JPH08102224A - 超電導ケーブル及び複合超電導導体 - Google Patents

超電導ケーブル及び複合超電導導体

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JPH08102224A
JPH08102224A JP6235615A JP23561594A JPH08102224A JP H08102224 A JPH08102224 A JP H08102224A JP 6235615 A JP6235615 A JP 6235615A JP 23561594 A JP23561594 A JP 23561594A JP H08102224 A JPH08102224 A JP H08102224A
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JP
Japan
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alloy
superconducting
element wire
percent
cable
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JP6235615A
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English (en)
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Fumikazu Hosono
史一 細野
Shuji Sakai
修二 酒井
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Wire Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 結合損失が小さく、素線間の電流再配分が可
能な被膜で被覆された超電導素線により構成された超電
導ケーブル及び複合超電導導体を提供する。 【構成】 超電導ケーブル1を構成する超電導素線を被
覆する被膜として、Sn−Ag−In合金又はSn−I
n合金、あるいはこれらの合金にCu等の他の元素を添
加したものを用いたり、表面酸化処理を施した被膜4で
被覆された超電導素線2bと表面酸化処理が施されてい
ない超電導素線2aとを交互に配列して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面が被膜で被覆され
た超電導素線を用いた超電導ケーブル及びこの超電導ケ
ーブルを用いた複合超電導導体に関し、特に、結合損失
が小さく、素線間の電流再配分が可能な被膜で被覆され
た超電導素線により構成された超電導ケーブル及び複合
超電導導体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導ケーブルとして、表面がS
n−Ag合金の被膜で被覆された超電導素線をケーブリ
ングしたものが知られている(Greg Snitchler et al.,
"HeatGeneration and Cooling of SSC Magnets at Hig
h Ramp Rates" 及び R.K. Maix et al., "MANUFACTURE
AND TESTING OF 465 km SUPERCONDUCTING CABLE FORTH
E HERA DIPOLE MAGNETS", Applied Superconductivity
Conference, 1988参照)。
【0003】また、超電導ケーブルとして、表面がエナ
メル絶縁被膜で被覆された超電導素線をケーブリングし
たものも知られている(N. Koizumi et al., "Experime
ntalresults on instability caused by non-uniform c
urrent distribution in the 30 kA NbTi Demo Poloida
l Coil ( DPC-U ) conductor", Cryogenics, Vol.34, N
o.2, 1994参照)。
【0004】また、他の超電導ケーブルとして、表面酸
化処理(以下、「黒化処理」という。)が施された被膜
で被覆された超電導素線と黒化処理が施されていない超
電導素線とが交互に配列され、素線群の中心に芯材が配
置されて構成されたものも知られている。
【0005】そして、その他の超電導ケーブルとして、
図6に示す構成のものも知られている。この超電導ケー
ブル21は、表面がSn−Ag合金の被膜23で被覆さ
れた超電導素線22aと、表面に黒化処理被膜24が形
成された超電導素線22bが交互に配列され、素線群の
中心にステンレス鋼材やカプトンテープなどからなる芯
材26が配置されて構成されている(M.Wake et al., "
AC LOSS IN ENERGY DOUBLER MAGNETS", IEEE 15, 141,
1979 参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の超
電導ケーブルにおいては、素線間の結合電流が流れるこ
