JPH08121472A - 自己心保持形ダンパ軸受 - Google Patents

自己心保持形ダンパ軸受

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JPH08121472A
JPH08121472A JP6256595A JP25659594A JPH08121472A JP H08121472 A JPH08121472 A JP H08121472A JP 6256595 A JP6256595 A JP 6256595A JP 25659594 A JP25659594 A JP 25659594A JP H08121472 A JPH08121472 A JP H08121472A
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damper
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岩男 松本
Toyoaki Furukawa
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 回転機械の回転軸系に発生する振動の制振を
行うダンパ軸受に適用される自己心保持形ダンパ軸受に
関する。 【構成】 軸受メタル9の外周を被包する軸受ハウジン
グ7の内周面に凹所2を設けて、この凹所に心保持材3
を設置して、軸負荷面の温度上昇により生じる心保持材
の熱伸びにより、その上端部を凹所より突出させ、軸受
メタルの外周を心保持材の伸縮剛性により支持して、軸
受ハウジングの内周と軸受メタルの外周との隙間を所定
値にし、心保持し、心保持構造が簡単になり、心保持の
精度が上り、計画通りの制振性能を発揮させることがで
きる。また、設置スペースも一切不要となるとともに、
非作動時は、心保持材が熱収縮により凹所に引込むの
で、容易に組立、開放が実施できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機械の回転軸系に
発生する振動の制振を行う、ダンパ軸受に適用される自
己心保持形ダンパ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転機械に使用される回転軸系に
おいては、高速回転、軽荷重時、不安定振動が発生しや
すく、その制振のため、 (1)ティルティングパッド軸受を採用する。
【0003】(2)ダンパ軸受を採用する。などの対策
が講じられてきた。
【0004】すなわち、図6に示すように、パッド01
をピボット02で可動支持したティルティングパッド軸
受03(tilting pad bearing )では、パッド01は、
回転軸04系に振動が生じたとしても、回転軸04の動
きにそって傾き、動的な油膜力は回転軸04を振れまわ
らせようとする成分をもたないので、本質的に自励振動
に対して安定であり、大形の蒸気タービン発電機等の軸
受として多く用いられている。
【0005】しかし、ティルティングパッド軸受は、通
常のスリーブ軸受に比べ非常に高価になるという欠点が
ある。
【0006】このため、図7に示すダンパ軸受が使用さ
れることが多い。図7(A)に示すものは、回転軸04
に内輪が固着され、軸受押え08に外輪が固着された軸
受05の端面に、円筒状の心保持材06の一端を連結
し、心保持材06の他端を外部ケーシング07に連結
し、軸受押え08を支持するとともに、軸受押え08の
外周と、軸受ハウジング09の内周との間に形成された
ダンパ隙間010に、給油孔011から油を注入して、
ダンパ隙間010内の油の制振力により、回転軸04系
に発生する振動を減衰させ心保持を行うようにしたもの
である。
【0007】また、図示しないが円筒状の心保持材06
に代えて、図7(C)に示す、棒状の心保持材06′と
同様のものを設けたものもある。
【0008】なお、これらのダンパ軸受に使用される軸
受05は転がり軸受でもスリーブ軸受でも良い。
【0009】しかし、このような、軸受ハウジング09
内周と軸受押え08外周の間に形成されたダンパ隙間0
10に注入された油により、回転軸04系に発生する振
