JPH08100662A - ミラーサイクルエンジン - Google Patents

ミラーサイクルエンジン

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JPH08100662A
JPH08100662A JP6262094A JP26209494A JPH08100662A JP H08100662 A JPH08100662 A JP H08100662A JP 6262094 A JP6262094 A JP 6262094A JP 26209494 A JP26209494 A JP 26209494A JP H08100662 A JPH08100662 A JP H08100662A
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JP
Japan
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engine
intake
valve
point
dead center
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JP6262094A
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Inventor
Hiroshi Kanesaka
弘 兼坂
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Kanesaka Gijutsu Kenkyusho KK
Original Assignee
Kanesaka Gijutsu Kenkyusho KK
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/32Miller cycle
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】吸気絞り損失を極力減少させて圧縮行程下死点
における給気の温度上昇を抑え、圧縮上死点温度を低下
させて燃焼温度を低くし、オツトーサイクルエンジンで
はノッキングを抑制し、且つ高出力化、高熱効率化を実
現し、ディーゼルエンジンではNOxの発生を防止し、
且つ熱負荷及び機械的負荷の低減を可能とするミラーサ
イクルエンジンを提供する。 【構成】吸、排気弁を備えたエンジン1の吸気通路3
に、エンジンの運転状態に応じて閉時期を吸気行程の下
死点前後に設定し得るロータリバルブ4を備え、吸気弁
17の閉時期を吸気行程下死点後60°乃至110°間
に設定したミラーサイクルエンジンであり、ポンピング
ロスを実質的にゼロに近付けてエンジンの圧縮温度を低
下させ、オットーサイクルエンジンでは高膨張比でもノ
ッキングの発生を抑制し、ディーゼルエンジンでは圧縮
圧力を低下させて圧縮温度を下げ、燃焼温度を低下して
NOxの発生を減少させ、低速時、高速時のいずれにお
いても高体積効率を維持し、高出力となるミラーサイク
ルエンジンを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はミラーサイクルエンジ
ン、殊に吸気弁、ロータリバルブによる吸気絞り損失を
極力減少させて絞り損失による圧縮行程下死点における
給気の温度上昇を抑え、圧縮上死点温度を低下させるこ
とによって燃焼温度を低くし、オツトーサイクルエンジ
ンではノッキングを抑制するとともに、高出力化、高熱
効率化を実現し、ディーゼルエンジンではNOxの発生
を防止し、且つ熱負荷及び機械的負荷の低減を可能とす
るミラーサイクルエンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆるミラーサイクルエンジンは、実
質的な圧縮比を低下させるために有効であるが、その方
式には吸気通路を吸気行程下死点前に閉じる「早閉じ」
方式と、 のため吸気行程下死点後に閉じる「遅閉
じ」方式とがある。前記「早閉じ」方式には、吸気弁そ
のものを「早閉じ」するものと、吸気弁の閉時期は通常
