JPH08115815A - 多極鉄心 - Google Patents

多極鉄心

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JPH08115815A
JPH08115815A JP25075594A JP25075594A JPH08115815A JP H08115815 A JPH08115815 A JP H08115815A JP 25075594 A JP25075594 A JP 25075594A JP 25075594 A JP25075594 A JP 25075594A JP H08115815 A JPH08115815 A JP H08115815A
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JP
Japan
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iron core
return yoke
silicon steel
pole piece
laminated
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JP25075594A
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English (en)
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Koji Yamada
浩司 山田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポールピース部分4には珪素鋼板の積層鉄心
を使用し、リターンヨーク部分5には純鉄等のブロック
材を使用した多極鉄心のうち、加速器用電磁石鉄心を示
す図であり、ポールピース部分4とリターンヨーク5と
の固定手段として両者にタップを切り、固定ボルト14
でねじ止めした場合の例を示す。また、リターンヨーク
部分5にも珪素鋼板の積層鉄心を使用することができ
る。 【効果】 本発明による多極鉄心は、高精度が要求され
るポールピース(通電コイルが巻かれる)部分と、比較
的精度が低くても良いリターンヨーク部分とを分割して
製作する。このことにより、積層鉄心の打ち抜きに要す
る金型が小型でかつ単純形状で済むことになり、かつ、
精度に応じた金型を使用することができるために金型コ
ストが大幅に低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速器用多極電磁石等
あるいはモータ、発電機等の電動機等に用いられる多極
鉄心に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加速器、クライストロン等の高周波電源
部品、テレビ等の民生用電気製品において、電子、陽電
子、イオン等の荷電粒子を制御する目的で多極電磁石が
使用されており、その鉄心は多極鉄心である。その一例
として、荷電粒子に収束、発散力を与える四極電磁石、
荷電粒子の色収差を補正する六極電磁石、その他荷電粒
子の不安定を抑える目的の八極電磁石等がある。
【0003】さらに、モータ、発電機等の電動機等の回
転子、固定子等では多数のスロットを切った多極鉄心が
用いられている。
【0004】これらの内、代表的なものとして、加速器
に用いられる四極電磁石の例を図7に示す。図7におい
て、1は鉄心、9はコイル、10は分割した鉄心(この
場合は4分割)を固定するための治具、11は1に鉄心
として積層鉄心を用いた場合の積層鉄心固定用側板であ
り、この側板11は積層鉄心1および端板12と溶接さ
れている。ここで、1の鉄心に関して、一般的には直流
励磁の電磁石では、純鉄等のブロック鉄心、交流励磁の
電磁石では珪素鋼板等の積層鉄心が使用されている。こ
の理由としては、純鉄等では交流励磁した場合に、渦電
流損が珪素鋼板よりも大きくなること、および鋼材の比
透磁率が珪素鋼板等に比べて極端に低下してしまうた
め、磁気特性が低下してしまうこと等があげられる。た
だし、直流励磁の電磁石でも、大型加速器等の場合のよ
うに、同一形状の電磁石を多数用いる場合には、製作コ
スト低減等の面から積層鉄心が使用される場合も多い。
さらに、加速器用多極電磁石の場合には、鉄心1は荷電
粒子の通り道である真空ダクト(図示せず)並びにコイ
ル組み付け等のために、複数に分割(図7では4分割)
して製作し、組立時に10のような治具により各々の鉄
