JPH0812596A - 画像診断用造影剤 - Google Patents

画像診断用造影剤

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JPH0812596A
JPH0812596A JP6164599A JP16459994A JPH0812596A JP H0812596 A JPH0812596 A JP H0812596A JP 6164599 A JP6164599 A JP 6164599A JP 16459994 A JP16459994 A JP 16459994A JP H0812596 A JPH0812596 A JP H0812596A
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JP
Japan
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cyclodextrin
contrast agent
diagnosis
image diagnosis
do3ma
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Application number
JP6164599A
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English (en)
Inventor
Yuji Hashiguchi
裕二 橋口
Miki Kubomura
幹 久保村
Toshihiro Kamata
敏宏 鎌田
Shigemi Seri
重実 世利
Kumiko Iwai
久美子 岩井
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Nihon Medi Physics Co Ltd
Original Assignee
Nihon Medi Physics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)シクロデキストリンの構成単糖のうち
少なくとも1個が酸化開裂された、シクロデキストリン
ジアルデヒド化体のアリデヒド基に化学的に結合した少
なくとも1個の配位子を有する錯化剤に、(b)原子記
号21〜29、31、32、37〜39、42〜44、
49および56〜83の金属から選ばれた少なくとも1
種の金属イオンが配位してなる化合物を含むことを特徴
とする画像診断用造影剤。 【効果】 精製操作等が不要で製造が容易であり、かつ
安定で良好な水溶性を有する生理学的に許容できる核磁
気共鳴診断、X線診断あるいは放射線診断等に有用な画
像診断用造影剤の提供が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像診断用造影剤、特に
α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンある
いはγ−シクロデキストリン等のシクロデキストリンの
酸化開裂体を骨格とする金属錯体化合物を含む核磁気共
鳴画像診断、X線画像診断あるいは放射線画像診断に有
用な画像診断用造影剤に関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴画像診断造影剤として広く用
いられているジエチレントリアミンペンタ酢酸−Gd
(以下DTPA−Gdと略す)[日本特開昭58−29
718号公報]は単核錯体群の代表例であり、脳、脊髄
領域における画像診断造影剤としてその有効性がほぼ確
立されている。しかし、画像表示尺度を示す緩和度は、
錯化されたが故にGdそのもの自体よりも低い値となっ
てしまう。従って、低下した緩和度は、投与量の増加に
よって補う等の処置が必要になってくる。また本剤は、
投与後、速やかに尿中に排泄されるため[吉川宏起ら:
画像診断、6,959〜969頁(1986年)]、単
回投与で身体の幾つかの部位を血流に反映(病巣の血管
走行、血流分布、分布容積、浸潤性など)して造影させ
ることは、その分布特性も併せて極めて不利な条件とな
る。
【0003】これらの問題を解決するために、高分子材
料を担体とし常磁性金属錯体を複数結合させた常磁性金
属錯体化合物が開発されてきたが、分子量数万以上の高
分子化合物を担体として用いた場合は、血中滞留性が必
要以上に長すぎたり、体内残留性や抗原性の問題等があ
り、必ずしも満足のいくものではなかった。そこで比較
的低分子のオリゴ糖や多糖類に常磁性金属錯体を結合さ
せた核磁気共鳴造影剤が開発されている[特開平5−2
5059号公報]。しかし、常磁性金属錯体を結合する
ための官能基として、構成単糖のD-グルコースを酸化開
裂してアルデヒド基を生成するに際して、精製過程が入
ることによりトータルでの合成に時間を要したり、過剰
の酸化剤を除去するために透析あるいはイオン交換法等
複雑な操作が必要である等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
