JPH0798863B2 - オルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサンの製造方法

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JPH0798863B2
JPH0798863B2 JP2923590A JP2923590A JPH0798863B2 JP H0798863 B2 JPH0798863 B2 JP H0798863B2 JP 2923590 A JP2923590 A JP 2923590A JP 2923590 A JP2923590 A JP 2923590A JP H0798863 B2 JPH0798863 B2 JP H0798863B2
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哲夫 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はオルガノポリシロキサンの製造方法、特には分
子中にエポキシ基とアルケニル基を含有することから付
加反応型の硬化性オルガノポリシロキサンの主剤とされ
る、エポキシ基含有シリコーンコーテイング剤組成物、
エポキシ基含有シリコーン組成物用として有用とされる
オルガノポリシロキサンの製造方法に関するものであ
る。
(従来の技術) エポキシ基含有オルガノシロキサンの製造方法について
はすでに種々の方法が知られているが、オレフイン基含
有シロキサンを過酸化反応させる方法、例えばビニルシ
ロキサンを40%の過酢酸溶液で過酸化させる場合には、
反応が不活性であるために収率がせいぜい20%程度にし
かならないという不利があり、この不利を除去するため
に予じめ式=SiCH2MgBrのようなグリニヤル化されたシ
ロキサンをエピクロルヒドリンでアルカリ処理してエポ
キシ化する方法は、コストが高く、実用的でないうえ
に、高分子のポリシロキサンのエポキシ化への適用化が
難しいという欠点があり、クロロシランあるいはアセト
キシシラン化合物をグリシドールと反応させて、グリシ
ジルシリコーンエーテルを生成させる方法(米国特許第
2,730,532号明細書参照)も知られているがこの方法で
得られるオルガノシロキサンはエポキシオルガノ基がエ
ーテル結合でけい素原子に結合しているために加水分解
やアルコリシス化され易く、不安定であるという欠点が
ある。
また、これらの方法がいずれも低分子のシランまたはシ
ロキサンのエポキシ化に関するものであり、高分子ポリ
シロキサンのエポキシ化には反応条件などに種々の制約
があることからこの種のエポキシ化オルガノポリシロキ
サンの製造については、不飽和エポキシモノマーとけい
素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロ
ジエンポリシロキサンを、過酸化物あるいは白金系触媒
を用いて付加反応させるという方法も提案されており
(米国特許第3,431,143号明細書参照)、これは反応率
の反応率の高いものであるが、これには反応時間が長
く、原料であるオルガノハイドロジエンポリシロキサン
が高価なものであるという不利があるほか、この方法で
は付加反応型の硬化性オルガノシロキサン組成物の主剤
として有用である分子鎖末端あるいは側鎖にアルケニル
基を有するエポキシ基含有オルガノポリシロキサンを製
造することが不可能であり、このオルガノポリシロキサ
ンを製造するためにアルケニル基含有オルガノハイドロ
ジエンポリシロキサンに不飽和エポキシモノマーを付加
反応させると、けい素原子に結合した水素原子とアルケ
ニル基との付加反応が先行してこれがゲル化してしまう
という不利がある。
他方、環状シロキサンなどの低分子オルガノシロキサン
からオルガノポリシロキサンを製造する方法については
酸、塩基を触媒として平衡化反応させる方法が知られて
いるが、酸触媒はエポキシ基と容易に反応するためにこ
れはエポキシ基含有シロキサンの平衡化に使用すること
ができないし、塩基性触媒を使用する場合はエポキシ基
をもつシロキサンの平衡化が極めて遅いうえに、エポキ
シ基の開裂に問題があることから、これについては少量
の極性溶媒を添加して平衡化を促進することも知られて
おり、例えばテトラヒドロフラン溶媒中のオクタメチル
