JPH08105639A - 加湿器用中空管 - Google Patents
加湿器用中空管Info
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- JPH08105639A JPH08105639A JP23898894A JP23898894A JPH08105639A JP H08105639 A JPH08105639 A JP H08105639A JP 23898894 A JP23898894 A JP 23898894A JP 23898894 A JP23898894 A JP 23898894A JP H08105639 A JPH08105639 A JP H08105639A
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- JP
- Japan
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- hollow tube
- tape material
- porous
- moisture
- humidifier
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 加熱器用中空管の融着部の透湿性が失なわれ
ることを防止すること。 【構成】 管内部を加湿空気流路とし、管外部を加湿供
与水部として用いる加湿器用中空管。多孔質疎水性高分
子材料の片面もしくは両面に耐汚染性、透湿性、接着性
を兼備した親水性ポリマー連続皮膜を設けたテープ材を
一部重ね合わせ、中空管に成形する。任意に、多孔質疎
水性高分子材料の片面もしくは両面に不織布、ニット、
ネット、焼結体などの多孔質補強材を設ける。
ることを防止すること。 【構成】 管内部を加湿空気流路とし、管外部を加湿供
与水部として用いる加湿器用中空管。多孔質疎水性高分
子材料の片面もしくは両面に耐汚染性、透湿性、接着性
を兼備した親水性ポリマー連続皮膜を設けたテープ材を
一部重ね合わせ、中空管に成形する。任意に、多孔質疎
水性高分子材料の片面もしくは両面に不織布、ニット、
ネット、焼結体などの多孔質補強材を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流通空気に対して水分を
付与する加湿器に用いる中空管に関する。
付与する加湿器に用いる中空管に関する。
【0002】
【従来の技術】加湿器において、水を充填した外管内
に、透湿性の多孔質膜からなる通気用中空管を多数たば
ねて収容することにより加湿エレメントを構成し、中空
管の周壁を通して加湿した水蒸気によって、中空管内の
空気を加湿するものがある。この加湿器には、多孔質疎
水性高分子膜とこれを補強する不織布の帯状積層膜をら
せん状などに巻いて、一部を熱融着により接着し管状に
成形した中空管が用いられている。(特開平5−523
78号公報)このように、従来はこの補強に用いられる
不織布を加熱溶解させ、中空管を形成するための接着剤
として用いている。
に、透湿性の多孔質膜からなる通気用中空管を多数たば
ねて収容することにより加湿エレメントを構成し、中空
管の周壁を通して加湿した水蒸気によって、中空管内の
空気を加湿するものがある。この加湿器には、多孔質疎
水性高分子膜とこれを補強する不織布の帯状積層膜をら
せん状などに巻いて、一部を熱融着により接着し管状に
成形した中空管が用いられている。(特開平5−523
78号公報)このように、従来はこの補強に用いられる
不織布を加熱溶解させ、中空管を形成するための接着剤
として用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如く熱融着した中空管では以下の問題がある。 (1)融着部は不織布が溶解するため、疎水性多孔質膜
の孔も潰れてしまい、透湿性能はなくなりデッドゾーン
になってしまう。 (2)融着不良がなくリークの起きない中空管を形成す
るためには、熱融着法であれば最低でも、重ねしろは3
mm以上必要となる。従って、中空管の径が小さくなれば
なるほど加湿有効面積率は低下し、1インチピッチで外
径5mmの中空管で3mm幅で融着を行うと融着部分のデッ
ドゾーンの面積は中空管表面積の実に15%にもなり、