状況に鑑み、糖骨格の酸化開裂反応および金属錯体の結
合等による画像診断造影剤の製造にあたり、精製操作が
不要で製造が容易であり、しかも、安定で、水に対して
良好な可溶性を持ち、生理学的に許容できる核磁気共鳴
診断、X線診断あるいは放射線診断などに有用な画像診
断用造影剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者等は鋭意検討を行った結果、シクロデキ
ストリン類では長時間にわたって酸化開裂反応を行って
も過酸化反応が起こらず、その後の金属錯体化合物の結
合が容易であり、さらに該化合物を出発物質として製造
した金属錯体化合物は、安定で水に対して良好な可溶性
を有し、生理学的に許容できる核磁気共鳴診断、X線診
断あるいは放射線診断等に有用な画像診断用造影剤であ
ることを見いだし本発明に達した。即ち、本発明は、
(a)シクロデキストリンの構成単糖のうち少なくとも
1個が酸化開裂された、シクロデキストリンジアルデヒ
ド化体のアルデヒド基に化学的に結合した少なくとも1
個の配位子を有する錯化剤に、(b)原子番号21〜2
9、31、32、37〜39、42〜44、49および
56〜83の金属から選ばれた少なくとも1種の金属イ
オンが配位してなる化合物を含むことを特徴とする画像
診断用造影剤である。
【0006】本発明で用いるシクロデキストリンはでん
ぷんにアミラーゼ(シクロデキスロリナーゼ)を作用さ
せて生成せしめた、D−グルコースがα−1,4結合に
より環状に連結された化合物で、構成するグルコースの
数が6個のα−シクロデキストリン、7個のβ−シクロ
デキストリン、8個のγ−シクロデキストリンがある。
【0007】α−シクロデキストリン、β−シクロデキ
ストリン、γ−シクロデキストリン等のシクロデキスト
リンのジアルデヒド化体は構成単糖のD−グルコースを
酸化開裂して得られる。例えば、α−シクロデキストリ
ンを水に溶解し、室温で撹拌しながら遮光下でメタ過ヨ
ウ素酸ナトリウムを少量ずつ添加した後、24時間撹拌
してα−シクロデキストリンジアルデヒド化体が得られ
る。酸化剤としては、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO
4 ) の他に過ヨウ素酸(HIO4 ) 、過ヨウ素酸カリウム(K
IO4 ) 等が用いられる。反応条件は通常、シクロデキス
トリン濃度1mmol /l 〜30mmol /l 、酸化剤
濃度0.02M〜0.2M、反応温度5℃〜20℃、p
H3〜5、反応時間1〜25時間である。これらの反応
条件は、シクロデキストリンの構成単糖を開裂してジア
ルデヒド化する程度に応じて選ばれるが、通常構成単糖
全てを開裂させるには約24時間を要する。
【0008】本発明の画像診断用造影剤の製造に際し
て、糖類の酸化開裂によるジアルデヒド化を行った後、
二官能性配位子を反応させて糖類骨格に配位子を結合さ
せるが、その際酸化剤によって糖類が過酸化されたり、
ジアルデヒド化後の工程における残留酸化剤によって二
官能性配位子の結合反応時に糖類の過酸化による分解等
により純度低下等が生じ、好ましくない。例えば、α−
シクロデキストリンの酸化開裂の場合には、反応開始4
8時間経過後においてもメタ過ヨウ素酸ナトリウムの消
費量はα−シクロデキストリンの酸化開裂に必要な量の
みであったが、5個のD−グルコースがα−6,4結合
により直鎖状に連結されたマルトペンタオースを過ヨウ
素酸ナトリウムを用いて酸化開裂を行った場合には、反
応開始2時間後にすでに必要量以上のメタ過ヨウ素酸ナ
トリウムが消費され、過酸化反応が起こっていることが
分かった。このようにシクロデキストリンは安定に酸化
開裂してジアルデヒド化を行うことができ、過剰量のメ
タ過ヨウ素酸ナトリウムが残留してもシクロデキストリ
ンの分解を伴うことなく、次の金属錯体化合物標識工程
の反応を行うことができる。従って合成途中での煩雑な
精製操作が不必要になり、合成操作をより簡便に行うこ
とが可能である。
【0009】錯化剤には、上記シクロデキストリンのジ
アルデヒド化体のアルデヒド基と反応する架橋鎖として
活性アミノ基を有する鎖式あるいは環式のポリアミノカ
ルボン酸であって、金属イオンを補足して錯体を形成す
る能力を有する二官能性構造を持ったものが使用され
る。特に好ましくはDTPA(ジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸)、DOTA(1,4,7,10−テトラアザ
シクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸)ある
いはTETA(1,4,8,11−テトラアザシクロテ
トラデカン−1,4,8,11−テトラ酢酸)の誘導体
である、活性アミノ基等を有する二官能性錯化剤が使用
される。具体的には、1−(p−アミノベンジル)ジエ
チレントリアミンペンタ酢酸[Martin,W.B.ら:Inorg.
