JPH08110968A - マスターパターンの作成方法ならびに通貨の識別方法および装置 - Google Patents
マスターパターンの作成方法ならびに通貨の識別方法および装置Info
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- JPH08110968A JPH08110968A JP7152113A JP15211395A JPH08110968A JP H08110968 A JPH08110968 A JP H08110968A JP 7152113 A JP7152113 A JP 7152113A JP 15211395 A JP15211395 A JP 15211395A JP H08110968 A JPH08110968 A JP H08110968A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 迅速にして正確な通貨紙幣の識別が行えるよ
うにする。 【構成】 第1の方法で紙幣17のマスターパターンを
次のようにして得る。まず、一枚の標準の紙幣17を複
数回走査する。走査結果に対応するデータサンプルの平
均値をとる。その平均値を、その額面紙幣17のマスタ
ーパターンを示すものとして識別装置に記憶する。第2
の方法で紙幣17のマスターパターンを次のようにして
得る。標準的な品質を有する真正の複数の紙幣17を走
査する。得られた複数の要素パターンを平均化し、その
値からマスターパターンを作成する。第3の方法で紙幣
17のマスターパターンを次のようにして得る。一枚以
上の新札を走査して要素パターンを得る。一枚以上の旧
札を走査して要素パターンを得る。これらの要素パター
ンを平均化して、その値からマスターパターンを作成す
る。
うにする。 【構成】 第1の方法で紙幣17のマスターパターンを
次のようにして得る。まず、一枚の標準の紙幣17を複
数回走査する。走査結果に対応するデータサンプルの平
均値をとる。その平均値を、その額面紙幣17のマスタ
ーパターンを示すものとして識別装置に記憶する。第2
の方法で紙幣17のマスターパターンを次のようにして
得る。標準的な品質を有する真正の複数の紙幣17を走
査する。得られた複数の要素パターンを平均化し、その
値からマスターパターンを作成する。第3の方法で紙幣
17のマスターパターンを次のようにして得る。一枚以
上の新札を走査して要素パターンを得る。一枚以上の旧
札を走査して要素パターンを得る。これらの要素パター
ンを平均化して、その値からマスターパターンを作成す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は通貨の同定ないし識別に
関する。より詳細に言えば、本発明は、マスターパター
ンの作成方法ならびに、額面金額の異なる通貨紙幣を識
別する方法および装置に関する。
関する。より詳細に言えば、本発明は、マスターパター
ンの作成方法ならびに、額面金額の異なる通貨紙幣を識
別する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の通貨識別システムは、目的とする
紙幣から得られた(走査された)パターンと、システム
が記憶している種々の額面金額のマスターパターンとを
比較することにより識別を行っている。したがって、真
正の紙幣と偽札紙幣との識別はもとより、種々の額面金
額の紙幣の中からひとつを同定ないし識別する識別シス
テムにおいて、記憶しておくマスターパターンは重要な
役割を果たすことになる。これらのマスターパターン
は、真正とされる種々の額面金額の紙幣を走査すること
によって作成され、作成されたマスターパターンは記憶
される。しかしながら、与えられた額面金額の真正の紙
幣を走査して作成されたパターンは、多くのファクタに
より変動する可能性がある。例えば、紙幣の状態、すな
わちピンとした新札(使用していない、あるいはほとん
ど使用していない新品同様の札の意味)であるとか、擦
り切れて薄っぺらな札であるとか、あるいは紙幣が印刷
された年代、つまり、ある額面金額の紙幣に安全のため
の線条が組み込まれた年の前の年の紙幣が後の年の紙幣
かによっても、パターンが変動する。同様に、何回も繰
り返し使用された紙幣は縮んでしまい、寸法が小さくな
っているが、このような紙幣もまた、パターンの走査に
変動を与える。結局のところ、例えばもし20ドルのピ
ンとした真正の紙幣を走査して20ドルのマスターパタ
ーンを作成したとすると、真正ではあるけれども摩耗し
てよれよれの多くの20ドル紙幣は、識別システムによ
って拒絶されてしまう可能性があり、その数は許容範囲
を越えるであろう。また逆に、真正ではあるが摩耗して
よれよれの20ドル紙幣でマスターパターンを作成した
なら、識別システムは、許容範囲を越える数の多くの新
札20ドル紙幣を拒絶してしまうだろう。
紙幣から得られた(走査された)パターンと、システム
が記憶している種々の額面金額のマスターパターンとを
比較することにより識別を行っている。したがって、真
正の紙幣と偽札紙幣との識別はもとより、種々の額面金
額の紙幣の中からひとつを同定ないし識別する識別シス
テムにおいて、記憶しておくマスターパターンは重要な
役割を果たすことになる。これらのマスターパターン
は、真正とされる種々の額面金額の紙幣を走査すること
によって作成され、作成されたマスターパターンは記憶
される。しかしながら、与えられた額面金額の真正の紙
幣を走査して作成されたパターンは、多くのファクタに
より変動する可能性がある。例えば、紙幣の状態、すな
わちピンとした新札(使用していない、あるいはほとん
ど使用していない新品同様の札の意味)であるとか、擦
り切れて薄っぺらな札であるとか、あるいは紙幣が印刷
された年代、つまり、ある額面金額の紙幣に安全のため
の線条が組み込まれた年の前の年の紙幣が後の年の紙幣
かによっても、パターンが変動する。同様に、何回も繰
り返し使用された紙幣は縮んでしまい、寸法が小さくな
っているが、このような紙幣もまた、パターンの走査に
変動を与える。結局のところ、例えばもし20ドルのピ
ンとした真正の紙幣を走査して20ドルのマスターパタ
ーンを作成したとすると、真正ではあるけれども摩耗し
てよれよれの多くの20ドル紙幣は、識別システムによ
って拒絶されてしまう可能性があり、その数は許容範囲
を越えるであろう。また逆に、真正ではあるが摩耗して
よれよれの20ドル紙幣でマスターパターンを作成した
なら、識別システムは、許容範囲を越える数の多くの新
札20ドル紙幣を拒絶してしまうだろう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主目的は、多
数の額面金額の通貨紙幣を同定ないし識別するための方
法および装置を提供することにある。
数の額面金額の通貨紙幣を同定ないし識別するための方
法および装置を提供することにある。
【0004】本発明の別の目的は、幾つかの額面金額の
紙幣を高速かつ高精度で効率よく同定ないし識別するこ
とのできる改良された方法および装置を提供することに
ある。
紙幣を高速かつ高精度で効率よく同定ないし識別するこ
とのできる改良された方法および装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】簡単に言えば、上記目的
を達成するため、本発明によれば、与えられた額面金額
のマスターパターンを作成する際に、その額面金額の真
正の紙幣を走査することによって得られた複数の要素パ
ターン(典型的には3つ)を平均化する。一つの方法に
よれば、与えられた額面金額のマスターパターンは、複
数の要素パターンを平均化することによって作成され、
要素パターンの作成は、その額面金額の一枚あるいはそ
れ以上の真正の「標準」紙幣、すなわち平均的な品質を
有する紙幣を走査することによって行われる。「走査」
される紙幣は少し使用された紙幣であり、ピンとした新
札でもなければ、何回も頻繁に繰り返し使用された紙幣
でもない。
を達成するため、本発明によれば、与えられた額面金額
のマスターパターンを作成する際に、その額面金額の真
正の紙幣を走査することによって得られた複数の要素パ
ターン(典型的には3つ)を平均化する。一つの方法に
よれば、与えられた額面金額のマスターパターンは、複
数の要素パターンを平均化することによって作成され、
要素パターンの作成は、その額面金額の一枚あるいはそ
れ以上の真正の「標準」紙幣、すなわち平均的な品質を
有する紙幣を走査することによって行われる。「走査」
される紙幣は少し使用された紙幣であり、ピンとした新
札でもなければ、何回も頻繁に繰り返し使用された紙幣
でもない。
【0006】本発明の別の方法によれば、与えられた額
面金額のためのマスターパターンは、複数の要素パター
ンを平均化することによって作成されるが、要素パター
ンの幾つかはその額面金額の一枚あるいはそれ以上の新
札を走査することによって作成され、要素パターンの別
の幾つかはその額面金額の一枚あるいはそれ以上の旧札
(何回も使用された古い紙幣の意味。新札と全く図柄が
異なる紙幣を意味するのではない)を走査することによ
って作成される。
面金額のためのマスターパターンは、複数の要素パター
ンを平均化することによって作成されるが、要素パター
ンの幾つかはその額面金額の一枚あるいはそれ以上の新
札を走査することによって作成され、要素パターンの別
の幾つかはその額面金額の一枚あるいはそれ以上の旧札
(何回も使用された古い紙幣の意味。新札と全く図柄が
