JPH0812686A - アリ−ル燐酸エステルの製造方法 - Google Patents

アリ−ル燐酸エステルの製造方法

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JPH0812686A
JPH0812686A JP14331494A JP14331494A JPH0812686A JP H0812686 A JPH0812686 A JP H0812686A JP 14331494 A JP14331494 A JP 14331494A JP 14331494 A JP14331494 A JP 14331494A JP H0812686 A JPH0812686 A JP H0812686A
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phosphoric acid
acid ester
reaction
active hydrogen
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JP14331494A
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Kazuhiro Matsubara
一博 松原
Tsutomu Katsumata
勉 勝又
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 オキシハロゲン化燐と1価フェノール類及び
/または多価フェノール類からアリール燐酸エステルを
製造する方法に於いて、合成反応終了後に活性水素を持
つ化合物を加えて更に反応を続け、脱ハロゲン化水素反
応を完了させる。 【効果】 製品の水及び/またはアルカリ水での洗浄に
よる精製工程での油水分離性が改善でき、製品の回収率
を高める事が出来ると同時に、残留ハロゲン分の少ない
高品質のアリール燐酸エステルを製造する事が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に難燃剤として使用
される燐酸エステルの製造方法であり、更に詳しくは、
オキシハロゲン化燐と、1価フェノール類及び/または
多価フェノール類を主原料として、残留ハロゲン分が少
ない、高品質のアリール燐酸エステルを安価に製造する
方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】樹脂に難燃性を賦与する方法として、無
機水酸化物、有機ハロゲン化物、燐酸エステルなどの難
燃剤を添加する方法が広く用いられている。このうち燐
酸エステル類は、効果の高い非ハロゲン難燃剤として、
特に分子内に酸素原子を含む樹脂に広く使用されてい
る。代表的な燐酸エステル難燃剤としてはトリフェニル
ホスフェート(TPP)が良く知られている。TPPは
通常、オキシ塩化燐とフェノールの脱塩化水素反応によ
り合成され、蒸留と再結晶を経て未反応物の除去・精製
が行われる。しかしTPPは、例えば低温で揮発する欠
点があり、この為樹脂との混合や成形の過程で揮発し
て、作業環境の汚染やモールドデポジット、成形品表面
へのしみ出しなどの問題を起こしている。これらの問題
を解決する燐酸エステル化合物としては、特公昭51−
19858号や特公昭53−44340号、特公昭62
−25706号、特公平2−18336号、特開昭55
−118957号等に記載されている一般式(1)の化
合物がある。
【0003】
【化3】
【0004】又、樹脂組成物の物性改良の為、例えば、
特開平5−148403号や特開平5−209086号
にはヒドロキシル基含有アリール燐酸エステルが提案さ
れている。これらの燐酸エステルは、オキシハロゲン化
燐と、対応する1価フェノール類及び/または多価フェ
ノール類を、AlCl3,MgCl2等の金属ハロゲン化
物を触媒として脱ハロゲン化水素反応する方法で合成さ
れ、その詳細は特開昭50−101489号、特公昭5
4−32818号、特公昭62−25706号、特開昭
63−227632号、特開平1−223158号など
に記載されている。
【0005】これらの方法で合成される燐酸エステルに
は、一般にハロゲン元素が0.1〜1wt%程度残留す
る。このハロゲン元素は、生成物に溶解したハロゲン化
水素、用いた触媒の金属ハロゲン化物に由来する物、お
よびジアリールホスホリックハライド等の、燐に結合す
る未反応ハロゲンによる物である。燐に結合する未反応
ハロゲンを持つ化合物を無くす為、高温・長時間反応さ
せる事は、製造コストの上昇と製品の熱変成を招き、実
用的でない。
【0006】これらハロゲンを含む化合物が混入する
と、樹脂組成物の着色や、押出し・成形時の金型腐食等
の問題が引き起こされる。この為、一般には精製工程が
設けられており、水及び/またはアルカリ水による洗浄
が採用されている。しかし、燐に結合する未反応ハロゲ
ンを持つ化合物が、加水分解して燐酸ジアリール等とな
り、これが界面活性剤として作用する為、エマルジョン
を生じ易く、油相の製品と水相の分離が極めて困難であ
るばかりでなく、製品の回収率が大幅に悪化する。又、
油相分離性が悪い事に起因して、製品中の残留ハロゲン
濃度が高くなり、樹脂組成物の着色や、押出し・成形時
の金型腐食等の問題が生じ易い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、穏やかな条
