JPH08127045A - 射出成形用ランナレス金型 - Google Patents
射出成形用ランナレス金型Info
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- JPH08127045A JPH08127045A JP26661494A JP26661494A JPH08127045A JP H08127045 A JPH08127045 A JP H08127045A JP 26661494 A JP26661494 A JP 26661494A JP 26661494 A JP26661494 A JP 26661494A JP H08127045 A JPH08127045 A JP H08127045A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ランナレス金型の利点を損なうことがなく、
金型の製造コストを可及的に抑えて多品目の樹脂成形品
を製造するのに適しており、また、金型交換作業も容易
である射出成形用ランナレス金型を提供する。 【構成】 ランナレス金型の固定側にはその固定側彫り
込み部に成形品共通部を成形する共通部領域と成形品主
要部を成形する主要部領域とを設け、上記共通部領域に
射出装置から導入される溶融樹脂が流れる湯道のゲート
を開口させ、固定側において固定側彫り込み部の主要部
領域を形成する部分を分割固定側としてその他の主要部
分の主固定側から着脱可能に分割し、ランナレス金型の
移動側も固定側彫り込み部の少なくとも主要部領域に対
応する移動側彫り込みの主要部領域を形成する部分を分
割移動側としてその他の主要部分の主移動側から着脱可
能に分割し、主固定側に対して分割固定側と移動側とを
交換可能にするとともに主移動側に対して分割移動側を
交換可能に形成した。
金型の製造コストを可及的に抑えて多品目の樹脂成形品
を製造するのに適しており、また、金型交換作業も容易
である射出成形用ランナレス金型を提供する。 【構成】 ランナレス金型の固定側にはその固定側彫り
込み部に成形品共通部を成形する共通部領域と成形品主
要部を成形する主要部領域とを設け、上記共通部領域に
射出装置から導入される溶融樹脂が流れる湯道のゲート
を開口させ、固定側において固定側彫り込み部の主要部
領域を形成する部分を分割固定側としてその他の主要部
分の主固定側から着脱可能に分割し、ランナレス金型の
移動側も固定側彫り込み部の少なくとも主要部領域に対
応する移動側彫り込みの主要部領域を形成する部分を分
割移動側としてその他の主要部分の主移動側から着脱可
能に分割し、主固定側に対して分割固定側と移動側とを
交換可能にするとともに主移動側に対して分割移動側を
交換可能に形成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、射出成形に用いられ
る金型に係り、特に彫り込み部に開口するゲート直前ま
での湯道をその成形操作中常時加熱するための加熱手段
を備え、スプルーやランナ等の湯道を成形品として取り
出すことなく、目的の樹脂製品を射出成形する射出成形
機に使用するための射出成形用ランナレス金型に関す
る。
る金型に係り、特に彫り込み部に開口するゲート直前ま
での湯道をその成形操作中常時加熱するための加熱手段
を備え、スプルーやランナ等の湯道を成形品として取り
出すことなく、目的の樹脂製品を射出成形する射出成形
機に使用するための射出成形用ランナレス金型に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ランナレス金型は、スプルーやランナ等
の湯道が成形品として取り出されることがなく、このた
めに成形後に成形品からこのスプルーやランナを取り除
くランナ除去作業等の後仕上げの必要がないことから、
その生産性が高く、また、製品の成形から包装までの自
動化が可能になるという利点があり、また、原料樹脂の
ロスがないほか、成形サイクルも短縮できるという利点
も備えている。
の湯道が成形品として取り出されることがなく、このた
めに成形後に成形品からこのスプルーやランナを取り除
くランナ除去作業等の後仕上げの必要がないことから、
その生産性が高く、また、製品の成形から包装までの自
動化が可能になるという利点があり、また、原料樹脂の
ロスがないほか、成形サイクルも短縮できるという利点
も備えている。
【0003】しかしながら、このようなランナレス金型
においては、彫り込み部に開口するゲート直前までの湯
道をその成形操作中常時加熱し、このゲートから彫り込
み部に供給される樹脂を溶融状態に保つ必要から、金型
内に加熱手段を組み込む必要があり、金型構造、特にそ
の固定側の構造が必然的に複雑になって金型の製造コス
トが極めて高くなるという問題がある。しかも、このラ
ンナレス金型においては、金型自体が大型化してその重
量が嵩み、例えばアイスクリーム用スプーン20個取り
のものでその重量が概ね1.2トンにも達するほか、こ
の金型の温度や作動を制御するために温度制御装置や油
圧装置等の周辺機器との間を極めて多数の配線や配管で
接続する必要があり、たとえ熟練している者でもその金
型交換作業には数時間、場合によっては数十時間という
多大な労力と時間とを要するという問題もある。
においては、彫り込み部に開口するゲート直前までの湯
道をその成形操作中常時加熱し、このゲートから彫り込
み部に供給される樹脂を溶融状態に保つ必要から、金型
内に加熱手段を組み込む必要があり、金型構造、特にそ
の固定側の構造が必然的に複雑になって金型の製造コス
トが極めて高くなるという問題がある。しかも、このラ
ンナレス金型においては、金型自体が大型化してその重
量が嵩み、例えばアイスクリーム用スプーン20個取り
のものでその重量が概ね1.2トンにも達するほか、こ
の金型の温度や作動を制御するために温度制御装置や油
圧装置等の周辺機器との間を極めて多数の配線や配管で
接続する必要があり、たとえ熟練している者でもその金
型交換作業には数時間、場合によっては数十時間という
多大な労力と時間とを要するという問題もある。
【0004】しかるに、近年、例えばインスタント食品
やアイスクリーム等の需要が伸びるにつれて、これらイ
ンスタント食品やアイスクリーム等で用いられるその包
装、ナイフ、フォーク、スプーン等についても、その用
途や需要者及び取引者の好みが多様化し、そのために、
ただ単に同じ大きさや同じ形状のものだけでなく、用途
や好みに応じてその形状や大きさの異なる成形品を製造
しなければならず、比較的少数でしかも多品目の樹脂成
形品を製造する必要が生じている。
やアイスクリーム等の需要が伸びるにつれて、これらイ
ンスタント食品やアイスクリーム等で用いられるその包
装、ナイフ、フォーク、スプーン等についても、その用
途や需要者及び取引者の好みが多様化し、そのために、
