JPH08125234A - 熱電変換素子及び熱電変換素子の作製方法 - Google Patents

熱電変換素子及び熱電変換素子の作製方法

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JPH08125234A
JPH08125234A JP6264741A JP26474194A JPH08125234A JP H08125234 A JPH08125234 A JP H08125234A JP 6264741 A JP6264741 A JP 6264741A JP 26474194 A JP26474194 A JP 26474194A JP H08125234 A JPH08125234 A JP H08125234A
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electrode
electrodes
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thermoelectric conversion
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JP6264741A
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Shuzo Kagawa
修三 香川
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効
率を可及的に向上させる。 【構成】 p型又はn型の半導体からなる塊状体2に一
対の電極3A,3Bを備え、その一方の電極3Aの形成
側を高温状態とし、且つ、他方の電極3Bの形成側を低
温状態とすることによって、一対の電極3A,3B間に
起電力を生じる熱電変換素子において、塊状体2の表面
近傍における、高温状態とする側の電極3Aと接触する
箇所のうちの少なくとも一部、又は、何れの電極とも接
触しない箇所のうちの少なくとも一部が、他の部分より
も不純物濃度が低くなるように形成してある。又、塊状
体2の表面近傍における、低温状態とする側の電極3B
と接触する箇所のうちの少なくとも一部が、他の部分よ
りも不純物濃度が高くなるように形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、p型又はn型の半導体
からなる塊状体に一対の電極を備え、前記一対の電極の
うちの一方の電極の形成側を高温状態とし、且つ、他方
の電極の形成側を低温状態とすることによって、前記一
対の電極間に起電力を生じる熱電変換素子及び熱電変換
素子の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる熱電変換素子は、p型又はn型の
半導体からなる塊状体に備えた一対の電極の一方を高温
状態とし、他方を低温状態とすると、塊状体における高
温状態側箇所において発生した正孔又は電子が低温状態
側に移動するため、一対の電極間に起電力が生じるとい
ういわゆるゼーベック効果を利用して、熱エネルギーを
電気エネルギーに変換する素子である。
【0003】この熱電変換素子は、従来、先ず、半導体
の構成元素の混合物に、必要に応じてp型又はn型とす
るための不純物を混入して溶融した後に冷却硬化させて
インゴットとする。そして、そのインゴットを粉砕した
後、いわゆるホットプレス法にて焼結することによって
塊状体を形成し、更にその塊状体に電極を固着させて作
製する。このように作製すると、塊状体は、ほぼ一様に
p型又はn型の不純物が分布してp型又はn型の半導体
となり、熱エネルギーから電気エネルギーへの変換に供
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、塊状体と電極との界面及び塊状体の表面に
多数の再結合中心が存在し、塊状体における高温状態側
箇所に発生した正孔又は電子が、低温状態とする電極に
到達する前にその再結合中心を介して再結合してしまう
割合が多い。低温状態とする電極に到達する前に再結合
してしまうと、起電力に寄与することができず、熱エネ
ルギーから電気エネルギーへの変換効率を低下させる要
因となっている。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、その第1の目的は、熱エネルギーから電気エ
