JPH08117462A - 表皮一体型樹脂発泡成形品及びその製造方法 - Google Patents

表皮一体型樹脂発泡成形品及びその製造方法

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JPH08117462A
JPH08117462A JP6286040A JP28604094A JPH08117462A JP H08117462 A JPH08117462 A JP H08117462A JP 6286040 A JP6286040 A JP 6286040A JP 28604094 A JP28604094 A JP 28604094A JP H08117462 A JPH08117462 A JP H08117462A
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skin
inner bag
shape
resin foam
bag portion
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JP6286040A
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Inventor
Hiyoshi Ishikawa
日吉 石川
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Inoac Corp
Howa Plastics Co Ltd
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
Howa Plastics Co Ltd
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Publication date
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高品質で、安価、容易に製造でき、リサイク
ルの容易な表皮一体型樹脂発泡成形品及びその製造方法
を提供する。 【構成】 所望の製品の外形形状に対応した略袋形状の
表皮部1と、表皮部1と略同様な袋形状となりながら、
外表面を表皮部1の内表面に沿わせて、表皮部1内に納
められたフィルム状の内袋部2と、所定の樹脂発泡原料
を、該内袋部2内で製品の略形状に発泡成形して得られ
る基材部3と、を備える。表皮部1は、切り込み部12
1を備え、内袋部2の開口部寄りの箇所が、切り込み部
121の周囲若しくはその一部に固定されていてもよ
い。内袋部2が、外表面から内表面に通じる各貫通孔1
21を散点状に有し、各貫通孔内に樹脂発泡原料の除余
分が適宜、進入、発泡して、基材部3を表皮部1に係着
するアンカー部となっていてもよい。また、この様な成
形品の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表皮一体型樹脂発泡成
形品及びその製造方法に関する。更に、詳しく言えば、
高い品質を有し、安価に、且つ容易に製造でき、しか
も、リサイクルの容易な表皮一体型樹脂発泡成形品及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のヘッドレスト、アー
ムレスト等として、例えば、図11に示す様に、樹脂発
泡原料を所望の製品形状とした基材(部)93と、これ
を覆う略袋形状の表皮材(表皮部)91とを備えた成形
品9が多く用いられている。近年、この種の成形品9
は、予め、袋形状とした表皮材91を所定の発泡金型の
成形空間内にセットした後、この表皮材の内部に所定の
樹脂発泡原料を注入し、上記基材93を発泡成形して製
造されることが多い。また、同図に示す様に、インサー
ト96を表皮材91の内部に挿入して、基材93の発泡
成形を行って、インサート内蔵型のものとすることも多
い。これらの場合には、基材93が表皮材91と一体に
なりながら発泡成形されることになる。従って、基材9
3に表皮材91を被せる面倒な後工程が不要となると共
に、表皮材91と基材93とがしっかりとフィットした
状態になり易い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な成形方法を用いた場合、上記表皮材91の材質、構造
