JPH08108182A - 洗浄用水とその製造装置及びその製造方法 - Google Patents

洗浄用水とその製造装置及びその製造方法

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JPH08108182A
JPH08108182A JP24816094A JP24816094A JPH08108182A JP H08108182 A JPH08108182 A JP H08108182A JP 24816094 A JP24816094 A JP 24816094A JP 24816094 A JP24816094 A JP 24816094A JP H08108182 A JPH08108182 A JP H08108182A
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water
electrolysis
cleaning water
electrolytic
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来よりも製造に手間がかからない洗浄用水
の製造方法、従来よりも洗浄用水の使用がし易い洗浄用
水の製造装置、従来よりも洗浄力に優れる洗浄用水を提
供しようとするもの。 【構成】 この発明の洗浄用水の製造装置は、陰極板2
と陽極板3との間に電解通路4を有し、この電解通路に
電解質水溶液を供給しながら活性酸素を生成させるよう
に電気分解することにより、洗浄対象物に活性酸素の酸
化分解作用を及ぼせしめる洗浄用水を連続的に得るよう
にしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、細菌汚染された医療
器具、トイレの便器、その他の各種の洗浄対象物を洗浄
するための洗浄用水、洗浄用水の製造装置、及び洗浄用
水の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、細菌汚染された医療器具などの洗
浄対象物を浄化するための洗浄用水として、次亜塩素酸
ナトリウム(NaClO)水溶液が知られている。
【0003】この水溶液として12%程度の濃度のアル
カリ性水溶液(120,000ppm程度)が市販され
ており、これを水で約100〜500ppm程度の濃度
に希釈して使用する。さらに、前記のようにして希釈し
た水溶液を、塩酸でpHが4〜6程度になるように調整
(NaClO+HCl→NaCl+HClO)すること
により、その洗浄力を向上させることができる。
【0004】しかし、次亜塩素酸ナトリウム水溶液のp
Hを調整することは難しいので、洗浄用水の製造に手間
がかかるという問題があった。
【0005】また、調整した後には手早く使用しない
と、次亜塩素酸(HClO)が分解して活性酸素を放出
しその洗浄力が大幅に低下してしまうので、洗浄用水と
しての使用がしにくいという問題があった。
【0006】さらに、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、
洗浄力が十分ではない場合が多いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
従来よりも製造に手間がかからない洗浄用水の製造方法
を提供しようとするものである。
【0008】また、この発明は、従来よりも洗浄用水の
使用がし易い洗浄用水の製造装置を提供しようとするも
のである。
【0009】さらに、この発明は、従来よりも洗浄力に
優れる洗浄用水を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明では次のような技術的手段を講じている。
【0011】この発明の洗浄用水は、電解質水溶液の電
気分解によって生成した活性酸素を含有し、洗浄対象物
に活性酸素の酸化分解作用を及ぼせしめるようにしたこ
とを特徴とする。
【0012】この発明の洗浄用水の製造装置は、陰極板
と陽極板との間に電解通路を有し、この電解通路に電解
質水溶液を供給しながら活性酸素を生成させるように電
