JPH08124763A - 静止誘導電器 - Google Patents
静止誘導電器Info
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- JPH08124763A JPH08124763A JP6256413A JP25641394A JPH08124763A JP H08124763 A JPH08124763 A JP H08124763A JP 6256413 A JP6256413 A JP 6256413A JP 25641394 A JP25641394 A JP 25641394A JP H08124763 A JPH08124763 A JP H08124763A
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- JP
- Japan
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- winding
- insulating material
- coil
- cooling passage
- forming
- Prior art date
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- Insulating Of Coils (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、巻線のコイル間絶縁耐力を向上させ
ることを目的とする。 【構成】静止誘導電器の絶縁用および絶縁媒体の冷却通
路構成用の絶縁物となるコイル間スペーサ12を配置す
る位置と直線スペーサ13の位置をずらせて配置し、熱
硬化性のゴムと高密度アラミドボードの2層構造のコイ
ル間スペーサで円板コイルを包み込むようにしてコイル
間冷却通路を構成する。また、直線スペーサは高密度の
アラミドボードと繊維基剤のゴムボードの2層構造とし
てクッション性を持たせ、加熱によってゴムを軟化させ
て微小ギャップへの充填を促進,加熱後に硬化させて形
状が変わらないようにしている。また、高電界となる巻
線部分のコイル間電界比の0.7〜1.0の範囲に上記構
造を適用して静止誘導電器巻線を形成することを特徴と
する。
ることを目的とする。 【構成】静止誘導電器の絶縁用および絶縁媒体の冷却通
路構成用の絶縁物となるコイル間スペーサ12を配置す
る位置と直線スペーサ13の位置をずらせて配置し、熱
硬化性のゴムと高密度アラミドボードの2層構造のコイ
ル間スペーサで円板コイルを包み込むようにしてコイル
間冷却通路を構成する。また、直線スペーサは高密度の
アラミドボードと繊維基剤のゴムボードの2層構造とし
てクッション性を持たせ、加熱によってゴムを軟化させ
て微小ギャップへの充填を促進,加熱後に硬化させて形
状が変わらないようにしている。また、高電界となる巻
線部分のコイル間電界比の0.7〜1.0の範囲に上記構
造を適用して静止誘導電器巻線を形成することを特徴と
する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静止誘導電器に係り、特
に、被覆電線でコイルを構成し、かつ、絶縁物でコイル
冷却用通路を構成して絶縁性ガスを循環する構造で、高
い絶縁耐力を有する高電圧のものに好適な静止誘導電器
に関する。
に、被覆電線でコイルを構成し、かつ、絶縁物でコイル
冷却用通路を構成して絶縁性ガスを循環する構造で、高
い絶縁耐力を有する高電圧のものに好適な静止誘導電器
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油入内鉄型変圧器は鉄心脚周囲
に低圧巻線、その周囲に主絶縁距離をとって高圧巻線が
同心状に配置される。それぞれの巻線が円板コイルで構
成される場合には、水平冷却通路構成用の絶縁物(以
下、コイル間スペーサと呼ぶ)を介在させて絶縁を保持
するとともに、変圧器油循環用の巻線水平冷却通路を確
保する。
に低圧巻線、その周囲に主絶縁距離をとって高圧巻線が
同心状に配置される。それぞれの巻線が円板コイルで構
成される場合には、水平冷却通路構成用の絶縁物(以
下、コイル間スペーサと呼ぶ)を介在させて絶縁を保持
するとともに、変圧器油循環用の巻線水平冷却通路を確
保する。
【0003】また、主絶縁間には、絶縁筒バリヤと垂直
冷却通路構成用の絶縁物(以下、直線スペーサと呼ぶ)
が巻線に沿って配置され、絶縁保持と巻線冷却のための
垂直の冷却通路が構成される。更に、直線スペーサは、
コイル間スペーサのガイドレールとしての機能を持たせ
て、コイル間スペーサの水平方向への位置ずれをなくす
ようにしている。
冷却通路構成用の絶縁物(以下、直線スペーサと呼ぶ)
が巻線に沿って配置され、絶縁保持と巻線冷却のための
垂直の冷却通路が構成される。更に、直線スペーサは、
コイル間スペーサのガイドレールとしての機能を持たせ
て、コイル間スペーサの水平方向への位置ずれをなくす
ようにしている。
【0004】ガス絶縁変圧器においても円板コイルで構
成される場合には、冷却通路を確保するためにコイル間
スペーサ,直線スペーサが同様に配置される。コイル間
スペーサと円板コイルの角部との間、あるいは直線スペ
ーサと円板コイルとの間には楔状のギャップが形成さ
れ、比誘電率の小さいこの部分に電界が集中する。
