JPH08100080A - 不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と非黒色補強性充填剤とからなるゴム組成物 - Google Patents

不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と非黒色補強性充填剤とからなるゴム組成物

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JPH08100080A
JPH08100080A JP6261365A JP26136594A JPH08100080A JP H08100080 A JPH08100080 A JP H08100080A JP 6261365 A JP6261365 A JP 6261365A JP 26136594 A JP26136594 A JP 26136594A JP H08100080 A JPH08100080 A JP H08100080A
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Takashi Tsuji
傑 辻
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも3個の第3級炭素原子およびその
少なくとも1個に直接結合した硫黄原子を有するアルキ
ルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当り
0.03モル以上の割合で分子内に有し、且つムーニー
粘度が15〜150である不飽和ニトリル−共役ジエン
共重合体と非黒色補強性充填剤とを含んでなるゴム組成
物。 【効果】 上記ゴム組成物は高速加硫性に優り、機械的
強度が高く、反発弾性に優り、且つ、金型汚染性が低
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体と非黒色補強性充填剤とを含んでなるゴム
組成物に関し、詳しくは、高速加硫性に優れ、良好な機
械的強度を有する、非黒色補強性充填剤が配合された不
飽和ニトリル−共役ジエン共重合体ゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、耐油性や耐熱性が要求される分野
において使用されているアクリロニトリル−ブタジエン
ゴム(以下、NBRと記す)の成型加工には、生産性、
合理性などの点から、射出成型が普及しており、最近で
は、その利用分野は防振ゴム、電気部品、自動車部品、
工業用品、はきものなど広範囲にわたっている。
【0003】NBRの射出成型には流動特性とともに、
高温かつ短時間の加硫によって高い架橋効率が得られる
こと、すなわち、高速加硫性が要求される。一般に、ゴ
ムの加硫は、加硫温度が高くなると加硫状態があまくな
る傾向にあり、そのために射出成型品は圧縮成型品と比
べて引張応力や反発弾性が劣るとされている(例えば、
日本ゴム協会誌第59巻第4号第214〜215頁19
86年)。
【0004】射出成型におけるNBRの高速加硫性を得
るために、例えば、NBRの分子中にカルボキシル基や
アミノ基などの官能基を導入する方法、適当な加硫促進
剤を配合する方法、NBRの乳化重合に際して使用する
乳化剤、凝固剤などの量を極力少なくしてNBR中のこ
れらの残存量を低減させる方法などの方法が提案されて
いる。しかしながら、このような従来提案された方法で
は、NBRの射出成型における高速加硫性が充分に達成
されないばかりか、耐寒性、圧縮永久歪などの他の特性
を損うという問題点がある。
【0005】さらに、高温での加硫がおこなわれるNB
Rの射出成型においては、いわゆる金型汚染が顕著であ
る。すなわち、NBRの成型において繰り返して使用す
る金型に次第に汚染物質が付着堆積し、その結果成形品
自体まで汚染され、表面状態の優れた成形品が得られな
くなる。そのため一定の周期で金型の清掃を行なわねば
ならず、この清掃には多大の時間と経費がかかり、生産
性を低下させる大きな原因となっている。
【0006】このような金型汚染を防止するためにタル
ク、チオ硫酸ナトリウム、カーボンワックスあるいはシ
リコンオイルなどを配合する方法が知られているが、汎
用の市販NBRにこれらの手法を用いても、特に射出成
型のような高温高速加硫の場合には、ほとんど効果が見
られないことが多い。
【0007】ところで、NBRの補強剤としては、カー
ボンブラックが最もすぐれたものとして用いられている
が、例えば、白色または着色ゴム製品用途ではカーボン
ブラック以外の無機補強剤が用いられている。しかしな
がら、NBRに対する無機補強剤の補強効果は、カーボ
ンブラックのそれと比較して、小さく、無機補強剤によ
ってはむしろ機械的強度が低下する場合もあり、かかる
強度低下の問題を解決する必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような事情に鑑
み、本発明の目的は、特に射出成型用途において望まれ
ている高速加硫適性に優れ、良好な機械的強度、反発弾
性および耐金型汚染性を有する不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体と非黒色補強性充填剤とを含有するゴム組
成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明の
ゴム組成物、すなわち、少なくとも3個の第3級炭素原
子およびその中の少なくとも1個の第3級炭素原子に直
接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキ
ルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当り
0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度
が15〜150、である不飽和ニトリル−共役ジエン共
重合体と非黒色補強性充填剤とを含んでなるゴム組成物
によって達成される。
【0010】本発明で使用するの不飽和ニトリル−共役
ジエン共重合体は、少くとも3個の第3級炭素原子およ
びその中の少くとも1個の第3級炭素原子に直接結合し
た硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基
を分子内に有する不飽和ニトリルと共役ジエンとの共重
合体であって、ムーニー粘度が15〜150、好ましく