ただ単に同じ大きさや同じ形状のものだけでなく、用途
や好みに応じてその形状や大きさの異なる成形品を製造
しなければならず、比較的少数でしかも多品目の樹脂成
形品を製造する必要が生じている。
【0005】しかしながら、ランナレス金型には、上述
したように、その生産性、自動化、原料樹脂のロスがな
い、成形サイクルの短縮化等の多くの利点があるにもか
かわらず、金型自体の製造コストが高く、しかも、金型
交換作業に多大な労力と時間とを要し、このように比較
的少数で多品目の樹脂成形品を製造するには不向きであ
るとされていた。
したように、その生産性、自動化、原料樹脂のロスがな
い、成形サイクルの短縮化等の多くの利点があるにもか
かわらず、金型自体の製造コストが高く、しかも、金型
交換作業に多大な労力と時間とを要し、このように比較
的少数で多品目の樹脂成形品を製造するには不向きであ
るとされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
このような問題を解決するためにランナレス金型の改良
について鋭意研究を重ねた結果、ランナレス金型の固定
側について、その固定側彫り込み部に開口するゲートを
含む固定側の大部分を主固定側として共通化すると共
に、この固定側に形成された固定側彫り込み部の大部分
を分割固定側として上記主固定側に着脱可能に形成し、
これによって、製造する樹脂成形品の品目やその大きさ
及び形状が変更された際に、分割固定側と移動側のみを
交換することで対応できるランナレス金型を完成し、本
発明に到達した。
このような問題を解決するためにランナレス金型の改良
について鋭意研究を重ねた結果、ランナレス金型の固定
側について、その固定側彫り込み部に開口するゲートを
含む固定側の大部分を主固定側として共通化すると共
に、この固定側に形成された固定側彫り込み部の大部分
を分割固定側として上記主固定側に着脱可能に形成し、
これによって、製造する樹脂成形品の品目やその大きさ
及び形状が変更された際に、分割固定側と移動側のみを
交換することで対応できるランナレス金型を完成し、本
発明に到達した。
【0007】従って、本発明の目的は、生産性に優れて
いて製造ラインの自動化に容易に対応でき、かつ、原料
樹脂のロスがなく、成形サイクルの短縮化も可能である
というランナレス金型の利点を損なうことがなく、しか
も、金型の製造コストを可及的に抑えて多品目の樹脂成
形品を製造するのに適しており、また、金型交換作業も
容易である射出成形用ランナレス金型を提供することに
ある。
いて製造ラインの自動化に容易に対応でき、かつ、原料
樹脂のロスがなく、成形サイクルの短縮化も可能である
というランナレス金型の利点を損なうことがなく、しか
も、金型の製造コストを可及的に抑えて多品目の樹脂成
形品を製造するのに適しており、また、金型交換作業も
容易である射出成形用ランナレス金型を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、射
出成形機の固定ダイプレートに固定され、射出装置から
導入される溶融樹脂が流れる湯道とこの湯道の終端に設
けられたゲートとを有し、かつ、このゲート直前までの
湯道を成形操作中常時加熱する加熱手段を有する固定側
と、射出成形機の移動ダイプレートに取り付けられる移
動側と、これら固定側と移動側との間に形成されて成形
時に上記ゲートから溶融樹脂が充填される彫り込み部と
を備えた射出成形用ランナレス金型において、上記固定
側に形成された固定側彫り込み部には複数種類の成形品
の形状から設計された小さな略同一形状の成形品共通部
を成形する共通部領域と成形品の大部分を占める成形品
主要部を成形する主要部領域とを設け、上記固定側彫り
込み部の共通部領域に上記湯道のゲートを開口させ、固
定側においてこの固定側彫り込み部の主要部領域を形成
する部分を島状に独立した分割固定側としてその他の主
要部分の主固定側から当該分割固定側が主固定側に形成
される取付け凹部に着脱自在に取付けれるように分割
し、一方、移動側に形成された移動側彫り込み部には固
定側彫り込み部の共通部領域及び主要部領域に対応する
共通部領域及び主要部領域を設け、移動側において固定
側彫り込み部の少なくとも主要部領域に対応した移動側
彫り込み部の主要部領域を形成する部分を島状に独立し
た分割移動側としてその他の主要部分の主移動側から当
該分割移動側が主移動側に形成される取付け凹部に着脱
自在に取り付けられるように分割し、上記の主固定側に
対して上記分割固定側と移動側とを交換可能にするとと
もに上記の主移動側に対して上記分割移動側を交換可能
にしたことを特徴とする射出成形用ランナレス金型であ
る。
出成形機の固定ダイプレートに固定され、射出装置から
導入される溶融樹脂が流れる湯道とこの湯道の終端に設
けられたゲートとを有し、かつ、このゲート直前までの
湯道を成形操作中常時加熱する加熱手段を有する固定側
と、射出成形機の移動ダイプレートに取り付けられる移
動側と、これら固定側と移動側との間に形成されて成形
時に上記ゲートから溶融樹脂が充填される彫り込み部と
を備えた射出成形用ランナレス金型において、上記固定
側に形成された固定側彫り込み部には複数種類の成形品
の形状から設計された小さな略同一形状の成形品共通部
を成形する共通部領域と成形品の大部分を占める成形品
主要部を成形する主要部領域とを設け、上記固定側彫り
込み部の共通部領域に上記湯道のゲートを開口させ、固
定側においてこの固定側彫り込み部の主要部領域を形成
する部分を島状に独立した分割固定側としてその他の主
要部分の主固定側から当該分割固定側が主固定側に形成
される取付け凹部に着脱自在に取付けれるように分割
し、一方、移動側に形成された移動側彫り込み部には固
定側彫り込み部の共通部領域及び主要部領域に対応する
共通部領域及び主要部領域を設け、移動側において固定
側彫り込み部の少なくとも主要部領域に対応した移動側
彫り込み部の主要部領域を形成する部分を島状に独立し
た分割移動側としてその他の主要部分の主移動側から当
該分割移動側が主移動側に形成される取付け凹部に着脱
自在に取り付けられるように分割し、上記の主固定側に
対して上記分割固定側と移動側とを交換可能にするとと
もに上記の主移動側に対して上記分割移動側を交換可能
にしたことを特徴とする射出成形用ランナレス金型であ
る。
【0009】本発明において、ランナレス金型の固定側
彫り込み部に形成される共通部領域は、このランナレス
金型を用いて成形される成形品の比較的小さな部分を占
めるものであり、主固定側に対して分割固定側と移動側
とを別のものに交換し、品目や大きさあるいは形状にお
いて別の種類の成形品を成形した際に、その成形された
別の成形品において、少なくともこの固定側の共通部領
域により成形された部分が完全に一致する略同一形状及
