JPH08126502A - 一体成形面ファスナーのフック片構造 - Google Patents
一体成形面ファスナーのフック片構造Info
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Abstract
ク片の全体に柔軟性をもたせ、しかも相手方のループ片
との係合率を確保しつつ、繰返し荷重に対しても耐久性
を有するフック片構造を提供する。 【構成】本発明のフック片構造によれば、特に補強リブ
(13)を上下に多段(13a,13b) に形成することにより、フ
ック状係合部(12)を柔軟に構成できると同時に、ループ
片との係合の際に同ループ内に侵入しやすくして係合率
を高め、また補強リブ(13)の上端を前記フック状係合部
(12)の湾曲部(12a) にまで延設するため、立上り部(11)
の側面に単に補強リブを形成する場合とは異なり、フッ
ク状係合部(12)を肉薄で且つ柔軟に形成しても所定の係
合力が確保される。
Description
押出し又は射出により平板状基材と多数のフック片とが
一体成形して得られる面ファスナー用の係合部材に関
し、更に詳しくは成形により得られるフック片であるに
も関わらずモノフィラメントの柔軟性と強靱性とを兼ね
備え、かつ耐久性に富むフック片構造に関する。
は、織物にモノフィラメントを織込み、その一部をカッ
トしてフック片を形成したものが古くから知られてい
る。このタイプの面ファスナーは、織物特有の柔軟性と
モノフィラメントの柔軟性とを兼ね備え、相手方ループ
との係合・剥離時の感触が極めて滑らかな点に特徴があ
る。しかも、フックを構成するモノフィラメントは延伸
工程を経ているため、小さな断面積であっても引張り強
さ及び曲げ強さに優れており、更には織物組織によって
は極めて高密度にフック群を構成し得るため、係合率も
高く、かつ繰り返し使用に十分耐え得るものである。し
かし、この織物タイプの面ファスナーでは、材料消費が
大きい上に、多段の工程が必要であるため、製造コスト
の低減を図ることが難かしい。
より基材とフック片を一体に同時成形する一体成形タイ
プの面ファスナーがある。この種の面ファスナーの成形
技術の代表的な例が、例えば米国特許3,312,58
3号明細書、WO87/06522号に開示されてい
る。これを簡単に説明すると、複数枚のフック片成形用
のキャビティが外周の側面に形成された成形円盤と側面
が平坦面とされたスペーサ用円盤とを交互に積層して固
定した回転ドラムの周面部に平板状基材と一体に成形さ
れたキャビティ内のフックを、ドラムの回転に合わせて
基材と共に引き抜くものである。ここで、スペーサ用円
盤は、フックの形状自体のためフックの全体形状を一つ
の金型にキャビティとして形成し得ないために各成形円
盤の間に介在させる。
スナーでは、その型加工の技術的困難性のため、いずれ
も織物タイプのような繊細な形状を得ることができない
ばかりでなく、成形されるフック片は分子の配向性に乏
しいため、上述のモノフィラメントによるフック片と同
様の太さでは極めて強度が低く、到底実用に耐えられな
い。更には、上記フック片構造では、その立上り部の断
面形状は単純なものとなり、根元起立部から倒伏し易
い。その結果、繰返し使用されると元の姿勢に戻らなく
なり、ループ材との係合率を更に低下させる。従って、
所望の強度を確保しようとすると、必然的に個々のフッ
ク片自体のサイズを大きくせざるを得ず、剛直なものと
なるばかりでなく、単位面積当りのフック数(フック片
密度)が少なくなり、相手ループ材との係合率が低くな
る。
にくく、且つ係合・剥離時において織物タイプの面ファ
スナーと同様の滑らかな感触が得られ、しかも係合率が
高く、十分な繰返し強度と耐久性が確保される新規なフ