は20〜90である。ムーニー粘度が15未満では、強
度の低い成型体しか得られず、また、射出成型において
は多量のばりが発生するなどの問題があり、好ましくな
い。150を超えた場合は粘度が増大し、射出成型のみ
ならず成型が困難となる。
【0011】また、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合
体は、好ましくは数平均分子量35,000以下の成分
を3〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%含有
する。数平均分子量35,000以下の成分の含有量が
過度に高いと機械的強度が低下する。また、過度に低い
場合は加工性が不良となる。数平均分子量35,000
以下の成分を適当量含有せしめることによって良好な機
械的強度を維持したまま加工性を改善することができ
る。また、上記不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体の
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)は、通常2.3〜5.5、好ましくは
2.7〜4である。Mw/Mnが過度に大きいと、たと
え数平均分子量35,000以下の成分が適量含有され
ていても加工性が不良である。
【0012】共重合体中の結合不飽和ニトリル単位の含
有量は好ましくは10〜60重量%、より好ましくは2
0〜50重量%である。また、不飽和ニトリルの組成分
布幅(△AN)は3〜20であることが好ましく、より
好ましくは5〜15である。△ANが過度に大きい場合
は耐油性と耐寒性とのバランスが不良となる。結合不飽
和ニトリルの量を10〜60重量%とし、且つ△ANを
3〜20とすることによって、高速硫黄加硫性、機械的
強度、反発弾性、耐金型汚染性の他に、耐油性と耐寒性
とのバランスに優れたゴム組成物を得ることができる。
【0013】不飽和ニトリルの具体例としては、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロ
ニトリルなどが挙げられる。共役ジエンとしては、1,
3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
【0014】また、本発明によって得られる効果が損な
われない範囲で、これらの単量体以外に全単量体の一部
を必要に応じて他の共重合可能な単量体で置き換えるこ
とも可能である。他の共重合可能な単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどのビ
ニル系単量体;ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン、1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエン系単量
体;(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸系単量
体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルな
どの不飽和カルボン酸エステル系単量体;さらに、ポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコール(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなど
が挙げられる。これらは通常、全単量体中に10重量%
以下の範囲で使用することができる。
【0015】不飽和ニトリルと共役ジエンとの共重合体
ゴムの中でも結合アクリロニトリル含量10〜60重量
%、特に20〜50重量%のアクリロニトリル−ブタジ
エンゴム(以下、NBRと記す)が好ましく、低ニトリ
ル量ないし極高ニトリル量の範囲の通常市販されている
ものが使用でき、要求性能に応じて最適の結合アクリロ
ニトリル含量のNBRが選択される。
【0016】本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体が分子中に有する、少くとも3個の第3級
炭素原子およびその中の少くとも1個の第3級炭素原子
に直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のア
ルキルチオ基としては、1,1−ジ(2,2−ジメチル
プロピル)−1−エチルチオ基および1,1−ジ(2,
2−ジメチルプロピル)−1−(2,2,4,4−テト
ラメチルペンチル)−1−エチルチオ基が挙げられ、こ
れらは単独でまたは両者が組合されて1分子中に含まれ
得る。中でも、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピ
ル)−1−エチルチオ基が特に好ましい。
【0017】本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体の分子内には、分子を構成する単量体単位
100モル当り、上記のアルキルチオ基が0.03モル
以上、好ましくは0.07モル以上、さらに好ましくは
0.09モル以上存在する。また、上記アルキルチオ基
の量は、通常0.3モル以下である。上記アルキルチオ
基の量が過度に低い場合は、射出成型のような高温短時
間の加硫において高い架橋効率が得られず、そのために
成型体の引張応力や反発弾性が改良されず目的とする高
速加硫が達成されない。また、該アルキルチオ基の量が
高くなるにつれてスコーチ時間(T5 )の短縮が顕著と
なり、さらに、金型汚染性も大幅に改良されることか
ら、生産性の高い射出成型が可能となる。特に0.09
モル以上の場合は架橋効率が大巾に改善され、オシレー
ティング・デイスクレオメータを用いて測定した加硫曲
線における最大トルクが飛躍的に増大する。
【0018】本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体は、ラジカル重合開始剤の存在下、分子量
調整剤として、少くとも3個の第3級炭素原子およびそ
の中の少くとも1個の第3級炭素原子に直接結合したチ
オール基を有する炭素数12〜16のアルキルチオール
化合物を使用して不飽和ニトリルと共役ジエンとを共重
合することによって製造される。
【0019】上記のような分子量調整剤を用いるラジカ
ル重合において、全単量体量の30〜90重量%の存在
下に重合を開始し、さらに重合転化率が20〜70%に