び大きさの成形品共通部として成形される。
彫り込み部に形成される共通部領域は、このランナレス
金型を用いて成形される成形品の比較的小さな部分を占
めるものであり、主固定側に対して分割固定側と移動側
とを別のものに交換し、品目や大きさあるいは形状にお
いて別の種類の成形品を成形した際に、その成形された
別の成形品において、少なくともこの固定側の共通部領
域により成形された部分が完全に一致する略同一形状及
び大きさの成形品共通部として成形される。
【0010】従って、この固定側彫り込み部の共通部領
域は、製造される複数種類の成形品の形状から略同一形
状及び大きさの成形品共通部を決定し、この成形品共通
部の形状や大きさに基づいて設計されるものであり、製
造される複数種類の成形品において、それぞれその形状
や大きさに個性を持たせるためには、できるだけ小さい
部分として設計するのがよく、例えば、対象とする成形
品がナイフ、フォーク及びスプーンである場合には、そ
の柄の先端部分をこの共通部領域で成形される成形品共
通部とするのがよい。そして、この固定側彫り込み部に
おいて、成形品共通部以外の部分、すなわち成形品の大
部分を占める成形品主要部を成形する部分が上記共通部
領域以外の主要部領域となるものであり、例えば、上記
ナイフ、フォーク及びスプーンの例においては、その柄
の先端部分を除く他の全ての部分を成形するための領域
である。
域は、製造される複数種類の成形品の形状から略同一形
状及び大きさの成形品共通部を決定し、この成形品共通
部の形状や大きさに基づいて設計されるものであり、製
造される複数種類の成形品において、それぞれその形状
や大きさに個性を持たせるためには、できるだけ小さい
部分として設計するのがよく、例えば、対象とする成形
品がナイフ、フォーク及びスプーンである場合には、そ
の柄の先端部分をこの共通部領域で成形される成形品共
通部とするのがよい。そして、この固定側彫り込み部に
おいて、成形品共通部以外の部分、すなわち成形品の大
部分を占める成形品主要部を成形する部分が上記共通部
領域以外の主要部領域となるものであり、例えば、上記
ナイフ、フォーク及びスプーンの例においては、その柄
の先端部分を除く他の全ての部分を成形するための領域
である。
【0011】また、本発明においては、上記固定側彫り
込み部の共通部領域に溶融樹脂の湯道のゲートが開口さ
れ、また、固定側においてこの固定側彫り込み部の主要
部領域を形成する部分を分割固定側としてその他の主要
部分の主固定側から着脱可能に分割する。そして、この
主固定側から分割する分割固定側は、固定側の金型板全
体(海部)の所定の一部(島部)を構成する(島状に)
独立した金型からなるものであり、主固定側の所定位置
に形成される取付け凹部に着脱自在にかつ位置調整可能
に取り付けられる。
込み部の共通部領域に溶融樹脂の湯道のゲートが開口さ
れ、また、固定側においてこの固定側彫り込み部の主要
部領域を形成する部分を分割固定側としてその他の主要
部分の主固定側から着脱可能に分割する。そして、この
主固定側から分割する分割固定側は、固定側の金型板全
体(海部)の所定の一部(島部)を構成する(島状に)
独立した金型からなるものであり、主固定側の所定位置
に形成される取付け凹部に着脱自在にかつ位置調整可能
に取り付けられる。
【0012】この固定側を主固定側と分割固定側とに分
割する際には、固定側彫り込み部の共通部領域が主固定
側に、また、固定側彫り込み部の主要部領域が分割固定
側にそれぞれ位置すればよく、湯道の配置等によって特
に限定されるものではないが、本発明の目的を達成する
ためには、固定側においてできるだけ多くの部分を共通
化するのが好ましく、従って分割固定側についてはその
強度や剛性等から考慮して可能な範囲でその体積が小さ
くなるように設計するのがよい。ここで、主固定側を例
えばスウェーデン鋼等の比較的固い良質の材質で形成
し、分割固定側を比較的軟質で工作し易い安価な鋼材で
形成すれば、主固定側の損傷を可及的に防止できるほ
か、分割固定側をより安価に製造することができる。
割する際には、固定側彫り込み部の共通部領域が主固定
側に、また、固定側彫り込み部の主要部領域が分割固定
側にそれぞれ位置すればよく、湯道の配置等によって特
に限定されるものではないが、本発明の目的を達成する
ためには、固定側においてできるだけ多くの部分を共通
化するのが好ましく、従って分割固定側についてはその
強度や剛性等から考慮して可能な範囲でその体積が小さ
くなるように設計するのがよい。ここで、主固定側を例
えばスウェーデン鋼等の比較的固い良質の材質で形成
し、分割固定側を比較的軟質で工作し易い安価な鋼材で
形成すれば、主固定側の損傷を可及的に防止できるほ
か、分割固定側をより安価に製造することができる。
【0013】一方、本発明において、移動側には固定側
彫り込み部の共通部領域及び主要部領域に対応する共通
部領域及び主要部領域からなる移動側彫り込み部が設け
られる。つまり、この移動側彫り込み部は、型閉じによ
り前記固定側彫り込み部と対向することによって成形時
に溶融樹脂が充填されるランナレス金型の彫り込み部を
形成することになる。また、移動側において上記移動側
彫り込み部の主要部領域を形成する部分を分割移動側と
してその他の主要部分の主移動側から着脱可能に分割す
る。そして、この分割移動側は、前記した分割固定側と
ほぼ同様に、移動側の金型全体に対して島状に独立した
金型からなるものであり、主移動側の所定位置に形成さ
れる取付け凹部に着脱自在にかつ位置調整可能に取り付
けられる。なお、この分割移動側には、共通部領域の移
動側における形状は成形される成形品の種類に応じてそ
の形状や大きさが若干変化し得る場合がある事情や、成
形される成形品にパーティングラインができる限り出な
いようにする必要性等の観点から、通常、移動側彫り込
み部の主要部領域及び共通部領域を共に形成することが
望ましい。しかし、本発明においては分割移動側に主要
部領域のみを形成してもよく、この場合共通部領域は主
移動側に形成する。
彫り込み部の共通部領域及び主要部領域に対応する共通
部領域及び主要部領域からなる移動側彫り込み部が設け
られる。つまり、この移動側彫り込み部は、型閉じによ
り前記固定側彫り込み部と対向することによって成形時
に溶融樹脂が充填されるランナレス金型の彫り込み部を
形成することになる。また、移動側において上記移動側
彫り込み部の主要部領域を形成する部分を分割移動側と
してその他の主要部分の主移動側から着脱可能に分割す
る。そして、この分割移動側は、前記した分割固定側と
ほぼ同様に、移動側の金型全体に対して島状に独立した
金型からなるものであり、主移動側の所定位置に形成さ
れる取付け凹部に着脱自在にかつ位置調整可能に取り付
けられる。なお、この分割移動側には、共通部領域の移