ック片構造が、例えば米国特許第5,131,119号
明細書に開示されている。即ち、同明細書に開示された
一体成形タイプの面ファスナーは、フック片が基材から
滑らかな曲線上を傾斜して立ち上がる背面と上方に立ち
上がる前面とを有する立上り部の先端から前方にフック
状係合部を延設すると共に、同フック状係合部の先端か
ら前記立上り部の基端にかけて断面積を漸増させ、更に
は前記立上り部の側面に補強リブを突出形成している。
この補強リブは、前記立上り部の横倒れをなくし、同時
に同立上り部とフック状係合部を所要の係合強度に耐え
得る最小の太さとすることを可能にする。そして、この
補強リブの高さは、平板状の基材の表面と先端を下方に
向けて湾曲した上記フック状係合部の先端とを結ぶ垂直
線分の略1/2の高さをもっている。
9号明細書にも同じくフック片の一側面に、同フック片
の厚みと同一厚みを有し且つそのフック状係合部の湾曲
部先端の高さより上方まで延在する補強リブを有するフ
ック片構造が開示されている。
許第5,131,119号明細書に開示された補強リブ
が上述のごとき形状であるため、補強リブの頂点より上
方のフック状係合部のフック側及びその背面側に、それ
ぞれ伸び及び圧縮による大きな応力集中が発生する。そ
のため、フック状係合部が繰返し荷重を受けると補強リ
ブの頂点付近が脆弱となり、同部分で切断されやすくな
る傾向をもつことになる。
号明細書に開示された補強リブの形状はフック片の側面
形状と一致させており、フック片構造の全体形状を見る
と単にフック状係合部を縦割りにして半部を残した形状
としているに過ぎない。換言すると、補強リブを有しな
い従来の一体成形フック片構造において、立上り部及び
フック状係合部の起端の一部を残して、残るフック状係
合部を左右に2分割し、その一方を切除して肉薄のフッ
ク状係合部としたに過ぎず、単にフック状係合部だけを
1/2の厚さに形成したものに相当し、フック片の先端
部だけが柔軟になり、立上り部は従来と同様の剛性を有
することになる。
の用途は、例えば乳幼児の紙オムツや肌着等にも使われ
るように拡大しつつあり、更に柔軟性をもつフック片が
求められている。この柔軟性を材質に求める場合には限
度があり、必然的にフック片の合理的な構造に依存せざ
るを得ない。
19号明細書に開示されたフック片構造では、フック片
の厚みを薄くすると補強リブの高さが低すぎてフック状
係合部だけなく立上り部とフック状係合部との連結部間
においても柔軟に過ぎるため、同連結部において撓屈し
やすく、相手ループ片との係合率が極端に低下する。
号明細書に開示されたフック片構造では、補強リブがフ
ック片の立上り部からフック状係合部の一部にわたっ
て、その側面形状が一致して形成されているため、フッ
ク片の殆ど全体が従来と同様の厚みを有し、同フック片
に直接又は間接的に肌が接触したときの剛直感は払拭さ
れない。更に、フック状係合部を除くフック片全体が高
さ方向に同一厚みを有するため、フック片全体に柔軟性
をもたせる場合には、フック状係合部の2倍の厚みをも
つ立上り部及びフック状係合部の一部をも薄く形成する
と共に、フック係合部の殆どを更に薄く形成せざるを得
ず、左右に極めて倒伏しやすく、相手方ループ片との係
合率を極端に低下させる。
たものであり、その目的はフック片の極端な横倒れをな
くすと共に、フック片の全体に柔軟性をもたせ、しかも
相手方のループ片との係合率を確保しつつ、繰返し荷重
に対しても耐久性を有するフック片構造を提供すること
にある。
く、本発明は平板状基材の表面に多数のフック片が一体
成形されて突出してなる面ファスナー用係合部材におい
て、前記フック片は基材から滑らかな曲線上を傾斜して
立ち上がる背面及び上方に立ち上がる前面をもつ立上り
部と、その先端から湾曲して前方に延びるフック状係合