達した時点で単量体の残量を重合系に添加しつつ、不飽
和ニトリルと共役ジエンとをラジカル重合する手法を採
ることができる。このような分割添加法によれば、耐油
性と耐寒性とのバランスに優れた結合不飽和ニトリル量
10〜60重量%、△AN3〜20の共重合体を有利に
得ることができる。
【0020】分割添加する単量体の種類および量は目的
とする結合不飽和ニトリル量および不飽和ニトリルの組
成分布幅(△AN)に応じて適宜選択される。例えば、
結合不飽和ニトリル量が37%未満の場合は一般に不飽
和ニトリルを重合途中で添加し、また、結合不飽和ニト
リル量が37%以上の場合は一般に共役ジエンを重合途
中で添加する。添加の回数は必要に応じて適宜決められ
る。使用するラジカル重合開始剤は、特に限定されるも
のではないが、通常は有機過酸化物、レドックス重合開
始剤系、アゾ系化合物、過硫酸塩などが用いられる。こ
れら重合開始剤の使用量は通常は単量体100重量部当
り0.005〜3重量部である。また、重合温度は0〜
100℃の範囲が好ましい。
【0021】本発明で使用するの不飽和ニトリル−共役
ジエン共重合体を製造する際に分子量調整剤として使用
するアルキルチオール化合物の具体例としては、2,
2′,4,6,6′−ペンタメチルヘプタン−4−チオ
ールおよび2,2′,4,6,6′,8,8′−ヘプタ
メチルノナン−4−チオールが挙げられる。なかでも、
2,2′,4,6,6′−ペンタメチルヘプタン−4−
チオールが特に好ましく、該チオール化合物を使用して
製造した不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体は高速加
硫性が極めて良好である。
【0022】不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を製
造する際に、分子量調整剤として使用する該アルキルチ
オール化合物は、それぞれ単独であるいは組合せて使用
することができる。また、必要に応じて、従来、ラジカ
ル重合において分子量調整剤として知られている他の化
合物と併用することも可能である。この場合、該アルキ
ルチオール化合物は使用する分子量調整剤全重量の少く
とも50重量%以上、好ましくは80重量%以上、さら
に好ましくは95重量%以上含有されるべきである。
【0023】ラジカル重合において分子量調整剤として
知られている他の化合物としては、2,4,4−トリメ
チルペンタン−2−チオール、ドデカン−12−チオー
ル、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−4−メタ
ンチオール、2,4,6−トリメチルノナン−4−チオ
ールなどのアルキルチオール化合物類;ジメチルキサン
トゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィ
ド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキ
サントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジス
ルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラ
ブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィ
ド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化
水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;およ
びアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、
2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレ
ン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α
−メチルスチレンダイマー(2−4−ジフェニル−4−
メチル−1−ペンテンが50重量%以上のものが好まし
い)、2,5−ジヒドロフラン、3,6−ジヒドロ−2
H−ピン、フタラン、1,2−ブタジエン、1,4−ヘ
キサジエンなどを挙げることができる。
【0024】ラジカル重合に際して使用する分子量調整
剤の使用量は、通常、共重合に供される単量体混合物1
00重量部に対し、0.05〜3重量部、好ましくは
0.1〜1重量部であり、この範囲の使用量が、得られ
る共重合体の分子量を調節するうえで有利である。分子
量調整剤を重合途中で分割添加することによって、Mn
35,000未満の低分子量成分を3〜20重量%含む
上記の好ましい重合体を得ることができ、この重合体は
良好な加工性を有する。一般に、分子量調整剤の全使用
量の10〜95重量%を重合前の単量体混合物中に含有
せしめ、さらに重合転化率が20〜70重量%に達した
時点で分子量調整剤の残量を重合系に添加することが好
ましい。添加の回数は必要に応じて適宜決められる。
【0025】また、別法として、分子量調整剤を重合過
程で分割添加する方法に依らずに、上記分子量調整剤を
用いて別途製造した分子量の異なる2種以上の共重合体
を混合して加工性のよい重合体を調整することもでき
る。
【0026】本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体の製造に際して、かかる特定のアルキルチ
オール化合物を分子量調整剤として使用することによ
り、ラジカル重合の重合転化率を75%以上、好ましく
は80%以上の高転化率とすることができ、その結果、
高い生産性で該ニトリル系ゴムを製造することができ
る。
【0027】一般にニトリル系ゴムのラジカル重合にお
いては、重合転化率が増大するほど分岐反応あるいはゲ
ル化反応が増加する。その結果、得られたニトリル系ゴ
ムを加硫剤によって加硫した場合には高い架橋効率を得
ることができず、引張り応力や反発弾性などの加硫物性
が低下する。従来、ニトリル系ゴムのラジカル重合にお
いて分子量調整剤として汎用されているt−ドデシルメ
ルカプタンは、炭素数9〜16を有するアルキルチオー
ル化合物の異性体の混合物であり、このような異性体の
混合物を分子量調整剤として使用して得られたニトリル
系ゴムは、射出成型などの高温短時間の加硫に際して、
充分な高速加硫性が得られない。
【0028】これに対して、分子量調整剤として上記の
アルキルチオール化合物を使用する製造方法によれば、