の如く吸気行程下死点後40°乃至60°にて閉じ、吸
気通路に設けたロータリバルブによって吸気通路を吸気
行程下死点前0°乃至90°にて閉じるものとがある。
また、前記「遅閉じ」方式では、吸気弁のみを吸気行程
下死点後60°乃至110°にて閉じることにより行な
われている。
【0003】まず、吸気弁による早閉じ方式について述
べると、吸気弁はその弁加速度を許容限界内に保つ必要
があり、クランク軸の回転とともに比較的緩やかに開弁
または閉弁しなければならず、従って閉弁前には吸気弁
の揚程は小さく、吸気路面積が狭くなったままで吸気行
程が行なわれることになり、吸気弁は吸気の流れを絞る
ことになる。即ち図4の点bにおいて吸気弁が閉じれ
ば、図5の点bからシリンダ内空気が断熱膨脹しつつ点
cの下死点に到り、ここから圧縮行程に入るが点dの圧
縮行程上死点には到らず、前記絞りによって実際は図5
の点線に示すごとく、点a−c−bで囲まれた面積分だ
けの絞り損失を発生し、該損失分だけエンジンの熱効率
を低下させるばかりでなく、前記絞り損失のエネルギは
点cにおける空気温度の上昇をもたらし、更にこれに引
続く圧縮行程上死点(図5の点d)の空気温度を高める
こととなるから、オツトーサイクルエンジンにおけるノ
ツキング発生に対する抑制方法としては充分でない。図
5の点bから断熱膨脹させるには、図4の点a、bを結
ぶ2点鎖線のごとく、吸気弁を時間ゼロで閉弁しなけれ
ばならず、理想的だが現実的ではない。また、弁揚程曲
線、即ち開弁面積は図4の細実線のごとく変化するが、
開弁面積×時間(クランク軸回転角度)は、開弁時期を
早めるほど減少し、エンジン回転速度の増加とともに、
絞り損失も図5の一点鎖線点を含むa−f−gで囲まれ
た面積yの分だけ更に増大する。これにより高速時のエ
ンジン性能を低下させるとともに、図5の点fで示され
る圧縮行程始めの温度や圧縮上死点温度を高め、ミラー
サイクル効果を減少させるだけでなく、ときにその欠点
を助長することすらあり、ミラーサイクルエンジンの普
及を妨げていた。また、これをディーゼルエンジンに応
用した場合、圧縮温度の上昇は燃焼温度の上昇となり、
NOxの発生量を増加するのみか、エンジン各部の温度
を上昇させ、熱応力増大の原因となり、これがミラーサ
イクルエンジンの普及を妨げていた。
【0004】またロータリバルブを使用した早閉じ方式
においては、後記し且つ図2に示すごとく、吸気通路3
における吸気弁17とロータリバルブ4との間にムダ容
積V2が必然的に存在し、図6の点bにおいてロータリ
バルブ4を早閉じしたとき、点bからの吸気行程におい
ては、シリンダ18内容積V1と前記ムダ容積V2とが、
図6の実線b−cに示すように同時に断熱膨張し、吸気
行程下死点cにおいて吸気弁17が閉じて圧縮行程に入
ったときには、シリンダ18内容積V1のみを圧縮して
実線c−e−dを辿って圧縮行程が進むこととなり、点
b−c−eで囲まれる面積はムダ仕事となる。更に、吸
気弁17による早閉じ方式と同様に絞り損失も発生し、
点a−c−eに囲まれた面積分だけ損失となる。そして
この絞り損失は、エンジン速度の増加と共に図6の一点
鎖線を含むa−f−bのごとく増加して、前記のごとく
エンジンの熱効率を低下せしめ、また吸気弁による早閉
じ方式と同様に図6の点dまたはhにて示されるエンジ
ンの圧縮温度を高めてノッキングへの抑制力を減少さ
せ、結果的にエンジンの高速性能を著しく低下せしめて
いるのが現状である。また、ディーゼルエンジンの場
合、前述の理由によってNOx発生の抑制力を減少させ
ている。
【0005】一方、吸気弁による遅閉じ方式は、図4の
太実線に示すように、吸気行程下死点後約70°まで吸
気弁が開弁しているので、図7に示す如く吸気行程下死
点まで吸気が行なわれ、図7の点bより圧縮行程が開始
されるが、開いている吸気弁17より一旦シリンダ18
内に吸入された空気がシリンダ18内で加熱されて再び
吸気通路3内に押し戻される結果、吸気通路3内に再排
出された空気の温度を上昇させるばかりか、このとき前
述の理由によって生ずる絞り損失が熱に変化して吸気通