等によっては、表皮材91からの樹脂発泡原料の漏れを
防止すること等を目的に、表皮材91にバッキング処理
を施すことが必要となる。この処理は、図12に示す様
に、織物等で構成され、比較的通気性の高い表皮材91
の裏面側に、アクリル酸ポリエステル、アクリル酸ポリ
エステルとブタジエンとの混合物等のバッキング材を裏
打ちするものである。ところが、この作業は、ある程
度、煩雑であり、処理量の増加に伴い、成形品9の製造
効率の低下及び製造コスト高の原因となり易い。また、
この処理は表皮材全体を通じて均一に行うことが望まし
いが、ばらつきが生じ易く、処理の不十分な箇所より、
樹脂発泡原料の漏れを生じることも多い。
【0004】また、上記表皮材を袋形状とするために、
例えば、図13に示す様に、表皮材91の所定の端部同
志(911及び912)を縫い合わせることが多い。そ
して、この場合には、この縫い合わされた部分(以下、
「縫製部」という。)からの上記原料の漏れを防止する
ことが必要となることが多い。このため、同図に示す様
に、縫製部を所定の接着剤95で覆ったり、縫製部にヘ
ムテープの縫製し若しくは粘着性のあるポリウレタンテ
ープ等を取着する等の処理も必要となり、この処理も製
造効率の低下及び製造コスト高の原因となり易い。
【0005】更に、この一体成形において、表皮材91
を図14(a)、(b)に示す様に、意匠層951、9
51bのみの単層構造とすれば、成形品9のクッション
感が低下することが多い。これは、粘調状態の樹脂発泡
原料が、この意匠層951、951bの裏面側に直接、
接触しながら発泡硬化するためである。そして、成形品
9に、十分なクッション感を確保するために、この表皮
材91として、同図(c)〜(e)に示す様に、意匠層
951の裏面側に、発泡ウレタン、樹脂フィルム等から
なる一以上の緩衝層952〜955を備えた多層構造の
ものが用いられている。
【0006】また、近年、各種工業製品、部品等におい
ても、地球環境の保全、省資源等の見地より、リサイク
ルが容易であることが望まれている。そして、この成形
品9から、より高グレードの再生原料を得るためには、
リサイクルの際に、各構成部分毎に的確に分離できるこ
とが必要である。しかしながら、上記従来の成形品9で
は、基材93と表皮材91とが強固に、接合している等
の理由で、各構成部分毎への分離が実質上不可能であっ
たり、必ずしも容易でなかった。このため、成形品9全
体をそのまま廃棄したり、建材用等の比較的、低グレー
ドの再生原料として利用したりするに過ぎないのが実情
である。
【0007】本発明は、上記観点に鑑みてなされたもの
であり、高い品質を有し、安価に、且つ容易に製造で
き、しかも、リサイクルの容易な表皮一体型樹脂発泡成
形品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本第1発明の表皮一体型
樹脂発泡成形品は、所望の製品の外形形状に対応した略
袋形状の表皮部と、該表皮部と略同様な袋形状となりな
がら、外表面を該表皮部の内表面に沿わせて、該表皮部
内に納められたフィルム状の内袋部と、所定の樹脂発泡
原料を、該内袋部内で上記製品の略形状に発泡成形して
得られる基材部と、を備えることを特徴とする。尚、こ
の「表皮一体型樹脂発泡成形品」を、以下、「成形品」
と称することとする。
【0009】上記「表皮部」の材質、構造は、成形品の
仕様等に応じて種々選択することができる。例えば、天
然繊維若しくは合成繊維からなる織物又は編物であって
もよいし、これらにパイルを植え込んだモケット、ラッ
セル等のファブリックであってもよい。また、ポリ塩化
ビニル等の樹脂製のものでも、本皮、合成皮革製のもの
等であってもよい。また、表皮部が意匠層のみの単層構
造であっても、意匠層の裏面側に適宜、緩衝層を備えた
多層構造であってもよい。更に、この表皮部を袋形状と
するための手法は特に問わない。例えば、この表皮部と
なる表皮材の端部同志を縫製、接着、熱熔着等して、袋
形状とする場合を例示できる。
【0010】上記「内袋部」を構成するフィルムの材質