とによって大きな結合損失が生じる。結合損失は、一般
に、結合電流が減衰する割合を示す時定数τに比例す
る。時定数τは下式 τ=μo /2r(lp/2π)2 ………(1) で表わされる。上式(1)において、μo は真空の透磁
率を、rは結合電流経路の抵抗値(以下、「等価抵抗
値」という。)を、lpはツイストピッチを、それぞれ
表わしている。
【0007】等価抵抗値rは、素線間の接触抵抗、接触
面積、あるいは介在する材料の抵抗値などによって決ま
る値である。従来の超電導素線のように、表面処理が施
されていない場合や、比抵抗値2.0×10-9Ωm程度
と抵抗値の小さいSn−Ag合金の被膜で被覆された場
合には、等価抵抗値が小さくなり、時定数τが低下する
ので、結合損失が大きくなる。特にパルス通電や交流通
電が行われた場合には結合損失は大きくなる。この結合
損失がある値よりも大きくなると、超電導ケーブルを巻
回して構成した超電導コイルがクエンチする可能性が増
加する。
【0008】一方、超電導ケーブルとしては、超電導素
線の表面にエナメル塗布処理が施され絶縁被膜が形成さ
れて構成されたものや、超電導素線の表面に黒化処理が
施され被膜が形成されて構成されたものなどもあるが、
複数の素線をケーブリングしたものにこれらのエナメル
絶縁処理や黒化処理を施すと、電流ターミナルのジョイ
ント抵抗や素線間のインダクタンスの差により生じた電
流の不均一分配がなされたままとなり、良好な臨界電流
値が得られない。また、すべての素線表面にエナメル絶
縁処理や黒化処理を行うと、素線間の抵抗が大きくなり
すぎるため、不均一分配された電流の再配分が行われな
くなる。
【0009】したがって本発明の目的は、結合損失が小
さく、素線間の電流再配分が可能な被膜で被覆された超
電導素線により構成された超電導ケーブル及びこの超電
導ケーブルを用いた複合超電導導体を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明のうちの第1の発明に係る超電導ケーブル
は、Sn−Ag−In合金又はSn−In合金により被
覆された超電導素線を備えて構成される。
【0011】上記において、前記超電導素線は、黒化処
理が施された超電導素線とSn−Ag−In合金又はS
n−In合金により被覆された超電導素線とを交互に配
列して構成してもよいし、前記超電導素線をラザフォー
ド撚りしてもよい。また、第1の発明において、前記I
nの重量比をxパーセントとし、m,nを0<m<1,
0<n<1,m+n=1なる実数としたとき、前記Sn
−Ag−In合金を、重量比(96.5−mx)パーセ
ントのSnと、重量比(3.5−nx)パーセントのA
gと、重量比xパーセントのInとからなるように構成
し、前記Sn−In合金を、重量比(100−x)パー
セントのSnと、重量比xパーセントのInとからなる
ように構成してもよく、前記重量比xパーセントを0<
x≦15の範囲内の値に設定してもよい。
【0012】また、本発明のうちの第3の発明に係る複
合超電導導体は、複数の超電導素線からなる超電導ケー
ブルを安定化Cu内に収納しハンダ中に埋設してなる複
合超電導導体において、前記超電導素線をSn−Ag−
In合金又はSn−In合金により被覆して構成され
る。
【0013】
【作用】上記構成を有する本発明によれば、超電導素線
を被覆する被膜として、従来のSn−Ag合金のかわり
に、Sn−Ag−In合金又はSn−In合金、あるい
はSn−Ag−In合金又はSn−In合金に他の元素
を添加したものを用い、それで一部又は全部の超電導素
線の表面を被覆したので、4.2Kでの比抵抗が大きく
なる。これにより、等価抵抗値が増加し、結合損失の時
定数が低下するので、超電導素線の結合損失が低減され
る。また、素線間の抵抗が大きくなりすぎることはない
ため、不均一分配された電流の再配分が行われる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。図1には、本発明の一実施例である超電導ケー
ブルの断面の構成が示されている。図1に示すように、
この超電導ケーブル1は、表面がSn−3.5%Ag−
5%In合金の被膜3で被覆された超電導素線2aと、
表面酸化処理(黒化処理)を施した被膜4が形成された
超電導素線2bが交互に配列され、素線群の中心にステ
ンレス鋼材やカプトンテープなどからなる芯材6が配置
されて構成されている。ここに、Sn−3.5%Ag−
5%In合金とは、Sn−3.5%Ag合金(96.5
重量%(以下、「w%」という。)のSnと3.5w%
のInとからなる合金)に5w%のInを添加して構成
された合金であり、94重量%のSnと、1w%のAg
と、5w%のInとからなる。
【0015】超電導素線2a又は2bは、公知の超電導
材料で形成されるが、例えばNi−Tiフィラメントや
Nb3 SnフィラメントなどがCuのマトリックス内に
多数分散配置されている。
【0016】次に、超電導ケーブル1の製造手順につい
て説明する。まず、ラザフォード型等に撚られた超電導
素線を用意し、その中の複数本の表面にフラックスを塗
布する。次に、そのフラックスが塗布された超電導素線
を加熱され溶融したSn−3.5%Ag−5%In合金