心を固定することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、交流励
磁の電磁石、大量に製作される直流励磁の電磁石あるい
は電動機等において、積層鉄心を使用する場合に、従来
技術では図8に示すように積層鉄心として2のポールピ
ース(通電コイルが巻かれる)部分と3のリターンヨー
ク部分が一体になった形状で積層鉄心を製作していた。
直流励磁あるいはごく低周波での交流励磁において積層
鉄心を用いる理由は、コスト低減が大きな理由であり、
さらに個々の機械加工誤差を避ける目的もある。全てを
機械加工で行なうと、図8に示す断面形状を有する鉄心
を機械加工することになり加工コストが高くなる(この
場合、図8の13の通しボルト穴の加工は不要であ
る)。そのため、積層鉄心を使用することになる。
【0006】積層鉄心の製作方法は、主に金型による打
ち抜き等、あるいはレーザ、ワイヤカット等による切断
の方法が用いられている。レーザ、ワイヤカット等によ
る切断の場合には高精度が要求される部分のみ仕上げ加
工等を施すことが可能であり、少量生産の場合には、金
型を製作するよりも安価なため利用されている。しか
し、多数の鉄心を製作する場合には、金型による打ち抜
き方法が用いられるのが一般的である。金型による打ち
抜き等の場合に、加工精度が高いことが要求される部分
は、2の通電コイルが巻かれるポールピース部分であ
り、多少精度を低減させてもよい3のリターンヨーク部
分とは一体で加工する。そのために、使用する金型全体
のコストは最も高精度が要求される2の通電コイルが巻
かれるポールピース部分の特に先端部の精度(加速器の
場合)で決まってしまい、さらに大型の加速器になる
と、図8に示す1枚の積層鉄心も大寸法となるため、金
型のコストは非常に高いものとなる。
【0007】さらに、積層鉄心を積層する工程では、占
積率を高める目的でプレス等による加工を繰り返すこと
になるが、積層鉄心の形状が大型化すれば、それに比例
して加圧用のプレス機および治具類も大型化することに
なり、大幅なコスト上昇とならざるを得ない。さらに、
大型の加速器等の場合、図8の1枚の積層鉄心も大寸法
化するため、1の鉄心全体を組み立てる場合の珪素鋼板
の積層(通常人手にて行なう)時に、2人あるいはそれ
以上の複数作業が必要となる。
【0008】なお、図8において、13は積層鉄心を組
み立てる際に、積層方向に鉄心を拘束して固定するため
の通しボルトを通すための穴である(図7では明示せ
ず)。
【0009】鉄心の磁力線図(鉄心の内1/8部分のみ
を示す)は、図9に示すようになる。積層鉄心に使用さ
れる珪素鋼板には、大別して方向性珪素鋼板と無方向性
珪素鋼板とがあり、図10に示すようにその磁気特性に
は差がある。さらに方向性珪素鋼板は、図11に示すよ
うに鋼板の圧延方向に対して磁力線の方向を0度とした
場合に最も磁気特性が優れ、45度、90度では無方向
性珪素鋼板よりも磁気特性が低下する。そのため、本来
なら方向性珪素鋼板の0度方向のみを使用できれば、特
徴の1つとして同じ励磁電流で大きな磁場が得られ、逆
に同じ磁場を得るためには低い励磁電流でよい。さら
に、特徴の2として、磁束密度が高くとれるために、鉄
心の断面積がその分減少できることになり、材料および
加工コストが安くなる。さらに電磁石全体重量が低減で
きることにより、ハンドリング性が良くなり、電磁石下
部に設ける架台も小型で済むことになる。
【0010】しかしながら、ここで一例を示した加速器
用四極電磁石では図9に示すような磁力線形状になるた
めに、方向性珪素鋼板が使用できない。もし、使用する
とすれば、2のポールピース方向を圧延方向である0度
方向とすることになるが、その場合リターンヨーク部分
3は圧延方向と45度になって仕舞うため、同じ磁場を
確保するためにはリターンヨーク部分3の鉄心断面積が
ポールピース部分2のそれの2倍以上必要となってしま
う。そのため、従来技術では、通常無方向性珪素鋼板を
使用していた。但し、図10に示すように、無方向性珪
素鋼板の磁気特性は、方向性珪素鋼板の90度方向と0
度方向の中間に位置し、方向性珪素鋼板の0度方向のみ
を使用する場合に比べて、鉄心断面積は大きくとらざる
を得なかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は多極積層鉄心において、ポール
ピースとリターンヨークとを分割した多極鉄心である。