成される場合には、冷却通路を確保するためにコイル間
スペーサ,直線スペーサが同様に配置される。コイル間
スペーサと円板コイルの角部との間、あるいは直線スペ
ーサと円板コイルとの間には楔状のギャップが形成さ
れ、比誘電率の小さいこの部分に電界が集中する。
【0005】特に、直線スペーサとコイル間スペーサが
配置されるコイル角部は絶縁物の占積率が大きい分だけ
電界集中が大きくなる。
配置されるコイル角部は絶縁物の占積率が大きい分だけ
電界集中が大きくなる。
【0006】一般に固体絶縁物より絶縁・冷却媒体とな
る液体またはガスの絶縁強度が低いため、この部分が破
壊の出発点になり、電界集中が大きいほど絶縁耐力は低
下する。したがって、静止誘導電器巻線の高耐電圧化は
この部分の電界集中を如何にしてなくすかにある。
る液体またはガスの絶縁強度が低いため、この部分が破
壊の出発点になり、電界集中が大きいほど絶縁耐力は低
下する。したがって、静止誘導電器巻線の高耐電圧化は
この部分の電界集中を如何にしてなくすかにある。
【0007】その手段の一つとして、特開平3−159215
号公報(以下、公知例1とする)に記載されているよう
に、硬い芯材と軟らかいクッション絶縁材とを積層して
コイル間スペーサとし、楔状ギャップをクッション絶縁
材で充填することによって電気的な弱点部をなくすよう
にしたものがある。また、特開平4−306812 号公報(以
下、公知例2とする)では高ヤング率部材、例えば、エ
ポキシ樹脂やポリエステル樹脂に絶縁性弾性部材、例え
ば、ゴムやエラストマーを張り合わせてコイル間スペー
サとしたものが記載されている。また、特開平5−22616
6 号公報(以下、公知例3とする)ではコイルの被覆絶
縁物より柔らかいU字状の絶縁材でコイル間スペーサを
構成したものが記載されている。
号公報(以下、公知例1とする)に記載されているよう
に、硬い芯材と軟らかいクッション絶縁材とを積層して
コイル間スペーサとし、楔状ギャップをクッション絶縁
材で充填することによって電気的な弱点部をなくすよう
にしたものがある。また、特開平4−306812 号公報(以
下、公知例2とする)では高ヤング率部材、例えば、エ
ポキシ樹脂やポリエステル樹脂に絶縁性弾性部材、例え
ば、ゴムやエラストマーを張り合わせてコイル間スペー
サとしたものが記載されている。また、特開平5−22616
6 号公報(以下、公知例3とする)ではコイルの被覆絶
縁物より柔らかいU字状の絶縁材でコイル間スペーサを
構成したものが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】都市部の電力需要の増
大と防災の観点から、都市部の地下変電所に設置する変
圧器は超高電圧で大容量,不燃化が要求され、且つ省ス
ペースの観点からコンパクト化が要求される。
大と防災の観点から、都市部の地下変電所に設置する変
圧器は超高電圧で大容量,不燃化が要求され、且つ省ス
ペースの観点からコンパクト化が要求される。
【0009】円板巻線変圧器の線路端に過渡電圧、例え
ば雷インパルス電圧が侵入すると巻線内では電位振動が
起こり、円板コイル間には巻回数に比例しない過大な電
圧が加わる。不燃化を図ったガス絶縁変圧器では被覆電
線から成るコイルとコイル間スペーサとの間に楔状のガ
スギャップが形成され、ガスの比誘電率より固体絶縁物
の比誘電率が大きいために生ずる電界集中と不平等な電
極形状によって生ずる電界集中とが相俟って、この部分
は高電界部となり、絶縁の弱点になる。また、絶縁物は
巻線の温度上昇にも耐える必要があり、耐熱性も要求さ
れる。さらに、運転状態においては機械的な振動が巻線
に発生するので、スペーサの位置ずれ、脱落などが起こ
らないよう信頼性のある固定が必要である。
ば雷インパルス電圧が侵入すると巻線内では電位振動が
起こり、円板コイル間には巻回数に比例しない過大な電
圧が加わる。不燃化を図ったガス絶縁変圧器では被覆電
線から成るコイルとコイル間スペーサとの間に楔状のガ
スギャップが形成され、ガスの比誘電率より固体絶縁物
の比誘電率が大きいために生ずる電界集中と不平等な電
極形状によって生ずる電界集中とが相俟って、この部分
は高電界部となり、絶縁の弱点になる。また、絶縁物は
巻線の温度上昇にも耐える必要があり、耐熱性も要求さ
れる。さらに、運転状態においては機械的な振動が巻線
に発生するので、スペーサの位置ずれ、脱落などが起こ
らないよう信頼性のある固定が必要である。
【0010】したがって、(1)コイル被覆絶縁材,コ
イル間スペーサ,直線スペーサなどを低誘電率絶縁材に
して楔状ガスギャップの電界集中を緩和すること、
(2)楔状ギャップをできるだけ作らないようにするこ
と、(3)機械的振動に対して強固であることなどが変
圧器巻線絶縁の高耐電圧,高信頼化につながるものであ
り、耐熱性のあるコンパクトな高電圧大容量ガス絶縁変
圧器を実現できるキーポイントである。
イル間スペーサ,直線スペーサなどを低誘電率絶縁材に
して楔状ガスギャップの電界集中を緩和すること、
(2)楔状ギャップをできるだけ作らないようにするこ
と、(3)機械的振動に対して強固であることなどが変
圧器巻線絶縁の高耐電圧,高信頼化につながるものであ
り、耐熱性のあるコンパクトな高電圧大容量ガス絶縁変
圧器を実現できるキーポイントである。
【0011】上記のことから、公知例1、及び公知例2