動を減衰させるダンパ軸受では、次の不具合がある。 (1) ダンパ隙間010で行われる心保持が、次の理
由により困難であり、ダンパ軸受の信頼性が乏しく、回
転軸04系に発生する振動を減衰させる所定制振性能を
得ることが困難である。
【0010】(i) 心保持材06、06′の構造が複
雑となり、心保持材06、06′両端の境界条件の選択
などにより、半径方向曲げ剛性に誤差が生じ易く、計画
位置での心保持が困難。
【0011】(ii) 軸受05端面と心保持材06、0
6′を取り付ける外部ケーシング07との同心度の精度
確保が困難。 (2) 軸受05端面に設ける心保持材06、06′の
ために、回転軸04がその分長くなり、これに伴い回転
軸04の危険速度が低下し、設計自由度が制限される。
【0012】また、図7(B)、図7(C)に示すよう
に軸受押え08と軸受ハウジング09の間に形成される
ダンパ隙間010の両側面にOリング012を埋設し
て、Oリング012の弾性を利用することによって、心
保持するようにしたダンパ軸受もあるが、これらのダン
パ軸受では、図7(A)に示すダンパ軸受の上記不具合
が解消される反面、次の不具合がある。 (1) 軽荷重の軸受にしか採用できない。 (2) 軸受押え08温度が70℃程度以上になると、
Oリングの劣化のために弾性が損なわれる。 (3) 一体型の軸受となり、回転軸系の組立・開放上
制限が大きい。また、これを避けるため二つ割の軸受0
5を採用することも考えられるが、この場合には、Oリ
ング012をいったん切断して装着し、その後、再び接
続しなければならず、このため、Oリングの弾性力の信
頼性が著しく損なわれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
ダンパ軸受の不具合を解消し、複雑な心保持構造が不要
で、簡単な構造にでき、確実な心保持を容易に実現で
き、信頼性の高い制振効果が得られるとともに、心保持
のためのスペースを一切必要とせず、回転軸の設計に悪
影響を与えることがない。また、信頼性を損うことな
く、軸受の組立・開放は極めて容易にでき、高温、重荷
重のダンパ軸受にも採用でき、製作コストを著しく低下
させることができて、従来のスリーブ軸受で減衰性能不
足のために、高価なティルティングパッド軸受を採用せ
ざるを得なかった回転機械においても、充分採用できる
自己心保持形ダンパ軸受を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の自己
心保持形ダンパ軸受は次の手段とした。 (1) 内周面に油膜を形成し回転軸を支持する軸受メ
タルの外周と、軸受メタルの外周を被包して設けられて
いる軸受ハウジングの内周との寸法差によって形成され
る隙間に、供給される潤滑油の減衰力で回転軸に発生す
る振動を減衰させ、心保持を行うようにした、自己心保
持形ダンパ軸受において、軸受ハウジングの内周に設け
られた凹所に挿入され、回転軸の作動に伴う温度上昇に
より伸展して凹所開口から軸受メタル外周まで突出し
て、その伸縮剛性により軸受メタル外周を支持して、軸
受メタル外周と軸受ハウジング内周の間の隙間を、回転
軸の制振効果を発揮する所定の値に保持できる心保持材
を設けた。なお、心保持材は、軸受ハウジング内の下端
に一個設けるようにしても良く、円周方向の複数個設け
るようにしても良い。
【0015】また、請求項2の本発明の自己心保持形ダ
ンパ軸受は、上記(1)の手段に加え次の手段とした。 (2) 軸受メタルの外周に開口し、軸受メタル内周の
潤滑油を、軸受ハウジングの内周の凹所に設けられる心
保持材の近傍に供給する潤滑油導入孔を軸受メタルに穿
設した。
【0016】また、請求項3の本発明の自己心保持形ダ
ンパ軸受は、上記(1)の手段、又は上記(1)、
(2)の手段に加え次の手段とした。 (3) 両端部が凹所下端部に挿嵌されて、圧縮力によ
り上方に凸形を形成して、熱伸びにより凸形の上部を凹
所開口より突出させ、伸縮剛性により軸受メタルの外周
を支持する薄板からなる心保持材を設けた。
【0017】また、請求項4の本発明の自己心保持形ダ
