JPH08103280A - 変異ヒトインスリンレセプターdna - Google Patents
変異ヒトインスリンレセプターdnaInfo
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- JPH08103280A JPH08103280A JP7149365A JP14936595A JPH08103280A JP H08103280 A JPH08103280 A JP H08103280A JP 7149365 A JP7149365 A JP 7149365A JP 14936595 A JP14936595 A JP 14936595A JP H08103280 A JPH08103280 A JP H08103280A
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Abstract
応用を可能とする変異ヒトインスリンレセプターDNA
を提供する。 【構成】 ヒトインスリンレセプターDNA中831番
目のThrをコードする塩基配列がAlaをコードする
塩基配列に変異および/または1334番目のTyrを
コードする塩基配列がCysをコードする塩基配列に変
異した変異ヒトインスリンレセプターDNA、あるいは
該変異部分を含む上記変異ヒトインスリンレセプターD
NA断片、該断片よりなるインスリン非依存型糖尿病診
断用プローブ、ならびに該断片を含むインスリン非依存
型糖尿病診断剤。
Description
病(Non−Insulin−Dependent D
iabetes Mellitus:以下NIDDMと
いう)におけるインスリンレセプター構造遺伝子の異常
に関し、さらに詳しくは特定部位に変異を含む変異ヒト
インスリンレセプターDNAおよびその断片に関する。
満、ストレス、加齢などの環境因子が加わって発症する
と考えられている、人類が抱える最も頻度の高い遺伝病
の1つである。現在我が国にも約500万人の患者がい
ると言われており、近年、癌、脳卒中、心筋梗塞に次ぐ
4大疾患に指定され、その対策が緊急に望まれている。
NIDDMは通常、食事療法や運動療法によって症状や
検査結果が改善されることが多いことから、これを早期
に、できれば発症前に診断することが望ましい。現在、
NIDDMの診断は、その初期においては、空腹時にグ
ルコース75gを経口投与し、30分おきに採血して、
2時間血糖値を測定して糖尿病を診断するOGTTなど
の繁雑な検査をしなくては発見できない場合が多く、簡
単かつ確実な診断法による早期発見と適切な発症予防が
求められている。
子は明らかになっていないが、インスリン作用機構に関
与する因子の遺伝子、またはインスリン分泌に関与する
因子の遺伝子が候補遺伝子と予想されている。このう
ち、インスリン作用に関与する因子としては、インスリ
ンレセプター、インスリンレセプターサブストレートー
1(IRS−1)、グルコーストランスポータータイプ
4などが考えられており、またインスリン分泌に関与す
る因子の遺伝子としては、グルコーストランスポーター
タイプ2、グルコキナーゼ、ミトコンドリア遺伝子など
が考えられている。後者の2つの遺伝子についてNID
DM中での異常について検索されたが、いずれも1%前
後に過ぎないことが報告されている(厚生省糖尿病調査
研究事業発症機序班、平成5年度中間報告)。
の細胞膜上に存在するインスリンレセプターと結合する
ことが必須であり、またNIDDMの初期にはインスリ
ン抵抗性が存在するという多くの報告がある(Tayl
or,S.I.Diabetes 41:1473−1
490,1992)ことから、インスリンレセプターが
関与遺伝子である可能性についても検討されてきた。イ
ンスリンレセプターに異常が存在すると、高度のインス
リン抵抗性を示し、高インスリン血症となる重篤な糖尿
病となるはずである。しかしながら、NIDDMではそ
のような特徴を示す症例はほとんどないことから、イン
スリンレセプター異常はNIDDMとは関係しないと従
来考えられてきた。
によって多くのインスリンレセプター異常症が発見さ
れ、変異の種類により患者の検査結果と症状が多彩であ
ることが明らかとなってきた(M.Taira et
al.,Science 245:63−66,198
9;F.Shimada et al.,Lancet
335:1179−1181,1990)。これにより
NIDDMの発症原因の一部にインスリンレセプター遺
伝子異常が存在する可能性が示唆された。しかしなが
ら、NIDDMとの関連においてインスリンレセプター
遺伝子異常を大規模かつ系統的に検索したことは今まで
になく、また遺伝子異常の具体的位置についても不明の
ままであった。
者はヒトインスリンレセプター遺伝子異常とNIDDM
との関連を解明すべく、日本人の典型的NIDDM患者
の血液から染色体DNAを調製し、インスリンレセプタ
ーDNAの塩基配列を鋭意研究した結果、NIDDM患
者に有意な頻度のインスリンレセプターの質的異常が存
在することを発見し、本発明を完成するに至った。
ンレセプターDNA中831番目のThrをコードする
塩基配列がAlaをコードする塩基配列に変異および/
または1334番目のTyrをコードする塩基配列がC
ysをコードする塩基配列に変異した変異ヒトインスリ
ンレセプターDNA、あるいは該変異部分を含む上記変
異ヒトインスリンレセプターDNA断片を提供する。
的に結合してその情報を細胞内に伝達する生体膜の受容
体であって、2本のα鎖(735残基、分子量84,2
14)と2本のβ鎖(620残基、分子量69,70
0)から成る。インスリンレセプターの遺伝子は22エ
クソンから成っており、そのうち11エクソンはαサブ
ユニットをコードし、他の11エクソンがβサブユニッ
トをコードする(S.Seino et al.,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1