は、本発明の目的を達成できる範囲で種々選択できる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂製フィ
ルムや、ゴム製のフィルムにより構成されるものを例示
できる。但し、リサイクルの際に、他の構成部分(表皮
部、基材部等)との分離がより容易な材質を選択するこ
とが好ましい。また、この内袋部を袋形状とするための
手法も特に問わず、所定形状に切り出されたフィルムの
端部同志を熱熔着したり、縫製等して袋形状としてもよ
い。更に、上記表皮部を縫製等して袋形状とする際に、
このフィルムの縫製等を同時に行って袋形状としてもよ
い。
【0011】また、この内袋部の厚みは、その材質、特
性(柔軟性)を考慮して定めることが好ましい。例え
ば、この内袋部をポリエチレン、ポリウレタン、ポリプ
ロピレン等の樹脂製フィルムで構成した場合には、その
厚みを10〜100μm程度とすることが好ましい。こ
の厚みを、10μm未満とすれば、樹脂発泡原料の発泡
圧によりフィルムが破損する恐れがある。一方、この厚
みが100μmを越えれば、内袋部の柔軟性がやや不足
気味となるため、成形品のクッション感を損なうおそれ
がある。また、この様に、柔軟性が不足すれば、その外
表面を表皮部の内表面に沿わせた状態(追随した状態)
にすることが困難になるからである。
【0012】更に、本第2発明に示す様に、上記表皮部
が、所定の切り込み部を備え、上記内袋部の開口部寄り
の箇所が、該切り込み部の周囲若しくはその一部に固定
されていてもよい。上記「切り込み部」は、本成形品の
製造過程で、上記樹脂発泡原料を内袋部の内部に注入す
るための注入手段を、表皮部及び内袋部の内部に挿入す
る際に用いられる。また、この切り込み部は、上記内袋
部等の内部に、インサートを挿入するために用いること
もできる。尚、この「切り込み部」の形状、大きさは特
に問わず、例えば、スリット状のものを例示できる。
【0013】上記「内袋部の固定」は、上記注入手段が
内袋部内へ挿入される際に、注入手段が内袋部を破損す
るのを防止すると共に、内袋部の位置ずれを防止するこ
と等を目的としている。この場合、内袋部の開口部寄り
の箇所は、切り込み部の周囲全体に固定されても、周囲
のうちの一部に固定されていてもよい。但し、後者の場
合には、内袋部のうちで、少なくとも注入手段の挿入さ
れる側に位置する部分が固定されていることが好まし
い。
【0014】更に、この内袋部の固定方法は特に問わ
ず、例えば、縫製により内袋部を表皮部に縫い付けて
も、両面テープを介して両者を張りつけても、接着材を
用い両者を接着してもよい。また、表皮部が樹脂製の場
合等には、熱熔着等により、この固定を行うこともでき
る。更に、このときの固定状態は、必ずしも強固である
必要はなく、仮止めされた様な状態であってもよい。こ
の仮止め状態の場合には、リサイクルの際に、内袋部と
表皮部との分離がより一層、容易である。
【0015】また、本第3発明に示す様に、この内袋部
が、外表面から内表面に通じる各貫通孔を散点状に有
し、該各貫通孔内に上記樹脂発泡原料の除余分が適宜、
進入、発泡して、上記基材部を上記表皮部に係着するア
ンカー部となってもよい。本発明は、内袋部内に形成さ
れる基材部を上記アンカー部により、散点状に係着する
ことにより、本第1発明の目的をより一層、効果的に達
成しようとするものである。
【0016】また、この貫通孔の大きさ、配置数等は、
本発明の目的をより有効に達成できる範囲で適宜、選択
できる。例えば、本第4発明に示す様に、上記内袋部の
単位表面積1cm2 当たりに、直径0.2〜0.5mm
の上記貫通孔を1以上設けることができる。この貫通孔
が、直径が0.2mm未満の小型のものであったり、各
貫通孔の間隔が大き過れば、各貫通孔がアンカー部とし
ての作用を十分に発揮できない恐れがある。一方、直径
が0.5mmを越える大型のものとなれば、この孔内に
形成されるアンカー部により、上記基材部及び上記表皮
部が必要以上に強固に係着され、リサイクルの際に、両
者の分離が困難になる恐れがある。また、内袋部内に注
入される樹脂発泡原料が貫通孔より、漏れ易くなり、本
発明の目的を十分に達成できないおそれがあるからであ
る。
【0017】更に、本第5発明に示す様に、上記基材部
の内部に、所定の離型剤が塗布されたインサートが配置
