JPH0811221A - 繊維強化樹脂成形品のフィラメントワインディング法 - Google Patents

繊維強化樹脂成形品のフィラメントワインディング法

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JPH0811221A
JPH0811221A JP6149089A JP14908994A JPH0811221A JP H0811221 A JPH0811221 A JP H0811221A JP 6149089 A JP6149089 A JP 6149089A JP 14908994 A JP14908994 A JP 14908994A JP H0811221 A JPH0811221 A JP H0811221A
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winding
mandrel
eye
resin
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JP6149089A
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Nobuhiro Goto
信弘 後藤
Hirohide Nakagawa
裕英 中川
Kimitoku Takao
公徳 高尾
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】繊維強化樹脂成形品のフィラメントワインディ
ングにおいて、繊維の巻き付け角が小の場合でも、フィ
−ドアイを変更することなく、同一のフィ−ドアイで繊
維を充分に均一な分布で、しかも毛羽立ちや糸切れを排
除して巻き付けることを可能とするフィラメントワイン
ディング法を提供する。 【構成】フィ−ドアイ2のスリット21,…に送られて
くる樹脂含浸繊維30を含む面に垂直な軸心の周りにフ
ィ−ドアイ2を回動可能とし、フィ−ドアイ2を回動さ
せて上記スリット21,…の横一列方向x’とフィ−ド
アイを通過した樹脂含浸繊維31との間の角度θを繊維
の巻き付け角度βよりも大とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維強化樹脂成形品の製
造方法、詳しくは、フィラメントワインディング法によ
る製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂成形品を成形する場合、未
硬化樹脂を含浸した繊維、例えば、ロ−ビング(多数本
のフィラメントを集束したストランドを数10本程度引
き揃えたもの)をフィ−ドアイの繊維引き通し間隙に一
条あて引き通し、これらの通過繊維の多条を回転中のマ
ンドレルに、上記フィ−ドアイを該マンドレルに沿い往
復移動させつつ巻き付ける方法、すなわち、フィラメン
トワインディング法を使用することがある。
【0003】従来、上記フィ−ドアイとしては、図9に
示すように、基台23’にガイドピン取付け用枠25’
を固定し、この枠25’にマンドレルの回転軸方向に直
交するガイドピン24’を複数本、所定の間隔で取付け
たもの、マンドレルの回転軸方向に直交するピンを基台
に直接に複数本、所定の間隔で横一列に立設したもの等
が公知であり(例えば、特公平5−54416号公
報)、従来のフィラメントワインディングにおいては、
各ピン間のスリット21’に樹脂含浸ロ−ビングを通
し、ピンの並設方向とフィ−ドアイの走行方向とを並行
にして、即ち、フィ−ドアイを水平に保持してフィ−ド
アイを往復走行させている。
【0004】
【発明が解決しようとするとする課題】上記フィラメン
トワインディングにおいて、フ−プ巻きの場合は、図1
0の(イ)(平面説明図)並びに図10の(ロ)〔図1
0の(イ)におけるロ−ロ断面説明図〕に示すように、
ピン24’,24’間での繊維31’の分布が一様であ
っても、ヘリカル巻きの場合は、図11の(イ)(平面
説明図)並びに図11の(ロ)〔図11の(イ)におけ
るロ−ロ断面説明図〕に示すように、繊維31’の巻き
付け角βに応じ繊維の方向がピン24’において変化
し、繊維張力fのために、繊維にフィ−ドアイ2’の走
行方向とは逆方向の分力fcosβが作用するので、ピン