では、コイル間スペーサの芯材にクッション絶縁材や弾
性絶縁材を貼り合わせて楔状のギャップをなくすように
しているが、板状のスペーサ形状においては、絶縁被覆
した電線との間の楔状ギャップを完全になくすことはで
きず、電界集中部となる。
では、コイル間スペーサの芯材にクッション絶縁材や弾
性絶縁材を貼り合わせて楔状のギャップをなくすように
しているが、板状のスペーサ形状においては、絶縁被覆
した電線との間の楔状ギャップを完全になくすことはで
きず、電界集中部となる。
【0012】また、公知例3ではU字状絶縁材が気泡を
含む絶縁物、あるいは多孔性高分子材であるため、本来
の固体絶縁物の絶縁強度を有していない。また、直線ス
ペーサをガイドにしてコイル間スペーサを取り付けてい
るので、コイル巻回締め付け作業時にU字状絶縁材が捩
れ、その結果、微小なガスギャップが発生する。また、
この部分は直線スペーサが介在している分だけ固体絶縁
物の占積率が大きく電界が集中する。さらに直線スペー
サ(公知例3ではレール)に嵌合した絶縁スペーサの上
部は、ガス循環流路中の塵埃などが溜りやすい構造とな
っており、絶縁の弱点部分になりやすい。
含む絶縁物、あるいは多孔性高分子材であるため、本来
の固体絶縁物の絶縁強度を有していない。また、直線ス
ペーサをガイドにしてコイル間スペーサを取り付けてい
るので、コイル巻回締め付け作業時にU字状絶縁材が捩
れ、その結果、微小なガスギャップが発生する。また、
この部分は直線スペーサが介在している分だけ固体絶縁
物の占積率が大きく電界が集中する。さらに直線スペー
サ(公知例3ではレール)に嵌合した絶縁スペーサの上
部は、ガス循環流路中の塵埃などが溜りやすい構造とな
っており、絶縁の弱点部分になりやすい。
【0013】本発明は上述の点に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、コイル被覆絶縁とコイル間ス
ペーサ、コイル間スペーサと直線スペーサとの間に形成
される楔状のガスギャップを作らない構造として電界集
中部をなくし、且つ、コイル間スペーサ上に塵埃が残ら
ないようにして絶縁の弱点部をなくし、変圧器巻線絶縁
の絶縁耐力を向上させ小形,軽量の高電圧大容量ガス絶
縁変圧器等に好適な静止誘導電器を提供するにある。
その目的とするところは、コイル被覆絶縁とコイル間ス
ペーサ、コイル間スペーサと直線スペーサとの間に形成
される楔状のガスギャップを作らない構造として電界集
中部をなくし、且つ、コイル間スペーサ上に塵埃が残ら
ないようにして絶縁の弱点部をなくし、変圧器巻線絶縁
の絶縁耐力を向上させ小形,軽量の高電圧大容量ガス絶
縁変圧器等に好適な静止誘導電器を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、コイル円周上のコイル間スペーサの位
置と直線スペーサの位置をずらせて交差させないように
配置し、コイル間スペーサの周辺部分に直線スペーサを
置かない構造とし、コイル間スペーサ部分に直線スペー
サとの間の微小なガスギャップができないようにすると
ともに、コイル間スペーサを半硬化状態のゴムと高密度
絶縁紙の2層構造とし、コイルに巻きつけてコイルとコ
イル間スペーサとの間の楔状ギャップを埋め込む構造と
し、コイル間スペーサと絶縁筒との間にガス流路となる
間隙を設け、さらに半硬化状のゴムと高密度絶縁紙を積
層した直線スペーサをコイルの側面に密着させるように
して楔状ガスギャップをなくすようにしたものである。
に、本発明では、コイル円周上のコイル間スペーサの位
置と直線スペーサの位置をずらせて交差させないように
配置し、コイル間スペーサの周辺部分に直線スペーサを
置かない構造とし、コイル間スペーサ部分に直線スペー
サとの間の微小なガスギャップができないようにすると
ともに、コイル間スペーサを半硬化状態のゴムと高密度
絶縁紙の2層構造とし、コイルに巻きつけてコイルとコ
イル間スペーサとの間の楔状ギャップを埋め込む構造と
し、コイル間スペーサと絶縁筒との間にガス流路となる
間隙を設け、さらに半硬化状のゴムと高密度絶縁紙を積
層した直線スペーサをコイルの側面に密着させるように
して楔状ガスギャップをなくすようにしたものである。
【0015】
【作用】上記のコイル間スペーサの配置をずらせて直線
スペーサに嵌合させないで円板コイルを包み込む構造と
することにより、コイル間スペーサ上に塵埃が溜らなく
なり、さらに、直線スペーサが周辺部にないために固体
絶縁物で囲まれた微小ガスギャップができない。また、
コイル間スペーサや直線スペーサの半硬化状のゴムは乾
燥処理時の加熱によって軟化し、コイルとの間の楔状の
ガスギャップ部分を完全に充填するように作用し、その
後の所定時間の加熱によって硬化し、充填した形状の変
化を最小にすることができる。
スペーサに嵌合させないで円板コイルを包み込む構造と
することにより、コイル間スペーサ上に塵埃が溜らなく
なり、さらに、直線スペーサが周辺部にないために固体
絶縁物で囲まれた微小ガスギャップができない。また、
コイル間スペーサや直線スペーサの半硬化状のゴムは乾
燥処理時の加熱によって軟化し、コイルとの間の楔状の
ガスギャップ部分を完全に充填するように作用し、その
後の所定時間の加熱によって硬化し、充填した形状の変