ネルギーへの変換効率を可及的に向上させる点にある。
第2の目的は、熱電変換素子を容易に作製できるように
しながら、上記第1の目的を達する点にある。第3の目
的は、効率良く熱電変換素子の起電力を高くする点にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の熱電変換素子
は、p型又はn型の半導体からなる塊状体に一対の電極
を備え、前記一対の電極のうちの一方の電極の形成側を
高温状態とし、且つ、他方の電極の形成側を低温状態と
することによって、前記一対の電極間に起電力を生じる
ものであって、その第1特徴構成は、前記塊状体の表面
近傍における、前記高温状態とする側の電極と接触する
箇所のうちの少なくとも一部、又は、何れの電極とも接
触しない箇所のうちの少なくとも一部が、他の部分より
も不純物濃度が低くなるように形成してある点にある。
【0007】又、本発明の熱電変換素子は、p型又はn
型の半導体からなる塊状体に一対の電極を備え、前記一
対の電極のうちの一方の電極の形成側を高温状態とし、
且つ、他方の電極の形成側を低温状態とすることによっ
て、前記一対の電極間に起電力を生じるものであって、
その第2特徴構成は、前記塊状体の表面近傍における、
前記低温状態とする側の電極と接触する箇所のうちの少
なくとも一部が、他の部分よりも不純物濃度が高くなる
ように形成してある点にある。
【0008】本発明の熱電変換素子の第3特徴構成は、
上記第1又は第2特徴構成において、前記塊状体の表面
近傍における、前記高温状態とする側の電極との接触箇
所の全部が、他の部分よりも不純物濃度が低くなるよう
に形成してある点にある。本発明の熱電変換素子の第4
特徴構成は、上記第3特徴構成において、前記塊状体の
表面近傍における、前記一対の電極と接触していない箇
所の全部が、他の部分よりも不純物濃度が低くなるよう
に形成してある点にある。本発明の熱電変換素子の第5
特徴構成は、上記第1、第2、第3又は第4特徴構成に
おいて、前記p型の半導体からなる塊状体と前記n型の
半導体からなる塊状体とを、交互に複数個配置し、前記
p型の半導体からなる塊状体と前記n型の半導体からな
る塊状体とが電気的に直列となるように、隣接する塊状
体同士を、高温状態とする電極と低温状態とする電極と
にて、交互に接続してある点にある。
【0009】本発明の熱電変換素子の作製方法は、p型
又はn型の半導体からなる塊状体に一対の電極を備え、
前記一対の電極のうちの一方の電極の形成側を高温状態
とし、且つ、他方の電極の形成側を低温状態とすること
によって、前記一対の電極間に起電力を生じるものであ
って、その特徴は、p型又はn型の半導体からなる薄板
状の基材を形成し、その基材の一方の面に対して前記基
材と同一伝導型の不純物を注入し、不純物を注入した基
材を、不純物の注入面に対して垂直に切断して複数個に
分割し、前記不純物の注入面を除く面に、前記基材と同
一材料からなり、同一伝導型で且つ不純物濃度が低い層
を積層して前記塊状体を形成し、その塊状体における、
前記不純物の注入面と、その反対側の面とに前記一対の
電極を固着する点にある。
【0010】
【作用】本発明の熱電変換素子の第1特徴構成によれ
ば、塊状体の表面近傍における、高温状態とする側の電
極と接触する箇所のうちの少なくとも一部、又は、何れ
の電極とも接触しない箇所のうちの少なくとも一部が、
他の部分よりも不純物濃度が低くなるようにしてある。
このように不純物濃度に差をつけると、その不純物濃度
の低い箇所は不純物濃度がより高い箇所に対して、荷電
子帯における正孔又は伝導帯における電子の通過を阻止
するエネルギー障壁を形成することになる。従って、塊
状体における高温状態側箇所で発生した正孔又は電子
は、塊状体の表面近傍の不純物濃度を低くした箇所で
は、塊状体の表面に存在する再結合中心に捕らえられる
ことがないので、再結合してしまうことなくそのまま低
温状態とする側の電極に到達する確率が高くなる。
【0011】本発明の熱電変換素子の第2特徴構成によ
れば、塊状体の表面近傍における、高温状態とする側の
電極と接触する箇所のうちの少なくとも一部が、他の部
分よりも不純物濃度が高くなるようにしてある。このよ
うに不純物濃度に差をつけると、不純物濃度の低い部分
と高い部分との境界でのエネルギーの状態が、正孔又は
電子を加速する状態となる。従って、塊状体における高