路3内に押し戻された空気の温度を更に上昇させる。従
って、この高温度の空気が次の吸気行程においてシリン
ダ18内に吸入され、圧縮上死点の温度を必然的に上昇
せしめ、圧縮上死点の温度を下げることを目的の1つと
するミラーサイクルエンジンの意に反する結果となって
いた。また、エンジンの高速運転時には、図7の一点鎖
線に示すように、吸気行程下死点において慣性過給によ
る圧力の増加があり、さらにそれに引き続く圧縮行程に
おいて開弁している吸気弁17を経由して吸気通路3側
へ戻る空気の流出抵抗が増大し、図7の一点鎖線b−e
に示すようにシリンダ内圧力は増加する。このように、
高速運転においては圧縮圧力が増大する結果、実質上点
bから2点鎖線を辿って点b−e−fと変化する圧縮行
程が行なわれることになり、ミラーサイクルによって図
7の点cから圧縮を開始し、実線のように点dまで変化
させて圧縮圧力及び圧縮温度を下げるという本来の目的
から甚だしく逸脱してしまっているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如き従
来のミラーサイクルエンジンのもっていた欠点を改善す
ることを課題として案出されたもので、従来のミラーサ
イクルエンジンにおいて発生していた前記ポンピングロ
スを実質的にゼロに近付け、これによってエンジンの圧
縮温度を低下せしめ、オットーサイクルエンジンにあっ
ては高膨張比においてもノッキングの発生を抑制し、デ
ィーゼルエンジンにあっては圧縮圧力を低下させて圧縮
温度を下げ、これによって燃焼温度を低下してNOxの
発生を減少させるとともに、低速時、高速時のいずれに
おいても高体積効率を維持し、高出力となし得るミラー
サイクルエンジンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明ミラーサイクルエンジンは、吸、排気弁を備え
たエンジンの吸気通路に、エンジンの運転状態に応じ
て、即ちオットーサイクルエンジンにおける高負荷時に
おいてはノッキングに応じて、またその他の負荷時にお
いては負荷に応じて、更にディーゼルエンジンにおいて
は過給機よりの給気圧力に応じて閉時期を吸気行程の下
死点前後に設定し得るロータリバルブを備えると共に、
前記吸気弁の閉時期を吸気行程下死点後60°乃至11
0°間に設定したことを特徴とする。
【0008】
【作 用】上記構成になる本発明ミラーサイクルエンジ
ンにおいては、例えば「早閉じのロータリバルブ」と
「遲閉じの吸気弁」とすることによって、ロータリバル
ブは吸気行程において図8の点cにおいて閉じるが、引
続く吸気行程において吸気弁は開いているから前記シリ
ンダ内容積V1と前記ムダ容積V2の合計した容積が膨張
し、下死点における圧力は点fより高い点bとなり、こ
こから圧縮行程となる。 圧縮行程に入っても、なお遲
閉じの吸気弁は開弁しているから、前記容積V1+V2
圧縮しつづけ低い圧縮比で点eに向けて圧力を高める
が、点cにおいて吸気弁は閉じ、これ以降は前記シリン
ダ内容積V1のみを圧縮することになり、点cから点d
にて圧縮行程を完了する。この点dにて示される圧縮上
死点圧力は、従来公知のロータリバルブ早閉じ形におけ
る圧縮上死点圧力と同一であるが、ロータリバルブのみ
の早閉じ方式では、ロータリバルブの閉じ時期は点cで
はなく点gで閉じて前記容積v1+v2が膨張することに
なり、点gより点線を辿って点fまで膨張する。点fか
らは前記容積v1のみが圧縮され、点cを経て点dにま
で圧縮されることになり、この場合の開弁の有効面積は
図8の右下がりの斜線を施した部分によって表される。
一方、本発明の方式では、前述の如く点cでロータリバ
ルブを閉じることとなり、図8の上の横線を付された部
分のように有効面積は増大する。したがって、ロータリ
バルブ4にて発生する絞り損失が減少するのみでなく、
このとき発生するポンピングロスは図8の下の点a−b
−cで囲まれた面積で表され、これは明らかに従来の点
a−f−gで囲まれた面積のポンピングロスより小さ
く、ポンピングロスによる下死点の点bの温度は点fの
