JPH0810652A - 固液分離機 - Google Patents

固液分離機

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JPH0810652A
JPH0810652A JP14625094A JP14625094A JPH0810652A JP H0810652 A JPH0810652 A JP H0810652A JP 14625094 A JP14625094 A JP 14625094A JP 14625094 A JP14625094 A JP 14625094A JP H0810652 A JPH0810652 A JP H0810652A
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JP
Japan
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solid
liquid separator
wall
plate
rotary container
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Application number
JP14625094A
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English (en)
Inventor
Hirohiko Sakai
拓彦 酒井
Fukuzo Shimizu
福三 清水
Hiroyuki Komura
宏幸 小村
Kenji Hata
健司 畑
Katsunori Ide
勝記 井手
Tomohiko Yabu
智彦 藪
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】回転容器の側胴内壁に傾斜部を有する垂直板の
バッフル板を設けたり、側胴内壁を傾斜させて、流体に
よる振動の発生がなく、分離性能が向上した固液分離機
を提供する。 【構成】請求項1記載の発明に係る固液分離機は、一方
が開口した回転容器を回転させて、内部に固形分を含む
被処理溶液を供給することにより固形分と液体との遠心
分離を行うと共に、前記回転容器28の側胴14の内壁に軸
方向に伸びた上部垂直板29a,29dと連続する斜め板29
b,29eとさら連続する下部垂直板29c,29fとからな
るバッフル板29を円周方向に複数設けたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固形分を含有する廃液
から固形分と液体分との遠心分離に係り、特に回転容器
を改良した固液分離機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、被処理溶液中の不溶解性の固形
分を分離除去するには、遠心分離の原理を応用した固液
分離機が用いられる。この固液分離機は、下部が開口し
た円筒状の回転容器を高速で回転させ、下部開口に給液
管を挿入して回転容器の内部に固形分を含む被処理溶液
を供給し、固形分と液体との遠心分離を行うものであ
る。
【0003】従来の下方開口型の固液分離機は、図8の
縦断面図に示すように、基礎1に据付けた固液分離機2
の上部には上部ケーシング3が、また下部には下部ケー
シング4がそれぞれ設置されている。
【0004】また下部ケーシング4には、処理液受け皿
として受容器5が環状に設けられ、処理液排出管6に接
続される。さらに、前記下部ケーシング4の下部には固
形分排出用のドレンノズル7が設けられている。
【0005】下部ケーシング4内には、回転軸8に吊り
下げられた円筒状で下部が開口した固液分離用の回転容
器9が収容されていて、回転軸8は基礎1の開口を貫通
して軸受10,11に支持され、カップリング12を介して駆
動機構であるモータ13と連結されている。なお、回転容
器9の回転速度の調整のために、カップリング12とモー
タ13との間に図示しない歯車等による駆動機構を介在さ
せることもある。
【0006】回転容器9は円筒状の側胴14の上部を円板
状の上部端板15で塞ぐと共に、下部内周には環状の下部