24’,24’間の繊維31’がフィ−ドアイ2’の走
行方向とは逆方向に寄せられて偏在し、かかる偏在状態
のままでマンドレルに巻き付けられていくので、巻き付
け繊維分布の不均一化が惹起され、ボイド含有率の増
大、製品強度の低下等が招来される。
【0005】かかる不具合は、巻き付け角が小となるに
従い、ピン間隔の小なるフィ−ドアイを使用すれば解消
可能であるが、巻き付け角が異なるごとにフィ−ドアイ
を交換し、繊維量を調整する必要があり、やっかいであ
り、また、マンドレル1回転当たりの繊維巻き付け量も
減少するので、かかる点からも、製造速度の低下が招来
される。
【0006】更に、上記フィラメントワインディングに
おいては、分力fcosβが側圧として作用し、巻き付け
角βが小の場合、その側圧が大となり、繊維が強く擦ら
れて破断細片が発生し、繊維の毛羽立ちや糸切れが発生
し易く、かかる点からも、製品強度の低下、製造速度の
低下が招来される。
【0007】本発明の目的は、繊維強化樹脂成形品のフ
ィラメントワインディングにおいて、繊維の巻き付け角
が小の場合でも、フィ−ドアイを交換することなく、同
一のフィ−ドアイで繊維を充分に均一な分布で、しかも
毛羽立ちや糸切れを排除して巻き付けることを可能とす
るフィラメントワインディング法を提供することにあ
る。
【0008】更に、本発明の目的は、各層の繊維巻き付
け角度が異なる多層の繊維強化樹脂成形品のフィラメン
トワインディングにおいて、全層のワインディングを共
通のフィ−ドアイで各層の繊維分布の均一性を充分に保
証し、しかも毛羽立ちや糸切れを排除しつつ行うことを
可能とするフィラメントワインディング法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る繊維強化樹
脂成形品のフィラメントワインディング法は、横一列に
一定の間隔で硬化性樹脂含浸繊維引き通し用スリットを
有し、送られてくる樹脂含浸繊維を上記スリットに通過
させるフィ−ドアイをマンドレルの回転軸線の方向に往
復移動させつつ、上記フィ−ドアイを通過した樹脂含浸
繊維を回転中のマンドレルに巻き付けていった後に樹脂
を硬化させる、成形品の製造方法であり、上記スリット
に送られてくる樹脂含浸繊維を含む面に垂直な軸心の周
りにフィ−ドアイを回動可能とし、フィ−ドアイを回動
させて上記スリットの横一列方向とフィ−ドアイを通過
した樹脂含浸繊維との間の角度を繊維の巻き付け角度よ
りも大とすることを特徴とする構成である。
【0010】以下、図面を参照しつつ本発明の構成を説
明する。図1は本発明に係るフィラメントワインディン
グ法を示す平面説明図である。図1において、1はマン
ドレルを示している。2はフィ−ドアイを示し、横一列
に一定の間隔aでスリット21,…を有し、ア−ム状台
板22の先端に取り付けられ、スリット21,…の横一
列の方向x’の台板22の長手方向y’との間の角度が
直角とされ、台板後端のガイドロ−ル(図示されていな
い)を経て通常、台板上に沿い一直線状で送られてくる
繊維30,…がスリット21,…を通過し、台板22が
該台板に垂直な軸心に対し、従って、スリット21,…
に送られてくる繊維30,30…を含む面に垂直な軸心
の周りに回動可能とされている。
【0011】図1において、31,…はフィ−ドアイ2
を通過させた樹脂含浸繊維を示し、マンドレル1(回転
数n、半径r)にフィ−ドアイ2をマンドレル1の回転
軸線方向Xに走行させつつ(走行速度v)巻き付けてお
り、βは巻き付け角を示し、tanβ=2πrn/vで与
えられる。
【0012】図1において、フィ−ドアイ2を回動さ
せ、上記スリット21,…の横一列方向x’とフィ−ド
アイ2を通過した樹脂含浸繊維31との間の角度θを繊
維の巻き付け角度βよりも大としてあり、そのフィ−ド
アイ2の回動角はγで示している。
【0013】図1において、点線はフィ−ドアイ2の回
動角γが0の場合を示している。図1において、樹脂含
浸繊維31がスリット21を通過する際、当該繊維31
がフィ−ドアイ2の走行方向Xとは反対方向に片寄らさ
れる分力f1を受け、繊維の張力をfとすれば、 f1=fcos(β+γ) で与えられる。
【0014】而して、フィ−ドアイのスリットの横一列
