JPH08115264A - ディスクキャッシュ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロセスの実行優先度に応じて、掃き出し
制御が行われるディスクキャッシュ装置を提供する。 【構成】 ディスクキャッシュ装置１１内に、アクセス
を行うそれぞれのファイルに対して設定される優先度情
報を、ファイル識別子と対応づけて記憶する優先度テー
ブル１３を設け、キャッシュメモリ１２の、あるエント
リにデータを書き込む際には、そのエントリの管理情報
として、そのデータが属するファイルに対して設定され
ている優先度情報を記憶させる。そして、新たなデータ
を格納するために、エントリを掃き出す（開放する）必
要が生じたときには、各エントリに対して記憶されてい
る優先度情報を基に、低い優先度が与えられているエン
トリを探索し、そのエントリにデータが格納されるよう
にディスクキャッシュ装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスクキャッシュ装
置に係わり、アクセス対象とする各ファイルに優先度を
指定することができるディスクキャッシュ装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ディスク装置とのデータ授受
に必要な時間を低減させるために、ホスト装置とディス
ク装置の間に、ディスクキャッシュ装置を設けることが
行われている。

【０００３】ディスクキャッシュ装置には、所定サイズ
のデータが記憶できる複数のエントリを有する半導体メ
モリ（キャッシュメモリ）が設けられており、ディスク
キャッシュ装置は、ホスト装置から、たとえば、読み出
し要求を受信した際、該当データが記憶されたエントリ
が存在するか否かを判断し、存在していた場合には、デ
ィスク装置からデータを読み出すことなく、そのエント
リのデータを用いてアクセス要求に応答する。

【０００４】また、キャッシュメモリ上に記憶されてい
ないデータの読み出し要求を受けたときには、１つのエ
ントリを選択し、ディスク装置から読み出したデータを
選択したエントリに記憶させるとともに、読み出したデ
ータをホスト装置に転送することによってアクセス要求
に応答する。なお、ライトバックを行うディスクキャッ
シュ装置では、新たなデータを書き込む前に、データが
書き込まれるエントリに記憶されているデータが変更さ
れたものであった場合には、そのエントリのデータをデ
ィスク装置に書き戻す処理が行われる。

【０００５】すなわち、ディスクキャッシュ装置を用い
た場合には、ディスク装置に対する読み出し要求のう
ち、キャッシュメモリ上に記憶されているデータに対す
るアクセスは、半導体メモリに対するアクセスとなる。
このように、ディスクキャッシュ装置における平均的な
アクセス速度は、キャッシュメモリ内に要求されたデー
タが存在する確率に応じたものとなるため、新たなデー
タをキャッシュメモリに格納する際には、将来、必要と
なる可能性が高いデータがキャッシュメモリ上に残され
るように、そのデータを書き込むエントリが選択されて
いる。

【０００６】たとえば、ＦＩＦＯ（First In First Ou
t）と呼ばれるアルゴリズムでは、各エントリは、その
エントリに書き込みが行われた時間の前後関係によって
順序付けられ、最も過去に書き込みが行われたエントリ
が、新たなデータが格納されるエントリとして選択され
る。また、ＬＲＵ（Least Recently Used ）と呼ばれる
アルゴリズムでは、各エントリは、そのエントリがアク
セスされていない時間の大小関係によって順序付けら
れ、未使用時間の最も長い（最も過去にアクセスが行わ
れた）エントリが、新たなデータを記憶するためのエン
トリとして選択される。

【０００７】これらのアルゴリズムでは、新データを記
憶するエントリの選択は、エントリ内に記憶されたデー
タの内容によらず、そのエントリがアクセスされた時間
に応じて行われるが、特開平３−７５９１７号公報記載
のディスクキャッシュ装置では、各エントリに記憶され
ているデータへのアクセス頻度をも考慮して、エントリ
の選択が行われている。

【０００８】以下、特開平３−７５９１７号公報記載の
ディスクキャッシュ装置の概要を簡単に説明する。この
ディスクキャッシュ装置は、各エントリに対して設けら
れたアクセスカウンタ内に記憶された値の小さいエント
リが、新データが記憶されるエントリとして選択される
ように構成されており、アクセスカウンタの内容の更新
は、次のようにして行われる。