化を最小にすることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図12によ
り説明する。図1は本発明の実施例となる変圧器巻線の
構成を示すもので、鉄心1に第1の巻線4とその外側に
第2の巻線3を同心状に巻回し、第1の巻線4は上下か
ら端子91,92を導出するとともに、巻線の高さ位置
SからRまでを絶縁材料の異なるコイル間スペーサを用
いて第3の巻線401を構成している。また、第2の巻
線3は上下から中性点側となる端子21,22をそれぞ
れ導出するとともに、中央部より線路端子31を導出
し、上下並列巻線を構成する。上部巻線の巻線高さ位置
Pから線路端子31までの第4の巻線301、および下
部巻線の巻線高さ位置Qから線路端子31までの第5の
巻線302は、絶縁材料の異なるコイル間スペーサを用
いて巻線を構成している。また、第3の巻線401と第
4,第5の巻線301,302との間の主絶縁間の巻線
表面に配置される直線スペーサは中央部に配置するスペ
ーサと絶縁材料が異なっている。
り説明する。図1は本発明の実施例となる変圧器巻線の
構成を示すもので、鉄心1に第1の巻線4とその外側に
第2の巻線3を同心状に巻回し、第1の巻線4は上下か
ら端子91,92を導出するとともに、巻線の高さ位置
SからRまでを絶縁材料の異なるコイル間スペーサを用
いて第3の巻線401を構成している。また、第2の巻
線3は上下から中性点側となる端子21,22をそれぞ
れ導出するとともに、中央部より線路端子31を導出
し、上下並列巻線を構成する。上部巻線の巻線高さ位置
Pから線路端子31までの第4の巻線301、および下
部巻線の巻線高さ位置Qから線路端子31までの第5の
巻線302は、絶縁材料の異なるコイル間スペーサを用
いて巻線を構成している。また、第3の巻線401と第
4,第5の巻線301,302との間の主絶縁間の巻線
表面に配置される直線スペーサは中央部に配置するスペ
ーサと絶縁材料が異なっている。
【0017】図2は本発明の第4の巻線301の一部を
拡大して示したものである。該図の如く、絶縁筒5の外
周面に所定の間隔をおいて固着された直線スペーサ13
の外側にコイルを巻回して円板コイル11を構成し、コ
イル間スペーサ12で水平冷却ダクトを保つように円板
コイル11を積み重ね、直列に電線導体を接続して巻線
を構成している。円板コイル11の円周上に配置したコ
イル間スペーサ12は、直線スペーサ13を配置する位
置が交差しないようにずらせて構成している。図3は絶
縁筒5に直線スペーサ13を介して円板コイル11を巻
回構成した変圧器巻線の平面を示すものである。コイル
間スペーサ12は直線スペーサ13の位置の中間位置に
なるように配置し、絶縁筒5の外周面から間隔Gをと
り、ガス流路となる垂直の冷却通路を構成している。
拡大して示したものである。該図の如く、絶縁筒5の外
周面に所定の間隔をおいて固着された直線スペーサ13
の外側にコイルを巻回して円板コイル11を構成し、コ
イル間スペーサ12で水平冷却ダクトを保つように円板
コイル11を積み重ね、直列に電線導体を接続して巻線
を構成している。円板コイル11の円周上に配置したコ
イル間スペーサ12は、直線スペーサ13を配置する位
置が交差しないようにずらせて構成している。図3は絶
縁筒5に直線スペーサ13を介して円板コイル11を巻
回構成した変圧器巻線の平面を示すものである。コイル
間スペーサ12は直線スペーサ13の位置の中間位置に
なるように配置し、絶縁筒5の外周面から間隔Gをと
り、ガス流路となる垂直の冷却通路を構成している。
【0018】コイル間スペーサ12は図4に示すような
折癖6を付けた第1の絶縁材となる高密度のアラミドボ
ード121と、図5に示すように、その内側となる部分
に第2の絶縁材となる熱硬化性のイソブチレン−イソプ
レン−ゴム122を積層したもので構成する。折癖6は
加熱した金型でプレスし、溝を付けることによって達成
できる。
折癖6を付けた第1の絶縁材となる高密度のアラミドボ
ード121と、図5に示すように、その内側となる部分
に第2の絶縁材となる熱硬化性のイソブチレン−イソプ
レン−ゴム122を積層したもので構成する。折癖6は
加熱した金型でプレスし、溝を付けることによって達成
できる。
【0019】図6は円板コイル11の周囲を高密度アラ
ミドボード121と熱硬化性のイソブチレン−イソプレ
ン−ゴム122からなるコイル間スペーサ12で包み、
同一軸上に積み重ねて構成した巻線の断面を示したもの
である。コイル導体111に絶縁被覆層20で被覆され
たコイルの表面は、イソブチレン−イソプレン−ゴム1
22で覆われ、微小なガスギャップはほとんどない状態
にしている。また、絶縁筒5と円板コイル11の間は、
直線スペーサ(図示しない)で垂直冷却通路が確保され
ているため、コイル間スペーサ12と絶縁筒5の間に間
隙Gが保たれる。したがって、コイル間スペーサ12の
上に塵埃などが溜らない構造にできるため絶縁の弱点部
が無くなる。
ミドボード121と熱硬化性のイソブチレン−イソプレ
ン−ゴム122からなるコイル間スペーサ12で包み、
同一軸上に積み重ねて構成した巻線の断面を示したもの
である。コイル導体111に絶縁被覆層20で被覆され
たコイルの表面は、イソブチレン−イソプレン−ゴム1
22で覆われ、微小なガスギャップはほとんどない状態
にしている。また、絶縁筒5と円板コイル11の間は、