で満たされた溶融合金槽に通すことにより、超電導素線
の表面にSn−3.5%Ag−5%In合金からなる被
覆を形成する。一方、残余の超電導素線の表面を黒染液
で酸化処理して黒化した被膜4で被覆されたものを作製
する。次に、表面が黒化処理された超電導素線2bと、
Sn−3.5%Ag−5%In合金被膜3で被覆された
超電導素線2aとをステンレス鋼材やカプトンテープな
どからなる芯材6を中心にして交互に配列した形に撚り
線して超電導ケーブル1を形成する。
【0017】上記のSn−3.5%Ag−5%In合金
のかわりにSn−5%In合金を用いてもよい。Sn−
5%In合金とは、95w%のSnと5w%のInとか
らなる合金である。
【0018】次に、本発明の第2実施例を図面にもとづ
いて説明する。図2には、本発明の第2実施例である複
合超電導導体の断面の構成が示されている。図2(A)
に示すように、この複合超電導導体11は、「ケーブル
・イン・コンジット」型複合超電導導体であり、SuS
(ステンレス鋼材)からなる中空管状のコンジット16
内に12個のU字状の安定化Cu材14a及び2個の安
定化Cu材14bが配設され、これらの安定化Cu材に
囲まれた空間内に収納された超電導ケーブル15がSn
−3.5%Ag−5%In合金13中に埋設され、U字
状に形成された安定化Cu材14aの溝19内に超臨界
ヘリウムが強制的に流されることにより超電導ケーブル
15が超電導状態に維持されるように構成されている。
【0019】また、図2(B)に示すように、超電導ケ
ーブル15は、複数の超電導素線12を撚り、例えばC
u−Sn合金などからなる被覆体17で被覆したもので
あり、この例においてはこの超電導ケーブル15を超電
導素線と見做すことができる。超電導素線12は、上記
の第1実施例における超電導素線と同様に、表面酸化処
理(黒化処理)を施した超電導素線と表面酸化処理が施
されていない超電導素線とを交互に配列して構成されて
いてもよい。
【0020】この複合超電導導体11は、コンジット材
料としてステンレス鋼材を使用しているので、導体とし
ての機械的強度が向上している。
【0021】複合超電導導体11の製造手順について説
明する。まず、複数の超電導素線12を被覆体17で被
覆した超電導ケーブル15を作製し、その複数本を撚り
線して全体を平角状に形成する。次に安定化材14a及
び14bにより形成される収納空間内に、前に形成した
平角状のものを収納して収納体を作製する。次に、この
収納体の収納空間内に溶融したSn−3.5%Ag−5
%In合金13を充填することにより収納体の収納空間
内の複数の超電導ケーブル15をSn−3.5%Ag−
5%I合金13の中に埋設する。
【0022】次に、上記のSn−3.5%Ag−5%I
n合金の比抵抗を測定した結果について説明する。比抵
抗は、図3に示す比抵抗測定装置により測定された。図
3に示すように、この比抵抗測定装置60は、有底筒状
の第1容器61と、第1容器61を収納するように配置
された有底筒状の第2容器62と、第2容器62を収納
するように配置された有底筒状の第3容器63を備えて
いる。
【0023】第1容器61内には、リング状のバックグ
ラウンドマグネット66が配置され、比抵抗を測定する
被検体67が先端部に無誘導巻きされた支持具68がバ
ックグラウンドマグネット66の中央開口内に挿入され
ている。第1容器61の内部には液体ヘリウム64が充
填され、被検体67及びバックグラウンドマグネット6
6は液体ヘリウム64中に浸漬されている。第1容器6
1の開口部には断熱性の良い蓋73が装着されている。
したがって、第1容器61と第2容器62と第3容器6
3と蓋73,74により断熱容器が構成されている。
【0024】第2容器62の側面は二重構造となってお
り、その内部には液体窒素65が充填されている。ま
た、第1容器61と第2容器62との間、及び第2容器
62と第3容器63との間には真空層69が設けられて
いる。そして、第2容器62及び第3容器63の開口部
には断熱性の良い蓋74が装着されている。
【0025】支持具68の先端部にコイル状に巻かれた
被検体67の一端には導線75が接続され、他端には導
線76が接続されている。導線76には電源72が接続
し、導線76はシャント抵抗71を介して電源72に接
続している。シャント抵抗71の両端にはX−Yレコー
ダ70が接続している。
【0026】次に測定方法について説明する。まず、電
源72から導線75及び76を介して被検体67に電流
を通電する。このときの電圧はシャント抵抗71の両端
からX−Yレコーダ70が測定する。最大通電電流値を
I(単位:A)としたときの発生電圧をV(単位:V)
とし、被検体67の長さをL(単位:m)とし、被検体
67の断面積をSとすると、比抵抗ρ(単位:Ωm)
は、下式 ρ=V・S/I・L ………(2) で表わされる。比抵抗測定は、通電電流値Iが10Aの
場合について行い、4.2Kでかつ4.3Tにおける値
を求めた。
【0027】その測定結果を図4に示す。図4に示すよ
うに、この測定では、InがSn−Ag合金に0〜15
w%添加された場合についての比抵抗と、InがSnに
0〜15w%添加された場合についての比抵抗とを、そ
れぞれ求めた。
