JPH08114603A - 乾式分析フィルム用カートリッジ及びフィルム取出装置 - Google Patents

乾式分析フィルム用カートリッジ及びフィルム取出装置

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JPH08114603A
JPH08114603A JP25090794A JP25090794A JPH08114603A JP H08114603 A JPH08114603 A JP H08114603A JP 25090794 A JP25090794 A JP 25090794A JP 25090794 A JP25090794 A JP 25090794A JP H08114603 A JPH08114603 A JP H08114603A
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JP
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film
shutter
cartridge
dry
take
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JP25090794A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Seto
義弘 瀬戸
Kaoru Terajima
薫 寺島
Seiichi Watanabe
清一 渡辺
Taiji Fujisaki
泰司 藤嵜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カートリッジの箱体内に収容した乾式分析フ
ィルムが落下衝撃等で取出口から飛び出すのを簡易な構
造で防止する。 【構成】 乾式分析フィルム1を複数積層して収容する
箱体11の一端に乾式分析フィルム1を取り出すための取
出口14を設け、この取出口14に一部が突出して乾式分析
フィルム1の飛び出しを防止し、乾式分析フィルム1を
取り出す際には移動して前記取出口14を開いて乾式分析
フィルム1の取り出しを可能にするシャッター7を前記
箱体11に設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液、尿等の試料液に
含まれる所定の生化学物質・化学物質との化学反応、生
化学反応又は免疫反応等により光学濃度変化を生じる試
薬層を有する乾式分析フィルムを収容し、この乾式分析
フィルムが順次取出口から取り出される乾式分析フィル
ム用カートリッジ及びそのカートリッジよりのフィルム
取出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、試料液の小滴を点着供給するだけ
でこの試料液中に含まれている特定の化学成分の含有量
又はその活性値、あるいは有形成分の含有量を定量分析
することのできる乾式の一体型多層分析フィルム(多層
分析要素、多層分析素子とも称される)が開発され実用
化されている。また、濾紙タイプの試験片やそれを改良
した単層又は多層の試験片も提案され、一部は実用化さ
れている。
【0003】このような乾式分析フィルムを用いて試料
液中の化学成分等の定量的な分析を行うには、試料液を
乾式分析フィルムに展開層を有するものでは展開層に、
展開層を有しないものでは直接試薬層に点着させた後、
これをインキュベータ(恒温器)内で所定時間恒温保持
(インキュベーション)して呈色反応(色素生成反応又
は指示薬色素の変色反応)させ、次いで試料液中の所定
の生化学物質と乾式分析フィルムに含まれる試薬との組
み合わせにより予め選定された波長を含む測定用照射光
をこの乾式分析フィルムに照射してその光学濃度を測定
し、この光学濃度から、あらかじめ求めておいた光学濃
度と所定の生化学物質の物質濃度との対応を表わす検量
線を用いて前記試料液中の所定の生化学物質の物質濃度
(含有量)又は活性値を求めるものである。
【0004】ところで、前記一体型多層乾式分析フィル
ムは、有機ポリマーからなる支持体の上に試薬を含有し
た試薬層を少なくとも1層、さらに好ましくは試薬層の
上側に展開層を設けた構成を有するものであり、正方
形、矩形などの所定の形状の乾式分析フィルム片に形成
される。そして自動操作のために、前記乾式分析フィル
ム片を有機ポリマー製のマウントによって挾持した化学
分析スライドとして実用化されている。また、本件発明
者らは、前記マウントを有しない乾式分析フィルム片を
直接カートリッジに装填し、このカートリッジを生化学
分析装置のフィルム供給装置に格納し、順次取り出して
測定を行う技術を提案している。
【0005】そして、前記乾式分析フィルムの収容及び
供給は、例えば、実公昭57−53271号公報(米国特許第
4,151,931 号明細書)等に見られるように、この乾式分
析フィルムを多数積層してカートリッジに収容し、この
カートリッジの上部には側面に開口する取出口が設けら
れ、横方向から作動する押出しブレードで最上段の乾式
分析フィルムを押し出して分析装置に供給するものであ
り、このカートリッジの乾式分析フィルムの底部には支
持部材がラチェット機構によって上動のみ可能に配設さ
れ、この支持部材を下方からのプランジャの作動によっ
て上昇させて順次取出口側に付勢するようにした技術が
開示されている。
【0006】また、カートリッジ内に収容した乾式分析
フィルムを弾性体又はスプリングによって付勢された押
え部材によって取出口の方向に押圧し、乾式分析フィル
ムを順次取出口から取り出すようにした技術も、例え
ば、特開平5−188058号公報、特開平1−87438(欧州特
許公開第 304 838号に対応)、欧州特許公開第 567 067
号に見られるように開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上述のよう
なカートリッジの構造では、内部に乾式分析フィルムを
積層収容し、搬送している際に落下等の各種衝撃が作用
したときに収容されている乾式分析フィルムが移動し
て、取出口の内部に進入して少し飛び出してしまう恐れ
がある。また、飛び出さなくても位置がずれると、その
後の乾式分析フィルムの取り出し、搬送機構による搬