方向x’とマンドレル回転軸線との間の角度γ(以下、
フィ−ドアイの傾き角という)が00の場合(フィ−ド
アイの上記方向x’とマンドレル回転軸線とが並行な場
合)、スリットを通過する樹脂含浸繊維を片寄らせる分
力は、fcosβで与えられ、この分力は巻き付け角βが
0に近づく程大きくなっていく。
【0015】しかし、巻き付け角βが0に近くても、フ
ィ−ドアイ2のスリット21,…の横一列方向x’とフ
ィ−ドアイを通過した樹脂含浸繊維31との間の角度θ
を繊維の巻き付け角度βよりも大とするようにフィ−ド
アイ2を傾けた場合、即ち、上記の角度γが正の場合、
樹脂含浸繊維がスリットを通過する際、フィ−ドアイの
走行方向とは反対方向に片寄らされる上記の分力はfco
sγとなり、900に近づけるに従い、その分力を小にで
きる。而して、この分力を樹脂含浸繊維の上記片寄り移
動に対する摩擦力よりも小にすれば、その片寄りを防止
できる。この場合、式から、角度(β+γ)を900
にすれば、分力を0にでき最も好ましいが、通常のヘリ
カル巻きの場合(β=200〜700)、γ=450とし
ても本発明の目的を満足に達成できる。
【0016】本発明に係るフィラメントワインディング
法によれば、巻き付け角が小のヘリカル巻きでも、フィ
−ドアイ2の傾き角γを調整することにより、式で示
される繊維の片寄りを発生させる力を低減でき、ヘリカ
ル巻きにおける巻き付け繊維の分布の均一性を充分に保
持できる。
【0017】本発明によれば、巻き付け角の異なる繊維
強化樹脂成形品をフィラメントワインディングする場
合、各巻き付け角に対し、後述の標準寸法のスリットの
もとで巻き付け繊維の分布を均一にできるフィ−ドアイ
の傾き角を予め求めておき、共通の標準のフィ−ドアイ
を使用して、それらの繊維強化樹脂成形品を成形するこ
とができる。
【0018】本発明によれば、各層の巻き付け角度が異
なる多層の繊維強化樹脂成形品をフィラメントワインデ
ィングする場合、各層の巻き付け角に対し、後述の標準
寸法のスリットのもとで巻き付け繊維の分布を均一にで
きるフィ−ドアイの傾き角を予め求めておき、全層を途
中でフィ−ドアイを交換することなく連続の作業でフィ
ラメントワインディングすることができる。
【0019】上記スリットの標準寸法は、引き通す繊維
の番手によって異なるが、通常、高さが3〜20mm、
厚みが2〜8mmに設定される。上記フィ−ドアイ2に
は、図2に示すように、基台23の上面に例えば板状の
ガイド24を一定の間隔で並設し、基台23の両端に柱
部25を設け、並設ガイド24,…のマンドレル側にお
いて、ほぼ円柱状の横バ−26を上下に配置し、これら
の横バ−26を柱部25にピンで固定し、隣合うガイド
と上下の横バ−とで囲まれた空間をスリットしたものを
使用することができる。
【0020】上記ガイド24には、図3の(イ)に示す
ように、厚さtが2〜5mm、奥行きsが5〜20mm
の平板、または図3の(ロ)に示すように、前後端厚さ
tが2〜6mm、両側曲面の曲率半径が50mm以上、
奥行きsが5〜25mmの曲面板を使用することができ
る。
【0021】本発明に係るフィラメントワインディング
法により繊維強化樹脂成形品を製造するには、フィ−ド
アイを除き公知のフィラメントワインディング設備を使
用でき、図4はその設備の一例を示している。
【0022】図4において、41,…は繊維供給ボビン
を、42は樹脂含浸槽を、43は含浸ロ−ルを、1はマ
ンドレルを、2はフィ−ドアイをそれぞれ示し、フィラ
メントワインディングにあたっては、マンドレル1の回
転により繊維3をボビン41から引き出し、更に、樹脂
含浸槽42に通して樹脂を含浸し、次いでこの樹脂含浸
繊維をフィ−ドアイ2を往復走行させつつマンドレル1
に巻き付けていく。
【0023】このフィラメントワインディングによる樹
脂含浸繊維の成形後は、通常、成形体をマンドレルと共
に加熱炉に搬入して硬化し、脱型のうえ製品を得る。上
記繊維の形態としては、通常、ロ−ビングが使用される
が、側圧を受けて変形するものの全てを対象にでき、ロ
−ビングクロステ−プ、ガラスクロステ−プ、すだれテ
−プ、チョップドストランドテ−プ、コンティニュアン
ステ−プ等のテ−プ状のものの使用も可能である。ま
