JPH08117565A - 中空糸膜横断面の真円化法および中空糸膜モジュール - Google Patents

中空糸膜横断面の真円化法および中空糸膜モジュール

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JPH08117565A
JPH08117565A JP25377694A JP25377694A JPH08117565A JP H08117565 A JPH08117565 A JP H08117565A JP 25377694 A JP25377694 A JP 25377694A JP 25377694 A JP25377694 A JP 25377694A JP H08117565 A JPH08117565 A JP H08117565A
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JP
Japan
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hollow fiber
pressure
fiber membrane
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membrane
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JP25377694A
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Hidehiko Sakurai
秀彦 桜井
Jitsuzo Takada
実三 高田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 中空部に気体が存在する中空糸膜束の両端開
口部を封鎖してこれを圧力容器内へ装入し、該中空糸膜
束を40〜120℃に加熱した状態で該圧力容器内を5
〜100mmHg/minの速度で300mmHgゲー
ジ以上に昇圧させて中空糸膜外部から内部への気体拡散
により中空糸膜内の圧力を300〜2000mmHgゲ
ージまで高め、次いで上記加熱温度を維持した状態で圧
力容器内を大気圧まで、上記昇圧速度よりも速い速度で
降下させて中空糸膜の内・外で圧力差を生じさせること
によって真円度を矯正し、矯正完了後常温に戻す。 【効果】 比較的簡単な処理で中空糸膜横断面の偏平や
閉塞を矯正して真円度を高めることができ、圧力損失が
少なく膜分離性能に優れた中空糸膜を提供することがで
き、またこの中空糸膜を使用することによって、分離効
率や安全性等に優れたモジュールを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モジュールの半透膜構
成要素として使用される中空糸膜における横断面の偏平
や閉塞を効率的に解消して真円度を高める方法、および
該方法によって得られる真円度の高い中空糸膜を用いた
安全で膜透過性能の高い中空糸膜モジュールに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】中空糸膜は、大きな膜面積をコンパクト
なモジュールに納めることができ、容積効率の高い膜構
造を有するものであり、海水の淡水化、逆浸透、ガス分
離、限外濾過、精密濾過、血液透析、血漿分離、家庭用
上水器等に幅広く実用化されている。
【0003】中空糸膜は、膜材料を口金から吐出する際
に、紡出糸条内に空気や窒素等の気体や水、有機溶剤、
流動パラフィン等の液体を自然吸引あるいはポンプ等で
供給することによって製造される。
【0004】上記方法によって製造された中空糸膜は、
その後凝固、延伸、水洗、親水化、乾燥等の操作を経て
所定の性能を賦与した後、綛取り、あるいはボビンに巻
き取った後常法に従ってモジュールに組み立てられる。
【0005】ところで中空糸膜モジュールにおいては、
処理流体の流路となる中空部に偏平や閉塞があると、当
然に該中空糸膜モジュールの性能や効率は低下してく
る。特に血液透析膜や血漿分離膜等の様に中空部に血液
が流れる膜モジュールでは、偏平や閉塞によって中空糸
膜内部に血栓が生じてモジュール内に血液が残る(以
下、残血という)現象が起こり、安全上大きな問題とな
る。
【0006】こうした中空糸膜の偏平や閉塞は、中空糸
膜を綛やボビンに巻き取るときに発生すると考えられる
が、膜材質の強度が弱い場合や内径の割りに膜厚が薄い
場合等には特に問題となることが多い。また一部の血液
透析用中空糸膜は、透析効率を上げるためボビンに巻き