シクロテトラシクロキサンの開裂重合も知られている
が、これには水などの極めて少量の不純物によって影響
を受けるために実用性がないという不利がある。
(発明が解決しようとする課題) そのため、この塩基性触媒によるエポキシ基を含有して
いないオルガノポリシロキサンの製法についてはジメチ
ルスルホキサイドなどのアルキルスルホン、アルキルス
ルホキサイドを助触媒的に1%以下の少量で添加して反
応速度を促進する方法が提案されている(米国特許第3,
175,995号明細書参照)が、エポキシ基含有シロキサン
の平衡化にこれを適用するには問題があり、これについ
てはエポキシ基含有シロキサンの平衡化に1重量未満の
飽和水を添加することも提案されている(特公昭51−33
839号公報参照)が、これには平衡化反応終了後に中和
し、未反応の低分子シロキサンをストリップしようとす
ると、これに含有されているヒドロキシル基の量の変化
に伴なって粘度が大きく変化するために粘度を一定値に
制御することができないという不利がある。
(課題を解決するための手段) 本発明はこのような不利を解決したエポキシ基とアルケ
ニル基を含有するオルガノポリシロキサンの製造方法に
関するものであり、これはイ)エポキシ基を含有するオ
ルガノポリシロキサンとアルケニル基を含有するオルガ
ノシロキサンとの混合物100重量部、ロ)非プロトン系
極性有機溶剤5〜100重量部、ハ)塩基性触媒よりなる
組成物を平衡化させてエポキシ基とアルケニル基を含有
するオルガノポリシロキサンとすることを特徴とするも
のである。
すなわち、本発明者らはエポキシ基とアルケニル基とを
含有するオルガノポリシロキサンを塩基性触媒の存在下
で平衡化反応させる方法について種々検討した結果、エ
ポキシ基を含有するシロキサンとアルケニル基を含有す
るシロキサンとの混合物を塩基性触媒の存在下で平衡化
させるに当ってこの系に非プロトン系の極性溶剤を添加
すると1)比較的短時間で平衡化反応を行なわせること
ができる、2)平衡化させる低分子シロキサンとしては
環式シロキサンでも直鎖状シロキサンでもよい、3)平
衡化反応時にエポキシ環の開裂などが伴われない、4)
オルガノポリシロキサンの重合度を設定通りに制御する
ことができる、5)この系に溶解量として含まれる水な
どの活性水素含有物質により得られるオルガノポリシロ
キサンの分子鎖末端の封鎖がシラノール基となって阻害
されることが少なくなり、分子鎖末端停止率が上昇する
ということを見出し、ここに使用する上記した各成分の
種類、配合量などについての研究を進めて本発明を完成
させた。
以下にこれをさらに詳述する。
(作用) 本発明はイ)エポキシ基を含有するオルガノシロキサン
とアルケニル基を含有するオルガノシロキサンとの混合
物、ロ)非プロトン系極性有機溶剤およびハ)塩基性触
媒よりなる組成物を平衡化させてエポキシ基とアルケニ
ル基とを含有するオルガノポリシロキサンを製造する方
法に関するものである。
本発明において始発材として使用されるオルガノシロキ
サンはエポキシ基またはアルケニル基を含有する通常は
シロキサン単位が約100個以下である比較的分子量の低
いシロキサンとされる。
このエポキシ基を含有するオルガノシロキサンは一般式 で示され、R1はメチル基、プロピル基、ブチル基などの
アルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、
またはこれらの基における炭素原子に結合している水素
原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基、メル
カプト基などで置換したクロロメチル、トリフルオロプ
ロピル基、シアノエチル基などから選択される炭素数1
〜20のアルケニル基を除く同一または異種の非置換また
は置換1価単価水素基、Aはエポキシ基含有有機基、p
は0または正の整数、qは正の整数である環状シロキサ
ンまたは一般式 で示され、R1、Aは前記と同じでCは0または1、s、
tは0または正の整数である鎖状シロキサンとされ、前
記したAで示されるエポキシ基含有有機基は例えば で示される基とされるものである。
また、このアルケニル基を含有するオルガノシロキサン
は一般式 で示され、R1は前記に同じでR2はビニル基、アリル基、
プロペニル基、n−ブチリル基などのような炭素数2〜