気分解することにより、洗浄対象物に活性酸素の酸化分
解作用を及ぼせしめる洗浄用水を連続的に得るようにし
たことを特徴とする。
【0013】この発明の洗浄用水の製造方法は、電解質
水溶液中に活性酸素を生成させるように電気分解するこ
とにより、洗浄対象物に活性酸素の酸化分解作用を及ぼ
せしめる洗浄用水を得るようにしたことを特徴とする。
【0014】また、塩化ナトリウムの共存下で電気分解
することにより、電解質水溶液中に次亜塩素酸と活性酸
素とを生成せしめるようにしたこととして実施すること
もできる。
【0015】また、臭化ナトリウムの共存下で電気分解
することにより、電解質水溶液中に次亜塩素酸と活性酸
素とを生成せしめるようにしたこととして実施すること
もできる。
【0016】
【作用】この発明は、以下のような作用を有する。
【0017】この発明の洗浄用水の製造方法によると、
電解質水溶液中に活性酸素を生成させるように電気分解
することにより、洗浄対象物に活性酸素の酸化分解作用
を及ぼせしめる洗浄用水を容易に得ることができる。
【0018】また、この発明の洗浄用水の製造装置によ
ると、陰極板と陽極板との間に電解通路を有し、この電
解通路に電解質水溶液を供給しながら活性酸素を生成さ
せるように電気分解することにより、洗浄対象物に活性
酸素の酸化分解作用を及ぼせしめる洗浄用水を連続的に
得ることができる。
【0019】さらに、この発明の洗浄用水によると、電
解質水溶液の電気分解によって生成した活性酸素を含有
し、洗浄対象物に活性酸素の酸化分解作用を及ぼせしめ
るようにしたので、この活性酸素の酸化分解作用によ
り、洗浄対象物を好適に洗浄することができる。
【0020】塩化ナトリウムの共存下で電気分解するこ
とにより、次亜塩素酸と活性酸素とを生成せしめるよう
にする場合、陽極電極において次の反応が起こる。
【0021】 2Cl- →Cl2 +2e- … Cl2 +H2 O→HClO+HCl … HClO→HCl+(O) … (O)は活性酸素である。、で生じたHClは、陰
極電極で生じたNaOHで中和されてNaClに戻る。
【0022】また、臭化ナトリウムの共存下で電気分解
することにより、次亜臭素酸と活性酸素とを生成せしめ
るようにする場合には、次のような反応となる。
【0023】 2Br- →Br2 +2e- … Br2 +H2 O→HBrO+HBr … HBrO→HBr+(O) … 次亜塩素酸や次亜臭素酸は経時的に分解して活性酸素を
生成し、洗浄対象物に対して酸化分解作用を及ぼす。
【0024】なお、pHが高くなると、次亜塩素酸や次
亜臭素酸は、次のように、ClO-、BrO- に変化す
る。
【0025】HClO⇔H+ +ClO- HBrO⇔H+ +BrO- 次亜塩素酸や次亜臭素酸はClO- 、BrO- に変化す
ると、次亜塩素酸や次亜臭素酸としての状態に比べて酸
化分解作用が数十分の一程度に低減してしまう。そこ
で、次亜塩素酸を生成させるようにする場合には、塩酸
などの酸の存在下でpHが約7以下の弱酸性領域に調整
して電気分解を行うことが好ましく、次亜臭素酸を生成
させるようにする場合には、pHが約6から約8.5以
下のほぼ中性領域に調整して電気分解を行うことが好ま
しい。
【0026】
【実施例】以下、この発明の構成を実施例として示した
図面を参照して説明する。 (実施例1)図1及び図2に示すように、この実施例で
は、電解装置1内の陰極板2と陽極板3(図2参照)と
の間に後述する電解通路4を形成し、この電解通路4に
電解質水溶液を供給しながら活性酸素を生成させるよう
に電気分解することにより、洗浄対象物に活性酸素の酸
化分解作用を及ぼせしめる洗浄用水を連続的に製造する
ようにしている。
【0027】この実施例の(1)(表1参照)では6リ
ットル/分の流量の水道水を供給し、そのうちの100
cc/分をフィルターFを通過させ、後述の添加液10
cc/分とポンプPにより混合して電解質水溶液とし、
これを電解装置1の電解通路4に送って直流電流を流し
電気分解することにより活性酸素を生成させ、その後に