14−118,1989)。ヒトインスリンレセプター
の塩基配列ならびにこれと対応するアミノ酸配列を配列
表の配列番号1に示す。本願発明の変異ヒトインスリン
レセプタ−DNAは、βサブユニットエクソン13の8
31番目のThrをコードする塩基配列(ACG)がA
laをコードする塩基配列(GCG)に変異および/ま
たはβサブユニットエクソン22の1334番目のTy
rをコードする塩基配列(TAC)がCysをコードす
る塩基配列(TGC)に変異した変異ヒトインスリンレ
セプターDNA、ならびに該変異部分を含む上記変異ヒ
トインスリンレセプターDNAの断片である。本願発明
の変異ヒトインスリンレセプターの変異部位を図7〜1
1に示す配列(配列表の配列番号1の配列と同じ)中に
四角で囲んで示す。
DNAは、日本人の典型的なNIDDM患者51人のイ
ンスリンレセプター全22エクソン遺伝子をPCR(ポ
リメラーゼチェインリアクション)法にて増幅し、pU
C19ベクターに挿入後、DNA塩基配列を決定するこ
とによって得られた。DNA塩基配列分析の結果、片親
の遺伝子のβサブユニットエクソン13の831番目の
ThrがAlaに変異している症例が3例と、また片親
の遺伝子のβサブユニットエクソン22の1334番目
のTyrがCysに変異している症例が1例発見され
た。
a831)に見られるアミノ酸置換は従来までに報告さ
れていないものである。cDNA上でこの変異を作り、
動物細胞で強制発現させ、レセプター機能を解析した
が、顕著なレセプター機能の障害は見られなかった。し
かしながら、この変異は正常人272人を検索したとこ
ろ発見されず、また統計学的処理によりNIDDM発症
と関連していることが明らかとなった。さらに、この変
異(IRA831)とNIDDM発症との関連を試験す
るために、IRA831をもつ一家系についてのデータ
を分析した。その結果、IRA831のheteroz
ygous変異がNIDDM発症の原因であることが強
く示唆された。
s1334)に関しても顕著なレセプター機能の障害は
観察されなかった。また、一家系を解析した結果、この
変異はこの家族のNIDDM発症とは関連していないと
思われた。しかし、この変異インスリンレセプターはP
I3−キナーゼと結合できなかった。本発明者らは最近
インスリンシグナル伝達、特にインスリンによるグルコ
ーストランスポーターのtranslocationに
はPI3−キナーゼが関与していることを証明している
(F.Kanai et al.,Biochem.B
iophys.Res.Commun.195:762
−768,1993)。したがって、この変異がNID
DM発症と関連している可能性を示唆するものである。
DNAはNIDDM発症原因遺伝子の少なくとも約6%
の質的変異を構成し、NIDDMの遺伝子診断への応用
を可能とする有意な数値である。NIDDMの発症に関
与する遺伝子は複数存在し、またそれぞれの遺伝子の中
の変異はhot spotが存在し、そのうち本願発明
の変異インスリンレセプターDNAの変異部分を含む数
箇所が主要なものを占めると予想される。したがって、
今後他の関与変異が解明されると、本願発明の変異ヒト
インスリンレセプターDNAまたは該変異ヒトインスリ
ンレセプターDNAの断片と組み合わせることにより、
簡単かつ確実なNIDDMの遺伝子診断が可能となる。
さらにかかる遺伝子診断と従来の診断法を組み合わせて
NIDDMの早期診断を行うことにより適切な予防と治
療に多大な貢献をするものと思われる。
変異部分を含む変異ヒトインスリンレセプターDNA、
該変異ヒトインスリンレセプターDNAの断片のみなら
ず、これらと相補的なDNAまたはその断片も診断プロ
ーブとして有用である。したがって、(a)ヒトインス
リンレセプターDNA中、βサブユニットエクソン13
の831番目のThrをコードする塩基配列(ACG)
がAlaをコードする塩基配列(GCG)に変異した変
異ヒトインスリンレセプターDNA断片、(b)ヒトイ
ンスリンレセプターDNA中、βサブユニットエクソン
22の1334番目のTyrをコードする塩基配列(T
AC)がCysをコードする塩基配列(TGC)に変異
した変異ヒトインスリンレセプターDNA断片、(c)
上記(a)または(b)の変異ヒトインスリンレセプタ
ーDNA断片と相補的なDNA断片、も本願発明のNI
DDMの診断プローブとして有用である。
に、上記変異部分を含む約100塩基までの塩基、好ま
しくは変異部分を含む10〜50塩基、より好ましくは
変異部分を含む10〜30塩基の長さの塩基配列で構成
される。
えば、シリカなどの支持体上での固相法を利用するDN
A自動合成機を用いて本願発明の塩基配列に従って合成
することができる。
発明によって明らかにされ特徴付けられた前記特定の変
異を検出するものである限りにおいて、その手法等には
何らの限定もなく各種の方法を広く採用することができ
る。本願発明によって検出すべき遺伝子変異が明らかに
されこれが特定されている以上、かかる本願開示に従え
ば、その検出の為の方法の適宜採用は当業者に容易であ
ろう。
の塩基配列の解析を行うことによっても可能であり、も
ちろんこれを包含する。サザンハイブリダイゼーション
法やドットハイブリダイゼーション法(いずれもSou
thern,E.M.,J.Mol.Biol.,9
8:503−517,1975等参照)も採用しうる選
択であろう。例えば、PCR(Polymerase
chain reaction)−RFLP法(Res
triction fragment length
polymorphism:制限酵素断片長多型分析
法)、PCR−単鎖高次構造多型分析法(Orita,
M.,IWahana,H.,Kanazawa,
H.,Hayashi,K.and Sekiya,
T.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.