8のアルケニル基、pは0または正の整数、rは正の整
数であるのである環状シロキサン、または一般式 で示され、R1、R2は前記に同じでdは0、1、2または
3、u、vは0または正の整数である鎖状シロキサンが
挙げられる。
なお、このような環状シロキサンについてエポキ基含有
のものについては が、またアルケニル基を含有するものについては が例示されるし、直鎖状シロキサンとしてエポキシ基を
含有するものについては などが例示され、アルケニル基を含有するものについて
などが例示される。
このような低分子量のオルガノシロキサンは該当するク
ロロシラン、アルコキシシランの1種またはその混合物
を加水分解、縮重合させることによって得ることができ
るが、エポキシ基含有シランまたはシロキサンを得るた
めこのシランまたはシロキサンにエポキシ基を導入する
のは公知の方法で行なえばよい。このエポキシ基の導入
は例えば1)オレフイン含有シランまたはシロキサンを
過酸化反応でエポキシ化する方法、2)グリニヤル試薬
化されたシランをエピクロルヒドリンなどでアルカリ処
理する方法、3)クロロシランあるいはアセトキシシラ
ン化合物をグリシドールと反応させてグリシジルシリコ
ーンエーテルとする方法、4)不飽和エポキシモノマー
を白金触媒を用いて付加反応させる方法などで行なえば
よいが、操業が簡単で反応率が高く、耐水性のあるけい
素−炭素結合をしたエポキシ基含有オルガノシロキサン
が得られるということからはこの4)の方法で行なうこ
とが好ましく、これによれば付加反応に必要とされるエ
ポキシモノマーの量がオルガノハイドロジエンポリシロ
キサンとの完全な反応に必要量の20重量%以下の過剰量
ですむので、未反応のエポキシモノマーによる副反応あ
るいは重合反応を回避することができるという有利性を
与えられる。
なお、ここに使用されるオルガノシロキサンは前記した
ように比較的分子量の低いものとされ、これは本発明の
主旨および反応の容易性から重合度が100以下、好まし
くは600以下のものとすることがよい。
なお、本発明におけるイ)成分は上記したようなエポキ
シ基含有オルガノポリシロキサンとアルケニル基含有オ
ルガノポリシロキサンとの混合物とされるが、この両者
の配合比は目的とするオルガノポリシロキサン中に含有
させるべきエポキシ基、アルケニル基の量に応じてと任
意とすればよく、これにはエポキシ基、アルケニル基を
含有しない環状シロキサン鎖状シロキサンを添加しても
よいが、このシロキサンとしては式 で示されるものが例示され、場合によってはこの種のオ
ルガノシロキサンを主剤としてこれにエポキシ基、アル
ケニル基を付加させるようにしてもよい。
つぎに本発明において使用されるロ)成分としての有機
溶剤は非プロトン系極性有機溶剤とされる。この有機溶
剤は誘電率∈が大きく、プロトン供与性のグループをも
っていないという特徴があるが、一般に会合性に富んで
おり、プロトン変容能が大きいために有機イオン反応の
溶剤として使用されると、自己会合を解いてさらに安定
な溶媒和状態を作るので、イオン反応活性種に対して著
しい相互作用を示す。
この非プロトン系極性溶媒としてはN,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル
尿素、ジメチルスルホキシドヘキサメチルホスホルアミ
ド、アセトニトリルなどがすぐれた効果を示すけれど
も、これはテトラメチレンスルホン、炭酸プロピレン、
ニトロベンゼン、ニトロメタン、ジメチルシアナミド、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジン、液体亜硫
酸などとしてもよく、これらは水、アルコールに代表さ
れる極性プロトン系溶媒による活性水素(プロトン)の
存在による種々の弊害を除去できるし、溶媒和によるア
ルカリ平衡化反応の著しい促進効果をもたらすという有
利性を与える。
なお、この非プロトン系極性有機溶媒の添加量は特に限
定されるものではないが、これがアルカリ平衡化反応に
対して溶媒和を示すための必要量は経済性の面から上記
したイ)成分としてのオルガノシロキサン混合物100重
量部に対して5〜100重量部とすればよく、この好まし
い範囲は10〜50重量部とされる。
また、本発明において使用されるハ)成分としての塩基
性触媒は前記したイ)成分としてのオルガノシロキサン