件下で脱ハロゲン化水素反応を完了させる事により、燐
に結合する未反応ハロゲンを無くす事により、残留ハロ
ゲン分が少ない高品質のアリール燐酸エステルを、安価
に製造する方法を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、燐酸エステル合成反応
後に、反応性の高い活性水素を持つ化合物を添加して更
に反応を続ける事で、脱ハロゲン化水素反応を容易に完
結でき、残留ハロゲン分の少ない高品質の燐酸エステル
を容易に得る事が出来る事を見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0009】すなわち、本発明は、アリール燐酸エステ
ルを製造するに当たり、オキシハロゲン化燐と、対応す
る1価フェノール類及び/または多価フェノール類の脱
ハロゲン化水素反応により該燐酸エステルを合成した
後、アミン類及び/またはアルコール類から選ばれる活
性水素を持つ化合物を加えて更に反応を続け、燐に結合
する未反応ハロゲンを疎水性の置換基で置き換える工程
を設ける事を特徴とする燐酸エステルの製造方法であ
り、好ましくは、該燐酸エステルが一般式(1)
【0010】
【化4】
【0011】で表される化合物であり、活性水素を持つ
該化合物がR6NHR7[ここでR6、R7は独立に炭素数
1〜8のアルキル基で、両者の炭素数の和が4以上であ
る]で示されるアミンであり、活性水素を持つ該化合物
の使用量が仕込のオキシハロゲン化燐に対し0.1モル
%以上であり、反応温度がエステル合成反応温度と活性
水素を持つ該化合物の沸点のうち低い方の温度以下であ
る燐酸エステルの製造方法である。
【0012】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明の製造方法は、前段で、オキシハロゲン塩化燐と、
該当する1価フェノール類及び/または多価フェノール
類の脱ハロゲン化水素反応により、アリール燐酸エステ
ルを合成した後、後段でアミン類及び/またはアルコー
ル類から選ばれる反応性の高い活性水素を持つ化合物を
加えて更に反応を続け、脱ハロゲン化水素反応を完結さ
せるものである。
【0013】ここで使用する1価フェノール類として
は、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、ト
リメチルフェノール、エチルフェノール、メチル−エチ
ルフェノール、ジエチルフェノール、プロピルフェノー
ル、イソプロピルフェノール、メチル−プロピルフェノ
ール、エチル−プロピルフェノール、ジプロピルフェノ
ール等が挙げられる。又、多価フェノール類としては、
例えばヒドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、
ビスフェノールS、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、テトラブロモビスフェノールA、テトラ
ブロモビスフェノールS、ピロガロール、フロログルシ
ン等が挙げられる。
【0014】製造方法のうち前段のアリール燐酸エステ
ルの合成は、公知の方法を用いる事が出来る。例えば特
開昭50−101489号には、フェニルホスホニック
ジクロライドまたはフェニルホスホロクロライドと、該
当する2価フェノールを脱塩酸反応させる方法が、特公
昭54−32818号には、ルイス酸を触媒とし、オキ
シ塩化燐と、該当する1価フェノール及び2価フェノー
ルを脱塩酸反応させる方法が、特開昭63−22763
2号には、塩化アルミニウムまたは塩化マグネシウムを
触媒として、オキシ塩化燐と、該当する2価フェノール
を脱塩酸反応させた後、未反応のオキシ塩化燐を除去
し、更に該当する1価フェノールを脱塩酸反応させる方
法が記載されている。この様にして得られた燐酸エステ
ルは、減圧蒸留による未反応物除去後も、ハロゲン化水
素と、触媒及び燐に結合する未反応ハロゲンを持つ化合
物が残留している。残留するハロゲン分の量は合成条件
により異なるが、概ね0.1〜1wt%の範囲である。
【0015】後段の工程は、燐に結合する未反応ハロゲ
ンを持つ化合物に、アミン類及び/またはアルコール類
から選ばれる活性水素を持つ化合物を加えて更に反応を
続け、脱ハロゲン化水素反応を完結させて、ハロゲン原
子を疎水性の置換基に置き換える工程である。ここで使
われる活性水素を持つ化合物のうち、アミン類は一般式
(2)
【0016】
【化5】
【0017】[式中、R6,R7は独立に、水素、炭素数
1〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
基、アリールアルキル基であるが、両者が共に水素であ
る事はない。]で表され、代表的な化合物としては、n
−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミ
ン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、ヘキシ
ルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オ
クチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミ
ン、ラウリルアミン、セチルアミン、ステアリルアミ
