JPH0812077B2 - 光回転検出装置 - Google Patents

光回転検出装置

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JPH0812077B2
JPH0812077B2 JP3165490A JP16549091A JPH0812077B2 JP H0812077 B2 JPH0812077 B2 JP H0812077B2 JP 3165490 A JP3165490 A JP 3165490A JP 16549091 A JP16549091 A JP 16549091A JP H0812077 B2 JPH0812077 B2 JP H0812077B2
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light
sensing coil
coupler
incident
optical
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喜則 武内
英彦 根岸
優子 竹居
義彦 本庄谷
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Panasonic Holdings Corp
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Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体等に使用される
光回転検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光回転検出装置として使用されるジャイ
ロスコープからは、角速度だけでなく、それを積分する
ことにより、方位のデータも得ることができる。そのよ
うなジャイロスコープの内で、光ファイバをセンシング
コイルに用いた光ファイバジャイロスコープは、可動部
が全くなく且つ小型化が可能であり、更に最小検出可能
角速度(感度)、零点ドリフト、可測範囲(ダイナミッ
クレンジ)、スケールファクタの安定性において、従来
のジャイロスコープと比較して優れているために、近年
注目され、研究開発がなされている。
【0003】そのような光ファイバジャイロスコープに
は、信号処理方式として位相差バイアス方式、2入力方
式、位相変調方式、周波数変調方式、光ヘテロダイン方
式などの処理方式がある。ここでは、位相変調方式を用
いた光ファイバジャイロスコープを例にとって、図5を
もとに、その動作原理を簡単に説明する。
【0004】まず、光回転検出装置の光学系について以
下に述べる。半導体レーザのような光源1から出射され
た光は、光を分岐結合するための第1カプラ2を介し
て、偏光子4に入力され、その偏光子4を通過した光
は、5のカプラ等のビームスプリッタに入力され、そこ
でさらに2つに分岐される。
【0005】この2つの光の一方は、直接センシングコ
イル6に入射し、他方は、変調信号として正弦波が印加
されて駆動される位相変調器7を介して、センシングコ
イル6に入射する。位相変調器7としては、円筒状圧電
振動子等に光ファイバを巻き付けたものが一般的に使用
されている。位相変調器の圧電振動子に巻き付けられた
光ファイバ部分において、圧電振動子の伸縮に応じて光
ファイバ長や伝搬定数等が変化し、光がその部分を伝搬
するときに位相変調を受ける。
【0006】センシングコイルに入射した2つの光は、
それぞれ、センシングコイル6内を右回りと左回りとに
伝搬し、出射端より出射し、先に光の分割に用いたビー
ムスプリッタ5により再度合成される。合成された光は
所定の光学系を介し、フォトダイオード3のような受光
素子に入射され、電気信号に変換される。
【0007】光ファイバジャイロスコープの検出原理
は、サニャック(Sagnac)効果による。つまり、
光がセンシングコイルを伝搬するとき、センシングコイ
ルが回転を受けていると、いわゆるサニャック効果によ
り、右回り光と左回り光との間に位相差が発生する。こ
の位相差の検出は、右回り光と左回り光との干渉光のビ
ート信号成分を検出することによって行なう。
【0008】このような構成の光ファイバジャイロにお
ける光路は、入射された光の偏光方向を維持するため、