送、測定が正常に行えなくなる恐れがある。
【0008】具体的には、前記カートリッジから乾式分
析フィルムが飛び出していると生化学分析装置などの保
管庫にセットする際にホルダー部に引っ掛かって傷がつ
いたり、正常な姿勢に格納できないことが懸念される。
さらに、カートリッジが格納できても位置のずれた乾式
分析フィルムが搬送途中で引っ掛かってジャムが生起す
る恐れがある。
【0009】さらに、乾式分析フィルムには前述のよう
に試料液を点着するものであるが、点着位置がずれると
試料液の展開に偏りが生じて測定時の測定範囲から外れ
た部分では測定されないことから、その測定精度は大き
く低下することになる。
【0010】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、搬送時などの衝撃で乾式分析フィルムが取出口から
飛び出すのを防止するシャッターを備えた乾式分析フィ
ルム用カートリッジを提供することを目的とするもので
ある。
【0011】また、前記乾式分析フィルム用カートリッ
ジから乾式分析フィルムを取り出すとともに前記シャッ
ターを開作動するフィルム取出装置を提供することを目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の乾式分析フィルム用カートリッジは、乾式分析
フィルムを複数積層して収容する箱体の一端に乾式分析
フィルムを取り出すための取出口を設け、この取出口に
一部が突出して乾式分析フィルムの飛び出しを防止し、
乾式分析フィルムを取り出す際には前記取出口を開いて
乾式分析フィルムの取り出しを可能にするシャッターを
設けたことを特徴とするものである。
【0013】また、前記シャッターの開作動を、生化学
分析装置へのカートリッジの装填時に行うように構成す
ることが可能である。さらに、前記シャッタの開作動
を、乾式分析フィルムの取り出しと連動して行うように
構成することが可能である。
【0014】一方、本発明のフィルム取出装置は、前記
シャッターを備えた乾式分析フィルム用カートリッジか
ら乾式分析フィルムを取り出すものにおいて、前記カー
トリッジの取出口に接離移動して乾式分析フィルムを保
持して取出口から取り出す保持手段を備え、前記保持手
段に連動して前記カートリッジのシャッターを開放作動
するシャッター開放手段を設置したことを特徴とするも
のである。
【0015】また、本発明の他のフィルム取出装置は、
前記シャッターを備えた乾式分析フィルム用カートリッ
ジから乾式分析フィルムを取り出すものにおいて、前記
カートリッジの取出口に接離移動して乾式分析フィルム
を保持して取出口から取り出す保持手段と、カートリッ
ジの位置決めを行うガイド手段とを備え、前記ガイド手
段に連動して前記カートリッジのシャッターを開放作動
するシャッター開放手段を設置したことを特徴とするも
のである。
【0016】
【作用】前記のような本発明の乾式分析フィルム用カー
トリッジでは、カートリッジの箱体内に乾式分析フィル
ムを収容した搬送時には、その取出口の少なくとも一部
を遮蔽するようにシャッターが閉じた状態にあり、1枚
目の乾式分析フィルムが取出口から飛び出すのを規制す
ることで、搬送時の落下等の各種衝撃がカートリッジに
作用しても乾式分析フィルムは取出口から突出すること
がなく、正規位置に保持されるものである。
【0017】そして、使用に際して前記カートリッジを
生化学分析装置の保管庫などにセットする動作に伴っ
て、または、カートリッジから乾式分析フィルムを取り
出す動作に伴って、前記シャッターが移動して取出口の
遮蔽状態を開放して、カートリッジからの乾式分析フィ
ルムの取り出しを可能とするものであり、その時点まで
の乾式分析フィルムの飛び出しを防止しているので、こ
のカートリッジを生化学分析装置等の保管庫へのセット
時に引っ掛かったりすることなく格納できる。また、位
置ずれのない乾式分析フィルムを取り出すことによっ
て、正常な搬送が行えるとともに、最初の乾式分析フィ
ルムについても正確な測定が行えるものであり、高い信
頼性が得られるようにしている。
【0018】また、前記シャッターの開作動を、カート
リッジを保管庫等の格納位置への装填又は乾式分析フィ
ルムの取り出しに伴って行うようにしたものでは、カー
トリッジの装填動作又はフィルム取り出し動作に応じて
シャッターが自動的に移動して開放することで別途の開
放操作を不要としている。
【0019】一方、前記のような本発明のフィルム取出
装置では、シャッターを備えた乾式分析フィルム用カー
トリッジの取出口に接離移動する保持手段によって乾式
分析フィルムを保持して取出口から取り出すについて、
この保持手段に連動して移動するシャッター開放手段に
よってカートリッジのシャッターを開放作動し、シャッ
ターによる乾式分析フィルムの飛び出し防止機能を解除
して前記保持手段による乾式分析フィルムの取り出しを
可能とするものである。
【0020】また、他のフィルム取出装置では、シャッ
ターを備えた乾式分析フィルム用カートリッジの取出口
に接離移動する保持手段によって乾式分析フィルムを保
持して取出口から取り出すについて、前記カートリッジ
の位置決めを行うガイド手段に連動して移動するシャッ
ター開放手段によってカートリッジのシャッターを開放
作動して同様に乾式分析フィルムの取り出しを可能とす
るものである。
【0021】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の各実施例
を説明する。
【0022】<実施例1>図1は本例のシャッターを備
えた乾式分析フィルム用カートリッジの外観斜視図、図
2は図1のA−A線に沿う縦断面図、図3は前記カート
リッジから乾式分析フィルムを取り出すとともにシャッ
ターを開作動する状態を示す縦断面図である。さらに、
図4はシャッターの開作動を説明する要部正面図、図5
は乾式分析フィルムの取り出し状態を示す要部底面斜視
図である。また、図3乃至図5にはフィルム取出装置を
併記している。なお、本例のシャッターはフィルム取出
装置によって開作動する例である。
【0023】本例のカートリッジ10は、乾式分析フィル
ム1を多数枚積み重ねた状態で収容する角筒状の分割箱
体11で構成され、この箱体11の一端(上端)が開口して
