JPH08108488A - Frp筒体の製造方法および製造装置 - Google Patents

Frp筒体の製造方法および製造装置

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JPH08108488A
JPH08108488A JP6270610A JP27061094A JPH08108488A JP H08108488 A JPH08108488 A JP H08108488A JP 6270610 A JP6270610 A JP 6270610A JP 27061094 A JP27061094 A JP 27061094A JP H08108488 A JPH08108488 A JP H08108488A
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mandrel
sleeve
fiber bundle
impregnated
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Yasuyuki Toyoda
靖之 豊田
Hiroshi Ochi
寛 越智
Tatsuya Senba
竜也 仙波
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全長にわたって所望の均一な物性をもち、端
部まで仕上げ精度の高いFRP筒体を得る。 【構成】 マンドレル19の端部軸部19bに、樹脂含
浸強化繊維束12の係止手段23を有し、かつ、マンド
レル19の軸方向にスライド可能なスリーブ22を取り
付け、係止手段23およびスリーブ22を巻き込むよう
に樹脂含浸強化繊維束12を巻き付け、係止手段23お
よびスリーブ22を巻き込んだまま成形した後、スリー
ブ22とマンドレル19の端面との間で成形体を切断
し、スリーブ22をスライドして除去する、FRP筒体
の製造方法および製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FRP(繊維強化プラ
スチック)筒体の製造方法および製造装置に関し、とく
に、フィラメントワインディング成形法によるFRP筒
体の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂含浸バスで強化繊維束に樹脂を含浸
し、樹脂含浸強化繊維束を回転中のマンドレルに所定の
角度で巻きつけていく、いわゆるフィラメントワインデ
ィング成形法と呼ばれるFRP筒体の製造方法が知られ
ている。この成形法においては、通常、樹脂含浸強化繊
維束がマンドレル上に、所定の角度で所定層数層状に巻
きつけられていくので、マンドレルの端部においては、
巻きつけられる樹脂含浸強化繊維束は折り返されなくて
はならない。
【0003】このマンドレル端部における樹脂含浸強化
繊維束の折り返しを、強化繊維のずれや巻角度のずれを
防止しつつ円滑に行い、かつ、成形されたFRP筒体の
端部の機械的強度を向上するために、外周面に複数のピ
ンを植設したリング部材をマンドレルの両端に嵌着し、
その上に樹脂含浸強化繊維束を巻きつけその上で該強化
繊維束を折り返し、最終的に上記リング部材をFRP筒
体と一体化してしまう成形方法が知られている(特公平
4−15731号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
成形方法においては、最終的にリング状部材がFRP筒
体と一体化されるので、出来上がったFRP筒体の端部
には、リング状部材の多数のピンが埋設された状態とな
る。これらピンは、FRP筒体にとっては異物であるか
ら、必ずしもFRP筒体の機械的強度向上にはつながら
ず、場合によっては、逆に機械的強度を低下させるおそ
れもある。少なくとも、ピンが埋設された部位は、他の
部位と比べ、物性上異なってしまう。
【0005】また、リング状部材が一体化される結果、
少なくともこの部分ではFRP筒体の肉厚が増加してし
まうので、FRP筒体の端部を所望の寸法精度に仕上げ
ることが困難になる。
【0006】本発明の目的は、上記のような従来のフィ
ラメントワインディング成形法における問題点を解決
し、全長にわたって所望の均一な物性が得られ、かつ、
所望の寸法精度に仕上げることが可能な、しかもそれを