【0012】また、ポールピースとリターンヨークとを
分割してそれぞれに積層鋼板を使用し、ポールピースと
リターンヨークのそれぞれの磁力線方向に沿って、方向
性珪素鋼板の圧延方向の0度方向のものを用いた多極鉄
心である。
【0013】
【作用】本発明による多極鉄心は、高精度が要求される
ポールピース(通電コイルが巻かれる)部分と、比較的
精度が低くても良いリターンヨーク部分とを分割して製
作する。このことにより、積層鉄心の打ち抜きに要する
金型が小型でかつ単純形状で済むことになり、かつ、精
度に応じた金型を使用することができるために金型コス
トが大幅に低減される。さらに、1枚1枚の鉄心が小
型、小重量となるために、積層作業も1人で十分可能と
なり、積層時に加圧するプレス機および治具類も小型で
済むことになり、組立コストも大幅に低減できる。ま
た、性能的に、直流励磁のようにリターンヨーク部分を
純鉄等のブロック材を使用できる場合には、ポールピー
ス部分とリターンヨーク部分とを分割製作することによ
り、材料費が低減できるとともに、リターンヨーク部分
のみは単純形状をしているために、鍛造等で製作するこ
とも可能であり、あるいは、図1に示すように円筒形に
板を曲げることで製作することも可能であり、ポールピ
ース部分との取り合い部分を除いてはほとんど機械加工
が必要なくなるため、加工コストが大幅に低減できる。
【0014】さらに本発明においては、リターンヨーク
とポールピースを分割し、それぞれに積層鋼板を使用す
ることにより、それぞれの部分で発生する磁力線に沿っ
て圧延方向0°方向の方向性珪素鋼板を使用することが
できる。この場合、リターンヨークを同心円コイル状に
積層した場合は、もちろん磁力線に沿って圧延方向0°
方向の方向性珪素鋼板を使用できる。また、リターンヨ
ークとポールピースの積層方向を同一にした場合におい
ても、リターンヨークを多数に分割することにより、磁
力線の方向と方向性珪素鋼板の圧延方向0°方向を略合
わせることが可能で、珪素鋼板の特性を有効に生かすこ
とができる。
【0015】以上の理由により、従来は鉄心の磁気的飽
和が比較的低電流で発生してしまうため、1.5テスラ
程度と磁気飽和が起こらない範囲で最大磁場を低く抑え
ざるを得なかったものが、2テスラ程度まで最大磁場が
可能となった。さらに、磁気的飽和が発生しない程度の
磁場で使用する場合にも、例えば1テスラ程度の、同じ
磁束密度を発生させる励磁電流が無方向性珪素鋼板の場
合(図10では70A/m)と比べて、0度方向の方向
性珪素鋼板では(図10では13A/m程度)と少なく
て済むことになり、コイル製作、および電磁石電源とも
に非常に低コストとなる。さらに同じ電流値で磁束密度
が大きくとれるために、鉄心の断面積が極小化でき、材
料、加工コストの低減はもとより、電磁石全体がコンパ
クト、軽量となるため、ハンドリング性が著しく向上す
るとともに電磁石の下部架台も小型化できることにな
る。
【0016】
【実施例】本発明の実施例として、多極鉄心のうち、荷
電粒子に収束、発散力を与える目的で使用される加速器
用四極電磁石の場合について、図1〜図6を用いて説明
する。
【0017】図1〜図4の多極鉄心において、高精度が
要求される4の通電コイルが巻かれるポールピース部分
は、高精度金型により打ち抜き、この部分単体は積層
し、13の通しボルト用穴を用いて通しボルト15によ
り固定する。この例では、積層方向は荷電粒子の進行方
向に平行とする。一方、5のリターンヨーク部分は、純
鉄等のブロック材を用いて製作する。純鉄等のブロック
材を使用することにより材料費が低減できるとともに、
5のリターンヨーク部分は単純形状しているために、鍛
造等で製作することも可能であり、あるいは円筒形(図
1〜図4の場合)に板を曲げることで製作することも可
能であり、ポールピース部分4との取り合い部分を除い
てほとんど機械加工が必要なくなるため、加工コストが
大幅に低減できる。このように、別々に製作したポール
ピース4部分とリターンヨーク部分5とを組み合わせる
ことにより1個の電磁石とすることができる。
【0018】他の例として図5に示すのは、多極電磁石
において高精度が要求される4のポールピース部分は高
精度金型により打ち抜き、この部分単体で積層し、13
の通しボルト用穴を用いて通しボルト15により固定す
る。この場合、積層方向は荷電粒子の進行方向に平行と
する。一方、6のリターンヨークは同心円コイル状に珪
素鋼板等を積層して製作することができる。この部分の