端板16が設けてあり、上部端板15近くには上部堰9a
が、下部端板16には下部堰9bがそれぞれ設けられてい
て、上部堰9aは、側胴14の内壁面からの高さが下部堰
9bより低く設定されている。
【0007】回転容器9の上部を閉塞する上部端板15と
上部堰9aの間には、処理液抜き出し孔17が放射状に多
数穿設されており、また、回転容器9の内側には、給液
管18および洗浄ノズル19が引き入れられている。
【0008】不溶解性の固形分を含む被処理溶液20は、
給液管18を介して高速回転中の回転容器9内の下部から
連続して供給し、回転容器9の回転に伴う遠心力を与え
て、この遠心作用によって被処理溶液20中で比重の大き
い固形分21を側胴14の内壁に捕集し、固形分21と処理液
22とに分離する。
【0009】分離された処理液22は、流動表面が上部堰
9aの上方側に膨出し、上部堰9aをオーバーフローし
て処理液抜き出し孔17から流出するので、受容器5に回
収してから排出管6を介して外部に排出される。
【0010】一方、不溶解性の固形分21は、側胴14の内
壁に堆積して捕集されるが、固形分21の捕集が所定量に
なると、被処理溶液20の供給を停止して回転容器9の回
転速度を低下させると共に、洗浄ノズル19から洗浄液23
を側胴14の内壁に吹き付けて、側胴14に捕集された固形
分21を、下部ケーシング4のドレンノズル7を介して外
部に排出する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】遠心分離運転に際して
回転容器9内の固形分21を含む被処理溶液20は、回転容
器9と共に高速で回転するが、この被処理溶液20は連続
して給液管18から供給されて、回転中の被処理溶液20に
補充されるために、被処理溶液20としての挙動は回転容
器9の回転速度より遅れて回転したり、軸方向や周方向
に振動する等して、回転容器9の内部で異常な波立ちが
発生する。
【0012】この異常な波立ちは、側胴14内における被
処理溶液20の流れを大幅に乱して固形分21の分離効率を
著しく低下させ、所定の分離性能が得られなかったり、
回転容器9に不安定振動を励起させて回転安定性を失
い、回転軸8や回転容器9を損傷させる等の支障を生じ
させることがある。
【0013】そこで、これら被処理溶液20の不安定振動
を防止するために、図9の一部切断斜視図に示すよう
に、回転容器24の側胴14内に垂直バッフル板25を複数枚
と、水平バッフル板26を1枚以上設けるものが提案され
ている。
【0014】この提案の特徴は、被処理溶液20自身で発
生する異常な波立ちを、垂直バッフル板25と水平バッフ
ル板26により消すことを目的としたもので、これにより
流体による不安定振動を防止する目的は達成されてい
る。しかしながら、特に水平バッフル板26については、
被処理溶液20の流路に存在するため、邪魔板の作用をし
て固形分21の分離効率を低下させる欠点を有していた。
【0015】また、高速で回転する回転容器9内の被処
理溶液20、および不溶解性の固形分21においては、図10
の要部拡大断面説明図に示すように、回転容器9におい
て給液管18から側胴14の下部にに流入した被処理溶液20
は、高遠心力場のため、側胴14内壁に張り付きながら下
部から上部に移動する。
【0016】この時の自由液面27の高さは、上部堰9a
と同じであり、被処理溶液20が上部に移動する間に、比
重の大きな固形分21は、遠心力により液層内を放物線を
描きながら側胴14の内壁に到達して付着することにより
被処理溶液20内から分離される。
【0017】この際に被処理溶液20内の固形分21は、粒
径により側胴14の内壁に到達する時間が異なり、細かい
粒子ほど到達時間が遅くなる。このために、小粒径の固
形分21は、側胴14の内壁に到達する以前に、回転容器9
からオーバーフローして側胴14の内壁に捕集されないこ
とになる。
【0018】このように、遠心力を利用した固液分離機
2では、処理容量は大きいが、ややもすると小粒径の固
形分21が捕集できにくい欠点があった。さらに、これら
未捕集の小粒径の固形分21は、後段プロセスにおいて沈
殿等して堆積し、配管閉塞を起こす要因となる。