温度より低く、圧縮上死点温度、即ち点dの温度を低下
させる。
【0009】
【実施例】図1は本発明実施例の全体構成図で、本発明
エンジン1はクランク軸2によりトランスミッション等
(図示せず)を介して負荷(これも図示せず)を駆動す
るが、該エンジン1の吸気通路3の途中にはロータリバ
ルブ4が介装されており、該ロータリバルブ4はクラン
クギヤ5、タイミングギヤ6により回転軸7を介して駆
動されるよう構成すると共に、前記回転軸7に介装され
た調整駒機構8、アクチュエータ9及びコントローラ1
0からなるバルブ開閉時期調整装置11によって開閉の
タイミングの調整がなされるようになっている。なお、
12はオットーサイクルエンジンとして用いられるエン
ジン1に設けたノックセンサで、ノッキングを検知して
これを信号線13で前記コントローラ10を経てアクチ
ュエータ9に伝達するものである。また、14は圧力セ
ンサで、給気圧力を検知してその信号は信号線15で前
記コントローラ10を経てアクチュエータ9に伝達され
る。
【0010】前記ロータリバルブ4は図2に示すよう
に、エンジン1の吸気通路3の途中に形成したバルブ体
16内にて、前記回転軸7と一体的に回転自在に支持さ
れている。7aはロータリバルブ4を回転軸7に固定す
るためのピンである。なお、ロータリバルブ4の弁開閉
期間は約90°づつに設定されている。ここで、回転軸
7は前記クランクギヤ5及びタイミングギヤ6によりク
ランク軸回転の1/2の速度で駆動されるように構成し
てあり、したがってロータリバルブ4の開弁期間は、吸
気弁17と同様クランク軸の回転角度で約180°とな
っている。なお、18はエンジン1のシリンダを示す。
前記バルブ開閉時期調整装置11は、図3に示すように
前記回転軸7を構成する一方のシャフト19の端部には
右ねじスプライン19aが形成され、また他方のシャフ
ト20の端部には前記右ねじスプライン19aに対向し
て左ねじスプライン20aが形成され、上記両スプライ
ン19a、20aにまたがって調整駒8の内面に形成し
た突起8aが係合されている。そして、調整駒8の外面
には凹部8bが形成され、該凹部8bに先端を嵌合した
調整レバー21を左右に動かすことにより、シャフト1
9に対してシャフト20が角変位してロータリバルブ4
の開閉時期を変化させることができる。
【0011】上記構成の本発明ミラーサイクルエンジン
の作用を、従来のものと比較しながら図8、9により説
明する。先ず、通常の吸気弁早閉じ方式のミラーサイク
ルエンジンでは、吸気行程上死点の点aより吸気を開始
し、点cにおいて吸気弁を閉じると、シリンダ内容積V
1のみが断熱膨張し、点fにおいて吸気行程下死点とな
る。引き続き点fより圧縮行程となり、断熱圧縮しつつ
点cで再び吸気状態の圧力及び温度となり、更に圧縮行
程が進んで点dにて圧縮行程上死点となる。このときの
有効開弁面積は図8上の左下がりの斜線を施した部分の
面積となり、この小さな面積により発生するポンピング
ロスは、図8の下の点a−f−cで囲まれた面積によっ
て表されるが、このロスによって点fの温度上昇を生ず
るのである。一方、ロータリバルブを用いた早閉じ方式
のミラーサイクルエンジンでは、吸気行程上死点の点a
より吸気を開始し、点gにおいてロータリバルブを閉じ
ると、前記容積V1及びV2がともに断熱膨張しながら吸
気行程が進行し、点fの下死点において吸気弁は閉じ、
点fからの圧縮行程においてはシリンダ内容積V1のみ
が圧縮され、点cで吸気圧力となり、点dで圧縮行程上
死点となる。上記吸気行程におけるシリンダ内圧力変化
は、前述した如くロータリバルブと吸気弁によって形成
される有効面積が図8の上の右下がりの斜線部により表
される面積であるから、ロータリバルブによって発生す
る絞りのため、図8の下の点a−f−gによって囲まれ
た面積分のポンピングロスを発生し、エンジンの熱効率
を低下させるのみか、これが熱に変わって点fの温度を
点cからの断熱膨張に比して上昇せしめ、これにより圧
縮行程上死点温度をも高め、オットーサイクルエンジン
ではノッキングの発生となり、またディーゼルエンジン
