JPH08112688A - 溶接構造物の疲労強度改善方法 - Google Patents
溶接構造物の疲労強度改善方法Info
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- JPH08112688A JPH08112688A JP24662694A JP24662694A JPH08112688A JP H08112688 A JPH08112688 A JP H08112688A JP 24662694 A JP24662694 A JP 24662694A JP 24662694 A JP24662694 A JP 24662694A JP H08112688 A JPH08112688 A JP H08112688A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 船体内板2と補強材6との溶接部近傍を、線
状aに加熱する方法である。 【効果】 溶接部近傍を線状加熱することにより、溶接
による引張残留応力を圧縮残留応力場に転化させること
ができ、したがって大幅な疲労強度の改善を図ることが
できる。
状aに加熱する方法である。 【効果】 溶接部近傍を線状加熱することにより、溶接
による引張残留応力を圧縮残留応力場に転化させること
ができ、したがって大幅な疲労強度の改善を図ることが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船体、橋梁などの溶接
構造物における溶接部の疲労強度改善方法に関する。
構造物における溶接部の疲労強度改善方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、船体、橋梁などの溶接構造物にお
いては、溶接性および靱性に優れた高張力鋼(TMCP
鋼)の出現により、例えば船体の脆性破壊による事故が
激減している。
いては、溶接性および靱性に優れた高張力鋼(TMCP
鋼)の出現により、例えば船体の脆性破壊による事故が
激減している。
【0003】ところで、このような高張力鋼の溶接継手
部においては、その残留応力を除去する場合、溶接の止
端部を研削したり、またはTIG溶接により止端部の形
状が滑らかとなるようにされていた。
部においては、その残留応力を除去する場合、溶接の止
端部を研削したり、またはTIG溶接により止端部の形
状が滑らかとなるようにされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
残留応力の除去方法では、十分な効果が得られなかっ
た。
残留応力の除去方法では、十分な効果が得られなかっ
た。
【0005】そこで、本発明は上記問題を解消し得る溶
接構造物の疲労強度改善方法を提供することを目的とす
る。
接構造物の疲労強度改善方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の溶接構造物の疲労強度改善方法は、溶接構
造物の溶接部近傍、または溶接部近傍の両側を、線状に
加熱する方法であり、さらに加熱対象部の板体の裏面に
おいて、最大の引張応力が発生する温度でもって加熱す
る方法である。
め、本発明の溶接構造物の疲労強度改善方法は、溶接構
造物の溶接部近傍、または溶接部近傍の両側を、線状に
加熱する方法であり、さらに加熱対象部の板体の裏面に
おいて、最大の引張応力が発生する温度でもって加熱す
る方法である。
【0007】
【作用】上記の構成によると、構造溶接部の溶接部近傍
を線状加熱することにより、溶接による引張残留応力を
圧縮残留応力場に転化させることができ、したがって大
幅な疲労強度の改善を図ることができる。
を線状加熱することにより、溶接による引張残留応力を
圧縮残留応力場に転化させることができ、したがって大
幅な疲労強度の改善を図ることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図15に基
づき説明する。図1は船体構造の要部すなわち底部を示
しており、この船体構造においては、船体外板1と船体
内板2との間に、縦通材3およびフロア材4などの補強
材6が配置され、またコーナ部などにおいては、船体内
板2の傾斜部には、補強材6としてウエブ材5が設けら
れている。
づき説明する。図1は船体構造の要部すなわち底部を示
しており、この船体構造においては、船体外板1と船体
内板2との間に、縦通材3およびフロア材4などの補強
材6が配置され、またコーナ部などにおいては、船体内
板2の傾斜部には、補強材6としてウエブ材5が設けら
れている。
【0009】そして、船体外板1および船体内板2と補
強材6とは、溶接により互いに連結され、このような連
結部における溶接箇所の疲労強度を改善するために、本
発明に係る改善方法が用いられる。
強材6とは、溶接により互いに連結され、このような連
結部における溶接箇所の疲労強度を改善するために、本
発明に係る改善方法が用いられる。