Chem.,25,2772〜2781頁 (1986年) ]、2−(p−アミ
ノベンジル)−1,4,7,10−テトラ酢酸[アメリ
カ特許第4678667号明細書]、2−アミノブチル
−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,
4,7,10−テトラ酢酸[Parker,D. ら:Pure & App
l.Chem.,61,1637 〜1641頁(1989年)]などが例示され
る。
【0010】シクロデキストリンジアルデヒド化体と錯
化剤との結合は、公知の方法によって行う。この場合前
述のごとく、シクロデキストリンのジアルデヒド化体の
合成に用いた酸化剤を取り除くことなくin situ
にて行うことが可能である。このことは、合成途中での
煩雑な精製操作が不必要になり、合成操作がより簡便に
なることを意味する。例えば、シクロデキストリンジア
ルデヒド化体と錯化剤とをアルカリ溶液中で反応させる
ことにより、両者が−CH=N−を介して結合した化合
物が得られる。また、錯化剤はあらかじめ金属が錯化し
たものを用いてもよい。必要に応じ、この結合体を還元
して、−CH=N−を−CH2 −NH−に変換してもよ
い。例えば,α−シクロデキストリンのジアルデヒド化
体(DA−α−CDと略す)に二官能性配位子として
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−ア
ミノエチルカルバモイルメチル−4,7,10−トリス
[(R,S)−メチル酢酸](DO3MAと略す)が結
合し、金属イオンとしてGdが配位した金属錯体化合物
は以下の操作にて合成される。α−シクロデキストリン
水溶液にメタ過ヨウ素酸ナトリウムを加え酸化開裂後、
常法によりGdを錯化させたDO3MA(DO3MA−
Gdと略す)を加え、反応促進剤としてトリエチルアミ
ンを加え撹拌する。生成したシッフ塩基の還元のため本
溶液に水素化ほう素ナトリウムを加え撹拌、透析にて精
製を行い、DA−α−CD−DO3MA−Gdを得る。
このようにシクロデキストリンを用いて反応途中での精
製操作が不必要になることにより、合成が容易になるだ
けでなく、収率が向上し、ひいてはコストの低減化にも
つながる。
【0011】本発明に用いる金属イオンは、原子番号2
1〜29、31、32、37〜39、42〜44、49
および56〜83の金属から画像診断の用途によって選
択される。本発明の画像診断用造影剤が核磁気共鳴画像
診断に使用される場合には、金属イオンは常磁性でなけ
らばならず、原子番号26および57〜70のランタノ
イド系元素のイオンからなる群から選択され、好ましく
はGd、Dy、Tb、Ho、Er、またはFeである。
X線画像診断に使用される場合には、金属イオンは原子
番号57〜70のランタノイド系元素のイオンや56、
76、82および83の元素のイオンからなる群から選
択され、Bi、PbまたはOsが好適である。また、放
射性画像診断剤として使用される場合には、金属イオン
は放射性でなけらばならず、Co、Cu、Ga、Ge、
Sr、Y、Tc、In、Sm、Gd、Yb、Reまたは
Irの放射性金属イオンが適当である。使用する金属イ
オンは、金属自体またはその無機化合物(例えば、塩化
物、酸化物等)であってよい。錯化は常法により行われ
る。
【0012】得られた金属錯体化合物は、α−シクロデ
キストリン、β−シクロデキストリンあるいはγ−シク
ロデキストリンの構成単糖が少なくとも1個以上、好ま
しくは2個以上酸化開裂されたジアルデヒド化体に少な
くとも1個以上錯化剤が化学結合し、金属イオンが錯化
結合している。
【0013】本発明の画像診断用造影剤の使用量は画像
診断の用途に応じて選択する。例えば、核磁気共鳴用造
影剤として使用するためには、金属イオン量として一般
に0.005〜5mmol/kg、好ましくは0.01