【０００９】このディスクキャッシュ装置では、まず、
アクセスが行われた物理セクタ番号が所定の期間、収集
され、その一連の物理セクタ番号情報を基に、各物理セ
クタがアクセスされた回数のリストが作成される。そし
て、ある物理セクタに関するアクセスが行われたときに
は、このリストに記憶されたその物理セクタに対するア
クセス回数分、そのデータが記憶されるエントリに対応
するアクセスカウンタの内容が増加され、他のエントリ
のアクセスカウンタの内容が“１”ずつ減少される。

【００１０】すなわち、このディスクキャッシュ装置で
は、リストを作成したときに、頻繁にアクセスされた物
理セクタのデータが、キャッシュメモリ内に記憶された
ときには、そのエントリに対応するアクセスカウンタの
値が大きく設定されるため、アクセスカウンタの値が他
のアクセスカウンタの値と比して小さくなるといった状
態が生じにくくなり、その結果として、リスト作成時に
アクセス回数の多い物理セクタのデータがキャッシュメ
モリ上に残るように、新データを格納するエントリの選
択が行われることになる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】以上、説明したよう
に、従来のディスクキャッシュ装置では、最近アクセス
が行われたデータや、アクセス頻度が高いデータがキャ
ッシュメモリ上に残るように、新データを格納するエン
トリが選択されており、そのような選択によって、将
来、要求されるデータがキャッシュメモリ上に残ってい
る可能性を高くすることができている。

【００１２】しかしながら、ディスクキャッシュ装置を
利用して行うプロセスのなかには、たとえば、割込処理
のように、アクセスされる頻度は少ないものの、優先度
が高いものが存在する。上述のように、従来のディスク
キャッシュ装置では、アクセス頻度が少ないデータは、
他のデータの記憶を行うためにキャッシュメモリ上から
掃き出されてしまう。このため、優先度の高い処理であ
っても、アクセスが散発的にしか行われない処理でアク
セスされたデータは、次の処理時には、キャッシュメモ
リ上から掃き出されていることが多く、優先度が高いに
もかかわらず、その処理毎に、必要とされるデータを直
接、ディスク装置から読み出すことが必要とされてい
た。

【００１３】そこで本発明の目的は、プロセスの実行優
先度に応じて、掃き出し制御が行われるディスクキャッ
シュ装置を提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
（イ）ディスク装置内のデータを一時的に記憶するため
の複数個のエントリを有するキャッシュメモリと、
（ロ）アクセスを行うそれぞれのデータに対して設定さ
れる優先度情報を、そのデータのディスク装置内でのア
ドレスと対応づけて記憶する優先度記憶手段と、（ハ）
キャッシュメモリの各エントリを管理するための管理情
報として、そのエントリに記憶されたデータのディスク
装置内におけるアドレスと、そのアドレスに対して設定
されている優先度情報を記憶する管理情報記憶手段と、
（ニ）読み出しを要求されたアドレスのデータがキャッ
シュメモリ内に記憶されていない場合に、管理情報報記
憶手段に記憶されている優先度情報を基に、低い優先度
が与えられているデータが記憶されたエントリを選択し
て、そのエントリの内容を掃き出す掃出手段と、（ホ）
読み出しを要求されたアドレスのデータをディスク装置
から読み出して、そのデータをこの掃出手段によって掃
き出されたエントリに書き込むとともに、読み出しに用
いたアドレスとそのアドレスに対応づけて優先度記憶手
段に記憶されている優先度情報を、そのエントリに関す
る管理情報として管理情報記憶手段に記憶させるデータ
更新手段とを具備する。

【００１５】すなわち、請求項１記載の発明では、ディ
スクキャッシュ装置内に、アクセスを行うそれぞれのデ
ータに対して設定される優先度情報を、そのデータのデ
ィスク装置内でのアドレスと対応づけて記憶する優先度
記憶手段が設けられており、キャッシュメモリの、ある
エントリにデータを書き込む際には、そのエントリの管
理情報として、そのデータに対して設定されている優先
度情報が記憶される。そして、新たなデータを格納する
ために、エントリを掃き出す（開放する）必要が生じた
ときには、各エントリに対して記憶されている優先度情
報を基に、低い優先度が与えられているエントリが探索
され、そのエントリにデータが格納される。