【0010】すなわち、図1の一点鎖線aにて示すよう
に、補強材6例えば縦通材3およびウエブ材5と、船体
内板2との溶接部の両側で、かつ所定距離Lだけ離れた
箇所で、その溶接線に沿って線状に加熱が行われる。
に、補強材6例えば縦通材3およびウエブ材5と、船体
内板2との溶接部の両側で、かつ所定距離Lだけ離れた
箇所で、その溶接線に沿って線状に加熱が行われる。
【0011】この時、加熱ガス(例えばアセチレンガ
ス)の入熱量Q、加熱位置[距離(L),高さ]および
加熱ガスの移動速度が、所定の条件を満たしている必要
がある。
ス)の入熱量Q、加熱位置[距離(L),高さ]および
加熱ガスの移動速度が、所定の条件を満たしている必要
がある。
【0012】以下、上記要求される条件について説明す
る。まず、実際に、下記の[表1]に示す降伏点320
Paレベル(テストによる降伏点は390MPAであっ
た)のTMCP鋼を使用し、図2(a)および(b)に
示すように、母材11の表面に所定長さの板材12をC
O2 溶接により角回し溶接14を行い、角回し継手試験
片13を作成した。なお、このときの溶接条件は、[表
2]に示す通りであった。
る。まず、実際に、下記の[表1]に示す降伏点320
Paレベル(テストによる降伏点は390MPAであっ
た)のTMCP鋼を使用し、図2(a)および(b)に
示すように、母材11の表面に所定長さの板材12をC
O2 溶接により角回し溶接14を行い、角回し継手試験
片13を作成した。なお、このときの溶接条件は、[表
2]に示す通りであった。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】この試験片13の表裏面における溶接残留
応力を計測した結果を図3および図4に示す。なお、図
3は試験片13の止端部14aのy軸方向(幅方向)に
おける値を示し、図4は試験片13の止端部14aのx
軸方向における値を示す。
応力を計測した結果を図3および図4に示す。なお、図
3は試験片13の止端部14aのy軸方向(幅方向)に
おける値を示し、図4は試験片13の止端部14aのx
軸方向における値を示す。
【0016】これら図3および図4から、回し溶接止端
部の近傍では、板材である付加物の長手方向のすみ肉溶
接のためと推定される降伏点レベルの引張残留応力が生
じており、裏面では、付加物がないために、表面よりも
残留応力が低くなっているのが分かる。
部の近傍では、板材である付加物の長手方向のすみ肉溶
接のためと推定される降伏点レベルの引張残留応力が生
じており、裏面では、付加物がないために、表面よりも
残留応力が低くなっているのが分かる。
【0017】次に、ガス線状加熱による残留応力の低減
化について説明する。ところで、既に、溶接継手の残留
応力の簡易推定式が公知であり、この推定式を使用する
と、溶接による試験片の平均温度上昇Tにより、残留応
力の分布は図5(a)および(b)に示すようなものと
なる。なお、図5(a)は軟鋼の場合を示し、図5
(b)はHT−50鋼の場合を示しており、その座標の
とりかたを、図5(c)に示している。また、残留応力
を代表する位置およびその位置の残留応力の値を、[表
3]に示しておく。なお、[表3]中、Q(cal/cm)は
加熱ガスの入熱量、h(cm)はトーチの高さである。
化について説明する。ところで、既に、溶接継手の残留
応力の簡易推定式が公知であり、この推定式を使用する
と、溶接による試験片の平均温度上昇Tにより、残留応
力の分布は図5(a)および(b)に示すようなものと
なる。なお、図5(a)は軟鋼の場合を示し、図5
(b)はHT−50鋼の場合を示しており、その座標の
とりかたを、図5(c)に示している。また、残留応力
を代表する位置およびその位置の残留応力の値を、[表
3]に示しておく。なお、[表3]中、Q(cal/cm)は
加熱ガスの入熱量、h(cm)はトーチの高さである。
【0018】
【表3】
【0019】したがって、平均温度上昇Tが小さい場
合、すなわち試験片の大きさに比べて相対的に入熱量が
低い場合には、回し溶接中央からy2 だけ離れた位置を
付加物と平行に加熱すれば、回し溶接中央の残留応力が
最も低下することになる。
合、すなわち試験片の大きさに比べて相対的に入熱量が
低い場合には、回し溶接中央からy2 だけ離れた位置を
付加物と平行に加熱すれば、回し溶接中央の残留応力が
最も低下することになる。
【0020】残留応力は加熱部が塑性域にならなければ
発生しないし、図5の(a)および(b)に示すような
残留応力を発生させるためには、加熱部で力学的溶融点
に達していなければならず、軟鋼およびHT−50鋼の
場合における力学的溶融点(降伏点が数10MPaとな
る温度)は約700℃である。
発生しないし、図5の(a)および(b)に示すような
残留応力を発生させるためには、加熱部で力学的溶融点
に達していなければならず、軟鋼およびHT−50鋼の
場合における力学的溶融点(降伏点が数10MPaとな
る温度)は約700℃である。