動側における形状は成形される成形品の種類に応じてそ
の形状や大きさが若干変化し得る場合がある事情や、成
形される成形品にパーティングラインができる限り出な
いようにする必要性等の観点から、通常、移動側彫り込
み部の主要部領域及び共通部領域を共に形成することが
望ましい。しかし、本発明においては分割移動側に主要
部領域のみを形成してもよく、この場合共通部領域は主
移動側に形成する。
【0014】また、本発明においては、特に限定するも
のではないが、ゲート直前までの湯道を成形操作中常時
加熱するための加熱手段や、バルブゲート方式の場合に
はその作動用の油圧装置や、ホットチップゲートの場合
にはそのチップ加熱手段等の比較的コストのかかる部分
については可能な範囲でできるだけ主固定側に設けて共
通化するのがよく、より好ましくは射出装置に接続され
るスプルブッシング、このスプルブッシングに接続され
るマニホールド、このマニホールドに接続されるノズ
ル、及びこれらスプルブッシング、マニホールド、ノズ
ル等を加熱するヒーター等をこの主固定側に組み込んで
共通化すると共に、分割固定側については彫り込み部の
主要部領域のみあるいはこれに加えて冷却水孔の一部又
は全部を有する平板状に形成し、これによって分割固定
側の製造コストを大幅に低減することができる。なお、
固定側に形成される冷却水孔は、必ずしも主固定側にの
み位置している必要はなく、この主固定側から分割固定
側に跨がって形成されていてもよく、また、主固定側と
分割固定側とにそれぞれ別系統の冷却水孔を設けてもよ
い。
のではないが、ゲート直前までの湯道を成形操作中常時
加熱するための加熱手段や、バルブゲート方式の場合に
はその作動用の油圧装置や、ホットチップゲートの場合
にはそのチップ加熱手段等の比較的コストのかかる部分
については可能な範囲でできるだけ主固定側に設けて共
通化するのがよく、より好ましくは射出装置に接続され
るスプルブッシング、このスプルブッシングに接続され
るマニホールド、このマニホールドに接続されるノズ
ル、及びこれらスプルブッシング、マニホールド、ノズ
ル等を加熱するヒーター等をこの主固定側に組み込んで
共通化すると共に、分割固定側については彫り込み部の
主要部領域のみあるいはこれに加えて冷却水孔の一部又
は全部を有する平板状に形成し、これによって分割固定
側の製造コストを大幅に低減することができる。なお、
固定側に形成される冷却水孔は、必ずしも主固定側にの
み位置している必要はなく、この主固定側から分割固定
側に跨がって形成されていてもよく、また、主固定側と
分割固定側とにそれぞれ別系統の冷却水孔を設けてもよ
い。
【0015】そして、本発明は、それがランナレス金型
であればどのような形式のものでも適用可能であり、1
個取り金型であっても、2個取りや3個取り等の複数個
取り金型であっても、更には、10個取り、20個取り
等の多数個取り金型であっても適用できるほか、バルブ
ゲート方式やホットチップゲート方式等のゲートの方式
にかかわりなく適用することができる。
であればどのような形式のものでも適用可能であり、1
個取り金型であっても、2個取りや3個取り等の複数個
取り金型であっても、更には、10個取り、20個取り
等の多数個取り金型であっても適用できるほか、バルブ
ゲート方式やホットチップゲート方式等のゲートの方式
にかかわりなく適用することができる。
【0016】また、本発明のランナレス金型が、その固
定側に複数の湯道及びゲートが形成され、かつ、固体側
と移動側との間に複数の彫り込み部を有する多数個取り
金型である場合には、固定側に形成される各固定側彫り
込み部の共通部領域を互いに接近させて所定の区画領域
内に配設し、この区画領域を主固定側に位置させるのが
よい。そして、この共通部領域が配設される区画領域に
ついては、固定側の各共通部領域に各湯道のゲートが開
設されるので、これらのゲートに至る溶融樹脂の湯道の
配置を考慮して適宜決定すればよく、例えば各ゲートが
横2列に並ぶ比較的幅の広い長方形の形状や、各ゲート
が同一円周上に配置されるように円形の形状等に設計で
きるほか、各ゲートが横1列に並ぶように各彫り込み部
を横1列に並べてその共通部領域と主要部領域とを直線
で仕切ってその片側を区画領域としたり、各ゲートが略
半円上に並ぶように各彫り込み部を半円形の放射状に並
べてその共通部領域と主要部領域とを半円線で仕切って
その内側を区画領域とする等、1つの金型に形成される
彫り込み部の数や主固定側に設けられる湯道やゲート等
を考慮して任意に設計できる。
定側に複数の湯道及びゲートが形成され、かつ、固体側
と移動側との間に複数の彫り込み部を有する多数個取り
金型である場合には、固定側に形成される各固定側彫り
込み部の共通部領域を互いに接近させて所定の区画領域
内に配設し、この区画領域を主固定側に位置させるのが
よい。そして、この共通部領域が配設される区画領域に
ついては、固定側の各共通部領域に各湯道のゲートが開
設されるので、これらのゲートに至る溶融樹脂の湯道の
配置を考慮して適宜決定すればよく、例えば各ゲートが
横2列に並ぶ比較的幅の広い長方形の形状や、各ゲート
が同一円周上に配置されるように円形の形状等に設計で
きるほか、各ゲートが横1列に並ぶように各彫り込み部
を横1列に並べてその共通部領域と主要部領域とを直線
で仕切ってその片側を区画領域としたり、各ゲートが略
半円上に並ぶように各彫り込み部を半円形の放射状に並
べてその共通部領域と主要部領域とを半円線で仕切って
その内側を区画領域とする等、1つの金型に形成される
彫り込み部の数や主固定側に設けられる湯道やゲート等
を考慮して任意に設計できる。
【0017】本発明は、ランナレス金型を用いて成形さ
れる複数種類の成形品の形状から比較的小さな略同一形
状の成形品共通部を設計できる成形品であれば、どのよ
うな樹脂製品の射出成形用ランナレス金型としても適用
できるものであり、上述したインスタント食品やアイス
クリーム等で用いられるその包装、ナイフ、フォーク、
スプーン等の金型だけでなく、種々の大きさの歯ブラシ
や箸等のほか、角部を成形品共通部として設計できるカ
セットテープやビデオテープの収納ケース等の箱状のも
の、更には、トレー類等を成形するために使用する金型
等を例示することができる。
れる複数種類の成形品の形状から比較的小さな略同一形
状の成形品共通部を設計できる成形品であれば、どのよ
うな樹脂製品の射出成形用ランナレス金型としても適用
できるものであり、上述したインスタント食品やアイス
クリーム等で用いられるその包装、ナイフ、フォーク、
スプーン等の金型だけでなく、種々の大きさの歯ブラシ
や箸等のほか、角部を成形品共通部として設計できるカ
セットテープやビデオテープの収納ケース等の箱状のも
の、更には、トレー類等を成形するために使用する金型
等を例示することができる。