【0019】また、溶媒抽出のように有機溶媒を使用し
て被処理溶液内から有用な成分を分離する場合では、有
機溶媒と水相の間にエマルジョン性の第3相と呼ばれる
相を発生して、有用物質の分離効率を極端に悪化させる
原因となる支障があった。
【0020】本発明の目的とするところは、回転容器の
側胴内壁に傾斜部を有する垂直板のバッフル板を設けた
り、あるいは側胴内壁を傾斜させて、流体による振動の
発生がなく分離性能が向上した固液分離機を提供するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る固液分離機は、一方が開口し
た回転容器を回転させて内部に固形分を含む被処理溶液
を供給することにより固形分と液体との遠心分離を行う
と共に、前記回転容器の側胴内壁に軸方向に伸びた上部
垂直板と連続する斜め板とさら連続する下部垂直板とか
らなるバッフル板を円周方向に複数設けたことを特徴と
する。
【0022】請求項2記載の発明に係る固液分離機は、
回転容器の側胴内壁に軸方向に伸びた上部垂直板と連続
する斜め板とさら連続する下部垂直板とからなるバッフ
ル板で前記上部垂直板と斜め板および斜め板と下部垂直
板の連続部を弧状に形成したことを特徴とする。
【0023】請求項3記載の発明に係る固液分離機は、
回転容器の側胴内壁に設けたバッフル板で斜め板の傾斜
が低い方向に回転容器を回転することを特徴とする。請
求項4記載の発明に係る固液分離機は、回転容器の側胴
内壁に設けたバッフル板で斜め板の傾斜が高い方向に回
転容器を回転することを特徴とする。
【0024】請求項5記載の発明に係る固液分離機は、
回転容器の側胴内壁に複数設けたバッフル板において当
該バッフル板の下部垂直板の位置と当該バッフル板の左
側のバッフル板の上部垂直板の位置とが円周上で一致す
るように配置したことを特徴とする。
【0025】請求項6記載の発明に係る固液分離機は、
回転容器の側胴内壁に複数設けたバッフル板において当
該バッフル板の下部垂直板の位置と当該バッフル板の左
側のバッフル板の上部垂直板の位置が円周上で一致しな
いように配置したことを特徴とする。
【0026】請求項7記載の発明に係る固液分離機は、
回転容器の側胴内壁に複数設けたバッフル板における斜
め板の傾斜角が水平に対して45度以下としたことを特徴
とする。
【0027】請求項8記載の発明に係る固液分離機は、
一方が開口した回転容器を回転させて、この回転容器の
内部に固形分を含む被処理溶液を供給して固形分と液体
との遠心分離を行うと共に、前記回転容器の側胴内壁が
給液位置近傍の堰の内径より処理液抜き出し孔近傍の堰
の内径が小さい傾斜内壁としたことを特徴とする。
【0028】請求項9記載の発明に係る固液分離機は、
回転容器の側胴内壁が給液位置近傍の堰の内径より回転
容器の軸方向で中間位置の内径を小さくして傾斜内壁と
すると共に前記中間位置より処理液抜き出し孔近傍の堰
までを同一内径で平行内壁としたことを特徴とする。
【0029】請求項10記載の発明に係る固液分離機は、
回転容器の傾斜内壁に垂直バッフル板を円周方向に等分
配置したことを特徴とする。請求項11記載の発明に係る
固液分離機は、回転容器の傾斜内壁に円周方向に等分配
置した垂直バッフル板と共に軸方向の中間位置に少なく
とも1つの水平バッフル板を配置したことを特徴とす
る。
【0030】
【作用】請求項1記載の発明は、回転容器内に供給され
た被処理溶液は、遠心力により側胴内に満たされ、バッ
フル板の下部垂直板と斜め板さらに上部垂直板に仕切ら
れて沿って処理液抜き出し孔に流れるが、この間に固形
分が分離して側胴内壁に捕集される。
【0031】回転容器内で回転している被処理溶液へ連
続的に回転しない被処理溶液が供給されるが、回転容器
の側胴内壁に設けたバッフル板の上部垂直板と下部垂直
板により、供給された回転速度を持たない被処理溶液も
強制的に回転させられる。
【0032】これにより、回転容器内での被処理溶液の
挙動による固有の流体振動で、周方向の振動は前記バッ
フル板の上部垂直板と下部垂直板で、同様に軸方向の振
動も斜め板により消去される。
【0033】また、被処理溶液を斜め板で導いて処理液