重合転化率を80%以上という高い値に設定しても、例
えば、オシレーティング・ディスク・レオメータを用い
て測定した加硫曲線における最大トルクが高い値を示す
など、高速加硫性に優れたニトリル系ゴムを得ることが
できる。なお、ラジカル重合の方法は特に限定されす、
バルク重合、溶液重合、懸濁重合あるいは乳化重合など
を必要に応じて適宜選択することができる。なかでも、
乳化重合が好適である。不飽和ニトリル−共役ジエン共
重合体を乳化重合によって製造する際には、乳化剤とし
てカルボン酸系乳化剤を使用すると得られた共重合体
は、射出成型などの高温短時間加硫において金型汚染性
がさらに改善される。
【0029】使用するカルボン酸系乳化剤としては、脂
肪酸石けんあるいはロジン酸石けんなどが例示される。
具体的には、脂肪酸石けんは炭素数12〜18個の長鎖
状脂肪族カルボン酸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などおよ
びこれらの混合脂肪族カルボン酸のナトリウム塩または
カリウム塩から選択される。また、ロジン酸石けんはガ
ムロジン、ウッドロジンまたはトール油ロジンなどの天
然ロジンを不均化または水添したもののナトリウム塩ま
たはカリウム塩から選択される。これらの天然ロジンは
アビエチン酸、レボピマル酸、パラストリン酸、デヒド
ロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸およびネオ
アビエチン酸などを主成分としている。乳化剤の使用量
は特に制限されないが、通常は、単量体100重量部当
り、0.05〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量
部である。
【0030】不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を乳
化重合によって製造する場合は、通常の乳化重合の手法
により重合を行い、所定の転化率に達した時にヒドロキ
シルアミン、カルバミン酸ナトリウムなどを加えて重合
を停止する。次いで、残存単量体を加熱、水蒸気蒸留な
どによって除去する。さらに、得られた重合体ラテック
スに無機の凝固剤、高分子凝集剤または感熱凝固剤など
の通常の乳化重合で使用される凝固剤を加え、共重合体
を凝固、回収する。
【0031】不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体のラ
テックスを凝固するに際しては、上記のように調製した
共重合体ラテックスにノニオン界面活性剤を添加し、次
いで、該共重合体ラテックスを、金属塩が溶解されてい
る実質的にハロゲンを含まない凝固浴中に入れ、加熱し
て凝固させることが望ましい。上記のようなラテックス
凝固法を採ることによって、適度の大きさと多孔性を有
し、乾燥性のよいクラムを容易に製造することができ、
また、ノニオン界面活性剤の添加により、金属塩の使用
量を低減することができる。かくして、得られる不飽和
ニトリル−共役ジエン共重合体は、ハロゲンを実質的に
含有せず、金属腐食の問題を生じることがなく、且つ、
良好な機械的強度を維持している。
【0032】ラテックスに添加されるノニオン界面活性
剤の具体例としては、アルキルフェノールホルマリン縮
合物のアルキレンオキシド付加物(例えば、オキシエチ
レン−オキシプロピレン共付加物)、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンオキシプロピレンブロックポリマー、アルキル
スルフィニルアルコール、脂肪酸モノグリセリドなどが
挙げられる。これらのノニオン界面活性剤は単独で用い
ても、または2種以上を組合せ用いてもよく、凝固条件
によって、適宜選択される。
【0033】上記ノニオン界面活性剤の中でもアルキル
フェノールホルマリン縮合物のオキシエチレン−オキシ
プロピレン共付加物が好ましい。この共付加物は良好な
感熱ゲル効果を示す。共付加物の曇点は10〜100℃
範囲が好ましく、20〜70℃の範囲がより好ましい。
曇点が低過ぎると取扱性が悪く、他方、高過ぎると感熱
ゲル効果を得ることが困難となる。ノニオン界面活性剤
の添加量は、重合体100重量部に対し、0.01〜5
重量部が好ましく、0.05〜2重量部がより好まし
い。添加量が過小であると上記の添加効果が認められ
ず、他方、5重量部を超える添加量でも効果は実質的に
変らない。
【0034】凝固溶中に溶解せしめる金属塩としては、
ハロゲンを含まないものが用いられ、その具体例として
は硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウ
ムなどの金属硫酸塩などが挙げられ、中でも硫酸アルミ
ニウムおよび硫酸マグネシウムが好ましい。金属塩の使
用量は重合体100重量部に対し0.5〜50重量部が
好ましく、1〜30重量部がより好ましい。金属塩の量
が0.5重量部未満では凝固浴中での凝固が不十分とな
ったり、クラムが肥大化する。他方、50重量部を超え
ると凝固速度が金属塩に支配され、クラムは多孔性に乏
しくなる。
【0035】重合体ラテックスを入れた凝固浴はノニオ
ン界面活性剤の曇点以上に加熱することによって系中の
重合体が凝固折出する。ノニオン界面活性剤の曇点は1
0〜100℃の範囲が好ましく、曇点が低過ぎると曇点
未満に保持するのに冷却が必要となり、逆に高過ぎると
凝固せしめるのに高温加熱が必要となる。凝固した重合
体は回収し、水洗、乾燥し、目的とする共重合体を得
る。
【0036】本発明において、不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体に配合する「非黒色補強性充填剤」とは不
飽和ニトリル−共役ジエン共重合体に配合したとき補強
効果を示す無機充填剤であって非黒色のものを指す。非
黒色補強性充填剤としては、一般に合成ゴム用補強剤と
して知られているもののうちカーボンブラック以外のも
のが用いられ、通常、白色ないし淡色の配合物に用いら
れているものである。非黒色補強性充填剤の具体例とし
ては、乾式法シリカ、湿式法シリカ、合成けい酸塩系シ
リカ、コロイダルシリカなどのシリカ;活性化炭酸カル
シウム;特殊炭酸カルシウム;塩基性炭酸マグネシウ
ム;超微粉けい酸マグネシウム;ハードクレーなどが挙
げられる。
【0037】さらに、充填剤として知られているものの
うち、補強効果が得られる重質炭酸カルシウム、タル
ク、けいそう土、アルミナなども使用することができ