全て偏波面保存光ファイバ等によって構成するのが一般
的である。
【0009】そして、このような構成の光ファイバジャ
イロにおいて、回転出力信号における信号に対する雑音
比率(S/N比)を向上させるためには、位相変調器に
印加する変調信号周波数fm、つまり圧電振動子を駆動
する正弦波の周波数fmとセンシングコイルのファイバ
長Lとは、以下の式を満足することが望ましいとされて
きた。ここでcは真空中での光速、nはセンシングコイ
ルを構成する光ファイバの実効屈折率である。
【0010】
【数1】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の光回転検出
装置においては、高いS/N比を得ることができるよう
にセンシングコイルを設計しようとすれば、上記(数
1)を満足させることが必要である。このため、fmと
Lを逆比例の関係としなければならず、これが大きな制
約となっていた。すなわち、センシングコイルを短尺化
するためには変調周波数を高くしなければならず、ま
た、変調周波数を低くしようとするとセンシングコイル
のファイバ長を長くする必要があった。このため、セン
シングコイルのファイバ長を短くすることが難しく、省
スペースや重量低減、ひいてはコスト低減が困難である
等との課題があった。
【0012】本発明は、上記課題を解決し、光回転検出
装置の回転出力信号として、高いS/N比、および、低
零点ドリフト特性を有する出力を得ることのできる低コ
スト光回転検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、光源と、光ファイバで構成され、前記光源
から射出した光が所定光路を経て入射し、サニャック効
果を生じるセンシングコイル部と、前記センシングコイ
ル部から射出された光を所定光路を経て受光する受光手
段とから成り、前記センシングコイル部は前記入射した
光に位相変調を行なう位相変調器を有し、前記位相変調
器に周波数fm(Hz)の正弦波を印加する変調方式で
変調し、前記センシングコイル部の長さをL(m)とす
るとき、fmとLと前記センシングコイルに用いるファ
イバの実効屈折率nとを乗じた値を、光の真空中での速
度c(m/s)で割った値が、7/100以下、より望
ましくは1/20以下である光回転検出装置である。
【0014】また、光源と、光ファイバで構成され、前
記光源から射出した光が所定光路を経て入射し、サニャ
ック効果を生じるセンシングコイル部と、前記センシン
グコイル部から射出された光を所定光路を経て受光する
受光手段とから成り、前記センシングコイル部は前記入
射した光に位相変調を行なう位相変調器と前記入射した
光を無偏光化する偏光解消手段とを有し、前記位相変調
器に周波数fm(Hz)の正弦波を印加する変調方式で
変調し、前記センシングコイル部の長さをL(m)とす
るとき、fmとLと前記センシングコイルに用いるファ
イバの実効屈折率nとを乗じた値を、光の真空中での速
度c(m/s)で割った値が、7/100以下、好まし
くは1/20以下である光回転検出装置である。
【0015】
【作用】本発明は、変調周波数fmとセンシングコイル
のファイバ長Lとセンシングコイルに用いるファイバの
実効屈折率nを乗じた値を、光の真空中での速度cで割
った値が、7/100、より望ましくは1/20以下で
あるセンシングコイルを用いた上記構成をとることによ
り、従来のセンシングコイルのファイバ長と変調周波数
の間の関係を、(数1)で表現される関係に設定するこ
とが望ましいという制限を考慮することなしに、この制
限を満足させた場合に較べ、同等またはそれ以上の高い
S/N比および低零点ドリフト特性を有する出力を得る
ことができる。センシングコイルの短尺化と位相変調周
波数の低周波数化が、同時に可能となるので、光回転検
出装置の大幅な低コスト化が実現できる。
【0016】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例の詳細を
説明する。
【0017】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
における光回転検出装置光学系の模式図を示す。図1に
おいて、1はスーパールミネッセントダイオード(SL