【0018】
【作用】本発明の射出成形用ランナレス金型は、固定側
に形成される(複数の)固定側彫り込み部に、成形品共
通部を成形する共通部領域と成形品主要部を成形する主
要部領域とが設けられ、この固定側彫り込み部の共通部
領域に湯道のゲートが開口し、固定側においてこれら固
定側彫り込み部の主要部領域を形成する部分が島状に独
立した分割固定側として主固定側から着脱可能に分割さ
れ、しかも、移動側においても固定側彫り込み部の少な
くとも共通部領域に対応する移動側彫り込みの主要部領
域を形成する部分が主移動側から着脱可能に分割され、
この主固定側に対して上記分割固定側と移動側とが交換
可能に形成されているとともにこの主移動側に対して上
記分割移動側が交換可能に形成されているので、1つの
主固定側に対して複数種類の成形品に応じた分割固定側
及び分割移動側を用意しておくことにより、主固定側を
共通化し、分割固定側及び移動側(分割移動側)のみを
交換して複数種類の成形品を製造することができる。
に形成される(複数の)固定側彫り込み部に、成形品共
通部を成形する共通部領域と成形品主要部を成形する主
要部領域とが設けられ、この固定側彫り込み部の共通部
領域に湯道のゲートが開口し、固定側においてこれら固
定側彫り込み部の主要部領域を形成する部分が島状に独
立した分割固定側として主固定側から着脱可能に分割さ
れ、しかも、移動側においても固定側彫り込み部の少な
くとも共通部領域に対応する移動側彫り込みの主要部領
域を形成する部分が主移動側から着脱可能に分割され、
この主固定側に対して上記分割固定側と移動側とが交換
可能に形成されているとともにこの主移動側に対して上
記分割移動側が交換可能に形成されているので、1つの
主固定側に対して複数種類の成形品に応じた分割固定側
及び分割移動側を用意しておくことにより、主固定側を
共通化し、分割固定側及び移動側(分割移動側)のみを
交換して複数種類の成形品を製造することができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に
説明する。図1〜図5において、この発明の実施例に係
る多数個取りの射出成形用ランナレス金型が示されてい
る。この金型は、ポリスチレン樹脂等の汎用熱可塑性樹
脂の射出成形でインスタント食品用スプーンを製造する
ためのものであり、射出成形機の固定ダイプレート4に
固定され、図示外の射出装置から導入される溶融樹脂が
流れる複数の湯道5とこの湯道5の終端に設けられた複
数のゲート6とを有し、かつ、これら各ゲート6直前ま
での湯道5を成形操作中常時加熱する図示外の加熱手段
を有する固定側1と、射出成形機の移動ダイプレート7
に取り付けられる移動側2と、これら固定側1と移動側
2との間に形成されて成形時に上記各ゲート6から溶融
樹脂が充填される複数の彫り込み部3とを備えている。
また、この実施例においては、図4に示すように上記複
数の湯道5と、複数のゲート6と、各湯道5の加熱手段
とが多数個取りノズル8として一体に形成されている。
説明する。図1〜図5において、この発明の実施例に係
る多数個取りの射出成形用ランナレス金型が示されてい
る。この金型は、ポリスチレン樹脂等の汎用熱可塑性樹
脂の射出成形でインスタント食品用スプーンを製造する
ためのものであり、射出成形機の固定ダイプレート4に
固定され、図示外の射出装置から導入される溶融樹脂が
流れる複数の湯道5とこの湯道5の終端に設けられた複
数のゲート6とを有し、かつ、これら各ゲート6直前ま
での湯道5を成形操作中常時加熱する図示外の加熱手段
を有する固定側1と、射出成形機の移動ダイプレート7
に取り付けられる移動側2と、これら固定側1と移動側
2との間に形成されて成形時に上記各ゲート6から溶融
樹脂が充填される複数の彫り込み部3とを備えている。
また、この実施例においては、図4に示すように上記複
数の湯道5と、複数のゲート6と、各湯道5の加熱手段
とが多数個取りノズル8として一体に形成されている。
【0020】そして、上記固定側1と移動側2との間に
形成される複数の彫り込み部3は、図1、3、6及び7
に示すように、その固定側彫り込み部9に、スプーンの
柄の小さな先端部分を成形する共通部領域9aと、この
スプーンの残りの大部分を成形する主要部領域9bとが
形成される。また、固定側彫り込み部9においては、上
記各共通部領域9aが互いに接近して長方形の区画領域
10内に横2列にして集中的に配設されていると共に、
これら各共通部領域9aに上記多数個取りノズル8の各
ゲート6が開口している。
形成される複数の彫り込み部3は、図1、3、6及び7
に示すように、その固定側彫り込み部9に、スプーンの
柄の小さな先端部分を成形する共通部領域9aと、この
スプーンの残りの大部分を成形する主要部領域9bとが
形成される。また、固定側彫り込み部9においては、上
記各共通部領域9aが互いに接近して長方形の区画領域
10内に横2列にして集中的に配設されていると共に、
これら各共通部領域9aに上記多数個取りノズル8の各
ゲート6が開口している。
【0021】また、この固定側1は、その各固定側彫り
込み部9の主要部領域9bを形成する部分が2つの分割
固定側1bとしてその他の主要部分の主固定側1aから
着脱可能に分割されている。まず、分割固定側1bは片
側表面に上記主要部領域9bが形成された平板状の金型
板にて構成されており、一方の主固定側1aは複数の金
型を適宜組み合せた金型板からなるものであり、その最
上部の金型表面には上記共通部領域9aが形成されてい
るとともに該共通部領域9aの終端側近傍に上記分割固
定側1bの寸法よりも大きめの開口寸法からなる取付け
凹部12が形成されている。そして、分割固定側1b
は、主固定側1aの取付け凹部12に嵌め込まれた後、
分割固定側1b上の主要部領域1bが主固定側上の共通
領域1aと整合するように楔等の位置調整固定治具13
により位置調整されることによって取付け固定され、反
対その位置調整固定治具13を除去した後に取付け凹部
12から取り外されるようになっている。このように、
固定側1は主固定側1aに対して分割固定側1bが交換
可能になっている。
込み部9の主要部領域9bを形成する部分が2つの分割
固定側1bとしてその他の主要部分の主固定側1aから
着脱可能に分割されている。まず、分割固定側1bは片
側表面に上記主要部領域9bが形成された平板状の金型
板にて構成されており、一方の主固定側1aは複数の金
型を適宜組み合せた金型板からなるものであり、その最
上部の金型表面には上記共通部領域9aが形成されてい
るとともに該共通部領域9aの終端側近傍に上記分割固
定側1bの寸法よりも大きめの開口寸法からなる取付け
凹部12が形成されている。そして、分割固定側1b
は、主固定側1aの取付け凹部12に嵌め込まれた後、
分割固定側1b上の主要部領域1bが主固定側上の共通