されていてもよい。本発明は、上記各発明に示す成形品
が、インサート内蔵型である場合を示すものである。そ
して、インサートの表面に、離型剤が塗布されているた
め、リサイクルの際に、上記基材部との分離が容易であ
る。尚、この「離型剤」としては、油脂、パラフィン等
のワックス系のものを例示できる。但し、オルガノシロ
キサン系、界面活性剤系等のシリコン系のものは、上記
樹脂発泡原料と接触した時、樹脂の発泡反応に影響を及
ぼし、発泡体(基材部)のセルを不均一とするおそれが
あり好ましくない。
【0018】本第6発明は、上記第2発明に示した成形
品の製造方法の一例を示すものである。また、本第7発
明は上記第3発明の成形品、本第8発明は上記第4発明
の成形品、本第9発明は上記第5発明の成形品の各製造
方法の一例をそれぞれ示している。尚、これらの製造方
法において、上記表皮部内への上記内袋部の収納の手順
は特に問わない。
【0019】
【作用】本第1発明の成形品は、表皮部と内袋部と基材
部とを備えている。このうち、表皮部は、所望の製品の
外形形状に対応した略袋形状を有している。また、内袋
部は、略同様な袋形状となりながら、外表面を表皮部の
内表面に沿わせた状態で表皮部の内部に収められてい
る。更に、基材部は、所定の樹脂発泡原料を、この内袋
部内で略製品の形状に発泡成形したものである。
【0020】この様に、基材部となる樹脂発泡原料は、
内袋部の内部に納まった状態で発泡成形されるため、表
皮部となる表皮材の通気性が高くても、バッキング処理
を施す必要はない。また、この表皮材の縫製された部分
に、樹脂発泡原料の漏れを防止するための処理を施す必
要もない。更に、樹脂発泡原料と直に接触しないため、
緩衝層を備えない表皮材であっても、自由に選択でき
る。
【0021】更に、表皮部と基材部とがフィルム状の内
袋部を挟んだ状態にあるため、リサイクルに際に、両者
の分離が容易である。特に、内袋部の材質を適宜、選択
して、他の構成部分(表皮部、基材部等)との分離を、
より容易なものとした場合には、リサイクルが一層、容
易になると共に、より高グレードの再生原料を得ること
ができる。
【0022】本第2発明では、上記表皮部が所定の切り
込み部を備えている。そして、上記内袋部の開口部寄り
の箇所が、この切り込み部の周囲若しくはその一部に固
定されている。本成形品を製造する際に、上記内袋部内
に、上記樹脂発泡原料を注入することが必要となる。そ
の際、この原料を注入するための注入手段の先端側(注
入口)を、発泡金型の外部より、上記切り込み部、開口
部の順に通過させて、上記内袋部内に、到達させること
が必要となる。このとき、この先端側の部分の到達する
付近に、弛んだ状態の内袋部の部分が存在すれば、この
先端側の部分で、この弛んだ部分を引っかいて破る恐れ
がある。また、上記原料の注入が、ある程度、無造作に
行われると、注入された原料の重み等で、内袋部が移動
して、位置ずれを生ずる恐れがある。このため、上記原
料の注入には、ある程度の注意を払うことが必要となる
【0023】一方、本発明では、内袋部の開口部寄りの
箇所が、上記の様に固定された状態にある。このため、
上記原料の注入の際、内袋部の開口部寄りの箇所を適
宜、表皮部に沿った状態にできると共に、内袋部をしっ
かりと位置決めした状態にできる。従って、上記原料の
注入をある程度、無造作に行っても、各不具合を生じ難
い。この結果、本成形品は、より一層、簡易且つ迅速
に、しかも、より高い品質を確保しながら作製できる。
【0024】本第3発明では、上記内袋部が、外表面か
ら内表面に通じる各貫通孔を散点状に有している。そし
て、各貫通孔内に、上記樹脂発泡原料の除余分が適宜、
進入、発泡して、上記基材部を上記表皮部に係着するア
ンカー部となっている。本成形品では、基材部と表皮部
とが上記アンカー部の作用により、的確に係着されてい
る。従って、本成形品の使用時に、基材部と表皮部とが
位置ずれを起こし難い。その反面、基材部と表皮部との
係着が、アンカー部による点接合であるため、リサイク
ルの際に、両者を分離することが容易である。
【0025】本第5発明では、上記基材部の内部に、所
定の離型剤が塗布されたインサートが配置されている。
