JPH0797341A - 安定な放射性テクネチウム標識診断用組成物 - Google Patents
安定な放射性テクネチウム標識診断用組成物Info
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- JPH0797341A JPH0797341A JP6124711A JP12471194A JPH0797341A JP H0797341 A JPH0797341 A JP H0797341A JP 6124711 A JP6124711 A JP 6124711A JP 12471194 A JP12471194 A JP 12471194A JP H0797341 A JPH0797341 A JP H0797341A
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Abstract
ルグリシルグリシルグリシン、ジエチレントリアミン五
酢酸およびメチレンジホスホン酸で形成されるキレート
化合物とチオ硫酸又はその塩を含有する診断用組成物。 【効果】 本発明の診断用試薬は、テクネチウムキレー
ト化合物を高放射能量で標識しても、当該化合物の分解
が防がれるので、優れた性質を有する放射性テクネチウ
ム標識化合物を既標識された形で提供することが可能と
なる。従って、臨床現場における煩雑な標識操作が不要
となるため、標識操作に伴う作業者の被爆が軽減され、
より簡単にイメージング等の臨床検査を行うことが可能
となる。
Description
識キレート化合物を含む放射性テクネチウム標識診断用
組成物に関し、更に詳細には、腎動態機能イメージング
法を始め、各種器官のイメージングに使用することので
きる、放射性テクネチウム標識キレート化合物を安定に
保持する放射性テクネチウム標識診断用組成物に関す
る。
物質を生体内に投与し、当該物質の発する放射線をシン
チカメラで検出してその物質の生体内での分布、挙動を
非侵襲的に画像として表現することが行われており、様
々な疾病の早期発見や病態を解明するために利用されて
いる。 この、放射性同位元素で標識された物質は、イ
メージング剤と呼ばれ、それぞれの目的に適したものが
開発されている。
イメージング剤には、ジメルカプトコハク酸テクネチウ
ム(99mTc−DMSA)等の腎静態イメージング剤や
ジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc−
DTPA)、オルトヨウ化ヒプル酸ナトリウム(131I
−,123I−OIH)およびフリッツバーグ(Fritzber
g)らが報告した、99mTcとメルカプトアセチルグリシ
ルグリシルグリシン(MAG3)からなるメルカプトア
セチルグリシルグリシルグリシンテクネチウム(99mT
c−MAG3;Fritzberg A.R. et al:J Nucl Med,27,1
11,1986)等の腎動態イメージング剤が知られており、
これらは広く臨床応用されている。
99mTcは、そのガンマ線エネルギーがイメージングに
最適であり、短半減期核種であるために吸収線量が低
く、大量投与が可能になり、131I等他の放射性核種よ
り鮮明で詳細な動態画像が得られるという利点がある。
更に、この99mTcは、商用テクネチウム発生器より自
由に取り出せるため安定供給も可能である等の利点を有
している。
ているにもかかわらず、実際の使用においては、まだ問
題があり、実用面において十分に満足できるものとはい
い難かった。
るため、病院、検査機関等においてテクネチウム発生器
を用い作成することが普通であるが、このものとMAG
3等のキレート剤を反応させ、放射性テクネチウム標識
キレート化合物を調製する必要がある。 そして、99mT
cキレート化合物調製時には、放射能濃度の調整や、場
合によっては、加熱及び空気酸化が必要であり、また、
その操作が煩雑であるため、作業者が99mTcの放射線
に被爆する可能性が大きいという問題点があった。
Tcキレート化合物を既標識製剤として供給することが
望ましいが、既標識製剤として供給するためには、半減
期および使用時期から勘案して、使用時放射能量(20