る。上記補強性充填剤のうち、ホワイトカーボン、塩基
性炭酸マグネシウム、活性化炭酸カルシウムおよび超微
粉けい酸マグネシウムが好ましい。非黒色補強性充填剤
の配合量は、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体ゴム
100重量部に対し、一般に10〜500重量部の範囲
で選ばれ、好ましくは、30〜200重量部である。
【0038】本発明のゴム組成物には、不飽和ニトリル
−共役ジエン共重合体に対する加硫剤として硫黄系加硫
剤が配合される。硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、硫
黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性
硫黄などの硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・
ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、
N,N′−ジチオービス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピ
ノン−2)、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物な
どの硫黄化合物;さらに、テトラメチルチウラムジスル
フィルド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、2−
(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどの硫
黄を含む加硫促進剤を挙げることができる。
【0039】さらに、これらの硫黄系加硫剤に加えて、
亜鉛華、ステアリン酸などの加硫促進剤;グアニジン
系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア
系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、
ザンテート系などの他の加硫促進剤を使用することがで
きる。硫黄系加硫促進剤の使用量は特に限定されない
が、通常、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体100
重量部当り、0.10〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部である。
【0040】加硫剤として硫黄系加硫剤を用いない場合
は、高温短時間加硫において良好な高速加硫性を達成す
ることができない。ただし、例えば、有機過酸化物系加
硫剤のような硫黄系加硫剤以外の他の加硫剤を硫黄系加
硫剤の他に適宜併用することは可能である。
【0041】併用される有機過酸化物系加硫剤として
は、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒ
ドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−
ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−t−ブ
チルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−t−ブチ
ルペルオキシヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルペル
オキシイソプロピル)ベンゼン、p−クロロベンゾイル
ペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t
−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、t−ブ
チルベンゾエートなどが挙げられる。また、他の併用可
能な加硫剤としてはトルメチロールプロパントリメタク
リレート、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレー
ト、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性化合物
が挙げられる。さらに、金属せっけん/硫黄系、トリア
ジン/ジチオカルバミン酸塩系、ポリカルボン酸/オニ
ウム塩系、ポリアミン系(ヘキサメチレンジアミン、ト
リエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバ
メート、エチレンジアミンカルバメート、トリエチレン
ジアミンなど)、安息香酸アンモニウム塩系などの加硫
剤も必要に応じて併用できる。
【0042】本発明のゴム組成物には、必要に応じて、
ゴム分野において使用される通常の他の配合剤、例え
ば、加硫助剤(例えば、亜鉛華)、プロセス油(含可塑
剤)、酸化防止剤、オゾン裂化防止剤、非補強性充填剤
などを配合することができる。
【0043】なお、本発明のゴム組成物には、必要に応
じて、アクリルゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重
合ゴム(EPDM)、天然ゴム、ポリイソプレンゴムな
どの他のゴムを不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体に
組合せて使用することができる。本発明のゴム組成物の
製造方法は特に限定されないが、通常は、ロール、バン
バリーミキサーなどの通常の混合機により原料ゴムと無
機充填剤と、加硫系、その他の配合剤とを混練・混合す
ることによって該ゴム組成物を製造する。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例、比較例および参考例中の部
及び%は特に断りのないかぎり重量基準である。ゴム組
成物および原料成分の特性は以下のように測定した。 (1)高速加硫性評価試験 日本ゴム協会規格SRIS 3102 に従い、表1の配合処方に
よって調製した未加硫ゴム組成物約10グラムを用い
て、オシレーティング・ディスクレオメーターによっ
て、160℃におけるスコーチ時間(T5 )(単位:
分)および最大トルク(Vmax )(単位:kgf・cm)を
測定した。T5 の値は小さいほど加硫速度が速い。ま
た、Vmaxの値は大きいほど架橋効率が高い。
【0045】(2)加硫物性評価試験 日本工業規格JIS K6301 に従い、表1の配合処方によっ