この面積が透湿性能を失うこととなる。 (3)熱融着部、特に融着部界面は当初の膜強度に比
べ、引張強度・長期耐久性において劣化が起こる。しか
し、融着時に熱および加圧を充分行わなければ不織布の
孔を充分に潰しきれずにリークが発生してしまいこの強
度劣化との兼ね合いは非常に難しい。特に、最近透湿膜
式加湿器に良く使用されるPTFE多孔質膜において
は、この材質が熱融着性でなくしかも接着性が弱いこと
から特に難しい。
如く熱融着した中空管では以下の問題がある。 (1)融着部は不織布が溶解するため、疎水性多孔質膜
の孔も潰れてしまい、透湿性能はなくなりデッドゾーン
になってしまう。 (2)融着不良がなくリークの起きない中空管を形成す
るためには、熱融着法であれば最低でも、重ねしろは3
mm以上必要となる。従って、中空管の径が小さくなれば
なるほど加湿有効面積率は低下し、1インチピッチで外
径5mmの中空管で3mm幅で融着を行うと融着部分のデッ
ドゾーンの面積は中空管表面積の実に15%にもなり、
この面積が透湿性能を失うこととなる。 (3)熱融着部、特に融着部界面は当初の膜強度に比
べ、引張強度・長期耐久性において劣化が起こる。しか
し、融着時に熱および加圧を充分行わなければ不織布の
孔を充分に潰しきれずにリークが発生してしまいこの強
度劣化との兼ね合いは非常に難しい。特に、最近透湿膜
式加湿器に良く使用されるPTFE多孔質膜において
は、この材質が熱融着性でなくしかも接着性が弱いこと
から特に難しい。
【0004】以上のように、透湿中空管を重合部を熱融
着し成形することは、非常に高度な技術が要求され、し
かも管径が10mm以下のようなものはさらに透湿性能が
落ちるなどが問題となるようになる。また、上記の如き
中空管を作製するに当って、熱融着ではなく、特異的に
重合部に接着剤を塗布する場合もあるが、この方法は硬
化時間が必要であるとか、直径5mm以下の径の小さい中
空管では不可能であり工業的ではない。
着し成形することは、非常に高度な技術が要求され、し
かも管径が10mm以下のようなものはさらに透湿性能が
落ちるなどが問題となるようになる。また、上記の如き
中空管を作製するに当って、熱融着ではなく、特異的に
重合部に接着剤を塗布する場合もあるが、この方法は硬
化時間が必要であるとか、直径5mm以下の径の小さい中
空管では不可能であり工業的ではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、上記課
題を解決するために、この多孔質疎水性高分子材料の片
面もしくは両面に親水性ポリマー連続皮膜を形成し、こ
の親水性ポリマーを接着剤として中空管を作成した。こ
れにより、中空管表面の100%を透湿面積として使用
でき、しかも簡単につなぎ目が接着でき、製造コスト低
減を可能にした安価な中空管が提供できる。また、接合
部も透湿するため接着部の重ねしろ巾を大きくとれ、製
造上融着不良率を極度に低減できるのみならず、管径1
0mm以下の小径の中空管も容易に製造出来る。
題を解決するために、この多孔質疎水性高分子材料の片
面もしくは両面に親水性ポリマー連続皮膜を形成し、こ
の親水性ポリマーを接着剤として中空管を作成した。こ
れにより、中空管表面の100%を透湿面積として使用
でき、しかも簡単につなぎ目が接着でき、製造コスト低
減を可能にした安価な中空管が提供できる。また、接合
部も透湿するため接着部の重ねしろ巾を大きくとれ、製
造上融着不良率を極度に低減できるのみならず、管径1
0mm以下の小径の中空管も容易に製造出来る。
【0006】疎水性多孔質材料表面に親水性ポリマーを
コートして耐汚染性を付与することは特開平5−185
72号公報に開示されている。しかしながら、特開平5
−18572号公報はチューブ内を加湿供給水路とする
場合のみを想定しており、その耐水圧は50mm水柱以上
が要求されている。この場合水圧は接着部を広げる方向
にかかるため、必然的に膜の接合部は接着剤を塗布し強
固に接着する必要があった。従って、この場合も接着部
は接着剤により加湿性能は妨げられデッドゾーンとなっ
てしまい、上記と同様の問題が発生する。
コートして耐汚染性を付与することは特開平5−185
72号公報に開示されている。しかしながら、特開平5
−18572号公報はチューブ内を加湿供給水路とする
場合のみを想定しており、その耐水圧は50mm水柱以上