0−800MBq)の10〜20倍の高放射能量で標識
し、出荷する必要がある。
たテクネチウムは、その放出する放射線によりテクネチ
ウムとキレート化合物の結合自体を解裂させ、その結
果、フリーの99mTcが生成し、これがバックグラウン
ドとなって画像を低下させてしまうという新たな問題が
生じていた。
標識しても放射性テクネチウム標識キレート化合物が分
解しないような技術の開発が望まれていた。
で標識されたテクネチウム化合物の分解を防ぐ方法につ
いて、鋭意研究を重ねた結果、当該化合物にチオ硫酸ま
たはその塩を添加すれば、安定性が向上して分解を防ぐ
ことができ、また保存中のpHの変化もないことを見出
し、本発明を完成した。
識キレート化合物とチオ硫酸又はその塩を含有する放射
性テクネチウム標識診断用組成物を提供するものであ
る。
化合物は、放射性テクネチウムとキレート化合物とを公
知方法に従って反応させることにより製造される。
塩、例えば、過テクネチウム酸ナトリウムとして、99M
o−99mTcジェネレーターより得られる。
化合物としては、イメージング剤の分野において利用す
ることのできるキレート剤、例えば、メルカプトアセチ
ルグリシルグリシルグリシン、ジエチレントリアミン五
酢酸、ジメルカプトコハク酸、メチレンジホスホン酸等
およびそれらの塩が挙げられる。
に好ましいものとしては、次の式、
グリシルグリシルグリシン(MAG3)が挙げられる。
硫酸の他、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チ
オ硫酸アンモニウム等が挙げられる。
よびその塩とキレート化合物との配合比(モル比)は、
使用するキレート化合物によって異なるので、キレート
化合物に応じて適宜選択することができる。例えばキレ
ート化合物としてメルカプトアセチルグリシルグリシル
グリシンを用いる場合は、上記配合比を3:1以上、特
に20:1程度とすることが好ましく、また、ジエチレ
ントリアミン五酢酸を用いる場合は、0.001:1〜
1:1程度、特に0.04:1〜0.16:1程度とする
ことが好ましく、更に、メチレンジホスホン酸を用いる
場合は、0.001:1〜1:1程度、特に0.023:
1〜0.376:1程度とすることが好ましい。
かに本発明の効果を損なわない範囲で種々の任意成分を
添加することができる。
成物は、例えば、腎臓を始め、肝臓、骨等の器官の様々
な疾病の早期発見や病態を解明するためのイメージング
剤として有利に利用することができる。
レート化合物を高放射能量で標識しても、当該化合物の
分解が防がれるので、優れた性質を有する放射性テクネ
チウム標識化合物を既標識された形で提供することが可
能となる。従って、臨床現場における煩雑な標識操作が
不要となるため、標識操作に伴う作業者の被爆が軽減さ
れ、より簡単にイメージング等の臨床検査を行うことが
可能となる。
するが、本発明はこれら実施例になんら制約されるもの
ではない。
(1):発熱性物質を含まない無菌水に、窒素、アルゴ
ン等の不活性ガスを吹き込んで溶存酸素を除去した。
この水75mlに酒石酸ナトリウム20g及び塩化第一
スズ塩酸溶液(25mg/ml)40mlを加えた後、
水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを7.3に調製し
た。 この溶液にベンゾイルメルカプトアセチルグリシ
ルグルシルグリシン(MAG3) 50mgを溶解し、
溶存酸素を除去した水で全量を100mlとし、キレー
ト組成物液を得た。
は水溶液のまま、ないしは凍結状態で保存してもよい
が、凍結乾燥を行ない凍結乾燥品として保存することも
可能である。なお本実施例および以下の実施例における
操作は、全て窒素、アルゴン等の不活性ガス気流下、無
菌的に行った。
得られたキレート組成物液 0.1mlと、99mTc(5
GBq)を過テクネチウム酸ナトリウムの形で含む生理
食塩液 0.85mlとを混合、撹拌後、加熱器(ヒーテ
ィングブロック;ヤマト科学製 )を用い、100℃で
10分間加熱した。 加熱終了後、室温まで冷却し、チ
オ硫酸ナトリウム溶液0.05mlを加え、テクネチウ