て調製した未加硫ゴム組成物を160℃×20分の条件
で加硫して得られた厚さ2mmのシートを、3号形ダンベ
ルを用いて打ち抜いて試験片を作成し、引張強さ(単
位:kgf/cm2)、100%引張り応力(単位:kgf/cm2
および伸び(単位:%)を測定した。また、硬さはJI
Sスプリング式A形硬さ試験機を用いて測定した。反発
弾性はJIS K6301 に従って測定した(単位%)。
【0046】耐油性試験については、JIS K6301 に従
い、潤滑油No.3(動粘度31.9〜34.1、アニ
リン点69.5±1℃、引火点162.7℃)中にゴム
試験片を浸漬し、体積変化率(単位:%)を測定した。
耐寒性試験については、JIS K6301 に従い、ゲーマンね
じり試験により評価した。ねじれ角が低温時(23℃)
ねじれ角の10倍になる時の温度(T10)をもって表示
した(単位:℃)。温度が低いほど耐寒性がよいことを
示す。
【0047】
【表1】
【0048】(3)結合ニトリル量 日本工業規格JIS K6384 に従い、ケルダール法によって
共重合体中の窒素含量を測定し、計算により結合ニトリ
ル量を求めた(単位:%)。 (4)ムーニー粘度 日本工業規格JIS K6383 に従い、共重合体約40グラム
を用いて100℃にて測定した。
【0049】(5)分子量、分子量分布 ゲルパーミエーション(溶媒:テトラヒドロフラン)に
より、標準ポリスチレンに換算した数平均分子量(M
n)および重量平均分子量(Mw)を測定した(単位:
万)。測定した分子量分布全体の面積と数平均分子量3
5,000以下の成分の面積とを用いて該成分の重量%
を求めた。
【0050】(6)不飽和ニトリルの組成分布幅(△A
N) 不飽和ニトリルの組成分布幅は高速液体クロマトグラフ
ィー法により求められ、その概要はラバー・ケミストリ
ー・アンド・テクノロジー(Rubber Chemistryand Tech
nology) 63、(2)、P181〜191(199
0)に記載されている。すなわち、下記の測定条件にて
不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を高速液体クロマ
トグラフィーにて測定し、クロマトグラムの半値巾を△
ANとする。なお、△ANの決定に際しては不飽和ニト
リル量既知のサンプルを用いて溶出量−不飽和ニトリル
量の検量線を作成しておく。
【0051】1.カラム ゲル:(2−クロロアクリロニトリル/エチレンジメタ
クリレート)架橋ポリマー ゲル粒径:2〜6μm カラム:ステンレススチールカラム カラム径 x 長さ:0.46cm x 25cm 2.溶離液 クロロホルム/n−ヘキサン(重量比)30/70→1
00/0(30分間でグラジエント溶出)。但し、初期
設定クロロホルム/n−ヘキサン=30/70にて20
分間流す。 3.流速 0.5ml/分 4.試料濃度 1重量%クロロホルム溶液 5.注入量 10〜20μl 6.検出器 光散乱マスディテクター(Mass Detecto
r:Model 750/I4 ACS Co.) 7.機器 Trirotor VI型(日本分光社製)
【0052】(7)共重合体中の1,1−ジ(2,2−
ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基濃度 共重合体をベンゼンに溶解した後、メチルアルコール中
で凝固する操作を3回繰り返して精製し、精製共重合体
についてNMR測定を行なった。1H−NMR測定(4
00MHz)により、該エチルチオ基中の末端メチル基
のプロトンに起因するピークが1.05ppm 付近に検出
され、さらに、13C−NMR測定(100MHz)によ
り、該エチルチオ基中のメチレン基の炭素に起因するピ
ークが54.6ppm 付近に検出される。共重合体中の該
エチルチオ基濃度の定量は 1H−NMR測定における末
端メチル基に起因するピークの積分値と、4.8〜5.
8ppm 付近に検出されるブタジエンの不飽和結合に結合
するプロトンに起因するピークの積分値との比を用いて
計算により求めた(単位:モル%)。
【0053】(8)金型汚染性の評価 表1の配合処方によって調製した未加硫ゴム組成物を径
12mmの穴に詰めた厚さ2mmの金属板の上下を、表面を
きれいにみがいた2枚の1mmの金属板(JIS G3141 軟鋼
板)ではさみ、220℃、20kg/cm2、2分間の条件
で加硫する。次いで、加硫したゴム片を除去し、再び未
加硫ゴム組成物を詰めて同様な操作を行う。この操作を
50回繰り返した後、上下の軟鋼板の表面の汚染を評価
した。評価は、該軟鋼板の表面が汚染されないものを1
とし、表面全体が著しく汚染されたものを5とし、汚染
の程度に従って5段階で表示した。
【0054】(9)加工性の評価 ASTM D−2230−77に従い、ガーベダイを用
いて未加硫ゴム組成物を押出し、ダイスエル(%)およ
び押出量(g/分)を求めるとともに、押出物の形状ない
し状態を、膨張量・多孔度ならびにエッジ、表面および
コーナー部の状態について評価し、それぞれ5段階で表
示した(いずれも5が最良、1が最悪である。)
【0055】(10)金属腐食性 ゼネラル・モーター(GM)法により、金属板SAE1
020の腐食性を試験した。試験方法の詳細は以下のと
おりである。表1の配合処方によって調製した未加硫ゴ
ム組成物を常法により加硫して得た厚さ2mmのシート
から試験片(2mm x 5cm x 5cm)を作成し、
試験片を2枚の金属板(SAE1020、400メッシ
ュ研磨)に挿み、その上から一定荷重をかけて50℃に
て96時間恒温恒湿室中に放置する。放置の後、試料を
取り出し、金属板表面の腐食の度合いを6段階基準(0
〜5)に基づき評価する。表面全体が腐食したものを5
とし、表面に腐食が認められないものを0とした。
【0056】実施例1〜9 内容積10リットルの反応器中に、乳化剤としてオレイ
ン酸カリウム2部、安定剤としてリン酸カリウム0.1
部、水150部を仕込み、さらに表2に記載した量のブ
タジエンおよびアクリロニトリル、および分子量調整剤
として2,2′,4,6,6′−ペンタメチルヘプタン
−4−チオール(以下、PMHTと記す)を加えて、活
性剤として硫酸第一鉄0.015部および重合開始剤と
してパラメンタンハイドロパーオキサイド0.05部の
存在下に10℃で乳化重合を開始した。所定の重合転化
率に達した時点で、単量体100部あたり0.2部のヒ
ドロキシルアミン硫酸塩を添加して重合を停止させた。
続いて、加温し、減圧下で約70℃にて水蒸気蒸溜によ