容易に行うことができる、FRP筒体の製造方法および
製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のFRP筒体の製造方法は、マンドレルに樹
脂を含浸した強化繊維束を巻きつけた後樹脂を硬化して
FRP筒体を成形するに際し、マンドレルの端部軸部
に、樹脂含浸繊維束の係止手段を有し、かつ、マンドレ
ルの軸方向にスライド可能なスリーブを取り付け、該係
止手段およびスリーブを巻き込むように樹脂含浸強化繊
維束を巻き付け、前記係止手段およびスリーブを巻き込
んだまま成形した後、スリーブとマンドレルの端面との
間で成形体を切断し、スリーブをスライドして除去する
ことを特徴とする方法からなる。
【0008】また、本発明に係るFRP筒体の製造装置
は、マンドレルに樹脂を含浸した強化繊維束を巻きつけ
た後樹脂を硬化してFRP筒体を成形する装置におい
て、マンドレルの端部軸部に装着される、樹脂含浸繊維
束の係止手段を有し、かつ、マンドレルの軸方向にスラ
イド可能なスリーブを設けたことを特徴とするものから
なる。
【0009】上記装置においては、マンドレルの端部軸
部とスリーブとの間の相対回転防止機構が設けられてい
ることが好ましい。また、上記スリーブがフランジ部を
有し、該フランジ部に係止手段が設けられていることが
好ましい。
【0010】さらに、上記係止手段は、たとえば、スリ
ーブの周方向に突設された複数の針状体からなる。
【0011】
【作用】上述の本発明に係るFRP筒体の製造方法およ
び製造装置においては、マンドレル端部に取り付けられ
た係止手段に、マンドレルに巻きつけられていく樹脂含
浸強化繊維束が係止され、係止された状態で樹脂含浸強
化繊維束が折り返されていく。所定の層数層状に巻きつ
けられた後、係止手段およびスリーブを巻き込んだまま
樹脂が硬化されるが、硬化時にも、巻きつけられている
樹脂含浸強化繊維束はマンドレル端部で係止手段により
係止された状態で折り返されているので、フィラメント
ワインディング時の巻きつけ張力を解放することなく樹
脂が硬化される。したがって、マンドレル端部において
も、繊維の乱れがなく所定の配向角を保ったまま硬化さ
れ、繊維体積含有率を高く保つことができるとともに、
強度、弾性率の発現率の高い高性能のFRP筒体が得ら
れる。
【0012】そして、硬化後には、係止手段巻込み部
が、スリーブとマンドレルの端面との間で成形体を切断
することにより切り離され、スリーブのスライドにより
除去されるので、製品となるべきFRP筒体としては、
全長にわたって均一な物性のものが得られる。また、係
止手段巻込み部の除去により、FRP筒体製品部は、容
易に目標とする寸法に仕上げられる。
【0013】上記係止手段は、たとえば、マンドレルの
軸方向にスライド可能なスリーブの上に設けられるの
で、上記巻込み部を除去する際には、該巻込み部は係止
手段およびスリーブとともに容易に除去される。また、
スリーブを比較的長い筒状部分を有するものに形成して
おけば、上記樹脂含浸強化繊維束の折り返し部が該筒状
部分の外周上に保持されて、マンドレルの端部軸部上に
巻きつくことが回避されるので、スリーブは係止手段巻
込み部とともに容易に脱着される。
【0014】また、マンドレルの端部軸部とスリーブと
の間の相対回転防止機構を設けておくことにより、スリ
ーブ上に設けられている係止手段とマンドレルとの回転
方向位置関係が、マンドレル回転中にも常に一定の位置
関係に保たれることになり、樹脂含浸強化繊維束は、所
望の折り返し位置で安定して正確に折り返されていく。
したがって、成形されるFRP筒体の端部における性能
も、目標とする性能に維持される。
【0015】
【実施例】以下に、本発明のFRP筒体の製造方法およ
び製造装置の望ましい実施例を、図面を参照して説明す
る。図1ないし図3は、本発明の一実施例に係るFRP
筒体の製造装置を示している。図1において、1は、強
化繊維糸(例えば炭素繊維糸)を巻いたボビン2を多数
設置したクリールスタンドを示している。クリールスタ
ンド1の各ボビン2から繰り出された強化繊維糸3は、
所定本数引き揃えられて強化繊維束4とされ、セパレー
トロール5へと送られる。強化繊維としては、炭素繊維
に限らず、たとえばガラス繊維、アラミド繊維等を使用
することが可能であり、これらを併用することも可能で