異なる紙幣を意味するのではない)を走査することによ
って作成される。
【0007】
【実施例】第1図を参照すると、本発明による通貨識別
システムの望ましい一実施例を示す機能上のブロック図
が示してある。このシステム10は、確認し、計算する
必要のある紙幣の積み重ねを配置する紙幣受入れステー
ション12を有する。受入れられた紙幣は、一度に一枚
の紙幣を取り出す、即ち分離するように機能する紙幣分
離ステーション14の作用を受け、次いで、予め詳細に
決められた移送路に従って紙幣移送機構16で中継さ
れ、走査ヘッド18を横切り、この走査ヘッド18のと
ころで紙幣の額面金額が走査され識別される。図示した
望ましい実施例において、走査ヘッド18は光学式走査
ヘッドであり、走査される紙幣17から特徴的な情報を
走査し、紙幣の識別に利用できるようにする。走査され
た紙幣17は、次いで、走査済の紙幣を紙幣積み重ねス
テーション20に移送され、こうした処理を受けた紙幣
を、続く取り出しのため、このステーション20に積み
重ねておく。
システムの望ましい一実施例を示す機能上のブロック図
が示してある。このシステム10は、確認し、計算する
必要のある紙幣の積み重ねを配置する紙幣受入れステー
ション12を有する。受入れられた紙幣は、一度に一枚
の紙幣を取り出す、即ち分離するように機能する紙幣分
離ステーション14の作用を受け、次いで、予め詳細に
決められた移送路に従って紙幣移送機構16で中継さ
れ、走査ヘッド18を横切り、この走査ヘッド18のと
ころで紙幣の額面金額が走査され識別される。図示した
望ましい実施例において、走査ヘッド18は光学式走査
ヘッドであり、走査される紙幣17から特徴的な情報を
走査し、紙幣の識別に利用できるようにする。走査され
た紙幣17は、次いで、走査済の紙幣を紙幣積み重ねス
テーション20に移送され、こうした処理を受けた紙幣
を、続く取り出しのため、このステーション20に積み
重ねておく。
【0008】光学式走査ヘッド18は、紙幣17が走査
ヘッド18の下の移送路上に位置したとき、ほぼ矩形の
光ストリップ24を照射するように、コヒーレントな光
線を紙幣移送路上に上方に差し向ける少なくとも一つの
光源22を有する。照射されたストリップ24が反射し
た光をストリップの真下に配意した光電検出器26で検
出する。光電検出器26のアナログ出力をアナログーデ
ジタル変換器(ADC)ユニット28でデジタル信号に
変換し、このユニットの出力をデジタル入力として中央
演算処理装置(CPU)30に入力する。
ヘッド18の下の移送路上に位置したとき、ほぼ矩形の
光ストリップ24を照射するように、コヒーレントな光
線を紙幣移送路上に上方に差し向ける少なくとも一つの
光源22を有する。照射されたストリップ24が反射し
た光をストリップの真下に配意した光電検出器26で検
出する。光電検出器26のアナログ出力をアナログーデ
ジタル変換器(ADC)ユニット28でデジタル信号に
変換し、このユニットの出力をデジタル入力として中央
演算処理装置(CPU)30に入力する。
【0009】図1の実施例における走査ヘッド18は光
学式走査ヘッドであるが、これを通貨紙幣から様々な特
徴的情報を検知するように設計されたものとしてもよ
い。さらに、走査ヘッドは、磁気的、光学的、電気伝導
的(electrical conductivit
y)および容量的(capacitive)センサのよ
うな種々の検知手段を利用したものとしてもよい。この
ようなセンサの利用については米国特許出願08/21
9,093号(1994年3月28日出願。名称は「C
urrency Discriminator and
Authenticator」)に詳しい。この米国
出願の内容は本願に参照事項として取り入れられる。
学式走査ヘッドであるが、これを通貨紙幣から様々な特
徴的情報を検知するように設計されたものとしてもよ
い。さらに、走査ヘッドは、磁気的、光学的、電気伝導
的(electrical conductivit
y)および容量的(capacitive)センサのよ
うな種々の検知手段を利用したものとしてもよい。この
ようなセンサの利用については米国特許出願08/21
9,093号(1994年3月28日出願。名称は「C
urrency Discriminator and
Authenticator」)に詳しい。この米国
出願の内容は本願に参照事項として取り入れられる。
【0010】図1に示す本願発明の望ましい実施例によ
れば、紙幣移送路は、紙幣の幅狭寸法が移送路及び走査
方向に平行となった状態で移送機構16が紙幣を移動す
るように構成されている。あるいはまた、システム10
は紙幣の長い方の寸法の方向または斜めの方向に沿って
走査するように設計してもよい。紙幣17が移送路上で
走査ヘッド18のところを移動するとき、コヒーレント
な光ストリップ24が紙幣の幅狭寸法を横切って紙幣を
効果的に走査する。好ましい実施例においては、移送路
は、第1図に示すように、紙幣17がそのほぼ中央区分
あたりでその幅狭の寸法に沿って走査ヘッド18によっ
て走査されるように構成されている。
れば、紙幣移送路は、紙幣の幅狭寸法が移送路及び走査
方向に平行となった状態で移送機構16が紙幣を移動す
るように構成されている。あるいはまた、システム10
は紙幣の長い方の寸法の方向または斜めの方向に沿って
走査するように設計してもよい。紙幣17が移送路上で
走査ヘッド18のところを移動するとき、コヒーレント
な光ストリップ24が紙幣の幅狭寸法を横切って紙幣を
効果的に走査する。好ましい実施例においては、移送路
は、第1図に示すように、紙幣17がそのほぼ中央区分
あたりでその幅狭の寸法に沿って走査ヘッド18によっ
て走査されるように構成されている。
【0011】走査ヘッド18は、照射された光ストリッ
プ24を横切って紙幣が移動するときに紙幣から反射し
た光を検出し、このようにして反射した光の変化のアナ
ログ表示を提供し、この表示は、紙幣の表面上に印刷さ
れた模様又は印に含まれる「暗」及び「明」の変化を示
す。紙幣の幅狭寸法を走査することによって反射された
光の変化は、本発明のシステムが取り扱うようにプログ
ラムされた複数の額面金額のうちから高い確度で識別を
行うための計測値として役立つ。
プ24を横切って紙幣が移動するときに紙幣から反射し
た光を検出し、このようにして反射した光の変化のアナ
ログ表示を提供し、この表示は、紙幣の表面上に印刷さ
れた模様又は印に含まれる「暗」及び「明」の変化を示
す。紙幣の幅狭寸法を走査することによって反射された
光の変化は、本発明のシステムが取り扱うようにプログ
ラムされた複数の額面金額のうちから高い確度で識別を
行うための計測値として役立つ。
【0012】検出を行ったこのような一連の反射信号
は、紙幣の幅狭寸法又は紙幣の選択したセグメントに亘
って得られ、得られたアナログ信号はCPU30の制御
下でデジタル化され、所定数のデジタル反射データサン
プルを発生する。次いで、これらのデータサンプルにデ
ジタル化処理を加える。この処理には、相関を改善する
ためのサンプルデータの処理、及び紙幣の表面上に存在
する印刷模様の「濃淡」の変化による変動の平滑化を行
うための正規化ルーチンが含まれる。このようにしてデ
ジタル化された正規化された反射データは、所定の額面
金額についての非常に独特の特徴パターンを示し、異な
る額面金額についての特徴パターン間に十分な識別特徴
を与える。この処理は、1992年5月19日付で出願
された米国特許出願07/885,648号明細書
(「Method and Apparatus fo
r Currency Discrimination
andCounting」の名称で米国特許第5,2
95,196号として特許された)に詳しく説明されて
いる。この出願の内容も本願明細書に参照事項として取
り込まれる。
は、紙幣の幅狭寸法又は紙幣の選択したセグメントに亘
って得られ、得られたアナログ信号はCPU30の制御
下でデジタル化され、所定数のデジタル反射データサン
プルを発生する。次いで、これらのデータサンプルにデ
ジタル化処理を加える。この処理には、相関を改善する
ためのサンプルデータの処理、及び紙幣の表面上に存在
する印刷模様の「濃淡」の変化による変動の平滑化を行
うための正規化ルーチンが含まれる。このようにしてデ
ジタル化された正規化された反射データは、所定の額面
金額についての非常に独特の特徴パターンを示し、異な
る額面金額についての特徴パターン間に十分な識別特徴
を与える。この処理は、1992年5月19日付で出願
された米国特許出願07/885,648号明細書
(「Method and Apparatus fo
r Currency Discrimination
andCounting」の名称で米国特許第5,2
95,196号として特許された)に詳しく説明されて
いる。この出願の内容も本願明細書に参照事項として取
り込まれる。
【0013】連続した紙幣の幅狭寸法を走査することに
より得られた反射サンプル間に厳密な対応を確保するた
め、好ましくは、反射サンプリングプロセスの開始をC
PU30を通して光学エンコーダ32で制御する。この
光学エンコーダは、紙幣移送機構16と関連し、走査ヘ
ッド18を横切る紙幣17の物理的移動を詳細に追跡す
る。更に詳細には、光学エンコーダ32は、紙幣が移送
路に沿ってリレーされるときに紙幣に加えられる運動を
発生する駆動モータの回転運動と関連している。更に、
供給機構のメカニズム(図示せず。上記米国特許第5,
295,196号明細書を参照されたい)により、特に
