JPH08112019A - 砂糖黍収穫機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 収穫袋に投入した寸断砂糖黍の盛り上がりを
崩して、外部への寸断砂糖黍の飛び散りをなくする。 【構成】 砂糖黍収穫機に於ける掛吊り収穫袋２２の直
上に盛り上がった寸断砂糖黍の山を崩す崩壊装置４１を
設けて、盛り上がった山を崩して、収穫袋外に寸断砂糖
黍が飛び散るのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、刈り取った砂糖黍を
寸断して回収する方式の収穫機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の、砂糖黍の収穫は、車体の走行に
ともない、車体の前端の刈取装置により砂糖黍を刈り取
ると共に、刈り取った砂糖黍を前後向きの姿勢で車体内
の搬送装置により後方に向け搬送しながら、搬送装置の
途中に設けてある切断装置によって寸断する。

【０００３】寸断された砂糖黍は、搬送装置から登り傾
斜のコンベヤに荷受けされ、そしてコンベヤから車体の
後端に搭載してある袋やボックスに投入して収穫するよ
うになっている。

【０００４】なお、収穫用の袋やボックスは、起伏回動
するアームの上端に方形状の枠体を設けて、この枠体の
ピンと袋やボックスの上縁のフックとの係合により掛吊
してある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のような砂糖黍収
穫機によると、コンベヤから袋やボックス内に投入した
寸断砂糖黍は、落下点において盛り上がると共に、盛り
上がり斜面を転がりながら袋やボックスの周壁に向か
う。

【０００６】また、投入にともなう落下衝撃によってお
どり上がった寸断砂糖黍は、飛び散りながら、袋やボッ
クスの周壁に当って落下する。

【０００７】しかしながら、満杯近くなると、盛り上が
り頂部が袋やボックスの上縁開放縁近くになり、或いは
上縁開放縁に対して上方に突出するので、おどり上がっ
て飛び散る寸断砂糖黍を袋やボックスの周壁により止め
ることができない。

【０００８】このため、袋やボックス外に寸断砂糖黍が
飛び出し、畑に飛び散った寸断砂糖黍の回収作業が別途
必要になる問題が発生した。また、満杯近くになると、
人手により盛り上がった寸断砂糖黍の山を崩すことによ
り上述の問題を回避することができる。

【０００９】しかしながら、別に専用の作業者を必要と
するので、収穫コストが大幅にアップすると共に、棒な
どを用いて山を崩すため危険がともなう問題もあった。

【００１０】さらに、寸断砂糖黍が飛び出さない満杯の
手前で空の袋やボックスに交換すると、頻繁に袋やボッ
クスの交換が必要になって、収穫機の稼動率が著しく低
下すると共に、袋やボックスの使用量が多くなる問題も
発生した。

【００１１】そこで、この発明の課題は、収穫寸断砂糖
黍が満杯近くになっても寸断砂糖黍が飛び出さないと共
に、袋やボックスに対する収納量をアップするようにし
た砂糖黍収穫機を提供する。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、走行車体の前端側の刈取装置により
刈り取ると共に、刈り取った砂糖黍を上記車体内の第１
搬送装置により搬送しながら、上記第１搬送装置の途中
の切断装置により寸断し、この寸断砂糖黍を上記車体後
端内の第２搬送装置に荷受けすると共に、上記車体の後
端起伏回動アームに適宜の手段により着脱自在に係合し
てある収穫用の袋やボックスに上記第２搬送装置の寸断
砂糖黍を投入する砂糖黍収穫機に於いて、上記袋やボッ
クスの直上に盛り上がった寸断砂糖黍の山を崩す崩壊装
置を設けた構成を採用する。

【００１３】

【作用】上記のように構成すると、崩壊装置の運転によ
って盛り上がった寸断砂糖黍の山を崩して、荷こぼれを
なくする。寸断砂糖黍の山を崩す作業は、連続して行わ
れる。

【００１４】

【実施例】以下、この発明に係る実施例を添付図面に基
づいて説明する。

【００１５】図１に示すように、１１は自走式の走行車
体である。上記の車体１１は、両側の前後に前輪１２と
ドライブ機能付の後輪１３とが設けられており、車体１
１の前端運転室１４で操作しながら走行させるようにな
っている。

【００１６】また、前輪１２間の後方には、砂糖黍の刈
取装置１５が設けられている。上記の刈取装置１５は、
図示の場合、対向する周縁がオーバーラップするよう左
右に回転刃１６を配置し、互に油圧モーターなどにより
回転刃１６を回転させながら車体１１の走行により砂糖
黍の茎を切断するようになっている。

【００１７】なお、刈り取る直前の砂糖黍は、車体１１
の前端両側に油圧モーターなどで回転するよう設けてあ
る螺旋筒１７により前方に押し倒され、刈り取り後前後
向きの姿勢で車体１１内に送り込みローラ（図示省略）
により回収するようになっている。

【００１８】さらに、車体１１内に回収した砂糖黍は、
第１搬送装置１８により車体１１内の後方に向け搬送さ
れる。上記の第１搬送装置１８は、図示の場合、上下２
本１組の駆動ローラを前後に所定の間隔を存して配列
し、上下のローラにより挟み込んで搬送する。

【００１９】また、第１搬送装置１８により搬送される
砂糖黍は、切断装置１９により所定の寸法毎に寸断され
るようになっている。上記の切断装置１９は、下側に回
転する受けロールと、上側に放射方向に等間隔を存して
突出する切断刃を有する回転刃とを並べて設けてある。