直線スペーサ(図示しない)で垂直冷却通路が確保され
ているため、コイル間スペーサ12と絶縁筒5の間に間
隙Gが保たれる。したがって、コイル間スペーサ12の
上に塵埃などが溜らない構造にできるため絶縁の弱点部
が無くなる。
【0020】ところで、イソブチレン−イソプレン−ゴ
ムのポリマー、および充填剤に所定量の架橋剤を配合
し、所定時間加熱すると硬化が促進する。例えば、ポリ
マーおよび充填剤に5%重量の架橋剤を配合したゴムの
加熱時間と粘度との関係は図7のようになる。75時間
程度の加熱時間から粘度は飽和傾向を示し、ゴムの硬さ
は安定してくる。
ムのポリマー、および充填剤に所定量の架橋剤を配合
し、所定時間加熱すると硬化が促進する。例えば、ポリ
マーおよび充填剤に5%重量の架橋剤を配合したゴムの
加熱時間と粘度との関係は図7のようになる。75時間
程度の加熱時間から粘度は飽和傾向を示し、ゴムの硬さ
は安定してくる。
【0021】したがって、巻線作業時にコイル周辺の微
小ギャップに柔らかい状態のゴムを充填し、巻線の乾燥
処理時の加熱によって硬化させるようにしている。ま
た、ゴムは加熱し始めると当初の粘度より小さくなる性
質があるため微小ギャップ部分への充填がより完全な状
態になる。またガス絶縁変圧器においては、用いる電線
サイズが異なる場合が多く、例えば、転位電線を用いた
巻線においてはコイル周辺に大きなギャップができやす
い。このような場合には架橋剤,活性剤,軟化剤などの
調合割合を変えることによって、作業性と微小ギャップ
の充填性を最適にすることができる。
小ギャップに柔らかい状態のゴムを充填し、巻線の乾燥
処理時の加熱によって硬化させるようにしている。ま
た、ゴムは加熱し始めると当初の粘度より小さくなる性
質があるため微小ギャップ部分への充填がより完全な状
態になる。またガス絶縁変圧器においては、用いる電線
サイズが異なる場合が多く、例えば、転位電線を用いた
巻線においてはコイル周辺に大きなギャップができやす
い。このような場合には架橋剤,活性剤,軟化剤などの
調合割合を変えることによって、作業性と微小ギャップ
の充填性を最適にすることができる。
【0022】図8は直線スペーサ13の構成を示したも
のである。高密度のアラミドボード131と低密度アラ
ミド紙に架橋剤配合のイソブチレン−イソプレン−ゴム
を含浸させた繊維基剤ゴムボード132を積層接着した
ものである。直線スペーサ13は高密度アラミドボード
131を絶縁筒(図示しない)側に、繊維基剤ゴムボー
ド132側をコイル(図示しない)の側面になるように
配置される。直線スペーサ13はコイルの巻回作業にお
いて巻回締め付け機械力が加わるため、ある程度の硬さ
が必要である。繊維基剤にゴムを含浸させることによっ
て機械的強度を強化させることができ、また、加熱時の
軟化に対してもゴムの垂れ現象をなくすことができる。
のである。高密度のアラミドボード131と低密度アラ
ミド紙に架橋剤配合のイソブチレン−イソプレン−ゴム
を含浸させた繊維基剤ゴムボード132を積層接着した
ものである。直線スペーサ13は高密度アラミドボード
131を絶縁筒(図示しない)側に、繊維基剤ゴムボー
ド132側をコイル(図示しない)の側面になるように
配置される。直線スペーサ13はコイルの巻回作業にお
いて巻回締め付け機械力が加わるため、ある程度の硬さ
が必要である。繊維基剤にゴムを含浸させることによっ
て機械的強度を強化させることができ、また、加熱時の
軟化に対してもゴムの垂れ現象をなくすことができる。
【0023】したがって、コイル巻回時に繊維基剤ゴム
ボード132はクッション性があるため、コイルと直線
スペーサ13の間の楔状ガスギャップは埋められるよう
に作用し、乾燥処理時の加熱によって硬化が促進され安
定した形状の保持が可能となる。
ボード132はクッション性があるため、コイルと直線
スペーサ13の間の楔状ガスギャップは埋められるよう
に作用し、乾燥処理時の加熱によって硬化が促進され安
定した形状の保持が可能となる。
【0024】図9は従来の巻線構造を示すもので、絶縁
筒(図示しない)の外周面に所定の間隔をおいて固着さ
れた直線スペーサ33の外側にコイルを巻回して円板コ
イル11を構成し、直線スペーサ33に嵌合させたコイ
ル間スペーサ32で水平冷却通路を保つように円板コイ
ル11を積み重ね、直列に電線導体を接続して巻線を構
成している。このような巻線構造において、コイル間ス
ペーサ32とコイル11との間の電界分布は図10のよ
うになる。
筒(図示しない)の外周面に所定の間隔をおいて固着さ
れた直線スペーサ33の外側にコイルを巻回して円板コ
イル11を構成し、直線スペーサ33に嵌合させたコイ
ル間スペーサ32で水平冷却通路を保つように円板コイ
ル11を積み重ね、直列に電線導体を接続して巻線を構
成している。このような巻線構造において、コイル間ス
ペーサ32とコイル11との間の電界分布は図10のよ
うになる。
【0025】図10は従来の高密度アラミドボードだけ
のスペーサの場合のコイル間を拡大して示した電界分布
である。
のスペーサの場合のコイル間を拡大して示した電界分布
である。
【0026】図10において、コイル導体111の絶縁
被覆層20と高密度アラミドボードスペーサ50との間
に形成される楔状のガスギャップ15は、等電位線25
の間隔が狭くなり電界が高くなる。すなわち、ガス側の