【００１６】請求項２記載の発明は、（イ）ディスク装
置内のデータを一時的に記憶するための複数個のエント
リを有するキャッシュメモリと、（ロ）アクセスを行う
それぞれのファイルに対して設定される優先度情報を、
ファイル識別子と対応づけて記憶する優先度記憶手段
と、（ハ）キャッシュメモリの各エントリを管理するた
めの管理情報として、そのエントリに記憶されたデータ
のディスク装置内におけるアドレスと、そのデータが属
するファイルに対して設定されている優先度情報を記憶
する管理情報記憶手段と、（ニ）受信したアクセス要求
情報を基に読み出すべきデータのディスク装置内でのア
ドレスと、そのデータが属するファイルのファイル識別
子を判別する判別手段と、（ホ）この判別手段によって
判別されたアドレスのデータがキャッシュメモリ内に記
憶されていない場合に、管理情報報記憶手段に記憶され
ている優先度情報を基に、低い優先度が与えられている
ファイルに関するデータが記憶されたエントリを選択し
て、そのエントリの内容を掃き出す掃出手段と、（ヘ）
判別手段によって判別されたアドレスのデータをディス
ク装置から読み出して、そのデータをこの掃出手段によ
って掃き出されたエントリに書き込むとともに、そのア
ドレスおよび優先度記憶手段に記憶されている、判別手
段によって判別されたファイル識別子に応じた優先度情
報を、そのエントリに関する管理情報として管理情報記
憶手段に記憶させるデータ更新手段とを具備する。

【００１７】すなわち、請求項２記載の発明では、ディ
スクキャッシュ装置内に、アクセスを行うそれぞれのフ
ァイルに対して設定される優先度情報を、ファイル識別
子と対応づけて記憶する優先度記憶手段が設けられてお
り、キャッシュメモリの、あるエントリにデータを書き
込む際には、そのエントリの管理情報として、そのデー
タが属するファイルに対して設定されている優先度情報
が記憶される。そして、新たなデータを格納するため
に、エントリを掃き出す（開放する）必要が生じたとき
には、各エントリに対して記憶されている優先度情報を
基に、低い優先度が与えられているエントリが探索さ
れ、そのエントリにデータが格納される。

【００１８】請求項３記載の発明は、（イ）ディスク装
置内のデータを一時的に記憶するための複数個のエント
リを有するキャッシュメモリと、（ロ）アクセスを行う
それぞれのファイルに対して設定される優先度情報を、
ファイル識別子と対応づけて記憶する優先度記憶手段
と、（ハ）キャッシュメモリの各エントリを管理するた
めの管理情報として、そのエントリに記憶されたデータ
のディスク装置内におけるアドレスと、そのデータが属
するファイルに対して設定されている優先度情報と、そ
のエントリがアクセスされていない時間と他のエントリ
がアクセスされていない時間の大小関係に応じて付けら
れる順序情報を記憶する管理情報記憶手段と、（ニ）受
信したアクセス要求情報を基に読み出すべきデータのデ
ィスク装置内でのアドレスと、そのデータが属するファ
イルのファイル識別子を判別する判別手段と、（ホ）こ
の判別手段によって判別されたアドレスのデータがキャ
ッシュメモリ内に記憶されていない場合に、管理情報報
記憶手段に記憶されている優先度情報を基に、低い優先
度が与えられているファイルに関するデータが記憶され
たエントリのなかから、順序情報を基に、アクセスされ
ていない時間が最も長いエントリを選択して、そのエン
トリの内容を掃き出す掃出手段と、（ト）判別手段によ
って判別されたアドレスのデータをディスク装置から読
み出して、そのデータをこの掃出手段によって掃き出さ
れたエントリに書き込むとともに、そのアドレスおよび
優先度記憶手段に記憶されている、判別手段によって判
別されたファイル識別子に応じた優先度情報を、そのエ
ントリに関する管理情報として管理情報記憶手段に記憶
させるデータ更新手段とを具備する。

【００１９】すなわち、請求項３記載の発明では、ディ
スクキャッシュ装置内に、アクセスを行うそれぞれのフ
ァイルに対して設定される優先度情報を、ファイル識別
子と対応づけて記憶する優先度記憶手段が設けられてお
り、キャッシュメモリの、あるエントリにデータを書き
込む際には、そのエントリの管理情報として、そのデー
タが属するファイルに対して設定されている優先度情報
が記憶される。そして、新たなデータを格納するため
に、エントリを掃き出す（開放する）必要が生じたとき
には、各エントリに対して記憶されている優先度情報を
基に、低い優先度が与えられているエントリが探索さ
れ、それらのエントリのなかから、アクセスされていな
い時間が最も長い（最も過去にアクセスが行われた）エ
ントリが選択され、そのエントリにデータが格納され
る。