従って、本成形品をリサイクルの際、この離型剤の作用
により、インサートに基材部の一部、例えば、発泡ウレ
タンのカスが、こびり付くことを防止できる。この結
果、インサート内蔵の成形品においても、容易にリサイ
クルを行うことができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。本実施例の成形品Aは、図1に示す様な自動車用ヘ
ッドレストとして用いられものである。この成形品A
は、表皮部1と内袋部2と基材部3と固定用金具4とを
備えている。
【0027】上記表皮部1は、織物製(セーレン社、豊
田紡織社、住ノ江織物社等が製造したもの)の意匠層の
みからなる単層構造の表皮材を略袋形状としたものであ
る。そして、成形品Aの底部となる箇所には、長手方向
に向かう切り込み部121が、略スリット状に設けられ
ている。この切り込み部121のスリット長は、上記固
定用金具4の装着作業を行い易くするために細長くなっ
ている。但し、切り込み部121の形状は、このスリッ
ト状に限るものではない。
【0028】更に、この切り込み部121では、対向す
る表皮部1の端縁を延設して表皮部1内に折り曲げるこ
とにより、一対の舌片部122、123を形成してい
る。但し、この様な舌片部122、123は、設けられ
ていなくてもよい。また、表皮部1の切り込み部121
の両端側に位置する箇所には、一対の通過孔181、1
82が設けられている。
【0029】上記内袋部2は、上記表皮部2と略同様な
形状・大きさの袋形状を有し、その外表面を表皮部1の
内表面に、略沿わせて追随した状態になっている。ま
た、この内袋部2は、ポリエチレン製のフィルム(厚
み;約30μm)で構成されている。そして、図2に示
す様に、外表面から内表面に通じる各貫通孔(直径;
0.2〜0.5mmφ)221を散点状に有している
(図1には図示せず。)。また、これらの貫通孔221
は、上記内袋部2の単位表面積(1cm2 )当たりに、
1乃至4個の割合で設けられている。
【0030】尚、この貫通孔221は、上記内袋部2と
なるフィルムに、カレンダー加工を施して開けられたも
のである。即ち、このフィルムを、樹脂フィルム等にシ
ボ等を付ける際に使用する凹凸のあるローラの間を通過
させて形成したものである。但し、貫通孔221の形成
方法はこれに限らない。また、上記内袋部2にも、上記
表皮部1の通過孔181、182に対応した通過孔が設
けられている(図示しない。)。
【0031】上記基材部3は、上記内袋部2の内部を充
填する発泡ポリウレタンにより構成されている。更に、
上記固定用金具4は、略U字状の外形を有しており、上
記基材部3の内部に収められたインサート部41と、こ
のインサート部41と一体となりながら、基材部3の外
方に突出する一対のアウト部481、482とからな
る。
【0032】次に、以上の様に構成される成形品Aを以
下の手順に従って作製した。先ず、上記表皮部1を構成
することとなる表皮材を所定形状に切り出した後に、端
部同志(111及び112、113及び114)を適
宜、縫製し、略袋形状とした。この袋形状の表皮材は、
図2に示す様に、上記表皮部1を裏返したものである。
また、これと同時に、上記内袋部2を用意した。この内
袋部2も、裏返した状態にしておいた。
【0033】次いで、この裏返された表皮部1に、裏返
された内袋部2を被せた後に、表皮部1の両舌片部12
2、123に、内袋部2の開口部寄りの箇所を縫い付け
た。このとき、図2に示す様に、この開口部寄りの箇所
が、両舌片部122、123、ひいては、表皮部1の切
り込み部121の周囲を相当する箇所を略取り囲んだ状
態になる。但し、この開口部寄りの箇所は、切り込み部
121の周囲全体を取り囲む必要はない。例えば、図3
に示す様に、一方の舌片部122のみに取着されていて
もよい。
【0034】また、表皮部1に上記舌片部122、12
3が設けられていない場合には、上記開口部寄りの箇所
を、表皮部の外表面若しくは内表面の所定の箇所に取着
してもよい。更に、取着方法は、この逢着に限るもので
はなく、図4(a)に示す様に、所定の接着剤B1 、B
2 により取着しても、同図(b)に示す様に、両面テー
プT1 、T2 により取着してもよい。また、同図(c)