取った後加熱収縮処理を行ない、中空糸膜にクリンプを
付与することがあり、この様な処理を行なうと、中空糸
膜の偏平や閉塞は更に起こり易くなる。
【0007】そこで、中空糸膜をモジュールに組み込む
前に予め真円度を高める方法も提案されている(特開昭
59−80303号等)。ところが本発明者らが確認し
たところによるとこの様な方法では、中空部に液体が充
填されているときには大きい効果が得れらるが、中空部
に気体が充満しているときには殆んどその効果が発揮さ
れない。
【0008】更に本発明者らは、上記の様な偏平や閉塞
を無くす方法として、中空糸膜製造時における内部圧力
を外部圧力よりも高くすることによって中空糸膜横断面
の真円度を高める方法を開発し、先に提案した(特開平
4−171032)。しかしながらこの方法では、中空
糸膜内部の圧力を高めるために中空糸膜束の端部を接着
して封鎖すると共に他端を一旦開放してから昇圧する必
要があり、特殊な加工装置を必要とすると共に作業が煩
雑で大量処理に適さない。また上記公報には、中空糸膜
の外部を減圧することによって中空糸膜に拡開方向の力
を与えることによって真円度を高める方法も提案されて
いるが、この方法では、中空糸膜の外部を減圧にして真
円度を高めたとしても、中空糸膜の膜厚が薄い場合や中
空率が大きい場合には、大気圧に戻した時に再び中空糸
膜の偏平・閉塞状態に復元する恐れがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、中空
部に気体が存在する中空糸膜においても、簡単な設備で
偏平や閉塞を効率よく修復し、中空糸膜の横断面を効率
よく真円化することのできる方法、および真円度が高く
膜透過効率や安全性に優れた中空糸膜モジュールを提供
しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る真円化法の構成は、中空部に気体
が存在する中空糸膜束の両端開口部を封鎖してこれを圧
力容器内へ装入し、該中空糸膜束を40〜120℃に加
熱した状態で該圧力容器内を5〜100mmHg/mi
nの速度で300mmHgゲージ以上に昇圧させて中空
糸膜外部から内部への気体拡散により中空糸膜内の圧力
をで300〜2000mmHgゲージまで高め、次いで
上記加熱温度を維持した状態で圧力容器内を大気圧ま
で、上記昇圧速度よりも速い速度で降下させて中空糸膜
の内・外で圧力差を生じさせることによって真円度を矯
正し、矯正完了後常温に戻すところに要旨を有するもの
である。そして本発明に係る中空糸膜モジュールの構成
は、上記方法によって得られる真円度の高い中空糸膜を
膜構成要素として用いたものであるところに要旨が存在
する。
【0011】
【作用】上記の様に本発明では、中空部が気体で満たさ
れた中空糸膜束の両端開口部を封鎖してを圧力容器内へ
装入し、該中空糸膜束を所定温度に加熱した状態で該圧
力容器内を所定の速度で所定圧力まで昇圧させ、中空糸
膜外部から内部への気体の拡散により中空糸膜内の圧力
を所定圧力以上に高め、その後上記加熱温度を維持した
状態で圧力容器の内圧を大気圧まで急速に降下させるこ
とによって中空糸膜の内・外で所定の圧力差を生じせし
め、該圧力差によって中空糸膜横断面の真円度を矯正す
るものであり、これにより偏平や閉塞が無く膜透過効率
の非常に優れた高真円度の中空糸膜を得ることができ
る。そしてこの方法によって得られる真円度の高い中空
糸膜を膜構成要素として使用すれば、透過効率や安全性
の高い中空糸膜モジュールを得ることが可能となる。
【0012】一般に、中空糸膜の多孔質層内がグリセリ
ンや水分などで満たされて実質的に細孔が詰まった状態
の膜は、気体を透過しない様に思われるが、実際には中
空糸膜の内部と外部で圧力差があると、高圧側から低圧
側へ気体の移動が起こる。即ち、中空部が気体で満たさ
れた中空糸膜の開口した先端部を塞ぎ、中空糸膜に潰れ
が生じない程度で外圧をゆっくり高めていくと、中空糸
膜の内部圧力も徐々に高まっていく。そして中空糸膜の
内部圧力が充分に上昇した時点で、中空糸膜外部の昇圧
を止めて大気圧まで急激に低下させると、中空糸膜の内
外で圧力差が生じて中空糸膜には膨らまし方向の力が作
用する。本発明はこの現象を活用するものであって、中
空糸膜を当該膜構成素材の種類に応じた適正な温度に加
熱してから前述の圧力差を作用せしめ、中空糸膜に対し
て膨らませ方向の力を与えることによって、真円度を簡
単かつ確実に矯正することができるのである。
【0013】即ち本発明では、中空部が気体で満たされ
た中空糸膜を、綛やボビン等に円環状、棒状もしくは楕