〜0.5mmol/kgの量で投与する。また、X線診
断用造影剤として使用するためには、金属イオン量とし
て0.01〜10mmol/kg、好ましくは0.1〜
1mmol/kgの量で投与する。更に、放射性診断剤
として使用するためには、370〜18500MBqの
放射能量を投与する。通常は静脈内に投与するが、場合
により経口的あるいは動脈内に投与してもよい。
【0014】本発明の画像診断用造影剤である、DA−
α−CD−DO3MA−Gdを担癌ラットに投与後、1
時間を経過した癌巣部位は明らかに造影されており、本
化合物のインビボにおける造影効果および血中滞留性が
確認された。また、水中でのT1緩和度(磁場強度:
6.35T,25℃)は8.6(mM・S)-1と、DT
PA−Gdの約2倍と顕著に増加したことが確認され
た。
【0015】本発明の画像診断用造影剤は、血中滞留性
が臨床上有効と考えられる範囲(血中半減期として0.
5〜5時間)にある。このことは、例えば高磁場核磁気
共鳴装置に比べ撮像に時間を要する低磁場核磁気共鳴装
置用に、造影剤によるプロトン緩和効果の収集効率を上
げる目的に有効である。また、単位量当たりの造影効果
が高いことも有利に作用する。例えば、分子当たりの緩
和時間の短縮効果がDTPA−Gdよりも優位に強度で
あるから、核磁気共鳴用造影剤として有利に使用され得
る。またプロトン緩和効果の収率が低い低磁場核磁気共
鳴装置による診断では単位量当たりの造影効果が高いの
で検出効率が向上し、撮像時間の短縮も可能となる。更
に、同一磁場強度の装置においてDTPA−Gdと同一
の造影効果を得たい場合には、DTPA−Gdよりも低
用量で済み、安全性の面でも有利となる。また、同一投
与量であればDTPA−Gdよりもより多く生体情報を
提供することになり、臨床的な有用性が向上する。即
ち、本発明により核磁気共鳴装置の磁場強度あるいは撮
像条件に対し、より適切な血中滞留性と有効な造影効果
を有する造影剤が提供されることとなった。
【0016】また、本発明の画像診断用造影剤は適切な
血中滞留性を示すことから、血管分布像(バスキュラリ
ティー)の評価を可能にする。従って、本発明の診断用
造影剤は,近年進歩が著しいMRアンジオグラフィー用
に特別なパルスシークエンスを使用せずとも血管が画像
化できるため、経静脈用の画像診断用造影剤としても有
用である。さらに、良好な水溶性を有するので、それ自
体で高濃度溶液の調製が可能である。従って、溶液調製
時に必ずしも溶解剤の使用を必要としない。また、多核
化合物であることから、単核化合物に比較して調製溶液
の全体のモル数を減少させることができ、浸透圧の低下
につながる。これらのことは、生体内投与の際に、循環
系の容量あるいは体液平衡に対する負荷を軽減させ、安
全性の上で有利となる。
【0017】本発明の画像診断用造影剤は、注射用蒸留
水あるいは生理的に投与可能な水性溶剤に溶解させ調製
する。必要に応じてpH調製剤あるいは可溶化剤を添加
してもよい。pH調製剤としてはNaOH,HClなど
が、可溶化剤としてはトリ−N−メチルグルカミンなど
が例示される。
【0018】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の技術的範囲がこれらに限定される
ものではない。なお、略称は以下の意義を有する: DTEN:1−(p−アミノベンジル)ジエチレントリ
アミンペンタ酢酸 DO3MA:1,4,7,10−テトラアザシクロドデ
カン−1−アミノエチルカルバモイルメチル−4,7,
10−トリス[(R,S)−メチル酢酸] DA−α−CD:ジアルデヒド−α−シクロデキストリ
ン DA−γ−CD:ジアルデヒド−γ−シクロデキストリ
ン それぞれの組成の分析法は以下の通りである。C,H,
Nは、元素分析で求め、金属イオンは、誘導結合高周波
プラズマ分析によって求め、それぞれwt%で示した。