【００２０】

【実施例】以下、実施例につき本発明を詳細に説明す
る。

【００２１】図１に、本発明の一実施例によるディスク
キャッシュ装置の概略構成を示す。実施例のディスクキ
ャッシュ装置は、図示したように、キャッシュメモリ１
２と優先度テーブル１３と比較器１４とタグメモリ１５
と掃出制御装置１６を主な構成要素として有しており、
ホストインタフェース１７を介してホスト装置３１と接
続され、ディスクインタフェース１８を介してディスク
装置３２と接続される。

【００２２】キャッシュメモリ１２は、ホスト装置３１
とディスク装置３２間で授受されるデータのコピー（あ
るいはオリジナル）が保存されるメモリであり、データ
を記憶するための複数のエントリが設けられている。優
先度テーブル１３には、図２に模式的に示したように、
ファイル識別子２６と優先度情報２４が対応づけられて
記憶されており、優先度テーブル１３は、データのアク
セス要求がホスト装置３１からなされる度に、そのデー
タのファイル識別子に応じた優先度情報を、掃出制御装
置１６に供給する。なお、優先度テーブル１３の内容の
設定は、ホスト装置３１から所定のコマンドと共に、フ
ァイル識別子と優先度情報をディスクキャッシュ装置に
送信することによって行われる。

【００２３】タグメモリ１５は、キャッシュメモリ１２
内に記憶されているデータを管理するための情報が記憶
されるメモリであり、その内容の管理は、掃出制御装置
１６によって行われる。

【００２４】図３に、タグメモリ内に記憶される情報の
概要を示す。この図に示したように、タグメモリ１５内
には、キャッシュメモリ１２内の各エントリに対して、
データが記憶されているか否かを示す有効／無効フラグ
２１と、そのデータが変更されたものであるか否かを示
す変更有無フラグ２２と、アクセスされた時間順で各エ
ントリを順序付けした情報であるＬＲＵ順位情報２３
と、優先度情報２４と、そのデータがディスク装置のど
のアドレスのデータであるかを示すアドレス情報２５が
格納されている。

【００２５】これらの情報のうち、アドレス情報２５
は、キャッシュメモリ１２内に、要求されたデータが存
在しているか否かを判断するために用いられており、図
１に模式的に示してあるように、比較器１４によって、
アクセス要求されたアドレスと比較され、掃出制御装置
１６は、比較器１４から入力される信号によって、アク
セス要求されたデータがキャッシュメモリ内に存在して
いるか否かを判断する。

【００２６】また、各エントリの優先度情報２４として
は、そのエントリに記憶されたデータが属するファイル
に対して、優先度テーブル内に設定されている優先度情
報が記憶される。なお、実施例のディスクキャッシュ装
置における各優先度情報２４の設定は、掃出制御装置１
６が、アクセス要求されたデータをエントリに書き込む
際に行われ、掃出制御装置１６は、優先度テーブル１３
から入力される優先度情報を、データを書き込んだエン
トリの優先度情報として設定する。

【００２７】以下、実施例のディスクキャッシュ装置の
動作手順を詳細に説明する。まず、読み出し要求に対す
る応答手順の説明を行う。

【００２８】図４に、データの読み出し要求がなされた
ときの、実施例のディスクキャッシュ装置の応答処理の
流れ示す。読み出し要求がなされた場合、ディスクキャ
ッシュ装置は、まず、キャッシュメモリ内に該当するデ
ータが存在しているか否かを判断（ステップＳ１０１）
し、該当するデータがキャッシュメモリに記憶されてい
た場合（Ｙ）には、そのデータが記憶されているエント
リが最も新しくアクセスされたものとなるように、タグ
テーブルの内容（ＬＲＵ順位）を更新（ステップＳ１１
０）する。そして、そのデータをホスト装置へ転送（ス
テップＳ１１１）して、応答処理を終了する。