円状等に巻き取り、該中空糸膜の両端部を結節等によっ
て封じた状態で圧力容器内へ装入し、これを40〜12
0℃の温度に加熱した状態で、中空糸膜外部の圧力を5
〜100mmHg/minの速度で300mmHgゲージ以上にまで
昇圧し、膜を通した気体の拡散によって中空糸膜内の圧
力を300mmHgゲージ以上にまで高める。該圧力の上限
は、膜の破裂等を防止するため2000mmHgゲージ以
下、より好ましくは1000mmHgゲージ以下、更に好ま
しくは800mmHgゲージ以下に抑えるべきである。次い
で上記加熱温度を維持した状態で圧力容器内を大気圧ま
で、上記昇圧速度よりも速い速度で降下させる。
【0014】そうすると、中空糸膜の内部と外部の圧力
差によって該糸膜には膨らまし方向の力が作用し、上記
温度に加熱された中空糸膜の偏平部や閉塞部は簡単に真
円状に矯正される。従って、該矯正を終えた後降温し、
中空糸膜端部の封鎖を解除すると、真円度の高い中空糸
膜を得ることができる。
【0015】このとき、真円度の矯正を終えた状態で
は、中空糸膜の内部圧力と外部圧力は何れも大気圧とな
っているので、前述の様に真円度矯正用の圧力容器から
取り出す時に中空糸膜に減圧や加圧が作用することもな
く、従って取出し時に矯正された状態から元に戻る様な
恐れも全く生じない。
【0016】本発明において矯正時の加熱温度を40〜
120℃の範囲と定めたのは、膜素材の熱劣化等を生じ
ることなく矯正を容易に行なうためであり、40℃未満
の低温では膜素材の軟化が不充分で偏平や閉塞部分の真
円化が充分に進まず、一方120℃を超える高温になる
と、膜素材が熱劣化を起こしたり或は軟化が過度に進ん
で中空糸膜が膨れ過ぎるといった問題が生じる。尚上記
加熱の効果は、あくまでも膜素材を軟化させて圧力差に
よる矯正を容易にするためであって、中空糸膜内の気体
の膨脹や内部圧力の上昇による真円度の矯正効果を期待
するものではない。ちなみに25℃の温度から120℃
まで加熱したとしても、中空糸膜内部の圧力上昇は約2
4mmHgに過ぎず、本発明で必要とする300mmHg以上の
圧力差を与えることはできない。
【0017】次に昇圧時の速度を5〜100mmHg/minの
範囲と定めたのは、中空糸膜に押し潰し方向の圧力を作
用させることなく、膜を通した気体の拡散透過によって
糸膜の内部圧力を円滑に上昇させるためであり、5mmHg
/min未満の昇圧速度ではむやみに昇圧所要時間が長くな
るだけであって実用性を欠き、一方100mmHg/minを超
える昇圧速度になると膜を通した気体の拡散透過よりも
昇圧速度が速くなり過ぎるため糸膜が潰れを起こす恐れ
が生じてくる。昇圧速度のより好ましい範囲は10〜5
0mmHg/minの範囲である。
【0018】次に、真円度矯正が行なわれる時の中空糸
膜内外の圧力差は少なくとも300mmHg以上とすべきで
あり、従って大気圧への放圧時における糸膜の内部圧力
は、300mmHgゲージ以上とする必要があり、該圧力差
が300mmHg未満では、矯正力不足のため真円度を充分
に高めることができなくなる。但し該圧力差が大きくな
り過ぎると、圧力差によって糸膜が膨張し過ぎて破裂を
起こす恐れがでてくるので、該圧力差のより好ましい範
囲は300〜1000mmHgである。
【0019】従って上記昇圧に当たっては、圧力容器内
を上記の昇圧速度で300mmHgゲージ以上に高めて中空
糸膜外部から内部への気体拡散により中空糸膜内の圧力
をで300〜2000mmHgゲージまで高め、次いで上記
加熱温度を維持した状態で圧力容器内を大気圧まで(通
常は単に圧力容器を大気に開放するだけでよい)降下さ
せて中空糸膜の内・外で300mmHg以上の圧力差を生じ
させる。該圧力差によって生じる膨らまし方向の力によ
って中空糸膜の偏平部や閉塞部は真円状に矯正される。
この時、圧力差を与えた状態での保持時間が短過ぎる
と、真円度矯正効果が不充分になることがあるので、好
ましくは1分以上、より好ましくは5分以上保持するこ
とが望ましい。そして該矯正の完了後常温に戻すと、該
中空糸膜は真円度が矯正された状態で固定され、偏平や
閉塞状態への復元が阻止されて真円度の高い中空糸膜を
得ることができる。
【0020】上記によって真円度を矯正した後は、中空
糸膜端部の封鎖を解除する。尚中空糸膜を棒状に束ねて
上記処理を行なった時は、その一方端を切断し、また円
環状や楕円状に巻回した状態で上記処理を行なった場合
はその円周側の一部を切断して封鎖状態を解除すればよ
い。
【0021】本発明で使用される中空糸膜の構成素材に
