JPH08126111A - 電気自動車の制動装置 - Google Patents

電気自動車の制動装置

Info

Publication number
JPH08126111A
JPH08126111A JP26035194A JP26035194A JPH08126111A JP H08126111 A JPH08126111 A JP H08126111A JP 26035194 A JP26035194 A JP 26035194A JP 26035194 A JP26035194 A JP 26035194A JP H08126111 A JPH08126111 A JP H08126111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
pressure
flow path
opening
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26035194A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoji Nakamura
喜代治 中村
Harumi Ohori
治美 大堀
Masashi Ito
政司 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP26035194A priority Critical patent/JPH08126111A/ja
Publication of JPH08126111A publication Critical patent/JPH08126111A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 増圧側ポペット弁のシャフトが固着した場合
にも良好なブレーキフィーリングを確保可能にする。 【構成】 減圧側ポペット弁68の弁体98を、スプリ
ング102によって弁室92側に付勢する。弁室92内
に伝達するマスタシリンダ圧が上昇し弁体98のストッ
パ104側の面にスプリング102の付勢力(プリセッ
ト荷重)に打ち勝つ力が加わると、弁体98が弁室96
側に押し出され、流路110内のピン112によってボ
ール94が突き放される結果流路110内を制動油が流
通する。減圧側ポペット弁68にチェックバルブとして
の機能が付与されるため、制御手順やセンサの追加なし
に増圧側ポペット弁66のロック状態に対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体圧制動(例えば油
圧制動)により電気自動車を制動する制動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両の制動装置としては、車両操縦者の
ブレーキ操作に応じて発生させた流体圧を車輪側に伝達
して制動する流体圧制動装置(例えば油圧制動装置)が
一般に用いられている。制動対象となる車両が電気自動
車である場合、車両走行用モータから電力を回生する回
生制動装置を併用することができる。ここに、流体圧制
動力及び回生制動力はいずれも制御可能である。すなわ
ち、流体圧制動力の制御は流路上に設けたソレノイドバ
ルブ等の開閉制御として、回生制動力の制御は電力変換
動作の制御として、それぞれ実現することができる。従
って、電気自動車においては、これらの制動力に関し、
ブレーキフィーリングの改善や制動力配分の最適化を目
的とした制御が可能である。例えば、特開平5−161
211号公報に示される装置を応用することにより、マ
スタシリンダ(M/C)圧に対する制動トルクの応答を
より直線的なものとすることができ、またバッテリの回
生能力の変化によらず良好なブレーキフィーリングを実
現できる。
【0003】しかし、上記公報に掲載されている構成で
は、M/C圧が発生したとしても、このM/C圧が差圧
バルブを構成するスプリングのプリセット荷重を越える
までは、M/C圧がホイールシリンダ(W/C)側には
伝達されない。すなわち、ブレーキペダル操作に対する
制動力の応答遅れが発生する。回生制動がフェイル(故
障)しているときにこのような応答遅れが発生すると、
フィーリング上好ましくない。このような不具合を避け
るためには、上記公報に示されるように差圧バルブと並
列にオンオフバルブを設ければよい。回生フェイル時に
このオンオフバルブを開くと、油圧制動力の応答遅れが
生じないため、フィーリングが良好になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記公報
に記載されている構成を応用することにより、良好なブ
レーキフィーリングを実現し回生のフェイルに対処する