挿入口となり、この開口が蓋部材12の装着によって閉塞
される。
【0024】また、前記箱体11の他の一端(最下部)に
は、乾式分析フィルム1を取り出すための取出口14が形
成されている。この取出口14は、箱体11の一側壁面11a
に開口する1枚の乾式分析フィルム1が挿通可能な第1
開口部14a と、底面に開口する前記乾式分析フィルム1
を吸引保持するフィルム取出装置5の保持手段としての
取出用吸盤15(図3参照)が進入する第2開口部14b と
で形成されている。前記第2開口部14b は図5にも示す
ように、前記一側壁面11a の下端部で第1開口部14a と
連続して形成されている。
【0025】なお、前記カートリッジ10に収容される乾
式分析フィルム1の厚さは測定項目(測定対照成分又は
アナライトの名称)に応じて異なる場合があり、それに
応じて取出口14から確実に1枚のみ取り出せるようにそ
の第1開口部14a の寸法が異なって形成される。すなわ
ち、図4(C)に示すように、第1開口部14a の両側の
下面係止部aと、その内側の上面規制部bとの間の乾式
分析フィルム1の厚さ方向のクリアランスを通って乾式
分析フィルム1が取り出されるものであり、前記クリア
ランスは乾式分析フィルム1の1枚の厚さより大きく、
2枚の厚さより小さく設定されている。
【0026】そして、前記取出口14の第1開口部14a に
対し、その第1開口部14a の乾式分析フィルム1が通過
する通路の一部に突出するシャッター7が配設されてい
る。またこのシャッター7は前記乾式分析フィルム1が
通過する通路と干渉しない位置に移動可能に設けられて
いる。
【0027】前記シャッター7の具体的構造は、図4に
示すように、前記取出口14の第1開口部14a の中央部上
方に凹部11j が形成され、この凹部11j の下端部に両端
部が薄肉連結部7bで連結された両側の棒状揺動部材によ
るシャッター本体7aが中央部分の薄肉連結部7cによって
連結されている。両側のシャッター本体7aはそれぞれの
両端の薄肉連結部7b,7c間の距離の合計が、前記凹部11
j の開口幅より大きく形成され、閉鎖状態(図4A参
照)では中央部分が両端の薄肉連結部7bを結ぶ直線より
下方に変位して、第1開口部14a の乾式分析フィルム1
の取出し通路に干渉して、内部に収容した乾式分析フィ
ルム1の取り出しを不能として飛び出しを防止してい
る。
【0028】そして、前記シャッター7は下方からの中
央部分の上方への付勢により、両側のシャッター本体7a
は各薄肉連結部7b,7cを支点とした揺動及び各薄肉連結
部7b,7cの近傍部分の変形によって、両端の薄肉連結部
7bを結ぶ直線より上方に変位して取出口14の取り出し通
路を開放する開放状態(図4B参照)に移動するもので
あり、外力が作用しない限りこの状態を保持する。
【0029】前記箱体11の一側壁面11a には、両側に縦
リブ11c が形成され、両側の縦リブ11c の間に上から蓋
部材12の脚部12a を係止する開口部11d 、乾式分析フィ
ルム1の厚さに対応して選択的に1個が開口される3つ
の識別孔11e (開口されない孔は貫通しておらず薄い壁
が残るように形成されており、カートリッジに乾式分析
フィルム1を収容して組み立てる工程などの際に開口手
段により容易に開口される)がそれぞれ設けられる。ま
た、一側壁面11a の内壁面の両側にはラチェット歯11h
(図3参照)が縦方向に延びて形成されている。
【0030】また、箱体11の反対側の他側壁面11b に
は、両側の縦方向に縦リブ11f が形成され、この他側壁
面11b の縦リブ11f は前記一側壁面11a の縦リブ11c よ
り幅は広いが高さは低く形成されている。そして、両側
の縦リブ11f の間に上から蓋部材12の脚部12a を係止す
る開口部11d 、一側壁面11a の前記識別孔11e に対応し
た長円形の透孔11g がそれぞれ設けられる。また、他側
壁面11b の内壁面の両側にもラチェット歯11h が縦方向
に延びて形成されている。
【0031】なお、前記箱体11は成形時には2分割構造
であるが、乾式分析フィルム1の収容時には両分割体は
融着されて一体の箱体11として構成され、分割線は現出
しているが分割不能となっている。さらに、前記箱体11
の分割線が見えてる側面部分には、このカートリッジ10
に収納される乾式分析フィルム1の製造ロット、測定項
目、使用期限、特性等のいずれかを表わす情報を有する
バーコード等のデータ記録部(図示せず)が付設され
る。
【0032】一方、前記箱体11の内部には、乾式分析フ
ィルム1を取出口14の方向に付勢するフィルム押え機構
16(図2、図3参照)が設置される。フィルム押え機構
16は、前記取出口14と反対側から摺動可能に配設され前
記乾式分析フィルム1に接触し取出口14の方向に押える
押え部材17a を有する押え手段17と、押え部材17a を取
出口14の方向に付勢するスプリング18と、スプリング18
の他端を担持するとともに箱体11に係合して取出口14と
反対方向への移動を規制するストッパー19とを備えてい
る。
【0033】前記押え手段17は、平板状の押え部材17a
の背部に軸体17b が突設されている。この軸体17b は断
面が角を丸めた長方形(又は正方形)であり、ストッパ
ー19から突出する先端部分が箱体11に挿入する際の保持
部17c に設けられ、この保持部17c には貫通孔17d が開
口されている。
【0034】一方、前記ストッパー19は、前記軸体17b
と摺動可能な摺動体19a と、この摺動体19a の一端に横
方向に延びてスプリング18の一端を担持するスプリング
受け19b と、前記スプリング受け19b に連接された係止
部19c とを有している。この係止部19c の先端には外方
向に突出する爪部19d が設けられ、この爪部19d が前記
箱体11の内壁面のラチェット歯11h に係合される。
【0035】前記スプリング18は、一端が押え部材17a
の背面に当接し、他端がスプリング受け19b の背面に当
接した状態で縮装される。そして、箱体11の内部に組み
込まれる以前の状態は、スプリング18を圧縮して軸体17
b の保持部17c を、ストッパー19の摺動体19a から突出