【0021】ところで、単に、残留応力を低下させる目
的なら、上記の位置にビード溶接をすれば良いが、板表
面に凹凸を作ることになり、これとごく近傍のすみ肉溶
接との間に溝が形成され、スラッジなどが溜まりやすく
なることも考えられ、これが原因で腐食が進行する可能
性も生じ、また溶接余盛を残すとこれが新たな応力集中
源となり、この部分が疲労発生源になることも考えられ
る。
的なら、上記の位置にビード溶接をすれば良いが、板表
面に凹凸を作ることになり、これとごく近傍のすみ肉溶
接との間に溝が形成され、スラッジなどが溜まりやすく
なることも考えられ、これが原因で腐食が進行する可能
性も生じ、また溶接余盛を残すとこれが新たな応力集中
源となり、この部分が疲労発生源になることも考えられ
る。
【0022】そこで、現場で簡単に施工できるガスによ
る線状加熱を使用して、上記目的を達成する方法が考え
られる。まず、図6(a)および(b)に示すように、
母材例えば鋼板21のx軸上をアセチレンガスによる線
状加熱を行うとともに種々の点(x,y,z)における
温度測定を行い、この温度測定に基づき、加熱ガス(C2
H2)量をパラメータとして、加熱速度と入熱効率との関
係をグラフに表すと、図7のようになる。
る線状加熱を使用して、上記目的を達成する方法が考え
られる。まず、図6(a)および(b)に示すように、
母材例えば鋼板21のx軸上をアセチレンガスによる線
状加熱を行うとともに種々の点(x,y,z)における
温度測定を行い、この温度測定に基づき、加熱ガス(C2
H2)量をパラメータとして、加熱速度と入熱効率との関
係をグラフに表すと、図7のようになる。
【0023】次に、図8に、アセチレンガスの流量を1
6リットル/min 、母材21からのトーチ高さを20mmと一
定にして、ガス加熱速度(移動速度)vを変化させた場
合について、図6のx=0mmの位置で、異なるyの位置
における裏面の温度を計測した結果を示す。なお、図8
(a)はv=7.5mm/s,図8(b)はv=5.0mm/
s,図8(c)はv=2.5mm/sの場合をそれぞれ示
す。
6リットル/min 、母材21からのトーチ高さを20mmと一
定にして、ガス加熱速度(移動速度)vを変化させた場
合について、図6のx=0mmの位置で、異なるyの位置
における裏面の温度を計測した結果を示す。なお、図8
(a)はv=7.5mm/s,図8(b)はv=5.0mm/
s,図8(c)はv=2.5mm/sの場合をそれぞれ示
す。
【0024】そこで、この結果を用いて鋼板裏面の最高
到達温度を簡易的に求める方法について説明する。半径
rO cm、板厚hcmの鋼板に熱量QO (cal )が均一に投
入された場合に、この鋼板が△T℃上昇したとすると、
QO は下記の(1) 式で表される。
到達温度を簡易的に求める方法について説明する。半径
rO cm、板厚hcmの鋼板に熱量QO (cal )が均一に投
入された場合に、この鋼板が△T℃上昇したとすると、
QO は下記の(1) 式で表される。
【0025】Qo =cρ△TV ・・・・(1) ただし、(1) 式中、 V:鋼板の体積(=πrO 2h) c:(T+△T)℃における鋼板の比熱(T:初期温
度) ρ:(T+△T)℃における鋼板の密度(T:初期温
度) ところで、線状加熱により最も温度が高くなる位置は線
状加熱線直下である。その温度上昇分には過去の加熱に
より熱伝導でもたらされる温度上昇も含まれる。しか
し、ガス炎直下の温度上昇は大半が現時点のガス炎の加
熱によりもたらされている。そこで、ここでは一定速度
で移動するガス炎直下の温度上昇は、100%現時点で
投入された入熱によるものと仮定する。
度) ρ:(T+△T)℃における鋼板の密度(T:初期温
度) ところで、線状加熱により最も温度が高くなる位置は線
状加熱線直下である。その温度上昇分には過去の加熱に
より熱伝導でもたらされる温度上昇も含まれる。しか
し、ガス炎直下の温度上昇は大半が現時点のガス炎の加
熱によりもたらされている。そこで、ここでは一定速度
で移動するガス炎直下の温度上昇は、100%現時点で
投入された入熱によるものと仮定する。
【0026】そこで、図6の加熱線c上(y=0mm)の
母材(鋼板)裏面における最高到達温度から、上記の
(1) 式を用いてrO を求めた。但し、このとき与える熱
量としては単位長さに対しての熱量を採用した。その結
果(rO )を図8(a)〜(c)の各グラフ中に示して
おく。
母材(鋼板)裏面における最高到達温度から、上記の
(1) 式を用いてrO を求めた。但し、このとき与える熱
量としては単位長さに対しての熱量を採用した。その結
果(rO )を図8(a)〜(c)の各グラフ中に示して
おく。
【0027】この結果より、ガス流量とトーチ高さが一
定という条件下では、加熱速度が変化してもrO は、ほ
ぼ一定であることが分かる。したがって、上述したガス
による線状加熱条件下では、ガス加熱線上の鋼板裏面に
おける最高到達温度がrO =1.54cmとして(1) 式に
より推定できる。