が要求されている。この場合水圧は接着部を広げる方向
にかかるため、必然的に膜の接合部は接着剤を塗布し強
固に接着する必要があった。従って、この場合も接着部
は接着剤により加湿性能は妨げられデッドゾーンとなっ
てしまい、上記と同様の問題が発生する。
【0007】これに対し、本発明に従えば、中空管はそ
の外部を加湿供与水部とすることにより、水圧は接着部
を加圧する方向にかかるため、膜の接着部の強度はさほ
ど要求されなくなる。そこでこのタイプの加湿器に対し
て親水性ポリマーを接着剤として使用することで、膜を
重ねて接着する部分にさらに接着剤を塗布する必要がな
く、さらに加湿能力を向上させる中空管を構成すること
ができた。
の外部を加湿供与水部とすることにより、水圧は接着部
を加圧する方向にかかるため、膜の接着部の強度はさほ
ど要求されなくなる。そこでこのタイプの加湿器に対し
て親水性ポリマーを接着剤として使用することで、膜を
重ねて接着する部分にさらに接着剤を塗布する必要がな
く、さらに加湿能力を向上させる中空管を構成すること
ができた。
【0008】こうして、本発明によれば、管内部を加湿
空気流路とし、管外部を加湿供与水部として用いる加湿
器用中空管であって、多孔質疎水性高分子材料の片面も
しくは両面に耐汚染性、透湿性、接着性を兼備した親水
性ポリマー連続皮膜を設けたテープ材を一部重ね合わ
せ、中空管に成形されていることを特徴とする加湿器用
中空管が提供される。
空気流路とし、管外部を加湿供与水部として用いる加湿
器用中空管であって、多孔質疎水性高分子材料の片面も
しくは両面に耐汚染性、透湿性、接着性を兼備した親水
性ポリマー連続皮膜を設けたテープ材を一部重ね合わ
せ、中空管に成形されていることを特徴とする加湿器用
中空管が提供される。
【0009】好ましい態様において、多孔質疎水性高分
子材料の片面もしくは両面には不織布、ニット、ネッ
ト、焼結体などの多孔質補強材を設けてもよい。また、
多孔質円筒補強材の外周にテープ材を一部を重ね合わせ
ながらラッピングしてもよい。本発明の中空管を構成す
る多孔質疎水性高分子材料は、防水透湿機能を持つ疎水
性多孔質高分子材料であれば特に限定されない。このよ
うな疎水性多孔質高分子材料としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン/ヘキサフロ
ロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン等が挙げられるが、耐熱性、耐薬品性等の観
点から延伸された多孔質ポリテトラフルオロエチレンが
好ましい。このようなポリテトラフルオロエチレン多孔
質体としては、厚さ1〜1000μm、空孔率5〜95
%、孔径0.01〜15μmの範囲のものが挙げられる
が、水蒸気透過性、耐水性、強度とのかねあいで厚さ2
0〜200μm、空孔率60〜90%のものが好まし
い。このような防水透湿機能を持つ疎水性多孔質膜は公
知であり、延伸多孔化、溶剤抽出、キャスティングなど
により製造されることができる。必要に応じて不織布、
ニット、ネット、焼結体などの多孔質補強層をラミネー
ト(接着、融着)することも可能である。ラミネートに
当っては、グラビアパターロールなどを用いて部分的に
接着または融着することにより、透湿可能な面積を極力
減らさないようにすることが必要である。
子材料の片面もしくは両面には不織布、ニット、ネッ
ト、焼結体などの多孔質補強材を設けてもよい。また、
多孔質円筒補強材の外周にテープ材を一部を重ね合わせ
ながらラッピングしてもよい。本発明の中空管を構成す
る多孔質疎水性高分子材料は、防水透湿機能を持つ疎水
性多孔質高分子材料であれば特に限定されない。このよ
うな疎水性多孔質高分子材料としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン/ヘキサフロ
ロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン等が挙げられるが、耐熱性、耐薬品性等の観
点から延伸された多孔質ポリテトラフルオロエチレンが
好ましい。このようなポリテトラフルオロエチレン多孔
質体としては、厚さ1〜1000μm、空孔率5〜95
%、孔径0.01〜15μmの範囲のものが挙げられる
が、水蒸気透過性、耐水性、強度とのかねあいで厚さ2