ある。
【0016】セパレートロール5は、本実施例では、実
質的に水平方向に延びる一対のフリー回転ロール6a、
6bと、その下流側の、実質的に上下方向に延びる一対
のフリー回転ロール7a、7bと、からなっている。こ
のセパレートロール5により、概ね所定断面形状に引き
揃えられた強化繊維束4は、フリー回転ローラからなる
ガイドロール8を介して樹脂含浸バス9へと導入され
る。
【0017】樹脂含浸バス9内には、FRP筒体のマト
リクス樹脂となる、未硬化の樹脂10が収容されてい
る。マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を使用する。但し、
他の樹脂や、たとえばポリアミド、ポリカーボネート、
ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂を使用することも
可能である。
【0018】樹脂含浸バス9内には、本実施例では、回
転駆動される、あるいは、フリー回転の、ローラ11
a、11b、11cが設けられている。強化繊維束4
は、これら回転ローラ11a、11b、11c上を順次
案内され、バス9内で強化繊維束4に樹脂10が含浸さ
れる。
【0019】樹脂10が含浸された強化繊維束、つまり
樹脂含浸強化繊維束12は、ガイド手段13により、フ
ィードローラ14へと案内される。ガイド手段13は、
本実施例では3本のガイド13a、13b、13cから
なっており、樹脂含浸強化繊維束12は、これらガイド
13a、13b、13c上を順に案内される。
【0020】複数のガイド13a、13b、13cのう
ち、本実施例では、上流側の2本のガイド13a、13
bが、回転自在なローラに構成され、下流側(マンドレ
ル側)のガイド13cが固定ガイドに構成されている。
ただし、ガイド13a、13bも、固定ガイドに構成さ
れていてもよい。
【0021】ローラ13a、13b上には、たとえばゴ
ムからなるパッド15a、15bが設けられており、パ
ッド15a、15bは適当な押圧力で各ローラ13a、
13b上に付勢されている。このローラ13a、13b
の表面とパッド15a、15bにて、この間を通過する
樹脂含浸強化繊維束12をしごいて、余分な樹脂を絞り
取るようになっている。ただし、ローラ13a、13b
のみで、十分に余分な樹脂を絞り取ることができる場合
には、パッド15a、15bは必ずしも必要ではない。
【0022】ガイド手段13からの樹脂含浸強化繊維束
12は、フィードローラ14へと案内される。本実施例
では、フィードローラ14は、樹脂含浸強化繊維束12
の送り方向に配列された一対のローラ14a、14bか
らなっている。一対のローラ14a、14bは、ブラケ
ット16に回転自在に支持されており、ブラケット16
は、キャリッジスタンド17に回転自在に支持されたシ
リンダ18上に固定されている。樹脂含浸強化繊維束1
2は、シリンダ18の中空部18aを挿通された後、一
対のフィードローラ14a、14bを介して、マンドレ
ル19上へと送られるようになっている。フィードロー
ラ14a、14bは、シリンダ18、キャリッジスタン
ド17とともに、マンドレル19の回転軸19aに沿う
方向に移動されるようになっている。
【0023】マンドレル19は、マンドレル回転駆動手
段20により、所定の回転速度で回転駆動される。マン
ドレル回転駆動手段20は、たとえばモータ、あるいは
モータと減速機との組合せ等からなっている。マンドレ
ル19上に所定の角度で所定の層数巻き付けられること
により、樹脂未硬化のFRP筒体21が形成され、樹脂
を硬化させることにより、FRP筒体21の成形品が得
られる。
【0024】上記のように構成された実施例装置におい
ては、クリールスタンド1から送り出されてきた強化繊
維糸3が、複数本引き揃えられて強化繊維束4が形成さ
れる。強化繊維束4は、セパレートロール5を通過した
後、ガイドロール8を介して樹脂含浸バス9内に導入さ
れる。樹脂含浸バス9内にて、強化繊維束4は、ローラ
11a、11b、11c上を案内されつつ、樹脂10が
含浸される。
【0025】樹脂10が含浸された強化繊維束12は、
ガイド13a、13b、13c上を順に案内されるが、
まず、ローラ13a、13bとパッド15a、15bと
の間を通過することにより、この部分で余分な樹脂が絞