固定はワニス等の真空含浸、あるいは樹脂のモールド等
によることも可能であり、さらに積層の開始点および終
了点を溶接する、あるいは接着剤によることも可能であ
る。さらに、リターンヨーク6の外周に側板11を接合
する方法でも良いのはいうまでもない。あるいは、積層
後に積層厚方向に機械加工により穴をあけ、通しボルト
により固定することも可能である。
【0019】さらに、他の例として図6に示すのは、ポ
ールピース4とリターンヨーク6の積層方向が同一の場
合の例を示す。この場合にも4のポールピースと6のリ
ターンヨークは分割して製作する。
【0020】ここで、本発明の実施例である図を詳細に
説明する。図1は、ポールピース部分4には珪素鋼板の
積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分5には純鉄等の
ブロック材を使用した多極鉄心のうち、加速器用電磁石
鉄心を示す図であり、ポールピース部分4とリターンヨ
ーク5との固定手段として両者にタップを切り、固定ボ
ルト14でねじ止めした場合の例を示す。
【0021】図2は、ポールピース部分4には珪素鋼板
の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分5には純鉄等
のブロック材を使用した多極鉄心のうち、加速器用電磁
石鉄心を示す図であり、ポールピース部分4とリターン
ヨーク5との固定手段として端板12にタップを切り、
固定ボルト14でねじ止めした場合の例を示す。
【0022】図3は、ポールピース部分4には珪素鋼板
の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分5には純鉄等
のブロック材を使用した多極鉄心のうち、加速器用電磁
石鉄心を示す図であり、ポールピース部分4とリターン
ヨーク5との固定手段として積層鋼板固定用通しボルト
15にタップを切っておき、この部分で固定ボルト14
で固定する場合の例を示す。この場合、この部分の積層
鉄心形状は、図3(c)のような形状で打ち抜くものと
する。
【0023】図4は、ポールピース部分4には珪素鋼板
の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分5には純鉄等
のブロック材を使用した多極鉄心のうち、加速器用電磁
石鉄心を示す図であり、ポールピース部分4とリターン
ヨーク5との固定手段としてホールインアンカーボルト
18とホールインプラグ19とを用いる場合の例を示
す。この場合、この部分の積層鉄心は、図4(c)およ
び(d)のような形状で打ち抜く。図4(c)はホール
インプラグ19が傘状に開く開きしろを考慮した形状と
寸法となっており、図4(d)はホールインアンカーボ
ルト18を回転させてホールインプラグを傘状に開く場
合の空回り防止用回転止めに必要な形状と寸法をしてい
る。なお、図1から図4において、ポールピース部に方
向性珪素鋼板を使用する場合、圧延方向0°方向を磁力
線方向であるポールピース長手方向に合わせる。
【0024】図5は、ポールピース部分4には珪素鋼板
の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分6とを別々に
珪素鋼板等の積層鉄心を使用して製作した加速器用四極
電磁石鉄心を示す図であり、ポールピース部分5とリタ
ーンヨーク部分6との積層方向が異なる場合の例であ
る。6のリターンヨークは同心円コイル状に珪素鋼板等
を積層させている。この例で、方向性珪素鋼板を使用す
る場合、圧延方向0°方向を磁力線方向と合わせるた
め、ポールピース部では圧延方向0°方向をポールピー
ス長手方向とし、リターンヨーク部では、リターンヨー
ク円周方向とすることにより、最も高い効果を得ること
が出来る。
【0025】図6は、ポールピース部分4には珪素鋼板
の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分6とを別々に
珪素鋼板等の積層鉄心を使用して製作した加速器用四極
電磁石鉄心を示す図であり、ポールピース部分4とリタ
ーンヨーク部分6との積層方向が同一の場合を示す。リ
ターンヨーク部分6は多数に分割させている。
【0026】なお、図5、図6の場合の固定ボルトの打
ち込みは、図1〜図4の手段に準ずるものとする。この
例で、方向性珪素鋼板を使用する場合、圧延方向0°方
向を磁力線方向と合わせるため、ポールピース部では圧
延方向0°方向をポールピース長手方向とし、リターン