部とを有すると共に、前記フック状係合部の先端から前
記立上り部の起端にかけて断面積を漸増させて、前記立
上り部から前記フック状係合部の一部にかけて少なくと
も1側面に補強リブを有しており、前記補強リブは頂点
から起端にかけて複数のリブにより多段に形成され、少
なくとも前記立上り部に最も近く背の高い第1リブの頂
点が、前記フック状係合部の湾曲部先端を通過する前記
平板状基材の上面に略平行な接線の上方に位置してなる
ことを特徴とする一体成形面ファスナーのフック片構造
を主要な構成として採用している。
強リブは前記立上り部の起端部の略中央から立ち上が
り、前記立上り部の中点を通る前記基材の上面に平行な
直線が交差する部分の前記補強リブの前後幅と前記立上
り部の前後幅との比が1:5〜1:2に設定される。
の左右側面に形成され、左右に形成された同補強リブが
同一形状である場合と異形状をなす場合とがあり、異形
状の例としては左右に形成された同補強リブのうち一方
の補強リブが他方の補強リブの高さより低く設定されて
いる。
の起端の略中央部から垂直に立ち上がり、同立上り部の
略中央から前記起端にかけて同リブの幅を末広がりに漸
増しており、その変形例として最上段リブがその高さ方
向の略中央から上端にかけてフック片の軸線に沿ってフ
ック状係合部の前記湾曲部と共に湾曲して延在させる場
合がある。更には、前記補強リブの最上段リブを、前記
立上り部の起端部から軸線に沿って斜めに立ち上がると
共に、フック状係合部の先端近くまで軸線に沿って前記
湾曲部と共に延在してなり、その起端から先端にかけて
幅及び厚みを漸次減少させることもある。
形成されるとき、隣合うフック片列間において、左右の
補強リブのうち最下段のリブ同志を一体に連結する。
ブは、フック片がいたずらに横倒れすることを防止する
機能を有することは勿論であるが、本発明の補強リブに
よればループ片によりフック片が上方から押圧される
と、フック片は上方から段階的に順次横倒れするため、
側方にあるループ片に沿ってフック状係合部が段階的に
横方向に延び、しかもリブ起端部に存在する最下段のリ
ブが最も肉厚とされているため同起端部分においては横
倒れを生ずることがなく、ループ片を起端まで導入しや
すくし、同ループ内に侵入したフック状係合部を確実に
捕捉して外れ難くし係合率を高める。
ック状係合部の湾曲部の途中まで延設させている点は、
柔軟性が高くループ片が外れやすいフック状係合部に柔
軟性を維持させると同時に、ループ片に対して外れにく
くして所定の係合力を保証するものである。即ち、フッ
ク状係合部からループ片を外そうとして同ループ片を上
方に引き上げるとき、本発明のフック片は最上段のリブ
先端部がフック状係合部の湾曲部の途中まで延びている
ため、同湾曲部の起端部において容易には折れ曲がるこ
とがなく、係合しているループ片が上方に引き上げられ
てもフック状係合部の湾曲形状を維持しようとして、簡
単にはループ片を外れないようにする。このときの抗力
は個々のフック片では僅かなものとなるが、面ファスナ
ー全体としては極めて大きな抗力となり所定の剥離力を
得る。
記立上り部の起端の略中央から立ち上がり、前記立上り
部の中点を通る前記基材の上面と平行な直線が交差する
部分の前記補強リブの前後幅と前記立上り部の前後幅と
の比を1:5〜1:2に設定し、同リブに沿った前後及
び上部の周辺を前記立上り部及びフック状係合部と同一
の厚みとする場合がある。この場合、前記比が1:5以
下であるとリブ本来の補強機能が失われ、また同比が
1:2を越えるとフック片が補強リブの剛性に支配され
て、フック片全体が剛直なものとなり、特に前述のごと
く同補強リブの前後及び上部周辺に柔軟な立上り部及び
フック状係合部がヒレ状に形成されるため、フック状係