温状態側箇所で発生して低温状態とする側の電極の近く
まで移動した正孔又は電子が、不純物濃度の低い部分と
高い部分との境界で加速されて塊状体と低温状態とする
側の電極との界面に突入する。このため、正孔又は電子
が塊状体と低温状態とする側の電極との界面に存在する
再結合中心に捕らえられる割合が低くなり、再結合して
しまうことなくそのまま低温状態とする側の電極に到達
する確率が高くなる。
【0012】本発明の熱電変換素子の第3特徴構成によ
れば、塊状体の表面近傍における、高温状態とする側の
電極との接触箇所の全部が、他の部分よりも不純物濃度
が低くなるようにしてある。高温状態とする側の電極に
近い位置に位置する塊状体の部分は、温度が高いことか
ら正孔又は電子の発生する割合が高く、又、塊状体と高
温状態とする側の電極との界面に存在する再結合中心に
捕らえられ易いものとなる。このため、塊状体と高温状
態とする側の電極との界面に存在する再結合中心は、熱
エネルギーから電気エネルギーへの変換効率を低下させ
る大きな要因の一つとなる。従って、塊状体の表面近傍
における、高温状態とする側の電極との接触箇所の全部
が、他の部分よりも不純物濃度が低くなるようにするこ
とで、塊状体と高温状態とする側の電極との界面に存在
する再結合中心の影響を排除することができる。
【0013】又、上記のように不純物濃度の低い部分を
形成すると、熱電変換素子の作製を半導体のウェハ処理
と同様の手法にて行い、容易に熱電変換素子を作製でき
るようにすることが可能となる。つまり、p型又はn型
の半導体からなる平板を形成し、その平板の一方の面の
全面に不純物濃度の低い部分を形成した後、小さく切断
して熱電変換素子を構成する塊状体とすることができる
のである。
【0014】本発明の熱電変換素子の第4特徴構成によ
れば、塊状体の表面近傍における、高温状態とする側の
電極との接触箇所の全部のみならず、更に、一対の電極
と接触していない箇所の全部をも、他の部分よりも不純
物濃度が低くなるようにしてあり、塊状体における高温
状態側箇所で発生した正孔又は電子が再結合中心に捕ら
えられるのを可及的に抑制できる。
【0015】本発明の熱電変換素子の第5特徴構成によ
れば、p型の塊状体とn型の塊状体とを交互に配置し、
隣接する塊状体同士すなわち隣接するp型の塊状体とn
型の塊状体とを高温状態とする電極と低温状態とする電
極とにて交互に接続して、電気的に直列となるようにし
てある。このように接続することで、各塊状体の起電力
の極性が電気回路的に同一方向を向くことになって、熱
電変換素子の総起電力は、全ての塊状体の起電力の総和
となる。
【0016】本発明の熱電変換素子の作製方法の特徴に
よれば、熱電変換素子を構成する塊状体を作製するにあ
たって、その塊状体のもととなる薄板状の基材を形成し
て、その基材に対して不純物濃度の高い層を形成する処
理を行う。つまり、個々の塊状体に分離する前の薄板状
の基材のままで処理するのである。
【0017】
【発明の効果】本発明の熱電変換素子の第1特徴構成に
よれば、塊状体における高温状態側箇所で発生した正孔
又は電子は、再結合してしまうことなくそのまま低温状
態とする側の電極に到達する確率が高くなるので、熱エ
ネルギーから電気エネルギーへの変換効率を可及的に向
上させることができる。本発明の熱電変換素子の第2特
徴構成によれば、塊状体における高温状態側箇所で発生
した正孔又は電子が、塊状体と低温状態とする側の電極
との界面に存在する再結合中心に捕らえられる割合が低
くなり、再結合してしまうことなくそのまま低温状態と
する側の電極に到達する確率が高くなるので、熱エネル
ギーから電気エネルギーへの変換効率を可及的に向上さ
せることができる。
【0018】本発明の熱電変換素子の第3特徴構成によ
れば、上記の如く、熱電変換素子の作製を半導体のウェ
ハ処理と同様の手法にて行い、容易に熱電変換素子を作
製できるようにすることが可能としながら、熱電変換効
率を低下させる大きな要因である塊状体と高温状態とす
る側の電極との界面に存在する再結合中心の影響を排除
して、熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効率を
可及的に向上させることができる。
【0019】本発明の熱電変換素子の第4特徴構成によ
れば、塊状体における高温状態側箇所で発生した正孔又
は電子が再結合中心に捕らえられるのを可及的に抑制で