り取られる。そして、固定ガイド13c上を通過するこ
とにより、この部分でしごかれて効率よく余分な樹脂が
絞り取られる。絞り取られた樹脂は、下方の樹脂含浸バ
ス9へと戻される。
【0026】樹脂含浸強化繊維束12から余分な樹脂が
絞り取られるので、樹脂含浸強化繊維束12の粘着力が
適当に弱められ、下流のフィードローラ14a、14b
への巻付きが防止される。
【0027】樹脂含浸強化繊維束12は、さらに、シリ
ンダ18の中空部18aを通してフィードローラ14
a、14bへと送られ、フィードローラ14bからマン
ドレル19上へと送られる。マンドレル19上への巻き
つけは、図2に示すように行われる。
【0028】図2に示す方法においては、マンドレル1
9の端部軸部19b(本実施例では両端軸部)に、マン
ドレル19の軸方向にスライド可能なスリーブ22が装
着され、スリーブ22上に樹脂含浸強化繊維束12を係
止可能な係止手段としての針状体23が設けられてい
る。スリーブ22の軸方向両端には、フランジ部22
a、22bが設けられており、大きい方のフランジ部2
2aの外径は、マンドレル19の中央部の径と実質的に
同一の径に形成されている。このフランジ部22aの外
周面に複数の針状体23が突設され、該針状体23は、
周方向に所定のピッチで配設されている。スリーブ22
の両フランジ部22a、22bの間の中央部22cと
は、外周横断面形状が円形の、樹脂含浸強化繊維束12
の受け部を構成している。
【0029】マンドレル19の端部軸部19bとスリー
ブ22との間には相対回転防止機構が設けられている。
この相対回転防止機構は、本実施例では、図3にも示す
ように、マンドレル19の端部軸部19bの断面形状を
完全な円形ではなく一部弦状に切り欠いた形状に形成
し、スリーブ22の嵌合穴22dの形状を軸部19bの
断面形状に対応する形状に形成して、互いに嵌合するこ
とにより構成されている。上記弦状切欠き部19cは、
マンドレル19の中央部19d、すなわち、所定のFR
P筒体21を形成すべき部分の軸方向端部側面から、所
定の距離だけ離れた位置まで形成されている。したがっ
て、マンドレル19の端部軸部19bに嵌合装着された
スリーブ22のフランジ部22aの外端面と、マンドレ
ル中央部19dの外端面との間には、所定の隙間dが形
成されるようになっている。
【0030】係止手段としての針状体23が設けられた
スリーブ22がマンドレル19の端部軸部19bに装着
された状態で、図2に示すように、マンドレル19上お
よびフランジ部22a上に、樹脂含浸強化繊維束12
が、所定層数巻きつけられていく。樹脂含浸強化繊維束
12は、マンドレル19の端部において、針状体24に
よって係止され、係止された状態で折り返され、次の層
としてマンドレル19上に巻きつけられていく。折り返
し部においては、針状体23の外側に樹脂含浸強化繊維
束が溢れて溜るが、これは図2に示すようにスリーブ2
2の中央部受け部22c上に保持される。樹脂含浸強化
繊維束12が所定層数巻きつけられると、スリーブ22
および針状体23を巻き込んだ状態で、樹脂の硬化が行
われる。この硬化は、マンドレル19を回転しながら行
ってもよい。
【0031】硬化後に、マンドレル19の中央部19d
とスリーブ22のフランジ部22aとの間、より正確に
はマンドレル19の端面とスリーブ22のフランジ部2
2aとの間の隙間d部で、図2のA−A線で示すように
成形体が切離され、切離されたスリーブ22側部分が、
スリーブ22をスライドすることにより、スリーブ22
および針状体23とともにマンドレル19から抜かれ、
除去される。折り返し部で溢れた樹脂含浸強化繊維束に
はスリーブ22上に保持されており、スリーブ22はマ
ンドレル19の軸部19bに対してスライドできる嵌合
構造となっているから、上記除去は、樹脂硬化後であっ
ても極めて容易に行われる。
【0032】また、スリーブ22とマンドレル19の軸
部19bとの間の相対回転防止機構により、針状体23
はマンドレル19と一体的に回転され、両者間の回転方
向位置関係は常に一定の関係に保たれるから、樹脂含浸
強化繊維束12の所望の折り返し位置が巻きつけ中常時
確保される。この相対回転防止機構は、上記の構造に限
らず、たとえば、キーとキー溝機構等、公知の各種機構
を用いることができる。
