始点が左から2番目」が選択され、チェッ
ク内容としては図11より「A始点はB始点より左」が
選択される。同様に、第2のチェックとして、Aストロ
ーク条件00h、Bストローク条件20h、チェック内
容05hが記述されており、図10より、Aストローク
は「始点が左から1番目」のストローク、Bストローク
は「始点が下から1番目」が選択され、チェック内容と
しては図11より「A終点はB始点より左」が選択され
る。
【0063】同様に、第3のチェックとして、Aストロ
ーク条件04h、Bストローク条件14h、チェック内
容60hが記述されており、図10より、Aストローク
は「始点が左から5番目」のストローク、Bストローク
は「終点が左から5番目」が選択され、チェック内容と
しては、20hで、図11より「A、Bストローク交
差」が選択される。また、詳細候補数として、03h、
これは詳細候補数が3文字あることを表し第1の候補と
して、例えば“田”のJISコードで4544h、次に
第1のチェック「A始点はB終点より左」の結果として
R1が、第2のチェック「A終点はB終点より左」の結
果としてR1が、第3のチェック「A、Bストローク交
差」の結果としてR3が記載されている。
【0064】第2候補として“旧”のJISコードで3
56Ch、次に第1のチェック 「A始点はB始点より
左」の結果として図12に示したデータのフォーマット
でR1が、第2のチェック「A終点はB始点より左」の
結果としてR2が、第3のチェック「A、Bストローク
交差」の結果としてR3が記載されている。第3候補と
して“由”のJISコードで4D33h、次に第1のチ
ェック「A始点はB始点より左」の結果として図12の
データフォーマットでR1が、第2のチェック「A終点
はB終点より左」結果としてR2が、第3のチェック
「A、Bストローク交差」結果としてR3が記載されて
いる。
【0065】筆記入力された文字“田”についても、上
記の詳細チェックを施し、各チェック結果R*jを算出す
る。この結果例を図17に示す。第1のチェックに対し
ては図16に示したように、Aストローク始点とBスト
ロークの始点間距離を先に説明した要領で正規化設定部
8が正規化したもので、R*1=0.05が得られる。第
2のチェックに対してはAストローク終点とBストロー
ク始点間距離を同様に正規化しR*2=0.2が得られ、
第3のチェックに対してはA、Bストロークは交差して
いないためR*3=0が得られる。
【0066】図14のステップS22は、以下の詳細距
離加算制御のためのカウンタレジスタの初期化処理であ
り、jの詳細チェック数、kの詳細候補数制御のカウン
タを初期化(j=k=1)する。また、詳細距離加算値
dを0に初期化する。局所的特徴辞書の第1候補“田”
のR1値は0Dhで+0.1(7ビットを1として定
義:1ビット=1/128)であることを表し、ステッ
プS23の詳細距離値算出を次式にて行う。 d*j=|R*j−Rj| …(21) 本例の場合、詳細辞書第1候補“田”のR1値は+0.