酸素は残りである。金属イオンの結合数は、それぞれの
シクロデキストリンの構成単糖のすべてに配位した金属
イオンの含有量との比率により算出した。
【0019】(実施例1) α−シクロデキストリンとマルトペンタオースの酸化開
裂 シクロデキストリン類としてα−シクロデキストリン、
鎖状多糖類としてマルトペンタオースを用いて酸化開裂
の比較実験を行った。α−シクロデキストリン(1.2
0g;1.24m mol)を水(10ml)に溶解
し、室温で撹拌し遮光下で0.2Nメタ過ヨウ素酸ナト
リウム(45ml)を少量ずつ加えた後撹拌を継続し
た。同様に、マルトペンタオース(1.10g;1.3
3m mol)を水(10ml)に溶解し、室温で撹拌
し遮光下で0.2Nメタ過ヨウ素酸ナトリウム(55m
l)を少量ずつ加えた後撹拌を継続した。これらの反応
溶液について、0.5mlずつを経時的に取り出し、Fl
aury-Lange法[P.F.Flery,J.Lange,J.Pharm., 17,107,1
96(1933)]を用いて過ヨウ素酸の消費量の測定を行っ
た。その結果、α−シクロデキストリン反応溶液につい
てはメタ過ヨウ素酸ナトリウム添加後、過ヨウ素酸の消
費量は経時的に増加し、添加24時間後すべての構成単
糖を開裂させるのに必要な量が消費され、その後消費量
の増加は認められなかった。一方、マルトペンタオース
反応溶液についても同様に過ヨウ素酸消費量は経時的に
増加し、添加2時間後すべての構成単糖を開裂させるの
に必要な量が消費された。しかし、その後も消費量は増
加し続け、添加24時間後は添加2時間後に比べ約1.
4倍の過ヨウ素酸が消費され、過剰の過ヨウ素酸による
過酸化反応が進んでいることが確認された。実験結果を
表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例2) DA−α−CD−DTEN−Gdの合成 α−シクロデキストリン(1.2g;1.24mmo
l)を水(9ml)に溶解し、室温で撹拌した。ここに
遮光下で0.2N過ヨウ素酸ナトリウム(44ml)を
少量ずつ加えた後、24時間撹拌した。次に、DTEN
(2.9g;5.9mmol)を加え、更にトリエチル
アミン(0.18ml)を加え24時間撹拌後、水素化
ホウ素ナトリウム(2.8g)を加え24時間撹拌し
た。本反応溶液を塩酸にてpHを2とし、さらに水酸化
ナトリウム溶液にて中性とした。GdCl3 ・6H2
(2.4g;6.5mmol)を加え室温で撹拌反応さ
せ、濃縮し白色沈殿を除いた後、透析法(分画分子量:
1000)によりDA−α−CD−DTEN−Gd
(0.74g)を得た。 元素分析値:C38.0wt%;H7.2wt%;N
9.0wt% Gd含有量:13.9wt%,Gd結合数:4.3
【0022】(実施例3) DA−α−CD−DO3MA−Gdの合成 α−シクロデキストリン(2.70g;2.78mmo
l)を水(20ml)に溶解し、室温で撹拌した。ここ
に遮光下で0.2N過ヨウ素酸ナトリウム(100m
l)を少量ずつ加えた後、24時間撹拌した。次に、D
O3MA−Gd(8.68g;13.5mmol)を加
え、更にトリエチルアミン(0.40ml)を加え24
時間撹拌後、水素化ホウ素ナトリウム(6.38g)を
加え24時間撹拌した。本反応溶液を塩酸にてpHを2
とし、さらに水酸化ナトリウム溶液にて中性とし、濃縮
して白色沈殿を除いた後、透析法(分画分子量:100
0)によりDA−α−CD−DO3MA−Gd(1.9
7g)を得た。 元素分析値:C38.2wt%;H7.3wt%;N,
9.3wt% Gd含有量:14.8wt%,Gd結合数:4.5
【0023】(実施例4) DA−γ−CD−DO3MA−Gdの合成 実施例3で記述したα−シクロデキストリンをγ−シク
ロデキストリンに置換することによってDA−γ−CD