に示す様に、所定のクリップ治具S1 、S2 を用いて取
着することもできる。そして、図5示す様に、表皮部1
及び内袋部2を同時に表返して、表向きになった内袋部
2が表向きになった表皮部1の内部に収納された状態に
する。このとき、同図及び図8に示す様に、内袋部2は
開口部寄りの箇所を除き、弛んだ状態になる。
【0035】尚、上記内袋部2の表皮部1内への収納方
法は、上記の場合に限らない。例えば、図6(a)に示
す様に、上記内袋部2のみを裏返した状態で、その開口
部寄りの箇所を表皮部1の舌片部122、123に取着
した後に、同図(b)に示す様に、内袋部2を、その底
部側28より、順次、表皮部1内に挿入してもよい。但
し、この場合には、最後に、両舌片部122、123を
表皮部1内に、折り込む作業も必要となる。
【0036】更に、図7に示す様に、表返った状態の内
袋部2を、その底部側28より、表返った状態の表皮部
1内に、順次、挿入して行ってもよい。この場合(図6
の場合も同様)には、同図に示す様に、所定の板状治具
7等により、底部側28を押してやると作業効率の一層
の向上が図られる。また、この場合には、上記開口部寄
りの箇所の上記切り込み部121の周囲への取着を敢え
て行わなくてもよい。また、内袋部2の収納を完了した
後に、この取着を行うこともできる。
【0037】次いで、上記固定用金具4のインサート部
41に、パラフィン系の離型剤(商品名;「PC−8
1」、ポリウレタン化成製)を塗布した後に、同金具4
の上記表皮部1及び内袋部2への装着を行った。このと
き、図8に示す様に、上記インサート部41は、内袋部
2の内部に略収まり、アウト部481、482は、上記
通過孔181、182より、表皮部1の外方に突出した
状態になる。そして、同図に示す様に、この固定用金具
4の装着された状態の表皮部1及び内袋部2を、所定の
金型6の成形空間内に配置した。
【0038】この金型6は、基型611、612と蓋型
621、622とからなり、両者が型締め状態となりな
がら、所望のヘッドレストの形状に略対応した成形空間
を形成するものである。尚、この金型の開閉は、基型6
12をヒンジ631を支点に回転させると共に、蓋型6
21、622をヒンジ632、633を支点に回転させ
て行われる。更に、蓋型621には、金型6の外部よ
り、成形空間に向かって斜めに設けられた原料注入用ゲ
ートGが設けられている。そして、このゲートGは、成
形空間内に配置された表皮部1の切り込み部121と連
通した状態になる。
【0039】次いで、図9に示す様に、このゲートG内
に、所定の漏斗Rを、その筒口R1側より挿入する。こ
のとき、筒口R1 は、内袋2の内部にまで到達するが、
内袋部2の開口部よりの箇所が、上記舌片部122、1
23にしっかりと固定されている。このため、ある程
度、無造作に、この挿入作業を行っても、筒口R1 によ
り、内袋部2を引き裂くことはない。
【0040】そして、同図に示す様に、注入機Mから、
漏斗Rを介して、内袋部2の内部に樹脂発泡原料(ポリ
ウレタン等)を注入した。このとき、同図に示す様に、
内袋部2は、原料の注入された部分より順に、その外表
面を表皮部1の内表面に、ぴったりと沿わせ、表皮部1
に追随した状態になる。更に、必要量の原料の注入し
て、上記基材部3の発泡成形を終え、金型6を型開き
し、脱型して、図10に示す様な成形品Aを作製した。
【0041】この様に、成形品Aは、表皮部1と基材部
3の間に、内袋部2を挟んだ状態で製造される。そし
て、この内袋部2には、貫通孔221が存在するが、そ
のサイズが小さいため、樹脂発泡原料を表皮部1の側に
漏らし難い。また、表皮部1側に漏れ出しても、その量
は少なく、成形品Aの品質を低下させる程の量にならな
い。そして、樹脂発泡原料が、内袋部2内に略納まった
状態で発泡成形されるため、表皮材(表皮部1)にバッ
キング処理を施したり、表皮材(表皮部1)の縫製部
(111及び112、113及び114)に、漏れを防
止するための処理を施す必要もない。また、単層の表皮
材(表皮部1)を用いても、良好なクッション性を備え
ている。
【0042】従って、本成形品Aは、高い品質を有しな
がら、高い製造効率の下、低コストで製造できる。ま
た、表皮部1の材質を、その特性(通気性)を問わず幅