た、繊維の種類としては、ガラス繊維や炭素繊維等の無
機繊維、アラミド繊維やポリエチレンテレフタレ−ト繊
維等の有機繊維を使用できるが、機械的強度とコストの
両面からして、ガラス繊維が好適である。
【0024】上記の硬化性樹脂には、通常、不飽和ポリ
エステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノ−ル樹脂、
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用されるが、紫外線
硬化性樹脂の使用も可能である。
【0025】上記フィ−ドアイ2については、図5にお
いてフィ−ドアイ2のスリット21に送られてくる繊維
30を含む面に垂直な軸線の周りにフィ−ドアイ2を回
動可能とすること(V方向回転)、並びにマンドレル回
転軸(X軸方向)方向に往復移動可能とすることが不可
欠である。更に、通常は、マンドレル1に近接離反する
Z軸方向移動、垂直上下のY軸方向移動並びにマンドレ
ル回転軸を含む鉛直面に垂直な軸線の周りの回動(U方
向回転)等も可能とされている。
【0026】このフィ−ドアイの移動・回転の制御は、
マンドレルの形状や運動パタ−ンに応じて相違し、マン
ドレルの形状や運動パタ−ンが複雑になる場合は、コン
ピュ−タ−により予め定めたプログラムに従って制御す
ることが好ましい。
【0027】本発明に係るフィラメントワインディング
法は、各種の管状製品の製造に使用でき、直線管状製品
の他、曲管状製品や分岐管状製品の製造にも使用でき
る。図6の(イ)は、曲管状製品の製造に使用されるマ
ンドレルの一例を示し、ほぼ中央で曲成されて左右対称
の曲成部51が形成され、内部が中空とされ、両端に端
面部52,52が着脱可能に取り付けられ、各端面部5
2のほぼ中央に軸53が突設され、曲成部51の中央が
内面側からの着脱可能な結着により左右に分割可能とさ
れており、端面部52を脱離し、内面側からその分割部
の結合(通常、ボルト締結)を解除することにより左右
に分割することができる。
【0028】上記マンドレルの両端には、フィラメント
ワインディングの方向を反転する際、巻回層の巻き崩れ
を防止するための繊維係止用ピンが突設されているが、
図示はされていない。
【0029】上記において、曲管状製品の少なくとも一
端に管受け口部(パッキング装着溝や抜け止めリング装
着溝を有していてもよい)を設ける場合は、受け口成形
用の分割型をマンドレルの少なくとも一端に着脱自在に
装着することができる。
【0030】図6の(ロ)は、上記マンドレルを装備し
た巻き付け装置を示し、対向する回転軸541,542
に円弧状ガイドア−ム55が取り付けられ、マンドレル
両端の各軸53にガイドシュ−531が取り付けられ、
各ガイドシュ−531が各円弧状ガイドア−ム55に摺
動可能に支承され、上記の両円弧状ガイドア−ム55,
55の円弧中心とマンドレル50の中心とがほぼ一致さ
れ、また、上記回転軸541,542を結ぶ線が両円弧
状ガイドア−ム55,55の円弧中心を通過している。
マンドレル50を円弧状ガイドア−ム55をガイドとし
て回動させるために、両円弧状ガイドア−ムの少なくと
も一方側において、マンドレルの軸と円弧状ガイドア−
ムとの間に、圧力式伸縮シリンダ−が連結されている
が、図示はされていない。
【0031】上記巻き付け装置を用いて本発明により上
記マンドレルに樹脂含浸繊維を巻き付けるには、図7の
(イ)に示すように、マンドレル50の一端側の軸53
を両回転軸541,542と同一軸線上に位置させ、回
転軸541の駆動でマンドレル50を所定の回転速度で
回転させる共に、フィ−ドアイ2を上記した所定の傾き
角度αのもとでX軸方向(回転軸の軸方向)に所定の速
度で走行させて、マンドレルの左半部のフィラメントワ
インディングを進めていく。
【0032】マンドレルの左半部のフィラメントワイン
ディングを終了すれば、図7の(ロ)に示すように、マ
ンドレル50を回動させ、図7の(ハ)に示すようにマ
ンドレル50の他端側の軸53を両回転軸541,54
2と同一軸線上に位置させ、マンドレル50の右半部の
フィラメントワインディングを進めていく。
【0033】マンドレルの右半部のフィラメントワイン
ディングを終了したのち、フィ−ドアイの走行方向を反