D)からなる光源であり、2は光を均等な強度に二分岐
し、光源1からの光をその後の光学系に伝搬後、再び光
源1方向へ帰還する光を二分岐し、一方の光をフォトダ
イオード3に結合させるための第1カプラである。4は
伝搬光の偏光方向を規定するための偏光子である。5は
光を分岐結合、すなわち偏光子4により偏光された光を
二分岐し、その後センシングコイル6を右回り、および
左回りに伝搬した光を、再び結合するための第2カプラ
である。
【0018】本実施例において第1カプラと第2カプラ
は、ともに偏波面保存ファイバで構成されているが、シ
ングルモードファイバで構成されたカプラを用いてもか
まわない。
【0019】6は本光回転検出装置の回転角速度量の検
出を行うセンシングコイルである。センシングコイルの
ボビン外径は80mmであり、偏波面保存ファイバを全
長Lとして200m巻いている。7はセンシングコイル
6を伝搬する右回り、左回りの両回り光に対し、所定の
位相差を設けるために配置された位相変調器である。よ
り具体的には、位相変調器7は、例えば円筒状圧電振動
子に偏波面保存ファイバを巻回して形成され、この円筒
状圧電振動子の周囲に巻回された光路18を通過する光
に所定量の位相差を与える。なお巻回する光ファイバ
は、シングルモードファイバでもかまわない。この位相
変調器には、位相変調信号fmとして50kHzの正弦
波を印加している。
【0020】ここで、fmとLとセンシングコイルに用
いた光ファイバの実効屈折率n=1.4を乗じた値を、
光の真空中での速度3×108(m/s)で割った値
は、本実施例の場合0.047となる。これは詳細に後
述するように、本発明にかかる条件7/100、より望
ましくは1/20を満たしている。
【0021】3は、光路12より入射された光を電気信
号に変換するためのフォトダイオードである。また、1
1、12、13、14、15、17、18、19は、そ
れぞれ光が通過するための光路であり、偏波面保存ファ
イバで構成されている。
【0022】次に、図1にもとづき、本光回転検出装置
の動作を説明する。光源1より出射された光出力は、光
路11を通り、第1カプラ2に入射する。第1カプラ2
により均等に二分岐された光の一方は、偏光状態を1方
向のみに規定する偏光子4、光路14を通過後、第2カ
プラ5に入射する。第2カプラ5に入射した光は、光路
15、19にそれぞれ均等な強度分布で二分岐される。
光路15へ入射した光は、センシングコイル6を右回り
に進行後、光路17を通り、位相変調器7に巻回された
光路18、および光路19を通過後、第2カプラ5に逆
方向で入射する。この光はセンシングコイル6を通過
後、位相変調器7により位相変調を受けることになる。
ここで、位相変調器7は、センシングコイル6内で発生
する本光回転検出装置が回転することにより生じる、光
の位相差(サニャック位相差)の検出感度を高めるため
に、それに巻回された光路18中を伝搬する光に予め設
定された光学的位相差を付加する。
【0023】次に、光路19に対する入射光は前述の光
波と全く逆方向にセンシングコイルを進行する。つま
り、光路19に入射された光は、光路18を通過するこ
とにより光学的位相差を付加された後、光路17を進行
しセンシングコイル6内を左回りに伝搬し、再度第2カ
プラ5に前述の光に対し逆方向から入射する。つまり、
第2カプラ5で、互いに二分岐された光波は、センシン
グコイル6をそれぞれ反対方向に伝搬後、再度第2カプ
ラ5で結合される。この結合された光は光路14、偏光
子4、光路13を逆方向に伝搬する。偏光子4は、セン
シングコイル6に対して単一の偏波成分の光のみを導く
だけでなく、センシングコイル6をそれぞれ逆方向に伝
搬した後、光源1方向に帰還する光のうち、前述の光と
同一の偏波成分のみを取り出している。光路13を逆方
向に伝搬した光は、第1カプラ2でさらに二分岐され、
光路12により、フォトダイオード3に入射され電気信
号に変換される。このフォトダイオード3により光電変
換された信号が、位相変調器7に印加されている変調信
号で同期検波され、光回転検出装置の出力信号となる。
【0024】本実施例に示した光回転検出装置における
S/N比について考える。本実施例に示した光回転検出
装置の雑音発生は、主にセンシングコイル内の光の伝搬