り残留単量体を回収した後、老化防止剤としてアルキル
化フェノールを2部添加し、共重合体ラテックスを得
た。この共重合体ラテックスにアルキルフェノールホル
マリン縮合物オキシエチレン−オキシプロピレン付加物
(ノニオン界面活性剤「ラムテルNP−5150」)1
部を添加し、次いで、凝固剤として硫酸アルミニウム3
部を溶解した凝固水浴を収容した攪拌機付き5リットル
凝固槽中へ上記共重合体ラテックスを滴下し、凝固浴を
50℃に保持して共重合体を凝固した。生成したクラム
を取り出し、水洗後50℃減圧下で乾燥し、それぞれ共
重合体I〜VIIIを得た。
【0057】なお、共重合体IVおよびVの製造に際して
は重合転化率が35%および55%に達したときに表2
に示す量のアクリロニトリルを重合系に分割添加した。
また、共重合体IIIおよびVの製造に際しては重合添加
率が50%に達したときに表2に示す量のPMHTを加
えた。各共重合体中の結合ブタジエン量および結合ニト
リル量、さらに共重合体のムーニー粘度その他の特性の
測定結果を表2に示す。次に、アクリロニトリル−ブタ
ジエン各共重合体を表1に示す配合処方に従って、表3
に示す補強性充填剤とともにバンバリーミキサーにより
混練してゴム組成物を得た後、160℃で20分間プレ
ス加硫し、得られた加硫物の物性を評価した。結果を表
3および表4に示す。
【0058】比較例1 分子量調整剤を市販のt−ドデシルメルカプタン(フィ
リプス石油社製)に変え、それ以外は実施例2と同様の
条件でブタジエンとアクリロニトリルとを共重合し、共
重合体IXを得た。重合結果を表2に示す。次に、実施例
1と同様に共重合体IXの加硫物の物性を評価した結果を
表3および表4に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】なお、共重合体IIのH−NMR測定チャー
トを図1に示し、また、13C−NMR測定チャートを図
2に示す。また、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体I〜VIIIのNMR測定により1,1−ジ(2,2−ジ
メチルプロピル)−1−エチルチオ基の存在が確認され
た。
【0062】表3および表4から、不飽和ニトリル−共
役ジエン共重合体I〜VIIIと無機補強剤と硫黄系加硫剤
とを配合した加硫性ゴム組成物(実施例1〜13)は、
オシレーティング・ディスクレオメーターで測定したス
コーチ時間(T5 )が短く、また、最大トルク
(Vmax )が高い値を示し、高速加硫性に優れているこ
とがわかる。その結果、シリカを配合した実施例1、2
および7〜12と比較例1とを比べると、本発明例では
高速加硫が得られたために加硫物性における100%引
張応力および反発弾性が大幅に増大し、また、引張強さ
の低下がみられないことから架橋効率の高い加硫が行わ
れていることがわかる。さらに、金型汚染性も良好であ
る。また、上記実施例(実施例1〜13)では、共重合
体製造時に凝固剤として硫酸アルミニウムを用いて共重
合体ラテックスの凝固を行なっているため、得られた共
重合体は実質的にハロゲンを含まず、従って、金属腐食
の問題を生じない。
【0063】重合時アクリロニトリルを分割添加して得
た共重合体IV、Vを用いた場合(実施例8、9)は、ゲ
ーマンねじり試験によるT10が低く、体積変化率が低い
ことから、高い機械的強度の水準を保ちながら、耐油性
と耐寒性が良好で且つバランスがとれている。さらに、
分子量調整剤PMHTを重合時分割添加した場合(共重
合体III、V実施例7、9)は、さらにガーベダイによ
る加工性評価結果も良好であり、機械的強度と加工性に
優れた共重合体であることがわかる。
【0064】これに対して、従来、ラジカル重合におい
て汎用の分子量調整剤として知られているt−ドデシル
メルカプタンを(市販品)使用して乳化重合したものを
用いた場合(共重合体IX、比較例1)は、スコーチ時間
(T5)が長く、最大トルク(Vmax)が低く、十分
な高速加硫性が得られず、機械的強度が低い。金型汚染
性も不良である。また、市販のt−ドデシルメルカプタ
ンを使用して得た共重合体についてNMR測定を行なっ
たが、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−
エチルチオ基の存在は確認されなかった。
【0065】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、機械的強度
および反発弾性に優れ、さらに高温短時間の加硫におい
て、優れた高速加硫性を示し、金型汚染性の問題が改善
された補強性充填剤が配合された不飽和ニトリル−共役
ジエン共重合体ゴム組成物が提供される。このゴム組成
物は優れた高速加硫性を有することにより、特に、射出
成型用途に好適であって、ゴム製品の成型における生産
性の向上、省力化が可能となる。
【0066】特に、重合時に単量体を分割添加すること
によって製造した不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体
を用いたゴム組成物は耐油性と耐寒性とが良好で両者が
バランスしており、また、重合時に分子量調整剤を分割
添加することにより製造した不飽和ニトリル−共役ジエ
ン共重合体を用いたゴム組成物は加工性がよい。また、
共重合体製造時に、凝固剤として硫酸塩のようなハロゲ
ンを含まないものを用いて共重合体ラテックスの凝固を
行なった場合には、得られた共重合体はハロゲンを含ま
ない。この共重合体は、高い機械的強度を保持したま
ま、金属腐食の問題を生じないという利点がある。
【0067】本発明のゴム組成物は、Oリングその他シ
ール材用途に好適であり、さらに、ベルト、ホース、ロ
ールなどのゴム製品を始めとし、防振ゴム、電気製品、
自動車部品、工業用品、はきものなど広範囲に利用する
ことができる。
【0068】本発明のゴム組成物、すなわち、少なくと
も3個の第3級炭素原子およびその中の少なくとも1個
の第3級炭素原子に直接結合した硫黄原子を有する炭素
数12〜16のアルキルチオ基を、分子を構成する単量
体単位100モル当り0.03モル以上の割合で分子内
に有し、ムーニー粘度が15〜150である不飽和ニト
リル−共役ジエン共重合体と非黒色補強性充填剤とを含
んでなるゴム組成物の好ましい具体的態様は以下のとお
りである。
【0069】(1)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合