させて、その貫通孔17d に図示しない治具が挿通され、
フィルム押え機構16が組立部品にユニット化された状態
で保持される。
【0036】前記カートリッジ10に収納される乾式分析
フィルム1は、図6に示すように、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)やポリスチレン等の有機ポリマシー
ト等のプラスチックシートからなる光透過性の支持体2
上に試薬層3を塗布又は接着等により設け、この上に展
開層4をラミネート法等により積層したフィルム片(チ
ップ)であり、従来の化学分析スライドにおけるマウン
トに相当するものは有していない。
【0037】前記試薬層3はゼラチン等の親水性ポリマ
バインダ又は多孔性層の中にアナライトに選択的に反応
する検出試薬及び発色反応に必要な試薬(化学分析試薬
又は免疫分析試薬)成分が含まれる少なくとも1つの層
で構成されている。また、前記展開層4は外部との間で
コスレに強い材料例えばポリエステル等の合成繊維から
なる織物布地や編み物布地、天然繊維と合成繊維との混
紡による織物布地、編み物布地、不織布等若しくは紙か
ら構成されて保護層として機能するとともに、この展開
層4上に点着された試料液を試薬層3上に一様に供給し
得るように展延する。
【0038】この乾式分析フィルム1は常湿状態では、
図6(A)に示すように平面に近い形状に形成される。
しかしながら、乾式分析フィルム1は保管時においては
化学反応を進行させないように乾燥環境下(たとえば湿
度が20%以下)に配設されるため、展開層4を内側にし
て湾曲した形状となる。すなわち図6(B)に示すよう
な一方向にのみ湾曲した形状、図6(C)に示すような
複数方向に湾曲した形状となる。
【0039】一方、前記カートリッジ10から乾式分析フ
ィルム1を取り出すフィルム取出装置5は、図3及び図
4に示すように、乾式分析フィルム1を保持する保持手
段としての取出用吸盤15を備えて横方向に取り出すもの
である。すなわち、軸状の搬送部材20の上端部に取出用
吸盤15が固着され、この取出用吸盤15には吸引通路が接
続されて内部の減圧が搬送部材20の移動に対応して制御
される。前記搬送部材20は、昇降及び左右移動可能に図
示しない搬送機構に保持され、カートリッジ10内の乾式
分析フィルム1の中心と取出用吸盤15の中心とが一致す
るフィルム取出位置では、上昇移動してカートリッジ10
内の最下段の乾式分析フィルム1に取出用吸盤15が当接
し若干乾式分析フィルム1を持ち上げるように押圧した
状態で吸着した後、若干下降移動して吸着した乾式分析
フィルム1を下方に湾曲変形させた状態で横方向に第1
開口部14a の方向に移動して、乾式分析フィルム1を第
1開口部14a を通して取り出すように作動するものであ
る。
【0040】そして、前記搬送部材20には、取出用吸盤
15と一体に移動し前記シャッター7を開放作動するシャ
ッター開放手段としての開放部材21が取り付けられてい
る。この開放部材21は、前記搬送部材20に固着された基
部21a と、シャッター7に当接する押圧部21b とを有
し、押圧部21b は搬送部材20が前記フィルム取出位置に
ある際にシャッター7の下方に位置し、その上端部はシ
ャッター本体7aの中央部分を押圧する幅に形成されてい
る。また、押圧部21b の高さは取出用吸盤15が上昇して
乾式分析フィルム1を吸着した図3及び図5Bの状態
で、シャッター本体7aに接触して第1開口部14a より上
方に押し上げる位置に形成されている。
【0041】前記のようなカートリッジ10には乾式分析
フィルム1及びフィルム押え機構16が収納されるもので
あり、その収納後の搬送状態においては、シャッター7
は閉じられた状態にある。
【0042】まず、乾式分析フィルム1の収納を説明す
れば、角筒状に接合された箱体11に対し、例えば 100枚
又は50枚程度の所定枚数の乾式分析フィルム1を積層し
て蓋部材12が外された開口から収容する。その際、各乾
式分析フィルム1の間には前記湾曲形状に応じて若干の
空隙が形成されて、全体として圧縮方向に弾性を有する
ことになる。
【0043】一方、治具等に組立部品状態で支承されて
いるフィルム押え機構16を、その保持部17c を組立手段
(ロボットハンド)によって掴んで保持して前記箱体11
に挿入し、そのストッパー19の係止部19c の爪部19d を
箱体11のラチェット歯11h に係合させつつ内部に押し込
み、押え部材17a が乾式分析フィルム1に接触するかそ
れ以前の状態で、前記保持部17c の掴みを解放し、その
後蓋部材12を装着してなる。保持が解放されたフィルム
押え機構16は、スプリング18の付勢力によって押え手段
17が移動し、押え部材17a の押圧面が乾式分析フィルム
1に接触してこれを押圧する。なお、初期の収容状態で
乾式分析フィルム1の厚さが異なる場合、収容枚数が異
なる場合には、それぞれの乾式分析フィルム1の全体の
収納高さに応じてストッパー19の係合位置を調整するも
のである。
【0044】上記の収納状態では、シャッター7は図1
及び図4(A)に示すように、シャッター本体7aが取出
口14の第1開口部14a 内に突出する閉じた状態にある。
この状態でカートリッジ10は搬送され、その取扱中に落
下等の各種衝撃が作用しても乾式分析フィルム1はシャ
ッター7によって取出口14の第1開口部14a の内部への
移動が阻止され、乾式分析フィルム1の飛び出しを防止
している。
【0045】一方、前記のようなカートリッジ10は前記
シャッター7を閉じたまま生化学分析装置等の保管庫に
挿入される。そして、前記フィルム取出装置5によって
カートリッジ10から乾式分析フィルム1を取り出す際
に、その開放部材21によって前記シャッター7が開放作
動される。
【0046】すなわち、図4(A)のようにシャッター
7を閉じた状態にあるカートリッジ10に対し、フィルム
取出装置5がフィルム取出位置に移動してから、乾式分
析フィルム1を吸着するべく搬送部材20を上昇すると、
取出用吸盤15が乾式分析フィルム1に当接する以前に開
放部材21の押圧部21b の上端がシャッター7の下端部に
当接し、このシャッター7を押し上げる。押圧部21b に
よって押し上げられたシャッター7は、両側のシャッタ