紙幣を走査ヘッド18で走査するとき、紙幣と移送路と
の間に積極的な接触が維持されるようになっている。光
学エンコーダ32は、こうした状態で、駆動モータの回
転運動を監視することによって走査ヘッド18が発生す
る光ストリップ24に対する紙幣17の移動を詳細に追
跡できる。
より得られた反射サンプル間に厳密な対応を確保するた
め、好ましくは、反射サンプリングプロセスの開始をC
PU30を通して光学エンコーダ32で制御する。この
光学エンコーダは、紙幣移送機構16と関連し、走査ヘ
ッド18を横切る紙幣17の物理的移動を詳細に追跡す
る。更に詳細には、光学エンコーダ32は、紙幣が移送
路に沿ってリレーされるときに紙幣に加えられる運動を
発生する駆動モータの回転運動と関連している。更に、
供給機構のメカニズム(図示せず。上記米国特許第5,
295,196号明細書を参照されたい)により、特に
紙幣を走査ヘッド18で走査するとき、紙幣と移送路と
の間に積極的な接触が維持されるようになっている。光
学エンコーダ32は、こうした状態で、駆動モータの回
転運動を監視することによって走査ヘッド18が発生す
る光ストリップ24に対する紙幣17の移動を詳細に追
跡できる。
【0014】光電検出器26の出力をCPU30で監視
し、先ず、走査ヘッド18の下の紙幣の存在を検出し、
次いで、細い縁飾り線17Bが示す紙幣上の印刷模様の
開始点を検出する。縁飾り線17Aは紙幣上の印刷を取
り囲んでいる。ひとたび縁飾り線17Aを検出すると、
紙幣17が走査ヘッド18を横切って移動し、その幅狭
寸法に沿って走査されるとき、光電検出器26の出力か
ら得られる反射サンプルのタイミング及び数を制御する
のに光学エンコーダ32が使用される。
し、先ず、走査ヘッド18の下の紙幣の存在を検出し、
次いで、細い縁飾り線17Bが示す紙幣上の印刷模様の
開始点を検出する。縁飾り線17Aは紙幣上の印刷を取
り囲んでいる。ひとたび縁飾り線17Aを検出すると、
紙幣17が走査ヘッド18を横切って移動し、その幅狭
寸法に沿って走査されるとき、光電検出器26の出力か
ら得られる反射サンプルのタイミング及び数を制御する
のに光学エンコーダ32が使用される。
【0015】縁飾り線17Aの検出は重要な工程を構成
し、識別効率の改善を実現する。これは、縁飾り線17
Aがサンプリングを開始するための絶対的な基準点とし
て役立つためである。紙幣の縁を基準点として使用しよ
うとする場合には、サンプリング点の相対的なずれがお
こることがある。これは、紙幣の印刷中及び切断中比較
的大きな許容差が許容されているために縁から縁飾り線
までの距離が紙幣によって異なるためである。その結
果、連続した紙幣のサンプル点間の直接的な対応を確保
するのが困難になり、識別効率に悪影響をもたらす。
し、識別効率の改善を実現する。これは、縁飾り線17
Aがサンプリングを開始するための絶対的な基準点とし
て役立つためである。紙幣の縁を基準点として使用しよ
うとする場合には、サンプリング点の相対的なずれがお
こることがある。これは、紙幣の印刷中及び切断中比較
的大きな許容差が許容されているために縁から縁飾り線
までの距離が紙幣によって異なるためである。その結
果、連続した紙幣のサンプル点間の直接的な対応を確保
するのが困難になり、識別効率に悪影響をもたらす。
【0016】走査ヘッド18を横切る紙幣17の物理的
移動に対するサンプリングプロセスの制御を行うのに光
学エンコーダ32を使用することは、サンプルの開始に
先立って所定の遅れに続く縁飾り線の検出を行うのに使
用できるという点でも有利である。エンコーダの遅れ
は、異なる額面金額に対する最も識別性のある印刷を含
む紙幣の幅狭寸法に沿ったセグメントだけを横切って紙
幣17が走査されるように調節することができる。
移動に対するサンプリングプロセスの制御を行うのに光
学エンコーダ32を使用することは、サンプルの開始に
先立って所定の遅れに続く縁飾り線の検出を行うのに使
用できるという点でも有利である。エンコーダの遅れ
は、異なる額面金額に対する最も識別性のある印刷を含
む紙幣の幅狭寸法に沿ったセグメントだけを横切って紙
幣17が走査されるように調節することができる。
【0017】例えば米国通貨の場合、紙幣の幅狭寸法の
中央区分を横切って走査するとき、紙幣の中央の約5.
08cm(約2インチ)の部分は、種々の米国通貨の額
面金額間を識別するのに十分なデータを、上記米国特許
第5,295,196号に開示された相関技術に基づい
て提供するようになっている。従って、走査プロセスを
制御するのに光学エンコーダを使用でき、その結果、反
射サンプルが設定期間に亘って及び縁飾り線17Aを検
出してから所定時間経過後のみに得られ、これによって
走査を紙幣の幅狭寸法の所望の中央部分に限定する。
中央区分を横切って走査するとき、紙幣の中央の約5.
08cm(約2インチ)の部分は、種々の米国通貨の額
面金額間を識別するのに十分なデータを、上記米国特許
第5,295,196号に開示された相関技術に基づい
て提供するようになっている。従って、走査プロセスを
制御するのに光学エンコーダを使用でき、その結果、反
射サンプルが設定期間に亘って及び縁飾り線17Aを検
出してから所定時間経過後のみに得られ、これによって
走査を紙幣の幅狭寸法の所望の中央部分に限定する。
【0018】図2ないし図4は、走査ヘッド20の走査
手順を詳細に示している。図3を参照すると、紙幣17
がその幅狭縁に平行な方向に進められると、走査ヘッド
18における広いスリットを介して紙幣17の中央部分
のセグメントSに沿って走査が行われる。このセグメン
トSは、縁飾り線17Aの内側の固定距離dの位置から
始まる。紙幣17が走査ヘッド18を横切るとき、セグ
メントSのストリップsは常に照射され、光電検出器2
6が連続した出力信号を出す。この出力信号は、その瞬
間瞬間で照射されるストリップsから反射された光の強
さに比例する。この出力は、エンコーダにより制御され
た間隔をおいてサンプリングされる。サンプリングの間
隔は、走査ヘッド18を横切る紙幣の動きに正確に同期
せしめられる。
手順を詳細に示している。図3を参照すると、紙幣17
がその幅狭縁に平行な方向に進められると、走査ヘッド
18における広いスリットを介して紙幣17の中央部分
のセグメントSに沿って走査が行われる。このセグメン
トSは、縁飾り線17Aの内側の固定距離dの位置から
始まる。紙幣17が走査ヘッド18を横切るとき、セグ
メントSのストリップsは常に照射され、光電検出器2
6が連続した出力信号を出す。この出力信号は、その瞬
間瞬間で照射されるストリップsから反射された光の強
さに比例する。この出力は、エンコーダにより制御され
た間隔をおいてサンプリングされる。サンプリングの間
隔は、走査ヘッド18を横切る紙幣の動きに正確に同期
せしめられる。
【0019】図2および図4に示すように、サンプリン
グの間隔は、連続したサンプルを得るために照射される
ストリップsが互いに重なり合うように選択されること
が望ましい。この重なり合いをより明確に示すため、図
2および図4では奇数番号のサンプルストリップと偶数
番号のサンプルストリップとを分離して示してある。例
えば、第1および第2のストリップs1、s2は互いに
重なり合い、第2および第3のストリップS2、S3が
互いに重なり合い、このような関係が続く。互いに隣接
する対のストリップが互いに重なり合うのである。図示
実施例においては、1.83インチ長さのセグメントS
に沿って0.050インチ幅、0.029インチ間隔で
ストリップをサンプリングすることによって、かかる重
なり合いを得ている(64サンプル)。
グの間隔は、連続したサンプルを得るために照射される
ストリップsが互いに重なり合うように選択されること
が望ましい。この重なり合いをより明確に示すため、図
2および図4では奇数番号のサンプルストリップと偶数
番号のサンプルストリップとを分離して示してある。例
えば、第1および第2のストリップs1、s2は互いに
重なり合い、第2および第3のストリップS2、S3が
互いに重なり合い、このような関係が続く。互いに隣接
する対のストリップが互いに重なり合うのである。図示
実施例においては、1.83インチ長さのセグメントS
に沿って0.050インチ幅、0.029インチ間隔で
ストリップをサンプリングすることによって、かかる重
なり合いを得ている(64サンプル)。
【0020】光学式検出相関技術は、検出されるべき通
貨の各額面金額について真正の紙幣を使用した一連の記
憶された強度信号を発生するのに上述のプロセスを使用
することに基づいている。好ましい実施例によれば、二
つまたは四つの組のマスター強度信号サンプルが発生さ
れ、好ましくはEPROM34(第1図参照)の形態の
システムメモリに検出可能な額面金額毎に記憶される。
各紙幣のマスター強度信号サンプルの組は、紙幣に印刷
されたパターンに対して「前方」方向及び「逆転」方向
の両方向に沿って紙幣の緑色の面の上で行われる光学走
査によって作り出される。あるいはまた、光学的走査
は、米国の通貨紙幣の黒っぽい側において行ってもよい
し、その他の外国の通貨紙幣のいすれかの側の面におい
て行ってもよい。さらに、光学的走査は、例えば走査ヘ
ッドを紙幣の移動経路の両側に設置し、紙幣の両面につ
いて走査を行うようにしてもよい。この点については、
米国特許出願第08/207,592号明細書(199
4年3月8日出願。名称は「Method and A
pparatus for Currency Dis
crimination」)に詳しい。