−DO3MA−Gd1.68gを得た。 元素分析値:C38.0wt%;H7.3wt%;N,
9.8wt% Gd含有量:15.5wt%,Gd結合数:6.2
【0024】(実施例5) DA−β−CD−DO3MA−Biの合成 β−シクロデキストリン(0.20g;0.18mmo
l)を水(2ml)に溶解し、室温で撹拌した。ここに
遮光下で0.2N過ヨウ素酸ナトリウム(8ml)を少
量ずつ加えた後、24時間撹拌した。次に、DO3MA
−Bi(1.04g;1.5mmol)を加え、更にト
リエチルアミン(0.04ml)を加え24時間撹拌
後、水素化ホウ素ナトリウム(0.6g)を加え24時
間撹拌した。本反応溶液を塩酸にてpHを2とし、さら
に水酸化ナトリウム溶液にて中性とし、濃縮して白色沈
殿を除いた後、透析法(分画分子量:1000)により
DA−β−CD−DO3MA−Bi(0.48g)を得
た。 Bi含有量:17.7wt%,Bi結合数:4.3
【0025】(実施例6) DA−α−CD−DO3MA−GdおよびDA−γ−C
D−DO3MA−Gdの緩和度(イン・ビトロ実験) DA−α−CD−DO3MA−GdおよびDA−γ−C
D−DO3MA−GdをGd濃度として5、2.5、
1.25および0.625mMとなるように蒸留水に溶
解させた。この化合物の37℃における緩和時間(T1
およびT2、msec)をNMR(0.5Tおよび1.
5T)により測定し、本数値をもとにT1およびT2緩
和度(それぞれR1およびR2、(mM・S)-1)を算
出した。結果を表2に示す。数値はいずれもGd1原子
当たりの数値である。DA−α−CD−DO3MA−G
dおよびDA−γ−CD−DO3MA−Gdは,イン・
ビトロにおいて良好な緩和効果を有し、その効果は同様
の手法で測定した単核錯体であるDTPA−Gd(表2
中に併記)よりも優位に高く、有効性が明らかとなっ
た。
【0026】
【表2】
【0027】(実施例7) DA−α−CD−DO3MA−GdおよびDA−γ−C
D−DO3MA−Gdの0.5M溶液の調製 DA−α−CD−DO3MA−Gd1.0gを計り取り
注射用水を適量加え、DA−α−CD−DO3MA−G
d0.5M(Gd濃度)を調製した。DA−γ−CD−
DO3MA−Gd1.0gを計り取り注射用水を適量加
え、DA−γ−CD−DO3MA−Gd0.5M(Gd
濃度)を調製した。いずれも補助剤なしで必要とされる
高濃度溶液の調製が可能であった。
【0028】(実施例8) DA−α−CD−DO3MA−GdおよびDA−γ−C
D−DO3MA−Gdの担癌ラット静脈内投与における
造影効果(イン・ビボ実験) ラボナール麻酔を施した雌性WKAラット(284−2
87g,ラット肝細胞癌kDH−8を移植)にDA−α
−CD−DO3MA−Gd、DA−γ−CD−DO3M
A−Gd溶液を尾静脈に固定したカニューレより投与
(Gdとして0.2m mol/kg)した。核磁気共
鳴装置の磁場内に伏臥位固定し、担癌部位の撮像を行っ
た。装置はOmega−CSI(Bruker社製)
で、磁場強度は2T、またイメージングコイルとしてラ
ットBody用コイルを使用した。撮影条件は、スピン
エコー法でスライス厚2mm、解像度256×128の
T1強調(TR/TE:600/12msec)にて行
った。その結果を、図1および図2に示した。
【0029】
【発明の効果】本発明により、糖骨格の酸化開裂反応お
よび金属錯体の結合等による画像診断造影剤の製造にあ
たり、精製操作が不要で製造が容易であり、しかも、安
定で、水に対して良好な可溶性を持ち、生理学的に許容
できる核磁気共鳴診断、X線診断あるいは放射線診断な
どに有用な画像診断用造影剤である、新規かつ特異な化
合物であるシクロデキストリンジアルデヒド化体に配位
子が結合した錯化剤に金属イオンが配位して成る化合物
によって構成される有用な画像診断造影剤の提供が可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】DA−α−CD−DO3MA−Gd溶液を投与