比誘電率が1.0 であるのに対し、コイルの絶縁被覆層
20やスペーサ50は固体絶縁物であるため比誘電率は
それより大きく、例えば、プラスチックフィルムやアラ
ミドボードの場合3.0〜3.5 であり、固体絶縁物の内
部より電界が集中する。
被覆層20と高密度アラミドボードスペーサ50との間
に形成される楔状のガスギャップ15は、等電位線25
の間隔が狭くなり電界が高くなる。すなわち、ガス側の
比誘電率が1.0 であるのに対し、コイルの絶縁被覆層
20やスペーサ50は固体絶縁物であるため比誘電率は
それより大きく、例えば、プラスチックフィルムやアラ
ミドボードの場合3.0〜3.5 であり、固体絶縁物の内
部より電界が集中する。
【0027】一般にガス側の絶縁破壊強度は固体絶縁物
より弱いので、コイル間絶縁系の絶縁破壊はこの楔状の
ガスギャップが発端になる。本発明の一実施例となる図
6の構造では絶縁被覆層20の周辺部が固体絶縁物で充
填されているため、楔状のガスギャップはできない構造
であり、絶縁破壊強度を向上させることができる。
より弱いので、コイル間絶縁系の絶縁破壊はこの楔状の
ガスギャップが発端になる。本発明の一実施例となる図
6の構造では絶縁被覆層20の周辺部が固体絶縁物で充
填されているため、楔状のガスギャップはできない構造
であり、絶縁破壊強度を向上させることができる。
【0028】ところで、図1に示した変圧器巻線の線路
端子31から雷インパルス電圧が侵入した場合、巻線内
で電位振動が起こり、巻線のコイル間やターン間には巻
き回数に比例しない過大な電圧が加わる。
端子31から雷インパルス電圧が侵入した場合、巻線内
で電位振動が起こり、巻線のコイル間やターン間には巻
き回数に比例しない過大な電圧が加わる。
【0029】すなわち、図11に巻線の高さと電位の関
係を示したように、周波数の低い交流電圧ではB特性の
ような直線分布になるが、雷インパルス電圧のような過
渡周波数領域ではA特性のような分布になる。A特性は
線路端に近いほどコイル間やターン間に発生する電圧が
大きくなり、コイル間の電界の大きさと巻線高さの関係
は図12のようになる。電界Ecは巻線高さ位置Pのコ
イル間の電界であり、この位置より線路端子31までが
高電界となる巻線部分であり、絶縁強化をしなければな
らない部分である。なお、本発明のコイル間スペーサお
よび直線スペーサを適用したモデルでの実験では雷イン
パルス破壊電圧が約1.4〜1.45倍向上することが確
認できた。
係を示したように、周波数の低い交流電圧ではB特性の
ような直線分布になるが、雷インパルス電圧のような過
渡周波数領域ではA特性のような分布になる。A特性は
線路端に近いほどコイル間やターン間に発生する電圧が
大きくなり、コイル間の電界の大きさと巻線高さの関係
は図12のようになる。電界Ecは巻線高さ位置Pのコ
イル間の電界であり、この位置より線路端子31までが
高電界となる巻線部分であり、絶縁強化をしなければな
らない部分である。なお、本発明のコイル間スペーサお
よび直線スペーサを適用したモデルでの実験では雷イン
パルス破壊電圧が約1.4〜1.45倍向上することが確
認できた。
【0030】したがって、コイル間の電界比が0.7〜
1.0の範囲の巻線部分に本発明のコイル間スペーサ1
2および直線スペーサ13を適用すれば経済的により効
果的である。なお、直線スペーサ13は部分的に適用す
るよりも巻線の上下を一体物として適用した方が組立て
作業上容易な場合があり、電界比が0.7 以下の部分に
適用しても絶縁性能が変わるものではない。
1.0の範囲の巻線部分に本発明のコイル間スペーサ1
2および直線スペーサ13を適用すれば経済的により効
果的である。なお、直線スペーサ13は部分的に適用す
るよりも巻線の上下を一体物として適用した方が組立て
作業上容易な場合があり、電界比が0.7 以下の部分に
適用しても絶縁性能が変わるものではない。
【0031】本発明の他の実施例として、コイル間スペ
ーサを配置する間隔は必ずしも直線スペーサの間隔と同
じにする必要はない。すなわち、コイル間スペーサに加
わる上下方向の圧縮強度に耐え得る数量を確保すればよ
く、少なくして巻線作業を簡単にできるという利点があ
る。
ーサを配置する間隔は必ずしも直線スペーサの間隔と同
じにする必要はない。すなわち、コイル間スペーサに加
わる上下方向の圧縮強度に耐え得る数量を確保すればよ
く、少なくして巻線作業を簡単にできるという利点があ
る。
【0032】また、コイル間スペーサの第1の絶縁材は
耐熱性を考慮して、イソブチレン−イソプレン−ゴムを
一実施例として説明したが、別のゴムポリマーでも巻線
作業時に適度の柔らかさがあり、加熱によって軟化し、
充填が促進し、所定時間加熱後に硬化するように架橋剤
を調合したゴムポリマーであれば絶縁強度を向上させる
目的は達せられる。
耐熱性を考慮して、イソブチレン−イソプレン−ゴムを
一実施例として説明したが、別のゴムポリマーでも巻線
作業時に適度の柔らかさがあり、加熱によって軟化し、
充填が促進し、所定時間加熱後に硬化するように架橋剤
を調合したゴムポリマーであれば絶縁強度を向上させる
目的は達せられる。
【0033】また、コイル間スペーサの第2の絶縁材に
ついても高密度のアラミドボードに限らない。例えば、
通常の紙パルプを主原料としたプレスボードでもよく、