定という条件下では、加熱速度が変化してもrO は、ほ
ぼ一定であることが分かる。したがって、上述したガス
による線状加熱条件下では、ガス加熱線上の鋼板裏面に
おける最高到達温度がrO =1.54cmとして(1) 式に
より推定できる。
【0028】しかし、図2に示した試験片13のような
場合に加熱線を端部付近にすると、実際には端部からの
反射により、(1) 式での推定よりも高い温度上昇をもた
らす。この場合、熱放射を無視すれば、鏡像の考え方を
採用することができる。
場合に加熱線を端部付近にすると、実際には端部からの
反射により、(1) 式での推定よりも高い温度上昇をもた
らす。この場合、熱放射を無視すれば、鏡像の考え方を
採用することができる。
【0029】すなわち、図6において、y=yO の位置
で計測される熱量は、加熱線から1/2yO の位置に端
部が存在することにより見掛上加熱線上に追加される熱
量となり、これによりさらに高温度に加熱線上がさらさ
れることになる。
で計測される熱量は、加熱線から1/2yO の位置に端
部が存在することにより見掛上加熱線上に追加される熱
量となり、これによりさらに高温度に加熱線上がさらさ
れることになる。
【0030】そこで、図8から、加熱線上の温度が最高
到達温度に達した時刻における、加熱線上から離れた鋼
板裏面で計測された温度をもとに付加される熱量Q1 を
(1)式よりrO =1.54cmとして求め、Q1 /Q0 と
加熱線から端部までの距離ι(=y/2)との関係を求
めた。ただしc、ρは位置ιにおける温度に対応する値
を用いている。
到達温度に達した時刻における、加熱線上から離れた鋼
板裏面で計測された温度をもとに付加される熱量Q1 を
(1)式よりrO =1.54cmとして求め、Q1 /Q0 と
加熱線から端部までの距離ι(=y/2)との関係を求
めた。ただしc、ρは位置ιにおける温度に対応する値
を用いている。
【0031】その結果を図9に示す。この結果より明ら
かなように、加熱速度が異なってもQ1 /Q0 (=p)
の値は加熱線からの距離ιのみの関数として近似的に与
えられる。そして、ある程度加熱線より離れると最高到
達温度には端部の影響が現れなくなる。そこで、端部の
影響が現れなくなる距離を本結果より実線で示すように
35mmと与え、実線の近似式を求めると、下記(2) 式
のようになる。
かなように、加熱速度が異なってもQ1 /Q0 (=p)
の値は加熱線からの距離ιのみの関数として近似的に与
えられる。そして、ある程度加熱線より離れると最高到
達温度には端部の影響が現れなくなる。そこで、端部の
影響が現れなくなる距離を本結果より実線で示すように
35mmと与え、実線の近似式を求めると、下記(2) 式
のようになる。
【0032】 p=1−4.68×10-2ι+5.251 ×10-4ι2 ・・・・(2) したがって、端部からι(<35mm)離れた位置を端
部に平行に加熱した場合には、加熱線の鋼板裏面が最高
到達温度に達した時点では見掛上rO の範囲に(1+
p)QO の熱量が投入されたと考えれば、近似的に加熱
直下の最高到達温度が(1) 式より推定できることにな
る。なお、(1) 式のcρの値は温度(T+△T)のみの
関数であり、その値を多項式近似すると(ただし400
〜700℃の範囲について)、下記(3) 式のように表さ
れる。
部に平行に加熱した場合には、加熱線の鋼板裏面が最高
到達温度に達した時点では見掛上rO の範囲に(1+
p)QO の熱量が投入されたと考えれば、近似的に加熱
直下の最高到達温度が(1) 式より推定できることにな
る。なお、(1) 式のcρの値は温度(T+△T)のみの
関数であり、その値を多項式近似すると(ただし400
〜700℃の範囲について)、下記(3) 式のように表さ
れる。
【0033】 cρ=1.97−4.2 ×10-3(T+△T)+5.66×10-6(T+△T)2 ・・(3) したがって、アセチレンガス流量を16リットル/min 、鋼
板からのトーチ高さを20mmと一定とした場合には、上
記の方法により線状加熱線直下の鋼板裏面の最高到達温
度を推定できることになる。
板からのトーチ高さを20mmと一定とした場合には、上
記の方法により線状加熱線直下の鋼板裏面の最高到達温
度を推定できることになる。
【0034】図2に示したような試験片13の回し溶接
止端部の長手方向の残留応力をできるだけ低減し、でき
れば大きな圧縮残留応力場に転化させるには、ガス加熱
線上の最高到達温度が鋼板裏面まで力学的溶融点に達し
ていることが必要となる。すなわち、両端を拘束した丸
棒を加熱冷却する場合に生じる熱応力の変化挙動から考
えて、線状加熱線上の鋼板裏面が力学的溶融点に達しな
ければ、線状加熱部の鋼板裏面側のある領域は最高到達
温度に達した時点である程度大きな圧縮応力が働いてい
ることになるから、この領域は冷却後に引張降伏点レベ
ルの残留応力が作用しないことになる。
止端部の長手方向の残留応力をできるだけ低減し、でき