広く、自由に選択できる。また、図10に示す様に、上
記基材部3が発泡成形される際に、その発泡圧(ポリウ
レタン場合に、約0.5〜1.0kgf/cm2 )によ
り、上記樹脂発泡原料の除余分が、上記貫通孔221の
内部に進入し、発泡硬化する。この貫通孔221の内部
の原料がアンカー部Kとなり、基材部3と表皮部1とが
しっかりと係着する。従って、本成形品Aの使用時に、
両者が位置ずれを生じ難い。
【0043】その反面、表皮部1と基材部3とが、サイ
ズの小さなアンカー部Kにより、散点状に係着されてい
るに過ぎない。従って、リサイクルの際に、両者の分離
は容易である。これ加え、上記インサート部41の表面
に、離型剤の塗布されているため、発泡ウレタンのカス
等が、こびり付くことをもない。従って、本成形品Aよ
り、より高グレードの再生原料を得ることができる。
尚、表面に離型剤を塗布しているが全体をウレタンで囲
まれているため、本成形品Aの使用時に、ステーの抜け
等の不具合は発生しない。
【0044】更に、本成形品Aを製造する際に、樹脂発
泡原料の表皮部1側への漏れが、的確に防止されるた
め、原料の無駄をなくすことができる。また、上記貫通
孔221を、所謂、ガス抜き孔として作用させることも
できる。更に、上記貫通孔221の作用で、原料の発泡
圧が適度に分散されるため、所謂、クラッシングが不要
となる。これらの点でも製造コストの低廉が図られる。
【0045】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
本発明は、上記ヘッドレスト以外の自動車用部品(アー
ムレスト、シートバック等)の他に、建材等の他の分野
で用いる成形品にも適用できる。また、本実施例では、
織物製の表皮材を用いたが、図14(b)に示す様に、
ポリ塩化ビニル等の樹脂製の表皮材951bを用いるこ
ともできる。この表皮材951bも、本実施例と同様
に、縫製等により袋形状としもよいが、スラッシュ成形
を用いて直接、袋形状としてもよい。
【0046】更に、同図(c)に示す様な意匠層の他
に、樹脂発泡層952をも備えた表皮材、同図(d)に
示す様な樹脂フィルム層953をも備えた表皮材、同図
(e)に示す様な樹脂発泡層954及び樹脂フィルム層
955をも備えた表皮材等であってもよい。この様な多
層構造の表皮材を用いた場合には、本実施例と同様の効
果が得られる。
【0047】
【発明の効果】以上の様に本第1〜5発明の成形品は、
高い品質を有しながら、安価に、且つ容易に製造でき
る。また、リサイクルも容易で、高いグレードの再生原
料に変化させられる。また、本第6〜9発明の製造方法
によれば、この様な成形品を確実に作製することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の成形品を説明するための一部縦断面
図を含む斜視図である。
【図2】本実施例において、内袋部を表皮部の内部に収
納する方法を説明する一部斜視図である。
【図3】本実施例における内袋部の開口部寄りの箇所の
取着方法の変形例を示す一部縦断面図である。
【図4】本実施例における内袋部の開口部寄りの箇所の
取着方法の変形例を示す一部縦断面図である。
【図5】本実施例において、内袋部を表皮部の内部に収
納した状態を示す一部斜視図である。
【図6】本実施例における内袋部を表皮部の内部に収納
する方法の変形例を説明する一部斜視図である。
【図7】本実施例における内袋部を表皮部の内部に収納
する方法の変形例を説明する一部斜視図である。
【図8】本実施例において、内袋部、表皮部及び固定用
金具を金型内に配置状態を説明するための縦断面図であ
る。
【図9】本実施例において、内袋部の内部に樹脂発泡原
料を注入している状態を説明するための縦断面図であ
る。
【図10】本実施例の成形品の一部縦断面図である。
【図11】従来例に係わる成形品を説明するための一部
縦断面図を含む斜視図である。
【図12】従来例に係わる成形品の一部縦断面図であ
る。
【図13】従来例に係わる成形品の一部縦断面図であ
る。
【図14】本実施例及び従来例に係わる表皮材(部)を
示す一部縦断面図である。
【符号の説明】
A;自動車用ヘッドレスト、1;表皮部(表皮材)、1
21;切り込み部、122、123;舌片部、2;内袋
