JPH08106007A - ダイクロイック薄膜およびその膜設計方法ならびにダイクロイック薄膜の製造方法 - Google Patents

ダイクロイック薄膜およびその膜設計方法ならびにダイクロイック薄膜の製造方法

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JPH08106007A
JPH08106007A JP26840794A JP26840794A JPH08106007A JP H08106007 A JPH08106007 A JP H08106007A JP 26840794 A JP26840794 A JP 26840794A JP 26840794 A JP26840794 A JP 26840794A JP H08106007 A JPH08106007 A JP H08106007A
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JP
Japan
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thin film
layer
refractive index
film
dichroic
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JP26840794A
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English (en)
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Kunio Kurobe
邦夫 黒部
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Fujinon Corp
Original Assignee
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板側の高屈折率層と低屈折率層の第1層目
の光学的膜厚を90nm以上としてピーク制御すること
により、ダイクロ膜のリップルを減らす。 【構成】 基板上に高屈折率薄膜と低屈折率薄膜とを交
互に多数回積層してダイクロイック薄膜を製造するに際
して、薄膜の屈折率をn、薄膜の物理的膜厚をdとした
ときに、4ndの波長の単色光を用いて、膜厚がλ/4
形成される毎に現われる反射率または透過率のピーク値
を基準として、高屈折率薄膜と低屈折率薄膜のそれぞれ
の基板側の第1層目の膜厚を90nm以上としてピーク
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイクロイック薄膜お
よびその膜設計方法ならびにダイクロイック薄膜の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイクロイック薄膜は、多層薄膜による
光の干渉を利用して、特定の波長領域の光を反射または
透過し、他の波長領域の光を透過または反射するもので
あり、これら透過光または反射光を利用することにより
ダイクロイックフィルターあるいはダイクロイックミラ
ーとして用いることをできる。そこで現在、カラー表示
用等の赤、緑、青の原色の色分解フィルターや赤外光の
カットフィルターなどとして利用されている。
【0003】ダイクロイック薄膜は高屈折率薄膜と低屈
折率薄膜とを、交互に多数層(例えば合計で28層)積
層したものであるが、膜設計により得られた分光特性を
忠実にかつ再現性良く実現するためには、各構成薄膜の
膜厚を高精度に制御する必要がある。
【0004】光学的な薄膜制御技術としては、測光用単
色光の波長をλとしたとき、蒸着による薄膜の形成に伴
ない、モニター基板の反射率および透過率が変化し、λ
/4の薄膜が形成される毎に反射率および透過率がピー
ク値を示すことを利用している。具体的には、形成され
る薄膜の屈折率をn、物理的膜厚をdとしたとき、λ=
4ndの関係が成立することから、4ndの波長の単色
光を用い、最初のピークが現われるまで真空蒸着を行な
い、この時点で蒸着を終了することにより、λ/4の厚
さのnd値(光学的膜厚)を有する薄膜を、高精度に膜
厚制御して形成することができる(これを、ピーク制御
が可能であると呼ぶ)。
【0005】しかしながら、ダイクロイック薄膜に求め
られる分光特性が高性能化するにつれて、膜構成中に薄
い薄膜が含まれることが多くなっている。この場合に例
えば、nd=100nmの光学的膜厚を有する薄膜であ
れば400nmの単色光を用いることによりピーク制御
が可能である。しかしながら、光学的膜厚が100nm