きるので、熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効
率を可及的に向上させることができる。本発明の熱電変
換素子の第5特徴構成によれば、各塊状体の起電力の極
性が電気回路的に同一方向を向くことになって、熱電変
換素子の総起電力は、全ての塊状体の起電力の総和とな
るので、全ての塊状体の起電力が互いに打ち消し合うよ
うなことがなく、効率良く熱電変換素子の起電力を高く
することができる。本発明の熱電変換素子の作製方法の
特徴によれば、個々の塊状体に分離する前の薄板状の基
材のままで加工処理できるので、塊状体の作製が容易と
なり、ひいては、熱電変換素子の作製が容易となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の熱電変換素子の実施例を図面
に基づいて説明する。熱電変換素子1は、図1に示すよ
うに、不純物としてSbをドーピングしたp型の半導体
であるp型Bi2Te3と、不純物としてSeをドーピング
したn型の半導体であるn型Bi2Te3とを夫々略立法体
状の塊状体2として形成し、その塊状体2夫々を一対の
電極3A,3Bにて挟持する構成としてある。
【0021】塊状体2と一対の電極3A,3Bとの配置
は、p型の半導体からなる塊状体2とn型の半導体から
なる塊状体2とを交互に複数個配置し、隣接する塊状体
2同士を、高温側状態とする電極3Aと低温状態とする
電極3Bとにて、交互に接続し、p型の半導体からなる
塊状体2とn型の半導体からなる塊状体2とが電気的に
直列となるようにしてあり、このように配置すること
で、全ての塊状体2において電気回路として見た場合の
起電力の向きが揃うことになる。
【0022】又、塊状体2夫々の表面近傍における、塊
状体2と低温状態とする側の電極3Bと接触する箇所の
ほぼ全部に、他の部分より不純物濃度の高い高不純物濃
度層2bを形成してあり、塊状体2夫々の表面近傍にお
ける、高不純物濃度層2bの形成箇所以外の5面全部の
箇所、すなわち、高温状態とする側の電極3Aと接触す
る箇所の全部、及び、一対の電極3A,3Bの何れとも
接触しない箇所の全部に、他の部分よりも不純物濃度の
低い低不純物濃度層2aを形成してある。夫々18個の
p型の半導体からなる塊状体2及びn型の半導体からな
る塊状体2を直列に接続した場合の熱電変換素子1の全
体図を図2に示す。尚、図示を省略するが、隣接する塊
状体2間及び電極3A,3B間には、電気的に絶縁する
ための雲母等の絶縁体が挿入してある。
【0023】上記の如く構成した熱電変換素子1の電極
3Aを高温状態とし、電極3Bを低温状態とすると、図
4のエネルギーバンド図に示すように、p型Bi2Te3
らなる塊状体2の高温側箇所では、熱励起により正孔が
発生し、低温状態の電極3Bに向かって移動する。又、
n型Bi2Te3からなる塊状体2の高温側箇所では、熱励
起により電子が発生し、低温状態の電極3Bに向かって
移動する。従って、熱電変換素子1に適当な負荷を接続
した場合の電流の流れで表すと、図1では、概略矢印A
の方向に電流が流れ、図2では、概略矢印Bの方向に電
流が流れ、一対のリード線4から電力として外部に取り
出される。
【0024】この際、塊状体2の高温側箇所で発生した
正孔及び電子の夫々は、夫々の塊状体2に形成された低
不純物濃度層2aとの間に形成されているエネルギー障
壁のために、高温側の電極3Aへの移動を阻止され、塊
状体2と高温側の電極3Aとの界面に存在する再結合中
心に捕らえられる割合が極めて低くなり、又、低温側の
電極に向けて移動する途中においても、塊状体2の表面
近傍に形成されている低不純物濃度層2aとの間に形成
されているエネルギー障壁のために、塊状体2の表面へ
の移動を阻止され、塊状体2の表面に存在する再結合中
心に捕らえられる割合が極めて少なくなる。
【0025】更に、低温側の電極3Bの近くに達した正
孔及び電子は、高不純物濃度層2bとの間で形成される
エネルギーバンドの傾斜により加速されて、低温側の電
極3Bに達する。これにより、塊状体2と低温側の電極
3Bとの界面に存在する再結合中心の捕らえられる割合
が低くなる。すなわち、塊状体2の高温側箇所で発生し
た正孔又は電子は、低不純物濃度層2a及び高不純物濃
度層2bの存在によって、再結合中心に捕らえられる割
合が低くなる状態で低温側の電極3Bに到達し、熱エネ