【0028】その結果、InがSn−Ag合金に添加さ
れる場合もInがSnに添加される場合も、0〜10w
%までは添加濃度を上げると、Inが添加されない場合
よりも比抵抗が増加するが、ほぼ10w%を境界として
添加濃度を上げると比抵抗が低下することがわかった。
比抵抗が増大すれば等価抵抗値が増大し、その結果結合
損失の時定数が低下するので、超電導素線の結合損失は
低減される。
【0029】しかし、InがSn−Ag合金に添加され
る場合もInがSnに添加される場合も、境界点(10
w%)を越えてIn添加濃度を増加させた場合でも、比
抵抗の値はInが添加されない場合の値(図4の縦軸上
における値)よりも5倍程度大きいことがわかる。した
がって、いずれの場合も、In添加濃度xが0<x≦1
5w%の範囲が比抵抗の増大について有効な範囲である
ことがわかった。
【0030】Inの添加濃度をx(w%)とすると、I
nを添加する分だけSnとAg、又はSnの組成比を減
じる必要がある。Inが添加される前の組成が96.5
%Sn−3.5%Ag合金の場合は、SnとAgの両者
から均等に減じることにすれば、生成されるSn−Ag
−In合金は、重量比(96.5−x/2)パーセント
のSnと、重量比(3.5−x/2)パーセントのAg
と、重量比xパーセントのInからなる。
【0031】しかし、一般には、m,nを0<m<1,
0<n<1,m+n=1なる実数とし、この範囲内でS
nとAgの両者から減じることにすれば、生成されるハ
ンダは、重量比(96.5−mx)パーセントのSn
と、重量比(3.5−nx)パーセントのAgと、重量
比xパーセントのInからなる。
【0032】また、Inが添加される前の組成がSnの
場合は、生成されるSn−In合金は、重量比(100
−x)パーセントのSnと、重量比xパーセントのIn
からなる。
【0033】上記に加え、添加される元素がさらに多い
場合であっても結合損失低減に有効である組み合せが存
在すると考えられる。
【0034】次に、上記のようにSn−Ag合金又はS
nにInを添加して構成された合金の結合損失を測定し
た結果について説明する。結合損失は、図5に示す結合
損失測定装置により測定された。図5に示すように、こ
の結合損失測定装置は、有底筒状の断熱容器81を備
え、断熱容器81内には、リング状のバックグラウンド
マグネット84が配置され、結合損失が測定される被検
体85及び被検体の回りに巻回されたピックアップコイ
ル86がバックグラウンドマグネット84の中央開口内
に挿入されている。断熱容器81の内部には液体ヘリウ
ム82が充填され、被検体85及びピックアップコイル
86及びバックグラウンドマグネット84は液体ヘリウ
ム82中に浸漬されている。断熱容器81の開口部には
断熱性の良い蓋83が装着されている。
【0035】被検体86の回りに巻回されたピックアッ
プコイル86の一端には導線88が接続され、他端には
導線89が接続されている。各導線88,89の他端は
シャント抵抗90に接続している。シャント抵抗90の
タップ出力線は積分器87に接続している。バックグラ
ウンドマグネット84には、図示しない電源と制御装置
が接続している。
【0036】次に測定方法について説明する。まず、図
示しない電源と制御装置により、バックグラウンドマグ
ネット84のバックグラウンド磁界を変動させる。この
磁界変動により被検体85に誘発される電圧をピックア
ップコイル86により検出する。ピックアップコイル8
6で検出された電流は、導線88,89によりシャント
抵抗90に通電され、電圧として積分器87に入力され
る。積分器87はこの入力を磁束変換することにより被
検体85の結合損失を求める。
【0037】その測定結果を表1に示す。
【表1】
【0038】表1に示すように、Sn−Ag−In合金
の場合も、Sn−In合金の場合も、結合損失の値は、
Inが添加されない場合の値(表1のSn−3.5Ag
における値)よりも小さく、70%程度低減されること
が実証された。
【0039】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではない。上記実施例は、例示であり、本発明の特
許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な
構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる
ものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0040】例えば、ケーブル・イン・コンジット型超
電導導体に構成した場合に、表面がSn−Ag−In合
金又はSn−In合金の被膜で被覆された超電導素線の
複数本を中空管状のコンジット内に比較的粗に挿入した
ような構成としても差支えない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
超電導ケーブルを構成する超電導素線を、Sn−Ag−
In合金又はSn−In合金で被覆したり表面に酸化処
理を施し超電導素線の結合損失を低減させるようにした
ので、超電導ケーブルを巻回して構成した超電導コイル
がクエンチする可能性を減少させることができる。ま