ついては一切制限されないが、一般的なものとしては、
再生セルロース、セルロースアセテート、セルロースト
リアセテート、キチン、キトサン等のセルロース系素
材;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニト
リル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニ
ルアルコール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリス
ルフォン、ポリエーテルスルフォン等が例示される。
【0022】ところで本発明は、内部に気体が充満した
中空糸膜状を呈し且つ気体の透過を許す膜素材からなる
ものの全てに適用されるが、中でも好ましいのは、中空
糸膜における多孔質層内の細孔がグリセリンや水分等で
充満されて実質的に詰まった状態の中空糸膜に対して特
に有利に適用される。しかして、細孔の孔径が500Å
以上のものでは、気体の拡散透過が早過ぎるため中空糸
膜内外で矯正に必要な圧力差を与えることができず、真
円度矯正効果が得られなくなるからである。また、中空
糸膜における中空部の割合が著しく小さい場合、或は中
空糸膜の膜厚が大き過ぎるような場合は、中空糸膜の内
外圧差によって生じる膨らまし力よりも膜強度が大きく
なり、真円度矯正効果が不充分になることもあるので、
好ましくは150〜300μmで、膜厚が5〜30μm
程度である中空率の高い中空糸膜に適用することが望ま
しい。
【0023】かくして得られる真円度の矯正された中空
糸膜を用いたモジュールの形態には一切制限がなく、従
来から知られた全ての形態のものに適用できるが、例え
ば中空糸膜を直線状の束として所定長さに裁断し、ケー
ス内に装填して両端をウレタン系樹脂等で接着すると共
にケース内に固定し、中空糸膜の断面を開口させた人工
透析器や限外濾過モジュールの様な形態のものが好まし
い。即ち、真円度を高めた中空糸膜は中空糸膜内を流れ
る流体の流動状態が良好であり、この様な中空糸膜内を
用いたモジュールは中空糸膜自身の性能を遺憾なく発揮
できるからである。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0025】下記実施例および比較例においては、常法
により得られた中空部に空気が充満したセルローストリ
アセテート製の中空糸膜(内径200μm、膜厚20μ
m)を使用した。中空糸膜はボビンに巻き取り、綛取機
を用いて8800本の中空糸膜束を棒状に巻き取って両
端を結束し、実施例および比較例の実験に使用した。中
空糸膜束は夫々実施例、比較例に示す様な処理を施した
後に所定長さに切断してケース内に収納し、ウレタン系
樹脂を用いて接着すると共にケース内に固定し、接着面
を切断して中空糸膜断面を開口し、中空糸膜モジュール
とした。
【0026】モジュール断面の中空糸膜の真円度を東洋
紡績社製のイメージアナライザー「V−1」を用いて測
定し、断面の長径と短径の比で真円度を評価(真円では
1.0となり、長径と短径の比が2:1の場合は0.5
となる)し、イメージアナライザーの同一視野内の約1
00個の断面について測定を行なってその平均値を求め
た。中空糸膜モジュールは、断面の真円度評価後、生理
食塩水にてプライミング後、ACD加新鮮牛血液を37
℃、200ml/minで2時間流し、その後200mlの生
理食塩水で置換したときに血液が残っている中空糸の本
数を測定し残血本数とした。
【0027】実施例1 内部温度および圧力の調節可能な装置内に中空糸膜束を
収納し、内部温度を80℃に加熱して30分間保持し
た。この時の中空糸膜束の温度が80℃になっているこ
とを確認した後、同温度を維持したまま装置内を20mm
Hg/minの速度で500mmHgゲージまで加圧し、同圧力で
15分間維持した後、装置内に80℃の温風を送り込
み、30秒で内部圧力を大気圧に戻した。その後5分間
保持してから常温にまで降高した後中空糸膜束の片端を
切断して開放し、真円度の矯正された中空糸膜を得た。
この中空糸膜束を用いて前述の様にモジュールを作製
し、真円度の測定を行なったところ、真円度は0.75
であり、該モジュールを牛血液実験に供したところ、残
血糸は全く認められなかった。
【0028】また、比較のため上記中空糸膜束の真円化
矯正を全く行なうことなくモジュール化し、真円度を測
定したところ、真円度は0.61であり、牛血液実験で
は25本に残血糸が認められた。
【0029】実施例2 上記実施例1で用いたのと同じ装置を使用し、中空糸膜
束を110℃に加熱し、同温度を保持した状態で装置内