ンパ軸受は次の手段とした。 (4) 内周面に油膜を形成し回転軸を支持する軸受メ
タルの外周と、軸受メタルの外周を被包して設けられる
軸受ハウジングの内周との寸法差によって形成される隙
間に、供給される潤滑油の減衰力で回転軸に発生する振
動を減衰させ、心保持を行うようにした、自己心保持形
ダンパ軸受において、軸受メタルの外周に設けた切欠部
に挿入され、熱伸びにより前記切欠部開口から軸受ハウ
ジング内周に向けて突出し、伸縮剛性により、軸受メタ
ルの外周と軸受ハウジング内周との隙間を、回転軸の制
振効果を発揮する所定の値に保持できる心保持材を設け
た。なお、心保持材は軸受メタルの外周1個所に設ける
ようにしても、外周の周方向に複数個設けるようにして
も良い。
【0018】
【作用】軸受メタル外周と軸受ハウジング内周の寸法差
で形成される隙間に油を供給することで構成されるダン
パ軸受においては、回転軸系の制振性能を高めるために
は、図5に示す軸受部B/Mの等価バネ弾性係数Kb
よび減衰係数Cb と、ダンパ部D/Bの等価バネ弾性係
数Kd および減衰係数Cd を適切に設計する必要があ
る。
【0019】なお、同図においてmR はロータ質量、m
b は軸受の等価質量を示す。但し、軸受部の等価ばね弾
性係数Kb ・減衰係数Cb の回転軸系の制振性能への影
響は本発明の対象外であるので、ここでは説明を省略す
る。
【0020】ダンパ軸受の特性は、等価バネ弾性係数K
d の値によって軸受メタルのダンパ軸受における作動平
衡点が定まり、その平衡位置によって減衰係数Cd の値
が大きく変化する。 すなわち、偏心率ε=e/c=1−δ0 /c 但し、e:回転軸の偏心量、c:軸受メタルと回転軸の
隙間、δ0 :ダンパ軸受浮上量 と無次元弾性係数Kd /μωR(L/C)3 但し、μ:潤滑油の粘度、ω:回転軸の角速度、R:軸
受の半径、L:軸受の幅 の間には、図5(B)に示すような関係があり、また偏
心率εと無次元減衰係数Cd ω/μωR(L/C)3
間には、図5(C)に示すような関係がある。このた
め、前述のように等価バネ弾性係数Kd の値が不明確で
あれば、減衰係数Cd も明確でなく、そのダンパ軸受は
計画通りの制振性能が得られない。
【0021】本発明では、等価バネ弾性係数Kd を心保
持材の伸縮剛性(バネ弾性係数)とすることにより、簡
単な計算式で、その値を精度よく定めることができ、結
果的に、ダンパ軸受の作動位置が正確に定まり、精度の
良い減衰係数Cd の値を求めることができ、制振効果の
高い、信頼性に富むダンパ軸受を設計することができ
る。
【0022】すなわち、本発明の自己心保持形ダンパ軸
受は、上記(1)の手段にすることにより、(1) 回
転軸の回転時における軸受メタルの心保持が、軸受ハウ
ジングの凹所に設けられた、伸縮剛性のわかっている、
心保持材の軸負荷面からの熱伝達による熱伸びによって
行われ、軸受メタルの外周を軸受ハウジング内周より計
画値の隙間を確保して、所定位置に浮かせることができ
る。これにより、その隙間に形成されるダンパ油膜によ
る計画通りの制振効果が得られる。
【0023】また、軸受メタルの心保持構造が非常に簡
単になり、かつ、心保持のための軸方向のスペースを必
要とせず、回転軸の設計自由度を損うこともない。
【0024】また、ダンパ軸受の組立・開放時、すなわ
ち、回転軸が停止し、熱伸びが生じないときの、心保持
材は凹所に完全に埋没し、突起部分が凹所開口から突出
することが無いようにすることができ、これにより、軸
受メタルは一体型でも、2つ割構造でも組立・開放が容
易となり、従来、この方式を妨げている最大の障害を取
り除くことができる。
【0025】また、請求項2に示す本発明の自己心保持
形ダンパ軸受は、上記(2)の手段により、上記(1)
に加え、(2) 潤滑油導入孔を軸受メタルに穿設し、
軸受メタル内周の軸負荷面の潤滑油を心保持材の近傍に
供給できるようにしたことにより、組立・開放時と回転
軸作動時の心保持材の熱伸び差を大きくでき、さらに、
作動時の熱伸びを速やかに発生させることができるの
で、ダンパ軸受の設計自由度を大きくできる。
【0026】また、請求項3に示す本発明の自己心保持
