JPH08119674A - タッチパネル用透明導電膜付ガラス - Google Patents

タッチパネル用透明導電膜付ガラス

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JPH08119674A
JPH08119674A JP28397794A JP28397794A JPH08119674A JP H08119674 A JPH08119674 A JP H08119674A JP 28397794 A JP28397794 A JP 28397794A JP 28397794 A JP28397794 A JP 28397794A JP H08119674 A JPH08119674 A JP H08119674A
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JP
Japan
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glass
film
conductive film
resistance
transparent conductive
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JP28397794A
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Kiyoshi Kawamura
潔 河村
Yasuhiro Seta
康弘 瀬田
Shigeo Yamada
茂男 山田
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Nippon Soda Co Ltd
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Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Na2 OとK2 Oの合計含有量が6wt%以
下の透明ガラス基板上に屈折率1.7〜2.2の透明導
電膜が10〜30nmの膜厚で形成された透明導電膜付
ガラス。 【効果】 通電耐湿試験でリニアリティ値が±2%以上
に増大しない安定性に優れた透明導電膜付ガラスを得る
ことが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明導電膜付ガラス、及
び透明導電膜の成膜方法に関するものであり、特にタッ
チパネルの透明電極として用いられる高抵抗で均一性に
優れた透明導電膜付ガラス、及び該透明導電膜の成膜方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】スズをドープした酸化インジウム膜(I
TOと称す)やフッ素をドープした酸化スズ膜(FTO
と称す)、アンチモンをドープした酸化スズ膜(ATO
と称す)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛膜、イン
ジウムをドープした酸化亜鉛膜はその優れた透明性と導
電性を利用して、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネ
ッセンスディスプレイ、面発熱体、タッチパネルの電
極、太陽電池の電極等に広く使用されている。この様に
広い分野で使用されると、使用目的によって抵抗値、透
明度は種々のものが要求される。すなわち、フラットパ
ネルディスプレイ用の透明導電膜では低抵抗、高透過率
のものが要求されるが、タッチパネル用の透明導電膜で
は逆に高抵抗、高透過率の膜が要求される。特に最近開
発されて市場の伸びが期待されるペン入力タッチパネル
用の導電膜は、位置の認識精度が高くなくてはならない
ことから、シート抵抗が200〜3000Ω/□といっ
た高抵抗でかつ抵抗値の均一性に優れた膜であることが
要求される。
【0003】抵抗値の均一性を評価する方法として、リ
ニアリティ試験がある。この方法は透明導電膜の向かい
合った2辺に銀ペースト等で低抵抗の電極を作成し、両
電極間に1〜10Vの直流電圧を印加する。この時、両
電極の間隔をD、印加電圧をVとする。透明導電膜の任
意の点について、マイナスの電極からの距離をd、マイ
ナスの電極とその点の電位差をvとすると(d/D−v
/V)×100をリニアリティ値(%)と定義する。リ