ー本体7aが薄肉連結部7b,7cによって揺動して図4
(B)のように上方の開放位置に移動する。
【0047】前記シャッター7の開放移動により取出口
14の第1開口部14a が開放され、取出用吸盤15は乾式分
析フィルム1を吸着保持し、その後は、前述のように若
干下降移動してから横方向に移動して乾式分析フィルム
1を取り出すものである。一度乾式分析フィルム1が取
り出されると、図4(C)に示すように、前記シャッタ
ー7は開放位置に保持される。
【0048】図7は図1のシャッターの変形例を示すも
のであり、本例のシャッター24は弾性を有する薄い板部
材で構成され、その両端がカートリッジ10の箱体11にお
ける第1開口部14a の上端に形成された前記凹部11j の
下端に連結部24a を介して連結されている。このシャッ
ター24の板部材の長さは凹部11j の幅より長く形成され
て湾曲状態に保持され、下方に湾曲した実線で示す状態
が第1開口部14a の内部に突出して、その取出通路の一
部と干渉して乾式分析フィルム1の飛び出しを阻止する
閉鎖状態であり、上方に湾曲した鎖線で示す状態が第1
開口部14a との干渉を解除した開放状態であり、閉鎖状
態から開放状態への移動は、前記と同様のフィルム取出
装置5の開放部材21の押圧部21b の作動によって、乾式
分析フィルム1の取り出しと連係して行われる。
【0049】図8はシャッターのさらに他の変形例を示
すものであり、本例のシャッター25は、板部材によるシ
ャッター本体25a は上部が弾性連結部25b を介してカー
トリッ21622162ジ10の箱体11に連結され、前記
弾性連結部25b はシャッター本体25a の上部両端と箱体
11とを連結するパンタグラフ状に設けられ、シャッター
本体25a の上下移動が可能である。箱体11には前記弾性
連結部25b の張出変形を許容する空間11k が形成され、
さらに、前記シャッター本体25a の上端には係合突起25
c が、対向する箱体11には係合凹部11m がそれぞれ形成
され、シャッター本体25a が開放位置に移動した際に係
合突起25c と係合凹部11m とが係合して開放状態を維持
するように構成されている。
【0050】このシャッター25のシャッター本体25a
が、図示のような下方に位置して第1開口部14a の内部
に突出した状態が、乾式分析フィルム1の飛び出しを阻
止する閉鎖状態であり、弾性連結部25b を変形させて上
方に押し上げられた状態が第1開口部14a との干渉を解
除した開放状態であり、閉鎖状態から開放状態への移動
は、前記と同様のフィルム取出装置5の開放部材21の押
圧部21b の作動によって、乾式分析フィルム1の取り出
しと連係して行われる。
【0051】なお、前記開放部材21は、フィルム取出装
置5から分離して生化学分析装置の保管庫におけるカー
トリッジ10を格納するホルダー部に設置し、このカート
リッジ10の装填操作すなわち押し込み操作に応じて前記
シャッター7,24,25に接触して開作動するように設け
てもよい。
【0052】また、前記開放部材21は、取出用吸盤15に
取り付けられていなくとも、取出用吸盤15の移動に連動
してシャッター開放作動が行われるように設ければよ
い。
【0053】<実施例2>図9乃至図11に本例のシャ
ッターを備えたカートリッジとフィルム取出装置を示し
ている。
【0054】本例のカートリッジ10の基本構造は前例と
同様であり、底部には第1開口部14a と第2開口部14b
とによる取出口14が設けられている。そして、このカー
トリッジ10の一側壁面11a に第1開口部14a を開閉する
シャッター31が摺動可能に配設されるとともに、このカ
ートリッジ10の一側壁面11a にはシャッター31の摺動を
案内する縦溝11n が形成されている。
【0055】前記シャッター31は、前記第1開口部14a
に出没するシャッター本体31a と、前記箱体11の縦溝11
n 内を摺動する支持部31b と、開放位置と閉塞位置とを
保持する係止部31c とを備えている。前記シャッター本
体31a は第1開口部14a の前面部を移動可能な板部材で
構成され、その上端部が前記支持部31b の前下端部に連
接されている。支持部31b は縦溝11n を内方に貫通し、
内端の両側縁には縦方向に延び側方に突出した内案内部
31d が設けられ、支持部31b の上部前面には両側に広が
る外案内部31e が設けられ、この内案内部31d と外案内
部31e とにより箱体11の縦溝11n 側方の壁面を挟んで摺
動するように構成されている。さらに、前記外案内部31
e の上方に連接された係止部31c は、先端両側に形成さ
れた弾性片31f の先部に係止爪31g が突設され、一方、
前記箱体11の縦リブ11c は一部が除去されて上下の係止
凹部A,Bが設けられている。また、前記係止部31c の
係止爪31g の上下面は根元の平坦部を残して傾斜面に形
成されている。
【0056】前記のようなシャッター31は、箱体11に対
して第1開口部14a が形成された一側壁面11a の下端か
ら、支持部31b を縦溝11n 内に挿入して装着し、係止部
31cの係止爪31g が下方の係止凹部Bに係止した状態、
すなわち図9の状態がシャッター本体31a が第1開口部
14a に突出して閉塞した状態である。この状態では係止
爪31g の平坦部が縦リブ11c の端面に接触して多少の外
力が作用してもシャッター31は移動しない。
【0057】本例のフィルム取出装置33は、搬送部材20
の先端に乾式分析フィルム1を保持する保持手段として
の取出用吸盤15が固着され、シャッター31を開放作動す
るシャッター開放手段としての開放部材34が設置される
とともに、カートリッジ10の位置決めを行うガイド手段
を兼ねている。この開放部材34は、前記搬送部材20に固
着された基部34a と、シャッター31のシャッター本体31
a 端面に当接する押圧部34b と、箱体11の縦リブ11c を
ガイドするとともにシャッター31の係止部31cの係止爪3
1g に当接するガイド部材34c とを有している。前記押
圧部34b は前例と同様に取出用吸盤15がフィルム取出位
置にある際にシャッター31のシャッター本体31a の下方
に位置し、押圧部34b の高さは取出用吸盤15が上昇して