形ダンパ軸受は、上記(3)の手段により、上記(1)
に加え、又は上記(1)、(2)に加え、心保持材を弓
状の薄板で形成するようにしたので、熱伸び差をさらに
大きくでき、ダンパ軸受の設計自由度を大きくできると
ともに、伸縮剛性を心保持材の材料面からだけでなく、
構造(形状)面からも変えることができ、設計自由度を
さらに大きくすることができる。
【0027】また、請求項4に示す本発明の自己心保持
形ダンパ軸受は、上記(4)の手段により、上記(1)
に加えて、心保持材の温度を軸受メタルの温度と常時略
同じ温度にできるので、回転軸の作動に応じた心保持材
の熱伸びを達成でき、効果的な制振が行えるとともに、
ダンパ軸受の組立・開放がきわめて容易になる。また、
ダンパ軸受の設計自由度を大きくできる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の自己心保持形ダンパ軸受を実
施例にもとづき説明する。図1は、本発明の自己心保持
形ダンパ軸受の第一実施例を示す図で、図1(A)は側
断面図、図1(B)は横断面図である。
【0029】図に示すように、軸受ハウジング7の内部
には、すべり軸受メタル9が設けられている。また、す
べり軸受メタル9の内周には、回転軸5が貫通して設け
られている。
【0030】すべり軸受メタル9の外周と軸受ハウジン
グ7の内周には、隙間8が設けられており、軸受ハウジ
ング7に穿設された油孔1、およびすべり軸受メタル9
に穿設された油孔6を通って、すべり軸受メタル9の内
周と回転軸5の外周の間に形成された軸受隙間10に導
入され、軸受油膜を形成して潤滑を行う潤滑油の一部
が、この隙間8に流入して、回転軸5に生じる振動を減
衰させ心保持を行う。
【0031】また、軸受ハウジング7の内周下端には、
凹所2が形成されており、この凹所2の内部には心保持
材3が設置されている。
【0032】この心保持材3は次のようにして設計され
る。心保持材3の伸縮剛性Kd は数1で示すとおりであ
る。
【0033】
【数1】
【0034】また、心保持材3の熱伸びΔlは数2で示
すとおりである。
【0035】
【数2】
【0036】さらに、心保持材3の伸縮量λは数3で示
すとおりである。
【0037】
【数3】
【0038】従って、心保持材3が支持荷重Wによる縮
み量λを考慮して、かつ、軸受ハウジング7に設けた凹
所12の深さを越えて開口から突出し、軸受メタル10
を支持するために必要な熱伸び量Δlは数4で示すとお
りとなる。
【0039】
【数4】
【0040】ここで、数1〜数4を用いて、心保持材3
の設計関係式をまとめると、数5で示すとおりとなる。
【0041】
【数5】
【0042】次に、具体的な実施例としてダンパ軸受を
多用する高速タービン軸系を想定した例について示す。
関係する数値は次の通りとする。
【0043】 α=1.1×10-5(普通鋼) ΔT=30℃ E=2.1×104 δo =0.01mm=10μm δi =0.005mm=5μm W=10TON =1000kg Kd =1.0×105 kgf/mm W/Kd =1000/1.0×105 =0.01 なお、心保持材3の支持荷重Wとばね弾性係数Kd の比
は、機械の大きさによらずほぼ一定となる。すなわち、
Wが大きいものはKd も大きくなり、Wが小さいものは
d も小さくなる。 (1) まず、数5より、心保持材3の長さlを求める
と、 l=(δi +δo +W/Kd )/α・ΔT=0.025
/(1.1×10-5×30)=75.758mm (2) 心保持材3の必要断面積は数1より、 A=Kd l/E=(1.0×105 ×75.758)/
2.1×104 =360.8mm2 となり、丸棒と考えると直径20mm程度であり、現実的
な値となる。また、αが大きいものを選択すれば、心保
持材3の断面積は小さくできる。 (3) 従って、心保持材の装着穴の深さli は、 li =75.758+0.005=75.763mm となる。
【0044】ここで、確認のために作動状態におけるダ
ンパ軸受の浮上量を計算してみる。 (a) 心保持材3の伸び量Δlは数2より、 Δl=α・ΔT・l=1.1×10-5×30×75.7