合部をも含めて補強リブの周辺部の全体が柔軟性に富ん
だものとなり、同フック片構造を有する面ファスナーを
肌着等に使用した場合には極めて優れた感触が得られ、
肌を傷つけることがなく違和感を伴わない。
強リブが形成され、隣合うフック片列間において最下段
のリブを連結する場合には、フック片列間の基材部分が
裂断しにくくなる。
に説明する。図1は本発明の代表的なフック片構造例を
もつ面ファスナーの一部側面図、同正面図及び同他側面
図を示している。
ら滑らかな曲線上を傾斜して立ち上がる背面11a、上
方に立ち上がる前面11bを有する立上り部11、及び
その先端から前方に延び、下方に湾曲するフック状係合
部12を備えている。更に、同フック片10は前記立上
り部11から前記フック状係合部12にかけて、その一
側面に第1の補強リブ13が突設されている。
向に多段をなしていることに第1の特徴を有している。
図示例では、前記補強リブ13は2段からなり、その第
1段リブ13aは前記立上り部11の起端から前記フッ
ク状係合部12の湾曲部12aにかけて延在しており、
前記立上り部11の略中央から上端にかけてほぼ同一の
前後幅を有しており、同立上り部11の略中央からその
起端にかけては前後に漸次拡がる末広がり状とされてい
る。そして、同第1段リブ13aの前記末広がり部分に
は側面が第1段リブ13aとほぼ同一の末広がりをなす
略山形の第2段リブ13bが突出している。前記第1段
リブ13aの頂点O2 は、前記フック状係合部12の湾
曲部12a先端O1 を通過し、前記平板状基材15の上
面に略平行な接線の上方まで延びている。これらの補強
リブ13,14の厚みは適宜選択し得るものであり、通
常、各段から突出するリブ13a,13bの肉厚は立上
り部11の厚みより薄く設定される。
部11の起端の略中央から立ち上がり、前記立上り部1
1の中点を通る前記基材15の上面と平行な直線が交差
する部分の前記補強リブ13の前後幅と前記立上り部1
1の前後幅との比が1:5〜1:2に設定され、フック
片10の第1補強リブ13に沿った前後部分は前記立上
り部11と同一の厚みを有することになる。前記比が
1:5以下であるとリブ本来の補強機能が失われ、また
同比が1:2を越えるとフック片10が補強リブ13の
剛性に支配されて、フック片全体が剛直なものとなり、
特に前述のごとく同補強リブ13の前後及び上部周辺に
柔軟な立上り部11及びフック状係合部12がヒレ状に
形成されるため、フック状係合部12をも含めて補強リ
ブ13の周辺部の全体が柔軟性に富んだものとなり、図
示例による面ファスナーを肌着等に使用した場合にも極
めて優れた感触が得られ、肌を傷つけることがなく違和
感も伴わない。
すごとく前記立上り部11の他側面に第2補強リブ14
を有している。この第2補強リブ14も上下に2段とさ
れるが、上記第1段リブ13aに対応する第1段リブ1
4aの高さはフック状係合部12の先端とほぼ同一高さ
に設定され、その高さは反対側の側面に形成された前記
第1段リブ13aの高さより低い。また、第2段リブ1
4bは反対側の側面に形成された上記第2段リブ13b
と同一の山形形状を有すると共に、隣接するフック片1
0の対向する第2段リブ13bと側面同志で連結してい
る。こうして第2段リブ13b,14bを連結すること
により、隣合うフック片列間の基材部分において裂断す
ることを防止する。
強リブ13は、フック片10がいたずらに横倒れするこ
とを防止する機能を有することは勿論であるが、例えば
上記米国特許第5,131,119号明細書に開示され
たフック片構造では、相手方の係合部材であるループ片
をもつ面ファスナーが同フック片を上方から押圧する
と、補強リブの先端において立上り部をも含めてフック
状係合部が一気に横倒れになり、係合すべきループ片を