ヨーク部では、リターンヨーク円周方向とすることによ
り、最も高い効果を得ることが出来る。
【0027】固定手段としてはこれらの複合も可能であ
るとともに、はめ合い構造も可能であるとともに、ボル
トとはめ合いの複合によることも可能であり、さらに接
着による手段およびこれらの複合による手段も可能であ
る。さらに、図1〜図4に関しても、取付け位置、寸
法、形状等はほんの一例にすぎない。さらにこれらは、
図5および図6の場合にも適用できることはもちろんで
ある。ただし、リターンヨーク6の機械加工が必要とな
る場合もでてくる。
【0028】なお、4のポールピース部分および5ある
いは6のリターンヨーク部分の形状に関しては、多極鉄
心に要求される性能および周辺機器との取り合い、外観
等により決定されるものであり、これらは、本出願の請
求範囲に何ら拘束されるものではない。また、ポールピ
ース部分とリターンヨーク部分の固定および両者一体化
のための固定方法に関しても本出願の請求範囲に拘束さ
れるものではない。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明による多極鉄心
は、高精度が要求されるポールピース(通電コイルが巻
かれる)部分と、比較的精度が低くても良いリターンヨ
ーク部分とを分割して製作する。このことにより、積層
鉄心の打ち抜きに要する金型が小型でかつ単純形状で済
むことになり、かつ、精度に応じた金型を使用すること
ができるために金型コストが大幅に低減される。さら
に、1枚1枚の鉄心が小型、小重量となるために、積層
作業も1人で十分可能となり、積層時に加圧するプレス
機および治具類も小型で済むことになり、組立コストも
大幅に低減できる。また、性能的に、直流励磁のように
リターンヨーク部分を純鉄等のブロック材を使用できる
場合には、ポールピース部分とリターンヨーク部分とを
分割製作することにより、材料費が低減できるととも
に、リターンヨーク部分のみは単純形状をしているため
に、鍛造等で製作することも可能であり、あるいは、円
筒形に板を曲げることで製作することも可能であり、ポ
ールピース部分との取り合い部分を除いてはほとんど機
械加工が必要なくなるため、加工コストが大幅に低減で
きる。
【0030】さらに本発明においては、リターンヨーク
とポールピースとを分割することにより、それぞれの部
分で発生する磁力線図に沿って方向性珪素鋼板の0度方
向圧延方向を使用することができる。そのため、従来は
鉄心の磁気的飽和が比較的低電流で発生してしまうた
め、1.5テスラ程度と磁気飽和が起こらない範囲で最
大磁場を低く抑えざるを得なかったものが、2テスラ程
度まで最大磁場が可能となった。さらに、磁気的飽和が
発生しない程度の磁場で使用する場合にも、例えば1テ
スラ程度の、同じ磁束密度を発生させる励磁電流が無方
向性珪素鋼板の場合(図10では70A/m)と比べ
て、0度方向の方向性珪素鋼板では(図10では13A
/m程度)と少なくて済むことになり、コイル製作、お
よび電磁石電源ともに非常に低コストとなる。さらに同
じ電流値で磁束密度が大きくとれるために、鉄心の断面
積が極小化でき、材料、加工コストの低減はもとより、
電磁石全体がコンパクト、軽量となるため、ハンドリン
グ性が著しく向上するとともに電磁石の下部架台も小型
化できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である、ポールピース部分に
は珪素鋼板の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分に
は純鉄等のブロック材を使用した多極鉄心のうち、加速
器用電磁石鉄心を示す図であり、ポールピース部分とリ
ターンヨークとの固定手段として両者にタップを切り、
固定ボルトでねじ止めした場合の例を示す。
【図2】本発明の一実施例である、ポールピース部分に
は珪素鋼板の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分に
は純鉄等のブロック材を使用した多極鉄心のうち、加速
器用電磁石鉄心を示す図であり、ポールピース部分とリ
ターンヨークとの固定手段として端板にタップを切り、
固定ボルトでねじ止めした場合の例を示す。
【図3】本発明の一実施例である、ポールピース部分に
は珪素鋼板の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分に
は純鉄等のブロック材を使用した多極鉄心のうち、加速