【0033】上記のようなFRP筒体の製造において
は、係止手段を巻き込んだ部分が樹脂硬化後に除去され
るので、製品となるFRP筒体は、全長にわたって均一
な物性となる。また、係止手段により係止されつつ、つ
まり巻きつけ張力を維持したまま、フィラメントワイン
ディングが行われるので、硬化前において、成形される
べきFRP筒体の端部の繊維の乱れは防止され、所定の
配向角に保たれ、かつその状態が硬化後にも維持され
る。したがって、高強度、高弾性率の均一なFRP筒体
の成形が可能となる。また、FRP筒体の繊維体積含有
率を高めることも可能となる。
【0034】なお、上記のフィラメントワインディング
成形においては、樹脂含浸強化繊維束12をマンドレル
19に巻き付ける際に、樹脂の温度を下げてその粘度を
上げることが好ましい。樹脂の粘度が低いと巻き込みボ
イド(気泡)を押し出しにくいが、粘度を上げて巻き付
け、径方向に圧力を加えることにより、容易にボイドが
外部に排出されるようになり、品質が向上する。
【0035】すなわち、熱硬化性樹脂においては、未硬
化の状態では、一般に図4に示すような特性を有する。
成形のため樹脂を硬化させる場合には、温度を上げて矢
印Bで示すように粘度を高めるが、上記においては、ボ
イド排出のため、矢印Cで示すように一旦温度を下げ、
粘度を上げるのである。温度を下げるには、マンドレル
への巻き付け直前に樹脂含浸強化繊維束12に冷風を吹
き付ければよい。また、注水による冷却も可能である。
【0036】また、フィラメントワインディング成形法
においては、所定径のマンドレル19上に樹脂含浸強化
繊維束12を巻き付けていくので、形成されるFRP筒
体21は、内径律則で成形される。FRP筒体21は、
現実には、外径の仕上り径が所定の径となるように要求
されることが多い。これを達成するために、図5に示す
ような方法が挙げられる。
【0037】すなわち、マンドレル19上に形成された
樹脂未硬化状態のFRP筒体21の外表面に、複数のロ
ーラ30(図示例では3本)からなる組合せローラを、
それぞれFRP筒体21の表面上に径方向に押圧しなが
ら、FRP筒体21の回転軸に沿う方向に走行させる。
このとき、マンドレル19およびFRP筒体21は矢印
方向に回転しているので、FRP筒体21の周方向に
は、FRP筒体21の外表面と各ローラ30の表面との
間に滑りが生じる。各ローラ30は、自身の回転軸を含
む断面でみたとき、FRP筒体21の目標成形外径(目
標仕上げ径)に相当する円弧面を有している。
【0038】このように組合せローラ30を押しつける
ことにより、未硬化状態のFRP筒体21の樹脂が絞ら
れ、押圧力およびFRP筒体21表面上の走行回数を調
整することにより、外径律則の成形が可能となり、正確
に目標とする外径仕上げ寸法が得られるようになる。ま
た、ローラ30の押圧により、巻き込まれていたボイド
が排出され、成形されるFRP筒体21の強度が向上
し、品質が向上する。
【0039】なお、ローラ30の表面仕上状態は、鏡面
仕上および梨地仕上のいずれでもよいが、切断糸等がロ
ーラ表面にもっていかれにくい点で、梨地仕上がより好
ましい。
【0040】さらに、図6に示すように、FRP筒体2
1の目標仕上径に相当する内径を有するリング40を、
たとえばキャリッジスタンド17と一体的に走行させる
こともできる。樹脂含浸強化繊維束12は、リング40
に対し所定の角度を保ちながら接しつつ、マンドレル1
9に巻き付けられていく。樹脂含浸強化繊維束12は、
リング40により樹脂が絞られながら巻き付けられてい
くとともに、空気の巻き込みが抑えられる。また、成形
されつつある未硬化のFRP製管状体21の外径が目標
径近くになると、部分的に目標径をオーバーした部分が
生じたとしても、その部分はリング40によって絞られ
目標径に納められるので、最終的に外径律則の成形が可
能となり、目標とする仕上げ径が正確に得られる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スリーブ上に設けた係止手段によって樹脂含浸強化繊維
束を、乱れを生じさせることなく所定の巻角度でマンド
レルの端部まで均一に巻きつけることができ、樹脂硬化
後には係止手段巻込み部をスリーブとともに除去するこ
とによって、製品となるFRP筒体は、全長にわたって