0〜200μm、空孔率60〜90%のものが好まし
い。このような防水透湿機能を持つ疎水性多孔質膜は公
知であり、延伸多孔化、溶剤抽出、キャスティングなど
により製造されることができる。必要に応じて不織布、
ニット、ネット、焼結体などの多孔質補強層をラミネー
ト(接着、融着)することも可能である。ラミネートに
当っては、グラビアパターロールなどを用いて部分的に
接着または融着することにより、透湿可能な面積を極力
減らさないようにすることが必要である。
【0010】本発明で用いる親水性ポリマーは、耐汚染
性、透湿性、接着性を兼備する必要がある。このような
ものとしては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸
基、アミノ基等の親水性基を持つ高分子であって、水膨
潤性でありかつ水不溶性のものが好ましく用いられる。
例えば、少なくとも一部が架橋されたポリビニルアルコ
ール、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の親水性ポリ
マーや、ポリアミノ酸、ポリウレタン、親水性含フッ素
ポリマー、シリコーン樹脂等が使用可能であるが、耐熱
性、耐薬品性、加工性、透湿度等を考慮に入れるとポリ
ウレタン樹脂、フッ素系透湿性樹脂が好ましい。
性、透湿性、接着性を兼備する必要がある。このような
ものとしては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸
基、アミノ基等の親水性基を持つ高分子であって、水膨
潤性でありかつ水不溶性のものが好ましく用いられる。
例えば、少なくとも一部が架橋されたポリビニルアルコ
ール、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の親水性ポリ
マーや、ポリアミノ酸、ポリウレタン、親水性含フッ素
ポリマー、シリコーン樹脂等が使用可能であるが、耐熱
性、耐薬品性、加工性、透湿度等を考慮に入れるとポリ
ウレタン樹脂、フッ素系透湿性樹脂が好ましい。
【0011】ポリウレタン樹脂としては、無孔質の親水
性ポリウレタン系樹脂を用いる。これは通常親水性の高
いポリオールとポリイソシアネート化合物を主原料とし
て反応させて得られる。親水性の高いポリオールとして
は、例えばポリオキシエチレングリコールを用いること
が出来るが透湿性の向上、硬化速度の向上等の目的でポ
リオキシアルキレンポリオールの使用も有用である。ま
たジオール類を併用することも出来る。この反応により
得られたイソシアネート基含有プレポリマーは、このプ
レポリマーの硬化剤との組み合せにより二液型の組成物
として用いることが出来る。硬化剤としては、ジオール
やジアミンが用いられる。また硬化剤を含まない一液型
の組成物として、空気中の水分などにより硬化させるよ
うにしてもよい。あるいは、二液型組成物と一液型組成
物を併用することも出来る。
性ポリウレタン系樹脂を用いる。これは通常親水性の高
いポリオールとポリイソシアネート化合物を主原料とし
て反応させて得られる。親水性の高いポリオールとして
は、例えばポリオキシエチレングリコールを用いること
が出来るが透湿性の向上、硬化速度の向上等の目的でポ
リオキシアルキレンポリオールの使用も有用である。ま
たジオール類を併用することも出来る。この反応により
得られたイソシアネート基含有プレポリマーは、このプ
レポリマーの硬化剤との組み合せにより二液型の組成物
として用いることが出来る。硬化剤としては、ジオール
やジアミンが用いられる。また硬化剤を含まない一液型
の組成物として、空気中の水分などにより硬化させるよ
うにしてもよい。あるいは、二液型組成物と一液型組成
物を併用することも出来る。
【0012】この親水性ポリマー連続皮膜の厚さについ
ては、不織布などの補強材を用いた場合、中空管を形成
するための接合部において、この補強材の孔を介して水
が通過しないようにするために、この補強材の孔をこの
親水性ポリマーにて充填する必要がある。これは、巻き
付ける時のテープにかけるテンションや熱ロールを使用
する場合の圧力によって異なり厳密には規定出来ない
が、補強材が付随している場合はその不織布等の5〜5
0%の厚みが好ましく、補強材がない場合は2μm以上
であればよく、好ましくは2μm〜100μm以内であ