耐熱性は劣るが材料費が安いという利点がある。
ついても高密度のアラミドボードに限らない。例えば、
通常の紙パルプを主原料としたプレスボードでもよく、
耐熱性は劣るが材料費が安いという利点がある。
【0034】本発明はガス絶縁の静止誘導電器だけでな
く、液体を絶縁・冷却媒体とした静止誘導電器にも適用
可能であり、絶縁耐力の高い静止誘導電器にすることが
できる。
く、液体を絶縁・冷却媒体とした静止誘導電器にも適用
可能であり、絶縁耐力の高い静止誘導電器にすることが
できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明した本発明の静止誘導電器によ
れば、コイル円周上のコイル間スペーサの位置と直線ス
ペーサの位置をずらせて交差させないように配置し、コ
イル間スペーサの周辺部分に直線スペーサを置かない構
造としたものであるから、コイル被覆絶縁とコイル間ス
ペーサ、コイル間スペーサと直線スペーサとの間に形成
される楔状のガスギャップを作らない構造として電界集
中部をなくし、且つ、コイル間スペーサ上に塵埃が残ら
ないようにして絶縁の弱点部をなくし、変圧器巻線絶縁
の絶縁耐力を向上させ小形,軽量の高電圧大容量ガス絶
縁変圧器等に好適静止誘導電器を得ることができる。
れば、コイル円周上のコイル間スペーサの位置と直線ス
ペーサの位置をずらせて交差させないように配置し、コ
イル間スペーサの周辺部分に直線スペーサを置かない構
造としたものであるから、コイル被覆絶縁とコイル間ス
ペーサ、コイル間スペーサと直線スペーサとの間に形成
される楔状のガスギャップを作らない構造として電界集
中部をなくし、且つ、コイル間スペーサ上に塵埃が残ら
ないようにして絶縁の弱点部をなくし、変圧器巻線絶縁
の絶縁耐力を向上させ小形,軽量の高電圧大容量ガス絶
縁変圧器等に好適静止誘導電器を得ることができる。
【図1】本発明の静止誘導電器の一実施例の電器構成を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図2】同じく一実施例の巻線の絶縁構成を示す部分斜
視図である。
視図である。
【図3】同じく一実施例の巻線の絶縁構成を示す平面図
である。
である。
【図4】同じく一実施例のコイル間スペーサの一部の構
成を示す斜視図である。
成を示す斜視図である。
【図5】同じく一実施例のコイル間スペーサの構成を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図6】同じく一実施例の巻線要部の断面図である。
【図7】コイル間スペーサの材料となる充填材の熱硬化
特性図である。
特性図である。
【図8】本発明の静止誘導電器の一実施例の直線スペー
サの構成を示す斜視図である。
サの構成を示す斜視図である。
【図9】従来の静止誘導電器巻線の絶縁構成を示す斜視
図である。
図である。
【図10】従来の静止誘導電器巻線のコイル間の電界マ
ッピング図である。
ッピング図である。
【図11】静止誘導電器巻線高さと電位の関係を示す特
性図である。
性図である。
【図12】静止誘導電器巻線高さと電界の関係を示す特
性図である。
性図である。
1…鉄心、3…第2の巻線、4…第1の巻線、5…絶縁
筒、11…コイル、12,32…コイル間スペーサ、1
3,33…直線スペーサ、15…楔状ガスギャップ、2
0…絶縁被覆層、21,22…中性点端子、25…等電
位線、31…線路端子、50…高密度アラミド紙コイル
間スペーサ、91,92…端子、111…コイル導体、1
21,131…高密度アラミドボード、122…熱硬化
性のゴム、132…繊維基剤ゴムボード、301…第4
の巻線、302…第5の巻線、401…第3の巻線、G
…間隙。
筒、11…コイル、12,32…コイル間スペーサ、1
3,33…直線スペーサ、15…楔状ガスギャップ、2
0…絶縁被覆層、21,22…中性点端子、25…等電
位線、31…線路端子、50…高密度アラミド紙コイル
間スペーサ、91,92…端子、111…コイル導体、1
21,131…高密度アラミドボード、122…熱硬化
性のゴム、132…繊維基剤ゴムボード、301…第4
の巻線、302…第5の巻線、401…第3の巻線、G
…間隙。
フロントページの続き (72)発明者 平石 清登 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 藤田 裕幸 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内
Claims (9)
- 【請求項1】絶縁被覆した電線から成る円板状コイルを
同心状に積み重ねて連続接続した巻線と,該巻線の水平
冷却通路構成用の絶縁物と,前記巻線の内側と外側に配
置した絶縁筒と,該絶縁筒と巻線間に配置される巻線の
垂直冷却通路構成用の絶縁物とを備えた静止誘導電器に
おいて、 前記巻線の水平冷却通路構成用の絶縁物を円板状コイル
の円周上に所定間隔で配置し、前記垂直冷却通路構成用
の絶縁物を前記水平冷却通路構成用の絶縁物の間に配置
して巻線冷却通路を構成したことを特徴とする静止誘導
電器。 - 【請求項2】前記水平冷却通路構成用の絶縁物の側面と
絶縁筒との間に垂直冷却通路となる間隙を設けたことを
特徴とする請求項1記載の静止誘導電器。 - 【請求項3】前記水平冷却通路構成用の絶縁物は、柔軟