貨の各額面金額について真正の紙幣を使用した一連の記
憶された強度信号を発生するのに上述のプロセスを使用
することに基づいている。好ましい実施例によれば、二
つまたは四つの組のマスター強度信号サンプルが発生さ
れ、好ましくはEPROM34(第1図参照)の形態の
システムメモリに検出可能な額面金額毎に記憶される。
各紙幣のマスター強度信号サンプルの組は、紙幣に印刷
されたパターンに対して「前方」方向及び「逆転」方向
の両方向に沿って紙幣の緑色の面の上で行われる光学走
査によって作り出される。あるいはまた、光学的走査
は、米国の通貨紙幣の黒っぽい側において行ってもよい
し、その他の外国の通貨紙幣のいすれかの側の面におい
て行ってもよい。さらに、光学的走査は、例えば走査ヘ
ッドを紙幣の移動経路の両側に設置し、紙幣の両面につ
いて走査を行うようにしてもよい。この点については、
米国特許出願第08/207,592号明細書(199
4年3月8日出願。名称は「Method and A
pparatus for Currency Dis
crimination」)に詳しい。
【0021】この技術を米国通貨に適用する上で、例え
ば、記憶される強度信号サンプルの組が作成され、米国
通貨の七つの異なる額面金額、即ち1ドル、2ドル、5
ドル、10ドル、20ドル、50ドル、及び100ドル
について記憶される。例えば米国の2ドル札や10ドル
札のように、右か左にわずかにずれると大きなパターン
変化を生ずる紙幣に対しては、「前方」と「逆転」との
二つの方向のそれぞれについて二つのパターンを記憶し
ておくことが望ましい。一つの方向についての対になっ
たパターンは、紙幣の長手寸法方向に沿って互いにわず
かにずれた位置にある二つの走査領域を表すものとす
る。したがって、組になった18種の異なるマスター特
徴パターンが、続く相関処理のため、システムメモリ内
に記憶される(2ドル札および10ドル札についてそれ
ぞれ4つのマスターパターン、そして他の額面金額の札
についてはそれぞれ2つのマスターパターン)。マスタ
ーパターンの作成については以下に、より詳細に説明す
る。一度マスターパターンを記憶すると、試験下で紙幣
を走査することによって発生されたパターンを予め記憶
された強度信号サンプルの18のマスターパターンのそ
れぞれとCPU30で比較し、相関の程度、即ち比較さ
れたデータの組についての複数のデータサンプルのうち
の対応する一つとの間の類似性、を表す相関数を各比較
毎に発生させる。
ば、記憶される強度信号サンプルの組が作成され、米国
通貨の七つの異なる額面金額、即ち1ドル、2ドル、5
ドル、10ドル、20ドル、50ドル、及び100ドル
について記憶される。例えば米国の2ドル札や10ドル
札のように、右か左にわずかにずれると大きなパターン
変化を生ずる紙幣に対しては、「前方」と「逆転」との
二つの方向のそれぞれについて二つのパターンを記憶し
ておくことが望ましい。一つの方向についての対になっ
たパターンは、紙幣の長手寸法方向に沿って互いにわず
かにずれた位置にある二つの走査領域を表すものとす
る。したがって、組になった18種の異なるマスター特
徴パターンが、続く相関処理のため、システムメモリ内
に記憶される(2ドル札および10ドル札についてそれ
ぞれ4つのマスターパターン、そして他の額面金額の札
についてはそれぞれ2つのマスターパターン)。マスタ
ーパターンの作成については以下に、より詳細に説明す
る。一度マスターパターンを記憶すると、試験下で紙幣
を走査することによって発生されたパターンを予め記憶
された強度信号サンプルの18のマスターパターンのそ
れぞれとCPU30で比較し、相関の程度、即ち比較さ
れたデータの組についての複数のデータサンプルのうち
の対応する一つとの間の類似性、を表す相関数を各比較
毎に発生させる。
【0022】CPU30は、パターン比較によって得ら
れた相関数が最も高いということがわかった記憶された
強度信号サンプルの組と対応するので走査した紙幣の額
面金額を確認するようにプログラムされている。走査し
た紙幣の額面金額の特徴付けをし損なう可能性を排除す
ると同時に偽造紙幣が有効な額面金額に属するものであ
ると確認される可能性を少なくするため、「イエス
(正)」コールをつくりだすためのベースとして相関の
二レベルしきい値を使用する。かかる方法は、上述した
米国特許第5,295,196号明細書に詳しい。も
し、走査した紙幣に対して「イエス(正)」コールが出
なかったら、エラー信号が発生する。
れた相関数が最も高いということがわかった記憶された
強度信号サンプルの組と対応するので走査した紙幣の額
面金額を確認するようにプログラムされている。走査し
た紙幣の額面金額の特徴付けをし損なう可能性を排除す
ると同時に偽造紙幣が有効な額面金額に属するものであ
ると確認される可能性を少なくするため、「イエス
(正)」コールをつくりだすためのベースとして相関の
二レベルしきい値を使用する。かかる方法は、上述した
米国特許第5,295,196号明細書に詳しい。も
し、走査した紙幣に対して「イエス(正)」コールが出
なかったら、エラー信号が発生する。
【0023】上述の検出相関方法を使用することによっ
て、CPU30は所定の走査バッチについて走査された
所定組の紙幣の部分として特定の通貨額面金額に属する
紙幣の数を計数し、走査バッチ中に走査された紙幣によ
り表された通貨量の総計を決定するようにプログラムさ
れている。更に、CPU30は出力ユニット36に繋が
っており、この出力ユニット36は計数された紙幣の数
の表示、通貨額面金額についての紙幣の内訳、及び計数
された紙幣によって表された通貨の額面の総計を与える
ようになっている。出力ユニット36は、表示された情
報を所望の形式でプリントアウトするようにしてもよ
い。
て、CPU30は所定の走査バッチについて走査された
所定組の紙幣の部分として特定の通貨額面金額に属する
紙幣の数を計数し、走査バッチ中に走査された紙幣によ
り表された通貨量の総計を決定するようにプログラムさ
れている。更に、CPU30は出力ユニット36に繋が
っており、この出力ユニット36は計数された紙幣の数
の表示、通貨額面金額についての紙幣の内訳、及び計数
された紙幣によって表された通貨の額面の総計を与える
ようになっている。出力ユニット36は、表示された情
報を所望の形式でプリントアウトするようにしてもよ
い。
【0024】次に図5を参照すると、ここには本発明の
システムに従って反射データを処理し相関するための好
ましい回路構成がブロック図の形態で示してある。ここ
に示すように、CPU30は、光学エンコーダ32、光
電検出器26、及びメモリユニット38からの信号を含
む種々の入力信号を受け入れて処理する。メモリユニッ
ト38は、消去可能なプログラム可能読み取り専用記憶
装置(EPROM)であるのがよい。メモリユニット3
8には相関プログラムが記憶されており、このプログラ
ムに基づいてパターンが発生され、試験通貨の額面金額
を確認するため試験パターンが記憶されたマスタープロ
グラムと比較される。クリスタル40はCPU30の時
間基準として役立ち、これには外部基準電圧VREFが
加わっており、以下に説明するように、検出された反射
データのピーク検出がこの電圧に基づいて行われる。
システムに従って反射データを処理し相関するための好
ましい回路構成がブロック図の形態で示してある。ここ
に示すように、CPU30は、光学エンコーダ32、光
電検出器26、及びメモリユニット38からの信号を含
む種々の入力信号を受け入れて処理する。メモリユニッ
ト38は、消去可能なプログラム可能読み取り専用記憶
装置(EPROM)であるのがよい。メモリユニット3
8には相関プログラムが記憶されており、このプログラ
ムに基づいてパターンが発生され、試験通貨の額面金額
を確認するため試験パターンが記憶されたマスタープロ
グラムと比較される。クリスタル40はCPU30の時
間基準として役立ち、これには外部基準電圧VREFが
加わっており、以下に説明するように、検出された反射
データのピーク検出がこの電圧に基づいて行われる。
【0025】CPU30は、タイマー再設定信号を再設
定ユニット44から受入れ、再設定ユニット44は、図
5に示すように、光電検出器26から出力電圧を受入
れ、この電圧を予め設定された電圧域値、代表的には
5.0ボルトに対して域値検出器44Aで比較し、紙の
存在に対応する反射値が検出されたときに「高」に行く
再設定信号を提供する。更に特定的には、反射サンプリ
ングは、走査ヘッドの下に紙幣が配置されていない場
合、照射された光ストリップ(図1の24)が光電検出
器へ反射されないという前提に基づいている。こうした
状態では、光電検出器の出力は「暗」即ち「零」レベル
の読みを表す。紙幣の縁が最初に走査ヘッドの下に配置
され、光ストリップ24の下に入ったとき、光電検出器
の出力が「白」の、代表的には約5.0ボルトの値を持
つように設定された読みに変わる。これが起こったと
き、再設定ユニット44が「高」信号をCPU30に与
え、走査手順の開始を記録する。
定ユニット44から受入れ、再設定ユニット44は、図
5に示すように、光電検出器26から出力電圧を受入
れ、この電圧を予め設定された電圧域値、代表的には
5.0ボルトに対して域値検出器44Aで比較し、紙の
存在に対応する反射値が検出されたときに「高」に行く
再設定信号を提供する。更に特定的には、反射サンプリ
ングは、走査ヘッドの下に紙幣が配置されていない場
合、照射された光ストリップ(図1の24)が光電検出