転し、この反転中に、フィ−ドアイの傾き角を上記の傾
き角に対し負の角度にし、更に、上記とは逆の図7の
(ハ)⇒図7の(ロ)⇒図7の(イ)の順序で逆方向の
フィラメントワインディングを行っていく。
【0034】本発明はT字型管継手(主管部の中央から
枝管部が突設され、各受口の内面にゴムリング装着溝や
止めリング装着溝が形成されている)の製造にも使用で
き、この場合、金型には、主管形成部と枝管成形部に分
離可能であり、各成形部を縮径可能なセグメント構造と
したものを用いることができる。
【0035】本発明によりこのT字型マンドレルに樹脂
含浸繊維を巻き付けるには、まず、図8の(イ)に示す
ように、枝管形成部61の頭部に巻き付け装置の駆動軸
側チャック610を、主管成形部62の背面中央部位に
巻き付け装置の従動軸側心押し部620をそれぞれ当接
してマンドレルを巻き付け装置の軸間に挾持し、駆動軸
611でマンドレルを所定の回転数速度で回転させる共
に、フィ−ドアイを正負の所定の傾き角度のもとでX軸
方向(回転軸の軸方向)に所定の速度で往復走行させ
て、マンドレルの枝管形成部61のフィラメントワイン
ディングを進めていく。
【0036】マンドレルの枝管形成部61のフィラメン
トワインディングを終了すれば、上記枝管形成部61の
挾持を解除し、図8の(ロ)に示すように、マンドレル
の主管部62の両端頭部を駆動軸側チャック610と従
動軸チャック621とで挾持し、駆動軸611でマンド
レルを所定の回転数速度で回転させる共に、フィ−ドア
イを正負の所定の傾き角度のもとでX軸方向(回転軸の
軸方向)に所定の速度で往復走行させて、マンドレルの
主管形成部62のフィラメントワインディングを進めて
いく。
【0037】なお、マンドレルの材質としては、剛性が
高く、かつ軽量なものが好適であり、例えば、軟鋼、ス
テンレス、アルミニウム、ジュラルミン等の金属型、ウ
レタンゴム等のゴムやポリプロピレン、ポリエチレン等
のプラスチックで成形したブロ−型等を使用できる。
【0038】
【作用】図1に示すように、フィ−ドアイ2を角度γで
回動させてフィ−ドアイ2のスリット21,…の横一列
方向x’とフィ−ドアイ2を通過した樹脂含浸繊維31
との間の角度θを繊維の巻き付け角度βよりも大とする
と、樹脂含浸繊維がスリット21を通過する際、フィ−
ドアイ2の走行方向とは反対方向に片寄ろうとする力f
1は、繊維の張力をfとすれば、 f1=fcos(β+γ) で与えられる。
【0039】従って、角度(β+γ)をほぼ900にす
るように、巻き付け角βに応じ、フィ−ドアイ2の傾き
角γを設定することにより、即ち、β=900のフ−プ
巻きのときは、γを0に、βが0に近いときは、γを9
0近くに設定することにより、スリット21内での繊
維の片寄りを防止できる。
【0040】
【実施例】
〔実施例1〕製造した繊維強化樹脂成形品は呼び径25
0の450ベンド管である。
【0041】硬化性樹脂組成物には、オルソ系不飽和ポ
リエステル樹脂(スチレン含有量は約40重量%であ
る。また、硬化促進剤として6%ナフテン酸コバルトを
含有している)100重量部、メチルエチルケトンパ−
オキサイド(硬化剤)0.7重量部を使用し、繊維には
ガラス繊維ロ−ビング(番手45000g/km)を使
用した。
【0042】マンドレル並びに巻き付け装置には図6の
(イ)並びに(ロ)に示すものを使用し、図7に示した
要領でフィラメントワインディングを行った。まず、巻
き付け角β=900、フィ−ドアイの傾き角γ=00でフ
−プ巻きを施し、次いで、フィ−ドアイの傾き角γを4
0に調整し、巻き付け角β=600でマンドレルの一端
から他端に向けて巻き付けていき、マンドレル他端側で
の折り返し中にフィ−ドアイの傾き角γを−450に調
整し、更にマンドレルの他端側から一端側に向け巻き付
け角β=−600で巻き付けてヘリカル巻きを施した。
【0043】このようにして、曲りマンドレルにフィラ
メントワインディングを施したのち、繊維強化樹脂成形
品をマンドレルと共に硬化炉に搬入し、温度80℃,2
時間で硬化を行い、脱型して繊維強化樹脂製ベンド管を
製作した。
【0044】ベンド管の製作箇数は20箇とした。 〔比較例1〕実施例1に対し、フィ−ドアイの傾き角γ