ニアリティ値は位置と、検出した電位差から計算した位
置とのずれを定義する量であり、文字や図形を認識する
目的で製作されるタッチパネルでは通常リニアリティ値
で±2%以内の抵抗値の均一性であることが要求され
る。
【0004】更に、液晶ディスプレイの上に置くことか
ら高透過率の膜であることが要求される。通常、高透過
率を達成する方法は膜厚を薄くすることであった。しか
しながら、膜厚を薄くしすぎると抵抗の安定性が悪くな
り、種々の条件で環境試験を行うとリニアリティ値が増
大するために、高透過率と抵抗の安定性を両立すること
は困難なことであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ITO、FTO、AT
O、酸化亜鉛膜等の透明導電膜材料はいずれも屈折率が
基板ガラスの屈折率(ソーダライムガラスでは1.5
2)より高く(1.7〜2.2)、透明導電膜の膜厚を
厚くすると基板との界面での反射が大きくなり、可視光
透過率が低下する。
【0006】高透過率の膜を得ようとする場合は膜厚を
薄くする必要があるが、人間の目に感度良く感知される
550nm波長で85%の透過率を得ようとすると膜厚
は30nm以下の膜厚にする必要があり、89%以上の
透過率の場合には膜厚を20nm以下の膜厚にする必要
がある。膜厚を30nm以下まで薄くすると、温度変化
や湿度変化の影響を受けて抵抗値が変動しやすくなり、
面内の抵抗値の均一性が悪化する。従って、種々の条件
で環境試験を行うと抵抗値の均一性の悪化によりリニア
リティ値が増大してしまう。
【0007】一般に行われる環境試験は多く、150〜
200℃で30〜60分といった高温−短時間試験、8
0〜100℃で100〜300時間といった中温度−長
時間試験、50〜80℃、90〜100%RHで100
〜300時間といった中温度−高湿度−長時間試験、更
に5〜10V直流電圧を印加して30〜80℃、90〜
100%RHで100〜300時間といった通電下−中
温度−高湿度−長時間試験や−50〜−20℃で100
〜300時間といった低温度−長時間試験がある。これ
らの環境試験によって抵抗が変動しても、面内全ての抵
抗が均一に変動するならば、リニアリティ値は変動せず
増大しないが、通電下−中温度−高湿度−長時間試験
(通電耐湿試験と称す)ではプラス電極とマイナス電極
付近での抵抗変動の仕方が異なるためにリニアリティ値
は顕著に増大する傾向を示す。すなわち、プラス電極付
近では酸化反応が起こり導電膜が高抵抗化するのに対
し、マイナス電極付近では還元反応が起こり、導電膜は
低抵抗化する。そのために、導電膜の面内抵抗は高抵抗
の部分と低抵抗の部分が生じ、その結果リニアリティ値
は±2%以上に増大してしまう。
【0008】本発明は、前述の実情からみてなされたも
ので、10〜30nmの膜厚の透明導電膜の通電耐湿試
験でリニアリティ値が増大しないタッチパネル用の導電
膜付ガラス及び、リニアリティ値を増大させない方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは通電耐湿試
験でリニアリティ値を増大させない方法について鋭意検
討した結果、Na2 OとK2 Oの合計含有量が6wt%
以下の透明ガラスを基板として用い、その上に屈折率
1.7〜2.2の透明導電膜を10〜30nm形成する
ことにより、抵抗安定性の良好な透明導電膜付ガラスが
得られ、通電耐湿試験を行ってもリニアリティ値が±2
%以内に収まることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の基板上に形成される透明導電膜と
しては、ITO、FTO、ATO、AlドープZnO、
InドープZnO等が用いられるが、本発明の範囲はこ
れに限定されるものではない。
【0011】通常一般的に用いられている安価なソーダ
ライムガラス(SLGと称す)を基板とした場合、シー
ト抵抗が200〜3000Ω/□の導電膜で実用的な膜
厚は10〜30nmであり、この膜厚での抵抗安定性は
良いとは言えず種々の環境試験を行うと、抵抗値が変動
する。特に通電耐湿試験では面内の抵抗分布が高い部分
と低い部分が生じるためにリニアリティ値が増大し、ペ
ン入力タッチパネル用の透明導電膜付ガラスとしては望
ましくないことである。SLG基板では、±1%以内の
リニアリティ値を示す抵抗の均一性に優れた膜でも、例
えば、7V印加、40℃、95%RHの条件で240時
