JPH0811637A

JPH0811637A - 乗り物用光ディスクオートチェンジプレイヤー装置

Info

Publication number: JPH0811637A
Application number: JP14779094A
Authority: JP
Inventors: Takenori Aikawa; 武憲相川; Shigeyuki Beppu; 茂行別府
Original assignee: Kyocera Corp
Current assignee: Kyocera Corp
Priority date: 1994-06-29
Filing date: 1994-06-29
Publication date: 1996-01-16

Abstract

(57)【要約】【目的】光ディスクオートチェンジプレイヤーを乗り
物に搭載して、音飛び、画像の乱れを防止する。【構成】プレイヤー本体１はラック２内に収容され、
下方から４つのばね支持材３によって支持され、側方は
１２個のダンパー４によって支持されている。そして、
これらばね支持材３、ダンパー４のばね定数、減衰定
数、個数を所定のものに設定することによって、共振周
波数を８Ｈｚ以下、振動伝達率を２．５以下にして、室
内設置用のプレイヤー本体１でも使用可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、バス等の乗り物に搭載
して、内蔵する光ディスクを再生する乗り物用光ディス
クオートチェンジプレイヤーに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年のカラオケブームにより、カラオケ
バー、カラオケボックス、一般家庭等いろいろなところ
でカラオケが楽しまれている。そこで、バス、航空機な
どの乗り物においても、カラオケセットを搭載し、旅行
等の際にカラオケを楽しめるものも増えてきてる。

【０００３】一方、カラオケセットとして、音声だけの
ものもあるが、画面にイメージ映像および歌詞を再生す
る画面付きのものが主流になってきている。この画面付
きのカラオケにビデオテープを利用することも可能では
あるが、ビデオテープでは、ランダムアクセスができ
ず、選曲の際の処理に時間がかかる。このため、ランダ
ムアクセスが可能なレーザディスクやコンパクトディス
ク（以下、ＣＤという）等が利用されている。

【０００４】カラオケを楽しむためには、十分な曲数が
なければならず、多数のディスクを用意しなければなら
ない。また、バスなどの中で行う選曲等の操作は、すべ
てリモートコントロールで行えることが望ましく、この
場合ディスクのオートチェンジ機能が必要である。そし
て、このオートチェンジ機能つきの装置は、その重量が
かなり大きなものになってしまう。従って、大重量の装
置を確実に固定する必要がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ここで、乗り物は、そ
の走行中にかなり振動する。そこで、通常の室内設置用
の装置を乗り物に搭載した場合には、振動により音飛
び、画像の乱れ等が発生してしまう。このため、装置を
防振構造とすることが要求される。実公平４−１１２７
７号公報には、このような防振構造を有する光ディスク
プレーヤーが提案されている。

【０００６】すなわち、この提案の装置では、デッキ部
分をばねで吊り下げる構成にすると共に、その側部をダ
ンパー部材で保持することによって、振動の影響を抑制
している。

【０００７】しかし、このように乗り物用のカラオケセ
ットを専用に製作すると、装置の値段が非常に高くなっ
てしまい、実用的でない。そこで、室内設置用のカラオ
ケセットを自動車や航空機等の乗り物に乗せてそのまま
使用したいという要望がある。また、オートチェンジ機
能を有する装置にあっては、その重量が数１０ｋｇにも
及ぶため、防振のための構造が小型のものとは異なるも
のにならなければならない。

【０００８】さらに、従来の吊り下げる方法によれば、
装置を収納するために高いスペースが必要であるという
問題もある。

【０００９】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、乗り物に乗せて使用しても音飛びや画像の乱れを
生じない光ディスクオートチェンジプレーヤーを提供す
ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段および作用】本発明は、プ
レイヤー本体を収容する収容ラックと、この収容ボック
スの下内側面上少なくとも４隅に設けられ、上記プレイ
ヤー本体を下から支持するばね支持手段と、上記収容ボ
ックスの左右内側面のそれぞれ前後２隅に少なくとも設
けられ、上記プレイヤー本体を側方から支持するダンパ
ー手段と、を有し、収容ボックスの振動のプレイヤー本
体への伝達を減衰することを特徴とする。