領域1aと整合するように楔等の位置調整固定治具13
により位置調整されることによって取付け固定され、反
対その位置調整固定治具13を除去した後に取付け凹部
12から取り外されるようになっている。このように、
固定側1は主固定側1aに対して分割固定側1bが交換
可能になっている。
【0022】一方、移動側2は、図1、2及び5に示す
ように、彫り込み部3としての複数の移動側彫り込み部
14が形成されており、その移動側彫り込み部14は固
定側彫り込み部9の共通部領域9a及び主要部領域9b
に対応する共通部領域14a及び主要部領域14bとで
構成されている。なお、図2中の2点鎖線Aは上記共通
部領域14aと主要部領域14bの境目を示すために便
宜上付した境界線である。そして、この移動側2につい
ては、移動側彫り込み部14の共通部領域14a及び主
要部領域14bが形成される部分が2つの分割移動側2
bとしてその他の主要部分の主移動側2aから着脱可能
に分割されている。まず、分割移動側2bは片側表面に
上記共通部領域14aと主要部領域9bとが共に形成さ
れた平板状の金型板にて構成されており、一方の主移動
側2aは複数の金型を適宜組み合せた金型板からなるも
のであり、その最上部の金型表面には上記分割移動側2
bの寸法よりも大きめの開口寸法からなる取付け凹部1
5が形成されている。そして、分割移動側2bは、主移
動側2aの取付け凹部15に嵌め込まれた後、所定の固
定位置に合致するように楔等の位置調整固定治具13に
より位置調整されることによって取付け固定され、反対
にその位置調整固定治具13を除去した後に取付け凹部
15から取り外されるようになっている。このように、
移動側2についても主移動側2aに対して分割移動側2
bが交換可能になっている。
ように、彫り込み部3としての複数の移動側彫り込み部
14が形成されており、その移動側彫り込み部14は固
定側彫り込み部9の共通部領域9a及び主要部領域9b
に対応する共通部領域14a及び主要部領域14bとで
構成されている。なお、図2中の2点鎖線Aは上記共通
部領域14aと主要部領域14bの境目を示すために便
宜上付した境界線である。そして、この移動側2につい
ては、移動側彫り込み部14の共通部領域14a及び主
要部領域14bが形成される部分が2つの分割移動側2
bとしてその他の主要部分の主移動側2aから着脱可能
に分割されている。まず、分割移動側2bは片側表面に
上記共通部領域14aと主要部領域9bとが共に形成さ
れた平板状の金型板にて構成されており、一方の主移動
側2aは複数の金型を適宜組み合せた金型板からなるも
のであり、その最上部の金型表面には上記分割移動側2
bの寸法よりも大きめの開口寸法からなる取付け凹部1
5が形成されている。そして、分割移動側2bは、主移
動側2aの取付け凹部15に嵌め込まれた後、所定の固
定位置に合致するように楔等の位置調整固定治具13に
より位置調整されることによって取付け固定され、反対
にその位置調整固定治具13を除去した後に取付け凹部
15から取り外されるようになっている。このように、
移動側2についても主移動側2aに対して分割移動側2
bが交換可能になっている。
【0023】ここで、上記主固定側1aの取付け凹部1
2は、図5や図6に示すように、その取付け凹部の開口
形状に応じて開設された取付け凹部孔を有する金型20
とこの金型20の裏面側に密着接合する平板金型21と
を組み合せることにより形成された凹部である。また、
主移動側2aの取付け凹部15も、上記凹部12と同様
に図5や図8に示すように、その取付け凹部の開口形状
に応じて開設された取付け凹部孔を有する金型30とこ
の金型30の裏面側に密着接合する平板金型31とを組
み合せることにより形成された凹部である。そして、分
割固定側1bと取付け凹部12、また分割移動側2bと
取付け凹部15はいずれも、図5に示すように,その周
面が垂直面(表裏面に対して直角面)となるように形成
されているため、取付けた際においてその接合部が互い
に隙間なくに確実に密着接合されるようになっている。
なお、この取付け凹部12と取付け凹部15はいずれ
も、上記のごとき形成手法によるものに限らず、高精度
の加工などが可能であれば、例えば平板に凹部を穿設加
工したものであってもよい。
2は、図5や図6に示すように、その取付け凹部の開口
形状に応じて開設された取付け凹部孔を有する金型20
とこの金型20の裏面側に密着接合する平板金型21と
を組み合せることにより形成された凹部である。また、
主移動側2aの取付け凹部15も、上記凹部12と同様
に図5や図8に示すように、その取付け凹部の開口形状
に応じて開設された取付け凹部孔を有する金型30とこ
の金型30の裏面側に密着接合する平板金型31とを組
み合せることにより形成された凹部である。そして、分
割固定側1bと取付け凹部12、また分割移動側2bと
取付け凹部15はいずれも、図5に示すように,その周
面が垂直面(表裏面に対して直角面)となるように形成
されているため、取付けた際においてその接合部が互い
に隙間なくに確実に密着接合されるようになっている。
なお、この取付け凹部12と取付け凹部15はいずれ
も、上記のごとき形成手法によるものに限らず、高精度
の加工などが可能であれば、例えば平板に凹部を穿設加
工したものであってもよい。
【0024】また、この実施例において、射出装置に接
続される図示外のスプルブッシング、このスプルブッシ
ングと多数個取りノズル8との間を接続するマニホール
ド、及びこれらスプルブッシング、マニホールド、多数
個取りノズル8等を加熱するヒーター等は、特に図示さ
れていないが、その何れも主固定側1aに組み込まれて
いる。
続される図示外のスプルブッシング、このスプルブッシ
ングと多数個取りノズル8との間を接続するマニホール
ド、及びこれらスプルブッシング、マニホールド、多数
個取りノズル8等を加熱するヒーター等は、特に図示さ
れていないが、その何れも主固定側1aに組み込まれて
いる。
【0025】この実施例のランナレス金型は、次のよう
に使用される。まず、図6に示すように、主固定側1a
を射出成形機の固定ダイプレート4に固定し、次いでこ
の主固定側1aの取付け凹部12に分割固定側1bを位
置調整固定治具13により位置合わせしながら(凹部1
2の隣接する一隅角部に片寄せするように)固定して固
定側1を構成する。一方、図8に示すように、主移動側
2aを射出成形機の移動ダイプレート7に固定し、次い
でこの主移動側2aの取付け凹部15に分割移動側2b
を治具13により位置合わせしながら固定して移動側2
を構成する。そして、図1、図4及び図5に示すよう
に、この固定側1に対して移動側2を移動して両者を密
着させて型閉じした後、固定側1内の多数個取りノズル
8の各ゲート6から固定側彫り込み部9と移動側と彫り