電気分解していない経路の水道水と合流させ、約6リッ
トル/分の吐出量で洗浄用水を製造するようにしてい
る。なお、水道水(上水)の他に、井水、河川水、天水
などを用いてもよい。
【0028】この実施例の(1)では添加液として、食
塩水80gと35%塩酸40ccとの混合物に水を加え
て1リットルとしたものを添加液供給タンクに貯留し
た。手添加液の電気伝導度は、300〜330(×10
00μs/cm)であった。なお、条件をかえて実施し
た(2)〜(4)についても表1に示す。(3)及び
(4)のものでは、食塩水の代わりに臭化ソーダ水を用
いている。
【0029】図2に示すように、電解装置1は、電解通
路4とこの電解通路4に電流を供給するための公知の整
流器(図示せず)とを具備せしめている。電解通路4
は、陽極板3の両側に陰極板2を配設してこれら相互の
間に形成されており、このような電解通路4を連設(図
示せず)している。陽極板3と陰極板2との間の間隔は
好適には約1〜10mm程度の範囲内で設定可能である
が、この実施例では3mmに設定しており、連設した電
解通路4の全長は500mmに設定している。両電極の
間には短絡防止のためにパッキン5を介装しており、こ
のパッキン5は外組み部分を残して内部をくり抜いた枠
形状としている。くり抜いた内部の部分が電解通路4を
形成する。両陰極板2の外側には、パッキン6及び塩化
ビニール板7を介してステンレス板8を外装している。
【0030】上水道から供給される水道水は、ポンプP
により一方のステンレス板8の下方に貫通する孔Hから
流入させ、塩化ビニール板7、陰極板2のそれぞれを貫
通する孔Hを通り、陽極板3と接触し、陰極板2と陽極
板3との間の電解通路4(パッキン5の内部の部分)を
通り、陽極板3の上方を貫通する孔Hを通り、陽極板3
の逆面に至る。この逆面側の陰極板2と陽極板3との間
の電解通路4(パッキン5の内部の部分)を通り、前記
と同様に陰極板2、塩化ビニール板7、ステンレス板8
のそれぞれの下方を貫通する孔(図示せず)を通り流出
する。
【0031】なお、以下の各実施例(実施例2〜6)に
おいても同様の構造の電解装置1を用いている。
【0032】なお、電解通路4を画定する陽極板3と陰
極板2との電極極性は公知の電気的方法で可変とし、一
定時間毎(約10分間隔に設定した)に転換した。こう
することにより電解通路4の流水中にある荷電物質が、
対応する反対荷電電極に析出成長することを防止し、活
性酸素の生成の低下を防止し、継続的に一定の浄化力を
有する洗浄用水を供給することができる。また、両電極
板の極性を固定とした場合は陽極側に選定した電極板ば
かりが溶滅していく片減り現象が生じるが、電極極性を
可変としたことにより交互に陽極となった側が溶滅して
いく。したがって両電極の経時的な消耗の割合いをほぼ
均等にすることができる。
【0033】表1に示すようにこの実施例の(1)で
は、電解分解の際10Aの定電流を流すために3.1〜
3.2Vの電圧を印加した。この実施例の(1)(2)
のように食塩を用いた場合に電気分解の際に生成する次
亜塩素酸、この実施例の(3)(4)のように臭化ソー
ダを用いた場合に電気分解の際に生成する次亜臭素酸
は、共に経時的に分解して活性酸素を生成する。
【0034】なお、従来の次亜塩素酸ナトリウム水溶液
は調整した後に手早く使用しないと次亜塩素酸が分解し
て活性酸素を放出してしまい、その洗浄力が大幅に低下
してしまうという問題があったが、この実施例のものに
よると、安定した洗浄用水を連続的に得ることができる
という利点がある。 (実施例2)図2及び図3に示すように、この実施例で
は、食塩水を定量ポンプPにより10〜25cc/分の
流量で電解装置1の電解通路4(実施例1参照)に供給
し、この電解質水溶液を電気分解して次亜塩素酸と活性
酸素とを含む洗浄用水を連続的に製造し、この洗浄用水
を上水道(最大4Kg/cm2 )に合流させている。こ
うして、その遊離残留塩素濃度が20ppm、40pp
m、50ppmに希釈された洗浄用水を連続的に得た。
【0035】前記洗浄用水を、食品工場(大型魚などの