ことができる。しかし、この構成では、回生のフェイル
に対処するために2個のオンオフバルブが必要となる。
また、回生能力が非常に低く、回生制動トルクが最大に
至るM/C圧が上記スプリングのプリセット荷重より小
さい場合にはM/C圧対制動トルク特性に段差が生じて
しまい、ブレーキの利き具合の不安定化やブレーキフィ
ーリングの悪化が生じる。
【0005】本願出願人は、このような問題点を解決す
る手段をすでに提案している(特願平6−5400号参
照)。この提案においては、差圧バルブの開弁圧を制御
する信号が、車両操縦者がアクセル操作を終了した後ブ
レーキ操作を開始する前に生成され、この信号に応じ流
体圧が準備的に生成される。従って、差圧バルブにスプ
リングを使用する必要がなくなるからスプリングのプリ
セット荷重による応答遅れが発生しなくなり、上述のよ
うな問題点は生じない。
【0006】しかし、先提案の構成には、塵埃のかみ込
み等によって差圧バルブのシャフトに一時的に固着が生
じるとブレーキフィーリングが悪化するという問題点が
ある。すなわち、差圧バルブのシャフトに固着が生じる
と、M/C圧とW/C圧の差圧が制御信号相当値を越え
るだけでは流体圧制動が働かず、かみ込んでいる塵埃を
はねのけることができる程度に大きな差圧が加わって初
めて流体圧制動が働く。従って、M/C圧とW/C圧の
差圧が制御信号相当値を越えた後しばらくは回生制動分
の制動力が働く状態が続き、その後塵埃がはずれた時点
で制動力が回生制動分+流体圧制動分の値へと増加す
る。これは、フィーリング上の問題となる。特開平5−
161211号公報にあるオンオフバルブと同様のバル
ブを設け固着時にこのオンオフバルブを開くようにすれ
ばこのような問題は生じない。しかし、その場合、オン
オフバルブを設けることによる装置構成の肥大や、オン
オフバルブを制御するための制御手順が必要になるとい
う新たな問題が発生する。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、電気的な制御を必
要としないバルブ(弁)の追加によって、新たな制御手
順の追加なしに、シャフト固着時でも良好なフィーリン
グを維持できるようにすることを目的とする。本発明
は、また、新たなバルブの追加にもかかわらず装置構成
をコンパクトなものに維持することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明に係る電気自動車の制動装置は、M/
C圧がW/C圧に比べ所定の開弁値以上高くなった場合
に開き、M/C圧とW/C圧の差を保持しながらM/C
とW/Cの間に流路を形成させる第1の弁と、第1の弁
と並列に設けられ、W/C圧がM/C圧より高くなった
場合に開き、M/CとW/Cの間に流路を形成させる第
2の弁と、第1の弁と並列に設けられ、その開弁圧が第
1の弁の開弁圧より高く、M/C圧がW/C圧に比べ所
定の開弁圧以上高くなった場合に開き、M/CとW/C
の間に流路を形成させる第3の弁と、を備えることを特
徴とする。
【0009】本発明は、さらに、M/C圧が加わる第1
の面及びW/C圧が加わる第2の面を有し、ハウジング
内に摺動可能に収納された弁体と、第2の面に加わる流
体圧が第1の面に加わる流体圧より高い場合には第2の
面から第1の面に至る流路を形成させ、低い場合には遮
断させる第1の流路開閉部材と、第2の面側から第1の
面側へと第3の弁の開弁圧相当の力で弁体を付勢し、こ
の付勢に打ち勝つ力が第1の面に加わった場合に第1の
面から第2の面に至る流路を形成させる第2の流路開閉
部材と、を備え、第2の弁が弁体及び第1の流路開閉部
材により、第3の弁が弁体及び第2の流路開閉部材によ
り、それぞれ構成されることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明においては、(M/C圧)−(W/C
圧)が第1の弁の開弁圧を以上になると当該第1の弁が
開き、M/CとW/Cの間に流路が形成される。これに
より、(M/C圧)−(第1の弁の開弁圧)相当の流体
圧が、流体圧制動力として作用する。車両操縦者がブレ
ーキペダルを踏み戻した結果W/C圧がM/C圧より高
くなると、第2の弁が開きM/CとW/Cの間に流路が
形成される。すると、W/C側の制動用非圧縮性流体が
M/C側に流れる結果W/C圧とM/C圧の差が解消さ
れる。さらに、(M/C圧)−(W/C圧)が第3の弁
の開弁圧を越えると当該第3の弁が開き、M/CとW/
Cの間に流路が形成され、(M/C圧)−(第3の弁の
開弁圧)相当の流体圧が、流体圧制動力として作用す
る。
【0011】ここに、第3の弁の開弁圧は第1の弁の開
弁圧より高く設定されているから、第1の弁が正常に機
能しており従って第1の弁が(M/C圧)−(第1の弁