1で入力文字“田”のR*1値は0.05であるため、詳
細距離d*jは0.1−0.05=0.05として算出さ
れる。
【0067】次に詳細距離加算ステップステップS24
では、前記のように算出した詳細距離d*jを次式にて加
算する。 d=d+d*j …(22) 以上の詳細距離算出及び加算処理のステップS23,2
4を詳細チェック数回繰り返す。ステップS25は、詳
細チェック数回、本例では3回行ったかどうかの判定を
行う。ステップS28は、この繰り返し制御カウンタレ
ジスタjの+1を行う。ステップS26は、詳細候補数
回、詳細距離算出及び加算処理を行った結果得られた詳
細距離加算値dをチェック数回にて正規化する処理であ
る。 d′=d/チェック回数 …(23) 以上の処理を詳細候補数回、この場合3回繰り返す。
【0068】ステップS27は、詳細候補数回、本例で
は3回行ったかの判定を行う。ステップS29は、繰り
返し制御カウンタレジスタkのインクリメントを行う。
ステップS14は、繰り返し制御カウンタレジスタiの
インクリメントを行う。以上の処理をマッチング候補数
回繰り返す。その後、図2のステップS10へ移行し、
マッチングにより得られた候補数、本例では“旧”、
“由”、“田”、“用”の4候補であり、4回繰り返し
たかの判定を行う。
【0069】以上の処理により、筆記入力された文字
“田”に対して図17のように得られたチェック結果R
*1、R*2、R*3と局所的特徴辞書の距離差を演算するこ
とにより、詳細候補“田”に対しては、加算値/チェッ
ク結果d1′=0.075、“旧”に対しては、d2′
=0.116、“由”に対してはd3′=0.15が得
られる。この加算値/チェック結果が小さい順に順位付
けすることにより、詳細判定結果として第1位“田”、
第2位“旧”、第3位“由”が得られる。
【0070】また、マッチング結果第2位の“由”を詳
細判定する場合は、同様に図5に示した文字辞書に記載
された詳細No.501の詳細判定処理を行うが、既に
マッチング結果第1位の“旧”にて詳細判定結果として
“由”が得られているため、詳細No.501の処理チ
ェックは行わない。マッチング結果第3位の“田”も同
様に、詳細判定結果として“田”が得られているため、
詳細No.501の処理チェックは行わない。マッチン
グ結果第4位の“用”は、文字辞書に詳細No.=00
0と記載してあるため、詳細判定は行わず、候補として
そのまま出力する。
【0071】従って、本例での最終的な詳細判定結果と
しては、第1位“田”、第2位“旧”、第3位“由”、
第4位“用”が得られ、表示器7に出力される。また、
筆記入力文字が3画の“工(漢字)”の場合、上記と同
様にマッチング処理部3にて候補文字として“工(漢
字)”が得られ、文字辞書に記載されている、この詳細
No.として301が得られ、301のチェックを行
う。このとき、図9の詳細辞書記載の“工(漢字)”で
は、上記例と同様に詳細距離を算出するが、“エ(カタ
カナ)”の場合は、コードのMSBに同形異種文字のフ
ラッグがセットされており、詳細距離演算は行わず、詳
細候補“工(漢字)”に“エ(カタカナ)”を付加し詳
細結果とする。
【0072】また、筆記文字が“。”の場合は、マッチ
ング処理部3にて、候補として辞書に定義されている
“○”が得られ、マッチング距離Dの如何に依らず、文
字大小判定により小と判定され強制的に詳細判定が行わ
れて、図9の詳細辞書には記載していないが、先に説明
した文字大小チェックにより“。”が優先され詳細判定
結果として出力される。
【0073】また、図14に示したフローチャートの詳
細距離算出を行わず、本詳細判定を従来技術で述べた○
×判定により行う場合でも、パターンマッチング距離値
により第1位候補との距離値との比較により距離値が接
近していた場合のみ詳細判定を行い、形状が同一で異種
文字あるいは大きさのみが異なる文字では、この詳細判
定を強制的に行うことにより、正解文字がリジェクトさ
れない同様の効果がある。
【0074】本発明は以上の実施例に限定されない。上
記実施例では、タブレット部10を用いてオンラインで
手書き文字を入力し、これを認識する例を以て説明し
た。その場合には、ストロークの連続性や筆順等が情報
として受け入れられるため、認識のための手がかりが増
えるという効果がある。しかしながら、イメージリーダ
等によって読み取られた文字のイメージを切り取り、こ
れを認識するような場合においても同様の処理が可能で
ある。
【0075】また、本発明においては、上記のように類
似文字毎の詳細な判定を行う前に、マッチング処理の際