をアルカリ平衡化反応させるための触媒とされるもので
ありこれには水酸化カリウム、水酸化セシウムなどのア
ルカリ金属水酸化物、アルカリメチルトリヒドロキシシ
ランのカリウム塩、フェニルトリヒドロキシシランのカ
リウム塩などのようなアルカリ金属シラノレート、オク
タメチルシクロテトラシロキサンと水酸化カリウムとの
化合物からなるカリウムシラノレート、第4級アンモニ
ウム塩、例えばベンジルトリメチルアンモニウムハイド
ロオキサイド、テトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド、トリメチルアンモニウムブトキサイド、オクチ
ルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど、も
しくは一般式R3 4POR4(R3は1価の有機基、R4は水素原
子または1価の有機基)で示されるホスホニウム塩、例
えばテトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド、テ
トラ−n−ブチルホスホニウムハイドロオキサイド、フ
ェニルトリメチルホスホニウムハイドロオキサイド、テ
トラメチルホスホニウムメトキサイド、テトラブチルホ
スニウムブトキサイド、ブチルトリシクロヘキシルホス
ホニウムハイドロオキサイドなどが例示される。
なお、この塩基性触媒の添加量は上記したイ)成分とし
てのオルガノシロキサン混合物100重量部に対し0.1重量
部未満ではオルガノシロキサンの平衡化反応が遅くな
り、10重量部より多くしてもそれ以上の硬化は得られな
いので0.1〜10重量部の範囲とすればよいが、この好ま
しい範囲は0.5〜5重量部とされる。
本発明によるオルガノポリシロキサンの製造は上記した
イ)成分としてのエポキシ基含有オルガノシロキサンと
アルケニル基含有オルガノシロキサンとの混合物、ロ)
成分としての非プロトン系極性有機溶剤、およびハ)成
分としての塩基性触媒所定量を混合して均一に混合した
のち、加熱してアルカリ平衡化反応させればよいが、こ
の加熱は60℃以上240℃以下、好ましくは80〜180℃とす
ることがよく、これによればロ)成分としての非プロト
ン系極性有機溶剤が存在しているのでオルガノシロキサ
ンのアルカリ平衡化反応が非常で短時間で進行し、この
反応中にエポキシ環の開裂などが起きず、アルケニル基
含有オルガノシロキサンの平衡化もスムーズに進行して
エポキシ基とアルケニル基とを含有するオルガノポリシ
ロキサンを容易に得ることができるし、このオルガノポ
リシロキサンの粘度も自由に制御することができるの
で、付加反応型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物
の主剤とされる、エポキシ基とアルケニル基とを同時に
含有するオルガノポリシロキサンを有利に得ることがで
きるという工業的な有用性が与えられる。
(実施例) つぎに本発明に使用されるエポキシ基含有オルガノシロ
キサンの合成例および本発明の実施例、比較例をあげる
が、例中における粘度、比重、屈折率は25℃における測
定値を示したものである。
合成例1 滴下ロート、環流器および温度計を取りつけた3の四
ツ口フラスコにアリルグリシジルエーテル855g、トルエ
ン855gおよび白金を2重量%含有する塩化白金酸オレフ
イン錯塩0.5gを仕込み、80℃で2時間加熱脱水したのち
90℃に保持し、1,2,3,4−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサン405gとトルエン405gとの混合液を滴下ロートか
ら2時間かけて滴下し、その間温度は90℃に保持し、滴
下終了後さらに90℃で2時間反応させたのち30℃以下ま
で冷却し、反応終了後、≡SiH基を20%苛性カリ水溶液
で処理して発生する水素ガス量を測定して反応率を求め
たところ、これは94.7%であった。
ついで、この反応液を3回水洗して中和したのち、10mm
Hgの減圧下に100℃で3時間加熱して溶媒および未反応
物をストリップしたところ、合成物−1が得られたが、
このものは揮発分(105℃×3時間)が0.9%、粘度110c
S、比重1.117、屈折率1.4623、エポキシ価0.542モル/10
0gの物性を示し、このものの構造式をIR、NMRでしらべ
