JPH0812789A - ポリオレフィン系樹脂成形品の塗装方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂成形品の塗装方法

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JPH0812789A
JPH0812789A JP6173512A JP17351294A JPH0812789A JP H0812789 A JPH0812789 A JP H0812789A JP 6173512 A JP6173512 A JP 6173512A JP 17351294 A JP17351294 A JP 17351294A JP H0812789 A JPH0812789 A JP H0812789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot air
molding
treatment
polyolefin resin
coating
Prior art date
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Pending
Application number
JP6173512A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Fujikawa
寛敏 藤川
Fumiya Yoshida
文也 吉田
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
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  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トリクロロエタン蒸気洗浄を行なわずプライ
マも用いないで、上塗り塗膜の十分な付着力を得る。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂成形品にその溶融温度
以上の熱風を吹きつける熱風処理を施し、その後、プラ
ズマ処理を施した後、上塗り塗装を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン系樹脂成
形品の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパやエアスポイラーなどに
はポリオレフィン系樹脂成形品が使用されている。ポリ
オレフィン系樹脂としてはポリプロピレンが最もよく使
用されているが、ポリプロピレン樹脂成形品に塗装をす
る際の問題点は、塗膜の付着性が悪いことである。ポリ
プロピレン樹脂成形品の塗装方法として実用化されてい
る方法には図1に示されるプライマ塗装法とプラズマ処
理法がある。
【0003】プライマ塗装法では、樹脂成形品の塗装前
の前処理としてトリクロロエタン蒸気洗浄を行ない、そ
の後プライマ塗装を施した後、上塗り塗装をして乾燥さ
せる。トリクロロエタン蒸気による洗浄は樹脂成形品表
面の不純物除去とエッチングが目的である。プライマは
ポリプロピレン樹脂中へ拡散してポリプロピレン樹脂と
の付着力を強くするために用いられる。
【0004】プライマ塗装法には、用いるプライマが高
価であったり、工程が増えるなどの問題があるので、プ
ライマを使用しない塗装方法が検討されている。1つの
方法として、トリクロロエタン蒸気洗浄を行なった後、
上塗り塗装成分にポリプロピレン樹脂との付着力を強く
する塩素化ポリオレフィン系樹脂を導入することが提案
されている(自動車技術、Vol.47, No.11, pp.50-53(1
993年)参照)。プラズマ処理法では樹脂成形品をトリ
クロロエタン蒸気洗浄した後、プラズマ処理を施し、そ
の後上塗り塗装をして乾燥させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法はいずれも
トリクロロエタン蒸気洗浄工程を含んでいる。トリクロ
ロエタンは環境を汚染する物質として我が国では199
5年末に製造が禁止される予定であるし、オゾン層を破
壊する物質の大気放出抑制の環境対策からトリクロロエ
タン洗浄工程は廃止される方向にある。しかし、従来の
プライマ塗装方法やプラズマ処理方法でトリクロロエタ
ン蒸気洗浄工程を省くと、上塗り塗料の十分な付着力を
得ることができなくなってしまう。
【0006】トリクロロエタン蒸気洗浄を用いない方法
として、上塗り塗料の付着力を強化するようなプライマ
の組成を改良することが提案されている(豊田合成技
報、Vol.35, No.2, pp.132-133(1993年)参照)。しか
し、そのような高密着型プライマは条例によっては使用
できない地域もあるため、トリクロロエタン蒸気洗浄も
プライマもともに用いない塗装方法が望まれている。本
発明はプラズマ処理方法を改良することにより、トリク
ロロエタン蒸気洗浄工程を省いても上塗り塗膜の十分な
付着力を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は図2に示される
ように、ポリオレフィン系樹脂成形品にその溶融温度以
上の熱風を吹きつける熱風処理を施し、その後、プラズ
マ処理を施した後、上塗り塗装を施す塗装方法である。
熱風処理はポリオレフィン系樹脂成形品の表面に、成形
品の樹脂の溶融温度よりも高い温度、例えば200〜5
00℃の熱風を風速10〜50m/秒で2〜10秒間吹
きつけることにより、成形品の表面に熱処理を施す操作
である。この熱風処理により成形品の最表面層に微細な
ピンホール、例えば直径が1μm以下程度のピンホール
が多数発生し、また、最表面層の熱安定剤などの異物が
除去される。成形品の表面に微細なピンホールが形成さ
れることにより上塗り塗料が成形品表面に浸透して、上
塗り塗料を成形品表面につなぎ止める、いわゆるアンカ
ー効果が増大して、上塗り塗膜の付着力が向上し、また
表面の異物が除去されることにより後のプラズマ効果が
向上する。
【0008】プラズマ処理は、酸素その他のガスをマイ
クロ波で励起して得られるプラズマを成形品に照射する
処理である。成形品をチャンバ内に入れ、チャンバを減
圧状態にしてプラズマ発生部からプラズマを成形品に照
射する。プラズマ処理の条件は例えば次の如くである。
ガスとしては酸素、窒素、空気、アルゴン、ヘリウムな
どを用い、マイクロ波周波数は2450kHz、マイク