S.A.,86:2766−2770,1989 等参
照)、PCR−SSO法(Specific sequ
ence oligonucleotide:PCR−
特異的配列オリゴヌクレオチド法)、PCR−SSOと
ドットハイブリダイゼーション法を用いる対立遺伝子特
異的オリゴヌクレオチド法(allele speci
fic oligomer:ASO;Saiki,R.
K.,Bug awan,T.L.,Horn,G.
T.,Mullis,K.B.and Erlich,
H.A.,Nature,324:163−166,1
986等参照)等のPCR法を利用するDNAの増幅手
法との組み合わせによる方法は、少量のDNA試料を利
用して簡便かつ容易にしかも感度および精度の高い検出
が可能であり好ましく例示することができる。
RFLP法および/または対立遺伝子特異的ハイブリダ
イゼーション法の採用を好ましく例示することができ
る。以下に、かかる検出法を例にとり、より詳細に説明
する。
る各種の操作、例えば、一部DNAの化学合成、DNA
の切断、削除、付加または結合を目的とする酵素処理、
DNAの単離、精製、複製、選択等はいずれも常法に従
うことができる[分子遺伝学実験法、共立出版(株)1
983年発行;PCRテクノロジー、宝酒造(株)19
90年発行等参照]。例えば、DNAの単離精製は、ア
ガロースゲル電気泳動法等に従うことができ、DNA配
列の決定は、例えばジデオキシ法(Sanger,
F.,Nicklen,S.and Coulson,
A.R.,Proc.Natl.Acad.Sci.,
U.S.A.,74:5463−5467,1977)
や、マクサム−ギルバート法(Maxam,A.M.a
nd Gilbert,W.,Method in E
nzymology,65:499−560,198
0)等に従うことができる。上記DNA塩基配列の決定
は、市販のシークエンスキット等を用いることによって
も容易に行い得る。DNAの特定領域の増幅のためのP
CR法もまた常法(例えば、Saiki,R.K.,S
chart,S.,Faloona,F.A.,Mul
lis,K.B.,Horn,G.T.,Erlic
h,H.A.and Arnheim,N.,Scie
nce,230:1350−1354,1985等参
照)に従うことができる。これら各種の基本的操作は、
例えば本出願に引用の各種文献においても採用されてお
り、後述の実施例とともに参照される。
ゲノムDNAは、ヒト由来のサンプルであり、これを含
むものであれば特に限定なく採用できる。ゲノムDNA
は、これらサンプルより常法に従い抽出、精製し、調製
することができる。
部位を含むDNA領域を増幅し、多量にかつ濃縮された
被検体を得ることができる。これは、例えばPCR法に
従い実施でき、上記エクソン13または22の変異部位
を含む領域のみを特異的に増幅するように適宜選択した
プライマーを採用することにより行われる。かかるプラ
イマーの設定は常法に従えばよく、また増幅する領域の
塩基長等にも制限はなく通常100bpから500bp
とすることができる。かかるプライマー設定の好適な例
は、例えばフランキングイントロニック配列(flan
king intronic sequence)に相
同性のプライマー(Seino,S.,Seino,
M.and Bell,GL,Diabetes,3
9:123−128,1990)を採用するものであ
り、これは後述の実施例におけるエクソン13にかかる
領域の増幅のために使用されている。また、エクソン2
2にかかる領域の増幅では、一例として、センスプライ
マー:5’−CACTGACCTCATGCGCATG
TGCTGG−3’とアンチセンスプライマー:5’−
ATTGGACCGAGGCAAGGTCAGAAT−
3’が採用されている。かかるプライマー設定によれ
ば、それぞれ322bp(エクソン13)および346
bp(エクソン22)の増幅されたDNAフラグメント
として上記所望領域が提供される。
を利用し、その領域に含まれる本願発明特定の変異を検
出確認することができる。後述する実施例では、エクソ
ン13にかかる変異の検出はRFLP法に従い実施され
ている。Ala831(GCG)の変異は、制限酵素C
foIの特異的切断サイトを生じさせている。したがっ
て、かかる変異を有する上記エクソン13のPCR増幅
産物(322bp)は、これをCfoI消化に付すこと
により、102bpと220bpの2つのフラグメント
を与え、一方、この変異のない野生型ではこの切断は生
じない(322bp)。生成したフラグメントは常法に
従い特定バンドとして確認される。
記した診断プローブ用DNA断片を利用する、対立遺伝
子特異的ハイブリダイゼーション法が採用されている。
これは、前記した特定の診断プローブを採用して本願発
明特定の変異を検出する限りにおいて常法に従い行うこ
とができるが、例えば後述する実施例において採用され
た条件は次の通りである。
エクソン22のPCR増幅物(346bp)のハイブリ
ダイゼーションは、プローブ溶液(6×SSC、10×
Denhardt’s溶液、1% SDS、1mg/m
lサケ精子DNAおよび32P標識プローブを含む)
中、30℃一晩にて実施された。ハイブリダイズしたフ
ィルターは、2回洗浄(0.1% SDSの6×SSC
中、54℃、各20分間)後、常法によるオートラジオ
グラフィーに付された。ここで採用された、野生型(T
yr1334:TAC)と区別しうるIRc1334:
変異(Cys1334:TGC)特異的なプローブは、
32P標識プローブ:5’−ATGTGTGTGCAA
GGGATGT−3’である。
ン13の変異にかかる102bpと220bpの2つの
バンドまたはエクソン22の変異にかかる346bpの
ハイブリダイズしたバンド)のパターンおよび確認によ
り、本願発明にかかる変異の存在検出をすることができ
る。
て、本願発明にかかる変異の存在検出をするための手段
あるいは試薬を有効成分として含有する診断剤を利用す
るのが好適である。したがって、本願発明は、かかるイ
ンスリン非依存型糖尿病診断剤をも提供する。該診断剤
は、本願発明にかかる変異の存在検出をするための方法
に応じた、特異的な試薬が必須成分として含有される。
かかる特異的試薬は、採用する検出方法に従い適宜設定
されるが、例えば、前記した診断プローブ用DNA断片
および/または特定の制限酵素等の本願発明にかかる変
異を特異的に検出するための手段に必要な試薬として特
徴付けられる。また、本願発明の変異にかかる領域を特
異的にPCR増幅するための試薬、例えばそのために設
定されたプライマー等は、本発明診断剤の必須成分とは
考えられないが、これらは、ハイブリダイゼーションの
ための試薬類と同様に、本発明診断剤に含ませることも
できる。
明するが、本願発明はこれに限定されるものではない。
人の典型的NIDDM患者約100名の血液10mlず
つを恵与された。ヒト染色体DNAの分離は以下の手順
で行った。 1)2本の50mlブルーキャップチューブにそれぞれ
45mlのA液(0.32M Sucrose、10m
M Tris−HCl(pH7.5)、5mMMgCl
2、1%TritonX−100)を10mlのコマゴ
メピペットを用いて入れた。 2)約10mlの血液を採取した。 3)血液約5mlずつをA液の入った2本のブルーキャ
ップチューブに移して、転倒混和した。 4)4℃にて3,000rpmで10分遠心した。 5)上清を注意深く捨てて、さらにこのチューブをキム
ワイプの上に逆さに立てて液を除いた。 6)このチューブに5mlのコマゴメピペットで4m1
のB液(0.075MNaCl、0.024M EDT
A(pH8.0))を加えて混合し、ペレットを底から
剥がした。これをもう1本のチューブに移して、ボルテ
ックスミキサーでよく混合した。 7)この混合液にオートピペットにて1mlのC液(5
%SDSと2mg/mlのProteinase Kを
等量加えたもの)を加え、よく混合して一晩37℃で反
応させた。 8)5mlのコマゴメピペットで5mlのフェノール溶
液を加え、キャップをして充分混合した。これにさらに
5mlのクロロホルム:イソアミルアルコール(24:
1)混合液を加えてキャップをして30分混合した。 9)15mlのオレンジキャップのコニカルチューブに
全液を移し、3,000rpm、10分間遠心した。 10)先端を切ったパスツールピペットで上清を注意深
く取り、新しいオレンジキャップチューブに移した。5
mlのフェノール・クロロホルム混合液(1:1)を加
え、30分混合した。 11)3,000rpmで10分間遠心した。 12)先端を切ったパスツールピペットで上清を注意深
く取り、1本の50mlのブルーキャップチューブに移
した。 13)オートピペットで0.5mlのD液(3M酢酸ナ
トリウム)を加え、キャップを締めて混合した後、コマ
ゴメピペットで10mlの冷エタノール(99.9%)
をゆっくり重層した。 14)キャップを締めてゆっくり転倒混和すると、染色
体DNAは白い不溶物として出現した。これをパスツー
ルピペットの先を曲げたものですくいとり、そっと1m
lの70%エタノール溶液中に約15秒間浸した後、該
不溶物を200μlのE液(10mM Tris−HC
l(pH7.5)、1mM EDTA)が入ったエッペ
ンドルフチューブに移した。 15)エッペンドルフチューブにキャップをして、ボル
テックスミキサーで数回混合し、DNAをよく溶かし
た。
染色体DNAを分離した。
プター遺伝子エクソンの増幅とサブクローニングおよび
プラスミドDNAの分離 清野ら(S.Seino et al.,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 86:114−1
18,1989;S.Seino et al.,Di
abetes 39:123−128,1990)の方
法により、インスリンレセプター遺伝子のすべての22
エクソンを増幅できるプライマーDNAを用いてPCR
法によって、インスリンレセプター遺伝子を増幅した。
成の混合F液99μlを加えてからDNA1μl(1μ
g)を加えて混合した: 上記混合物にサンプルの蒸発防止のためにミネラルオイ
ルを重層し、また熱伝導率をよくするために、ヒートボ
ックスのウエルにもミネラルオイルを1滴ずつ入れた。
これを用いて以下の条件でPCRを実施した。
ム100μlを加えて、よくボルテックスミキサーで混
合し、1分間遠心した。下層をパスツールピペットで充
分に除いて、上層からDNAを得た。
をアガロースゲル電気泳動に付して精製し、アルカリホ
スファターゼ処理したpUC19のHincII部位へ
ライゲーションさせ、大腸菌へこの組換え体を導入し
た。数百個のアンピシリン耐性コロニーから12個のコ
ロニーを拾いだし、50%以上のコロニーにPCR D
NA断片が入っていることを各エクソンごとに確認し
た。残り数百個のコロニー全部を寒天培地からかきと
り、液体培地で増殖後、アルカリ法により粗プラスミド