抜き出し孔近傍の堰に到達する流路距離を延長すると共
に、分離性能を低下させる流れの乱れを発生させないの
で高い固液分離効率が得られる。
【0034】請求項2記載の発明は、回転容器内の被処
理溶液と後から供給された回転速度を持たない被処理溶
液は、バッフル板に導かれ、流路距離を延長して処理液
抜き出し孔に到達するが、前記バッフル板の垂直板と斜
め板の繋ぎ目で流れの方向が変えられる。
【0035】しかし、この繋ぎ目が弧状のために被処理
溶液は円滑に変化して、さらに流速が低くなり分離性能
を低下させる流れの乱れを発生させずに高い固液分離効
率が得られる。
【0036】請求項3記載の発明は、回転容器をバッフ
ル板の斜め板が形成する傾斜が低い方向に回転すること
により、被処理溶液はバッフル板に沿って流れて処理液
抜き出し孔に到達し、良好な固液分離効率が得られる。
【0037】請求項4記載の発明は、回転容器をバッフ
ル板の斜め板が形成する傾斜が高い方向に回転すること
により、被処理溶液はバッフル板で回転容器内で保持容
量が増加することから、滞留時間が長くなると共に速度
が低下して、さらに良好な固液分離効率が得られる。
【0038】請求項5記載の発明は、バッフル板の下部
垂直板の位置と当該バッフル板の左側のバッフル板の上
部垂直板の位置とが円周上で一致しており、被処理溶液
の流路の一部が狭くなり、流速が低下して固液分離効率
が向上する。
【0039】請求項6記載の発明は、バッフル板の下部
垂直板の位置と当該バッフル板の左側のバッフル板の上
部垂直板の位置とが円周上で一致せず、前記左側のバッ
フル板の上部垂直板の位置に接近させれば、上記請求項
5の場合より被処理溶液の流路の一部が狭くなり、流速
が低下して固液分離効率が向上する。
【0040】また、前記左側のバッフル板の上部垂直板
の位置より遠ざければ、上記請求項5の場合より、被処
理溶液の流路の一部が広くなって流れの乱れが減少して
固液分離効率が良好になることから、当該バッフル板の
下部垂直板とその左側のバッフル板の上部垂直板との位
置を調節して多様な固液分離効率が得られる。
【0041】請求項7記載の発明に係る固液分離機は、
バッフル板における斜め板の傾斜角を水平に対して45度
以下とすることにより被処理溶液の流れ方向が有効に変
化し、垂直板による周方向の振動抑制と共に、斜め板に
よる軸方向の振動も良好に消去される。
【0042】請求項8記載の発明は、回転容器の側胴内
壁は給液位置近傍の堰の内径より処理液抜き出し孔近傍
の堰の内径が小さい傾斜内壁のため、自由液面に対する
傾斜内壁までの距離が、給液位置近傍は長く、側胴内壁
までが深く、処理液抜き出し孔近傍は短い。
【0043】これにより、被処理溶液に混入して被処理
溶液の比重を大きいくする大粒固形分は給液位置近傍の
側胴内壁で、また、比重への影響が少ない小粒固形分は
処理液抜き出し孔近傍でそれぞれ効果的に捕集される。
【0044】請求項9記載の発明は、回転容器の軸方向
で給液位置近傍より中間位置の傾斜内壁では、大粒固形
分が効果的に捕集されると共に、中間位置より処理液抜
き出し孔近傍までの平行内壁では、特に小粒固形分が効
果的に捕集される。
【0045】請求項10記載の発明は、回転容器の傾斜内
壁において大粒固形分と小粒固形分がそれぞれ効果的に
捕集されると共に、垂直バッフル板により被処理溶液に
起因する回転容器の円周方向の振動を抑制する。
【0046】請求項11記載の発明は、回転容器の傾斜内
壁にて大粒固形分と小粒固形分をそれぞれ効果的に捕集
すると共に、垂直バッフル板により被処理溶液に起因す
る回転容器の円周方向の振動と、水平バッフル板により
被処理溶液の軸方向の振動を抑制する。
【0047】
【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。第1実施例は、図1の一部切断斜視図に示すよう
に、固液分離機の回転容器28は、側胴14の上部を回転軸
8と直結した円板状の上部端板15で塞ぐと共に、下部内
周には環状の下部端板16が設けてあり、上部端板15近く
には上部堰9aが、下部端板16には下部堰9bがそれぞ