乾式分析フィルム1を吸着するまでに、シャッター本体
31a に接触して第1開口部14a より上方に押し上げる位
置に形成されている。
【0058】さらに、前記ガイド部材34c は前記基部34
a の両端にカートリッジ10の縦リブ11c の幅に対応して
棒状に延びて形成され、先端部が内側に傾斜した斜面に
形成されてる。このガイド部材34c は基本的にはカート
リッジ10の位置を取出用吸盤15の位置に合わせるガイド
手段としての作用を有するものであり、カートリッジ10
の両側の縦リブ11c のそれぞれ外面に摺接してカートリ
ッジ10の位置を調整するとともに、その上昇過程におい
て前記押圧部34b がシャッター本体31a に当接する前に
係止部31c の係止爪31g に接触して、この係止爪31g を
内方に変形させてその係止爪31g による係止状態を解除
する機能を有している。
【0059】本例の作用を説明すれば、箱体11にシャッ
ター31を装着するとともに乾式分析フィルム1を収納し
たカートリッジ10は、図9に示すように、前記シャッタ
ー31はそのシャッター本体31a が第1開口部14a に突出
して収納した乾式分析フィルム1の飛び出しを防止して
いる。この状態では前述のように係止爪31g と縦リブ11
c の端面との当接によって落下衝撃が作用しても、シャ
ッター31の移動が生起せず、乾式分析フィルム1の飛び
出しを阻止している。
【0060】前記のようなカートリッジ10は生化学分析
装置等の保管庫に挿入され、前記フィルム取出装置33に
よってカートリッジ10から乾式分析フィルム1を取り出
す際に、その開放部材34によって前記シャッター31が開
放作動される。
【0061】すなわち、図9のようにシャッター31の閉
じたカートリッジ10に対し、フィルム取出装置33がフィ
ルム取出位置に移動してから、取出用吸盤15によって乾
式分析フィルム1を吸着するべく搬送部材20を上昇する
と、まずガイド部材34c がカートリッジ10の縦リブ11c
を挟むように摺接してこのカートリッジ10の位置を修正
する。
【0062】前記ガイド部材34c がさらに上昇して先端
部が係止爪31g に接触すると、図11に示すように、両
者の斜面の接触によってこの係止爪31g が押し込まれる
ように係止部31c が内方に変形し、前記係止爪31g の上
面の平坦部分は縦リブ11c の端面より内方に移動し、こ
の状態で押圧部34の上端がシャッター本体31a の下端部
に当接して押し上げるものであり、係止爪31g の上面斜
面に縦リブ11c の端面が当接して係止部31c はさらに内
側に変形しつつ両者の係合が外れて、シャッター31は上
昇移動する。押圧部34b によって押し上げられたシャッ
ター31は、取出口14の第1開口部14a より上方の開放位
置に移動し、係止爪31g が上方の係止凹部Aに達すると
係止部31c が拡がるように変形が戻り、開放位置に保持
される。そして、前記取出用吸盤15は乾式分析フィルム
1を吸着保持し、若干下降移動してから横方向に移動し
て乾式分析フィルム1を取り出すものである。
【0063】なお、本例のシャッター開放手段は、乾式
分析フィルム1を保持する保持手段と一体に移動するカ
ートリッジ10のガイド手段に設けるようにしているが、
前記ガイド手段を乾式分析フィルム1を保持する保持手
段としての前記取出用吸盤15とは分離して構成し、別途
に移動するように設けたガイド手段にシャッター開放手
段を連動するように設置してもよい。また、乾式分析フ
ィルム1を取り出した空のカートリッジ10を前記ガイド
部材34c によって押し上げて排出するように構成しても
よい。
【0064】図12及び図13は、本実施例のシャッタ
ー及びカートリッジの変形例を示している。カートリッ
ジ10に形成された縦溝11p は、下端部が取出口14の第1
開口部14a に連通することなく閉じられており、また、
この縦溝11p は上方に長く形成され、その上半分の幅は
下半分の幅より広く形成されている。
【0065】一方、シャッター37は、前記縦溝11p を貫
通して上下方向に摺動する支持部37b を備え、この支持
部37b の下端部の内面側に下方に延びて第1開口部14a
に出没する板状のシャッター本体37a が設けられ、支持
部37b の前面側の上下に両側方に突出した外案内部37e
が、内面側の中間に両側方に突出した内案内部37d がそ
れぞれ設けられ、この外案内部37e と内案内部37d とに
より箱体11の縦溝11p側方の壁面を挟んで摺動するよ
うに構成されている。さらに、前記外案内部37eの上
方に連接された係止部37c は、左右に分岐して斜め上方
に延びる両側弾性片37f の先部に係止爪37g が突設さ
れ、この係止爪37g の形状は前記図9に示したものと同
様に形成され、前記縦リブ11c に形成された上下の係止
凹部A,Bに係止可能に設けられている。
【0066】なお、前記シャッター本体37a 及び内案内
部37d の幅は、前記縦溝11p の上部の広い幅より狭く、
下部の幅より広く形成され、上下の外案内部37e の幅は
縦溝11p の上部の幅より広く形成されている。
【0067】前記のようなシャッター37は、箱体11に対
してその縦溝11p の上部の幅の広い部分に、前記シャッ
ター本体37a 、内案内部37d 及び支持部37b を挿入さ
せ、両側の係止部37c を変形させつつ下方に摺動させ
て、図12に示すような縦溝11p下端部の閉鎖位置に移
動させて装着するものであり、その際、係止部37c の係
止爪37g が下方の係止凹部Bに係止している。前記シャ
ッター37の装着状態で乾式分析フィルム1を収納したカ
ートリッジ10は、シャッター本体37a が第1開口部14a
に突出して収納した乾式分析フィルム1の飛び出しを防
止している。
【0068】そして、前記シャッター37の開放作動は、
前記図9乃至図11に示したものと同様のフィルム取出
装置33を使用して行うものであり、生化学分析装置等の
保管庫に挿入されたカートリッジ10から乾式分析フィル
ム1を取り出す際に、その開放部材34によって開放作動
される。
【0069】すなわち、シャッター37の閉じたカートリ
ッジ10に対し、フィルム取出装置33のガイド部材34c が