ン、オレイルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミ
ン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチル
−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−イソ
ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキ
シルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、シクロヘキ
シルベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−2
−エチルヘキシルアミン、ジデシルアミン、ジラウリル
アミン、ジセチルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジ
ルアミン等が挙げられる。
【0018】また、アルコール類は一般式
【0019】
【化6】
【0020】[式中、R8は、炭素数1〜20のアルキ
ル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリールアル
キル基である。]で表され、代表的な化合物としては、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、アリルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンチ
ルアルコール、ネオペンチルアルコール、n−ヘキシル
アルコール、シクロヘキシルアルコール、ヘプチルアル
コール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアル
コール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリ
ルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコー
ル等が挙げられる。
【0021】これらのうち、一般式(2)
【0022】
【化7】
【0023】[ここでR6,R7は独立に炭素数1〜8の
アルキル基、アルケニル基、またはシクロアルキル基
で、両者の炭素数の和が4以上である。]で示される2
級アミン類が、特に望ましい。具体的な化合物として、
例えば、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メ
チル−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−
イソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−
ヘキシルアミン、メチル−シクロヘキシルアミン、ジ−
2−エチルヘキシルアミン等が挙げられる。
【0024】これらの活性水素を持つ化合物は、単独で
使用しても複数を併用しても良い。又これらの化合物添
加剤と燐酸エステルの混合を容易にする為、非水溶媒を
併用しても良い。活性水素を持つ化合物の添加量は、燐
酸エステルの合成反応条件により異なるが、原料のオキ
シハロゲン化燐に対し0.1モル%以上等モル以下が適
当である。0.1モル%以下では充分な効果が得られ
ず、また等モル以上加えても改善効果は小さくしかも過
剰の添加物が未反応のまま残るため、これらの回収工程
が必要となる。但し、化合物に燐酸エステル組成物の粘
度を下げるための溶媒としての作用を兼ねさせる場合に
は、等モル以上を加える事が出来る。
【0025】化合物を作用させる温度は化合物の種類に
より異なるが、エステル合成反応温度と、活性水素を持
つ化合物の沸点のうち、低い方の温度以下が好ましい。
活性水素を持つ化合物の作用により、エステル化反応工
程で残留する未反応のハロゲンは、以下の反応に従い疎
水性の置換基に置き換えられる。
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】[ここでXはハロゲン元素を示す。]
【0029】
【実施例】以下、参考例、実施例、比較例により具体的
に説明する。
【0030】
【参考例1】 燐酸エステルの合成。 ビスフェノールA114g,オキシ塩化燐157g,及
び無水塩化マグネシウム3gを、かくはん機・還流管付
きの500ml四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下1
00〜140℃にて反応させた。反応時に発生する塩化
水素ガスは水にて捕集し、その発生量にて反応の進行を
モニターした。反応終了後、反応温度を維持しつつ、フ
ラスコを真空ポンプにて200mmHg以下に減圧し、未反
応のオキシ塩化燐をトラップにて回収した。ついでフラ
スコを室温まで冷却してフェノール188gを加えた
後、140〜180℃に加熱して反応させた。反応時に
発生する塩化水素ガスは水にて捕集し、その発生量にて
反応の進行をモニターした。反応終了後、反応温度を維
持しつつ、フラスコを真空ポンプにて200mmHg以下に
減圧し、未反応のオキシ塩化燐をトラップにて回収し
た。淡黄色透明な、下記化学式で表される反応物304
gを得た。
【0031】
【化10】
【0032】イオンクロマト法で測定した塩素分は0.