の調整を行わず、γ=0とした以外、実施例1に同じと
した。
【0045】〔比較例2〕実施例1に対し、フィ−ドア
イの傾き角γの調整を行わず、γ=0とし、また、ガイ
ド板に代え直径2mmの円形ピンを使用した以外、実施
例に同じとした。
【0046】上記において、比較例では巻き付けた繊維
の分布の不均一化が目立ち、特に、比較例2では、フィ
−ドアイのスリット間を仕切る円形ピンが撓んで繊維の
供給状態が著しく不安定であり、ピンに繊維屑が堆積
し、12箇目の製品製造中に繊維が断線した。しかし、
実施例品においては、巻き付け繊維の均一性は頗る良好
であり、繊維の巻き付け折り返し時においても、繊維の
張力状態は極めて安定であり、スリットでの繊維屑の堆
積は観られず、製品20箇とも繊維の断線なく、連続製
造できた。
【0047】また、実施例品並びに比較例品につき、静
水圧40kg/cm2の耐内圧試験を行ったところ、実
施例品では、20箇全てが合格した。これに対し、比較
例品1では、20箇中14個が不合格であり、比較例2
では、20箇中17個が不合格であった。
【0048】〔実施例2〕製造した繊維強化樹脂成形品
は呼び径150のT字型管継手であり、管受口内面に
は、ゴムリング装着溝並びに止めリング装着溝が設けら
れている。
【0049】硬化性樹脂組成物並びに繊維には実施例1
の場合と同じものを使用した。フィ−ドアイについて
は、ガイド板に厚み3mm,奥行き10mmの平板を用
いた以外、実施例1と同じとした。
【0050】まず、図8の(イ)に示すように、T字型
マンドレルの枝管部形成部61のフィラメントワインデ
ィングを行った。この枝管部形成部61のフィラメント
ワインディングにおいては、最初に、交差部を除く巻き
枝管部形成部61に付け角β=900、フィ−ドアイの
傾き角γ=00でフ−プ巻きを施し、次いで、フィ−ド
アイの傾き角γを450に調整し、マンドレルの一端か
ら交差部に向け交差部を含めて巻き付け角β=300
巻き付け、マンドレル交差部での折り返し中にフィ−ド
アイの傾き角γを−450に調整し、更にマンドレルの
交差部から一端に向け巻き付け角β=−300で巻き付
けてヘリカル巻きを施し、次いで、フィ−ドアイの傾き
角γを450に調整し、マンドレルの一端から交差部に
向け、巻き付け角β=700で巻き付け、マンドレル交
差部での折り返し中にフィ−ドアイの傾き角γを−45
0に調整し、更にマンドレルの交差部から一端に向け、
巻き付け角β=−700で巻き付けてヘリカル巻きを施
し、次いで、交差部を除く枝管部形成部61に上記のフ
−プ巻きを再度施した。
【0051】このようにして、T字型マンドレルの枝管
部形成部61のフィラメントワインディングを行ったの
ち、図8の(ロ)に示すように、T字型マンドレルの主
管部形成部62のフィラメントワインディングを、交差
部を含む主管部形成部62のβ=900,γ=00のフ−
プ巻き、交差部を含む主管部形成部62のβ=±3
0,γ=±450のヘリカル巻き、交差部を含む主管部
形成部62のβ=±700,γ=±450のヘリカル巻
き、交差部を含む主管部形成部62のβ=900,γ=
0のフ−プ巻きで行った。
【0052】このようにして、同一のフィ−ドアイを使
用し、T字型マンドレル全体のフィラメントワインディ
ングを行ったのち、繊維強化樹脂成形品をマンドレルと
共に硬化炉に搬入し、温度80℃,2時間で硬化を行
い、脱型してT字型繊維強化樹脂製管継手を製作した。
【0053】〔比較例3〕実施例2に対し、フィ−ドア
イの傾き角γの調整を行わず、γ=0とした以外、実施
例2に同じとした。
【0054】〔比較例4〕実施例2に対し、フィ−ドア
イの傾き角γの調整を行わず、γ=0とし、また、ガイ
ド板に代え直径2mmの円形ピンを使用した以外、実施
例2に同じとした。
【0055】上記比較例3並びに4では、比較例1,2
と同様、巻き付け繊維の分布の不均一化が目立ち、特
に、比較例4では、比較例2と同様、フィ−ドアイのス
リット間を仕切る円形ピンが撓んで繊維の供給状態が著
しく不安定であり、ピンに繊維屑が堆積し、18箇目の
製品製造中に繊維が断線した。しかし、実施例2におい
ては、実施例1と同様、巻き付け繊維の均一性が頗る良
好であり、繊維の巻き付け折り返し時においても、繊維