ルギーから電気エネルギーへの変換が効率良く行われ、
変換効率が高くなる。
【0026】以下、上記構成の熱電変換素子1の製造工
程を説明する。p型Bi2Te3からなる塊状体2の製造工
程とn型Bi2Te3からなる塊状体2の製造工程とは、ド
ーピングする不純物が異なるのみであるので、一括して
説明する。先ず、不純物を適当量混入したBi2Te3を図
3(イ)に断面を示すような薄板状の基材5としてホッ
トプレス法にて成形した後、一方の面に拡散長の3倍以
上の深さとなるように、基材5と同一伝導型の不純物を
熱拡散により注入し、高不純物濃度層2bを形成する。
この注入する不純物は、具体的には、p型Bi2Te3の場
合はSb、n型Bi2Te3の場合はSeで良い。
【0027】次に、図3(イ)中矢印で示す位置で基材
5を切断して、夫々が略立法体状の形状となるように分
離する。そして、図3(ロ)に示すように、高不純物濃
度層2bの形成面を下側にして支持台6上に載置し、そ
の高不純物濃度層2bの形成面以外の5面全部に、基材
5と同一材料すなわちBi2Te3からなり、同一伝導型で
且つ不純物濃度の低い層を塗布した後、適当な圧力下で
加熱して低不純物濃度層2aを形成する。尚、この低不
純物濃度層2aの厚みは、高不純濃度層2bと同程度で
ある。上記の如くして塊状体2が完成した後、塊状体2
に一対の電極3A,3Bを半田付け等によって固着さ
せ、図1及び図2に示す状態として、熱電変換素子1が
完成する。
【0028】〔別実施例〕以下、別実施例を列記する。 上記実施例では、塊状体2の表面近傍における、低
温状態とする側の電極3Bと接触する箇所以外の全部に
低不純物濃度層2aを形成してあるが、図5に示すよう
に、塊状体2の表面近傍における、高温状態とする側の
電極3Aと接触する箇所のみに低不純物濃度層2aを形
成するようにしても良い。このように低不純物濃度層2
aを形成する場合の熱電変換素子1の作製方法を説明す
る。先ず、不純物を適当量混入したBi2Te3を図6に断
面を示すような薄板状の基材5としてホットプレス法に
て成形した後、基材5と同一伝導型の不純物を熱拡散法
等により注入し、高不純物濃度層2bを形成する。この
注入する不純物は、具体的には、p型Bi2Te3の場合は
Sb、n型Bi2Te3の場合はSeで良い。
【0029】次に、その高不純物濃度層2bの形成面と
反対側の面に、基材5と同一材料すなわちBi2Te3から
なり、同一伝導型で且つ不純物濃度の低い層を塗布した
後、適当な圧力下で加熱して低不純物濃度層2aを形成
する。図6中矢印で示す位置で基材5を切断して、夫々
が略立法体状の形状となるように分離して、熱電変換素
子1を構成する塊状体2とする。この後の電極形成は上
記実施例と同様であり説明を省略する。
【0030】 上記実施例及び別実施例では、塊状体
2の材料となる半導体としてBi2Te3を例示している
が、PbTe,SiGe又はFeSi等の各種の半導体
を用いても良い。
【0031】 上記実施例では、低不純物濃度層2a
は、塊状体2の表面近傍における、高温状態とする側の
電極3Aと接触する箇所の全部、及び、電極3A,3B
とは接触しない箇所の全部に形成しているが、夫々の一
部に箇所に形成するか、又は、電極3A,3Bとは接触
しない箇所のみに形成するようにしても良い。又、高不
純物濃度層2bは、塊状体2の表面近傍における、低温
状態とする側の電極3Bと接触する箇所の全部に形成し
ているが、その一部に形成しても良い。
【0032】 上記実施例では、n型の半導体からな
る塊状体2とp型の半導体からなる塊状体2との組み合
わせを、複数個直列接続する構成としているが、一組の
n型の半導体からなる塊状体2及びp型の半導体からな
る塊状体2のみによって熱電変換素子1を構成しても良
いし、n型の半導体からなる塊状体2のみによって又は
p型の半導体からなる塊状体2のみによって熱電変換素
子1を構成しても良い。
【0033】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる熱電変換素子の要部拡
大図
【図2】本発明の実施例にかかる熱電変換素子の全体斜
視図
【図3】本発明の実施例にかかる熱電変換素子の製造工
程の説明図
【図4】本発明の実施例にかかる熱電変換素子の動作説
明図
【図5】本発明の別実施例にかかる熱電変換素子の要部
拡大図
【図6】本発明の別実施例にかかる熱電変換素子の製造