たところ、これは式 示されるものであることが確認された。
合成例2 滴下ロート、還流器および温度計を取りつけた2の四
ツ口フラスコにアリルグリシジルエーテル92.9g、ヘプ
タメチルシクロテトラシロキサン207.1gおよびトルエン
300gを仕込み、80℃で3時間加熱脱水したのち、白金を
2重量%含有する塩化白金酸オレフイン錯塩0.15gを添
加し、85℃で5時間反応させ、反応終了後20%苛性カリ
水溶液で水素ガス量を測定したところ反応率は100%で
あった。
ついで、反応液を冷却し、3回水洗して中和したのち、
10mmHgの減圧下に80℃で3時間ストリップしたところ合
成物−2が得られたが、このものは粘度33cS、比重1.02
8、屈折率1.4254、エポキシ価0.239モル/100gの物性を
示し、このものの構造式をIR、NMRでしらべたところ、
これは式 で示されるものであることが確認された。
合成例3 合成例2と同じ四ツ口フラスコにアリルグリシジルエー
テル156.8g、トルエン156.5gおよび塩化白金酸オレフイ
ン錯塩0.5gを仕込み、80℃で2時間加熱脱水させたの
ち、温度を90℃に保持しながら1,2,3,4−テトラメチル
−1,2,3−トリプロピルシクロテトラシロキサン352.5g
とトルエン352.5gの混合液を滴下ロートから2時間かけ
て滴下し、95℃で6時間反応を継続させ、反応終了後に
水素ガス量を測定したところ反応率は80.2%であった。
ついで、この反応液を冷却し、3回水洗して中和したの
ち、10mmHgの減圧下に100℃で3時間ストリップしたと
ころ合成物−3が得られたが、このものは粘度1cS、比
重0.994、屈折率1.4347、エポキシ価0.191モル/100gの
物性を示し、このものの構造式をIR、NMRでしらべたと
ころ、これは式 で示されるものであることが確認された。
合成例4 合成例1におけるアリルグリシジルエーテル855gとトル
エン855gの代わりに、ビニルシクロヘキセンエポキサイ
ド922.5gとトルエン922.5gを用いたほかは合成例1と同
様に処理して合成物−4を作ったところ、このものは揮
発分が0.8%でエポキシ価0.549モル/100gの物性を示
し、IR、NMRでしらべた構造式は式 で示されるものであることが確認された。
合成例5 合成1で使用した3の四ツ口フラスコに平均分子量が
5.598で水素ガス量から求めた≡SiH基の割合が30モル%
で、分子鎖末端がトリメチルシリル基で封鎖されている
ポリジメチルメチルハイドロジエンブロックコポリマー
559.8g、アリルグリシジルエーテル328.3g、トルエン1,
000gンおよび白金含有量が2重量%である塩化白金酸オ
レフイン錯塩0.5gを仕込み、120℃で6時間反応させた
のち、30℃以下にまで冷却し、反応率を求めたところ98
%であった。
ついで、この反応液を3回水洗して中和したのち、10mm
Hgの減圧下に120℃で2時間加熱してストリップしたと
ころ、合成物−5が得られたが、このものは粘度1.280c
S、比重1.012、屈折率1.435、エポキシ価0.288モル/100
gの物性を示し、このものの構造式をIR、NMRでしらべた
ところ、これは式 で示されるものであることが確認された。
実施例1 撹拌器、温度計および窒素ガス吹込口を取りつけた1
の四ツ口フラスコにオクタメチルシクロテトラシロキサ
ン444.1g、合成例1で作った合成物−1 11.6g、分子鎖
末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されている平均分
子量が1,000であるジメチルポリシロキサン44.3gおよび
N,N−ジメチルホルムアミド100gを仕込み、115℃で2時
間加熱脱水させたのち、塩基性触媒としての(nC4H94
POH 2.5gを滴下し、撹拌しながら110℃で3時間平衡化
反応を行なわせた。
反応終了後、140℃で1時間加熱して触媒としての(nC4
H94POHを分解させたのち冷却し、活性炭処理してから
ろ過し、得られた生成物を10mmHgの減圧下に130℃で2
時間加熱して溶媒おび未反応物をストリップしたところ
化合物−Aが得られたが、このものはGPCにより求めた
分子量が約10.900である分子中にエポキシ基とビニル基
とを含有するオルガノポリシロキサンでエポキシ価が0.