水産物、家畜、家禽などの解体加工処理を行う)の解体
加工機や、作業場の床面に付着した血液などの汚れに対
しスプレー噴霧して、その殺菌、浄化、漂白を行った。
なお、スプレー噴霧ではなく直接ホースでかけてもよ
い。
【0036】スプレー噴霧はスプレー・ノズルを用い、
原料解体通路1、原料解体通路2、原料内の金属
の検知器の前、ミンチ用の混和器のミキサーの羽棒、
ミンチ用の混和器のミキサーの側面に、洗浄用水をス
プレー噴霧(遊離残留塩素濃度、40ppm)した。解
体加工機(前記〜)については均一に一回だけ、通
路(前記、)等の汚染のひどいところは2〜3回繰
り返してスプレー噴霧を行った。
【0037】各種菌(一般細菌、大腸菌群、大腸菌、ブ
ドウ球菌、サルモネラ菌)に関するスプレー噴霧前から
スプレー噴霧後にわたる殺菌効果の試験結果を、表2に
示す。なお、表中の括弧内の数値は、100cm2 当た
りの菌数を示す。
【0038】電気分解によって得られた次亜塩素酸と活
性酸素とに富む洗浄用水をスプレー噴霧すると、活性酸
素の強力な酸化作用により、洗浄対象物の表面に付着し
た汚れ成分(有機物など)が酸化分解され、洗浄用水に
溶解させ除去・浄化することができる。また、この有機
物の汚れの中に存在する細菌、真菌、藻類等の微生物、
病原微生物を滅菌、除去することができる。
【0039】活性酸素の強い酸化作用は悪臭成分にも直
接働いて脱臭すると共に、悪臭成分を生成する有機窒素
化合物、有機硫黄化合物、アンモニア、尿素、尿酸など
を酸化分解する。悪臭の発生源である腐敗した有機物の
汚れが除去され、悪臭成分も酸化分解されるため悪臭も
また除かれる。そして、最終的にはCO2 、H2 O、N
2 、または硝酸塩、硫酸ソーダなどの無臭な化合物に変
えてしまう。
【0040】この実施例のものによると、洗浄用水を及
ぼすだけで悪臭を絶えず生ずる作業場等を浄化・殺菌す
ることができ、作業場の脱臭・消毒に極めて効果がある
という利点がある。
【0041】なお、不潔で悪臭の生じ易い場所(台所、
調理場、水産物加工場、屠殺場、犬小屋、厩舎、鶏舎、
家畜飼育場、廃棄物置場、廃棄物取扱い又は処理場、下
水処理場、実験室)、前記に関連するトラック運搬車、
コンテナー、機械装置、用具、車両、物品、動物などの
洗浄用水としても好適に適用することができる。 (実施例3)図2及び図4に示すように、この実施例で
は、添加液供給タンク9から食塩水(電解質水溶液)を
電解装置1内の電解通路4に供給することによって、次
亜塩素酸と活性酸素が生成した洗浄用水を製造して、ト
イレの水洗水に合流させるようにしている。すなわち、
活性酸素を生成させた洗浄用水をトイレの水洗水に混合
することにより、トイレの便器11の浄化・殺菌・漂白・
脱臭を行うようにしている。
【0042】水洗水貯留タンク10の水洗レバーを操作す
ると弁が開き、洗浄用水が混合された水洗水が便器11へ
フラッシュされる。水洗水が減少すると、フロート12の
変位により水道水の弁が開き給水される。フロー・セン
サー13で給水が完了したことを検知すると、循環ポンプ
14が5分間作動すると同時に定量ポンプ15が作動して、
添加液供給タンク9から食塩水が電解質水溶液として電
解通路4へと供給される。食塩水の電気分解により生じ
た次亜塩素酸と活性酸素とを含む洗浄用水は、水洗水の
循環経路16に供給されて合流する。電気分解は、整流器
から定電流14A(約3V電圧印加)を供給して行っ
た。
【0043】水洗水貯留タンク10中の水洗水(9リット
ル)は、洗浄用水を混合する5分間の循環により、活性
酸素が供給され強い酸化力と殺菌力を有するようにな
る。この実施例の水洗水は、pHが5.5から6.5で
残留塩素濃度は25〜30ppmであった。
【0044】この水洗水は次亜塩素酸と活性酸素を含
み、トイレの便器11にフラッシュされると活性酸素の強
力な酸化作用によって、トイレの便器11の表面に付着し
た汚れ成分(有機物など)を酸化分解し、これを水洗水
に溶解させ除去・浄化することができた。
【0045】なお、次亜塩素酸と活性酸素とを含む洗浄
用水を製造して水洗水と混合する代わりに、水道水に予