器へ反射されないという前提に基づいている。こうした
状態では、光電検出器の出力は「暗」即ち「零」レベル
の読みを表す。紙幣の縁が最初に走査ヘッドの下に配置
され、光ストリップ24の下に入ったとき、光電検出器
の出力が「白」の、代表的には約5.0ボルトの値を持
つように設定された読みに変わる。これが起こったと
き、再設定ユニット44が「高」信号をCPU30に与
え、走査手順の開始を記録する。
【0026】本発明の特徴によれば、走査ヘッド内の光
源が発生する照射光ストリップの縦方向寸法は、細い縁
飾り線が検出される走査の最初の段階では比較的小さい
ように設定されている。幅狭のスリットを使用すること
によって、反射光線の検出感度を高め、検出されるべき
紙幣表面から反射される「灰」レベルの小さい変動を可
能にする。これは、パターンの細い縁飾り線、即ち紙幣
上の印刷パターンの開始点が正確に検出されるようにす
る上で重要である。縁飾り線を検出したら、次いで、紙
幣の幅狭寸法に亘って完全に走査を行うため、及び所望
数のサンプルを迅速に得るため、比較的幅広の光ストリ
ップに基づいて反射サンプリングを行う。実際のサンプ
リングに幅広のスリットを使用すると光電検出器の出力
特性を平滑にし比較的大きなアナログ電圧を実現する。
これは、検出された反射値の正確な表示及び処理に重要
である。
源が発生する照射光ストリップの縦方向寸法は、細い縁
飾り線が検出される走査の最初の段階では比較的小さい
ように設定されている。幅狭のスリットを使用すること
によって、反射光線の検出感度を高め、検出されるべき
紙幣表面から反射される「灰」レベルの小さい変動を可
能にする。これは、パターンの細い縁飾り線、即ち紙幣
上の印刷パターンの開始点が正確に検出されるようにす
る上で重要である。縁飾り線を検出したら、次いで、紙
幣の幅狭寸法に亘って完全に走査を行うため、及び所望
数のサンプルを迅速に得るため、比較的幅広の光ストリ
ップに基づいて反射サンプリングを行う。実際のサンプ
リングに幅広のスリットを使用すると光電検出器の出力
特性を平滑にし比較的大きなアナログ電圧を実現する。
これは、検出された反射値の正確な表示及び処理に重要
である。
【0027】図5に戻ると、CPU30は光電検出器2
6の出力をピーク検出器46を通して処理する。ピーク
検出器50は、本質的には、光電検出器の出力電圧を採
取し、検出器の賦勢後に遭遇する最も高い即ちピークの
電圧値をホールドするように機能する。更に、ピーク検
出器は、基準化電圧を決定するようになっており、これ
に基づいて紙幣上のパターンの縁飾り線が検出される。
ピーク検出器50の出力は、分圧器54に供給され、こ
の分圧器はピーク電圧をこのピーク値の予め決定された
割合を表す基準化電圧Vsまで下げる。電圧Vsは、紙
幣の印刷されていない縁部を走査していることによる
「高」い反射値から細い縁飾り線と遭遇したときの比較
的低い「灰」反射値までの変化をピーク検出器が表すと
きのピーク検出器の出力電圧の百分率の低下に基づいて
いる。好ましくは、基準化電圧Vsは、ピーク電圧の約
70%乃至80%であるように設定される。
6の出力をピーク検出器46を通して処理する。ピーク
検出器50は、本質的には、光電検出器の出力電圧を採
取し、検出器の賦勢後に遭遇する最も高い即ちピークの
電圧値をホールドするように機能する。更に、ピーク検
出器は、基準化電圧を決定するようになっており、これ
に基づいて紙幣上のパターンの縁飾り線が検出される。
ピーク検出器50の出力は、分圧器54に供給され、こ
の分圧器はピーク電圧をこのピーク値の予め決定された
割合を表す基準化電圧Vsまで下げる。電圧Vsは、紙
幣の印刷されていない縁部を走査していることによる
「高」い反射値から細い縁飾り線と遭遇したときの比較
的低い「灰」反射値までの変化をピーク検出器が表すと
きのピーク検出器の出力電圧の百分率の低下に基づいて
いる。好ましくは、基準化電圧Vsは、ピーク電圧の約
70%乃至80%であるように設定される。
【0028】基準化電圧Vsは、曲線検出器56に供給
され、曲線検出器56には光電検出器26の入来瞬時出
力が設けられている。曲線検出器56は二つの電圧をそ
の入力側で比較し、信号LDETを発生する。この信号
は通常は「低」い状態に留まり、紙幣の縁が走査される
ときに「高」に向かう。信号LDETは、光電検出器の
来入出力が電圧Vsで表される点まで光電検出器のピー
ク電圧の予め決定された百分率に到るとき、「低」に向
かう。かくして、信号LDETが「低」に向かうとき、
これは紙幣のパターンの縁飾り線が検出されたというこ
との表示である。この時点で、CPU30はエンコーダ
32(図5参照)の制御下で実際の反射サンプリングを
開始し、紙幣が照射光ストリップを横切って移動し、そ
の幅狭寸法の中央区分に沿って走査されるとき、所望の
所定数の感謝サンプルが得られる。
され、曲線検出器56には光電検出器26の入来瞬時出
力が設けられている。曲線検出器56は二つの電圧をそ
の入力側で比較し、信号LDETを発生する。この信号
は通常は「低」い状態に留まり、紙幣の縁が走査される
ときに「高」に向かう。信号LDETは、光電検出器の
来入出力が電圧Vsで表される点まで光電検出器のピー
ク電圧の予め決定された百分率に到るとき、「低」に向
かう。かくして、信号LDETが「低」に向かうとき、
これは紙幣のパターンの縁飾り線が検出されたというこ
との表示である。この時点で、CPU30はエンコーダ
32(図5参照)の制御下で実際の反射サンプリングを
開始し、紙幣が照射光ストリップを横切って移動し、そ
の幅狭寸法の中央区分に沿って走査されるとき、所望の
所定数の感謝サンプルが得られる。
【0029】マスター特徴パターンを発生したとき、標
準紙幣を走査することによって得られた反射サンプルが
システムメモリ60内の対応する指定区分に入力する。
システムメモリは、好ましくはEPROMである。サン
プルの入力は、必要であれば、緩衝アドレスラッチ58
を通して行われる。紙幣識別中、試験紙幣の走査によっ
て得られた反射値をメモリユニット38内に記憶された
相関プログラムの制御下でEPROM60内に記憶され
た対応するマスター特徴パターンの各々と、この場合も
アドレスラッチ58を通して順次比較する。紙幣を走査
して特徴パターンを作成する手続きは、米国特許第5,
295,196号に説明されており、その内容は本願明
細書に取り入れるものとする。
準紙幣を走査することによって得られた反射サンプルが
システムメモリ60内の対応する指定区分に入力する。
システムメモリは、好ましくはEPROMである。サン
プルの入力は、必要であれば、緩衝アドレスラッチ58
を通して行われる。紙幣識別中、試験紙幣の走査によっ
て得られた反射値をメモリユニット38内に記憶された
相関プログラムの制御下でEPROM60内に記憶され
た対応するマスター特徴パターンの各々と、この場合も
アドレスラッチ58を通して順次比較する。紙幣を走査
して特徴パターンを作成する手続きは、米国特許第5,
295,196号に説明されており、その内容は本願明
細書に取り入れるものとする。
【0030】米国特許第5,295,196号に説明さ
れた光学的感知および相関の技術は、あらかじめプログ
ラムしておいた額面金額の同定を高い精度で行うことを
可能にし、この同定において、サンプリングされた反射
値をデジタル化したり、該デジタル化した値をマスター
特徴パターンと比較したりする処理時間を比較的短くす
ることができる。このアプローチは、通貨紙幣を走査し
たり、走査されたデータを正規化したり、マスターパタ
ーンを作成したりするのに利用される。このとき、作動
中の紙幣の走査は、最も自他識別的な特徴を有する印刷
された印のある紙幣の部分において比較サンプル点間を
直接対応させることになる。比較的小さい数の反射サン
プルは、幾つかの額面金額の通貨の間で互いに適切な識
別を可能にするために必要である。
れた光学的感知および相関の技術は、あらかじめプログ
ラムしておいた額面金額の同定を高い精度で行うことを
可能にし、この同定において、サンプリングされた反射
値をデジタル化したり、該デジタル化した値をマスター
特徴パターンと比較したりする処理時間を比較的短くす
ることができる。このアプローチは、通貨紙幣を走査し
たり、走査されたデータを正規化したり、マスターパタ
ーンを作成したりするのに利用される。このとき、作動
中の紙幣の走査は、最も自他識別的な特徴を有する印刷
された印のある紙幣の部分において比較サンプル点間を
直接対応させることになる。比較的小さい数の反射サン
プルは、幾つかの額面金額の通貨の間で互いに適切な識
別を可能にするために必要である。
【0031】目的となる紙幣を走査することにより得ら
れたパターンと、種々の額面金額に対応する記憶された
マスターパターンとの比較に基づいて行われる通貨識別
システムにおいては、マスターパターンとして指定され
たパターンは、識別システムの作動特性に大きな影響を
与える。例えば米国特許第5,295,196号に開示
されたシステムにおいては、相関処理手続きおよび額面
金額同定の精度は、試験パターン上の反射サンプルとそ
れに対応する記憶されたマスターパターンのサンプルと
の間の対応の度合いに直接関する。他のシステムにおい
ては、与えられた額面金額に対して真正の紙幣を走査す
ることによってマスターパターンが作成され、それを識
別のためのマスターパターンとして記憶しておく。しか
しながら、真正な紙幣の中での相互の相違により、少な
からぬ数の真正な紙幣を拒絶してしまうので、この方法