では燃焼温度を高めてNOx発生量の増加をもたらして
いたのである。
【0012】これに対し本発明ミラーサイクルエンジン
では、前記構成により、例えば「早閉じのロータリバル
ブ」と「遲閉じの吸気弁」とすることによって、ロータ
リバルブ4は吸気行程において図8の点cにおいて閉じ
るが、引続く吸気行程において吸気弁17は開いている
から前記シリンダ18内容積V1と前記ムダ容積V2の合
計した容積が膨張し、下死点における圧力は点fより高
い点bとなり、ここから圧縮行程となる。圧縮行程に入
っても、なお遲閉じの吸気弁17は開弁しているから、
前記容積V1+V2を圧縮しつづけ低い圧縮比で点eに向
けて圧力を高めるが、点cにおいて吸気弁17は閉じ、
これ以降は前記シリンダ18内容積V1のみを圧縮する
ことになり、点cから点dにて圧縮行程を完了する。こ
の点dにて示される圧縮上死点圧力は、従来公知のロー
タリバルブ早閉じ形における圧縮上死点圧力と同一であ
るが、ロータリバルブ4の閉じ時期が図8の点gから点
cとなり、図8の上の横線を付された部分のように有効
面積は増大する。したがって、ロータリバルブ4にて発
生する絞り損失が減少するのみでなく、このとき発生す
るポンピングロスは図8の下の点a−b−cで囲まれた
面積で表され、これは明らかに従来のものより小さく、
ポンピングロスによる下死点の点bの温度は点fの温度
より低く、圧縮上死点温度、即ち点dの温度を低下させ
ているのである。なお、図8において一点鎖線b−i
は、下死点bよりシリンダ内空気v1のみを圧縮したと
きの圧力変化状態を示し、点hで吸気圧力と同じになる
ことを表していて、線c−hで示される容積は前記ムダ
容積V2側に再排出されるが、遲閉じの場合の線c−j
間の量に比して少なく、熱いシリンダ18内から吸気側
への再排出による吸気通路3内空気の温度の上昇は小さ
い。また、吸気弁17が遲閉じであっても、ロータリバ
ルブ4が早閉じであれば、高速時に問題となる慣性過給
の発生もない。したがって、従来公知の早閉じ又は遲閉
じのミラーサイクルエンジンに比し、絞り損失、ポンピ
ングロスとも少なくして圧縮温度を下げ、ノッキングを
防止し、NOxの発生を抑制し得るのである。
【0013】図9は、ロータリバルブ4の閉時期と吸気
弁17の閉時期とが一致しない場合を図示したもので、
図9の上は、吸気弁17の閉時期が例えば下死点後70
°であるのに対し、ロータリバルブ4の閉時期が例えば
下死点前30°の場合を示すが、点aより吸気を開始し
て点cにてロータリバルブ4を閉じ、点bの下死点より
圧縮行程に入って点dにて吸気弁17を閉じても、図9
上の1点鎖線に示すように、例えばロータリバルブ4を
下死点前90°の点hで閉じることによって、ポンピン
グロスは従来公知のミラーサイクルエンジンと比較して
図9の上では点a−b−cで囲まれた面積となり、公知
の1点鎖線の点a−f−gで囲まれた面積より小さいこ
とが明らかである。同様に図9の下に示した如き、吸気
弁17の閉じ時期が下死点後90°であるのに対しロー
タリバルブ4の閉じ時期が下死点前120°の場合で
も、点a’−b’−d’−c’で囲まれた面積の方が点
a’−f’−g’で囲まれた面積より小さいことも明白
であり、いずれの場合もポンピングロスを小さくし、ミ
ラーサイクルエンジンの性能を高めている。
【0014】
【発明の効果】本発明ミラーサイクルエンジンは、吸、
排気弁を備えたエンジンの吸気通路に、エンジンの運転
状態に応じて閉時期を吸気行程の下死点前後に設定し得
るロータリバルブを備えると共に、前記吸気弁の閉時期
を吸気行程下死点後60°乃至110°間に設定したこ
とを特徴とするので、従来のミラーサイクルエンジンに
おいて発生していた前記ポンピングロスを実質的にゼロ
に近付け、これによってエンジンの圧縮温度を低下せし
め、オットーサイクルエンジンにあっては高膨張比にお
いてもノッキングの発生を抑制し、ディーゼルエンジン
にあっては圧縮圧力を低下させて圧縮温度を下げ、これ
によって燃焼温度を低下してNOxの発生を減少させる
とともに、低速時、高速時のいずれにおいても高体積効