の距離値の差の設定値、距離値の比の設定値あるいは距
離値の差や比についての予め設定された判定閾値等を用
いて候補をしぼり込んでいる。これらは、それぞれ1つ
の手段だけを用いてもよいし、また各手段を組み合わせ
たりあるいは文字によって適当に選択して使用して差し
支えない。また、文字の画数に応じて特に区別の容易で
ない類似文字が特定できる場合、例示したような画数に
対応させた文字辞書が適切である。このような構成の文
字辞書は手書き文字をオンラインで入力し、文字の画数
が明らかな場合に極めて有効である。その他、同形異種
文字や大小形状類似文字等、あるいは文字の大きさが特
殊な場合等は強制的に詳細判定を行う候補として挙げる
ようにすれば、従来のように認識結果として決定すべき
文字がその候補から途中で脱落するといったことを防止
できる。詳細判定の方法は、上記実施例に示した方法以
外に各種の方法を採ることができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明した本発明の文字認識装置は、
筆記文字イメージを構成する座標データ列から、不要デ
ータを除去して直線化処理を施す前処理部と、前処理部
によって直線化処理された座標データ列から、筆記文字
を構成するストロークの特徴を表す特徴点を抽出する特
徴点抽出部と、特徴点抽出部で抽出された特徴点により
筆記文字の特徴を表す特徴パラメータを算出し、予め同
様に算出し登録されている文字辞書の特徴パラメータと
のマッチングにより、文字認識を行うマッチング処理部
と、特徴パラメータとのマッチングでは明瞭に区別でき
ない範囲の類似文字を、局所的特徴により識別するため
の類似文字毎に固有の局所的特徴辞書と、類似文字が存
在すると判断したものについて、筆記文字の局所的特徴
と局所的特徴辞書とを比較して得られた結果を、類似文
字について順位付けする詳細判定部を備えたので、詳細
な判定のための情報を全て文字辞書に含めておくよりも
文字辞書の容量が小さくでき、また全体として処理速度
が高速化できる。
【0077】また、形状の短いものから順位付けをして
1位と2位以下の距離値を比較して、その差や比が一定
以下の場合、詳細判定を実行するようにすれば、類似文
字を適切に選択して候補として取り上げ、正しい結果の
脱落を防止できる。同様の効果は、マッチング結果とし
て距離値が判定閾値よりも大きいときは、類似文字の候
補から外し、また画数が多い文字ほどこの閾値を小さく
設定し、同形異種文字が大きさは異なるが形状の類似す
る文字、あるいは特に筆記文字が小さい場合等は強制的
に詳細判定を行うようにして候補からの漏れを防止する
ことができる。従って、特にタブレットにオンラインで
筆記入力して得られた座標データ列から特徴点を抽出
し、マッチング処理を実行する場合に有効に精度良く認
識処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の文字認識装置実施例を示すブロック図
である。
【図2】本発明の装置の概略動作フローチャートであ
る。
【図3】特徴点抽出処理説明図である。
【図4】処理対象となる筆記文字の例説明図である。
【図5】文字辞書の内容説明図である。
【図6】特徴パラメータ算出処理説明図である。
【図7】マッチング距離の説明図である。
【図8】同形異種文字判定テーブル説明図である。
【図9】局所的特徴辞書の内容説明図である。
【図10】ストローク指定条件説明図である。
【図11】チェック内容説明図である。
【図12】チェック結果の説明図である。
【図13】正規化処理説明図である。
【図14】本発明の装置の詳細判定動作フローチャート
である。
【図15】各チェックの詳細な内容説明図である。
【図16】チェックの対象具体例説明図である。
【図17】チェック結果の説明図である。
【符号の説明】
1 前処理部 2 特徴点抽出部 3 マッチング処理部 4 詳細判定部 5 文字辞書 6 局所的特徴辞書 7 表示器 10 タブレット部 11 定数記憶部 12 画数対応設定部 13 同形異種文字表示部 14 大小形状類似文字表示部 15 文字大小判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷本 英雄 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筆記文字イメージを構成する座標データ
    列から、不要データを除去して直線化処理を施す前処理
    部と、 前記前処理部によって直線化処理された座標データ列か
    ら、前記筆記文字を構成するストロークの特徴を表す特