間の通電耐湿試験を行うと、プラス電極付近は高抵抗化
し、マイナス電極付近は低抵抗化するためにリニアリテ
ィ値は4%以上に増大してしまう。しかしながら、この
現象は基板にアルカリ分を殆ど含有しないガラス(例:
石英ガラス)を用いると、導電膜の膜厚が20nm以下
のの場合でも電極付近の抵抗は変動せず、リニアリティ
値も通電耐湿試験前の値と同じであり、変化しないこと
を見出した。すなわち、通電耐湿試験を行うことでリニ
アリティ値が増大する原因の一つに、基板中のアルカリ
分が関与している可能性が示唆された。すなわち、アル
カリ含有量の少ない基板を用いることで、リニアリティ
値の増大を防止出来ると考えられる。
【0012】そこでガラス基板の組成、種類等について
次のように検討を行った。ガラス基板の組成、特にアル
カリ含有量(Na2 OとK2 Oの合計)に着目して、数
社から市販されている組成の異なる数種類のガラス基板
を準備した。これらの基板上に約20nmのITO膜を
成膜して、通電耐湿試験(7V印加、40℃、95%R
H、240時間)を行ってリニアリティ値の変化を評価
した。その結果、Na2 OとK2 Oの合計含有量が10
wt%以上のいわゆるソーダライムガラス基板では、各
社組成は若干の違いはあるものの通電耐湿試験によりリ
ニアリティ値は試験した全ての基板で±2%以上に増大
した。それにひきかえ、Na2 OとK2Oの合計含有量
が6wt%以下の低アルカリガラスや1wt%以下の無
アルカリガラスの通電耐湿試験後のリニアリティ値は±
2%以内におさまった。また、リニアリティ値はアルカ
リ含有量が少ない程、変化量が少ない傾向を示した。こ
れらの結果から、ガラス基板のアルカリ含有量とリニア
リティ変化量の間に相関関係があることを見出した。
【0013】本発明に用いられるガラス基板としては、
Na2 OとK2 Oの合計含有量が1〜6wt%の低アル
カリガラス、例えば岩城硝子(株)のパイレックスガラ
ス、日本電気硝子(株)のBLCガラス、旭硝子(株)
のALガラス、AXガラス、独ショット社のD−263
ガラス、米コーニング社の7740ガラスを挙げること
が出来る。また、Na2 OとK2 Oの合計含有量が1w
t%以下の無アルカリガラス、例えば、日本電気硝子
(株)のOA−2ガラス、旭硝子(株)のANガラス、
独ショット社のAF−45ガラス、NHテクノグラス
(株)のNA45ガラス、米コーニング社の7059ガ
ラスを挙げることが出来る。更に、アルカリ分を全く含
有しない石英ガラス、例えば旭硝子(株)のAQガラ
ス、米コーニング社の7900ガラスを挙げることが出
来る。
【0014】透明導電膜を成膜する方法としては、一般
に知られている方法を採用できる。即ち、スパッター
法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、化学
気相成膜法(CVD法)、パイロゾル法、スプレー法、
ディップ法等で所定の材料を所定の厚さで成膜すること
で達成される。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。ただし、本発明はこれらに何ら限定されるもの
ではない。
【0016】実施例1 厚さ0.7mm、100mm角の日本電気ガラス(株)
のBLCガラス(Na2 OとK2 Oの合計含有量が5w
t%以下)を基板として用い、超音波霧化によるCVD
法(パイロゾル成膜法)成膜装置にセットし450℃に
加熱した。InCl3 のCH3 OH溶液(濃度は0.2
5mol/l)にSnCl4 をInに対して10原子%
添加した溶液を超音波により2.5ml/min霧化さ
せ基板に導入し、2分間成膜した。その後成膜装置より
取り出し、空気中で冷却した。得られた膜はn=1.9
5、膜厚22nmのITO結晶膜であった。この膜のシ
ート抵抗を9点測定したところ、平均550Ω/□、比
抵抗1.2×10-3Ωcmであった。シート抵抗の均一性
は±45Ω/□以内であった。透過率は550nmで8
9.8%を示した。この試料の向かい合う辺に導電性の
銀ペーストを5mm幅で塗布し電極を作成した。この2
本の電極に直流5Vを印加してリニアリティ値を5列
(15mm間隔)、10点/列(8mm間隔)で測定し
たところ−0.3〜0.2%の値であった。この試料の
7V,40℃,95%RHの条件下で240時間放置し
た後のリニアリティ値を測定したところ−0.2〜0.