れ設けられていて、上部堰9aは、側胴14の内壁面から
の高さが下部堰9bより低く設定されている。
【0048】また、回転容器9の上部を閉塞する上部端
板15と上部堰9aの間には、処理液抜き出し孔17が放射
状に多数穿設されており、さらに、側胴14の内壁には上
部垂直板29a,29dとそれに連続する斜め板19b,29
e、さらに連続する下部垂直板29c,29fよりなるバッ
フル板29を複数設けて構成している。
【0049】次に上記構成による作用について説明す
る。前記バッフル板29は、回転容器28と一体となって高
速で回転しているので、回転容器28で側胴14内の下部に
供給された被処理溶液20は、バッフル板29により回転容
器28と等速度の回転速度が付与される。
【0050】また、上部垂直板29a,29dと下部垂直板
29c,29fには、周方向の流体振動に対する抵抗として
極めて有効に作用することから、回転容器28の振動が抑
制される。
【0051】一方、被処理溶液20の軸方向の振動防止
は、上記した従来技術による水平バッフル板26によって
も得ることができた。しかし、水平バッフル板26は、被
処理溶液20が側胴14内で下部から上方に向かって流れる
場合に、一時的な堰となり、流れを乱して固形分21の分
離効率を低下させる原因となっていた。
【0052】これに対して本第1実施例のバッフル板29
では、斜め板29b,29eにおいて被処理溶液20を斜め上
方向に導くことにより、被処理溶液20の流れを乱すこと
がない。さらに、軸方向の流体の振動による波は、斜め
板29b,29eで消滅させることにより、固形分21の分離
効率は低下しない。なお、上部垂直板29a,29dと下部
垂直板29c,29fの長さはなるべく等しくすることが固
形分21の分離効率を向上させるために効果的である。
【0053】このように、回転容器28における周方向お
よび軸方向の流体振動を防止することにより、固液分離
機の流体振動に起因する不安定振動が抑制され、安定し
た回転性能が確保できると共に、固形分21の高い分離効
率が得られる。
【0054】第2実施例は、図2の一部切断斜視図に示
すように、回転容器30は上記第1実施例とほぼ同様の構
造であるが、側胴14の内壁に設けたバッフル板31は、上
部垂直板29a,29dと斜め板29b,29e、さらに下部垂
直板29c,29fが連続していて、それぞれの繋ぎ目を弧
状32に構成している。
【0055】この構成による作用としては、回転容器30
内における被処理溶液20の流れは、上記第1実施例に比
べて、バッフル板31の上部垂直板29a,29dと斜め板29
b,29e、および斜め板29b,29eと下部垂直板29c,
29fのそれぞれ方向の変化する繋ぎ目が弧状32となって
いることから流路抵抗が小さく、したがって緩やかに変
化することから、固形分21の分離効率がさらに向上す
る。
【0056】また、図1と図2に示したように、上記第
1実施例と第2実施例においては、共に回転容器28,30
は、通常、右から左方向(上方から見た場合に左回転)
で、斜め板29b,29eの傾斜が低い方向へ回転させてい
るが、これを逆方向の右方向で、斜め板29b,29eの傾
斜が高い方向へ回転させても良い。ここで、図1と図2
に示す左方向回転では被処理溶液20の流れは、バッフル
板29,31に沿って流れる。
【0057】また、逆の右方向回転をすると、バッフル
板29,31の斜め板29b,29eは、回転方向の影響で被処
理溶液20は回転容器28,30内で保持容量が増加する方向
の力を受けることから、被処理溶液20の滞留時間が増し
て固形分21の分離効率が向上する。
【0058】なお、図1と図2において、バッフル板2
9,31の上部垂直板29aと下部垂直板29fが同一直線上
にくるように配置してあるが、これに限定されるもので
はなく、例えば下部垂直板29fの周方向の間隔を図1,
図2よりさらに密とし、下部垂直板29fが上部垂直板29
aの真下より下部垂直板29cに少し寄った位置に配置し
ても良い。
【0059】また逆に、下部垂直板29c,29fの周方向
の間隔を図1,図2より粗くして、下部垂直板29fを上
部垂直板29aの真下より下部垂直板29cから逆方向に少