したラットの担癌部位の断層を示す生物の形態写真であ
る。
【図2】DA−γ−CD−DO3MA−Gd溶液を投与
したラットの担癌部位の断層を示す生物の形態写真であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 世利 重実 千葉県袖ヶ浦市北袖3番地1 日本メジフ ィジックス株式会社中央研究所内 (72)発明者 岩井 久美子 千葉県袖ヶ浦市北袖3番地1 日本メジフ ィジックス株式会社中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)シクロデキストリンの構成単糖のう
    ち少なくとも1個が酸化開裂された、シクロデキストリ
    ンジアルデヒド化体のアルデヒド基に化学的に結合した
    少なくとも1個の配位子を有する錯化剤に、(b)原子
    番号21〜29、31、32、37〜39、42〜4
    4、49および56〜83の金属から選ばれた少なくと
    も1種の金属イオンが配位してなる化合物を含むことを
    特徴とする画像診断用造影剤。
  2. 【請求項2】化学的に結合した少なくとも1個の配位子
    がジエチレントリアミンペンタ酢酸誘導体である請求項
    1記載の画像診断用造影剤。
  3. 【請求項3】化学的に結合した少なくとも1個の配位子
    が1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,
    4,7,10−テトラ酢酸誘導体である請求項1記載の
    画像診断用造影剤。
  4. 【請求項4】化学的に結合した少なくとも1個の配位子
    が1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−
    1,4,8,11−テトラ酢酸誘導体である請求項1記
    載の画像診断用造影剤。
  5. 【請求項5】ジエチレントリアミンペンタ酢酸誘導体が
    1−(p−アミノベンジル)ジエチレントリアミンペン
    タ酢酸である請求項2記載の画像診断用造影剤。
  6. 【請求項6】1,4,7,10−テトラアザシクロドデ
    カン−1,4,7,10−テトラ酢酸誘導体が1,4,
    7,10−テトラアザシクロドデカン−1−アミノエチ
    ルカルバモイルメチル−4,7,10−トリス[(R,
    S)−メチル酢酸]である請求項3記載の画像診断用造
    影剤。
  7. 【請求項7】金属イオンがGd、Dy、Tb、Ho、E
    rまたはFeである請求項1、2、3、4、5または6
    記載の画像診断用造影剤。
  8. 【請求項8】金属イオンがBi、Pb、TbまたはOs
    である請求項1、2、3、4、5または6記載の画像診
    断用造影剤。
  9. 【請求項9】金属イオンがCo、Cu、Ga、Ge、S
    r、Y、Tc、In、Sm、Gd、Yb、ReまたはI
    rである請求項1、2、3、4、5または6記載の画像
    診断用造影剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998023293A1 (fr) * 1996-11-28 1998-06-04 Nihon Schering K.K. Compose de contraste, milieu de contraste pour irm et procede d'irm
JP2012512844A (ja) * 2008-12-19 2012-06-07 ウニヴェルシテ ド ルアン Mriイメージングのための高性能な造影剤

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