れば大きな圧縮残留応力場に転化させるには、ガス加熱
線上の最高到達温度が鋼板裏面まで力学的溶融点に達し
ていることが必要となる。すなわち、両端を拘束した丸
棒を加熱冷却する場合に生じる熱応力の変化挙動から考
えて、線状加熱線上の鋼板裏面が力学的溶融点に達しな
ければ、線状加熱部の鋼板裏面側のある領域は最高到達
温度に達した時点である程度大きな圧縮応力が働いてい
ることになるから、この領域は冷却後に引張降伏点レベ
ルの残留応力が作用しないことになる。
【0035】したがって、線状加熱部で板厚全体に引張
降伏点レベルの残留応力が働かないことになるから、線
状加熱線から離れた位置で自己平衡の結果生じる圧縮応
力は小さくなる。
降伏点レベルの残留応力が働かないことになるから、線
状加熱線から離れた位置で自己平衡の結果生じる圧縮応
力は小さくなる。
【0036】なお、アセチレンガス流量を16リットル/mi
n 、鋼板からのトーチ高さを20mmの条件下で試験片の
中心線から図5(a)のy2 に相当する位置で図2の試
験片13を線状加熱した場合について上記の簡易最高到
達温度推定方法によって検討したところ、試験片の幅が
狭いために、図5(a)の残留応力分布を付与するには
入熱量が小さくなりすぎ、裏面まで力学的溶融点の70
0℃に上昇させることができないことが判明した。
n 、鋼板からのトーチ高さを20mmの条件下で試験片の
中心線から図5(a)のy2 に相当する位置で図2の試
験片13を線状加熱した場合について上記の簡易最高到
達温度推定方法によって検討したところ、試験片の幅が
狭いために、図5(a)の残留応力分布を付与するには
入熱量が小さくなりすぎ、裏面まで力学的溶融点の70
0℃に上昇させることができないことが判明した。
【0037】構造物では特殊な場合を除いて図5(a)
に対応する残留応力しか付与できないから、対象部位の
両側を同時に加熱してそこに最大の圧縮残留応力を生成
させても、図5(a)の残留応力を重ね合わせて期待で
きるのは、y2 の位置に生じる圧縮残留応力の2倍とな
り、−0.5σY (σY :鋼材の降伏点)のレベルとな
る。
に対応する残留応力しか付与できないから、対象部位の
両側を同時に加熱してそこに最大の圧縮残留応力を生成
させても、図5(a)の残留応力を重ね合わせて期待で
きるのは、y2 の位置に生じる圧縮残留応力の2倍とな
り、−0.5σY (σY :鋼材の降伏点)のレベルとな
る。
【0038】そこで、図2の試験片13において、幅広
の試験片で最大期待できる程度の圧縮残留応力(−0.
5σY レベル)を付与することを意図して、図3の残留
応力分布を重ね合わせ、試験片の中央部で−0.5σY
レベルの残留応力を付与できるように加熱位置を検討し
たところ、試験片の端部から9mmの位置となった。
の試験片で最大期待できる程度の圧縮残留応力(−0.
5σY レベル)を付与することを意図して、図3の残留
応力分布を重ね合わせ、試験片の中央部で−0.5σY
レベルの残留応力を付与できるように加熱位置を検討し
たところ、試験片の端部から9mmの位置となった。
【0039】そして、上記の簡易最高到達温度の推定方
法が適当であるかどうかを判断するため、図2の試験片
を用いて、端部から9mmの位置を、同時に試験片表面
を一定速度で線状加熱した。このとき用いた試験条件と
しては、アセチレン・フェザ(アセチレンガスが酸素よ
り多い場合に生じる)が生じないようになおかつ中性炎
となるように酸素流量を調整したものをベースとした。
その結果、用いたトーチの関係からアセチレンガス流量
17リットル/min で最も炎が安定した。なお、白心から2
mmの位置に試験片表面を設置した関係でトーチ高さは1
9mmとなった。
法が適当であるかどうかを判断するため、図2の試験片
を用いて、端部から9mmの位置を、同時に試験片表面
を一定速度で線状加熱した。このとき用いた試験条件と
しては、アセチレン・フェザ(アセチレンガスが酸素よ
り多い場合に生じる)が生じないようになおかつ中性炎
となるように酸素流量を調整したものをベースとした。
その結果、用いたトーチの関係からアセチレンガス流量
17リットル/min で最も炎が安定した。なお、白心から2
mmの位置に試験片表面を設置した関係でトーチ高さは1
9mmとなった。
【0040】線状加熱の長さは、図9を考慮すると、7
0mmで良いことになるが、ここでは試験片平行部の全長
にほぼ等しい150mmを加熱した。種々の速度で線状加
熱を行い、線状加熱線直下の裏面温度の最高到達温度を
計測した結果を、図10に示す。図10中には、上記の
検討結果をもとに近似的に推定した結果も合わせて示し
ている。但し、熱効率ηは図7より内挿して求め、rO
は上記検討結果と殆ど変わらないと考え、トーチ高さ2
0mmの場合のrO =1.54cmを採用した。図10よ
り、上記の最高到達温度の簡易推定は、板厚が図4にお
ける場合と異なっており、さらには端部の影響が加わっ
ているにもかかわらず、ほぼ妥当な結果が得られている
ことが分かる。