跳ね飛ばして係合を不可能にすることがある。また、上
記米国特許第5,339,499号明細書に開示された
フック片構造では、補強リブに所定の可撓性をもたせる
場合に上述のごとくループ片が押圧すると同リブの何れ
の位置で横倒れが発生するか予測できず、その多くは起
端において横倒れが発生しやすい。この場合に、係合す
べきループ片は前述のフック片と同様に折曲がり時の力
で側方に跳ね飛ばされる確率が高くなるばかりでなく、
折角フック状係合部に係合したループ片がフック片の起
端部まで導入されず、係合が外れることが多くなる。
ればループ片によりフック片10が上方から押圧される
と、フック片10は上方から段階的に順次横倒れするた
め、側方にあるループ片10に沿ってフック状係合部1
2が段階的に横方向に延び、しかもリブ起端部に存在す
る最下段のリブ(図示例では第2段リブ13b)が最も
肉厚とされているため同リブ部分において横倒れを生ず
ることなく、ループ片を起端まで導入しやすくし、同ル
ープ内に侵入したフック状係合部12を確実に捕捉して
外れ難くし係合率を高める。
ブ13aの先端をフック状係合部12の湾曲部12aま
で延設させている点は、柔軟性が高くループ片が外れや
すいフック状係合部12に柔軟性を維持させると同時
に、ループ片に対して外れにくくして所定の係合力を保
証するものである。即ち、上記米国特許第5,339,
499号明細書に開示されたフック片構造のごとく肉厚
の立上り部に首部を介して連結される柔軟なフック状係
合部の全体を肉薄にする場合には、フック状係合部から
ループ片を外そうとして同ループ片を上方に引き上げる
とき、フック状係合部の全体が極めて弾性変形しやすい
ため、簡単にループ片が外れてしまう。これに対して、
本発明フック片10では上述のごとく第1段リブ13a
がフック状係合部12の湾曲部12aまで延びているた
め、同湾曲部12aの起端部においては容易に変形しが
たく、係合しているループ片が上方に引き上げられても
フック状係合部12の湾曲形状を維持しようとして、簡
単にはループ片が外れないようにする。このときの抗力
は個々のフック片では僅かなものであるが、面ファスナ
ー全体となると極めて大きな抗力となり、所定の剥離力
が得られる。
々な変形例を示している。なお、これらの変形例におけ
る符号は、図1に示した上記実施例に対応する部分と同
一の符号を採用している。
構造は図1に示した上記実施例のフック片構造と同一で
あるが、隣会うフック片列のフック片10の向きが逆に
なっている例である。図3に示す変形例では、上記第1
段リブ13aがフック状係合部12の上面に交差する部
分まで垂直に立ち上がっている例である。図2及び図3
に示す変形例は、個々のフック片10について上述の実
施例と機能的にほぼ同一であるが、図2の変形例ではル
ープ片との係合方向を正逆2方向とし、図3に示す変形
例ではフック状係合部12の湾曲部12aが上記実施例
よりも多いため係合力は僅かに劣るが、フック片10の
横倒れに限らず図1に示す実施例と比較すると前倒れも
同時に防止されてループ片に対する係合率が更に向上す
る。
は、上記第1段リブ13aの側面形状をフック片10の
立上り部11の側面形状と合致させると共に、同リブ1
3aの上部をフック状係合片12の上面まで垂直に延長
しており、また第2段リブ13bを図1に示すごとく単
に山形形状とせず、その頂上から図1に示す第1段リブ
13aとほぼ同一の前後幅で垂直上方に延設している。
この第2段リブ13bの高さはフック上係合部12の湾
曲部12a先端の高さに略等しい。しかも、この変形例
では立上り部11の他側面に形成される第2補強リブ1
4の形状を前記第1補強リブ13と同一形状としてい
る。この変形例では、第1段リブ13aが立上り部11