し離した位置に配置しても良い。
【0060】これら隣接したバッフル板29,31の垂直板
の関係位置は、一致させた場合を基準にして、下部垂直
板29fを上部垂直板29aの真下より下部垂直板29cに寄
せるか、離すかする。
【0061】これにより、被処理溶液20の流路条件が変
化して、流体振動や流れる速度等の挙動が変化して、回
転容器28,30の振動抑制と固形分21の分離効率に影響す
ることから、回転容器28,30の直径および軸方向長さ等
に対応して適宜選定する。
【0062】なお、斜め板29b,29eの水平に対する角
度は、45度以下であることが望ましく、これが45度以上
であると被処理溶液20に対する邪魔板効果が減少して、
軸方向の流体振動を防止する効果が低下する。
【0063】さらに、上記第1実施例と第2実施例で
は、回転容器28,30内に設けたバッフル板29,31を、周
方向に8等分に配置した例により説明したが、配置と枚
数はこれに限定されるものではなく、回転容器28,30の
大きさ等により適切な等配数を決定すれば良い。
【0064】第3実施例は、図3の一部切断斜視図と図
4の要部拡大断面説明図に示すように、固液分離機の回
転容器33は、側胴34の上部を回転軸8と直結した円板状
の上部端板15で塞ぐと共に、下部内周には環状の下部端
板16が設けてある。
【0065】また、上部端板15の近くには上部堰9a
が、下部端板16には下部堰9bがそれぞれ設けられてい
て、上部堰9aは側胴34の内壁面からの高さが下部堰9
bより低く設定されると共に、側胴34の内壁は下部内径
が上部内径より大きい傾斜内壁35となっている。さら
に、回転容器33の上部を閉塞する上部端板15と上部堰9
aの間には、処理液抜き出し孔17が放射状に多数穿設さ
れて構成してある。
【0066】上記構成による作用としては、高速回転中
の回転容器33において、給液管18から傾斜内壁35の下部
堰9b近傍に連続して供給された被処理溶液20は、遠心
力が加えられて傾斜内壁35に保留され、上部堰9aをオ
ーバーフローして処理液抜き出し孔17から排出される。
【0067】被処理溶液20が側胴34の傾斜内壁35から上
部堰9aをオーバーフローする間に、固形分21はその粒
径により被処理溶液20内での比重が異なることから、そ
れぞれ別個の放物線を描きながら液層中を傾斜内壁35の
表面へ移動し、粒径の大きな粒子は図4に示すように、
比較的下の部分で傾斜内壁35の表面に到達して捕集され
る。
【0068】一方、粒径の小さい粒子は被処理溶液20と
分離し難いが、側胴34の傾斜内壁35が処理液抜き出し孔
17に向かって高くなるような傾斜とした構造であること
から、自由液面27から傾斜内壁35までの距離が小さい、
上部堰9a近傍では傾斜内壁36に到達し易いことから、
特に容易に捕集される。したがって、従来では流出して
しまうような小粒径の固形分21も、容易に捕集されるこ
とから、分離効率が飛躍的に向上する。
【0069】なお、小粒径の固形分21に対する捕集を容
易にするために、例えば被処理溶液20の供給量等を調節
して最初から液厚を薄く形成する構造にすることも可能
であるが、大粒径の固形分21が混入しているような場合
には、これらが早期に捕集されて、小粒径の固形分21を
含む被処理溶液20の流れを阻害して捕集効率を低下させ
る。
【0070】しかしながら、本第3実施例の回転容器33
では、大粒径の固形分21は給液管18近傍で、液厚の厚い
部分において選択的に捕集されるため、液厚の薄い部分
で大粒径の固形分21が被処理溶液20の流れを妨害するよ
うなことがなく、したがって、粒径にかかわらず極めて
高い分離効率が得られる。
【0071】第4実施例は、図5の一部切断斜視図に示
すように、上記第3実施例の変形で、回転容器36の側胴
37が、軸方向の下部より中間付近までは下部内径が上部
内径より大きい傾斜内壁35で、これより上部は平行内壁
38として構成する。
【0072】上記構成による作用としては、先ず、傾斜
内壁35において比較的粒径の大きな固形分21を選別して
効率良く捕集し、平行内壁38では非常に液厚が薄くな
り、また、その流路が長いため、より小粒径の固形分21