0mmで良いことになるが、ここでは試験片平行部の全長
にほぼ等しい150mmを加熱した。種々の速度で線状加
熱を行い、線状加熱線直下の裏面温度の最高到達温度を
計測した結果を、図10に示す。図10中には、上記の
検討結果をもとに近似的に推定した結果も合わせて示し
ている。但し、熱効率ηは図7より内挿して求め、rO
は上記検討結果と殆ど変わらないと考え、トーチ高さ2
0mmの場合のrO =1.54cmを採用した。図10よ
り、上記の最高到達温度の簡易推定は、板厚が図4にお
ける場合と異なっており、さらには端部の影響が加わっ
ているにもかかわらず、ほぼ妥当な結果が得られている
ことが分かる。
【0041】次に、線状加熱後の残留応力分布について
調べてみる。例えば、アセチレンガス流量17リットル/mi
n 、トーチ高さ19mmの条件で線状加熱線の裏面の最高
到達温度が700℃となる加熱速度5.70mm/sで、
試験片端部から9mmの位置を2個所同時に線状加熱し
た。図11には、回し溶接止端部を含む試験片幅方向の
試験片裏面の線状加熱中に計測した温度分布を示す。図
11から明らかなように、線状加熱した位置の裏面では
最高到達温度はほぼ力学的溶融点である700℃に到達
している。また、止端部の裏面では約500℃になって
いる。
調べてみる。例えば、アセチレンガス流量17リットル/mi
n 、トーチ高さ19mmの条件で線状加熱線の裏面の最高
到達温度が700℃となる加熱速度5.70mm/sで、
試験片端部から9mmの位置を2個所同時に線状加熱し
た。図11には、回し溶接止端部を含む試験片幅方向の
試験片裏面の線状加熱中に計測した温度分布を示す。図
11から明らかなように、線状加熱した位置の裏面では
最高到達温度はほぼ力学的溶融点である700℃に到達
している。また、止端部の裏面では約500℃になって
いる。
【0042】線状加熱後の残留応力分布を、溶接しただ
けの試験片に対してと同様に、図2で示した位置に2軸
ゲージを貼付し、周りを解放して測定した。回し溶接止
端部から3mm離れた位置の試験片幅方向に沿う試験片長
手方向残留応力分布を図12に示す。図3の溶接しただ
けの状態における試験片では止端部近傍に降伏点レベル
の引張残留応力が残留していたが、上記のような線状加
熱条件で施工した後には、降伏点の1/2程度の圧縮残
留応力が止端部近傍に形成されているのが分かる。
けの試験片に対してと同様に、図2で示した位置に2軸
ゲージを貼付し、周りを解放して測定した。回し溶接止
端部から3mm離れた位置の試験片幅方向に沿う試験片長
手方向残留応力分布を図12に示す。図3の溶接しただ
けの状態における試験片では止端部近傍に降伏点レベル
の引張残留応力が残留していたが、上記のような線状加
熱条件で施工した後には、降伏点の1/2程度の圧縮残
留応力が止端部近傍に形成されているのが分かる。
【0043】なお、図12の実線は、公知の簡易推定結
果[図5(b)]によるものを示している。この結果は
計測結果と良く一致しており、溶接しただけの場合にお
ける残留応力の影響が完全に消滅し、あたかも処女材を
線状加熱したときと同じ残留応力が生成することを示し
ている。
果[図5(b)]によるものを示している。この結果は
計測結果と良く一致しており、溶接しただけの場合にお
ける残留応力の影響が完全に消滅し、あたかも処女材を
線状加熱したときと同じ残留応力が生成することを示し
ている。
【0044】これは線状加熱中の加熱過程において、溶
接しただけの状態で圧縮残留応力が作用している個所が
膨脹し、このすみ肉の収縮を拘束していた個所の影響が
なくなり、その近くの止端部近傍は加熱中にほぼ無拘束
の状態になることからこのような現象が起こるものと考
えられる。
接しただけの状態で圧縮残留応力が作用している個所が
膨脹し、このすみ肉の収縮を拘束していた個所の影響が
なくなり、その近くの止端部近傍は加熱中にほぼ無拘束
の状態になることからこのような現象が起こるものと考
えられる。
【0045】図13は、試験片中央断面上の残留応力分
布の計測結果を示しており、板材(補強材)が線状加熱
部の部材の収縮を一部拘束するために、表面で圧縮残留
応力が大きくなっているが、その影響はあまり顕著では
ない。
布の計測結果を示しており、板材(補強材)が線状加熱
部の部材の収縮を一部拘束するために、表面で圧縮残留
応力が大きくなっているが、その影響はあまり顕著では
ない。
【0046】いずれにしても、図12から明らかなよう
に、ここで得られた残留応力は幅広の試験片で回し溶接
止端部近傍に最大の圧縮残留応力が生じるように意図さ
れるものと同レベルの圧縮残留応力に転化し得ている。
に、ここで得られた残留応力は幅広の試験片で回し溶接
止端部近傍に最大の圧縮残留応力が生じるように意図さ
れるものと同レベルの圧縮残留応力に転化し得ている。
【0047】上記のようにして作成した図2に示した試
験片の溶接しただけのもの、並びに線状加熱材につい
て、20トン油圧サーボ疲労試験機を用いて圧力比0.