DNAを分離し、さらにポリエチレングリコール沈殿法
を用いてRNAを除いた。本実施例の方法のように多数
の大腸菌トランスフォーマントを用いると、父方、母方
両遺伝子からのPCR産物はほぼ同量含まれると考えら
れ、したがってこのような方法で分離したDNAの塩基
配列には父方と母方の遺伝子配列が出現してくることに
なる。
A.M.and Gilbert,W.,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 74:560−5
64,1977)により実施例2で得られたDNA断片
の塩基配列を決定した。簡単にのべると、PCRによる
DNA増幅に用いたプライマーをDNA断片にハイブリ
ダイゼーションさせ、アイソトープラベルしたdCTP
を用いてシーケネースでDNA合成させ、電気泳動後、
オートラジオグラフィーを行った。
塩基配列の変異が10カ所と、アミノ酸置換を伴う変異
が4例発見された。
インスリンレセプターβサブユニットエクソン13の8
31番目のアミノ酸ThrがAlaに変異した以下の変
異をもつものであった。
M患者のインスリンレセプターβサブユニットエクソン
13のDNA塩基配列の一部分を示す電気泳動の写真を
図1に示す。3番目のレーンの患者はThr831(A
CG)とAla831(GCG)の両配列をもつhet
erozygoteであることが判明した。これと同じ
配列をもつ患者が他に2名存在した。
はインスリンレセプターβサブユニットエクソン22の
1334番目のアミノ酸TyrがCysに変異した以下
の変異をもつものであった。
M患者のインスリンレセプターβサブユニットエクソン
22のDNA塩基配列の一部分を示す電気泳動の写真を
図2に示す。7番目のレーンの患者はTyr
1334(TAC)とCys1334(TGC)の両配
列をもつheterozygoteであることが判明し
た。
インスリンレセプターの機能的性状の検討試験方法 (1)発現プラスミドの構築 cDNA上でPCR法を用いて2種の人工変異cDNA
であるインスリンレセプター:IRA831(Thr
831がAla831に変異したもの)およびIR
C1334(Tyr1334がCys1334に変異し
たもの)を作製した。
A831、IRC1334を哺乳動物発現ベクターSR
α(Y.Takebe et al.,Mol.Cel
l Biol.8:466−472,1988)(それ
ぞれSRαIRA831およびSRαIRC1334)
にサブクローニングした。対照として用いた野生型イン
スリンレセプターは文献記載の方法(F.Kanai
et al.,J.Biol.Chem.268:14
523−14526,1993)で構築し、SRαIR
WTとした。 (2)野生型インスリンレセプターおよび人工変異イン
スリンレセプターを発現するCHO細胞の樹立 リン酸カルシウム沈殿法により、CHO細胞をSRαI
RWT、SRαIRA831またはSRα
C1334(各10μg)、およびpSV2−neo
(1μg)でトランスフェクションした。G418(S
igma社製)400μg/mlで選択した後、ヒトイ
ンスリンレセプターを発現する細胞を、文献記載の方法
(H,Hayashi et al.,Bioche
m.J.280:769−775,1991)を用いて
125I−標識インスリン結合により同定した。細胞表
面のレセプターの数はスキャッチャード(Scatch
ard)分析(G.Scatchard,Ann.NY
Acad.Sci.51:660−672,194
9)によって計算した。 (3)レセプターチロシンキナーゼ活性の測定 文献記載の方法(H.Hayashi et al.,
Biochem.J.280:769−775,199
1)を用いて、96ウエルプレートでIRWTおよびI
RA831のインスリン刺激したレセプター自己リン酸
化を実施した。レセプターβ−サブユニットへの32P
の取り込みは6%SDS−PAGEで検出し、Bio−
image−analyzer BAS2000で測定
した。 (4)インスリンレセプターとPI3−キナーゼのα−
タイプp85サブユニットとのインスリン誘導複合体の
形成 PI3−キナーゼのα−タイプp85サブユニット、な
らびに野生型または人工変異インスリンレセプター(I
R)を一過性に発現させるために、Lipofecta
mineTM試薬(Bethesda Researc
h Laboratories)を用いて、COS−7
細胞をSRαp85α(1.5μg)とSRαIR、S
RαIRA831またはSRαIRC1334(各1.
5μg)でトランスフェクションした。10−7Mイン
スリンで10分間刺激した後、細胞溶解物を調製し、I
Rのβサブユニットを認識する抗IR抗体1G2、また
はウサギポリクローナル抗p85α抗体、ならびにタン
パク質G−セファロースとともにインキュベートした。
免疫沈降物を6%SDS−PAGEで電気泳動した。抗
ホスホチロシン抗体(PY20)またはIRのαサブユ
ニットを認識する抗インスリンレセプター抗体3B11
を用いてイムノブロットを行った。結果 (1)A831変異 上記試験方法(2)によって得られたIRWT(クロー
ンNo.12、21)およびIRA831(クローンN
o.10、17)を安定に発現する2つのクローンを検
討した。
およびIRA831(クローン10、17)のスッキャ
ッチャード分析を示す。各クローンのインスリン結合部
位の数を測定した。高親和性結合部位の数はIRWTお
よびIRA831のそれぞれについて1細胞当たり1.