は識別特性を悪くするものとなりがちである。比較的ピ
ンとしていて、少し古く、縮んでいて、使用済みであ
り、真正の紙幣である他の特徴を有するものが、走査に
よって作成されるパターンとして都合がよいことがわか
った。これらのファクタは相互に関連していることが多
い。例えば、非常に多くの回数使用された紙幣は幅も長
さも縮んでいる。この「使用済み」紙幣の縮みは、ひい
ては紙幣を細いものにしてしまうが、その結果、かかる
使用済み紙幣とその額面金額の対応するマスターパター
ンとの間の相関の限度から外れてしまう可能性がある。
れたパターンと、種々の額面金額に対応する記憶された
マスターパターンとの比較に基づいて行われる通貨識別
システムにおいては、マスターパターンとして指定され
たパターンは、識別システムの作動特性に大きな影響を
与える。例えば米国特許第5,295,196号に開示
されたシステムにおいては、相関処理手続きおよび額面
金額同定の精度は、試験パターン上の反射サンプルとそ
れに対応する記憶されたマスターパターンのサンプルと
の間の対応の度合いに直接関する。他のシステムにおい
ては、与えられた額面金額に対して真正の紙幣を走査す
ることによってマスターパターンが作成され、それを識
別のためのマスターパターンとして記憶しておく。しか
しながら、真正な紙幣の中での相互の相違により、少な
からぬ数の真正な紙幣を拒絶してしまうので、この方法
は識別特性を悪くするものとなりがちである。比較的ピ
ンとしていて、少し古く、縮んでいて、使用済みであ
り、真正の紙幣である他の特徴を有するものが、走査に
よって作成されるパターンとして都合がよいことがわか
った。これらのファクタは相互に関連していることが多
い。例えば、非常に多くの回数使用された紙幣は幅も長
さも縮んでいる。この「使用済み」紙幣の縮みは、ひい
ては紙幣を細いものにしてしまうが、その結果、かかる
使用済み紙幣とその額面金額の対応するマスターパター
ンとの間の相関の限度から外れてしまう可能性がある。
【0032】結局、真正な紙幣を一回走査することに基
づいてマスターパターンを作成する識別システムは、満
足のいく作動をしない傾向にある。例えば、もし20ド
ルのマスターパターンがピンとした真正の20ドル札を
走査することによって作成されたとすると、識別システ
ムは、少なくない数の真正の使用済みの摩耗した20ド
ル札を拒絶するであろう。同様にして、非常に摩耗した
20ドル札を走査してマスターパターンを作成したら、
許容できないほど多くの真正にしてピンとした20ドル
札が識別システムによって拒絶されるであろう。
づいてマスターパターンを作成する識別システムは、満
足のいく作動をしない傾向にある。例えば、もし20ド
ルのマスターパターンがピンとした真正の20ドル札を
走査することによって作成されたとすると、識別システ
ムは、少なくない数の真正の使用済みの摩耗した20ド
ル札を拒絶するであろう。同様にして、非常に摩耗した
20ドル札を走査してマスターパターンを作成したら、
許容できないほど多くの真正にしてピンとした20ドル
札が識別システムによって拒絶されるであろう。
【0033】本発明によれば、当たれられた額面金額の
マスターパターンが、複数の要素パターンを平均化する
ことによって作成される。各要素パターンは、与えられ
た額面金額の真正な紙幣を走査することによって作成さ
れる。
マスターパターンが、複数の要素パターンを平均化する
ことによって作成される。各要素パターンは、与えられ
た額面金額の真正な紙幣を走査することによって作成さ
れる。
【0034】第1の方法によれば、マスターパターン
は、標準の紙幣を複数回走査し(典型的には3回)、対
応するデータサンプルの平均値をとり、それからその平
均値をマスターパターンを示すものとして記憶する。換
言すれば、与えられた額面金額に対するマスターパター
ンは、複数の要素パターンを平均化することにより作成
され、要素パターンのすべては、与えられた額面金額の
「標準」の品質を有する一枚の真正の紙幣を走査するこ
とによって作成される。「標準」紙幣は、少し使用され
た紙幣であり、ピンとした新札でもなければ、非常に多
く使用された旧札でもない。標準紙幣は、品質を平均化
するのによい紙幣である。この第1の方法により作成さ
れた要素パターンは、図7ないし図9に示されている。
より詳細に言えば、図7ないし図9は、それぞれ、1ド
ル札をその緑面側に沿って前方に走査して得られた試験
パターン、2ドル札をその緑面側に沿って逆転方向に走
査して得られた試験パターン、そして100ドル札をそ
の緑面側に沿って前方に走査して得られた試験パターン
を示す。図7ないし図9の試験パターンを明瞭にするた
めには、128の反射サンプルが一枚の紙幣の走査ごと
に使用されて試験パターンが作成される。好ましい使用
であれば64サンプルのみである。これらの3つの試験
パターンに対する対応するサンプル間に存在する明白な
相違は、前述した光学式感知および相関処理手続きを利
用して通貨の額面金額が同定されるときの高度の信頼性
を示している。
は、標準の紙幣を複数回走査し(典型的には3回)、対
応するデータサンプルの平均値をとり、それからその平
均値をマスターパターンを示すものとして記憶する。換
言すれば、与えられた額面金額に対するマスターパター
ンは、複数の要素パターンを平均化することにより作成
され、要素パターンのすべては、与えられた額面金額の
「標準」の品質を有する一枚の真正の紙幣を走査するこ
とによって作成される。「標準」紙幣は、少し使用され
た紙幣であり、ピンとした新札でもなければ、非常に多
く使用された旧札でもない。標準紙幣は、品質を平均化
するのによい紙幣である。この第1の方法により作成さ
れた要素パターンは、図7ないし図9に示されている。
より詳細に言えば、図7ないし図9は、それぞれ、1ド
ル札をその緑面側に沿って前方に走査して得られた試験
パターン、2ドル札をその緑面側に沿って逆転方向に走
査して得られた試験パターン、そして100ドル札をそ
の緑面側に沿って前方に走査して得られた試験パターン
を示す。図7ないし図9の試験パターンを明瞭にするた
めには、128の反射サンプルが一枚の紙幣の走査ごと
に使用されて試験パターンが作成される。好ましい使用
であれば64サンプルのみである。これらの3つの試験
パターンに対する対応するサンプル間に存在する明白な
相違は、前述した光学式感知および相関処理手続きを利
用して通貨の額面金額が同定されるときの高度の信頼性
を示している。
【0035】第2の方法によれば、与えられた額面金額
に対するマスターパターンは、標準的な品質を有する真
正の紙幣の2枚あるいはそれ以上を走査し、複数の要素
パターンを得ることにより作成される。これらの要素パ
ターンは、マスターパターンを得るときに平均化され
る。例えば、真正の5ドル札の中にはリンカーン・メモ
リアルの階段部分が暗いものがあり、他の真正の5ドル
札の階段部分は明るい。この相違を補正するためには、
要素パターンを得る標準紙幣として、少なくとも一枚は
暗い階段部分のあるもの、そして少なくとも別の一枚は
明るい階段部分のあるものを選択するようにする。
に対するマスターパターンは、標準的な品質を有する真
正の紙幣の2枚あるいはそれ以上を走査し、複数の要素
パターンを得ることにより作成される。これらの要素パ
ターンは、マスターパターンを得るときに平均化され
る。例えば、真正の5ドル札の中にはリンカーン・メモ
リアルの階段部分が暗いものがあり、他の真正の5ドル
札の階段部分は明るい。この相違を補正するためには、
要素パターンを得る標準紙幣として、少なくとも一枚は
暗い階段部分のあるもの、そして少なくとも別の一枚は
明るい階段部分のあるものを選択するようにする。
【0036】特にある額面金額の紙幣に関しては、識別
システムの作動特性を改良させるために、異なる手法を
とってもよい。例えば、10ドル札に印刷された印は1
990年のシリーズではわずかに変化している。詳しく
言えば、1990年のシリーズの10ドル札では縁飾り
線と縁飾り線との間の寸法が、前のシリーズの10ドル
札における寸法よりわずかに大きくなっている。同様
に、古く、縮みかけた5ドル札は、新品の5ドル札の走
査パターンから大きく異なっている。
システムの作動特性を改良させるために、異なる手法を
とってもよい。例えば、10ドル札に印刷された印は1
990年のシリーズではわずかに変化している。詳しく
言えば、1990年のシリーズの10ドル札では縁飾り
線と縁飾り線との間の寸法が、前のシリーズの10ドル
札における寸法よりわずかに大きくなっている。同様
に、古く、縮みかけた5ドル札は、新品の5ドル札の走
査パターンから大きく異なっている。
【0037】第3の方法によれば、与えられた額面金額
に対するマスターパターンは、複数の要素パターンを平
均化することにより作成されるが、要素パターンの幾つ
かは、与えられた額面金額の一枚あるいはそれ以上の新
札を走査して作成され、要素パターンの別の幾つかはそ
の額面金額の一枚あるいはそれ以上の旧札を走査して作
成するものとする。新札は最近印刷された品質の良いも
のであり、安全のための線条が組み込まれている(そう
するようになされている額面金額の紙幣に関してのみ、
安全のための線条が組み込まれている)。新札は望まし
くは比較的ピンとしたものとする。新札の10ドル紙幣
は、1990年のシリーズのもの、あるいはそれ以降の
もので、非常に品質の高いものが望ましい。つまりは未
使用状態に近いもの、ということである。旧札はいくら