【００２０】さらに、車体１１内の切断装置１９の後方
には、切断装置１９により寸断した寸断砂糖黍を荷受け
して搬出するベルトは或はネットコンベヤなどの第２搬
送装置２０が設けられている。

【００２１】また、第２搬送装置２０のヘッドから排出
する寸断砂糖黍は、車体１１の後端上に適宜の手段によ
り起伏回動するアーム２１に着脱自在に掛吊りした収穫
袋２２に（袋にかえてボックスを使用することもある）
投入される。

【００２２】上記アーム２１の起伏回動は、図示の場
合、車体１１の後端上の両側に上向きの取付板２３を設
けて、この取付板２３に二条の並行するアーム２１の未
端をピン２４を介し回動自在に取付けると共に、片方の
アーム２１の下方未端から連なる突片２５と、車体１１
上にピン２６を介し未端を回動自在に支持したシリンダ
２７の先端とをピン２８を介し回動自在に連結し、シリ
ンダ２７の伸長、収縮作用によりアーム２１を起伏回動
するようにしたが、上記以外の方法で行なうこともあ
る。

【００２３】上記収穫袋２２の着脱自在な掛吊りは、例
えば図１及び図２に示すように、方形状枠体２９の両側
にピン３０を介し各アーム２１の上端を回動自在に取付
け、枠体２９の四辺には、噛み合う傘歯車３１により回
動を伝える回動軸３２を配置すると共に、各回動軸３２
の点在位置から突出する上向きの杆３３に収穫袋２２の
開放上縁に取り付けてある環３４を係合し、シリンダ３
５の収縮作用によりリンク３６を介し各辺の回動軸３２
を回動して、上向きの位置の杆３３を下向きの位置迄変
位すると、杆３３から環３４が自動的に外れるようにし
たが、例えばフックと環とを人手により係合と、係合を
解除するようにしてもよい。

【００２４】また、掛吊した収穫袋２２の直上には、収
穫袋２２内の上縁近くで盛り上がった寸断砂糖黍の山を
崩す崩壊装置４１が設けてある。上記の崩壊装置４１
は、図１、図３及び図４に示すように、収穫袋２２の両
側直上に設けた水平の支持部材４２と、この各支持部材
４２に軸４３を介し上端を回動自在に取付けた揺動アー
ム４４と、この両揺動アーム４４の下端に端をそれぞれ
固着した水平部材４５と、揺動アーム４４を往復揺動さ
せる駆動装置４６とで構成し、駆動装置４６の運転によ
り揺動アーム４４を前後方向に往復揺動すると、収穫袋
２２内の上縁開放口近くで盛り上がった寸断砂糖黍の山
が前方、後方に崩す。

【００２５】なお、上記の崩壊装置４１の運転は、光セ
ンサなどの検出装置（図示省略）により収穫袋２２に投
入された寸断砂糖黍の盛り上がりが収穫袋２２の上縁近
くになると検出して自動運転する以外に、運転室１４の
作業者により確認しながら行なう場合とがある。

【００２６】また、上記の駆動装置４６は、図示の場
合、揺動アーム４４に接続してあるクランク機構４７を
モーター４８の運転により作用させて、揺動アーム４４
を前後方向に揺動させるようにしたが、上記以外に、例
えば揺動アームの上端に固定した歯車とモーターの可逆
運転により正転、逆転する歯車とを噛み合わせて行なう
こともある。

【００２７】なお、上記以外に図５に示すように、枠体
２９の両側から起立する支持部材４２に図３及び図４に
示す崩壊装置４１を設けておくと、同様の効果が得られ
ると共に、空間が狭い場合の枠体４２と揺動アーム４４
との衝突を回避し、かつ枠体４２と共に崩壊装置４１を
降下させて、地上で点検などの作業ができる。

【００２８】

【発明の効果】この発明に係る砂糖黍収穫機は、以上の
ように構成してあるので、収穫袋やボックスに投入した
寸断砂糖黍の盛り上がり山の部分を崩壊装置により崩す
ことができる。

【００２９】このため、寸断砂糖黍の投入にともないお
どり上がって収穫袋やボックス外に寸断砂糖黍が飛び出
す（散る）ような不都合をなくすことができると共に、
スムーズに収穫でき、かつ畑に飛び散ったために発生し
た回収作業並びに人手による危険な作業をなくすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す側面図

【図２】収穫袋の掛吊りを示す平面図

【図３】崩壊装置を示す拡大側面図

【図４】崩壊装置の平面図

【図５】他の崩壊装置を示す側面図

【符号の説明】

１１ 車体 １２ 前輪 １３ 後輪 １４ 運転室 １５ 刈取装置 １６ 回転刃 １８ 第１搬送装置 １９ 切断装置 ２０ 第２搬送装置 ２１ アーム ２２ 収穫袋 ４１ 崩壊装置 ４２ 支持部材 ４３ 軸 ４４ 揺動アーム ４５ 水平部材 ４６ 駆動装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行車体の前端側の刈取装置により刈り
   取ると共に、刈り取った砂糖黍を上記車体内の第１搬送
   装置により搬送しながら、上記第１搬送装置の途中の切
   断装置により寸断し、この寸断砂糖黍を上記車体後端内
   の第２搬送装置に荷受けすると共に、上記車体の後端起
   伏回動アームに適宜の手段により着脱自在に係合してあ
   る収穫用の袋やボックスに上記第２搬送装置の寸断砂糖
   黍を投入する砂糖黍収穫機に於いて、上記袋やボックス
   の直上に盛り上がった寸断砂糖黍の山を崩す崩壊装置を
   設けたことを特徴とする砂糖黍収穫機。