る。
ては、不織布などの補強材を用いた場合、中空管を形成
するための接合部において、この補強材の孔を介して水
が通過しないようにするために、この補強材の孔をこの
親水性ポリマーにて充填する必要がある。これは、巻き
付ける時のテープにかけるテンションや熱ロールを使用
する場合の圧力によって異なり厳密には規定出来ない
が、補強材が付随している場合はその不織布等の5〜5
0%の厚みが好ましく、補強材がない場合は2μm以上
であればよく、好ましくは2μm〜100μm以内であ
る。
【0013】多孔質疎水性高分子材料に親水性ポリマー
の連続被膜を形成するには、親水性ポリマーがポリウレ
タン系の場合には、ポリオールとポリイソシアネートの
2成分を混合し硬化反応が終了する前の流動性がある状
態で塗布した後、加熱硬化させる方法が挙げられる。ま
た、親水性ポリマーがフッ素系樹脂の場合には、アルコ
ール、ケトン、エステル、アミドあるいは炭化水素のよ
うな有機溶媒中に溶解させた溶液を塗布した後、脱溶剤
する方法が挙げられる。
の連続被膜を形成するには、親水性ポリマーがポリウレ
タン系の場合には、ポリオールとポリイソシアネートの
2成分を混合し硬化反応が終了する前の流動性がある状
態で塗布した後、加熱硬化させる方法が挙げられる。ま
た、親水性ポリマーがフッ素系樹脂の場合には、アルコ
ール、ケトン、エステル、アミドあるいは炭化水素のよ
うな有機溶媒中に溶解させた溶液を塗布した後、脱溶剤
する方法が挙げられる。
【0014】さらに、親水性ポリマーがシリコーン樹脂
の場合には、トルエン等の有機溶媒中に溶解させ、その
溶液を塗布した後、脱溶媒する方法が挙げられる。塗布
の具体的方法としては、リバースロール、ドクターロー
ル、キスロール等を用いた方法やディッピング法等が挙
げられる。また、透湿性樹脂単独で薄いフィルムを形成
した後、これを多孔質高分子膜上に積層することも可能
である。
の場合には、トルエン等の有機溶媒中に溶解させ、その
溶液を塗布した後、脱溶媒する方法が挙げられる。塗布
の具体的方法としては、リバースロール、ドクターロー
ル、キスロール等を用いた方法やディッピング法等が挙
げられる。また、透湿性樹脂単独で薄いフィルムを形成
した後、これを多孔質高分子膜上に積層することも可能
である。
【0015】親水性ポリマー連続皮膜を設けた多孔質疎
水性高分子材料からなるテープ材を用いて中空管に成形
する方法は、螺旋状にすることが加工上最も容易であり
適当であるが、その他シガレットラッピングなど特に限
定されない。この成形に当って、テープ材の一部を重ね
合わせて中空管の形状にし、親水性ポリマー連続皮膜を
接着剤として作用させて中空管を成形成する。親水性ポ
リマーが熱硬化性の場合は、ポリマーが未硬化の状態で
重ね合わせを完了してから常温又は加熱して硬化させ
る。また、親水性ポリマーが熱可塑性の場合は、重ね合
せた状態でポリマーを加熱溶融して接着させる。いずれ
の場合も、加熱する場合は、多孔質疎水性高分子材料及
び多孔質補強材を溶融しない温度でなければならない。
多孔質補強材が重ね合わせる多孔質疎水性高分子材料間
に存在する場合には、親水性ポリマーは多孔質補強材の
孔を充填し、水のリークがない接着を実現する必要があ
る。
水性高分子材料からなるテープ材を用いて中空管に成形
する方法は、螺旋状にすることが加工上最も容易であり
適当であるが、その他シガレットラッピングなど特に限
定されない。この成形に当って、テープ材の一部を重ね
合わせて中空管の形状にし、親水性ポリマー連続皮膜を
接着剤として作用させて中空管を成形成する。親水性ポ
リマーが熱硬化性の場合は、ポリマーが未硬化の状態で
重ね合わせを完了してから常温又は加熱して硬化させ
る。また、親水性ポリマーが熱可塑性の場合は、重ね合
せた状態でポリマーを加熱溶融して接着させる。いずれ
の場合も、加熱する場合は、多孔質疎水性高分子材料及
び多孔質補強材を溶融しない温度でなければならない。
多孔質補強材が重ね合わせる多孔質疎水性高分子材料間
に存在する場合には、親水性ポリマーは多孔質補強材の
孔を充填し、水のリークがない接着を実現する必要があ
る。
【0016】多孔質補強材は、多孔質疎水性高分子材料
に親水性ポリマー連続皮膜を形成したテープ材のどちら
か一方又は両方の面にあってもよい。また、テープ材と