均一な物性となり、かつ高強度、高弾性率のFRP筒体
とすることが可能となり、しかも、端部まで所望の精度
に仕上げられたFRP筒体を得ることができる。
【0042】また、上記係止手段巻込み部の除去も、ス
リーブのスライドにより容易に行うことができ、生産
性、作業能率の向上をはかることができる。
【0043】このように優れた性能のFRP筒体を得る
ことができ、しかも、生産性、作業能率の良い、本発明
に係るFRP筒体の製造方法および製造装置は、FRP
製プロペラシャフトやFRP製ロールの製造に適用して
きわめて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るFRP筒体の製造装置
の概略構成図である。
【図2】図1の装置のFRP筒体の成形時の様子を示す
マンドレル端部の部分拡大縦断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う拡大横断面図で
ある。
【図4】未硬化状態の熱硬化性樹脂の温度と粘度との関
係図である。
【図5】マンドレル上での好ましいFRP筒体成形法を
示す概略縦断面図である。
【図6】マンドレル上での別の好ましいFRP筒体成形
法を示す部分概略斜視図である。
【符号の説明】
1 クリールスタンド 2 ボビン 3 強化繊維糸 4 強化繊維束(樹脂含浸前) 5、6a、6b、7a、7b セパレートロール 8 ガイドロール 9 樹脂含浸バス 10 樹脂 11a、11b、11c ローラ 12 樹脂含浸強化繊維束 13 ガイド手段 13a、13b、13c ガイド 14、14a、14b フィードローラ 15a、15b パッド 16 ブラケット 17 キャリッジスタンド 18 シリンダ 18a 中空部 19 マンドレル 19a マンドレルの回転軸 19b マンドレルの端部軸部 19c マンドレルの端部軸部の弦状切欠き部 19d マンドレルの中央部 20 回転駆動手段 21 FRP筒体 22 スリーブ 22a、22b フランジ部 22c 中央部(受け部) 22d 穴 23 係止手段としての針状体 30 ローラ 40 リング
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 23:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンドレルに樹脂を含浸した強化繊維束
    を巻きつけた後樹脂を硬化してFRP筒体を成形するに
    際し、マンドレルの端部軸部に、樹脂含浸繊維束の係止
    手段を有し、かつ、マンドレルの軸方向にスライド可能
    なスリーブを取り付け、該係止手段およびスリーブを巻
    き込むように樹脂含浸強化繊維束を巻き付け、前記係止
    手段およびスリーブを巻き込んだまま成形した後、スリ
    ーブとマンドレルの端面との間で成形体を切断し、スリ
    ーブをスライドして除去することを特徴とする、FRP
    筒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 マンドレルに樹脂を含浸した強化繊維束
    を巻きつけた後樹脂を硬化してFRP筒体を成形する装
    置において、マンドレルの端部軸部に装着される、樹脂
    含浸繊維束の係止手段を有し、かつ、マンドレルの軸方
    向にスライド可能なスリーブを設けたことを特徴とす
    る、FRP筒体の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記マンドレルの端部軸部とスリーブと
    の間の相対回転防止機構が設けられている、請求項2の
    FRP筒体の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記スリーブがフランジ部を有し、該フ
    ランジ部に係止手段が設けられている、請求項2または
    3のFRP筒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記係止手段が、前記スリーブの周方向
    に突設された針状体からなる、請求項2ないし4のいず
    れかに記載のFRP筒体の製造装置。
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