1、1.5×106および0.5、0.9×106であ
り、解離定数(Kd)は2.8、3.5nMおよび1.
7、2.7nMであった。レセプターからの125I−
インスリンのpH依存性解離を試験したところ、IR
WTおよびIRA831のいずれにおいても、pHが
7.5から5.5に減少するのに応じて解離が起こるこ
とが観察され、野生型と人工変異型で差はなかった。
のレセプター自己リン酸化活性を測定した。得られた結
果を図3B示す。図から明らかなように、レセプター自
己リン酸化活性はレセプター数に応じて増加した。50
%最大(half−maximal)刺激はIRWTお
よびIRA831それぞれにおいて、5.5、5.4×
10−10Mおよび5.0、4.9×10−10Mであ
り、野生型と人工変異型の間で顕著な差はなかった。
シンキナーゼ活性を抗ホスホチロシン抗体(PY−2
0)を用いるイムノブロットで測定した。得られた結果
を図3Cに示す。図から明らかなように、IRS−1
(分子量160,000)は、レセプターβユニット
(分子量95,000)の自己リン酸化速度と平行して
チロシン残基においてインスリン依存的にリン酸化され
た。
ーン間の相違を排除するために、IRWTおよび1R
A831を一過性に発現するCOS細胞を用いてインス
リン結合とレセプター自己リン酸化を試験した。その結
果、野生型と人工変異レセプターとの間にインスリン結
合親和性およびレセプターキナーゼ活性の顕著な相違は
見られなかった。また、レセプタープロセシング、イン
ターナリゼーション、分解、インスリン刺激によるグル
コース取り込み、グリコーゲン合成、およびDNA合成
などにおいても野生型と人工変異レセプターとの間に顕
著な相違は観察されなかった。したがって、A831変
異に顕著なレセプター機能の障害は見いだされなかっ
た。 (2)C1334変異 A831と同様の実験をC1334変異について実施し
て、IRC1334のレセプター機能障害を検討した。
いる試験では、IRC1334とIRWTとの間の顕著
な相違は観察されなかった。
では相違が見られた。IRの自己リン酸化されたTyr
1334は、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ
の85−kDa制御サブユニット(p85)のSH2ド
メインとの推定的結合モチーフ(Y(P)XXM)に位
置していることが知られている(D.J.Van Ho
rn et al.,J.Biol.Chem.26
9:29−32,1994)。インスリンに応答するP
I3−キナーゼへの自己リン酸化IRの結合によってこ
の酵素が活性化されるので、このメカニズムはIRS−
1によるPI3−キナーゼの活性化の別経路であるかも
知れない。本発明者らは先に、PI3−キナーゼがグル
コーストランスポータータイプ4(GLUT4)の転移
を媒介することを報告している(例えば、F.Kana
i et al.,Biochem.Biophys.
Res.Commun.195:762−768,19
93参照)ので、IRC1334とPI3−キナーゼの
P85との直接的相互作用を試験した。
ットをIRWT、IRA831およびIRC1334を
用いてCOS細胞中で一過性に発現させた。インスリン
処理の後、細胞溶解物を抗IRβ抗体(αIRβ)また
は抗p85抗体(αp85)のいずれかで沈降させた
(図4)。免疫沈降物を抗ホスホチロシン抗体(αP
Y)(図4A)または抗IRのαサブユニット抗体(α
IRα)(図4B)を用いるイムノブロットにより試験
した。一過性発現系においては、インスリン処理によっ
て、PI3−キナーゼのp85サブユニットのチロシン
リン酸化、ならびにp85のIRWTへの結合が刺激さ
れた。抗IRα抗体を用いるイムノブロットで測定した
ところ、抗IRβ抗体は、IRWT、IRA831およ
びIRC1334をほぼ同定数に沈降させた(図4
B)。抗p85抗体を用いるイムノブロットで測定した
ところ、抗p85抗体はIRWT、IRA831および
IRC1334をほぼ同定度に沈降させた。
ン酸化、ならびにp85のIRWT、IRA831およ
びIRC1334への結合を試験した。抗ホスホチロシ
ン抗体(図4A)を用いるイムノブロットで測定したと
ころ、すべてのIRは同定度にp85をチロシン残基で
リン酸化した。IRC1334のチロシンリン酸化はI
RWTおよびIRA831と比較して減少しており(図
4A)、この減少はIRC1334のチロシンキナーゼ
活性の減少と関連していなかった。基質への3 2Pの取
り込み試験によると、IRC1334は自己リン酸化部
位および内在基質ポリ(Glu,Tyr)4:1に対し
て、IRを安定的に発現するCHO細胞中でのIRWT
やIRA831とほとんど同定度のチロシンキナーゼ活
性を示すので、抗ホスホチロシン抗体はIRβのその他
の自己リン酸化部位よりも自己リン酸化Y1334の部
位をより良く認識するように思われる。抗p85抗体は
IRWTおよびIRA831を共沈させたが、IR
C1334は共沈させなかった(図4B)。このこと
は、IRC1334がp85とは結合しないこと、なら
びにp85に対するIRの主要結合部位はY1334残
基であることを示唆する。
セプターDNA中831番目のThrがAlaに変異し
た変異インスリンレセプターDNAをもつ者を検索した
ところこの変異部位をもつ者は見いだされなかった。そ
こでカイ二乗検定による統計学的処理によって本願発明
の変異インスリンレセプターDNAとNIDDMとの関
連性を試験した。この結果を以下の表1に示す。
ものではなく、問診により自身を含め、両親、兄弟姉
妹、両祖父母が糖尿病の症状がなく、また糖尿病と診断
され通院などもしていない者を非糖尿病者として扱っ
た。 2)T831→A831の変異はYatesの連続補正
を行ったカイ二乗検定によりP(危険率)<0.05で
NIDDM発症に有意に差がある。またNIDDMの自
然発症率が5%と仮定して非糖尿病者272名のうち5
%(14名)がNIDDMのT831のグループに移行
したとしてもなお上記検定にて有意の差がある。
めに、IRC1334をもつ一家系についてのデータを
分析した。
され、また他の2人の子供(T.S.およびS.K.)