込み部14とで形成される彫り込み部3に溶融樹脂を射
出し、固定側1及び移動側2にそれぞれ設けられた図示
外の冷却水孔中に冷却水を導入して彫り込み部3内の溶
融樹脂を冷却して固化させる。しかる後、移動側2を後
退させて型開きを行うとともに、その型開きの際に移動
側2に設けられたエジェクタピン11により成形品であ
る製品スプーンを彫り込み部3から離型させる。図4、
5中のP.L.はパーティングライン面を示す。
に使用される。まず、図6に示すように、主固定側1a
を射出成形機の固定ダイプレート4に固定し、次いでこ
の主固定側1aの取付け凹部12に分割固定側1bを位
置調整固定治具13により位置合わせしながら(凹部1
2の隣接する一隅角部に片寄せするように)固定して固
定側1を構成する。一方、図8に示すように、主移動側
2aを射出成形機の移動ダイプレート7に固定し、次い
でこの主移動側2aの取付け凹部15に分割移動側2b
を治具13により位置合わせしながら固定して移動側2
を構成する。そして、図1、図4及び図5に示すよう
に、この固定側1に対して移動側2を移動して両者を密
着させて型閉じした後、固定側1内の多数個取りノズル
8の各ゲート6から固定側彫り込み部9と移動側と彫り
込み部14とで形成される彫り込み部3に溶融樹脂を射
出し、固定側1及び移動側2にそれぞれ設けられた図示
外の冷却水孔中に冷却水を導入して彫り込み部3内の溶
融樹脂を冷却して固化させる。しかる後、移動側2を後
退させて型開きを行うとともに、その型開きの際に移動
側2に設けられたエジェクタピン11により成形品であ
る製品スプーンを彫り込み部3から離型させる。図4、
5中のP.L.はパーティングライン面を示す。
【0026】また、この実施例のランナレス金型を用い
て別の成形品、例えばインスタント食品用フォークを成
形する場合には、図9及び図10に示すように、スプー
ン成形用の分割固定側1bを別に用意しておいたフォー
ク成形用の分割固定側1cに交換し、これに合わせて図
示外の移動側2の分割移動側2bもフォーク成形用のも
のに交換し、スプーン成形の場合と全く同様に、固定側
1と移動側との間に形成される彫り込み部3に溶融樹脂
を射出して製品フォークを成形すればよい。
て別の成形品、例えばインスタント食品用フォークを成
形する場合には、図9及び図10に示すように、スプー
ン成形用の分割固定側1bを別に用意しておいたフォー
ク成形用の分割固定側1cに交換し、これに合わせて図
示外の移動側2の分割移動側2bもフォーク成形用のも
のに交換し、スプーン成形の場合と全く同様に、固定側
1と移動側との間に形成される彫り込み部3に溶融樹脂
を射出して製品フォークを成形すればよい。
【0027】なお、この実施例では、図2に示すように
分割移動側2bに移動側彫り込み部14の共通部領域1
4a及び主要部領域14bを共に形成した場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
分割移動側2bには主要部領域14bのみを形成しても
よい。この場合、共通部領域14aは主移動側2aに形
成すればよい。
分割移動側2bに移動側彫り込み部14の共通部領域1
4a及び主要部領域14bを共に形成した場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
分割移動側2bには主要部領域14bのみを形成しても
よい。この場合、共通部領域14aは主移動側2aに形
成すればよい。
【0028】
【発明の効果】本発明の射出成形用ランナレス金型によ
れば、固定側をその主要部分を含む主固定側と固定側彫
り込み部において成形品の大部分を占める成形品主要部
を成形する主要部領域を含む分割固定側とに分割し、し
かも、移動側も主移動側と固定側彫り込み部の少なくと
も主要部領域に対応する移動側彫り込みの主要部領域を
を含む分割移動側とに分割し、この主固定側に対して上
記分割固定側と移動側とを交換可能に形成しているとと
もに主移動側に対して上記分割移動側を交換可能に形成
しているので、1つの主固定側に対して複数種類の成形
品に応じた分割固定側及び分割移動側(分割移動側)を
用意しておくことにより、これら分割固定側及び移動側
(分割移動側)のみを交換して複数種類の成形品を製造
することができる。
れば、固定側をその主要部分を含む主固定側と固定側彫
り込み部において成形品の大部分を占める成形品主要部
を成形する主要部領域を含む分割固定側とに分割し、し
かも、移動側も主移動側と固定側彫り込み部の少なくと
も主要部領域に対応する移動側彫り込みの主要部領域を
を含む分割移動側とに分割し、この主固定側に対して上
記分割固定側と移動側とを交換可能に形成しているとと
もに主移動側に対して上記分割移動側を交換可能に形成
しているので、1つの主固定側に対して複数種類の成形
品に応じた分割固定側及び分割移動側(分割移動側)を
用意しておくことにより、これら分割固定側及び移動側
(分割移動側)のみを交換して複数種類の成形品を製造
することができる。
【0029】このため、例えばナイフ、フォーク及びス
プーン等の複数種類の製品を成形する場合、1つの主固
定側とそれぞれ製品に応じた分割固定側及び移動側(分
割移動側)とを用意しておけばよく、最も重量が嵩みか
つ製造コストもかかる固定側の主固定側が共通化される
ので、ランナレス金型の全ての利点を損なうことなく、
複数種類の成形品を製造するのに必要なランナレス金型
の製造コストを大幅に低減できるほか、比較的軽量な分
割固定側及び移動側(分割移動側)のみを交換すれば別
種類の製品を成形できるので金型交換作業が極めて容易
になる。しかも、成形品の種類変更に大きく左右される
成形品主要部に係る彫り込み部が形成された分割固定側
及び分割移動側が独立した小サイズのものであるため、
上記した複数種類の成形品を製造するのに必要なランナ
レス金型の製造コストの低減化と金型交換作業の容易化
をより一層図ることができる。
プーン等の複数種類の製品を成形する場合、1つの主固
定側とそれぞれ製品に応じた分割固定側及び移動側(分
割移動側)とを用意しておけばよく、最も重量が嵩みか
つ製造コストもかかる固定側の主固定側が共通化される
ので、ランナレス金型の全ての利点を損なうことなく、
複数種類の成形品を製造するのに必要なランナレス金型
の製造コストを大幅に低減できるほか、比較的軽量な分
割固定側及び移動側(分割移動側)のみを交換すれば別
種類の製品を成形できるので金型交換作業が極めて容易
になる。しかも、成形品の種類変更に大きく左右される
成形品主要部に係る彫り込み部が形成された分割固定側
及び分割移動側が独立した小サイズのものであるため、
上記した複数種類の成形品を製造するのに必要なランナ
レス金型の製造コストの低減化と金型交換作業の容易化
をより一層図ることができる。
【図1】 本発明の実施例に係る多数個取りのランナレ