32%であった。
【0033】
【参考例2】ビスフェノールA114gの代わりにレゾ
ルシノール55gを用いた事以外は、参考例1と同様の
方法により、淡黄色透明な、下記化学式で表される反応
物276gを得た。
【0034】
【化11】
【0035】イオンクロマト法で測定した塩素分は0.
41%であった。
【0036】
【参考例3】ビスフェノールA114gの代わりにビス
フェノールS125gを用いた事以外は、参考例1と同
様の方法により、淡黄色透明な、下記化学式で表される
反応物307gを得た。
【0037】
【化12】
【0038】イオンクロマト法で測定した塩素分は0.
37%であった。
【0039】
【参考例4】フェノール188gの代わりにクレゾール
216gを用いた事以外は、参考例1と同様の方法によ
り、無色透明な、下記化学式で表される反応物326g
を得た。
【0040】
【化13】
【0041】イオンクロマト法で測定した塩素分は0.
28%であった。
【0042】
【実施例1】参考例1で得られた燐酸エステル70gを
300mlトールビーカーに取り、2−エチルヘキシル
アミン7gを加え、かくはんしながら100℃で1時間
保った。この組成物に温水100mlを加えて60℃で
5分間激しくかくはん後静置して水相を分離した。つぎ
に0.1規定水酸化ナトリウム水溶液100mlを加え
て同様の洗浄を2回行い、更に温水100mlを加えて
同様の洗浄を2回行った。何れの場合にもエステル相と
水相は5分以内に分離した。減圧乾燥にて水分と過剰の
アミンを除去し、淡黄色透明な粘調組成物69gを得
た。組成物の残留塩素濃度は0.5ppm以下であっ
た。
【0043】
【実施例2】参考例2で得られた燐酸エステル57gを
300mlトールビーカーに取り、イソプロパノール1
gを加え、かくはんしながら80℃で1時間保った。こ
の組成物に温水100mlを加えて60℃で5分間激し
くかくはん後静置して水相を分離した。つぎに0.1規
定水酸化ナトリウム水溶液100mlを加えて同様の洗
浄を2回行い、更に温水100mlを加えて同様の洗浄
を2回行った。何れの場合にもエステル相と水相は5分
以内に分離した。減圧乾燥にて水分と残留するアルコー
ルを除去し、淡黄色透明な粘調組成物55gを得た。組
成物の残留塩素濃度は0.5ppm以下であった。
【0044】
【実施例3】参考例3で得られた燐酸エステル73gを
300mlトールビーカーに取り、ジ(2エチルヘキシ
ル)アミン6gを加え、かくはんしながら150℃で1
時間保った。この組成物に温水100mlを加えて60
℃で5分間激しくかくはん後静置して水相を分離した。
つぎに0.1規定水酸化ナトリウム水溶液100mlを
加えて同様の洗浄を2回行い、更に温水100mlを加
えて同様の洗浄を2回行った。何れの場合にもエステル
相と水相は2分以内に分離した。減圧乾燥にて水分と過
剰のアミンを除去し、無色透明な粘調組成物70gを得
た。組成物の残留塩素濃度は0.5ppm以下であっ
た。
【0045】
【実施例4】参考例4で得られた燐酸エステル76gを
300mlトールビーカーに取り、ジブチルアミン26
gを加え、かくはんしながら100℃で1時間保った。
この組成物に温水100mlを加えて60℃で5分間激
しくかくはん後静置して水相を分離した。つぎに0.1
規定水酸化ナトリウム水溶液100mlを加えて同様の
洗浄を2回行い、更に温水100mlを加えて同様の洗
浄を2回行った。何れの場合にもエステル相と水相は2
分以内に分離した。減圧乾燥にて水分と過剰のアミンを
除去し、無色透明な粘調組成物75gを得た。組成物の
残留塩素濃度は0.5ppm以下であった。