58=0.025mm (b) ここで、心保持材3は常温時には、凹所2上端
より0.005mm引っ込んでいるので、装着穴より出て
いる量δo ′は、 δo ′=0.025−0.005=0.02mm (c) しかし、この心保持材3には、荷重10000
kgが作用しているので縮み量λは、 λ=Wl/AE=(1000×75.758)/(36
0.8×2.1×10 4 )=0.01mm (d) 従って、ダンパ軸受の浮上量は、 δo =δo ′−λ=0.02−0.01=0.01mm となり、計画通りとなっていることが分かる。 (e) また、等価ばね弾性係数Kd も数1より、 Kd =AE/l=(360.8×2.1×104 )/7
5.758=1.0×105 kgf/mm となり、計画通りとなっていることが分かる。
【0045】以上、本実施例を要約すると次の通りとな
る。 (1) 軸受油膜特性とダンパ油膜特性の関係を考慮し
て、最適な制振性能が得られるよう、ダンパ部の等価ば
ね弾性係数Kd 、およびダンパ部の減衰係数Cdを決め
る。
【0046】すなわち、Kd 、Cd の値は複素固有値解
析などにより、最適値が定まる。従って、図5(B)、
図5(C)を使って、最適なKd 、Cd に近い特性を示
す偏心率εを見い出すことにする。 (2) εがわかれば、前述したように、ε=1−δ0
/Cであるからダンパ軸受浮上量δ0 は、 δ0 =(1−ε)C で定まる。 (3) 後は、計画値のδ0 を実用できる心保持材3の
寸法を決める。
【0047】なお、心保持材3の材質をパラメータに含
めると心保持材3の寸法に大きな自由度を与えることが
出来る。
【0048】本実施例の自己心保持形ダンパ軸受の構造
は、心保持材を凹所に装着する部分が、従来の心保持無
しダンパ軸受、およびダンパ無し通常軸受と変わるのみ
である。従って、本実施例のダンパ軸受の組立・開放は
極めて容易であり、また心保持のためのスペースを一切
必要とせず、回転軸の設計に悪影響を与えることがな
い。
【0049】更に、極めて簡単な構造で信頼性の高いダ
ンパ軸受を構成できるので、従来のスリーブ軸受で減衰
性能不足のために、高価なティルティングパッド軸受を
採用せざるを得なかった回転機械に、本実施例のダンパ
軸受の採用することができ、軸受の製作コストを著しく
低下させることができる。
【0050】次に、図2は本発明の自己心保持形ダンパ
軸受の第二実施例を示す図で、図2(A)は側断面図、
図2(B)は横断面図である。本実施例においては、軸
受ハウジング7の油孔1を通って隙間8に導入された潤
滑油を、軸受隙間10に供給するすべり軸受メタル9に
穿設された油孔6の外に、軸受負荷面である軸受隙間1
0で加温された潤滑油を心保持材3の上部に導入し、心
保持材3の熱伸び時定数を小さくする潤滑油導入孔4
を、すべり軸受メタル9に穿設した。
【0051】これにより、軸受の組立・開放時と運転中
での心保持材3の熱伸びを急激に変化させることがで
き、回転軸5の作動開始から短時間のうちに、心保持材
3を伸展させて隙間8を速やかに所定値にすることがで
きる。これにより、ダンパ軸受の設計自由度を大きくす
ることができる。
【0052】次に、図3は本発明の自己心保持形ダンパ
軸受の第三実施例を示す図で、図3(A)は側断面図、
図3(B)は横断面図である。本実施例においては、心
保持材として両端部を凹所2に挿嵌し、その圧縮力によ
り弓状にした薄板の保持材13を利用するようにしたも
ので、常温時と運転中の温度差による熱伸び差を利用し
て自己心保持を行なうものである。
【0053】本実施例のものでは、心保持材3の状態を
パラメータに含めることができるとともに、さらに、形
状をパラメータに選択することもできるので、心保持材
3の寸法の決定に、さらに大きな自由度を与えることが
できる。
【0054】次に、図4は本発明の自己心保持形ダンパ
軸受の第四実施例を示す図で、図4(A)は側断面図、
図4(B)は横断面図である。本実施例においては、心
保持材14を収容する切欠部12を、すべり軸受メタル
9の外周面に設けた。これにより、心保持材としての保
持材14は、すべり軸受メタル9の温度上昇とともに熱