め食塩水を加えて電解通路4に流して電気分解すること
により、次亜塩素酸と活性酸素とを含む水洗水を得るよ
うにすることもできる。
【0046】建築作業現場に付設の洋式トイレ(1日に
於ける大便の使用が5〜6回程度、小便の使用が14〜
15回程度)を用い、次のような評価試験を行った。
【0047】試験に用いた洋式トイレは既に便器に暗褐
色のスケール状の汚れが付着して、換気扇による換気に
係わらず常に悪臭を放っていた。
【0048】この洋式トイレに上述の機構を組み込んで
試験を開始し、第1日目には便器の汚れの約3分の1が
除去された。残っていた約3分の2の汚れも第2日目に
急速に酸化・漂白され、トイレの室内の臭いも全く無臭
となった。そして、第4日目には便器は全ての汚れが除
去され、全面にきれいなツヤのある状態となった。ま
た、pHの範囲は約5.0から7.5のほぼ中性に近い
領域でも汚れの除去効果があった。
【0049】次に、汚れのない新設トイレを用い、同様
にして試験を行った。この場合、水洗水の遊離残留塩素
濃度を3〜5ppm程度の低濃度とすることでも、経時
的な汚れの堆積は見られず、十分な浄化効果があった。
【0050】なお、この実施例の洗浄用水は、トイレの
便器に付着した排泄物などの汚れを浄化するために用い
られるのみならず、便器の周辺機器の浄化・殺菌・脱臭
にも極めて有効である。また、ビデなどによるお尻の洗
浄殺菌にも好適に適用することができる。
【0051】ところで、従来はトイレの使用後に単に水
洗水を流すだけであり、汚れは十分には除去できなかっ
た。特に、公共のトイレのように使用頻度の高い場所で
は汚れの付着が著しかった。室内の悪臭も激しく、その
悪臭対策も換気扇や消臭剤によって行われているだけで
あり十分ではなかった。一方、この実施例のものによる
と極めて浄化効果に優れるという利点がある。 (実施例4)図2及び図5に示すように、添加液供給タ
ンク9から定量ポンプ15により食塩水を20cc/分の
流量で、10リットル/分の水道水に合流させて電解質
水溶液とする。そして、この電解質水溶液から、電解装
置1内の電解通路4での電気分解により次亜塩素酸と活
性酸素とを生成させた洗浄用水を製造し、バッファー・
タンク17に送る。得られた洗浄用水の遊離残留塩素濃度
は、約20ppmであった。
【0052】この洗浄用水をポンプにより鶏卵18の洗浄
ラインへと送り、コンベア上を移動する鶏卵18へとスプ
レーする。スプレーには3個のノズルを設けており、3
個の卵を同時に約5秒間スプレー洗浄するようにしてい
る。洗浄後の排水は、下水19に排出した。洗浄後の鶏卵
18からは鶏糞等の汚れがきれいにとれると共に、活性酸
素を含む洗浄用水の強い洗浄力により漂白され白くなっ
ていた。
【0053】洗浄後、乾燥させた鶏卵18の表面を滅菌水
を含ませた滅菌ガーゼで十分に拭い、この滅菌ガーゼを
滅菌食塩水中で十分振盪した。ここから1ccを採取し
てTryptic soyagar(TSA,Difc
o)に添加して24時間培養した後、大腸菌のコロニー
数を測定した。鶏卵18表面の大腸菌の除菌率を、表3に
示す。
【0054】一方、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(遊離
残留塩素100ppm)及び水道水を用いて同条件で洗
卵を行った。結果を、洗浄前の鶏卵18のものとともに表
3に示す。
【0055】ところで、鶏卵18は大腸菌の他にサルモネ
ラ菌(食中毒の原因となる)によっても汚染されること
があるが、ここ数年来世界各国で食中毒の発生が急増し
ており、その原因食品として鶏卵18、特に卵殻内汚染が
関与していることが指摘されているが、この実施例の洗
浄用水により鶏卵18を殺菌・洗浄すると非常に除菌効果
が高く安全性が高いという利点がある。 (実施例5)実施例4で製造した洗浄用水により、被検
菌11種19株(エルシニアエンティロコリティカ、枯
草菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、エロモナスヒドロフィ
ラ、コレラ菌、毒素原生大腸菌、サルモネラ菌、メチシ