の開弁圧)相当の差圧を保持可能な間は、第1の弁と並
列な第3の弁は動作しない。例えばシャフト固着等が発
生すると、(M/C圧)−(W/C圧)が上昇し(M/
C圧)−(第1の弁の開弁圧)を越えても第1の弁は開
かない。この状態では、第3の弁の動作によって流体圧
制動力が生じる。従って、本発明においては、第3の弁
の開弁圧を第1の弁の開弁圧に十分近い値に設定するこ
とでシャフト固着時でも良好なフィーリングを維持でき
る。さらに、第3の弁はチェックバルブ等電気的制御を
必要としない弁により実現できるため、新たな制御手順
の追加やそのためのセンサの追加は不要である。
【0012】本発明においては、第2の弁と第3の弁に
弁体を共有させることにより、新たなバルブの追加にも
かかわらず装置構成がコンパクトなものに維持される。
すなわち、M/CとW/Cの間に摺動可能な弁体を設
け、そのM/C側の面(第1の面)とW/C側の面(第
2の面)の間の流路を開閉可能な構成とする。例えば、
この流路から見てM/C側にボール等を設け第1の流路
開閉部材とした場合、第2の面に加わる流体圧(すなわ
ちW/C圧)が第1の面に加わる流体圧(すなわちM/
C圧)より高い場合には、第2の面から第1の面に至る
流路が形成され、第2の弁の機能が実現される。さら
に、スプリング、ピン等から構成できる第2の流路開閉
部材を設け、この第2の流路開閉部材を、第2の面側か
ら第1の面側へと第3の弁の開弁圧相当の力で弁体を付
勢し、この付勢に打ち勝つ力が第1の面に加わった場合
に第2の面から第1の面に至る流路を形成させる構成と
することにより、第3の弁の機能が実現される。この結
果、第2の弁と第3の弁が弁体を共有するため、コンパ
クトな構成となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
【0014】図1には、本発明の一実施例に係る制動装
置の構成が示されている。この図に示される装置は特願
平6−5400号に開示されている装置を一部変更した
構成である。
【0015】この図において符号10で示されている部
材は車両駆動用の交流モータである。モータ10の出力
軸は、駆動輪(この図の場合前輪)に連結されたドライ
ブシャフト12に連結されている。また、モータ10
は、インバータ14を介し車載のバッテリ16から電力
供給を受けて回転駆動する。インバータ14は、モータ
ECU18から供給される制御信号に応じ、バッテリ1
6の放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、モータ
10に供給する。
【0016】モータECU18は、インバータ14と共
にモータ10の出力制御手段を構成している。例えばモ
ータ10を力行させる際には、モータECU18は、ア
クセルペダルの踏込量を示す信号やモータ10の回転数
を示す信号を入力し、これらに基づきインバータ14に
おける電力変換動作を制御する。これにより、アクセル
ペダルの踏込量等に応じた出力トルクをモータ10から
得ることができる。
【0017】モータECU18は、回生ECU20等と
共に、回生制動手段を構成している。すなわち、ブレー
キペダル22の踏込み開始が踏力センサ等によって検出
されると、これに応じ、回生ECU20は回生制動制御
を開始する。回生制動制御に当たって、回生ECU20
はモータ18と交信する。モータECU18は、回生E
CU20との交信結果に応じ、ブレーキペダル22に加
わる踏力に応じた制動エネルギがバッテリ16に回生さ
れるよう、モータ10の回生出力トルクを制御する。
【0018】油圧制動手段はM/C26からフロント
(以下、Fr)W/C28及びリア(以下、Rr)W/
C30に亘って配設された油路によって構成されてい
る。M/C26は、ブレーキペダル22の踏込量に応じ
た油圧(M/C圧)を発生させ、これを油圧バルブ54
又はP(プロポーショニング)バルブ56を介してFr
W/C28及びRrW/C30に供給する。FrW/C
28及びRrW/C30は、それぞれ、Frブレーキロ
ータ36又はRrブレーキロータ38に油圧(以下、W
/C圧)を加えるように設けられており、これによって
Fr及びRrの各車輪に油圧制動力が働く。なお、図
中、39はリザーバタンクである。
【0019】油圧バルブ54は、制動時において回生E
CU20によって制御されるバルブであり、後述するよ
うに増圧側ポペット弁及び減圧側ポペット弁を有してい
る。油圧バルブ54は、M/C圧PM/CとFrW/C
28のW/C圧の差が回生ECU20によって与えられ
る開弁値Pを越えると開く。逆に、差圧が開弁値P
を越えるにいたっていないときは閉じた状態をとり、M
/C26からFrW/C28に至る油路を遮断する。さ