状態変動に起因している。環境温度の変動に伴い、セン
シングコイルを構成する光ファイバ及びボビンには不均
一または非対称な温度分布が生じる。不均一または非対
称な温度分布は、センシングコイルに不均一または非対
称な応力印加をもたらし、温度分布それ自体との相乗効
果により、右回り光と左回り光に対する非相反的な伝搬
定数変動分布をセンシングコイル中に誘起し、光が伝搬
中にこの影響を受けて、雑音や零点ドリフトとして観測
される。この様な過程で発生する雑音の大きさは、セン
シングコイルの巻き方や環境温度変動が同じ場合には、
右回り光と左回り光に対する非相反的伝搬定数変動を、
センシングコイルの全長に渡って積分した値にほぼ比例
する。すなわち、雑音はセンシングコイルのファイバ長
が長いほど大きくなる傾向がある。
【0025】一方、光ファイバの感度すなわち、ある回
転角速度に対する出力の大きさは、センシングコイルの
直径とセンシングコイルのファイバ長に比例する。従っ
て、センシングコイルの直径を一定とするとき、センシ
ングコイルのファイバ長が長くなるに伴い、雑音も大き
くなるが、信号強度も大きくなる。
【0026】この非相反的伝搬定数変動分布が、雑音と
して現出する場合、光の位相変動や強度変動として直接
出現する場合と、位相変調器から発生する強度変調成分
を搬送波として雑音が観測される場合がある。位相変調
器は、前述のように右回り光と左回り光の間に所定の位
相差を設けるために挿入されているが、光の位相変調の
過程で、同時に光の強度変調が僅かながら生じることが
避けられない。干渉出力信号を同期検波することによっ
て回転出力信号だけを取りだそうとしても、この強度変
調成分を搬送波とした雑音は、周波数が変調信号と同一
であるため、その除去と抑圧は難しい。
【0027】強度変調成分は、回転出力信号に対して、
約90度の位相差を持っている。位相差が正確に90度
であれば、干渉出力信号を同期検波したときに、強度変
調成分は観測されず、それを搬送波とした雑音は生じな
い。しかし、実際には位相差が90度からずれているた
めに、雑音が発生する。この雑音の大きさは、強度変調
成分の振幅と、位相差の90度からのずれの大きさに依
存している。
【0028】強度変調成分の振幅は、センシングコイル
のファイバ長と位相変調周波数の積に依存して変化す
る。強度変調成分と回転出力信号成分の位相差の90度
からのずれも、やはり、センシングコイルのファイバ長
と位相変調周波数の積に依存して変化する。変化の仕方
を記述する式は複雑であるが、この変化の様子を模式的
に表すと図2(a)、(b)のようになる。この図の横
軸のパラメータはφtで、次式で表される。
【0029】
【数2】
【0030】これらの図から判るように、φtが小さく
なるに従い、強度変調成分の振幅は大きくなる。それに
対して、位相差の90度からのずれの大きさは、φt
小さくなるに従い小さくなる傾向がある。
【0031】強度変調成分の振幅は、位相変調器の位相
変調度にも関係している。変調度αmを、光回転検出装
置の感度を最大にするように設定するとすれば、センシ
ングコイルのファイバ長Lと位相変調器の変調周波数f
m、光の速度c、光ファイバの実効屈折率nを用いて、
αmは次の式で表される。
【0032】
【数3】
【0033】すなわち、センシングコイルのファイバ長
が短くなるほど、最適位相変調度を大きくしなけらばな
らない。位相変調度を大きくするために、位相変調器へ
の印加電圧を大きくすれば、それに伴い、強度変調の変
調度も大きくなり、強度変調成分の振幅が増大する。
【0034】この様に、回転出力信号および強度変調雑
音の大きさはいろいろなパラメータに依存して決まる
が、センシングコイルの長さに依存する回転出力信号及
び雑音の大きさ変化をまとめると、 (1)ファイバ長が短くなるほど、感度は小さくなる。 (2)ファイバ長が短くなるほど、センシングコイルで
生じる雑音は減少する。 (3)ファイバ長が短くなるほど、最適変調度は大きく
なり、強度変調成分の振幅が増大する。 (4)ファイバ長が短くなるほど、強度変調成分と回転
出力信号の位相差は、90度に近づく。 (5)ファイバ長が短くなるほど、強度変調成分の振幅
は大きくなる。
【0035】上記の項目のうち、(2)、(4)はファ
イバ長を短くしたときS/N比を向上させる要因であ