リン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン感受性黄色ブドウ
球菌、E,cloacae、A,calcoaceti
cus、S,marcescens)の病原菌をTry
ptic soyagar(TSA,Difco)で一
夜培養したものを用い、その殺菌効果を試験した。
【0056】洗浄用水の遊離残留塩素濃度を5ppmに
調整したものを用い、菌との接触時間をそれぞれ5秒、
15秒、30秒に設定して行った試験の結果を、表4に
示す。なお、表中(−)は菌が死滅したことを表す。
【0057】表4により、サルモネラ菌や毒素原生大腸
菌など13種の菌全てに対してこの洗浄用水は強力な殺
菌作用を有することが分かる。
【0058】次に、洗浄用水の遊離残留塩素濃度を更に
低濃度(0.25ppm、0.57ppm、0.81p
pm)として、接触時間を1分、5分、(30分)に設
定して行った殺菌効果(エルシニアエンティロコリティ
カ、枯草菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、エロモナスヒド
ロフィラ、コレラ菌、毒素原生大腸菌、サルモネラ菌)
の試験(n数=2)を行った。結果を、表5に示す。 (実施例6)図2及び図6に示すように、6リットル/
分の水道水に、食塩(NaCl)水又は臭化ソーダ(N
aBr)水を添加液供給タンクから定量ポンプ15により
20cc/分の割合で添加して電解質水溶液とし、この
電解質水溶液から、電解装置1の電解通路4内の電気分
解により次亜塩素酸又は次亜臭素酸と活性酸素とを含む
洗浄用水を製造した。
【0059】そして、表6に示すように、この洗浄用水
の水素イオン濃度(pH)と濃度を調整し、次のような
殺菌試験を行った。
【0060】滅菌済みのアルミニウム容器(500m
l)に滅菌純水400mlを入れ、これに対象菌(MR
SA、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、毒素原生大腸菌)の各
菌液(108 cell/mlに希釈調整)を加え、10
5 cell/mlとなるように濃度調整した。そして、
このアルミニウム容器の各菌液の中へ殺菌しようとする
洗浄対象物たる対象器具20(はさみ、ピンセット、歯科
用リーマー各1本で計3本)を充分に浸漬した。その
後、対象器具20を取り出して、滅菌済みのペーパータオ
ルの上で自然乾燥させた。
【0061】この対象器具20を超音波洗浄器21(本多エ
レクトロニクス社製、商品名W230R)のステンレス
製の網カゴに入れ、この超音波洗浄器21にフィルターF
を介して洗浄用水を6リットル/分の割合で供給してオ
ーバーフローさせながら一定時間(1分、3分、6分)
殺菌・洗浄を行った。
【0062】洗浄後、超音波洗浄器21から対象器具20を
取り出して滅菌済みのアルミニウム容器に入れ、これに
対象器具20が浸漬されるまで感受性ブイヨン培地300
mlを添加し、24時間37℃で培養した。菌の増殖を
もって判定した評価結果を、表6に示す。
【0063】一方、逆性石鹸液(濃度40ppm)、ベ
ンズアルコニウム・クロライド(濃度80ppm)、ク
レゾール石鹸液(濃度400ppm、1000pp
m)、次亜塩素酸ソーダ液(濃度200ppm、400
ppm)を用い、これに殺菌すべき対象器具20を一定時
間(1分、3分、6分)浸漬して殺菌・洗浄した後、同
様にして培養・判定した比較試験の評価結果を、表7に
示す。
【0064】なお、この実施例では対象器具20として、
はさみ、ピンセット、歯科用リーマーの殺菌・洗浄を行
ったが、その他の各種医療用具の洗浄殺菌を行うことが
できる。
【0065】ところで、食塩水の電気分解によって生ず
る次亜塩素酸(HClO)の殺菌力は、次亜塩素酸イオ
ン(OCl- )の約10〜80倍と言われている。
【0066】HClO⇔H+ +ClO- pHが5.5の時には殺菌力が強いHClOがほぼ10
0%となっているが、pHが7.2になるとHClOが
約70%でClO- が約30%となる。つまり、次亜塩