らに、回生ECU20による制御を受けていない状態
(オフ状態)では、油圧バルブ54は、M/C圧をほぼ
そのままFrW/C28に伝達させる。
【0020】さらに、M/C26と油圧バルブ54の間
には、ストロークシュミレータ58が配設されている。
このストロークシュミレータ58は、油圧バルブ54に
よってM/C26からFrW/C28への油路が遮断さ
れている状態でブレーキペダル22のペダルストローク
が自然なものとなるよう、油量を消費する。M/C26
と油圧バルブ54の間には、さらに、油圧センサ60が
設けられており、この油圧センサ60によりM/C圧P
M/Cが検出される。検出されたM/C圧P /Cはモ
ータECU18に供給され、回生制動の際にモータ10
の出力トルク(回生トルク)をM/C圧PM/Cに応じ
た値に制御するために用いられる。
【0021】また、回生ECU20は、バッテリ16の
状態を示す情報を入力し、これに基づきバッテリ16へ
の回生能力を判断する。回生ECU20は、判断結果に
応じて油圧バルブ54の開弁値Pを設定する一方で、
モータECU18に対して最大回生トルク(回生能力に
相当するトルク)Tを報知する。モータECU18
は、最大回生トルクTを上限として、モータ10の出
力トルクを制御する。また、バッテリ16の状態を示す
情報は、バッテリ16の充電状態等を算出するバッテリ
ECU62によって得られる。回生ECU20は、車両
操縦者によりアクセルがオフされたことをスロットルセ
ンサ64によって検出し、これに応じて油圧バルブ54
の制御を開始する。モータECU18及び回生ECU2
0の動作については、特願平6−5400号の図2〜図
4及びこれに対応する明細書中の記載を参照されたい。
【0022】図2には、本実施例において使用可能な油
圧バルブ54の一例構成が示されている。この図に示さ
れる油圧バルブ54は、M/C圧PM/CとFrW/C
28のW/C圧の差圧が回生ECU20によって与えら
れる開弁値Pを越えるまで閉じた状態を保ち、越える
と開いてM/C圧PM/CとFrW/C28のW/C圧
との差圧を前記開弁値Pに制御するように構成された
増圧側ポペット弁66を有している。すなわち、開弁値
は、増圧側ポペット弁66に加わるM/C圧P
M/Cによる力と、回生ECU20によって与えられる
開弁値Pに応じた力とのバランスによって決定されて
いる。油圧バルブ54は、さらに、M/C圧PM/C
FrW/C28のW/C圧よりも低くなると開きFrW
/C28のW/C圧を減圧する一方で、それ以外の状態
では閉じる減圧側ポペット弁68も有している。
【0023】油圧バルブ54は、磁性体から形成された
コア70の図中左右両端にハウジング72及び74をボ
ルト・ナットで固定した構成を有している。コア70に
は、シャフト76が、摺動が可能な状態で貫通してい
る。シャフト76の周囲には磁性体から形成されたプラ
ンジャ78が固定されており、またコア70にはこのプ
ランジャ78に近接してコイル80が埋め込まれてい
る。コイル80は部材82によって封止されている。従
って、コイル80に所定方向の電流が流れると、プラン
ジャ78、ひいてはシャフト76に図中左方向の力が作
用する。
【0024】増圧側ポペット弁66は、シャフト76の
図中左側に設けられている。この弁66の弁室86は、
ハウジング72に設けられているM/Cポート84を介
してM/C26からの油路と連通している。弁室86に
はボール88が収納されている。従って、M/C圧P
M/Cが発生するとこれにボール88の設置断面積Aを
乗じた大きさを有する図中右方向の力PM/C・Aがボ
ール88に作用する。コイル80に電流を流している状
態では、このボール88に対しては、シャフト76から
図中左方向の力Fが作用する。回生ECU20は、決定
した開弁値Pに応じた値の電流をコイル80に流させ
るから、この力Fの大きさはP・Aと表すことができ
る。更に、FrW/C28にW/C圧PW/Cがある場
合には、ボール88に対して図中右方向にPW/C・A
が作用する。
【0025】従って、増圧側ポペット弁66において
は、図中右方向の力PM/C・Aと図中左方向の力F=
・A+PW/C・Aがボールに作用している。従っ
て、(PM/C−PW/C)<Pの状態ではボール8
8が弁室86の内壁(弁座)に接地し、(後述する減圧
側ポペット弁68が開いている場合を除き)M/C26
からFrW/C28への油路は断たれる。逆に、(P
M/C−PW/C)>Pの状態ではボール88が弁室
86の内壁から離れ、シャフト76が図中右方向に摺動
してハウジング74内のW/Cポート90に油圧が伝達
される。この油圧は、PM/C−Pとなる。
【0026】減圧側ポペット弁68は、ハウジング72