り、(1)、(3)、(5)はファイバ長を短くしたと
きS/N比を劣化させる要因である。光回転検出器のS
/N比のファイバ長依存性は、これらの要因が複雑に絡
み合って決まる。
【0036】実際、本実施例に沿った構成で、センシン
グコイルのボビンの直径を一定として、S/N比のセン
シングコイルのファイバ長依存性を測定したところ、図
3の結果を得た。この図では、変調周波数一定の条件
で、φtをパラメータとして記述している。ここで、φt
を所定値から0へ、例えばπ/2から0まで変化すると
き、S/N比は、劣化し再び回復する。この図による
と、φt=7π/100以下、より好ましくは、φt=π
/20以下の条件が最も望ましくS/N比が高くなる条
件であり、これが本発明にかかるセンシングコイルのフ
ァイバ長と変調周波数を決める条件となる。
【0037】この様に本発明を持ってすれば、従来に較
べ短いセンシングコイルを用いながら、従来技術による
センシングコイルを用いた場合より高いS/N比を得る
ことができた。
【0038】ファイバ長を短くし過ぎると、光検出器の
ショットノイズに較べて回転出力信号がが小さくなりす
ぎ、S/N比は低下する。そのため、ファイバ長を短く
する事によって際限なくS/N比を向上させることはで
きず、実際にはファイバ長の下限が存在する。すなわ
ち、現状の光検出器の性能では、φtに下限値があり、
下限値はφt=π/1000程度である。
【0039】また、本実施例の構成でのファイバ長の下
限値は、上記センシングコイルのボビン直径や変調周波
数を用いると、L=5m以下に下限が存在することがわ
かる。
【0040】また、変調周波数を高くするとφtが大き
くなり、強度変調雑音が増大する傾向がある。しかし、
センシングコイルのボビン直径一定の時のφtに関する
定性的な性質は、ほとんど変化しない。
【0041】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0042】図4は本発明の第2の実施例における光回
転検出装置光学系の模式図を示す。この第2実施例は、
センシングコイルと第2カップラとの間に偏光解消手段
を設けたことである。
【0043】図4において、1はスーパールミネッセン
トダイオード(SLD)からなる光源であり、2は光を
均等な強度に二分岐し、光源1からの光をその後の光学
系に伝搬後、再び光源1方向へ帰還する光を二分岐し、
一方の光をフォトダイオード3に結合させるための第1
カプラである。4は伝搬光の偏光方向を規定するための
積層型偏光子である。5は光を分岐結合する、すなわち
偏光子4により偏光された光を二分岐し、その後シング
ルモードファイバで構成されたセンシングコイル6を右
回り、および左回りに伝搬した光を、再び結合するため
の第2カプラである。第1カプラと第2カプラは、本実
施例では、ともにシングルモードファイバで形成されて
いる。
【0044】8は、シングルモードファイバをセンシン
グコイルに用いたことにより増加するセンシングコイル
内での偏波状態変動の効果を、緩和するために挿入した
偏光解消手段である。これには、長さの比が1:2の偏
波面保存ファイバの光学主軸を45度傾けて融着したフ
ァイバ型の偏光解消子を用いている。また、6は本光回
転検出器の回転角速度量の検出を行うセンシングコイル
である。センシングコイルのボビン外径は80mmであ
り、シングルモードファイバを全長Lとして50m巻い
ている。7の位相変調器は、センシングコイル6を伝搬
する右回り、左回りの両回り光に対し、あらかじめ設定
された位相差を設けるために配置された位相変調器であ
る。7は、円筒状圧電振動子からなる位相変調器で、作
用は実施例1と同様である。この位相変調器には、位相
変調信号fmとして50kHzの正弦波を印加してい
る。
【0045】ここで、fmとLとセンシングコイルに用
いた光ファイバの実効屈折率n=1.4を乗じた値を、
光の真空中での速度cで割った値は、本実施例の場合
0.012となる。これは本発明にかかる条件1/20
を、十分に満たしている。
【0046】また、3は、光路12のより入射された光
を電気信号に変換するためのフォトダイオードである。
また、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19は、それぞれ光が通過するための光路であり、