素酸はpHが7.2となるとHClOが減少するので、
殺菌力が若干低下する。さらにpHが8.2となるとH
ClOが約20%でClO- が約80%となり、その殺
菌力は著しく低下して次亜塩素酸ソーダと同程度の殺菌
力となる。
【0067】一方、次亜塩素酸(HClO)と比べて、
次亜臭素酸(HBrO)は解離してイオンになりにくい
ため、pHが5.5の時と7.2の時との殺菌力は同程
度である。つまり食塩水を添加して電気分解する場合よ
りも、臭化ソーダ水を添加して電気分解する場合の方が
中性領域に近い水素イオン濃度で処理することができる
ので、殺菌すべき対象器具20としてステンレス製のもの
を繰返し洗浄しても錆びにくいという利点がある。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【発明の効果】この発明は上述のような構成であり、次
の効果を有する。
【0076】この発明の洗浄用水の製造方法によると、
洗浄対象物に活性酸素の酸化分解作用を及ぼせしめるよ
うにした洗浄用水を容易に得ることができるので、従来
よりも製造に手間がかからない。
【0077】この発明の洗浄用水の製造装置によると、
洗浄対象物に活性酸素の酸化分解作用を及ぼせしめるよ
うにした洗浄用水を連続的に得ることができるので、従
来よりも洗浄用水の使用がし易い。
【0078】この発明の洗浄用水によると、洗浄対象物
に活性酸素の酸化分解作用を及ぼせしめるようにしたの
で、従来よりも洗浄力に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を説明するためのシステム
・フロー図。
【図2】図1の電解装置を説明するための概略斜視図。
【図3】この発明の実施例2を説明するためのシステム
・フロー図。
【図4】この発明の実施例3を説明するためのシステム
・フロー図。
【図5】この発明の実施例4を説明するためのシステム
・フロー図。
【図6】この発明の実施例6を説明するためのシステム
・フロー図。
【符号の説明】
2 陰極板 3 陽極板 4 電解通路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質水溶液の電気分解によって生成し
    た活性酸素を含有し、洗浄対象物に活性酸素の酸化分解
    作用を及ぼせしめるようにしたことを特徴とする洗浄用
    水。
  2. 【請求項2】 陰極板と陽極板との間に電解通路を有
    し、この電解通路に電解質水溶液を供給しながら活性酸
    素を生成させるように電気分解することにより、洗浄対
    象物に活性酸素の酸化分解作用を及ぼせしめる洗浄用水
    を連続的に得るようにしたことを特徴とする洗浄用水の
    製造装置。
  3. 【請求項3】 電解質水溶液中に活性酸素を生成させる
    ように電気分解することにより、洗浄対象物に活性酸素
    の酸化分解作用を及ぼせしめる洗浄用水を得るようにし
    たことを特徴とする洗浄用水の製造方法。
  4. 【請求項4】 塩化ナトリウムの共存下で電気分解する
    ことにより、電解質水溶液中に次亜塩素酸と活性酸素と
    を生成せしめるようにした請求項3記載の洗浄水の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 臭化ナトリウムの共存下で電気分解する
    ことにより、電解質水溶液中に次亜塩素酸と活性酸素と
    を生成せしめるようにした請求項3記載の洗浄水の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015192972A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 Toto株式会社 除菌水生成装置
JP2016204830A (ja) * 2015-04-15 2016-12-08 シャープ株式会社 洗浄装置及び洗浄方法

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