の前後幅と同一であるため、硬さの点で上記実施例と比
較して多少劣るが、フック形態の安定性では図1に示す
実施例より優れたものとなる。
に沿った第1及び第2補強リブ13,14を階段状に多
段(図示例では4段)に形成すると共に、最上段の第1
段リブ13a,14aの先端をフック状係合部12の湾
曲部12aの略中央まで延在させている。図6に示すリ
ブ構造は、図5に示す前記リブ構造と同一であるが、図
5に示す変形例では隣合うフック片10の最下段のリブ
(第4段リブ13d,14d)が連結しているのに対し
て、図6に示す例では隣合う2列のフック片列におい
て、隣合うフック片10の第3段リブ13c,14c同
志が連結され、それぞれ多側面の第4段リブ13d,1
4dが、その隣合う第4段リブ13d,14dと連結し
ている。図7に示す補強リブ13,14の更なる変形例
では、前記多段のリブ13a〜13d,14a〜14d
のうち第1段目及び第3段目の各リブ13a,13cと
14a,14cとを除去したものに相当する。このよう
に、本発明においてはリブ形状及び段数は規定されな
い。これらの図5〜図6に示す例によれば、図1に示し
た実施例に比べてフック片10としての硬さの点でやや
劣ることになるが、特に図5に示す例ではフック片10
の起端から先端にかけて段階的に漸次柔軟性を増して、
フック片構造としての理想的な形状に近づけている。
面に図1に示す第1段リブ13aを形成すると共に、他
側面には図7に示す第1段リブ14aを形成し、隣合う
フック片列間の表裏おいて前記第2段リブ13b同士及
び第1段リブ14b同士を対向させて、それぞれのリブ
13b,13b同士及び14b,14b同士を連結して
いる。
の表裏における最上段のリブ13a,14aが前述の図
1に示す第1段リブ13aとほぼ同一形状をなして形成
されているが、図1に示すリブ13aに比べて本変形例
の前記リブ13a,14aはフック片10の軸線に沿っ
て立上り部11の起端部から立ち上がると共に、上記フ
ック状係合部12の湾曲部12aに沿ってその先端の近
傍まで延在しており、しかも、同変形例における同最上
段のリブ13a,14aは、前後幅及び側方の厚みの双
方共に、その起端から先端にかけて漸減させている。そ
して、同変形例のフック片10の表裏における第2段リ
ブ13b及び14bは、異なる形状を有している。即
ち、フック片10の表裏において、第2段リブ13b,
14bは双方共に山形形状をなしてはいるが、表面側の
第2段リブ13bはフック片10の起端部における前後
側面に沿って斜めに立ち上がり、上方に向かうに従って
その前後幅を漸次狭くした形状を有するのに対して、裏
面側の第2段リブ14bはフック片10の起端部におけ
る前後幅が前記起端部の幅より狭く設定され、上方に向
かうに従ってその前後幅を漸次狭くした形状とされてい
る。しかも、隣合うフック片列間の表裏おいて前記第2
段リブ13b同士及び第1段リブ14b同士を対向させ
て、それぞれのリブ13b,13b同士及び14b,1
4b同士を連結している。
及び第2リブ13,14を組み合わせて多様な形態をも
つフック片構造が採用できる。そして、これらのフック
片構造の全てが、その組合せやリブ形状により機能にお
いて多少異なるところはあるものの、上述の優れた機能
をすべて有するものであり、立上り部11やフック状係
合部12の肉厚を変更させることにより所望の機能が得
られ、広範な要求に対応し得るものである。
明のフック片構造によれば、特に補強リブを上下に多段
とすることによりフック状係合部を柔軟に構成でき、同
時にループ片との係合率を高め、また補強リブの上端を
前記フック状係合部の湾曲部にまで延設するため、立上
り部の側面に単に補強リブを形成する場合とは異なりフ
ック状係合部を肉薄で且つ柔軟に形成しても所定の係合