ロ波出力は0.5〜1kW、チャンバ内圧力は0.3〜1
Torr.、処理時間は30〜120秒である。樹脂成形品
に熱風処理とプラズマ処理を施す本発明により、上塗り
塗装の付着力が向上し、トリクロロエタン蒸気洗浄工程
を省いても十分な塗膜付着力を得ることができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。 (熱風処理)PPポリマー(エチレンプロピルブロック
コポリマー)70重量%にEPR(エチレンプロピルゴ
ム)20重量%及びタルク10重量%を混入させたPP
樹脂を200〜220℃に溶融させ、射出成形したもの
を樹脂基材として用いる。成形した基材はその型表面形
状によってシボ(基材表面の強制的で規則的な凹凸形
状)のあるものとないものに大別できる。一例としてシ
ボをもつバンパを成形した。そのPP樹脂基材表面を軽
くIPA(イソプロピルアルコール)などで拭くことに
よって除塵した後、次の条件で熱風処理を施した。 熱風温度 350〜360℃ 熱風風速 15〜20m/秒 処理時間 3〜4秒
【0010】熱風処理中のバンパの表面温度は185±
15℃であった。処理前後の表面形状拡大写真を図3に
示し、その三次元プロファイルを図4と図5に示す。図
4と図5では面内方向のX,Y軸に対し、高さ方向のZ
軸は10倍に拡大して示されている。表面温度が180
℃程度ではマクロな表面形状に差はみられないが、20
0℃を超えるとシボ形状が変化することで上塗り塗装後
の仕上りに悪影響を与える。シボ無しの表面では200
〜210℃程度の表面温度まで処理は可能であるが、シ
ボ有りの場合は190℃程度までに限定する方が望まし
い。
【0011】熱風処理の前後でのバンパ表面のSEMに
よるミクロ観察結果を図6の写真に示す。熱風処理前に
はかなり凹凸のあった表面が、200℃での熱風処理後
には平滑になるとともに、微細なピンホールが多数生じ
ていることが分かる。そのピンホールの断面を観察する
ために、基材表面をウレタン樹脂で固定し、SEMによ
る観察を行なった結果を図7の写真に示す。(A)は熱
風処理前、(B)はハンドガンで170℃程度に熱風処
理した場合である。ピンホールはインク瓶状の穴であ
り、直径は1μm程度であることが分かる。
【0012】このピンホールができることによって、上
塗り塗装時にその塗料がそのピンホールに入り込むこと
によるアンカー効果により、このピンホールが上塗り塗
料の密着力向上に寄与していると考えられる。実際に、
上塗り塗料を塗装した後、−120℃で断面カットした
SEM写真を図8に示すが、そのピンホールに塗料が入
り込んでいることが確認できる。
【0013】(プラズマ処理)上記の熱風処理条件によ
り基材表面が160℃になるようにしたテストピース
(実施例1)と、210℃になるようにしたテストピー
ス(実施例2)と、そのような熱風処理を施さないテス
トピース(比較例1)と、従来のようにPP基材表面を
TCE(1,1,1−トリクロロエタン)にて蒸気洗浄
したテストピース(比較例2)についてそれぞれ下記の
条件で減圧プラズマ処理を施した。 減圧度 0.3〜0.7Torr. 処理時間 60秒 雰囲気ガス N2:O2=10:1
【0014】また、これらの試料とは別に、テストピー
スにTCEにて蒸気洗浄した後、従来のプライマ処理を
施したもの(比較例3)を用意した。実施例1,2と比
較例1〜3のテストピースに対し、上塗り塗装を行なっ
た。上塗り塗装にはメラミン−アルキッド系の上塗り塗
料(赤色)を吹きつけ塗装し、10分間以上放置した
後、120℃で25〜30分間焼付けをして塗装を完了
した。
【0015】これらの実施例と比較例の前処理の条件を
次の表1にまとめて示す。
【表1】
【0016】上塗り塗料の基材樹脂への密着力を引き剥
し法(ピーリング;10mm幅の塗膜の引き剥し強度
〔gf/10mm幅〕)にて評価した。その評価結果を
図10に示す。図中のプロットデータには実験誤差も併
せて直線で表示している。この結果によれば、(熱風処
理+プラズマ処理)による本発明の前処理(実施例1,
2)によって、従来の(TCE処理+プラズマ処理)に
よる前処理(比較例2)ほどの上塗り塗料と基材との密
着力は得られていないが、プラズマ処理のみを行なう方
法(比較例1)よりも十分優れた密着力が得られてい
る。本発明により得られる密着力は、(TCE処理+プ
ライマ処理)による前処理(比較例3)と同等の密着力
であると言える。
【0017】
【発明の効果】本発明によればポリプロピレンやポリエ
チレンなどの無極性のポリマーを用いた樹脂成形品に、
トリクロロエタン蒸気洗浄もプライマ塗装も施すことな
く、十分な付着力の上塗り塗膜を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の塗装方法を示すフローチャート図であ
る。
【図2】本発明を示すフローチャート図である。
【図3】熱風処理前後における樹脂成形品表面の変化を
示す写真である。
【図4】熱風処理前後における表面の三次元プロファイ
ルである。
【図5】熱風処理前後における表面の三次元プロファイ
ルである。
【図6】熱風処理前後における表面状態の変化を示すS
EM写真である。
【図7】熱風処理前後における樹脂表層の断面を示すS
EM写真である。
【図8】基材と塗料との界面を示すSEM写真である。
【図9】本発明と比較例での種々の前処理による塗膜密
着力を比較する図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂成形品にその溶融
    温度以上の熱風を吹きつける熱風処理を施し、その後、
    プラズマ処理を施した後、上塗り塗装を施すことを特徴
    とする塗装方法。
JP6173512A 1994-07-01 1994-07-01 ポリオレフィン系樹脂成形品の塗装方法 Pending JPH0812789A (ja)

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JP6173512A JPH0812789A (ja) 1994-07-01 1994-07-01 ポリオレフィン系樹脂成形品の塗装方法

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JPH0812789A true JPH0812789A (ja) 1996-01-16

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