を40mmHg/minの速度で750mmHgゲージまで加圧し
た。同温度および圧力で20分間維持した後、装置内に
110℃の温風を送り込み、40秒で内部圧力を大気圧
に戻した。10分後に常温にまで降温し、次いで中空糸
膜束の一端を切断して開放し、真円度の矯正された中空
糸膜を得た。この中空糸膜束を用いて前述の様にモジュ
ールを作製し、真円度の測定を行なったところ、真円度
は0.86であり、該モジュールを牛血液実験に供した
ところ、残血糸は全く認められなかった。
【0030】比較例1 上記実施例1で用いたのと同じ装置を使用し、中空糸膜
束を30℃に加熱し、同温度を保持した状態で装置内を
20mmHg/minの速度で500mmHgゲージまで加圧した。
同温度および圧力で20分間維持した後、装置内に30
℃の温風を送り込み、30秒で内部圧力を大気圧に戻し
た。10分後に常温にまで降温し、次いで中空糸膜束の
一端を切断して開放した。この中空糸膜束を用いて前述
の様にモジュールを作製し、真円度の測定を行なったと
ころ、真円度は0.66であり、該モジュールを牛血液
実験に供したところ、残血糸の本数は24本であり、真
円度改善効果は殆んど認められなかった。これは、真円
化処理時における加熱温度が低過ぎたためと考えられ
る。
【0031】比較例2 上記実施例1で用いたのと同じ装置を使用し、中空糸膜
束を80℃に加熱し、同温度を保持した状態で装置内を
加圧することなく30分間保持し、30分後に中空糸膜
束の一端を切断して開放した。この中空糸膜束を用いて
前述の様にモジュールを作製し、真円度の測定を行なっ
たところ、真円度は0.63であり、該モジュールを牛
血液実験に供したところ、残血糸の本数は26本であ
り、真円度改善効果は殆んど認められなかった。これ
は、真円化処理時に中空糸膜の内外で圧力差が全く与え
られなかったためと考えられる。
【0032】比較例3 上記実施例1で用いたのと同じ装置を使用し、中空糸膜
束を80℃に加熱し、同温度を保持した状態で装置内を
150mmHg/minの速度で500mmHgゲージまで加圧し
た。同温度および圧力で20分間維持した後、装置内に
80℃の温風を送り込み、30秒で内部圧力を大気圧に
戻した。10分後に常温にまで降温し、次いで中空糸膜
束の一端を切断して開放した。この中空糸膜束を用いて
前述の様にモジュールを作製し、真円度の測定を行なっ
たところ、真円度は0.60であり、該モジュールを牛
血液実験に供したところ、残血糸の本数は82本であ
り、真円度改善効果は全く認められず、かえって悪化し
ていることが確認された。これは、真円化処理時におけ
る加圧速度が速過ぎたため、中空糸膜内部に気体が透過
・侵入する前に外圧によって中空糸膜が潰されたためと
考えられる。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、比
較的簡単な処理で中空糸膜横断面の偏平や閉塞を矯正し
て真円度を高めることができ、圧力損失が少なく膜分離
性能に優れた中空糸膜を提供することができ、またこの
中空糸膜を使用することによって、分離効率や安全性等
に優れたモジュールを提供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部に気体が存在する中空糸膜束の両
    端開口部を封鎖してこれを圧力容器内へ装入し、該中空
    糸膜束を40〜120℃に加熱した状態で該圧力容器内
    を5〜100mmHg/minの速度で300mmHg
    ゲージ以上に昇圧させて中空糸膜外部から内部への気体
    拡散により中空糸膜内の圧力を300〜2000mmH
    gゲージまで高め、次いで上記加熱温度を維持した状態
    で圧力容器内を大気圧まで、上記昇圧速度よりも速い速
    度で降下させて中空糸膜の内・外で圧力差を生じさせる
    ことによって真円度を矯正し、矯正完了後常温に戻すこ
    とを特徴とする中空糸膜横断面の真円化法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法によって得た横断面
    真円形の中空糸膜を半透膜構成要素として用いたもので
    あることを特徴とする中空糸膜モジュール。
JP25377694A 1994-10-19 1994-10-19 中空糸膜横断面の真円化法および中空糸膜モジュール Withdrawn JPH08117565A (ja)

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