た、素線間の抵抗が大きくなりすぎることはなく不均一
分配された電流の再配分が行われるので、超電導ケーブ
ルを巻回して構成した超電導コイルの臨界電流値が良好
となる。また、ケーブル・イン・コンジット型複合超電
導導体に構成した場合には、素線間の結合電流時定数を
小さくするために従来行われていた超電導素線表面への
Crメッキが不要となるので、高価なCrメッキにかか
るコストが低減され、経済的にも有利なものとすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である超電導ケーブルの断
面の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2実施例である複合超電導導体の断
面の構成を示す斜視図である。
【図3】図1又は図2に示す超電導ケーブルの比抵抗を
測定する方法を説明する図である。
【図4】図1又は図2に示す超電導ケーブルを形成する
Sn-3.4%Ag-5%In合金及びSn-3.5%In 合金の4.2K,
4.3Tにおける比抵抗を示す特性図である。
【図5】図1又は図2に示す超電導ケーブルの結合損失
を測定する方法を説明する図である。
【図6】超電導ケーブルの従来例の構成を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 超電導ケーブル 2a,2b 超電導素線 3 被膜 4 黒化処理被膜 6 芯材 11 複合超電導導体 12 超電導素線 13 Sn−3.5%Ag−5%In合金 14a,14b 安定化Cu材 15 超電導ケーブル 16 コンジット 17 被覆体 19 溝 21 超電導ケーブル 22a,22b 超電導素線 23 被膜 24 黒化処理被膜 26 芯材 60 比抵抗測定装置 61 第1容器 62 第2容器 63 第3容器 64 液体ヘリウム 65 液体窒素 66 バックグラウンドマグネット 67 被検体 68 支持具 69 真空層 70 X−Yレコーダ 71 シャント抵抗 72 電源 73,74 蓋 75〜78 導線 80 結合損失測定装置 81 断熱容器 82 液体ヘリウム 83 蓋 84 バックグラウンドマグネット 85 被検体 86 ピックアップコイル 87 積分器 88,89 導線 90 シャント抵抗

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sn−Ag−In合金又はSn−In合
    金により被覆された超電導素線を備えたことを特徴とす
    る超電導ケーブル。
  2. 【請求項2】 表面処理が施された超電導素線とSn−
    Ag−In合金又はSn−In合金により被覆された超
    電導素線とが交互に配列されて構成されたことを特徴と
    する請求項1記載の超電導ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記超電導素線はラザフォード撚りされ
    ていることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の
    超電導ケーブル。
  4. 【請求項4】 前記Inの重量比をxパーセントとし、
    m,nを0<m<1,0<n<1,m+n=1なる実数
    としたとき、 前記Sn−Ag−In合金は、重量比(96.5−m
    x)パーセントのSnと、重量比(3.5−nx)パー
    セントのAgと、重量比xパーセントのInとからな
    り、 前記Sn−In合金は、重量比(100−x)パ
    ーセントのSnと、重量比xパーセントのInとからな
    ることを特徴とする請求項1記載の超電導ケーブル。
  5. 【請求項5】 前記重量比xパーセントは0<x≦15
    の範囲内の値であることを特徴とする請求項5記載の超
    電導ケーブル。
  6. 【請求項6】 複数の超電導素線からなる超電導ケーブ
    ルを安定化Cu内に収納しハンダ中に埋設してなる複合
    超電導導体において、 前記超電導素線はSn−Ag−In合金又はSn−In
    合金により被覆されたことを特徴とする複合超電導導
    体。
JP6235615A 1994-09-29 1994-09-29 超電導ケーブル及び複合超電導導体 Pending JPH08102224A (ja)

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JP6235615A Pending JPH08102224A (ja) 1994-09-29 1994-09-29 超電導ケーブル及び複合超電導導体

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JP (1) JPH08102224A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109628870A (zh) * 2019-01-22 2019-04-16 陶乐敏 一种环保型无铅合金材料及其加工工艺

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