    徴点を抽出する特徴点抽出部と、 前記特徴点抽出部で抽出された特徴点により筆記文字の
    特徴を表す特徴パラメータを算出し、予め同様に算出し
    登録されている文字辞書の特徴パラメータとのマッチン
    グにより、文字認識を行う文字認識装置において該マッ
    チング処理部と、 前記特徴パラメータとのマッチングでは明瞭に区別でき
    ない範囲の類似文字を、局所的特徴により識別するため
    の類似文字毎に固有の局所的特徴辞書とを具備し、 類似文字が存在すると判断したものについて、前記筆記
    文字の局所的特徴と前記局所的特徴辞書とを比較して得
    られた結果を、前記類似文字について順位付けする詳細
    判定部を備えたことを特徴とする文字認識装置。
  2. 【請求項2】 前記詳細判定部は、 前記筆記文字の各特徴パラメータと前記辞書の対応する
    各特徴パラメータとの間の距離を累積して得た距離値を
    マッチング結果とし、 この距離値が短いものから順位付けをして、その第1位
    と第2位以下の距離値を比較したとき、第1位と第2位
    の距離値の差が設定値以下の場合に、 明瞭に区別できない範囲の類似文字が存在すると判断し
    て、詳細判定を実行することを特徴とする請求項1記載
    の文字認識装置。
  3. 【請求項3】 前記詳細判定部は、 前記筆記文字の各特徴パラメータと前記辞書の対応する
    各特徴パラメータとの間の距離を累積して得た距離値を
    マッチング結果とし、 この距離値が短いものから順位付けをして、その第1位
    と第2位以下の距離値を比較したとき、第1位と第2位
    の距離値の比が設定値以下の場合に、 明瞭に区別できない範囲の類似文字が存在すると判断し
    て、詳細判定を実行することを特徴とする請求項1記載
    の文字認識装置。
  4. 【請求項4】 前記詳細判定部は、 前記筆記文字の各特徴パラメータと前記辞書の対応する
    各特徴パラメータとの間の距離を累積して得た距離値を
    マッチング結果とし、 この距離値が予め設定した判定閾値より大きいときは、
    類似文字の候補から除外することを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の文字認識装置。
  5. 【請求項5】 前記予め設定した判定閾値を、 筆記文字の画数が少ないものほど大きく、筆記文字の画
    数が多いものほど小さく設定する画数対応設定部を設け
    たことを特徴とする請求項4記載の文字認識装置。
  6. 【請求項6】 前記詳細判定部は、同形異種文字が存在
    する場合には、 明瞭に区別できない範囲の類似文字が存在すると判断す
    ることを特徴とする請求項1記載の文字認識装置。
  7. 【請求項7】 前記詳細判定部は、大きさは異なるが形
    状の類似する文字が存在する場合には、 明瞭に区別できない範囲の類似文字が存在すると判断す
    ることを特徴とする請求項1記載の文字認識装置。
  8. 【請求項8】 文字の大きさを判定して、筆記文字が小
    さいときは強制的に詳細判定を実行させる文字大小判定
    部を設けたことを特徴とする請求項1記載の文字認識装
    置。
  9. 【請求項9】 筆記文字が小さいかどうかを判定するた
    めの閾値を、筆記文字の画数毎に設定したことを特徴と
    する請求項8記載の文字認識装置。
  10. 【請求項10】 文字枠が設定されていない場合に、文
    字の大小判定のための固定閾値を設定することを特徴と
    する請求項8記載の文字認識装置。
  11. 【請求項11】 タブレットにオンラインで筆記入力し
    て得られた座標データ列から特徴点を抽出して、マッチ
    ング処理と詳細判定を実行することを特徴とする請求項
    1から10に記載の文字認識装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004220437A (ja) * 2003-01-16 2004-08-05 Renesas Technology Corp 情報認識装置
JP2007042097A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Fujitsu Ltd キー文字抽出プログラム、キー文字抽出装置、キー文字抽出方法、一括地名認識プログラム、一括地名認識装置および一括地名認識方法

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