シングルモードファイバで構成されている。
【0047】本光回転検出装置の動作の基本原理は、実
質的に第一の実施例と同様である。すなわち、光源1よ
り出射された光出力は、光路11を通り、第1カプラ2
に入射する。第1カプラ2により均等に二分岐された光
の一方は、偏光状態を1方向のみに規定する偏光子4、
光路14を通過後、第2カプラ5に入射する。第2カプ
ラ5に入射した光は、光路15、19にそれぞれ均等な
強度分布で二分岐される。光路15へ入射した光は、偏
光解消手段8で無偏光化され、光路16、センシングコ
イル6を右回りに進行後、光路17を通り、位相変調器
7に巻回された光路18、および光路19を通過後、第
2カプラ5に逆方向で入射する。この光はセンシングコ
イル6を通過後、位相変調器7により位相変調を受ける
ことになる。ここで、位相変調器7は、センシングコイ
ル6内で発生する本光回転検出装置が回転することによ
り生じる、光の位相差(サニャック位相差)の検出感度
を高めるために、それに巻回された光路18中を伝搬す
る光に予め設定された光学的位相差を付加する。
【0048】次に、光路19に対する入射光は前述の光
波と全く逆方向にセンシングコイルを進行する。つま
り、光路19に入射された光は、光路18を通過するこ
とにより光学的位相差を付加された後、光路17を進行
しセンシングコイル6内を左回りに伝搬し、光路16、
偏光解消手段8、光路15を経て、再度第2カプラ5に
前述の光に対し逆方向から入射する。つまり、第2カプ
ラ5で、互いに二分岐された光波は、センシングコイル
6をそれぞれ反対方向に伝搬後、再度第2カプラ5で結
合される。この結合された光は光路14、偏光子4、光
路13を逆方向に伝搬する。偏光子4は、センシングコ
イル6に対して単一の偏波成分の光のみを導くだけでな
く、センシングコイル6をそれぞれ逆方向に伝搬した
後、光源1方向に帰還する光のうち、前述の光と同一の
偏波成分のみを取り出している。光路13を逆方向に伝
搬した光は、第1カプラ2でさらに二分岐され、光路1
2により、フォトダイオード3に入射され電気信号に変
換される。このフォトダイオード3により光電変換され
た信号が、位相変調器7に印加されている変調信号で同
期検波され、光回転検出装置の出力信号となる。
【0049】本実施例に示した光回転検出装置における
S/N比のセンシングコイルのファイバ長依存性を決め
る要因は、第一の実施例で詳細に説明したものが同様に
考えられ、φt=7π/100以下、望ましくはφt=π
/20以下の条件が最もS/N比が高くなる条件であ
り、下限値はφt=π/1000程度である。これが本
発明にかかるセンシングコイルのファイバ長と変調周波
数を決める条件となる。
【0050】この様に本実施例においても、従来に較べ
短いセンシングコイルを用いながら、より高いS/N比
を得ることができた。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明は、位相変調器に周
波数fm(Hz)の正弦波を印加する位相変調方式をと
り、前記センシングコイルの長さをL(m)とすると
き、fmとLとセンシングコイルに用いるファイバの実
効屈折率nを乗じた値を、光の真空中での速度c(m/
s)で割った値が、7/100、より望ましくは、1/
20以下とすることにより、従来のセンシングコイルの
ファイバ長と変調周波数の間の満たすことが望ましいと
されてきた関係を考慮することなしに、この関係を満足
させた場合と同等もしくはそれ以上の高いS/N比、お
よび低零点ドリフト特性を有する出力を得ることができ
る。このため、センシングコイルの短尺化と位相変調周
波数の低周波数化が、同時に可能となるので、光回転検
出装置の大幅な低コスト化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における光ファイバジャイロの光
学系の構成模式図
【図2】(a)本実施例において強度変調成分の90度
からの位相差のずれのφt依存性を表す図 (b)本実施例において強度変調成分の振幅φt依存性
を表す図
【図3】本実施例においてS/N比のφt依存性を表す
【図4】第2の実施例における光ファイバジャイロの光