【００１１】このように、本発明によれば、ばね支持手
段によってプレーヤー本体をばね支持手段によって下方
から支持する。従って、大重量のプレーヤー本体を支持
して比較的コンパクトな大きさにできる。また、プレー
ヤー本体を左右からダンパー手段によって支持するた
め、系の共振周波数を低い値にすることができると共
に、振動の伝達率を十分小さな値にすることができる。

【００１２】また、上下・前後・左右各々の方向におけ
る共振周波数が８Ｈｚ以下で、かつ共振周波数における
入力される力の振幅と伝達される力の振幅の比である振
動伝達率が２．５以下になるように上記ばね支持手段に
おける弾性係数と、上記ダンパー手段におけるばね定数
および減衰係数と、が設定されていることを特徴とす
る。

【００１３】このような設定を行うことによって、室内
設置用のプレーヤー本体をそのままラック内に収容して
乗り物に搭載することができる。

【００１４】また、上記ダンパー手段は、粘性流体を内
蔵した袋状体とこの袋状体の内部に挿入配置された抵抗
体と、この抵抗体に接続され袋状体の外部に突出した棒
体とから構成され、上記袋状態の一部と上記棒体の袋状
体から突出した端部が上記プレイヤー本体およびダンパ
ー手段に接続されていることを特徴とする。

【００１５】このダンパーの使用によって、コンパクト
にして好適な支持が行える。また、個数を任意に選択で
き、プレイヤー本体の重量が異なった場合などに容易に
対応することができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。図１は実施例の正面図、図２は側面図で
ある。なお、図において、ボルトは丸印で示してある。
プレイヤー本体１は、多数のＣＤを内蔵し、選択された
ＣＤを再生するオートチェンジ機能つきプレーヤーであ
る。このプレイヤー本体１は、前面が開放されたラック
２に収納されている。なお、ラック２の背面には、電源
コード、信号線等を通すための開口部が設けられてい
る。

【００１７】そして、ラック２の底面上には、４つのば
ね支持材３が設けられており、この４つのばね支持材３
が、プレイヤー本体１を下方から支持している。また、
プレイヤー本体１の２側面には複数のダンパー４が設け
られており、プレイヤー本体１を側方から支持してい
る。ここで、１側面に６つのダンパー４が設けられ、１
２か所でプレイヤー本体１を支持している。この例で
は、プレイヤー本体１の２側面に連結プレート５が設け
られ、ラック２の対応する２側面に連結プレート６が設
けられ、ダンパー４はこれら連結プレート５、６を介
し、プレイヤー本体１およびラック２に接続されてい
る。また、連結プレート５、６は、１側面に２枚ずつ設
けられており、連結プレート５、６のそれぞれに３つの
ダンパー４が取り付けられている。

【００１８】なお、ダンパー４および連結プレート６を
取り付けた連結プレート５をプレーヤー本体１に取り付
けた後、ラック２内に挿入し、連結プレート６をラック
２に捩子止めする。また、この捩子止めは、ラック２の
外側から行えるようにすると良い。

【００１９】図３には、ダンパー４の一例の構造が示さ
れている。内部にシリコンオイルなどの粘性流体が封入
された袋状体１０と、この袋状体１０の一部を凹ませて
取り付けられた軸１１を有している。そして、軸１１が
連結プレート５を介しプレイヤー本体１に取り付けら
れ、袋状体の周囲が連結プレート６を介しラック２に取
り付けられている。

【００２０】また、本実施例の乗り物用光ディスクオー
トチェンジプレイヤー装置は、バスに搭載するものであ
り、ラック２はバスの床下に設けられたトランク内に設
置される。そして、車室内には、ディスプレイ、アン
プ、スピーカおよびリモコン端末からの信号を受信する
受信機などが設けられており、これらがプレイヤー本体
と接続されている。このため、車室内において、リモコ
ン端末が操作され、所定の曲が選定された場合には、対
応するＣＤが選択されて、再生部にセットされると共
に、選定された曲についての音声および画像が車室内で
再生される。なお、マイクロフォンからの信号もスピー
カから再生される。