部(内袋)、221;貫通孔、3;基材部(基材)、
4;固定用金具、41;インサート部、6;金型、K;
アンカー部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の製品の外形形状に対応した略袋形
    状の表皮部と、 該表皮部と略同様な袋形状となりながら、外表面を該表
    皮部の内表面に沿わせて、該表皮部内に納められたフィ
    ルム状の内袋部と、 所定の樹脂発泡原料を、該内袋部内で上記製品の略形状
    に発泡成形して得られる基材部と、を備えることを特徴
    とする表皮一体型樹脂発泡成形品。
  2. 【請求項2】 上記表皮部は、所定の切り込み部を備
    え、上記内袋部の開口部寄りの箇所が、該切り込み部の
    周囲若しくはその一部に固定された請求項1記載の表皮
    一体型樹脂発泡成形品。
  3. 【請求項3】 上記内袋部が、外表面から内表面に通じ
    る各貫通孔を散点状に有し、該各貫通孔内に上記樹脂発
    泡原料の除余分が適宜、進入、発泡して、上記基材部を
    上記表皮部に係着するアンカー部となっている請求項1
    又は2記載の表皮一体型樹脂発泡成形品。
  4. 【請求項4】 上記内袋部の単位表面積1cm2 当たり
    に、直径0.2〜0.5mmの上記貫通孔が1以上設け
    られた請求項3記載の表皮一体型樹脂発泡成形品。
  5. 【請求項5】 上記基材部の内部には、所定の離型剤が
    塗布されたインサートが配置された請求項1乃至4いず
    れかに記載の表皮一体型樹脂発泡成形品。
  6. 【請求項6】 所望の製品の外形形状に対応する略袋形
    状で、且つ、所定の切り込み部を備えた表皮部の内部
    に、該表皮部と略同様な袋形状となりながら、外表面を
    該表皮部の内表面に沿わせた状態とできるフィルム状の
    内袋部を、該内袋部の開口部寄りの箇所を該切り込み部
    の周囲若しくはその一部に固定しつつ収納した後に、 該表皮部及び該内袋部を、該製品の形状に対応した成形
    空間を備える樹脂発泡金型の該成形空間内に配置し、 次いで、該内袋部の内部に、所定の樹脂発泡原料を注入
    し、該樹脂発泡原料を発泡成形することを特徴とする表
    皮一体型樹脂発泡成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記内袋部に、外表面から内表面に通じ
    る各貫通孔を散点状に設けると共に、該各貫通孔内に上
    記樹脂発泡原料の除余分を適宜、進入させ、発泡させる
    請求項6記載の表皮一体型樹脂発泡成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記内袋部の単位表面積1cm2 当たり
    に、直径0.2〜0.5mmの上記貫通孔が1以上設け
    られた請求項7記載の表皮一体型樹脂発泡成形品の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 上記表皮部及び上記内袋部の内部に、表
    面に離型剤の塗布されたインサートを挿入した後に、該
    表皮部及び該内袋部の上記成形空間内への配置を行う請
    求項6乃至8のいずれかに記載の表皮一体型樹脂発泡成
    形品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002127159A (ja) * 2000-10-30 2002-05-08 Mitsuboshi Belting Ltd 表皮一体発泡成形体及びその製造方法
US10710482B2 (en) 2016-03-04 2020-07-14 Tachi-S Co., Ltd. Seat for vehicles

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JP4641341B2 (ja) * 2000-10-30 2011-03-02 三ツ星化成品株式会社 表皮一体発泡成形体及びその製造方法
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