【００２９】該当するデータがキャッシュメモリに記憶
されていない場合（ステップＳ１０１；Ｎ）、タグメモ
リ内の有効／無効フラグの内容を検証することによっ
て、空エントリが存在しているか否かを判断（ステップ
Ｓ１０２）、存在している場合（Ｙ）には、要求されて
いるデータをディスク装置から読み出して、その空きエ
ントリに格納（ステップＳ１０９）する。そして、タグ
テーブルの内容を更新（ステップＳ１１０）するととも
に、そのデータをホストへ転送（ステップＳ１１１）
し、読出要求に対する応答処理を終了する。

【００３０】また、空エントリが存在していない場合
（ステップＳ１０２；Ｎ）には、ＬＲＵ順位情報を基
に、ＬＲＵ順位が最下位の（最も過去にアクセスされ
た）エントリを検索（ステップＳ１０３）する。そし
て、そのエントリの優先度が、タグメモリ内の優先度の
最低値であった場合（Ｙ）には、その最下位エントリの
掃き出し（ステップＳ１０５）を行う。また、最下位エ
ントリの優先度が、タグメモリ内の優先度の最低値でな
かった場合（ステップＳ１０４；Ｎ）には、次位のエン
トリを検索（ステップＳ１０６）して、そのエントリの
優先度が最低優先度となっているか否かを判断（ステッ
プＳ１０７）する。そして、ステップＳ１０６、Ｓ１０
７の処理を、優先度が最低優先度となっているエントリ
が見いださるまで繰り返し、見いだされたエントリの掃
き出しを行う（ステップＳ１０８）。

【００３１】なお、掃出制御装置内には、各優先度に対
して、その優先度のデータが格納されているエントリ数
が記憶されたテーブルが用意されており、優先度の最低
値は、そのテーブルの内容によって判断される。また、
ステップＳ１０５、Ｓ１０８では、変更有無フラグが変
更されていることを示すものであった場合には、そのデ
ータをディスク装置に書き込む処理が行われ、変更され
ていないことを示すものであった場合には、単に、その
エントリを空エントリとする処理が行われる。

【００３２】空エントリがなかった場合には、掃出制御
装置は、これらステップＳ１０５ないしＳ１０８の処理
で形成された空エントリに、ディスク装置から読み出し
たデータを格納（ステップＳ１０９）し、タグテーブル
の内容を更新（ステップＳ１１０）する。そして、その
データをホストへ転送（ステップＳ１１１）して処理を
終了する。

【００３３】図５に、書き込み要求がなされた場合の応
答処理の流れを示す。書き込み要求がなされた場合、デ
ィスクキャッシュ装置は、キャッシュメモリ内に該当す
るデータが存在しているか否かを判断（ステップＳ２０
１）する。

【００３４】そして、該当するデータがキャッシュメモ
リに記憶されていた場合（ステップＳ２０１；Ｙ）に
は、そのエントリに書込要求されているデータを格納
（ステップＳ２０９）し、そのエントリが最も新しくア
クセスされたものとなるように、タグテーブル内のＬＲ
Ｕ順位を変更するとともに、そのエントリの変更有無フ
ラグを変更されたことを示すものに書き換えて（ステッ
プＳ２１０）、書込要求に対する応答処理を終了する。

【００３５】該当するデータがキャッシュメモリに記憶
されていない場合（ステップＳ２０１；Ｎ）、タグメモ
リ内の有効／無効フラグの内容を検証することによっ
て、空エントリが存在しているか否かを判断（ステップ
Ｓ２０２）、存在している場合（Ｙ）には、その空きエ
ントリに、書込要求されているデータを格納（ステップ
Ｓ２０９）し、タグテーブルの内容を更新（ステップＳ
２１０）する。

【００３６】また、空エントリが存在していない場合
（ステップＳ２０２；Ｎ）には、ＬＲＵ順位情報を基
に、ＬＲＵ順位が最下位の（最も過去にアクセスされ
た）エントリを検索（ステップＳ２０３）する。そし
て、そのエントリの優先度が、タグメモリ内の優先度の
最低値であった場合（ステップＳ２０４；Ｙ）には、そ
の最下位エントリの掃き出し（ステップＳ２０５）を行
う。また、最下位エントリの優先度が、タグメモリ内の
優先度の最低値でなかった場合（ステップＳ２０４；
Ｎ）には、次位のエントリを検索（ステップＳ２０６）
して、そのエントリの優先度が最低優先度となっている
か否かを判断（ステップＳ２０７）する。そして、ステ
ップＳ２０６、Ｓ２０７の処理を、優先度が最低優先度
となっているエントリが見いださるまで繰り返し、見い
だされたエントリの掃き出しを行う（ステップＳ２０
８）。