が捕集され易く、さらに分離効率が向上する。
【0073】また、大粒径の固形分21は傾斜内壁35の下
部で主に捕集されるため、平行内壁38には到達せず、小
粒径の固形分21が含まれている被処理溶液20の流路を妨
害することがない。
【0074】第5実施例は、図6の一部切断斜視図に示
すように、回転容器39は上記図3に示した第3実施例と
同様に、側胴34を傾斜内壁35とすると共に、この傾斜内
壁35で円周方向を等配して複数の垂直バッフル板25を設
置した構成としている。
【0075】上記構成による作用としては、回転容器39
内に注入された被処理溶液20は、垂直バッフル板25によ
り周方向に区切られて、回転容器39と被処理溶液20との
周方向での回転遅れがなくなり、さらに傾斜内壁35の効
果と相まって、分離効率がさらに向上する。また、この
垂直バッフル板25は、被処理溶液20の振動により周方向
に発生する波を消滅させる役割も担っており、安定な回
転に寄与する。
【0076】第6実施例は、図7の一部切断斜視図に示
すように回転容器40は、上記図6で示す第5実施例の回
転容器の内壁に水平バッフル板26を併設して構成する。
上記構成の作用は、上記第5実施例の作用と効果に加え
て、回転容器40内に設けた水平バッフル板26は、被処理
溶液20の流路上で邪魔板となり、その流れが乱されて若
干の分離効率の低下が生じるが、被処理溶液20の振動に
より軸方向に発生する波を消滅させる効果が大であるた
め、安定した回転を得る効果がある。
【0077】なお、上記した各実施例は、すべて下部開
口型の回転容器を備えたものについて説明したが、上部
開口型の回転容器についても当然ながら本発明はそのま
ま適用して、同様の作用と効果が得られる。
【0078】
【発明の効果】以上本発明によれば、固液分離機で固形
分と液体とを分離する際に流体振動に起因する回転容器
の不安定振動が防止され、安定した回転性能が得られる
と共に、適切な流路が確保される相乗効果により、簡易
な構造でより良好な固形分分離効率が得られる。
【0079】また、回転容器における自由液面と内壁面
との距離に傾斜をつけたことにより、内壁面に到達し難
い微小粒径の固形分も容易に捕集することから、特に微
小粒径の粒子に対する分離効率を向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の固液分離機の回転容
器の一部切断斜視図。
【図2】本発明に係る第2実施例の回転容器の一部切断
斜視図。
【図3】本発明に係る第3実施例の回転容器の一部切断
斜視図。
【図4】本発明に係る第3実施例の回転容器の要部拡大
断面説明図。
【図5】本発明に係る第4実施例の回転容器の一部切断
斜視図。
【図6】本発明に係る第5実施例の回転容器の一部切断
斜視図。
【図7】本発明に係る第6実施例の回転容器の一部切断
斜視図。
【図8】従来の固液分離機の縦断面図。
【図9】従来の回転容器の一部切断斜視図。
【図10】従来の回転容器内の要部拡大断面説明図。
【符号の説明】
1…基礎、2…固液分離機、3…上部ケーシング、4…
下部ケーシング、5…受容器、6…処理液排出管、7…
ドレンノズル、8…回転軸、9,24,28,30,33,36,
39,40…回転容器、9a…上部堰、9b…下部堰、10,
11…軸受、12…カップリング、13…モータ、14,34,37
…側胴、15…上部端板、16…下部端板、17…処理液抜き
出し孔、18…給液管、19…洗浄ノズル、20…被処理溶
液、21…固形分、22…処理液、23…洗浄液、25…垂直バ
ッフル板、26…水平バッフル板、27…自由液面、29,31
…バッフル板、29a,29d…上部垂直板、29b,29e…
斜め板、29c,29f…下部垂直板、32…曲率、35…傾斜
内壁、38…平行内壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑 健司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 井手 勝記 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内内 (72)発明者 藪 智彦 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方が開口した回転容器を回転させて内