の張力状態が極めて安定であり、スリットでの繊維屑の
堆積は観られず、製品20箇とも繊維の断線なく、連続
製造できた。
【0056】また、実施例2並びに比較例3,4の製品
につき、上記と同様、静水圧40kg/cm2の耐内圧
試験を行ったところ、実施例品では、20箇全てが合格
したが、比較例3では、20箇中15個が不合格であ
り、比較例4では、20箇中18個が不合格であった。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化樹脂製品のフィラ
メントワインディング法によれば、ヘリカル巻きの場合
でも、同一フィ−ドアイの使用のもとで、フ−プ巻きの
場合と同様、繊維の巻き付け分布を充分均一にでき、ボ
イドがなく、機械的強度の優れた繊維強化樹脂成形品を
成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す説明図である。
【図2】本発明において使用するフィ−ドアイの一例を
示す説明図である。
【図3】図2のフィ−ドアイに使用するガイド板の異な
る例を示す斜視図である。
【図4】本発明において使用するフィラメントワインデ
ィング装置の一例を示す説明図である。
【図5】本発明において使用するフィ−ドアイの運動方
向を示す説明図である。
【図6】図6の(イ)は本発明において使用するマンド
レルの一例を、図6の(ロ)は同マンドレルの回転装置
の一例をそれぞれ示す正面図である。
【図7】図6のマンドレル並びに回転装置を使用しての
フィラメントワインディングの作業手順を示す説明図で
ある。
【図8】T字型マンドレルを使用しての本発明の実施例
の作業手順を示す説明図である。
【図9】従来のフィ−ドアイを示す斜視図である。
【図10】図10の(イ)は、従来のフィラメントワイ
ンディング法によるフ−プ巻きを示す平面説明図、図1
0の(ロ)は図10の(イ)におけるロ−ロ断面図であ
る。
【図11】図11の(イ)は、従来のフィラメントワイ
ンディング法によるヘリカル巻きを示す平面説明図、図
11の(ロ)は図11の(イ)におけるロ−ロ断面図で
ある。
【符号の説明】
1 マンドレル X マンドレル回転軸線方向 2 フィ−ドアイ 21 スリット 22 基台 24 ガイド板 26 横バ− x’ スリットの横一列方向 30 スリットに送られてくる繊維 31 樹脂含浸繊維 β 巻き付け角 γ フィ−ドアイの傾き角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 101:10 105:08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】横一列に一定の間隔で硬化性樹脂含浸繊維
    引き通し用スリットを有し、送られてくる樹脂含浸繊維
    を上記スリットに通過させるフィ−ドアイをマンドレル
    の回転軸線の方向に往復移動させつつ、上記フィ−ドア
    イを通過した樹脂含浸繊維を回転中のマンドレルに巻き
    付けていった後に樹脂を硬化させる、成形品の製造方法
    であり、上記スリットに送られてくる樹脂含浸繊維を含
    む面に垂直な軸心の周りにフィ−ドアイを回動可能と
    し、フィ−ドアイを回動させて上記スリットの横一列方
    向とフィ−ドアイを通過した樹脂含浸繊維との間の角度
    を繊維の巻き付け角度よりも大とすることを特徴とする
    繊維強化樹脂成形品のフィラメントワインディング法。
JP6149089A 1994-06-30 1994-06-30 繊維強化樹脂成形品のフィラメントワインディング法 Pending JPH0811221A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010125651A1 (ja) * 2009-04-28 2010-11-04 トヨタ自動車株式会社 フィラメントワインディング装置およびフィラメントワインディング方法
KR102392124B1 (ko) * 2021-03-02 2022-04-28 주식회사 광명산업 Frp 코어 보강방법

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