と本人(Y.Y.)も糖尿病であった(図5A)。しか
しながら、TAC(Tyr1334)→TGC(Cys
1334)における対立遺伝子特異的ハイブリダイゼー
ションで試験した(図5B)ところ、このうちの2人
(T.S.およびS.K.)は正常なIR(IR
Y1334)をもっており、本人(Y.Y.)だけがI
RC1334をもっていた。したがって、この家系解析
では、突然変異IRC1334がこの家系においてはN
IDDMの発症の共通原因ではないことを示唆した。 (2)IRA831とNIDDM発症との関連 IRA831とNIDDM発症との関連を試験するため
に、IRA831をもつ一家系についてのデータを分析
した。父親は死亡しているため変異については確認でき
なかったが、NIDDMであったことが分かっている。
母親は、高齢のため検査不能であった。また本人を含む
その4人の兄弟のうち、3人がNIDDMで、1人が正
常と糖尿病の中間型であるIGT(impared g
lucose tolerance)であり、これら4
人すべてがIRA831のheterozygoteで
あった。(図6参照)。なお、IRA831の検出は前
述した制限酵素CfoIの特異的切断サイトを生じさせ
る方法によって行った(図6B)。家族間の結婚は除外
した。IRA831の対立遺伝子は父親に由来すると思
われた。この家系解析は、IRA831のhetero
zygous変異がNIDDM発症の原因であることを
強く示唆するものである。
ーDNAはNIDDM発症原因遺伝子の少なくとも約6
%の質的変異を構成し、この変異を指標とするNIDD
Mの遺伝子診断への応用を可能とする有意な数値であ
る。本願発明の変異ヒトインスリンレセプターDNA、
またはこれを今後解明される他の部位での変異と組み合
わせて簡単かつ確実なNIDDMの遺伝子診断が可能と
なる。さらにかかる遺伝子診断と従来の診断法を組み合
わせてNIDDMの早期診断を行うことにより適切な予
防と治療が可能となる。文明病とも呼ばれるNIDDM
患者の数は今後とも増加する傾向にあり、本願発明の産
業上の大きな利用価値が期待できる。
プターβサブユニットエクソン13の塩基配列の一部分
を示す電気泳動の写真である。
プターβサブユニットエクソン22の塩基配列の一部分
を示す電気泳動の写真である。
RA831)レセプターのインスリン結合(A)ならび
にレセプターチロシンキナーゼ活性(B、C)を示す。 (A):、IRWT(クローンNo.12:○−−−
○;No.21:●−●)、またはIRA831(クロ
ーンNo.10:△−−−△;No.17:▲−▲)を
発現するコンフルエントCHO細胞を種々の濃度の
125I−インスリンとともに4℃で12時間インキュ
ベートした。結合125I−インスリンの放射能を測定
し、スキャッチャード法によりプロットした。(B):
インスリン依存性のレセプター自己リン酸化活性を、
(A)と同じセルラインを用いてインスリンレセプター
βサブユニットに取り込まれた32Pの量として表し
た。(C):(A)と同じセルラインを用いて、IRS
−1およびIRβサブユニットのインスリン依存性のチ
ロシンリン酸化を抗ホスホチロシン抗体によるイムノブ
ロットの図(電気泳動の写真)である。
レセプター:IRA831またはIRC1334と、P
I3−キナーゼのp85サブユニットとのインスリン誘
導化複合体形成を示す。PI3−キナーゼのp85サブ
ユニット(p85)をCOS細胞中で、野生型(IR
WT)または人工変異型IR(IRA831またはIR
C1334)とそれぞれ一過性に同時発現させた。10
−7Mインスリンの存在下において、細胞溶解物をIR
の抗βサブユニット(αIRβ)または抗p85(αp
85)抗体によって免疫沈降させた。免疫沈降物を
(A)では抗ホスホチロシン抗体(αPY)で、(B)
ではIRの抗αサブユニット抗体(αIRα)でイムノ
ブロットの図(電気泳動の写真)である。
NIDDM発症と変異の関連を示す。(A):TAC
(Tyr1334)→TGC(Cys1334)の置換
をもつ家系分析である。四角は男性を、丸は女性を表
す。黒で塗ったものはNIDDM患者であり、矢印は本
人を表し、また斜線をいれたものは故人を表す。
(B):対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーションを示
す電気泳動の写真である。3名の患者または正常人のゲ
ノムDNAから得たインスリンレセプターエクソン22
由来のPCR産物をアガロースゲルで分離し、ニトロセ
ルロースフィルターにトランスファーした。突然変異対
立遺伝子に特異的な32P−標識オリゴヌクレオチドプ
ローブでハイブリダイゼーションした後、フィルターを
オートラジオグラフィーに付した。本人(Y.Y.)の
1つの対立遺伝子にIRC1334変異(346bp断
片)が同定されたが、兄(T.S.)および姉(S.