か縮んでおり、色も褪せている傾向がある。縮みは、比
較的高い頻度で使用された場合に生じる。この第3の方
法で使用される新札は、前述した方法で使用される標準
の紙幣よりも高い品質の紙幣である。一方、この第3の
方法で使用される旧札は、標準の紙幣よりも品質の低い
ものである。
に対するマスターパターンは、複数の要素パターンを平
均化することにより作成されるが、要素パターンの幾つ
かは、与えられた額面金額の一枚あるいはそれ以上の新
札を走査して作成され、要素パターンの別の幾つかはそ
の額面金額の一枚あるいはそれ以上の旧札を走査して作
成するものとする。新札は最近印刷された品質の良いも
のであり、安全のための線条が組み込まれている(そう
するようになされている額面金額の紙幣に関してのみ、
安全のための線条が組み込まれている)。新札は望まし
くは比較的ピンとしたものとする。新札の10ドル紙幣
は、1990年のシリーズのもの、あるいはそれ以降の
もので、非常に品質の高いものが望ましい。つまりは未
使用状態に近いもの、ということである。旧札はいくら
か縮んでおり、色も褪せている傾向がある。縮みは、比
較的高い頻度で使用された場合に生じる。この第3の方
法で使用される新札は、前述した方法で使用される標準
の紙幣よりも高い品質の紙幣である。一方、この第3の
方法で使用される旧札は、標準の紙幣よりも品質の低い
ものである。
【0038】第3の方法は、種々の額面金額のために要
素パターンを作成する手法をまとめた表1を参照するこ
とにより、理解が深まろう。
素パターンを作成する手法をまとめた表1を参照するこ
とにより、理解が深まろう。
【0039】
【表1】
【0040】表1は、種々の額面金額に対する要素パタ
ーンを作成するために走査されるべき紙幣のタイプを示
すとともに、米国通貨紙幣の緑面の中央に相対的な走査
ヘッドの位置をまとめたものである。与えられた額面金
額および与えられた走査方向に対する3つの要素パター
ン(「CP」)は平均化され、対応するマスターパター
ンが作成される。18列が、18のマスターパターンを
記憶させる好ましい方法に対応する。走査ヘッドの位置
は、紙幣の縁飾り線領域の中央に相対的に示されてい
る。したがって、「0.0」の位置とは、走査ヘッドが
紙幣の縁飾り線領域の中央に位置決めされていることを
示している。中心から左方向への変位は、負の数で示さ
れ、右方向への変位は正の数で示されている。したがっ
て、「−0.2」の位置とは、紙幣の中心から1インチ
の10分の2だけ左に変位した位置を示し、「+0.
1」の位置とは、紙幣の中心から1インチの10分の1
だけ右に変位した位置を示す。
ーンを作成するために走査されるべき紙幣のタイプを示
すとともに、米国通貨紙幣の緑面の中央に相対的な走査
ヘッドの位置をまとめたものである。与えられた額面金
額および与えられた走査方向に対する3つの要素パター
ン(「CP」)は平均化され、対応するマスターパター
ンが作成される。18列が、18のマスターパターンを
記憶させる好ましい方法に対応する。走査ヘッドの位置
は、紙幣の縁飾り線領域の中央に相対的に示されてい
る。したがって、「0.0」の位置とは、走査ヘッドが
紙幣の縁飾り線領域の中央に位置決めされていることを
示している。中心から左方向への変位は、負の数で示さ
れ、右方向への変位は正の数で示されている。したがっ
て、「−0.2」の位置とは、紙幣の中心から1インチ
の10分の2だけ左に変位した位置を示し、「+0.
1」の位置とは、紙幣の中心から1インチの10分の1
だけ右に変位した位置を示す。
【0041】したがって、表1は、20ドル札を前方方
向に走査した要素パターンは、20ドルの旧札を紙幣の
中心から右に10分の2インチだけ変位した位置と左に
10分の2インチだけ変位した位置と、そして20ドル
の新札の中心の位置とを走査して得られることを示して
いる。図10は、これらの3つのパターンを示すグラフ
である。これらの3つのパターンは平均化され、前方方
向に走査された20ドル札のためのマスターパターンが
得られる。図11は、図10のパターンを平均化するこ
とによって得られる、前方方向に走査したときの20ド
ル札のためのパターンを示すグラフである。このパター
ンは、正規化されたのち、対応する20ドル札のマスタ
ーパターンとなる。マスターパターンを作成するにおい
て、走査される紙幣が静止状態に保持され、走査ヘッド
が紙幣全体にわたって移動するような走査装置を使用し
てもよい。かかる走査装置は、走査ヘッドが、走査され
る紙幣全体にわたって横方向、左および右方向、に移動
することができ、また走査ヘッドが、例えば縁飾り線領
域の中心から10分の2インチだけ左というように、紙
幣の領域全体の内で使用者の望む走査位置へと移動させ
ることができるようになされている。
向に走査した要素パターンは、20ドルの旧札を紙幣の
中心から右に10分の2インチだけ変位した位置と左に
10分の2インチだけ変位した位置と、そして20ドル
の新札の中心の位置とを走査して得られることを示して
いる。図10は、これらの3つのパターンを示すグラフ
である。これらの3つのパターンは平均化され、前方方
向に走査された20ドル札のためのマスターパターンが
得られる。図11は、図10のパターンを平均化するこ
とによって得られる、前方方向に走査したときの20ド
ル札のためのパターンを示すグラフである。このパター
ンは、正規化されたのち、対応する20ドル札のマスタ
ーパターンとなる。マスターパターンを作成するにおい
て、走査される紙幣が静止状態に保持され、走査ヘッド
が紙幣全体にわたって移動するような走査装置を使用し
てもよい。かかる走査装置は、走査ヘッドが、走査され
る紙幣全体にわたって横方向、左および右方向、に移動
することができ、また走査ヘッドが、例えば縁飾り線領
域の中心から10分の2インチだけ左というように、紙
幣の領域全体の内で使用者の望む走査位置へと移動させ
ることができるようになされている。
【0042】前述したように、10ドル札に対しては各
方向のそれぞれの走査ごとに2つのパターンが得られ、
一つのパターンは中心からわずかに左の領域を走査し、
別のひとつのパターンは中心からわずかに右の領域を走
査して得られる。5ドル札に対しては、ある5ドル札に
はリンカーン・メモリアルの写真に暗い階段(暗階段)
が印刷されており、別の5ドル札には明るい階段(明階
段)が印刷されていることが分かっている。この相違
は、明るい階段を有する古い札と暗い階段を有する新し
い札との双方をパターン作成に利用して平均化すること
により、補正される。
方向のそれぞれの走査ごとに2つのパターンが得られ、
一つのパターンは中心からわずかに左の領域を走査し、
別のひとつのパターンは中心からわずかに右の領域を走
査して得られる。5ドル札に対しては、ある5ドル札に
はリンカーン・メモリアルの写真に暗い階段(暗階段)
が印刷されており、別の5ドル札には明るい階段(明階
段)が印刷されていることが分かっている。この相違
は、明るい階段を有する古い札と暗い階段を有する新し
い札との双方をパターン作成に利用して平均化すること
により、補正される。
【0043】表1から分かるように、ある紙幣に対して
は、旧札と新札とを使用する第3の方法は使用されず、
第1の方法のように、3つの要素パターンすべてを作成
するのに標準の紙幣が使用される。したがって、前方方
向に走査される1ドル札に対するマスターパターンは、
標準の紙幣を3回、すなわち中心から10分の2インチ
左で一回、中心で一回、そして中心から10分の2イン
チ右で一回走査することにより得られた3つの要素パタ
ーンを平均化することによって、得られる。
は、旧札と新札とを使用する第3の方法は使用されず、
第1の方法のように、3つの要素パターンすべてを作成
するのに標準の紙幣が使用される。したがって、前方方
向に走査される1ドル札に対するマスターパターンは、
標準の紙幣を3回、すなわち中心から10分の2インチ
左で一回、中心で一回、そして中心から10分の2イン
チ右で一回走査することにより得られた3つの要素パタ
ーンを平均化することによって、得られる。
【0044】表1に示したように、識別システムは、本
発明の方法を組み合わせて使用してもよい。例えば、あ
るマスターパターンは第1の方法で作成し、別のあるマ
スターパターンは第3の方法で作成するようにしてもよ
い。同様にして、識別システムは、新札、標準紙幣、旧
札の走査を組み合わせて要素パターンを作成し、マスタ
ーパターンを作成するときにこれらの平均化を行うよう
にしてもよい。さらに、識別システムは、種々の品質や
特性を有する紙幣を走査して、その結果のパターンを平
均化することによりマスターパターンを作成するように
してもよい。あるいはまた、識別システムは、与えられ
た額面金額の与えられた品質の複数の紙幣(例えば3枚
の50ドルの新札)を走査し、一方で、異なる額面金額
で異なる品質の一枚あるいはそれ以上の紙幣(例えば3
枚の1ドルの旧札)を走査し、要素パターンを作成し
て、マスターパターンを得る際に平均化するようにして
もよい。
発明の方法を組み合わせて使用してもよい。例えば、あ
るマスターパターンは第1の方法で作成し、別のあるマ
スターパターンは第3の方法で作成するようにしてもよ
い。同様にして、識別システムは、新札、標準紙幣、旧
札の走査を組み合わせて要素パターンを作成し、マスタ
ーパターンを作成するときにこれらの平均化を行うよう
にしてもよい。さらに、識別システムは、種々の品質や
特性を有する紙幣を走査して、その結果のパターンを平