補強材との接合は予め行なった後、一部重ね合わせて中
空管にしてもよいし、又は補強材の中空管の周りにシー
ト材をラッピングするように構成してもよい。
に親水性ポリマー連続皮膜を形成したテープ材のどちら
か一方又は両方の面にあってもよい。また、テープ材と
補強材との接合は予め行なった後、一部重ね合わせて中
空管にしてもよいし、又は補強材の中空管の周りにシー
ト材をラッピングするように構成してもよい。
【0017】
(実施例1)図1を参照して説明する。0.5mm厚のポ
リプロピレン不織布3と10μm厚のポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)多孔質膜(平均孔径0.2μ
m、空孔率90%)1とを片方のみを160℃に加熱し
たロール間に通して不織布の表面の凸部のみを多孔質膜
と熱融着させてラミネートした20mm幅のテープ材のP
TFE膜1の側に熱硬化性親水性ポリウレタン溶液をコ
ートして厚さ25μmの未硬化親水性ポリウレタン皮膜
2を形成した。
リプロピレン不織布3と10μm厚のポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)多孔質膜(平均孔径0.2μ
m、空孔率90%)1とを片方のみを160℃に加熱し
たロール間に通して不織布の表面の凸部のみを多孔質膜
と熱融着させてラミネートした20mm幅のテープ材のP
TFE膜1の側に熱硬化性親水性ポリウレタン溶液をコ
ートして厚さ25μmの未硬化親水性ポリウレタン皮膜
2を形成した。
【0018】親水性ポリウレタンが硬化する前に、図2
の如く、1インチピッチで1周、重合部を3mm幅として
螺旋状に巻いて外径5mmの中空管を成形した。このと
き、図1(a)(b)(c)に示すごとく、親水性ポリ
ウレタン皮膜2を外側にして巻き、重合部では下側のテ
ープ材の親水性ポリウレタン2が上側のテープ材の不織
布3の孔を充填するようにした。この後、恒温槽にて、
110℃で5分間処理してポリウレタン樹脂を硬化させ
た。
の如く、1インチピッチで1周、重合部を3mm幅として
螺旋状に巻いて外径5mmの中空管を成形した。このと
き、図1(a)(b)(c)に示すごとく、親水性ポリ
ウレタン皮膜2を外側にして巻き、重合部では下側のテ
ープ材の親水性ポリウレタン2が上側のテープ材の不織
布3の孔を充填するようにした。この後、恒温槽にて、
110℃で5分間処理してポリウレタン樹脂を硬化させ
た。
【0019】その結果得られた中空管(接着式中空管)
は、重合部の不織布の孔が完全にポリウレタンで埋めら
れ、テープ材どうしは水密に接着されていた(加湿試験
で水のリークは発生しなかった)。比較のために、上記
と同じテープ材にポリウレタンをコートすることなく、
上記と同じ形状及び寸法の螺旋状に巻回を行ない(重合
部幅も同じ3mm)、熱融着法を用い重合部を150℃に
加熱してポリプロピレン不織布を溶融させて中空管を作
製した。
は、重合部の不織布の孔が完全にポリウレタンで埋めら
れ、テープ材どうしは水密に接着されていた(加湿試験
で水のリークは発生しなかった)。比較のために、上記
と同じテープ材にポリウレタンをコートすることなく、
上記と同じ形状及び寸法の螺旋状に巻回を行ない(重合
部幅も同じ3mm)、熱融着法を用い重合部を150℃に
加熱してポリプロピレン不織布を溶融させて中空管を作
製した。
【0020】これらの中空管について透湿度(MVT
R)を測定した。測定方法はJISL 1099−Bに
よった。結果を下記表に示す、実施例の中空管は比較例
の中空管(熱融着式)と比べて透湿度(MVTR)が1
6.2%向上している。この値は、熱融着法による中空
管の融着部面積を透湿不良面積と考えた場合の各中空管
の透湿面積を計算により求めた比較値とよく一致してい
る。
R)を測定した。測定方法はJISL 1099−Bに
よった。結果を下記表に示す、実施例の中空管は比較例
の中空管(熱融着式)と比べて透湿度(MVTR)が1
6.2%向上している。この値は、熱融着法による中空
管の融着部面積を透湿不良面積と考えた場合の各中空管
の透湿面積を計算により求めた比較値とよく一致してい
る。