未満の薄膜は、400nm未満の波長の単色光を用いる
か、あるいは、ピーク制御法以外の方法に頼らざらるを
得ない。
【0006】制御波長が400nmよりも短波長となれ
ばなるほど、光源の強度や光電変換素子の受光感度の低
下により、ピーク制御法では膜厚の制御精度が悪化す
る。
【0007】一方、400nm以上の制御波長を用い、
λ/4ピークに至る途中の段階で蒸着を停止する方法も
ある。この途中の段階は、予じめ実験により定めるので
あるが、蒸着環境の変動、薄膜のn値の変動などによ
り、製造ラインレベルで考えると実際には高精度の膜厚
制御が困難であった。図2は、ロングパス(広帯域)タ
イプのダイクロイック薄膜の透過率を示す分光特性グラ
フであり、この分光特性は以下の表1の膜構成によって
実現できる。
【0008】
【表1】 表1:ロングパス・ダイクロイック薄膜の膜構成*1 材料 膜厚d 材料 膜厚d H 1 TiO2 32.41 L 2 SiO2 56.95 H3〜H21 TiO2 51.76 L4〜L22 SiO2 83.95 H23 TiO2 51.11 L24 SiO2 76.87 H25 TiO2 53.22 L26 SiO2 57.07 H27 TiO2 40.27 L28 SiO2 164.87 *1)ガラス基板(n=1.515)→H1→L2→H3→L4→…(中略) …→H27→L28→大気の順に積層される。
【0009】上記の膜設計のロングパス・ダイクロイッ
ク薄膜は、透過域でのリップルを減少させることを目的
とし、H層の第1層と最終層の膜厚を他層に比較して6
3〜77%に薄くし、かつ、L層の第1層と最終層の前
層(L26)の膜厚を他層に比較して約68%に薄くす
ることにより、リップルの問題を解決していた。
【0010】しかしながら、図2の分光特性はコンピュ
ータにより計算した理論値であり、実際に製造ラインで
製造すると、リップルの発生が問題となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、設計値に忠
実な分光特性を有し、しかも再現性良く製造可能なダイ
クロイック薄膜およびその製造方法ならびにダイクロイ
ック薄膜の製造方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の表1に示したロン
グパス・ダイクロイック薄膜が、設計値から外れてリッ
プルが発生する原因について鋭意検討した結果、第1層
目(H1)と第2層目(L2)との再現性の悪さ(バラ
ツキ)が、リップル発生の主たる原因であることが判明
した。
【0013】第1層(H1)は、屈折率n=2.35の
TiO2 からなる物理的膜厚d=32.41nmの薄膜
である。したがって、光学的膜厚ndは74.87nm
となり、制御波長λとして299nmの単色光を用いれ
ばピーク制御が可能である。しかし、299nmの単色
光を用いた場合は十分な感度が得られないため、400
nmを制御波長としピークに至る以前に蒸着を停止し、
光学的膜厚74.87nmを実現していたが、この方法
は膜厚のバラツキが大きく、これがリップル発生の原因
であった。
【0014】第2層(L2)は、屈折率n=1.47の
SiO2 からなる物理的膜厚d=56.95nmの薄膜
であり、光学的膜厚が83.72nm、制御波長が33
5nmとなり、第1層と同様の膜厚制御のバラツキのた
め、リップル発生の原因となっていた。
【0015】そこで本発明では、第1層と第2層の膜厚
の再現性を良好とすることにより、リップルの発生が少
ないダイクロイック薄膜を実現した。すなわち、本発明
のダイクロイック薄膜は、基板上に高屈折率薄膜と低屈
折率薄膜とを交互に多数回積層してなるダイクロイック
薄膜において、高屈折率薄膜と低屈折率薄膜のそれぞれ
基板側の第1層目が90nm以上の光学的膜厚を有する
ことを特徴とする。
【0016】本発明のダイクロイック薄膜の膜設計方法
は、基板上に高屈折率薄膜と低屈折率薄膜とを交互に多
数回積層してなるダイクロイック薄膜を膜設計するに際
して、高屈折率薄膜と低屈折率薄膜のそれぞれ基板側の
第1層目を90nm以上の光学的膜厚に設定し、その上
層の各薄膜の膜厚および屈折率を設定して最適化するこ
とを特徴とする。
【0017】本発明のダイクロイック薄膜の製造方法
は、基板上に高屈折率薄膜と低屈折率薄膜とを交互に多
数回積層してダイクロイック薄膜を製造するに際して、
薄膜の屈折率をn、薄膜の物理的膜厚をdとしたとき
に、4ndの波長の単色光を用いて、膜厚がλ/4形成
される毎に現われる反射率または透過率のピーク値を基
準として、高屈折率薄膜と低屈折率薄膜のそれぞれの基
板側の第1層目の膜厚を制御することを特徴とする。
【0018】