【００２１】そして、乗り物（バス）の走行などに伴
い、車体が振動した場合にもプレイヤー本体１は、ラッ
ク２内にばね支持材３およびダンパー４を介し、取り付
けられているため、プレイヤー本体１の振動は大きく減
衰され、再生している音声、画像における悪影響は発生
しない。

【００２２】特に、本実施例では、ばね支持材３および
ダンパー４の個数、特性を所望のものに設定し、ラック
２内におけるプレイヤー本体１の上下・前後・左右各々
の方向における共振周波数が８Ｈｚ以下、共振周波数に
おける振動伝達率（入力される力の振幅と伝達される力
の振幅の比）は２．５以下に設定されている。そこで、
室内設置用の通常の光ディスクオートチェンジプレイヤ
ーにおいても振動に起因する音飛び・画像の乱れの発生
を効果的に防止することができる。

【００２３】ここで、ばね支持材３およびダンパー４の
個数、特性の設定について、説明する。まず、系の上下
方向の共振周波数ｆは、ｆ＝（１／２π）｛ｋ／（Ｗ／ｇ）｝^1/2 で表される。ここで、ｋはばね定数、Ｗは重量、ｇは重
力加速度である。

【００２４】本実施例の場合、ばね定数ｋは、４つのば
ね支持材３のばね定数ｋ１と、１２個のダンパー４のば
ね定数ｋ２によって決定され、ｋ１＝０．７２ｋｇｆ／ｍｍ，ｋ２＝０．３６３ｋｇ
ｆ／ｍｍである。従って、系のばね定数ｋは、ｋ＝０．７２×４＋０．３６３×１２＝７．２３６ｋｇ
ｆ／ｍｍである。

【００２５】そして、本実施例における重量Ｗは３２ｋ
ｇであるため、上下方向の共振周波数ｆは、これら値を
代入することによって７．４９Ｈｚとなる。従って、本
実施例によって、共振周波数を８Ｈｚ以下に抑えられる
ことがわかる。

【００２６】次に、ダンパー４による振動の伝達につい
て考える。まず、振動の伝達率Ｔは、下式によって表さ
れることが知られている。

【００２７】Ｔ²＝｛１＋（２ｃ・ω／ｃ_c・ω_c）²｝／｛（１−ω²／ω_n ²）²＋（２ｃ・ω／ｃ_c・ω_c）²｝ここで、ωは振動数、ω_nは固有振動数、ｃは減衰定
数、ｃ_cは臨界減衰定数である。そして、臨界減衰定数
Ｃ_cは、ｃ_c＝２｛（Ｗ・ｋ／ｇ）｝^1/2 である。ここで、Ｗは重量、ｋはばね定数、ｇは重力加
速度である。

【００２８】そして、ダンパー４の１つの減衰定数は、
０．００７１２ｋｇｆ・ｓ／ｍｍである。このため、１
２個のダンパー４からなる系の減衰係数ｃは、ｃ＝０．００７１２×１２＝０．０８５４４ｋｇｆ・ｓ
／ｍｍとなる。

【００２９】そこで、本実施例における上下方向の減衰
係数ｃ／ｃ_cは、ｃ／ｃ_c＝２｛（３２×７．２３６／９８００）｝^1/2
＝０．２７８になる。

【００３０】次に、数値計算により、伝達率Ｔが最大に
なるω／ω_nを求め、これに基づき伝達率を求める。本
実施例の場合、ω／ω_n＝０．９４、すなわち、周波数
が０．９４×共振周波数＝７．０４Ｈｚの時に、Ｔ＝
２．１１（６．４７ｄＢ）という伝達率になる。このよ
うに、本実施例によれば、上下方向の伝達率も２．５以
下になっている。

【００３１】さらに、左右方向、前後方向の伝達率は、
ばね支持材３の影響を無視して、１２個のダンパー４の
減衰定数および減衰係数から求められ、本実施例の場
合、Ｔ＝１．７１，１．５３になっており、要求を十分
満たすものである。