箱体11の縦溝11c を挟むように摺接し、このガイド部材
34cの先端部が係止爪37g に接触すると係止部37c が内
方に変形し、押圧部34b の上端がシャッター本体37a の
下端部に当接してシャッター37を押し上げるものであ
る。
【0070】<実施例3>本例は図14に示し、カート
リッジの下方から乾式分析フィルム1を取り出すように
した例である。
【0071】カートリッジ40は、角筒状に箱体41が形成
され、その下端面に取出口42が開口されている。この取
出口42の4隅の部分には、収容した乾式分析フィルム1
の角部に係止する係止部43が設けられている。
【0072】前記係止部43は、乾式分析フィルム1の自
由落下を防止するとともに、取出用吸盤15によって吸着
された乾式分析フィルム1が下方に移動された際には、
この乾式分析フィルム1の隅角部の湾曲変形によって前
記係止部43を越えて下方に取り出し可能に設けられてい
る。
【0073】また、前記カートリッジ40の取出口42に
は、乾式分析フィルム1の飛び出しを防止するシャッタ
ー44が配設されている。このシャッター44は両側面に相
対向して形成され、基部44a が箱体41に弾性変形可能に
連接され、下方に延びる板状の弾性体44b が設けられ、
この弾性体44b の途中における前記取出口42の部分に
は、取出口42の内部に突出するシャッター本体44c が形
成されている。このシャッター本体44c は、弾性体44b
が外側に変形した際には、外側に変位して取出口42から
外れるように構成されている。前記弾性体44b の下端部
はテーパ面に形成されている。
【0074】一方、前記カートリッジ40が挿入される保
管庫のホルダー部には、その底部に前記シャッター44を
開放作動するためのシャッター開放手段としての開放部
材45が配設されている。この開放部材45は外側に傾斜し
た傾斜面45a を有し、この傾斜面45a は前記シャッター
44の弾性体44b の先端に当接してカートリッジ40が下降
する付勢力によって、前記弾性体44b を外側に変形させ
るものであり、この弾性体44b の変形に伴ってシャッタ
ー本体44c が取出口42から退避した位置に移動し開放状
態となる。その後、取出用吸盤15を上昇させて、乾式分
析フィルム1を吸着して下方に取り出すものである。
【0075】なお、前記シャッター開放手段としての開
放部材45は、取出用吸盤15を保持している搬送部材20に
固着して、乾式分析フィルム1の保持手段としての取出
用吸盤15と連動した上昇作動時にシャッター44を開作動
するように構成してもよい。また、前記シャッター44の
弾性体44b は一度開放操作されると、箱体41に対する連
接基部44a が折れて元に戻らず、常時取出口42を開放す
るように構成してもよい。
【0076】<実施例4>本例は図15及び図16に示
し、カートリッジの箱体の一部をシャッターに構成する
とともに、横方向に乾式分析フィルム1を取り出す例で
ある。
【0077】本例のカートリッジ50は、前方が開放した
後箱体51に対してその前側を覆う前箱体52が摺動可能に
配設されている。後箱体51は両側面に縦溝51a が形成さ
れ、この縦溝51a に前箱体52の両端内側に突出する縦フ
ランジ52a が挿入され、両者間には前箱体52の移動量を
規制する構造が設けられている。この規制構造は、後箱
体51の側面に形成された凹溝51b と、前箱体52の内側面
に形成された前記凹溝51b 内を移動する突起52b とから
なり、凹溝51b は上部が若干前に位置する傾斜溝に設け
られ、上下両端部で突起52b との係合が保持されるよう
に中間部分が細く浅く形成されている。
【0078】そして移動可能な前箱体52の前壁52c の下
端部がシャッターとして機能し、図15は前箱体52が下
降したシャッターの閉塞状態であり、図16が前箱体52
が上昇したシャッターの開放状態であり、前箱体52の前
壁52c には上昇作動して開放操作するための操作部52d
が突設されている。さらに、前箱体52の上部には蓋部材
53が一体に形成され、内部に収容した乾式分析フィルム
1の上部には乾燥剤入りの中板54が載置される。
【0079】前記カートリッジ50の底部には横方向に乾
式分析フィルム1を取り出す取出口55が形成される。こ
の取出口55は、前箱体52が上昇した際に後箱体51の底部
前面が開放した部分による乾式分析フィルム1が通過す
る第1開口部55a (図16参照)と、後箱体51の底板51
c に開口した取出用吸盤15が挿入される第2開口部55b
とからなる。
【0080】さらに、前箱体52の下端部には、1枚の乾
式分析フィルム1のみが取り出されるように規制する構
造が付設されている。すなわち、前箱体52の下端部は、
後箱体51の底板51c すなわち1枚目の乾式分析フィルム
1の下面の位置まで上昇し停止するものであり、前箱体
52の前壁52c の下部には、その中央部に下端が前記1枚
目の乾式分析フィルム1の下面の位置から1枚の乾式分
析フィルム1の厚さより大きく2枚の厚さより小さい寸
法だけ高い位置となっている中央規制部56が設けられて
いる。この中央規制部56の両側には、先端が細く形成さ
れて柔軟性を有する側方規制部57が設けられている。こ
の側方規制部57の下端は、前記中央規制部56の下端より
低く形成され、取り出される乾式分析フィルム1に接触
して湾曲変形可能に設けられ、前記中央規制部56はこれ
より剛性が大きく形成されてシャッターを構成するもの
である。
【0081】前記のようなカートリッジ50は、乾式分析
フィルム1を収容した搬送状態においては、図15に示
すように前箱体52が下降してその下端位置が、後箱体51
の底面と一致するように固定されているものであり、こ
の状態では第1開口部55a はシャッターとしての前箱体
52の中央規制部56の下端部によって閉塞されて、乾式分
析フィルム1の飛び出しが防止される。
【0082】前記カートリッジ50が保管庫に装填される
と、前箱体52に形成した前記操作部52d が保管庫のホル
ダー部に設置されている図示しない係止部材に当接し、
前箱体52が後箱体51に対して押し上げられ図16に示す
ようにシャッターとしての中央規制部56が上方に移動し
て第1開口部55a を開放した状態となる。