05というほぼ完全片振の条件下で軸力疲労試験を行っ
た。繰り返し速度はいずれの試験片も5Hzとした。
験片の溶接しただけのもの、並びに線状加熱材につい
て、20トン油圧サーボ疲労試験機を用いて圧力比0.
05というほぼ完全片振の条件下で軸力疲労試験を行っ
た。繰り返し速度はいずれの試験片も5Hzとした。
【0048】実験で得られた破断寿命と公称応力振幅の
関係を図14に示す。一部の試験片については、試験開
始後5000サイクルの時点で試験片の中央線上の表面
に回し溶接止端部から離れた3個所の位置に貼付した2
軸ゲージから荷重軸方向の応力振幅を計測している。そ
の結果を図15に示す。図15における縦軸は表面応力
振幅(Δσs )を公称応力振幅(Δσg )で除した値で
示してある。図15から、線状加熱をすることにより表
面が裏面より大きく収縮し試験片全体が裏面側で凸の形
状になり、止端部近傍の応力勾配が溶接しただけのもの
より滑らかになるために疲労強度が上昇するという原因
は棄却されることが分かる。
関係を図14に示す。一部の試験片については、試験開
始後5000サイクルの時点で試験片の中央線上の表面
に回し溶接止端部から離れた3個所の位置に貼付した2
軸ゲージから荷重軸方向の応力振幅を計測している。そ
の結果を図15に示す。図15における縦軸は表面応力
振幅(Δσs )を公称応力振幅(Δσg )で除した値で
示してある。図15から、線状加熱をすることにより表
面が裏面より大きく収縮し試験片全体が裏面側で凸の形
状になり、止端部近傍の応力勾配が溶接しただけのもの
より滑らかになるために疲労強度が上昇するという原因
は棄却されることが分かる。
【0049】すなわち、図14における疲労強度の差は
残留応力により引き起こされていることになる。したが
って、ホット・スポット応力で整理しても、溶接しただ
けのものと線状加熱したものとの疲労強度の比は、図1
4から得られるものと同じになる。
残留応力により引き起こされていることになる。したが
って、ホット・スポット応力で整理しても、溶接しただ
けのものと線状加熱したものとの疲労強度の比は、図1
4から得られるものと同じになる。
【0050】図14を見ると、線状加熱により大幅な疲
労強度の改善が図られていることが分かる。特に、疲労
限は強度で2倍以上の改善が認められる。なお、溶接し
ただけのものの時間強度線図の勾配が大きいのは残留応
力の影響であると結論することができる。すなわち、最
大応力が小さいほど、疲労寿命に残留応力が大きな影響
を及ぼすことによる。
労強度の改善が図られていることが分かる。特に、疲労
限は強度で2倍以上の改善が認められる。なお、溶接し
ただけのものの時間強度線図の勾配が大きいのは残留応
力の影響であると結論することができる。すなわち、最
大応力が小さいほど、疲労寿命に残留応力が大きな影響
を及ぼすことによる。
【0051】疲労限レベルの試験片について実験終了
後、停留き裂の有無を調査した。溶接しただけのものに
は認められなかったが、線状加熱材では最大2.3mm深
さの停留き裂が観察された。これにより、圧縮応力場で
はかなり大きなき裂でも停留することが分かった。
後、停留き裂の有無を調査した。溶接しただけのものに
は認められなかったが、線状加熱材では最大2.3mm深
さの停留き裂が観察された。これにより、圧縮応力場で
はかなり大きなき裂でも停留することが分かった。
【0052】図14の結果は無限板で期待できる最も大
きな圧縮残留応力と同レベルの圧縮残留応力を生成させ
ることによって得られたもので、構造要素でも大きな引
張残留応力が発生し、かつ構造的な応力集中個所で疲労
損傷の起点になる個所に対しては、適切なガス線状加熱
条件を選択することにより大幅な疲労強度の改善がはか
り得ることを示している。
きな圧縮残留応力と同レベルの圧縮残留応力を生成させ
ることによって得られたもので、構造要素でも大きな引
張残留応力が発生し、かつ構造的な応力集中個所で疲労
損傷の起点になる個所に対しては、適切なガス線状加熱
条件を選択することにより大幅な疲労強度の改善がはか
り得ることを示している。
【0053】上述したように、降伏点レベルの引張残留
応力場を、溶接個所に近接する両側を同時にガス線状加
熱することにより、降伏点の1/2程度の圧縮残留応力
場に転化させることができ、したがって大幅な疲労強度
の改善を図ることができる。特に、疲労限は2倍以上の
改善効果が得られ、また圧縮応力場ではかなり大きな停
留き裂が得られた。
応力場を、溶接個所に近接する両側を同時にガス線状加
熱することにより、降伏点の1/2程度の圧縮残留応力
場に転化させることができ、したがって大幅な疲労強度
の改善を図ることができる。特に、疲労限は2倍以上の
改善効果が得られ、また圧縮応力場ではかなり大きな停
留き裂が得られた。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明の溶接構造物の疲労
強度改善方法によると、構造溶接部の溶接部近傍を線状
加熱することにより、溶接による引張残留応力を圧縮残
留応力場に転化させることができ、したがって大幅な疲
労強度の改善を図ることができる。
強度改善方法によると、構造溶接部の溶接部近傍を線状
加熱することにより、溶接による引張残留応力を圧縮残
留応力場に転化させることができ、したがって大幅な疲
労強度の改善を図ることができる。
【図1】本発明の疲労強度改善方法の一実施例における
線状加熱を示す要部斜視図である。
線状加熱を示す要部斜視図である。
【図2】同実施例の疲労強度改善方法の実験に使用され
る試験片の外観を示す図である。
る試験片の外観を示す図である。
【図3】同実施例の試験片のy軸方向における残留応力
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図4】同実施例の試験片のx軸方向における残留応力