3%の値であり、ほとんど変化していなかった。
【0017】実施例2 厚さ1.1mm、100mm角の米コーニング社の70
59ガラス(Na2 OとK2 Oの合計含有量が0.3w
t%以下)を基板として用いた以外は実施例1と全く同
様の方法でITO成膜した。得られた膜はn=1.9
5、膜厚20nmのITO結晶膜であった。この膜のシ
ート抵抗を9点測定したところ、平均610Ω/□、比
抵抗1.2×10-3Ωcmであった。シート抵抗の均一性
は±40Ω/□以内であった。透過率は550nmで8
9.2%を示した。この試料について、実施例1と同様
の方法でリニアリティ値を測定したところ−0.2〜
0.2%の値であった。この試料の7V,40℃,95
%RHの条件下で240時間放置した後のリニアリティ
値を測定したところ−0.2〜0.3%の値であり、ほ
とんど変化していなかった。
【0018】実施例3 実施例2においてITO膜の代わりに以下の方法でFT
O膜を成膜した。原料はSnCl4 のCH3 OH溶液
(濃度0.3mol/l)にNH4 FをF/Sn=5m
ol%添加した液を用いた。成膜温度は430℃、超音
波により2.0ml/min霧化し、2.5分間成膜し
た。得られた膜は膜厚25nmのFTO膜であった。こ
の膜のシート抵抗を9点測定したところ、平均860Ω
/□、比抵抗2.2×10-3Ωcmであった。シート抵抗
の均一性は±75Ω/□以内であった。透過率は550
nmで88.2%を示した。この試料について、実施例
1と同様の方法でリニアリティ値を測定したところ、−
0.4〜0.5%の値であった。この試料を7V,40
℃,95%RHの条件下で240時間放置した後、試験
前と同じ条件でリニアリティを測定したところ−0.1
〜0.9%の値に増大したが、±2%以内であった。
【0019】実施例4 厚さ1.1mm、100mm角の日本電気硝子(株)の
OA−2ガラス(Na2 OとK2 Oの合計含有量が0.
5wt%以下)を基板として用い、スパッター法で、I
TO(Sn=0.5wt% vs In)をターゲット
として、RF出力200W、基板温度300℃、Ar:
2 =98:2の条件で4分間成膜を行った。得られた
膜のシート抵抗は650Ω/□、膜厚は20nm、透過
率は89.5%の良好な膜であった。この膜のリニアリ
ティ値は0.2〜0.6%であり、7V,40℃,95
%RH環境下で240時間放置した後のリニアリティ値
は、0.2〜0.8%であり、ほとんど変化していなか
った。
【0020】比較例1 実施例1に示したパイロゾル成膜装置を用いて、基板を
厚さ1.1mm、100mm角の日本電気硝子(株)の
セントラル硝子(株)製ソーダライムガラス(Na2
とK2 Oの合計含有量が16.6wt%)を用いた以外
は実施例1と同じ条件で成膜を行った。得られた膜のシ
ート抵抗、比抵抗、均一性は実施例1の膜と全く同じ値
を示した。この膜の透過率は550nmで89.7%で
あった。この試料のリニアリティ値は−0.2〜0.2
%であったが、7V,40℃,95%RH環境下で24
0時間放置した後のリニアリティ値は、3.8〜5.1
%に増大した。
【0021】比較例2 実施例4において、基板を厚さ1.1mm、100mm
角の旭硝子(株)製ソーダライムガラス(Na2 OとK
2 Oの合計含有量が約17wt%)を用いた以外は全く
同じ条件でSnO2 成膜を行った。得られた膜のシート
抵抗、比抵抗、均一性は実施例4の膜と全く同じ値を示
した。この膜の透過率は550nmで89.6%であっ
た。この試料のリニアリティ値は−0.2〜0.6%で
あったが、7V,40℃,95%RH環境下で240時
間放置した後のリニアリティ値は、2.6〜4.1%に
増大した。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、Na2 OとK2
の合計含有量が6wt%以下の透明ガラス基板上に屈折
率1.7〜2.2の透明導電膜を10〜30nm形成す
ることにより、所期の目的とする通電耐湿試験でリニア
リティ値が±2%以上に増大しない安定性に優れた透明
導電膜付ガラスを得ることが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Na2 OとK2 Oの合計含有量が6wt%
    以下の透明ガラス基板上に屈折率1.7〜2.2の透明
    導電膜が10〜30nmの膜厚で形成された透明導電膜
    付ガラス。
  2. 【請求項2】透明導電膜のシート抵抗値が、200〜3
    000Ω/□、リニアリティ値が±2%以内である請求
    項1記載の高抵抗透明導電膜付ガラス。
  3. 【請求項3】請求項1および2記載の透明導電膜付ガラ
    スを用いることを特徴とするタッチパネル。
  4. 【請求項4】Na2 OとK2 Oの合計含有量が6wt%
    以下の透明ガラス基板上に屈折率1.7〜2.2の透明
    導電膜を10〜30nmの膜厚で形成することを特徴と
    する透明導電膜の成膜方法。
JP28397794A 1994-10-25 1994-10-25 タッチパネル用透明導電膜付ガラス Pending JPH08119674A (ja)

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