    部に固形分を含む被処理溶液を供給することにより固形
    分と液体との遠心分離を行う固液分離機において、前記
    回転容器の側胴内壁に軸方向に伸びた上部垂直板と連続
    する斜め板とさら連続する下部垂直板とからなるバッフ
    ル板を円周方向に複数設けたことを特徴とする固液分離
    機。
  2. 【請求項2】 前記固液分離機において、回転容器の側
    胴内壁に軸方向に伸びた上部垂直板と連続する斜め板と
    さらに連続する下部垂直板とからなるバッフル板が前記
    上部垂直板と斜め板および斜め板と下部垂直板の連続部
    を弧状に形成したことを特徴とする請求項1記載の固液
    分離機。
  3. 【請求項3】 前記固液分離機において、側胴内壁に設
    けたバッフル板における斜め板の傾斜が低い方向に回転
    容器を回転することを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の固液分離機。
  4. 【請求項4】 前記固液分離機において、側胴内壁に設
    けたバッフル板における斜め板の傾斜が高い方向に回転
    容器を回転することを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の固液分離機。
  5. 【請求項5】 前記固液分離機において、回転容器の側
    胴内壁に複数設けたバッフル板で当該バッフル板の下部
    垂直板の位置と当該バッフル板の左側のバッフル板の上
    部垂直板の位置が円周上で一致するように配置したこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項4記載の固液分離機。
  6. 【請求項6】 前記固液分離機において、回転容器の側
    胴内壁に複数設けたバッフル板で当該バッフル板の下部
    垂直板の位置と当該バッフル板の左側のバッフル板の上
    部垂直板の位置が円周上で一致しないように配置したこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の固液分離
    機。
  7. 【請求項7】 前記固液分離機において、回転容器の側
    胴内壁に複数設けたバッフル板における斜め板の傾斜角
    が水平に対して45度以下としたことを特徴とする請求項
    1乃至請求項6記載の固液分離機。
  8. 【請求項8】 一方が開口した回転容器を回転させて内
    部に固形分を含む被処理溶液を供給して固形分と液体と
    の遠心分離を行う固液分離機において、回転容器の側胴
    内壁が給液位置近傍の堰の内径より処理液抜き出し孔近
    傍の堰の内径が小さい傾斜内壁としたことを特徴とする
    固液分離機。
  9. 【請求項9】 前記固液分離機において、回転容器の側
    胴内壁が給液位置近傍の堰の内径より回転容器の軸方向
    で中間位置の内径を小さくして傾斜内壁とすると共に前
    記中間位置より処理液抜き出し孔近傍の堰までを同一内
    径で平行内壁としたことを特徴とする固液分離機。
  10. 【請求項10】 前記固液分離機において、回転容器の
    傾斜内壁に垂直バッフル板を円周方向に等分配置したこ
    とを特徴とする請求項8または請求項9記載の固液分離
    機。
  11. 【請求項11】 前記固液分離機において、回転容器の
    傾斜内壁に円周方向に等分配置した垂直バッフル板と共
    に軸方向の中間位置に少なくとも1つの水平バッフル板
    を配置したことを特徴とする請求項8または請求項9記
    載の固液分離機。
JP14625094A 1994-06-28 1994-06-28 固液分離機 Pending JPH0810652A (ja)

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