工程の説明図
【符号の説明】
2 塊状体 3A,3B 電極 5 基材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型又はn型の半導体からなる塊状体
    (2)に一対の電極(3A),(3B)を備え、 前記一対の電極(3A),(3B)のうちの一方の電極
    (3A)の形成側を高温状態とし、且つ、他方の電極
    (3B)の形成側を低温状態とすることによって、前記
    一対の電極(3A),(3B)間に起電力を生じる熱電
    変換素子であって、 前記塊状体(2)の表面近傍における、前記高温状態と
    する側の電極(3A)と接触する箇所のうちの少なくと
    も一部、又は、何れの電極(3A),(3B)とも接触
    しない箇所のうちの少なくとも一部が、他の部分よりも
    不純物濃度が低くなるように形成してある熱電変換素
    子。
  2. 【請求項2】 p型又はn型の半導体からなる塊状体
    (2)に一対の電極(3A),(3B)を備え、 前記一対の電極(3A),(3B)のうちの一方の電極
    (3A)の形成側を高温状態とし、且つ、他方の電極
    (3B)の形成側を低温状態とすることによって、前記
    一対の電極(3A),(3B)間に起電力を生じる熱電
    変換素子であって、 前記塊状体(2)の表面近傍における、前記低温状態と
    する側の電極(3B)と接触する箇所のうちの少なくと
    も一部が、他の部分よりも不純物濃度が高くなるように
    形成してある熱電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記塊状体(2)の表面近傍における、
    前記高温状態とする側の電極(3A)との接触箇所の全
    部が、他の部分よりも不純物濃度が低くなるように形成
    してある請求項1又は2記載の熱電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記塊状体(2)の表面近傍における、
    前記一対の電極(3A),(3B)と接触していない箇
    所の全部が、他の部分よりも不純物濃度が低くなるよう
    に形成してある請求項3記載の熱電変換素子。
  5. 【請求項5】 前記p型の半導体からなる塊状体(2)
    と前記n型の半導体からなる塊状体(2)とを、交互に
    複数個配置し、 前記p型の半導体からなる塊状体(2)と前記n型の半
    導体からなる塊状体(2)とが電気的に直列となるよう
    に、隣接する塊状体(2)同士を、高温状態とする電極
    (3A)と低温状態とする電極(3B)とにて、交互に
    接続してある請求項1、2、3又は4記載の熱電変換素
    子。
  6. 【請求項6】 p型又はn型の半導体からなる塊状体
    (2)に一対の電極(3A),(3B)を備え、 前記一対の電極(3A),(3B)のうちの一方の電極
    (3A)の形成側を高温状態とし、且つ、他方の電極
    (3B)の形成側を低温状態とすることによって、前記
    一対の電極(3A),(3B)間に起電力を生じる熱電
    変換素子の作製方法であって、 p型又はn型の半導体からなる薄板状の基材(5)を形
    成し、 その基材(5)の一方の面に対して前記基材(5)と同
    一伝導型の不純物を注入し、 不純物を注入した基材(5)を、不純物の注入面に対し
    て垂直に切断して複数個に分割し、 前記不純物の注入面を除く面に、前記基材(5)と同一
    材料からなり、同一伝導型で且つ不純物濃度が低い層を
    積層して前記塊状体(2)を形成し、 その塊状体(2)における、前記不純物の注入面と、そ
    の反対側の面とに前記一対の電極(3A),(3B)を
    固着する熱電変換素子の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10103312B2 (en) 2016-05-13 2018-10-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Thermoelectric conversion device

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