力が確保される。従って、面ファスナーの用途により好
適なリブ形状や各部の肉厚を選択すれば、従来の用途に
加えて乳幼児の紙オムツや一般肌着等の多様な用途に適
用が可能である。
び配列を示す説明図である。
である。
Claims (9)
- 【請求項1】 平板状基材(15)の表面に多数のフック片
(10)が一体成形により突出してなる面ファスナー用係合
部材において、 前記フック片(10)は基材から滑らかな曲線上を傾斜して
立ち上がる背面(11a)及び上方に立ち上がる前面(11b)
をもつ立上り部(11)と、その先端から湾曲して前方に延
びるフック状係合部(12)とを有し、前記フック状係合部
(12)の先端から前記立上り部(11)の起端にかけて断面積
が漸増すると共に、前記立上り部(11)から前記フック状
係合部(12)の一部にかけて少なくとも1側面に補強リブ
(13)を有しており、 前記補強リブ(13)は頂点(O2)から起端にかけて複数のリ
ブ(13a,13b, ) により多段に形成され、少なくとも前
記立上り部(11) に最も近く背の高い第1段リブ(13a)
の頂点(O2)は、前記フック状係合部(12)の湾曲部先端(O
1)を通過する前記平板状基材(15)の上面に略平行な接線
の上方に位置してなることを特徴とする一体成形面ファ
スナーのフック片構造。 - 【請求項2】 前記補強リブ(13)は前記立上り部(11)の
起端部の略中央から立ち上がり、前記立上り部(11)の中
点を通る前記基材(15)の上面に平行な直線が交差する部
分の前記補強リブ(13)の前後幅と前記立上り部(11)の前
後幅との比が1:5〜1:2に設定されてなる請求項1
記載のフック片構造。 - 【請求項3】 前記フック片(10)の立上り部(11)の他側
面にも補強リブ(14)が形成され、左右に形成された同補
強リブ(13,14) が同一形状である請求項1記載のフック
片構造。 - 【請求項4】 前記フック片(10)の立上り部(11)の他側
面にも補強リブ(14)が形成され、左右に形成された同補
強リブ(13,14) が異形状をなす請求項1記載のフック片
構造。 - 【請求項5】 前記補強リブ(13,14) が前記フック片(1
0)の立上り部(11)の左右側面に形成され、左右に形成さ
れた同補強リブ(13,14) のうち一方の補強リブ(13)が他
方の補強リブ(14)の高さより低く設定されてなる請求項
4記載のフック片構造。 - 【請求項6】 前記補強リブ(13)は、前記立上り部(11)
の起端の略中央部から垂直に立ち上がり、同立上り部(1
1)の略中央から前記起端にかけて同リブ(13)の幅を末広
がりに漸増してなる請求項1記載のフック片構造。 - 【請求項7】 前記補強リブ(13)の最上段のリブ(13a)
は、前記立上り部(11)の起端の略中央部から垂直に立ち
上がると共に、その高さ方向の略中央から上端にかけて
フック片(10)の軸線に沿って前記湾曲部(12a) と共に延
在してなり、前記立上り部(11)の略中央から前記起端に
かけて同リブ(13a) の幅を末広がりに漸増してなる請求
項1記載のフック片構造。 - 【請求項8】 前記補強リブ(13)の最上段のリブ(13a)
は、前記立上り部(11)の起端の略中央部から軸線に沿っ
て斜めに立ち上がると共に、フック状係合部(12)の先端
近くまで軸線に沿って前記湾曲部(12a) と共に延在して
なり、その起端から先端にかけて幅及び厚みを漸次減少
させてなる請求項1記載のフック片構造。 - 【請求項9】 隣合うフック片列間において、左右の補
強リブ(13,14) のうち最下段のリブ同志が一体に連結さ
れてなる請求項1記載のフック片構造。
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