【0021】 表 MVTR 透湿有効面積 (g/m2・24H) (mm2 /ラップ) 実施例1(接着式) 40000 420 比較例 (融着式) 33500 345 ───────── ───────── ──────── 差 16.2% 18% 注)MVTRと透湿有効面積の差は比較例を100%と
して実施例の性能向上を%で表わした。
して実施例の性能向上を%で表わした。
【0022】(実施例2)実施例1と同じテープ材のP
TFE側表面に熱可塑性親水性ポリウレタン溶液(融点
100℃のポリウレタン)をコートして厚さ10μmの
皮膜を形成した。このテープ材をやはり親水性ポリウレ
タン側を外側にして1インチピッチで実施例1と同じ螺
旋状に巻き、重合部を100℃のロールを押し当てて融
着させて、5mm径の中空管を作成した。
TFE側表面に熱可塑性親水性ポリウレタン溶液(融点
100℃のポリウレタン)をコートして厚さ10μmの
皮膜を形成した。このテープ材をやはり親水性ポリウレ
タン側を外側にして1インチピッチで実施例1と同じ螺
旋状に巻き、重合部を100℃のロールを押し当てて融
着させて、5mm径の中空管を作成した。
【0023】この中空管について実施例1と同様の試験
を行なって透湿量(MVTR)を測定したところ410
00g/m2・24Hであり、実施例1の結果と良く一致
した。即ち、低融点ポリウレタンを使用すると、ポリプ
ロピレン不織布を潰すことなく、つまり透湿面積を低減
することなく中空管が作成できることが確認された。
を行なって透湿量(MVTR)を測定したところ410
00g/m2・24Hであり、実施例1の結果と良く一致
した。即ち、低融点ポリウレタンを使用すると、ポリプ
ロピレン不織布を潰すことなく、つまり透湿面積を低減
することなく中空管が作成できることが確認された。
【0024】(実施例3)図2を参照すると、10μm
厚のPTFE多孔質膜11の表面に熱可塑性ポリウレタ
ン溶液をコートして厚さ2μmの連続皮膜12を成膜し
た。このテープ材14をPTFE多孔質膜11を外側に
して直径6mm、300μm厚のポリエチレンテレフタレ
ート不織布13にて作成された中空管に螺旋状にラッピ
ングした。ラッピングするに当っては3mmの重合幅と
し、重合部15をドライヤー16で100℃に加熱して
接着した。
厚のPTFE多孔質膜11の表面に熱可塑性ポリウレタ
ン溶液をコートして厚さ2μmの連続皮膜12を成膜し
た。このテープ材14をPTFE多孔質膜11を外側に
して直径6mm、300μm厚のポリエチレンテレフタレ
ート不織布13にて作成された中空管に螺旋状にラッピ
ングした。ラッピングするに当っては3mmの重合幅と
し、重合部15をドライヤー16で100℃に加熱して
接着した。
【0025】この中空管についても実施例1と同様の透
湿性試験を行なったところ、40500g/m2・24H
のMVTR値であった。これにより接着部も良好な透湿
部をなしていることが確認された。本発明の加湿器用中
空管を用いる加湿器の構成例としては、容器中、多孔質
疎水性高分子材料の外側に親水性ポリマー、内側に多孔
質補強材を設けた中空管を多数配設し、中空管の外部、
即ち、容器の中には水を給水し、中空管の内部には送風
する。容器中の水は加湿膜を通して水蒸気だけが透過
し、透過した水蒸気が管内の空気を加湿する。
湿性試験を行なったところ、40500g/m2・24H
のMVTR値であった。これにより接着部も良好な透湿
部をなしていることが確認された。本発明の加湿器用中
空管を用いる加湿器の構成例としては、容器中、多孔質
疎水性高分子材料の外側に親水性ポリマー、内側に多孔
質補強材を設けた中空管を多数配設し、中空管の外部、
即ち、容器の中には水を給水し、中空管の内部には送風
する。容器中の水は加湿膜を通して水蒸気だけが透過
し、透過した水蒸気が管内の空気を加湿する。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、透湿性中空管を作成す
る場合重合部も有効透湿面積として利用することがで
き、また管径が10mm以下のように小さい中空管でも十
分な透湿性能が得られ、加湿器用中空膜として有用であ
る。
る場合重合部も有効透湿面積として利用することがで
き、また管径が10mm以下のように小さい中空管でも十
分な透湿性能が得られ、加湿器用中空膜として有用であ
る。
【図1】(a)〜(c)は実施例1の中空管を示す。
【図2】(a),(b)は実施例3の中空管を示す。