ス金型を示す一部分解斜視説明図である。
ス金型を示す一部分解斜視説明図である。
【図2】 図1の移動側の構成を示す正面説明図であ
る。
る。
【図3】 図1の部分切欠き正面説明図である。
【図4】 図3のIV−IV線断面説明図である。
【図5】 図3のV−V線断面説明図である。
【図6】 分割固定側と主固定側とを示す図1の固定側
の分解組立説明図である。
の分解組立説明図である。
【図7】 図1の固定側彫り込み部を示す平面説明図で
ある。
ある。
【図8】 分割移動側と主移動側とを示す図1の移動側
の分解組立説明図である。
の分解組立説明図である。
【図9】 他の分割固定側と主固定側とを示す図6と同
様の固定側の分解組立説明図である。
様の固定側の分解組立説明図である。
【図10】 図9の固定側彫り込み部を示す図7と同様
の平面説明図である。
の平面説明図である。
1…固定側、1a…主固定側、1b、1c…分割固定
側、2…移動側、2a…主移動側、2b…分割移動側、
3…彫り込み部、4…固定ダイプレート、5…湯道、6
…ゲート、7…移動ダイプレート、9…固定側彫り込み
部、9a…共通部領域、9b…主要部領域、10…区画
領域、11…エジェクタピン、12、15…取付け凹
部、14…移動側彫り込み部、14a…共通部領域、1
4b…主要部領域。
側、2…移動側、2a…主移動側、2b…分割移動側、
3…彫り込み部、4…固定ダイプレート、5…湯道、6
…ゲート、7…移動ダイプレート、9…固定側彫り込み
部、9a…共通部領域、9b…主要部領域、10…区画
領域、11…エジェクタピン、12、15…取付け凹
部、14…移動側彫り込み部、14a…共通部領域、1
4b…主要部領域。
Claims (2)
- 【請求項1】 射出成形機の固定ダイプレートに固定さ
れ、射出装置から導入される溶融樹脂が流れる湯道とこ
の湯道の終端に設けられたゲートとを有し、かつ、この
ゲート直前までの湯道を成形操作中常時加熱する加熱手
段を有する固定側と、射出成形機の移動ダイプレートに
取り付けられる移動側と、これら固定側と移動側との間
に形成されて成形時に上記ゲートから溶融樹脂が充填さ
れる彫り込み部とを備えた射出成形用ランナレス金型に
おいて、 上記固定側に形成された固定側彫り込み部には複数種類
の成形品の形状から設計された小さな略同一形状の成形
品共通部を成形する共通部領域と成形品の大部分を占め
る成形品主要部を成形する主要部領域とを設け、上記固
定側彫り込み部の共通部領域に上記湯道のゲートを開口
させ、固定側においてこの固定側彫り込み部の主要部領
域を形成する部分を島状に独立した分割固定側としてそ
の他の主要部分の主固定側から当該分割固定側が主固定
側に形成される取付け凹部に着脱自在に取付けれるよう
に分割し、 一方、移動側に形成された移動側彫り込み部には固定側
彫り込み部の共通部領域及び主要部領域に対応する共通
部領域及び主要部領域を設け、移動側において固定側彫
り込み部の少なくとも主要部領域に対応した移動側彫り
込み部の主要部領域を形成する部分を島状に独立した分
割移動側としてその他の主要部分の主移動側から当該分
割移動側が主移動側に形成される取付け凹部に着脱自在
に取り付けられるように分割し、 上記の主固定側に対して上記分割固定側と移動側とを交
換可能にするとともに上記の主移動側に対して上記分割
移動側を交換可能にしたことを特徴とする射出成形用ラ
ンナレス金型。 - 【請求項2】 金型がその固定側に複数の湯道及びゲー
トが形成され、かつ、固体側と移動側との間に複数の彫
り込み部を有する多数個取り金型であり、固定側に形成
された各固定側彫り込み部の共通部領域を互いに接近さ
せて所定の区画領域内に配設すると共に、この区画領域
を主固定側に位置せしめる請求項1記載の射出成形用ラ
ンナレス金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6266614A JP2584953B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 射出成形用ランナレス金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6266614A JP2584953B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 射出成形用ランナレス金型 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08127045A true JPH08127045A (ja) | 1996-05-21 |
JP2584953B2 JP2584953B2 (ja) | 1997-02-26 |
Family
ID=17433267
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6266614A Expired - Lifetime JP2584953B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 射出成形用ランナレス金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2584953B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010069734A (ja) * | 2008-09-18 | 2010-04-02 | Nec Corp | 樹脂封入金型 |
JP2010208079A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Konica Minolta Opto Inc | 成形装置 |
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1994
- 1994-10-31 JP JP6266614A patent/JP2584953B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010069734A (ja) * | 2008-09-18 | 2010-04-02 | Nec Corp | 樹脂封入金型 |
JP2010208079A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Konica Minolta Opto Inc | 成形装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2584953B2 (ja) | 1997-02-26 |
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