に設けられている。減圧側ポペット弁68の弁室92に
はボール94が収納されている。M/C圧PM/CがF
rW/C28のW/C圧より高い状態では減圧側ポペッ
ト弁68のボール94により油路が遮断され、逆にブレ
ーキペダル22が戻された場合のようにFrW/C28
のW/C圧がM/C圧PM/Cより高い状態では油路が
形成される。これにより、W/C圧が減圧される。
【0027】図3及び図4には、減圧側ポペット弁68
のより詳細な構成が示されている。これらの図に示され
るように、減圧側ポペット弁68は、ハウジング72内
に形成された弁室96の内部に弁体98を摺動可能に収
納し、弁室96内部に配置されたピン座100と弁体9
8の間にスプリング102を設け、このスプリング10
2により弁体98を弁室92側のストッパ104方向に
付勢した構成を有している。弁室92に収納されている
ボール94はスプリング106によって弁体98の弁座
108方向に付勢押止されている。また、弁体98に
は、弁室96側から弁室92側に貫通するよう流路11
0が設けられており、スプリング106によって付勢さ
れているボール94は弁座108に着座することにより
この流路110を遮断する。更に、ピン座100から突
接されているピン112は、この流路110内に挿入さ
れており、弁室92内の油圧、ひいては弁体98に弁室
92側から加わる力がスプリング102による付勢力に
打ち勝つと、ピン112によってボール94が弁座10
8から突き放され、弁室92と96の間が流路110を
介して連通した状態となる(図4)。なお、図中符号1
14で示されるのはOリングであり、116で示される
のは弁室96をW/C28と連通させるためのW/Cポ
ートである。
【0028】従って、この実施例においては、減圧側ポ
ペット弁68が、FrW/C28のW/C圧を減圧する
機能の他、M/C圧PM/CとFrW/C28のW/C
圧との差が所定の開弁圧以上となった場合に開くチェッ
クバルブとしての機能をも有している。
【0029】まず、M/C圧PM/CとFrW/C28
のW/C圧の差が顕著に大きくならない限り、すなわち
スプリング102の付勢力に打ち勝つ程度に大きくなら
ない限り、スプリング102によって弁体98が付勢さ
れ、ストッパ104によって規制される位置で弁体98
は静止しているから、前述のようにFrW/C28のW
/C圧を減圧する機能が、減圧側ポペット弁68によっ
て実現される。
【0030】弁室92内の油圧、すなわちM/C圧P
M/Cが高くなり、M/C圧PM/CとFrW/C28
のW/C圧の差がスプリング102の付勢力(プリセッ
ト荷重)に打ち勝つ状態となると、弁体98が弁室96
側に押される。この状態では、ボール94がピン112
によって弁座108から突き放され、弁室92が弁室9
6と連通する結果、M/C圧PM/CがFrW/C28
に伝達されることになる。より詳細には、スプリング1
02のプリセット荷重をfs、Oリング114の摺動抵
抗力をfR、弁体98の断面積をAvとした場合、M/
C圧PM/CとFrW/C28のW/C圧の差が(fs
+fR)/Av以上となった場合に、減圧側ポペット弁
68がチェックバルブとして機能する。
【0031】ただし、上述のチェックバルブとしての機
能は、増圧側ポペット弁66が正常に機能している限り
動作しない。すなわち、減圧側ポペット弁68のチェッ
クバルブとしての開弁圧、より具体的にはスプリング1
02のプリセット荷重fsは、増圧側ポペット弁66の
最大開弁圧、すなわちコイル80を用いて設定可能な最
大な開弁圧よりも大きく設定されているため、シャフト
76に塵埃の噛み込み等による固着(ロック)が生じな
い限り、減圧側ポペット弁68がチェックバルブとして
機能することはない。一旦シャフト76に固着が発生
し、その結果増圧側ポペット弁66が閉じた状態でロッ
クしてしまうと、図4に示されるように、その時点で減
圧側ポペット弁68のチェックバルブとしての機能が発
生する。なお、増圧側ポペット弁66の最大開弁圧が4
0気圧である場合には、減圧側ポペット弁68のチェッ
クバルブとしての開弁圧は50気圧程度の値となるよう
設計するのが好ましい。
【0032】このように、本実施例によれば、減圧側ポ
ペット弁68にチェックバルブとしての機能を持たせ、
増圧側ポペット弁66のシャフト76が塵埃の噛み込み
等によって固着した場合に減圧側ポペット弁68を介し
て油路を形成させ、これにより油圧制動力を確保するよ
うにしたため、シャフト76の固着にもかかわらず良好
なブレーキフィーリングを得ることができる。更に、チ
ェックバルブとしての機能を減圧側ポペット弁68に持
たせるようにしたため、油圧バルブ54の構成が特願平
6−5400号のそれと同程度にコンパクトとなり、装