【００３７】そして、掃き出しを行ったエントリに、書
込要求されているデータを格納（ステップＳ２０９）
し、タグメモリの内容を更新（ステップＳ２１０）す
る。

【００３８】このような手順で動作する実施例のディス
クキャッシュ装置では、高い優先度が与えられているフ
ァイルに関するデータは、その優先度より低い優先度が
与えられているファイルのデータがキャッシュメモリ上
に存在している場合には、掃き出し対象となることがな
い。このため、たとえば、割込処理に必要とされるファ
イルに高い優先度を与えておけば、割込処理が実際に行
われる際に、必要なデータがキャッシュメモリ上に存在
する確率が高くなる。

【００３９】実施例のディスクキャッシュ装置は、優先
度をファイル単位で設定するように構成してあるが、デ
ィスク装置から１回に読み出されるデータ単位で設定す
るように構成することも可能である。しかし、このよう
に構成した場合には、アドレスと優先度の関係を記憶す
る大きなテーブルが必要となるので、実施例のように、
ファイル単位で優先度を設定するようにした方が、ディ
スクキャッシュ装置の構成自体は簡単なものとなる。

【００４０】また、実施例のディスクキャッシュ装置
は、ＬＲＵアルゴリズムを併用して、掃出制御を行うも
のであるが、優先度情報と組み合わせて用いるアルゴリ
ズムは、ＦＩＦＯ等の他のキャッシングアルゴリズムで
あっても良い。なお、実施例のディスクキャッシュ装置
では、優先度が最も低いエントリを掃き出すように構成
してあるが、たとえば、キャッシュメモリ内に記憶され
ているファイルに関する優先度の平均値などによって基
準優先度を定めておいて、その基準優先度より、低い優
先度のデータが記憶されている場合には、優先度が最も
低くなくとも、そのエントリが選択されるように装置を
構成してもよい。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の発
明のように、ディスク装置のアドレス単位で優先度が設
定でき、その優先度に応じて、掃出を行うエントリを選
択するようにディスクキャッシュ装置を構成すれば、ア
クセス頻度が少なくとも、優先度の高いデータがキャッ
シュメモリ上に残るようになり、たとえば、割込処理時
のキャッシュヒット率を向上させることができるように
なる。

【００４２】また、請求項２記載の発明のように、優先
度をファイル単位で設定するように構成した場合には、
請求項１記載の発明と比べて、簡単な構成で、たとえ
ば、割込処理などの優先度の高い処理時のキャッシュヒ
ット率を向上させることができることになる。

【００４３】そして、請求項３記載の発明のように、各
エントリが使用されていない時間の大小関係をも用い
て、掃き出しを行うエントリの選択を行うように構成し
た場合には、さらに、ディスクキャッシュ装置の総合的
な効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例によるディスクキャッシュ
装置の概要を示す構成図である。