【0046】
【比較例1】参考例2で得られた燐酸エステル57gに
温水100mlを加えて60℃で5分間激しくかくはん
後静置して水相を分離した。この分離には20分以上を
要した。つぎに0.1規定水酸化ナトリウム水溶液10
0mlを加えて同様の洗浄を2回行ったが、何れの場合
も水相の分離に120分以上を要し、界面にエマルジョ
ン相が残った。エマルジョン相を除去し、更に温水10
0mlを加えて同様の洗浄を2回行った。減圧乾燥にて
水分を除去し、黄色の粘調組成物45gを得た。組成物
の残留塩素濃度は12ppmであった。
【0047】
【比較例2】参考例4で得られた燐酸エステル76gに
温水100mlを加えて60℃で5分間激しくかくはん
後、3時間静置して、60mlの水相を回収した。つぎ
に0.1規定水酸化ナトリウム水溶液100mlを加え
て同様の洗浄を行った結果、エマルジョン化が生じ水相
の分離が出来なかった。60℃,3000rpm,1時
間の遠心分離により、淡黄色透明なエステル相を回収
し、減圧乾燥にて水分を除去して粘調組成物63gを得
た。組成物の残留塩素濃度は20ppmであった。
【0048】
【発明の効果】実施例から明らかな様に、アリール燐酸
エステルを製造するに当たり、オキシハロゲン化燐と対
応する1価フェノール類及び/または多価フェノール類
の脱ハロゲン化水素反応により該燐酸エステルを合成し
た後、一部残留する燐に結合する未反応のハロゲンを持
つ化合物に対し、アミン類及び/またはアルコール類か
ら選ばれる活性水素を持つ化合物を加え更に反応を続け
る事により、脱ハロゲン化水素反応を穏やかな条件下で
完了させる事が出来、このため製品の水及び/またはア
ルカリ水での洗浄による精製工程での油水分離性が改善
でき、製品の回収率を高める事が出来ると同時に、残留
ハロゲン分の少ない高品質のアリール燐酸エステルを製
造する事が出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキシハロゲン化燐と、対応する1価フ
    ェノール類及び/または多価フェノール類の脱ハロゲン
    化水素反応によりアリ−ル燐酸エステルを合成した後、
    アミン類及び/またはアルコール類から選ばれる活性水
    素を持つ化合物を加え、更に反応を続ける事を特徴とす
    るアリ−ル燐酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 アリ−ル燐酸エステルが一般式(1)で
    表される化合物である、特許請求の範囲第1項記載のア
    リ−ル燐酸エステルの製造方法。 【化1】
  3. 【請求項3】 活性水素を持つ該化合物が、一般式
    (2)で示されるアミンである、特許請求の範囲第1項
    記載のアリ−ル燐酸エステルの製造方法。 【化2】 [ここでR6、R7は独立に炭素数1〜8のアルキル基
    で、両者の炭素数の和が4以上である。]
  4. 【請求項4】 活性水素を持つ該化合物の使用量が仕込
    のオキシハロゲン化燐に対し0.1モル%以上であり、
    反応温度がエステル合成反応温度と活性水素を持つ該化
    合物の沸点のうち低い方の温度以下である、特許請求の
    範囲第1項、第2項及び第3項記載のアリ−ル燐酸エス
    テルの製造方法。
JP14331494A 1994-06-24 1994-06-24 アリ−ル燐酸エステルの製造方法 Withdrawn JPH0812686A (ja)

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