【実施例】表2は、本発明のダイクロイック薄膜の膜構
成例を示すものであり、この分光特性(計算値)を図1
に示した。
【0019】
【表2】 表2:ロングパス・ダイクロイック薄膜の膜構成*1 材料 膜厚d 材料 膜厚d H 1 TiO2*2 43.69 L 2 SiO2*3 77.67 H 3 TiO2 38.63 L 4 SiO2 84.60 H5〜H21 TiO2 54.09 L6〜L22 SiO2 79.74 H23 TiO2 50.83 L24 SiO2 78.15 H25 TiO2 52.82 L26 SiO2 54.40 H27 TiO2 34.07 L28 SiO2 165.42 *1)ガラス基板(n=1.515)→H1→L1→H2→L2→…(中略) …→H27→L28→大気の順に積層される。 *2)n=2.31 *3)n=1.47
【0020】第1層(H1)は、屈折率n=2.31の
TiO2 からなる物理的膜厚d=43.69nmの層で
あり、光学的膜厚nd=100.9nm、制御波長(4
nd)=404nmとなり、ピーク制御が可能であり、
高精度かつ高い再現性で蒸着できる。
【0021】第2層(L2)は、屈折率1.47のSi
2 からなる物理的膜厚d=77.67の層であり、光
学的膜膜nd=114nm、制御波長(4nd)=45
7nmとなり、ピーク制御可能であり、高精度かつ高い
再現性で蒸着できる。
【0022】上記の如く、第1層(H1)および第2層
(L2)の膜厚をピーク制御可能な膜厚に設定し、第3
層以降を最適化してコンピュータにより膜設計したのが
表2の膜構成であり、その分光特性(計算値)が図1の
分光曲線である。
【0023】なお、表2の構成膜中、第3層(H3)の
制御波長は357nmとなるが、第1層蒸着時のモニタ
ーガラス上に重ねて蒸着することでピーク制御が可能と
なる。また、第22層、さらに第26層も同様な方法で
蒸着することによりピーク制御が可能となる。
【0024】本発明のダイクロイック薄膜は、第1層と
第2層とについてピーク制御することにより、精度良く
膜厚を制御して製造することができる。したがって、第
1層と第2層とはピーク制御可能な膜厚であることが必
要であり、具体的には共に光学的膜厚ndが90nm以
上であることが好適であり、より好ましくは100nm
以上である。
【0025】また、図1の分光特性では反射域から透過
域への立上りの半値が565.96nmであるが、本発
明のダイクロイック薄膜は、この半値が470〜570
nmのものに好適に適用できる。
【0026】
【発明の効果】本発明のダイクロイック薄膜は、第1層
と第2層とをピーク制御することにより、理論値に忠実
な分光特性を高い再現性で得ることができ、製造ライン
による安定した工業生産に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイクロイック薄膜の分光特性曲線を
示すグラフである。
【図2】従来例のダイクロイック薄膜の分光特性曲線を
示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に高屈折率薄膜と低屈折率薄膜と
    を交互に多数回積層してなるダイクロイック薄膜におい
    て、 高屈折率薄膜と低屈折率薄膜のそれぞれ基板側の第1層
    目が90nm以上の光学的膜厚を有することを特徴とす
    るダイクロイック薄膜。
  2. 【請求項2】 基板上に高屈折率薄膜と低屈折率薄膜と
    を交互に多数回積層してなるダイクロイック薄膜を膜設
    計するに際して、 高屈折率薄膜と低屈折率薄膜のそれぞれ基板側の第1層
    目を90nm以上の光学的膜厚に設定し、その上層の各
    薄膜の膜厚および屈折率を設定して最適化することを特
    徴とするダイクロイック薄膜の膜設計方法。
  3. 【請求項3】 基板上に高屈折率薄膜と低屈折率薄膜と
    を交互に多数回積層してダイクロイック薄膜を製造する
    に際して、 薄膜の屈折率をn、薄膜の物理的膜厚をdとしたとき
    に、4ndの波長の単色光を用いて、膜厚がλ/4形成
    される毎に現われる反射率または透過率のピーク値を基
    準として、高屈折率薄膜と低屈折率薄膜のそれぞれの基
    板側の第1層目の膜厚を制御することを特徴とするダイ
    クロイック薄膜の製造方法。
JP26840794A 1994-10-06 1994-10-06 ダイクロイック薄膜およびその膜設計方法ならびにダイクロイック薄膜の製造方法 Pending JPH08106007A (ja)

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