【0083】また、取出用吸盤15を上昇させて第2開口
部55b から乾式分析フィルム1を吸着し、横方向に移動
すると、図16(B)のように側方規制部57を湾曲させ
て2枚目の乾式分析フィルム1を同時に取り出すのを防
止しつつ1枚目の乾式分析フィルム1を確実に取り出せ
るようにしている。
【0084】なお、本発明のカートリッジ10に収容可能
な乾式分析フィルム1としては、前記実施例に記載した
ようなマウントを有しない乾式分析フィルム片の他、マ
ウントを有するスライドタイプの乾式分析フィルム、濾
紙タイプの乾式分析フィルム等のものが適用可能であ
る。
【0085】
【発明の効果】本発明の乾式分析フィルム用カートリッ
ジによれば、取出口を閉じて乾式分析フィルムの飛び出
しを防止するとともに乾式分析フィルムの取り出しを行
う際には移動して取出口を開放するシャッターを箱体に
装着してなることにより、カートリッジの搬送時等には
乾式分析フィルムが飛び出しておらず、保管庫への装填
時に引っ掛かったりすることなく、乾式分析フィルムの
正常な取出しと搬送及び正確な測定が行えるものであ
り、簡易な構造によって高い信頼性を得ることができ
る。
【0086】また、本発明のフィルム取出装置によれ
ば、前記カートリッジのシャッターを開放作動するシャ
ッター開放手段を、乾式分析フィルムを保持して取り出
す保持手段又は乾式分析フィルムの位置決めを行うガイ
ド手段に連動して移動するように設けたことにより、乾
式分析フィルムの取り出しに連係して自動的にシャッタ
ーを開放位置に移動させることができ、別途の開放操作
を不要としてシャッターの開作動が簡易に行えるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の乾式分析フィルム用カ
ートリッジを示す外観斜視図
【図2】図1のA−A線に沿うカートリッジの要部縦断
面側面図
【図3】フィルム取出装置による図1のカートリッジか
らのフィルム取り出し状態を示す縦断面側面図
【図4】図1のカートリッジからのフィルム取出装置に
よる乾式分析フィルムの取り出しとシャッターの開作動
を示す要部正面図
【図5】図1のカートリッジからのフィルムの取り出し
を示す底面斜視図
【図6】乾式分析フィルムの構成を示す斜視図
【図7】第1の実施例の変形例を示すカートリッジの要
部正面図
【図8】第1の実施例の他の変形例を示すカートリッジ
の要部正面図
【図9】本発明の第2の実施例の乾式分析フィルム用カ
ートリッジ及びフィルム取出装置を示す要部正面図
【図10】図9の分解斜視図
【図11】図9のフィルム取出装置の作動状態を示す要
部正面図
【図12】第2の実施例の変形例を示す乾式分析フィル
ム用カートリッジの要部正面図
【図13】図12の分解斜視図
【図14】本発明の第3の実施例の乾式分析フィルム用
カートリッジ及びシャッター開放装置を示す要部斜視図
【図15】本発明の第3の実施例の乾式分析フィルム用
カートリッジを示す正面図、側面図及び断面図
【図16】図15の開放状態を示す要部正面図及び側面
【符号の説明】
1 乾式分析フィルム 5,33 フィルム取出装置 7,24,25,31,37,44 シャッター 7a,31a,37a,44c シャッター本体 10,40,50 乾式分析フィルム用カートリッジ 11,41 箱体 14,42,55 取出口 14a,55a 第1開口部 14b,55b 第2開口部 15 取出用吸盤(保持手段) 20 搬送部材 21,34,45 開放部材(シャッター開放手段) 21b 押圧部 31c,37c 係止部 34c ガイド部材 43 係止部 51 後箱体 52 前箱体 52d 操作部 56 中央規制部(シャッター)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤嵜 泰司 埼玉県朝霞市泉水3丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾式分析フィルムを複数積層して収容す
    る箱体の一端に乾式分析フィルムを取り出すための取出
    口を設けた乾式分析フィルム用カートリッジにおいて、 前記取出口に一部が突出して乾式分析フィルムの飛び出
    しを防止し、乾式分析フィルムを取り出す際には前記取
    出口を開いて乾式分析フィルムの取り出しを可能にする
    シャッターを設けたことを特徴とする乾式分析フィルム
    用カートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記シャッターの開作動が、生化学分析
    装置へのカートリッジの装填時に行われることを特徴と
    する請求項1記載の乾式分析フィルム用カートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記シャッタの開作動が、乾式分析フィ
    ルムの取り出しと連動して行われることを特徴とする請
    求項1記載の乾式分析フィルム用カートリッジ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の乾式分析フィルム用カ
    ートリッジから乾式分析フィルムを取り出すフィルム取
    出装置において、 前記カートリッジの取出口に接離移動して乾式分析フィ
    ルムを保持して取出口から取り出す保持手段を備え、 前記保持手段に連動して前記カートリッジのシャッター
    を開放作動するシャッター開放手段が設置されているこ
    とを特徴とするフィルム取出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の乾式分析フィルム用カ
    ートリッジから乾式分析フィルムを取り出すフィルム取
    出装置において、 前記カートリッジの取出口に接離移動して乾式分析フィ
    ルムを保持して取出口から取り出す保持手段と、カート
    リッジの位置決めを行うガイド手段とを備え、 前記ガイド手段に連動して前記カートリッジのシャッタ
    ーを開放作動するシャッター開放手段が設置されている
    ことを特徴とするフィルム取出装置。
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