体と無機補強剤との重量比が100/(10〜50
0)、より好ましくは100/(30〜200)である
ゴム組成物。 (2)不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体が、該アルキルチオ基を、分子を構成する単量体単
位100モル当り0.07モル以上の割合で分子内に有
するゴム組成物。 (3)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体中の該アル
キルチオ基が1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)
−1−エチルチオ基および1−(2,2−ジメチルプロ
ピル)−1−(2,2,4,4−テトラメチルペンチ
ル)−1−エチルチオ基から選ばれる少なくとも1種で
あるゴム組成物。
【0070】(4)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合
体中の該アルキルチオ基が1,1−ジ(2,2−ジメチ
ルプロピル)−1−エチルチオ基であるゴム組成物。 (5)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体がアクリロ
ニトリル10〜60重量%とブタジエン90〜40重量
%との共重合体であってムーニー粘度20〜90を有す
るものであるゴム組成物。 (6)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が、単量体
混合物100重量部に対し、該アルキルチオ基を有する
アルキルチオール化合物0.05〜3重量部の存在下に
ラジカル重合して得たものであるゴム組成物。
【0071】(7)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合
体が、数平均分子量(Mn)35,000以下の低分子
量成分を3〜20重量%含有するゴム組成物。 (8)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が、該アル
キルチオール化合物の全使用量の10〜95%を重合前
の単量体混合物中に含有せしめ、さらに重合転化率が2
0〜70%に達した時点で該アルキルチオール化合物の
残量を重合系に転化する方法によって調製したものであ
る上記(7)記載のゴム組成物。 (9)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
との比(Mw/Mn)、が2.3〜5.5であるゴム組
成物。
【0072】(10)不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体中の結合不飽和ニトリル量が20〜50重量%であ
り、不飽和ニトリルの組成分布幅(△AN)が5〜15
であるゴム組成物。 (11)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が、分子
量調整剤として、上記アルキルチオ基を有するアルキル
チオール化合物を使用し、且つ全単量体量の30〜80
重量%の存在下に重合を開始し、さらに重合転化率が2
0〜70%に達した時点で単量体の残量を重合系に添加
する方法によって調製したものであるゴム組成物。
【0073】(12)不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体が、実質的にハロゲン原子を含有しないものである
ゴム組成物。 (13)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が、
(a)分子量調製剤として、少なくとも3個の第3級炭
素原子およびその中の少なくとも1個の第3級炭素原子
に直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のア
ルキルチオール化合物を使用して、ラジカル開始剤の存
在下に乳化重合によって不飽和ニトリルと共役ジエンと
の共重合体ラテックスを調製し、(b)該共重合体ラテ
ックス中にノニオン界面活性剤を添加し、次いで、
(c)該共重合体ラテックスを、金属塩が溶解されてい
る実質的にハロゲン原子を含まない凝固浴中に入れ、加
熱して凝固させることからなる方法によって製造された
ものである上記(12)記載のゴム組成物。 (14)非黒色補強性充填剤がシリカ、塩基性炭酸マグ
ネシウム、活性化炭酸カルシウムおよび超微粉けい酸マ
グネシウムの中から選ばれた少なくとも一種であるゴム
組成物。
【0074】(15)不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体100重量部当り硫黄系加硫剤0.01〜10重量
部を含有してなる加硫性の上記ゴム組成物。 (16)射出成型用であるゴム組成物。 (17)ホース、ベルトまたはOリング用であるゴム組
成物。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2〜7で用いられた本発明の不飽和ニト
リル−共役ジエン共重合体IIの1H−NMR測定チャー
ト。
【図2】実施例2〜7で用いられた本発明の不飽和ニト
リル−共役ジエン共重合体IIの13H−NMR測定チャー
ト。
【表4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3個の第3級炭素原子および
    その中の少なくとも1個の第3級炭素原子に直接結合し
    た硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基
    を、分子を構成する単量体単位100モル当り0.03
    モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜
    150である不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と非
    黒色補強性充填剤とを含んでなるゴム組成物。
JP26136594A 1994-08-29 1994-09-30 不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と非黒色補強性充填剤とからなるゴム組成物 Expired - Lifetime JP3582113B2 (ja)

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