性のある第1の絶縁材と折癖を付けた厚手の高密度紙か
ら成る第2の絶縁材とを積層して水平冷却通路を構成し
たことを特徴とする請求項1記載の静止誘導電器。 - 【請求項4】前記水平冷却通路構成用の絶縁物の第1の
絶縁材は、イソブチレン−イソプレン−ゴムのポリマ
ー、および充填剤に所定量の架橋剤を配合し、巻線作業
時にクッション性を有し、かつ、加熱によって軟化させ
て充填を促進させてから所定時間の加熱によってコイル
被覆表面と密着して硬化するようにしたことを特徴とす
る請求項3記載の静止誘導電器。 - 【請求項5】前記水平冷却通路構成用の絶縁物の第2の
絶縁材は、高密度のアラミドボードに熱プレスによって
細溝を作り、折癖を付けたことを特徴とする請求項3記
載の静止誘導電器。 - 【請求項6】前記円板コイルの円周上に配置する水平冷
却通路構成用の絶縁物の間隔は、前記絶縁筒と巻線間に
配置する垂直冷却通路構成用の絶縁物の間隔より大きく
したことを特徴とする請求項1記載の静止誘導電器。 - 【請求項7】前記垂直冷却通路構成用の絶縁物は、柔軟
性のある第1の絶縁材と厚手の高密度紙から成る第2の
絶縁材を積層構成し、第2の絶縁材は前記絶縁筒に、第
1の絶縁材はコイルの垂直面に接するように配置したこ
とを特徴とする請求項1記載の静止誘導電器。 - 【請求項8】前記垂直冷却通路構成用の絶縁物の第1の
絶縁材は、低密度のアラミド紙に所定量の架橋剤配合の
イソブチレン−イソプレン−ゴムを含浸させたボード、
前記第2の絶縁材は高密度のアラミドボードであること
を特徴とする請求項7記載の静止誘導電器。 - 【請求項9】前記水平冷却通路構成用の絶縁物と垂直冷
却通路構成用の絶縁物は、高電界となる巻線部分のコイ
ル間の電界比が0.7〜1.0の範囲に適用されて巻線が
構成されることを特徴とする請求項1記載の静止誘導電
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6256413A JPH08124763A (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | 静止誘導電器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6256413A JPH08124763A (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | 静止誘導電器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08124763A true JPH08124763A (ja) | 1996-05-17 |
Family
ID=17292336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6256413A Pending JPH08124763A (ja) | 1994-10-21 | 1994-10-21 | 静止誘導電器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08124763A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002110434A (ja) * | 2000-10-02 | 2002-04-12 | Fuji Electric Co Ltd | 転位導体および誘導電器巻線 |
JP2008153665A (ja) * | 2006-12-15 | 2008-07-03 | General Electric Co <Ge> | 変圧器用の絶縁系及び絶縁法 |
JP2013004767A (ja) * | 2011-06-17 | 2013-01-07 | Mitsubishi Electric Corp | 静止誘導器及びその製造方法 |
JP2014138043A (ja) * | 2013-01-16 | 2014-07-28 | Hitachi Ltd | 静止誘導電器 |
-
1994
- 1994-10-21 JP JP6256413A patent/JPH08124763A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002110434A (ja) * | 2000-10-02 | 2002-04-12 | Fuji Electric Co Ltd | 転位導体および誘導電器巻線 |
JP4613407B2 (ja) * | 2000-10-02 | 2011-01-19 | 富士電機システムズ株式会社 | 転位導体および誘導電器巻線 |
JP2008153665A (ja) * | 2006-12-15 | 2008-07-03 | General Electric Co <Ge> | 変圧器用の絶縁系及び絶縁法 |
JP2013004767A (ja) * | 2011-06-17 | 2013-01-07 | Mitsubishi Electric Corp | 静止誘導器及びその製造方法 |
JP2014138043A (ja) * | 2013-01-16 | 2014-07-28 | Hitachi Ltd | 静止誘導電器 |
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