率を維持し、高出力となし得るミラーサイクルエンジン
を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ミラーサイクルエンジンの全体構成図。
【図2】図1の要部詳細断面図。
【図3】本発明ミラーサイクルエンジンにおけるロータ
リバルブの開閉時期調整装置の断面図。
【図4】従来のミラーサイクルエンジンにおける吸気弁
及びロータリバルブによる閉じ時期の。制御方式をクラ
ンク軸回転角度と弁揚程即ち有効弁面積との関係で表し
た図
【図5】吸気弁の早閉じ方式により制御される従来のミ
ラーサイクルエンジンにおける行程容積−シリンダ内圧
力曲線図。
【図6】ロータリバルブの早閉じ方式により制御される
従来のミラーサイクルエンジンにおける行程容積−シリ
ンダ内圧力曲線図。
【図7】吸気弁の遅閉じ方式により制御される従来のミ
ラーサイクルエンジンにおける行程容積−シリンダ内圧
力曲線図。
【図8】本発明ミラーサイクルエンジンにおける吸気弁
及びロータリバルブによる閉じ時期の制御方式を、従来
方式と比較しつつクランク軸回転角度と弁揚程即ち有効
弁面積との関係で表した図及び本発明ミラーサイクルエ
ンジンにおける行程容積−シリンダ内圧力曲線図。
【図9】本発明ミラーサイクルエンジンの他の例におけ
る行程容積−シリンダ内圧力曲線図。 1;エンジン 2;クランク軸 3;吸気通路 4;ロータリバルブ 5;クランクギヤ 6;タイミングギヤ 7;回転軸 8;調整駒機構 9;アクチュエータ 10;コントローラ 11;バルブ開閉時期調整装置 12;ノックセンサ 13、15;信号線 14;圧力センサ 16;バルブ体 17;吸気弁 18;シリンダ 19、20;シャフト 21;調整レバー。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸、排気弁を備えたエンジンの吸気通路
    に、エンジンの運転状態に応じて閉時期を吸気行程の下
    死点前後に設定し得るロータリバルブを備えると共に、
    前記吸気弁の閉時期を吸気行程下死点後60°乃至11
    0°間に設定したことを特徴とするミラーサイクルエン
    ジン。
  2. 【請求項2】 前記エンジンの運転状態を負荷として捉
    えることを特徴とする請求項1記載のミラーサイクルエ
    ンジン。
  3. 【請求項3】 前記エンジンをオットーサイクルエンジ
    ンとし、且つエンジンの運転状態をノッキング発生とし
    て捉えることを特徴とする請求項1記載のミラーサイク
    ルエンジン。
  4. 【請求項4】 前記エンジンをディーゼルエンジンと
    し、且つエンジンの運転状態を許容最高圧力を越えぬ所
    定圧力として捉えることことを特徴とする請求項1記載
    のミラーサイクルエンジン。
JP6262094A 1994-09-30 1994-09-30 ミラーサイクルエンジン Pending JPH08100662A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000064923A (ja) * 1998-08-14 2000-03-03 Tokyo Gas Co Ltd 内燃機関
JP2002213244A (ja) * 2001-01-19 2002-07-31 Honda Motor Co Ltd 車両用自然吸気式内燃機関
US7823550B2 (en) 2007-07-30 2010-11-02 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Engine equipped with adjustable valve timing mechanism

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000064923A (ja) * 1998-08-14 2000-03-03 Tokyo Gas Co Ltd 内燃機関
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