【００３２】ここで、ダンパー４の個数を多くすれば、
伝達率Ｔは小さくなるが、ばね定数ｋが大きくなってし
まうため、共振周波数ｆが、高くなる。そこで、上述の
本実施例が最適であることが確認されている。

【００３３】このように、本実施例では、３２ｋｇとい
う大重量のプレーヤー本体１を利用している。このた
め、上方から吊り下げるような支持方法をとることは実
用的でない。そこで、４つばね支持材３によって、プレ
ーヤー本体１を下から支持している。このようにする
と、ばね支持材３は、圧縮されるため、装置全体をコン
パクトにすることができる。

【００３４】また、上述のような手法によって、プレイ
ヤー本体１の重量などに合わせて、最適設計を行うこと
ができる。特に、ばね支持材３、ダンパー４のばね定
数、減衰定数、個数等を選択して、所望の特性を得るこ
とができる。

【００３５】そして、上述のように、ばね支持材３のば
ね定数、個数、ダンパー４のばね定数、減衰定数、個数
等を上述のような振動の方向毎にそれぞれ計算し、これ
らの特性値を共振周波数が８Ｈｚ以下、伝達率が２．５
以下になるように制御する。従って、バス等に搭載して
もプレーヤー本体１の振動を十分小さなものに抑制する
ことができ、走行中において光ディスクを再生した場合
の音飛びや画像の乱れを防止することができる。また、
ダンパー４として上述のような構成のものを採用するこ
とによって、コンパクトな構成で十分な伝達率の減少を
図ることができる。さらに、個数を任意に選択でき、プ
レイヤー本体の重量が異なった場合などに容易に対応す
ることができる。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ばね支持手段によってプレーヤー本体をばね支持手段に
よって下方から支持する。従って、大重量のプレーヤー
本体を支持して比較的コンパクトな大きさにできる。ま
た、プレーヤー本体を左右からダンパー手段によって支
持するため、系の共振周波数を低い値にすることができ
ると共に、振動の伝達率を十分小さな値にすることがで
きる。

【００３７】また、共振周波数が８Ｈｚ以下で、振動伝
達率が２．５以下になるように設定することにより、室
内設置用のプレーヤー本体をそのままラック内に収容し
て乗り物に搭載することができる。

【００３８】また、袋条体内に粘性流体を収容した形式
のダンパーの使用によって、コンパクトにして好適な支
持が行える。また、個数を任意に選択でき、プレイヤー
本体の重量が異なった場合などに容易に対応することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の構成を示す正面図である。

【図２】実施例の構成を示す側面図である。

【図３】ダンパー４の構成例を示す断面図である。

【符号の説明】

１プレイヤー本体２ラック３ばね支持材４ダンパー５、６連結プレート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プレイヤー本体を収容する収容ラック
と、この収容ボックスの下内側面上少なくとも４隅に設けら
れ、上記プレイヤー本体を下から支持するばね支持手段
と、上記収容ボックスの左右内側面のそれぞれ前後２隅に少
なくとも設けられ、上記プレイヤー本体を側方から支持
するダンパー手段と、を有し、収容ボックスの振動のプレイヤー本体への伝達を減衰す
ることを特徴とする乗り物用光ディスクオートチェンジ
プレイヤー装置。
【請求項２】請求項１に記載の装置において、上下・前後・左右各々の方向における共振周波数が８Ｈ
ｚ以下で、かつ共振周波数における入力される力の振幅
と伝達される力の振幅の比である振動伝達率が２．５以
下になるように上記ばね支持手段における弾性係数と、
上記ダンパー手段におけるばね定数および減衰係数と、
が設定されていることを特徴とする乗り物用光ディスク
オートチェンジプレイヤー装置。
【請求項３】請求項１または２に記載の装置におい
て、上記ダンパー手段は、粘性流体を内蔵した袋状体とこの
袋状体の内部に挿入配置された抵抗体と、この抵抗体に
接続され袋状体の外部に突出した棒体とから構成され、
上記袋状態の一部と上記棒体の袋状体から突出した端部
が上記プレイヤー本体およびダンパー手段に接続されて
いることを特徴とする乗り物用光ディスクオートチェン
ジプレイヤー装置。