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図5】つき合わせ溶接を行った場合に残留応力を簡易
推定式により求めたグラフである。
推定式により求めたグラフである。
【図6】同実施例における加熱速度と入熱効率との関係
を調べるための試験片の外形図を示す。
を調べるための試験片の外形図を示す。
【図7】同実施例の試験片における加熱速度と熱効率と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
【図8】同実施例の試験片における加熱時間と温度との
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
【図9】同実施例の試験片における加熱線からの距離と
Q1 /Q0 との関係を示すグラフである。
Q1 /Q0 との関係を示すグラフである。
【図10】ガスの加熱速度と温度との関係を示すグラフ
である。
である。
【図11】同実施例における試験片裏面の温度分布を示
すグラフである。
すグラフである。
【図12】同実施例における試験片裏面の長手方向にお
ける残留応力分布を示すグラフである。
ける残留応力分布を示すグラフである。
【図13】同実施例における試験片裏面の中央断面にお
ける残留応力分布を示すグラフである。
ける残留応力分布を示すグラフである。
【図14】線状加熱したものと溶接だけのものとについ
ての破断寿命と公称応力振幅との関係を示すグラフであ
る。
ての破断寿命と公称応力振幅との関係を示すグラフであ
る。
【図15】線状加熱したものと溶接だけのものとについ
ての応力振幅比を示すグラフである。
ての応力振幅比を示すグラフである。
1 船体外板 2 船体内板 3 縦通材 4 フロア材 5 ウエブ材 6 補強板 11 母材 12 板材 13 試験片 14 角回し溶接 14a 止端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 摩嶋 禎規 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】溶接構造物の溶接部近傍を、線状に加熱す
ることを特徴とする溶接構造物の疲労強度改善方法。 - 【請求項2】溶接構造物の溶接部近傍の両側を、線状に
加熱することを特徴とする溶接構造物の疲労強度改善方
法。 - 【請求項3】加熱対象部の板体の裏面において、最大の
引張応力が発生する温度でもって加熱することを特徴と
する請求項1または2に記載の溶接構造物の疲労強度改
善方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24662694A JPH08112688A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | 溶接構造物の疲労強度改善方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24662694A JPH08112688A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | 溶接構造物の疲労強度改善方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08112688A true JPH08112688A (ja) | 1996-05-07 |
Family
ID=17151205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24662694A Pending JPH08112688A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | 溶接構造物の疲労強度改善方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08112688A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2411662A (en) * | 2004-03-02 | 2005-09-07 | Rolls Royce Plc | A method of creating residual compressive stresses |
KR101328698B1 (ko) * | 2012-06-15 | 2013-11-14 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 용접부 부분가열법에 의한 잔류인장응력의 저감방법 |
JP2021181610A (ja) * | 2020-05-15 | 2021-11-25 | 国立大学法人大阪大学 | 鋼溶接部材の残留応力低減方法及び溶接構造の残留応力低減方法 |
-
1994
- 1994-10-13 JP JP24662694A patent/JPH08112688A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2411662A (en) * | 2004-03-02 | 2005-09-07 | Rolls Royce Plc | A method of creating residual compressive stresses |
KR101328698B1 (ko) * | 2012-06-15 | 2013-11-14 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 용접부 부분가열법에 의한 잔류인장응력의 저감방법 |
JP2021181610A (ja) * | 2020-05-15 | 2021-11-25 | 国立大学法人大阪大学 | 鋼溶接部材の残留応力低減方法及び溶接構造の残留応力低減方法 |
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