K.)には観察されなかった。
IDDM発症と変異の連関を示す図である。(A)AC
G(Thr831)→GCG(Ala831)の置換を
もつ家系分析である。IRA831変異が本人(Yh.
T.)、2人の兄(I.T.およびYo.T.)ならび
に姉(T.O.)の1つの対立遺伝子に同定された。矢
印は本人、四角は男性、丸は女性を表す。黒で塗ったも
のはNIDDM患者であり、黒白模様はIGT(imp
ared glucose tolerance)であ
り、また斜線をいれたものは故人を表す。(B):制限
酵素消化によるIRA831の検出を示す電気泳動の写
真である。エクソン13のPCR断片におけるIR
A831変異は制限酵素CfoIの特異的部位を切断す
る。変異型PCR断片のCfoI消化物(322bp)
は102bpと220bpのバンドとして出現するが、
野生型ではこの切断が阻害される。
るDNA(その1)である。
るDNA(その2)である。
るDNA(その3)である。
ドするDNA(その4)である。本願発明の変異ヒトイ
ンスリンレセプターの変異部位(831番目アミノ酸)
を四角で囲んで示す。
ドするDNA(その5)である。本願発明の変異ヒトイ
ンスリンレセプターの変異部位(1334番目アミノ
酸)を四角で囲んで示す。
Claims (7)
- 【請求項1】 ヒトインスリンレセプターDNA中83
1番目のThrをコードする塩基配列がAlaをコード
する塩基配列に変異および/または1334番目のTy
rをコードする塩基配列がCysをコードする塩基配列
に変異した変異ヒトインスリンレセプターDNA、ある
いは該変異部分を含む上記変異ヒトインスリンレセプタ
ーDNA断片。 - 【請求項2】 ヒトインスリンレセプターDNA中、β
サブユニットエクソン13の831番目のThrをコー
ドする塩基配列(ACG)がAlaをコードする塩基配
列(GCG)に変異した請求項1記載の変異ヒトインス
リンレセプターDNAまたは該変異部分を含むその断
片。 - 【請求項3】 ヒトインスリンレセプターDNA中、β
サブユニットエクソン22の1334番目のTyrをコ
ードする塩基配列(TAC)がCysをコードする塩基
配列(TGC)に変異した請求項1記載の変異ヒトイン
スリンレセプターDNAまたは該変異部分を含むその断
片。 - 【請求項4】 PI3−キナーゼと結合しない請求項1
記載の変異ヒトインスリンレセプターDNAまたは該変
異部分を含むその断片。 - 【請求項5】 請求項1記載の変異ヒトインスリンレセ
プターDNAと相補的なDNAまたは該変異部分を含む
その断片。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
変異ヒトインスリンレセプター断片よりなるインスリン
非依存型糖尿病診断用プローブ。 - 【請求項7】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
変異ヒトインスリンレセプター断片を含むインスリン非
依存型糖尿病診断剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7149365A JPH08103280A (ja) | 1994-05-12 | 1995-05-12 | 変異ヒトインスリンレセプターdna |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13482794 | 1994-05-12 | ||
JP6-134827 | 1994-05-12 | ||
JP7149365A JPH08103280A (ja) | 1994-05-12 | 1995-05-12 | 変異ヒトインスリンレセプターdna |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08103280A true JPH08103280A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=26468813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7149365A Pending JPH08103280A (ja) | 1994-05-12 | 1995-05-12 | 変異ヒトインスリンレセプターdna |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08103280A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004097414A1 (ja) * | 2003-04-25 | 2004-11-11 | Medical And Biological Laboratories Co., Ltd. | インスリンレセプターαサブユニットの測定方法 |
JP2009065908A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-02 | Univ Fukuoka | 4−ヒドロキシ酪酸尿症関連遺伝子変異と4−ヒドロキシ酪酸尿症の診断方法 |
-
1995
- 1995-05-12 JP JP7149365A patent/JPH08103280A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004097414A1 (ja) * | 2003-04-25 | 2004-11-11 | Medical And Biological Laboratories Co., Ltd. | インスリンレセプターαサブユニットの測定方法 |
JPWO2004097414A1 (ja) * | 2003-04-25 | 2006-07-13 | 株式会社医学生物学研究所 | インスリンレセプターαサブユニットの測定方法 |
US7732154B2 (en) | 2003-04-25 | 2010-06-08 | Medical And Biological Laboratories Co., Ltd. | Methods for measuring the insulin receptor α subunit |
JP2010145409A (ja) * | 2003-04-25 | 2010-07-01 | Igaku Seibutsugaku Kenkyusho:Kk | インスリンレセプターαサブユニットの測定方法 |
JP4530286B2 (ja) * | 2003-04-25 | 2010-08-25 | 株式会社医学生物学研究所 | インスリンレセプターαサブユニットの測定方法 |
JP2009065908A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-02 | Univ Fukuoka | 4−ヒドロキシ酪酸尿症関連遺伝子変異と4−ヒドロキシ酪酸尿症の診断方法 |
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