1,11…PTFE多孔質膜 2,12…親水性ポリウレタン皮膜 3,13…不織布 4,14…テープ材 5,45…重合部
Claims (3)
- 【請求項1】 管内部を加湿空気流路とし、管外部を加
湿供与水部として用いる加湿器用中空管であって、多孔
質疎水性高分子材料の片面もしくは両面に耐汚染性、透
湿性、接着性を兼備した親水性ポリマーの連続皮膜を設
けたテープ材を一部重ね合わせ、中空管に成形されてい
ることを特徴とする加湿器用中空管。 - 【請求項2】 前記テープ材の片面もしくは両面に不織
布、ニット、ネット、焼結体などの多孔質補強材を設け
た請求項1記載の加湿器用中空管。 - 【請求項3】 多孔質円筒補強材の外周に前記テープ材
をその一部を重ね合わせながらラッピングして成る請求
項1記載の加湿器用中空管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23898894A JPH08105639A (ja) | 1994-10-03 | 1994-10-03 | 加湿器用中空管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23898894A JPH08105639A (ja) | 1994-10-03 | 1994-10-03 | 加湿器用中空管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08105639A true JPH08105639A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17038257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23898894A Withdrawn JPH08105639A (ja) | 1994-10-03 | 1994-10-03 | 加湿器用中空管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08105639A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1772552A2 (en) * | 2006-07-20 | 2007-04-11 | Singtex Industrial Co., Ltd. | Porous polytetrafluoroethylene membrane treated with an anti-staining and anti-peeling agent |
DE102011013443A1 (de) * | 2011-03-09 | 2012-09-13 | Klingenburg Gmbh | Vorrichtung zur Konditionierung eines Luftstroms |
-
1994
- 1994-10-03 JP JP23898894A patent/JPH08105639A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1772552A2 (en) * | 2006-07-20 | 2007-04-11 | Singtex Industrial Co., Ltd. | Porous polytetrafluoroethylene membrane treated with an anti-staining and anti-peeling agent |
EP1772552A3 (en) * | 2006-07-20 | 2007-06-20 | Singtex Industrial Co., Ltd. | Porous polytetrafluoroethylene membrane treated with an anti-staining and anti-peeling agent |
DE102011013443A1 (de) * | 2011-03-09 | 2012-09-13 | Klingenburg Gmbh | Vorrichtung zur Konditionierung eines Luftstroms |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020115 |