014モル/100g、ビニル価が0.018モル/100gのものでほぼ
最初の仕込比より設定した値と一致するものである、こ
れは揮発分(105℃×3時間)が1.2%で、粘度328cS、
屈折率1.4055の物性を示し、このものの構造式はIR、NM
Rから式 で示されるものであることが確認された。
実施例2〜4 実施例1におけるオクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、合成物−1および分子鎖末端がジメチルビニルシリ
ル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンの配合量を第
1表に示した量としたほかは実施例1と同様に処理して
平衡化反応させてエポキシ基とビニル基とを含有するオ
ルガノポリシロキサン化合物B,C,Dを作り、これらの一
般物性とエポキシ価、ビニル価およびGPCによる分子量
をしらべたところ、第2表に示したとおりの結果が得ら
れた。
実施例5 実施例1で使用した1の四ツ口フラスコにオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン430.1g、合成例2で作った合
成物−2 26.1g、分子鎖末端がジメチルビニルシリル基
で封鎖されている平均分子量が1,000であるジメチルポ
リシロキサン43.8gおよびジメチルスルホキシド100gを
仕込み、 115℃で2時間加熱脱水したのち、KOHを10%含有するカ
リウムシリコネート触媒1.0gを添加し、撹拌しながら11
0℃で3時間平衡化反応させた。
反応終了後、トリブチルホスフェート50gを添加し80℃
で1時間撹拌して中和したのち冷却し、活性炭処理して
からろ過し、生成物を10mmHgの減圧下に130℃で2時間
加熱して溶媒および未反応物をストリップしたところ、
エポキシ基とビニル基を含有するオルガノポリシロキサ
ン化合物Eが得られたが、このものの物性とエポキシ
価、ビニル価およびGPCによる分子量については後記す
る第3表に示したとおりの結果が得られた。
実施例6 実施例5におけるオクタメチルシクロテトラシロキサン
の添加量430.1gを340.5g、合成物−2の添加量26.1gを1
19.2g、ジメチルポリシロキサンの添加量43.8gを40.2g
としたほかは実施例5と同様に処理してエポキシ基とビ
ニル基を含有するオルガノポリシロキサン化合物Fを作
り、このものの物性とエポキシ価、ビニル価およびGPC
による分子量を知らべたところ、第3表に示したとおり
の結果が得られた。
実施例7〜9 実施例1で使用した1の四ツ口フラスコにオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン、合成例3で作った合成物−
3または合成例−4で作った合成物4、分子鎖末端がジ
メチルビニルシリル基で封鎖されている平均分子量が1,
000のジメチルポリシロキサンとヘキサメチルホスホル
アミドとを第4表に示した量で仕込み、115℃で2時間
加熱して脱水したのち、(nC4H94POH触媒2.5gを添加
し撹拌しながら110℃で3時間平衡化反応させ、引続き1
35℃で1時間加熱して触媒を分解させてから活性炭処理
し、ろ過して得た生成物を10mmHgの減圧下に130℃で4
時間ストリップしたところ、エポキシ基とビニル基を含
有するオルガノポリシロキサン化合物G、H、Iが得ら
れたのでこのもの物性とエポキシ価、ビニル価およびGP
Cによる分子量をしらべたところ、第5表に示したとお
りの結果が得られた。
実施例10 実施例1で使用した1の四ツ口フラスコにオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン451.9g、1,2,3,4−テトラメ
チル−1,2,3,4−テトラビニルシクロテトラシロキサン