置構成の肥大化は発生しない。むろん、減圧側ポペット
弁68に持たせているチェックバルブとしての機能は減
圧側ポペット弁68から切り離してハウジング72内に
形成してもよく、さらには別個のハウジングを用いた別
体の油圧バルブとして構成しても構わない。このように
した場合、装置構成のコンパクト化の効果は生じないも
のの、ブレーキフィーリングの維持向上という効果は本
実施例と同様に得ることができる。さらに、本実施例に
よれば、シャフト76が固着した際に油路を形成する機
能を機械的なバルブによって実現しているため、制御手
順の複雑化や、シャフト76の固着を検出する特殊なセ
ンサの追加等を招くこともない。
【0033】図5には、本発明の第2実施例に係る制動
装置の構成が示されている。この実施例が第1実施例と
相違する点は、Pバルブ56に代えて油圧バルブ118
を設けた点にある。油圧バルブ118は油圧バルブ54
と同様の構造を有しており、油圧バルブ54と同様の手
順によって制御される。さらに、油圧バルブ54の各開
弁値と油圧バルブ118の各開弁値は同一の値に設定さ
れる。
【0034】図6には、本発明の第3実施例に係る制動
装置の構成が示されている。この実施例は第2実施例と
同様の構成を有しているが、但し、油圧バルブ54に設
定される増圧側開弁値Pと油圧バルブ118に設定さ
れる増圧側開弁値Pが異なる値に設定されている。開
弁値Pは、第1及び第2実施例におけるPと同じ値
に設定されており、従ってM/C圧PM/Cが開弁値P
を越えるとまずRrW/C30に係る制動力が作用し
始める。開弁値Pは、前輪と後輪の間の制動力配分が
あらかじめ設定されている配分となるよう、設定されて
いる。
【0035】これら、第2、第3実施例においても、第
1実施例と同様の効果が得られる。制御手順に関して
は、特願平6−5400号を参照されたい。
【0036】なお、駆動輪は前輪としても後輪としても
構わない。また、第1実施例において、油圧バルブ54
を後輪側に設けてもよい。スプリング106は廃止でき
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
(M/C圧)−(W/C圧)がその開弁圧を越えると開
きM/CとW/Cの間に流路を形成する第3の弁を第1
の弁と並列に設けたため、第1の弁が開かない状態(例
えばシャフト固着等)が発生したとき第3の弁の動作に
よって流体圧制動力を得ることができる。従って、第3
の弁の開弁圧を第1の弁の開弁圧に十分近い値に設定す
ることでシャフト固着時でも良好なフィーリングを維持
できる。さらに、第3の弁はチェックバルブ等電気的制
御を必要としない弁により実現できるため、新たな制御
手順の追加は不要である。さらに、第3の弁の開弁圧を
第1の弁の開弁圧より高く設定しているから、第1の弁
が正常に機能している状態で第3の弁が支障となること
はない。
【0038】また、本発明によれば、第2の弁と第3の
弁に弁体を共有させるようにしたため、新たなバルブの
追加にもかかわらず装置構成をコンパクトなものに維持
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るシステムの構成を示
すブロック図である。
【図2】この実施例における油圧バルブの構造を示す縦
断面図である。
【図3】この実施例における減圧側ポペット弁の構造を
示す要部断面図である。
【図4】増圧側ポペット弁がシャフトの固着により閉状
態でロックした場合の減圧側ポペット弁の動作を示す要
部断面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るシステムの構成を示
すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施例に係るシステムの構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
54,118 油圧バルブ 66 増圧側ポペット弁 68 減圧側ポペット弁 76 シャフト 92,96 弁室 94 ボール 98 弁体 102,106 スプリング 104 ストッパ 108 弁座 110 流路 112 ピン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧
    に比べ所定の開弁圧以上高くなった場合に開き、マスタ
    シリンダ圧とホイールシリンダ圧の差を保持しながらマ
    スタシリンダとホイールシリンダの間に流路を形成させ
    る第1の弁と、第1の弁と並列に設けられ、ホイールシ
    リンダ圧がマスタシリンダ圧より高くなった場合に開
    き、マスタシリンダとホイールシリンダの間に流路を形