【図２】 実施例のディスクキャッシュ装置内に設けら
れる優先度テーブルの概要を示す説明図である。

【図３】 実施例のディスクキャッシュ装置のタグメモ
リ内に記憶される情報の概要を示す説明図である。

【図４】 実施例のディスクキャッシュ装置における、
読み出し要求に対する応答処理の流れを示す流れ図であ
る。

【図５】 実施例のディスクキャッシュ装置における、
書き込み要求に対する応答処理の流れを示す流れ図であ
る。

【符号の説明】

１１…ディスクキャッシュ装置、１２…キャッシュメモ
リ、１３…優先度テーブル、１４…比較器、１５…タグ
メモリ、１６…掃出制御装置、１７…ホストインタフェ
ース、１８…ディスクインタフェース、２１…有効／無
効フラグ、２２…変更有無フラグ、２３…ＬＲＵ順位、
２４…優先度情報、２５…アドレス、２６…ファイル識
別子、３１…ホスト装置、３２…ディスク装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク装置内のデータを一時的に記憶
   するための複数個のエントリを有するキャッシュメモリ
   と、 アクセスを行うそれぞれのデータに対して設定される優
   先度情報を、そのデータのディスク装置内でのアドレス
   と対応づけて記憶する優先度記憶手段と、 前記キャッシュメモリの各エントリを管理するための管
   理情報として、そのエントリに記憶されたデータのディ
   スク装置内におけるアドレスと、そのアドレスに対して
   設定されている優先度情報を記憶する管理情報記憶手段
   と、 読み出しを要求されたアドレスのデータが前記キャッシ
   ュメモリ内に記憶されていない場合に、前記管理情報報
   記憶手段に記憶されている優先度情報を基に、低い優先
   度が与えられているデータが記憶されたエントリを選択
   して、そのエントリの内容を掃き出す掃出手段と、 読み出しを要求されたアドレスのデータをディスク装置
   から読み出して、そのデータをこの掃出手段によって掃
   き出されたエントリに書き込むとともに、読み出しに用
   いたアドレスとそのアドレスに対応づけて前記優先度記
   憶手段に記憶されている優先度情報を、そのエントリに
   関する管理情報として前記管理情報記憶手段に記憶させ
   るデータ更新手段とを具備するディスクキャッシュ装
   置。
2. 【請求項２】 ディスク装置内のデータを一時的に記憶
   するための複数個のエントリを有するキャッシュメモリ
   と、 アクセスを行うそれぞれのファイルに対して設定される
   優先度情報を、ファイル識別子と対応づけて記憶する優
   先度記憶手段と、 前記キャッシュメモリの各エントリを管理するための管
   理情報として、そのエントリに記憶されたデータのディ
   スク装置内におけるアドレスと、そのデータが属するフ
   ァイルに対して設定されている優先度情報を記憶する管
   理情報記憶手段と、 受信したアクセス要求情報を基に読み出すべきデータの
   ディスク装置内でのアドレスと、そのデータが属するフ
   ァイルのファイル識別子を判別する判別手段と、 この判別手段によって判別されたアドレスのデータが前
   記キャッシュメモリ内に記憶されていない場合に、前記
   管理情報報記憶手段に記憶されている優先度情報を基
   に、低い優先度が与えられているファイルに関するデー
   タが記憶されたエントリを選択して、そのエントリの内
   容を掃き出す掃出手段と、 前記判別手段によって判別されたアドレスのデータをデ
   ィスク装置から読み出して、そのデータをこの掃出手段
   によって掃き出されたエントリに書き込むとともに、そ
   のアドレスおよび前記優先度記憶手段に記憶されてい
   る、前記判別手段によって判別されたファイル識別子に
   応じた優先度情報を、そのエントリに関する管理情報と
   して前記管理情報記憶手段に記憶させるデータ更新手段
   とを具備するディスクキャッシュ装置。
3. 【請求項３】 ディスク装置内のデータを一時的に記憶
   するための複数個のエントリを有するキャッシュメモリ
   と、 アクセスを行うそれぞれのファイルに対して設定される
   優先度情報を、ファイル識別子と対応づけて記憶する優
   先度記憶手段と、 前記キャッシュメモリの各エントリを管理するための管
   理情報として、そのエントリに記憶されたデータのディ
   スク装置内におけるアドレスと、そのデータが属するフ
   ァイルに対して設定されている優先度情報と、そのエン
   トリがアクセスされていない時間と他のエントリがアク
   セスされていない時間の大小関係に応じて付けられる順
   序情報を記憶する管理情報記憶手段と、 受信したアクセス要求情報を基に読み出すべきデータの
   ディスク装置内でのアドレスと、そのデータが属するフ
   ァイルのファイル識別子を判別する判別手段と、 この判別手段によって判別されたアドレスのデータが前
   記キャッシュメモリ内に記憶されていない場合に、前記
   管理情報報記憶手段に記憶されている優先度情報を基
   に、低い優先度が与えられているファイルに関するデー
   タが記憶されたエントリのなかから、前記順序情報を基
   に、アクセスされていない時間が最も長いエントリを選
   択して、そのエントリの内容を掃き出す掃出手段と、 前記判別手段によって判別されたアドレスのデータをデ
   ィスク装置から読み出して、そのデータをこの掃出手段
   によって掃き出されたエントリに書き込むとともに、そ
   のアドレスおよび前記優先度記憶手段に記憶されてい
   る、前記判別手段によって判別されたファイル識別子に
   応じた優先度情報を、そのエントリに関する管理情報と
   して前記管理情報記憶手段に記憶させるデータ更新手段
   とを具備するディスクキャッシュ装置。