2.5g、合成例5で作った合成物−5 40.8g、分子鎖末端
がトリメチルシリル基で封鎖されている分子量が976の
ジメチルポリシロキサン4.8gおよびN,N−ジメチルホル
ムアミド50gを仕込み、115℃で2時間加熱して脱水した
のち、(nC4H94POH触媒2.0gを添加し、110℃で3時間
平衡化反応させ、その後135℃で1時間加熱して(nC
4H94POH触媒を分解したのち冷却し、得られた生成物
を10mmHgの減圧下に130℃で2時間ストリップしたとこ
ろ、エポキシ基とビニル基を含有するオルガノポリシロ
キサン化合物Kが得られたが、このものは揮発分(130
℃×3時間)が3.1%で粘度19,000cS、エポキシ価0.024
モル/100g、ビニル価0.006モル/100gの物性を示し、こ
の分子量は51,050であった。
比較例 実施例1で使用した1の四ツ口フラスコにN,N−ジメ
チルホルムアミドを実施例10における50gの代わりに20
g、25gとしたほかは実施例10と同じ処方,同じ方法で平
衡化反応させ、得られたオルガノポリシロキサンについ
ての不揮発分を測定したところ、第6表に示したとおり
の結果が得られ、N,N−ジメチルホルムアミドを少なく
した場合にはシロキサンの平衡化反応が遅くなることが
確認された。
(発明の効果) 本発明はエポキシ基とアルケニル基とを含有するオルガ
ノポリシロキサンの製造方法に関するものであり、これ
は前記したようにイ)エポキシ基含有オルガノシロキサ
ンとアルケニル基含有シロキサンとの混合物、ロ)非プ
ロトン系極性有機溶剤およびハ)塩基性触媒よりなる組
成物を平衡化させてエポキシ基とアルケニル基を含有す
るオルガノポリシロキサンを製造するというものであ
り、これによればこの系に非プロトン系の極性有機溶剤
が添加されているので1)平衡化反応が短時間で時間で
行なわれる、2)平衡化反応時にエポキシ環の開裂が起
きない、3)目的とするオルガノポリシロキサンの重合
度を設定通りに制御することができるという効果が与え
られるので、付加反応型の硬化性オルガノポリシロキサ
ン組成物の主剤とされるエポキシ基とアルケニル基とを
同時に含有するオルガノポリシロキサンを容易に得るこ
とができるという工業的な有利性が与えられる。
フロントページの続き (72)発明者 原 寛保 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内 (56)参考文献 特開 昭64−85224(JP,A) 特開 昭50−3500(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イ)エポキシ基を含有するオルガノシロキ
    サンとアルケニル基を含有するオルガノシロキサンとの 混合物 100重量部、 ロ)非プロトン系有機溶剤 5〜100重量部、 ハ)塩基性触媒 0.01〜10 重量部、 よりなる組成物を平衡化させてエポキシ基とアルケニル
    基を含有するオルガノポリシロキサンとすることを特徴
    とするオルガノポリシロキサンの製造方法。
  2. 【請求項2】ロ)成分としての非プロトン系有機溶剤が
    N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
    ド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、
    アセトニトリルから選択されたものである請求項1に記
    載したオルガノポリシロキサンの製造方法。
  3. 【請求項3】ハ)成分としての塩基性触媒がアルカリ金
    属含有塩基および/またはホスホニウム塩である請求項
    1に記載したオルガノポリシロキサンの製造方法。
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