器用電磁石鉄心を示す図であり、ポールピース部分とリ
ターンヨークとの固定手段として積層鋼板固定用通しボ
ルトにタップを切っておき、この部分で固定ボルトを固
定する場合の例を示す。
【図4】本発明の一実施例である、ポールピース部分に
は珪素鋼板の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分に
は純鉄等のブロック材を使用した多極鉄心のうち、加速
器用電磁石鉄心を示す図であり、ポールピース部分とリ
ターンヨークとの固定手段としてホールインアンカーボ
ルトとホールインプラグとを用いる場合の例を示す。
【図5】本発明の一実施例である、ポールピース部分に
は珪素鋼板の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分と
を別々に珪素鋼板等の積層鉄心を使用して製作した加速
器用四極電磁石鉄心を示す図であり、ポールピース部分
とリターンヨーク部分との積層方向が異なる場合の例で
ある。6のリターンヨークは同心円コイル状に珪素鋼板
等を積層させている。
【図6】本発明の一実施例である、ポールピース部分に
は珪素鋼板の積層鉄心を使用し、リターンヨーク部分と
を別々に珪素鋼板等の積層鉄心を使用して製作した加速
器用四極電磁石鉄心を示す図であり、ポールピース部分
とリターンヨーク部分との積層方向が同一の場合を示
す。リターンヨーク部分6は多数に分割させている。
【図7】従来のポールピース部分とリターンヨーク部分
とを一体とした積層鉄心による多極鉄心のうち、加速器
用四極電磁石を示す図である。
【図8】従来のポールピース部分とリターンヨーク部分
とを一体とした積層鉄心による多極鉄心のうち、加速器
用四極電磁石に使用される珪素鋼板の積層鋼板等の積層
鉄心の図である。
【図9】多極鉄心の一例としての加速器用四極電磁石の
1/8モデル部分の磁力線図である。
【図10】積層鉄心の一例である珪素鋼板のうち、方向
性珪素鋼板と無方向性珪素鋼板との磁気特性を表すB−
H曲線の図である。
【図11】積層鉄心の一例である珪素鋼板のうち、方向
性珪素鋼板の方向別磁気特性を表す直流磁化曲線の図で
ある。
【符号の説明】
1 鉄心 2 通電コイルが巻かれるポールピース部分 3 リターンヨーク部分 4 積層鉄心によるポールピース 5 ブロック材によるリターンヨーク 6 積層鉄心によるリターンヨーク 7 タップを切ったポールピースの1 8 タップを切ったポールピースの2 9 コイル 10 分割鉄心固定用治具 11 側板 12 端板 13 通しボルト用穴 14 固定ボルト 15 通しボルト 16 通しボルト固定用ナット 17 固定ボルト用穴 18 ホールインアンカーボルト 19 ホールインプラグ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多極積層鉄心において、ポールピースと
    リターンヨークとを分割したことを特徴とする多極鉄
    心。
  2. 【請求項2】 ポールピースとリターンヨークとを分割
    してそれぞれに積層鋼板を使用し、ポールピースとリタ
    ーンヨークのそれぞれの磁力線方向に沿って、方向性珪
    素鋼板の圧延方向の0度方向のものを用いたことを特徴
    とする多極鉄心。
JP25075594A 1994-10-17 1994-10-17 多極鉄心 Pending JPH08115815A (ja)

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JP25075594A JPH08115815A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 多極鉄心

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JP25075594A JPH08115815A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 多極鉄心

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KR20190033865A (ko) * 2017-09-22 2019-04-01 주식회사 다원메닥스 붕소 중성자 포획방식의 암치료를 위한 고주파 4극 양성자 가속장치

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