    成させる第2の弁と、を備える電気自動車の制動装置に
    おいて、 第1の弁と並列に設けられ、その開弁圧が第1の弁の開
    弁圧より高く、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧
    に比べ所定の開弁圧以上高くなった場合に開き、マスタ
    シリンダとホイールシリンダの間に流路を形成させる第
    3の弁を備えることを特徴とする電気自動車の制動装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気自動車の制動装置に
    おいて、 マスタシリンダ圧が加わる第1の面及びホイールシリン
    ダ圧が加わる第2の面を有し、ハウジング内に摺動可能
    に収納された弁体と、 第2の面に加わる流体圧が第1の面に加わる流体圧より
    高い場合には第2の面から第1の面に至る流路を形成さ
    せ、低い場合には遮断させる第1の流路開閉部材と、 第2の面側から第1の面側へと第3の弁の開弁圧相当の
    力で弁体を付勢し、この付勢に打ち勝つ力が第1の面に
    加わった場合に第1の面から第2の面に至る流路を形成
    させる第2の流路開閉部材と、 を備え、 第2の弁が弁体及び第1の流路開閉部材により、第3の
    弁が弁体及び第2の流路開閉部材により、それぞれ構成
    されることを特徴とする電気自動車の制動装置。
JP26035194A 1994-10-25 1994-10-25 電気自動車の制動装置 Pending JPH08126111A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26035194A JPH08126111A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 電気自動車の制動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26035194A JPH08126111A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 電気自動車の制動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08126111A true JPH08126111A (ja) 1996-05-17

Family

ID=17346760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26035194A Pending JPH08126111A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 電気自動車の制動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08126111A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3622395B2 (ja) 制動装置
JP3365301B2 (ja) 車両の制動エネルギー制御装置とその制御方法
JP3702539B2 (ja) 電動車両の制動制御装置
JP3118191B2 (ja) 電動車両の制動制御装置
JP3416913B2 (ja) 電動車輌の制動装置
JP3158583B2 (ja) 電気自動車の制動制御装置
JP3541646B2 (ja) 制動力制御装置
JPH10297462A (ja) 制動力制御装置
JPH07149222A (ja) 制動力制御装置
JPH09240451A (ja) 車両のブレーキ制御装置
JPH07205800A (ja) 電気自動車の制動装置
JPH08126111A (ja) 電気自動車の制動装置
JP3611008B2 (ja) 車両用制動装置
JPH1198608A (ja) 車両の制動装置および制動方法
JP3565355B2 (ja) 回生ブレーキ連動摩擦ブレーキシステム
KR100530037B1 (ko) 전기자동차의 브레이크 제어시스템
JP3565353B2 (ja) 回生ブレーキ連動摩擦ブレーキシステム
JP3405147B2 (ja) 制動トルク制御装置
JPH1014009A (ja) 電動車両の制動制御装置
JP3384321B2 (ja) 制動力制御装置
JP3911846B2 (ja) 制動力制御装置
JP2000238626A5 (ja)
JP2001211502A (ja) 制動トルク制御装置
JPH06235337A (ja) 内燃機関のスロットル弁制御装置
JP3541645B2 (ja) 制動力制御装置