学系の構成模式図
【図5】従来の光ファイバジャイロの光学系の模式図
【符号の説明】
1 光源 2 第1カプラ 3 フォトダイオード 4 偏光子 5 第2カプラ 6 センシングループ 7 偏光解消手段 8 位相変調器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本庄谷 義彦 神奈川県横浜市港北区綱島東4丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−72214(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、光ファイバで構成され、前記光
    源から射出した光が所定光路を経て入射し、サニャック
    効果を生じるセンシングコイル部と、前記センシングコ
    イル部から射出された光を所定光路を経て受光する受光
    手段とを有し、前記センシングコイル部は前記入射した
    光に位相変調を行なう位相変調器を有し、前記位相変調
    器に周波数fm(Hz)の正弦波を印加する変調方式で
    変調し、前記センシングコイル部の長さをL(m)とす
    るとき、fmとLと前記センシングコイルに用いるファ
    イバの実効屈折率nとを乗じた値を、光の真空中での速
    度c(m/s)で割った値が、7/100以下である光
    回転検出装置。
  2. 【請求項2】 fmとLと前記センシングコイルに用い
    るファイバの 実効屈折率nを乗じた値を、光の真空中
    での速度c(m/s)で割った値が、1/20以下1/
    1000以上である請求項1記載の光回転検出装置。
  3. 【請求項3】 光源から射出した光を二分岐する第1の
    カプラと、前記第1のカプラにより分岐された光の一方
    が入射する偏光子と、前記偏光子から射出した光を二分
    岐し一方の光をセンシングコイル部に入射する第2のカ
    プラとを有し、前記センシングコイル部は位相変調器を
    介し前記第2のカプラに結合され、センシングコイル部
    を経て前記第2のカプラに入射され2分岐された一方の
    光は、前記偏光子を通過し前記第2のカプラに入射し、
    受光手段は前記第1のカプラで二分岐された光の一方を
    受光する請求項1または2記載の光回転検出装置。
  4. 【請求項4】 光源と、光ファイバで構成され、前記光
    源から射出した光が所定光路を経て入射し、サニャック
    効果を生じるセンシングコイル部と、前記センシングコ
    イル部から射出された光を所定光路を経て受光する受光
    手段とから成り、前記センシングコイル部は前記入射し
    た光に位相変調を行なう位相変調器と前記入射した光を
    無偏光化する偏光解消手段とを有し、前記位相変調器に
    周波数fm(Hz)の正弦波を印加する変調方式で変調
    し、前記センシングコイル部の長さをL(m)とすると
    き、fmとLと前記センシングコイルに用いるファイバ
    の実効屈折率nとを乗じた値を、光の真空中での速度c
    (m/s)で割った値が、7/100以下である光回転
    検出装置。
  5. 【請求項5】 fmとLと前記センシングコイルに用いる
    ファイバの実効屈折率nを乗じた値を、光の真空中での
    速度c(m/s)で割った値が、1/20以下1/10
    00以上である請求項4記載の光回転検出装置。
  6. 【請求項6】 光源から射出した光を二分岐する第1の
    カプラと、前記第1のカプラにより分岐された光の一方
    が入射する偏光子と、前記偏光子から射出した光を二分
    岐し一方の光をセンシングコイル部に入射する第2のカ
    プラとを有し、前記センシングコイル部は位相変調器を
    介し前記第2のカプラに結合され、センシングコイル部
    を経て前記第2のカプラに入射され2分岐された一方の
    光は、前記偏光子を通過し前記第2のカプラに入射し、
    受光手段は前記第1のカプラで二分岐された光の一方を
    受光する請求項5または6記載の光回転検出装置。
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