均化することによりマスターパターンを作成するように
してもよい。あるいはまた、識別システムは、与えられ
た額面金額の与えられた品質の複数の紙幣(例えば3枚
の50ドルの新札)を走査し、一方で、異なる額面金額
で異なる品質の一枚あるいはそれ以上の紙幣(例えば3
枚の1ドルの旧札)を走査し、要素パターンを作成し
て、マスターパターンを得る際に平均化するようにして
もよい。
【図1】本発明による通貨識別システムの望ましい実施
例のひとつの機能を示すブロックダイアグラム。
例のひとつの機能を示すブロックダイアグラム。
【図2】本発明の望ましい一つの実施例により光学セン
サを横切る一枚の紙幣の横方向の移動中に順次走査され
る領域の模式的な斜示図。
サを横切る一枚の紙幣の横方向の移動中に順次走査され
る領域の模式的な斜示図。
【図3】紙幣上で光学的に走査されるべき望ましい領域
を紙幣とともに示す斜示図。
を紙幣とともに示す斜示図。
【図4】本発明の望ましい実施例により紙幣上で光学的
に走査されるべき走査領域を示す模式的な側面図。
に走査されるべき走査領域を示す模式的な側面図。
【図5】本発明の光学検知技術および計数技術によって
反射データを処理し相関するための望ましい回路を示す
ブロックダイアグラム。
反射データを処理し相関するための望ましい回路を示す
ブロックダイアグラム。
【図6】再設定信号を発生させるための回路を示すブロ
ックダイアグラム。
ックダイアグラム。
【図7】本発明の望ましい実施例の第1の方法により作
成されたマスターパターンを説明するためのグラフ。
成されたマスターパターンを説明するためのグラフ。
【図8】本発明の望ましい実施例の第1の方法により作
成されたマスターパターンを説明するためのグラフ。
成されたマスターパターンを説明するためのグラフ。
【図9】本発明の望ましい実施例の第1の方法により作
成されたマスターパターンを説明するためのグラフ。
成されたマスターパターンを説明するためのグラフ。
【図10】本発明の望ましい実施例の第2の方法により
20ドルの新札および旧札を走査することにより作成さ
れた要素パターンを説明するグラフ。
20ドルの新札および旧札を走査することにより作成さ
れた要素パターンを説明するグラフ。
【図11】本発明の望ましい実施例の第2の方法により
図10のパターンを平均化することにより得られる、前
方方向に走査した20ドル紙幣のパターンを示すグラ
フ。
図10のパターンを平均化することにより得られる、前
方方向に走査した20ドル紙幣のパターンを示すグラ
フ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダグラス・ユー・メニー アメリカ合衆国イリノイ州60010,バーリ ントン,ウッド・ストリート 229
Claims (12)
- 【請求項1】 通貨評価装置において使用される、与え
られた額面金額に対応するマスターパターンを作成する
方法であって、 与えられた額面金額の真正の一枚あるいはそれ以上の紙
幣を走査することによて、該与えられた額面金額に対す
る複数の要素パターンを作成し、 前記要素パターンの平均値から前記与えられた額面金額
のためのマスターパターンを作成する方法において、 前記要素パターンの少なくともひとつが、別のひとつの
要素パターンを作成するときに走査が行われた経路から
横方向に変位した経路に沿って走査を行うことにより作
成されることを特徴とする、マスターパターンを作成す
る方法。 - 【請求項2】 前記与えられた額面金額のための前記複
数の要素パターンが、その額面金額の一枚の真正な紙幣
を複数回走査することにより作成されることを特徴とす
る、請求項1記載のマスターパターンを作成する方法。 - 【請求項3】 通貨評価装置において使用される、与え
られた額面金額に対応するマスターパターンを作成する
方法であって、 与えられた額面金額の真正の二枚あるいはそれ以上の紙
幣を走査することによて、該与えられた額面金額に対す
る複数の要素パターンを作成し、 前記要素パターンの平均値から前記与えられた額面金額
のためのマスターパターンを作成する方法。 - 【請求項4】 前記通貨評価装置が、互いに異なる額面
金額の通貨紙幣を識別することのできる識別装置である
ことを特徴とする、請求項1、2または3に記載のマス
ターパターンを作成する方法。 - 【請求項5】 前記二枚あるいはそれ以上の真正の紙幣
が同一の品質を有していることを特徴とする、請求項3
または4に記載のマスターパターンを作成する方法。 - 【請求項6】 前記二枚あるいはそれ以上の真正の紙幣
が標準の平均化された品質を有することを特徴とする、
請求項5記載のマスターパターンを作成する方法。 - 【請求項7】 前記二枚あるいはそれ以上の真正の紙幣
のうちの少なくとも二枚の紙幣が互いに異なる品質を有
していることを特徴とする、請求項3または4に記載の
マスターパターンを作成する方法。 - 【請求項8】 前記二枚あるいはそれ以上の真正の紙幣
のうちの少なくとも一枚の紙幣が旧札であり、前記二枚
あるいはそれ以上の真正の紙幣のうちの少なくとも別の
一枚の紙幣が新札であることを特徴とする、請求項7記
載のマスターパターンを作成する方法。 - 【請求項9】 前記要素パターンの少なくともひとつ
が、前記真正な紙幣の一枚を、前記要素パターンを作成
すべく別の真正な紙幣の少なくとも一枚を走査するとき
に沿う経路から横方向に変位した経路に沿って走査する
ことにより作成されることを特徴とする、請求項5ない
し8のいずれかに記載のマスターパターンの作成方法。 - 【請求項10】 前記与えられた額面金額が5ドルであ
り、前記二枚あるいはそれ以上の真正の紙幣のうちの少
なくとも一枚の紙幣の緑色面の側に暗い階段が印刷され
ており、前記二枚あるいはそれ以上の真正の紙幣のうち
の別の少なくとも一枚の紙幣の緑色面の側に明るい階段
が印刷されていることを特徴とする、請求項1ないし3
のいずれかに記載のマスターパターンを作成する方法。 - 【請求項11】 前記走査が光学的走査であることを特
徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載のマス
ターパターンを作成する方法。 - 【請求項12】 互いに異なる額面金額の通貨紙幣を識
別する方法であって、 少なくとも一筋の光を当てて通貨紙幣の所定の箇所を照
明する段階と、 前記照明された前記紙幣の前記箇所から反射した光を検
知してアナログ反射信号を発生する段階と、 前記一筋の光と前記通貨紙幣との間の相対変位を生じせ
しめ、前記紙幣の次の箇所を所定の方向に沿って照明す
なわち光学的に走査する段階と、 前記一筋の光を使用する前記紙幣の前記次の箇所のそれ
ぞれから反射する光に対応する一連のアナログ反射信号
を得る段階と、 前記一連のアナログ反射信号ををデジタル化しかつ処理
して、前記紙幣の額面金額のデータパターン特徴を示す
一組のデジタルデータサンプルを生じさせる段階と、 識別されるべき互いに異なる額面金額のそれぞれの真正
の紙幣を光学的に走査することによりそれに対応する一
組のマスター特徴パターンを請求項1ないし11のいず
れかの方法により作成し且つ記憶する段階と、 走査した紙幣に対する特徴パターンと、前記記憶された
マスター特徴パターンとを比較し、これらの間の相関決
定し、それによって前記紙幣の額面金額を同定する段階
と、 を備えてなる通貨紙幣を識別する方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US243807 | 1994-05-16 | ||
US08/243,807 US5633949A (en) | 1990-02-05 | 1994-05-16 | Method and apparatus for currency discrimination |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08110968A true JPH08110968A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=22920213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7152113A Withdrawn JPH08110968A (ja) | 1994-05-16 | 1995-05-16 | マスターパターンの作成方法ならびに通貨の識別方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08110968A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008146123A (ja) * | 2006-12-06 | 2008-06-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 紙幣識別装置 |
-
1995
- 1995-05-16 JP JP7152113A patent/JPH08110968A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008146123A (ja) * | 2006-12-06 | 2008-06-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 紙幣識別装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20040331 |