伸びを発生し、すべり軸受メタル9の温度低下とともに
開口からの突出がなくなり、切欠部12に全体が収容さ
れることになる。これにより、実施例2に示す潤滑油導
入孔4を設けることなく、実施例2と同様の、熱伸びの
変化にでき、隙間8を速やかに所定値にすることができ
る。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の自己心保持
形ダンパ軸受によれば、特許請求の範囲に示す構成によ
り、 (1) 複雑な心保持構造にすることなく、正確で、確
実な心保持が達成でき、計画値通りの、信頼性の高い制
振効果が得られる。 (2) 心保持構造のためのスペース、特に回転軸の軸
方向のスペースを必要としないため、回転軸の設計の自
由度を損うことがない。 (3) ダンパ軸受の開放、組立がきわめて容易にな
る。 (4) 高温、高荷重の軸受にも採用できる。 (5) 製作コストを著しく低いものとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自己心保持形ダンパ軸受の第一実施例
を示す図で、図1(A)は側断面図、図1(B)は横断
面図、
【図2】本発明の第二実施例を示す図で、図2(A)は
側断面図、図2(B)は横断面図、
【図3】本発明の第三実施例を示す図で、図3(A)は
側断面図、図3(B)は横断面図、
【図4】本発明の第四実施例を示す図で、図4(A)は
側断面図、図4(B)は横断面図、
【図5】ダンパ軸受のモデルと性能を示す図で、図5
(A)はモデル図、図5(B)は等価バネ弾性係数と軸
受の偏心率の関係を示す図、図5(C)は減衰係数と軸
受の偏心率の関係を示す図、
【図6】ティルティングパッド軸受をモデル化した正面
図、
【図7】従来のダンパ軸受を示す図で、図7(A)は心
保持材により心保持を行うダンパ軸受の側断面図、図7
(B)および図7(C)はOリングにより心保持を行う
ダンパ軸受の側断面図である。
【符号の説明】
1、6 油孔 2 凹所 3、13、14 心保持材 4 潤滑油導入孔 5 回転軸 7 軸受ハウジング 8 隙間 9 すべり軸受メタル 10 軸受隙間 12 切欠部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受メタルの外周と軸受ハウジングの内
    周の寸法差で形成される隙間に、潤滑油を供給し、軸受
    メタルの内周を回動する回転軸の制振を行う自己心保持
    形ダンパ軸受において、前記軸受ハウジングの内周に設
    けられた凹所に挿入され、熱伸びにより前記凹所から突
    出し、伸縮剛性により前記軸受メタルの外周を支持し
    て、前記隙間を所定値に保持する心保持材を設けたこと
    を特徴とする自己心保持形ダンパ軸受。
  2. 【請求項2】 前記回転軸を支持する内周と前記心保持
    材で支持される外周を連通する潤滑油導入孔を前記軸受
    メタルに穿設したことを特徴とする請求項1の自己心保
    持形ダンパ軸受。
  3. 【請求項3】 前記心保持材が、両端部が前記凹所に挿
    嵌され、圧縮力で形成される凸部で前記軸受メタルの外
    周を支持する薄板で形成されていることを特徴とする請
    求項1、又は請求項2の自己心保持形ダンパ軸受。
  4. 【請求項4】 軸受メタルの外周と軸受ハウジングの内
    周の寸法差で形成される隙間に、潤滑油を供給し、軸受
    メタルの内周を回動する回転軸の制振を行う自己心保持
    形ダンパ軸受において、前記軸受メタルの外周に設けた
    切欠部に挿入され、熱伸びにより前記切欠部から前記軸
    受ハウジング内周へ向けて突出し、伸縮剛性により前記
    隙間を所定値に保持する心保持材を設けたことを特徴と
    する自己心保持形ダンパ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1300479C (zh) * 2004-01-07 2007-02-14 潘旭华 一种控制静压滑动轴承的方法

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