ム標識MAG3溶液(以下、「99mTc−MAG3」と
略称する)を得た。
得た99mTc−MAG3を、逆相クロマトグラフィー
(メルク社製逆相板 RP−18; 生理食塩水/メタノ
ール/酢酸=60/40/1)に付し、原料化合物およ
び目的の99mTc−MAG3の展開位置を調べた。
ネチウム酸ナトリウムはRf0.8〜0.9の位置に、
99mTcスズコロイド及び還元水解された不溶性テクネ
チウム(TcO2)は原点に留っていることがわかっ
た。 これに対し目的物である99mTc−MAG3はRf
0.4付近に展開された。
3の放射化学的純度は次式から求められる。 放射性化学的純度(%)= A/B×100 A: Rf0.4付近のピークの放射能量 B: 薄層板上の総放射能量
の影響:実施例2に示した方法に従い、チオ硫酸ナトリ
ウム濃度のみが異なる99mTc−MAG3を製造した。
チオ硫酸ナトリウム濃度が0、5、50、100、25
0、750、1500、7500μg/mgのものにつ
いて、製造直後及び室温保存28時間後の放射化学純度
の分析を実施例3の方法で行ない、また、この値から分
解率を算出した。 この結果を表1に示す。
00μg/ml以上存在する条件下では、製造直後から
長時間にわたり放射化学的純度の劣化が無いことが明か
となった。
99mTc−MAG3製剤のうち、チオ硫酸ナトリウムを
その濃度が750μg/mlとなるように添加したもの
を室温で28時間放置した後、逆相クロマトグラフィー
(メルク社製逆相板 RP−18; 生理食塩水/メタノ
ール/酢酸=60/40/1)により展開し、99mTc
の分解の程度を調べた。また、対照として、チオ硫酸ナ
トリウムを添加しなかった99mTc−MAG3について
も同様に分解の程度を調べた。 これらの結果を図1お
よび図2に示す。この結果から明らかなように、本発明
の99mTc−MAG3製剤はほとんど分解が認められな
いが、対照品では分解がおこり、99mTcO4のピークが
明きらかに認められた。
−MAG3のうち、チオ硫酸ナトリウム濃度が750μ
g/mlのものを製造24時間後にウイスター(Wis
tar)系雄ラットに0.2mlずつ静脈内投与し、5
分後及び1時間後に解剖して臓器を摘出し、各臓器中の
放射能を測定した。 また、比較としてチオ硫酸ナトリ
ウムを含まない用時調製用製剤から製造した99mTc−
MAG3の製造直後のものも同様に行った。 この結果
を表2に示す。
ムの添加の有無により体内分布に有意差は見られず、投
与後速やかに腎臓を経て尿中に排泄される腎機能診断剤
としての優れた性質を保持していることが理解される。
(2):発熱性物質を含まない無菌水に、窒素、アルゴ
ン等の不活性ガスを吹き込んで溶存酸素を除去した。
この水350mlにジエチレントリアミン五酢酸(DT
PA)10g、1規定水酸化ナトリウム溶液80ml及
び塩化第一スズ塩酸溶液(110mg/ml)10ml
を加えた後、水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを
4.15に調製し、溶存酸素を除去した水で全量を50
0mlとた。この溶液を1mlずつバイアルに分注後、
凍結乾燥してキレート組成物を得た。
得られたキレート組成物に、99mTc(5GBq)を過
テクネチウム酸ナトリウムの形で含む生理食塩液 1m
lを混合、撹拌後、チオ硫酸ナトリウム溶液(50mg
/ml)を0.01および0.04ml加え、テクネチウ
ム標識DTPA溶液(以下、「99mTc−DTPA」と
略称する)を得た。
得た99mTc−DTPAを、ペーパークロマトグラフィ
ー(アセトン:水=1:1)に付し、目的の99mTc−
DTPAの展開位置を調べた。
酸ナトリウムはRf1.0の位置に、99mTcスズコロイ
ド及び還元水解された不溶性テクネチウム(TcO2)
は原点に留っていることがわかった。 これに対し目的
物である99mTc−DTPAはRf0.7付近に展開され
た。
Aの放射化学的純度は次式から求められる。 放射性化学的純度(%)= A/B×100 A: Rf0.7付近のピークの放射能量 B: ろ紙上の総放射能量
99mTc−DTPA製剤のうち、チオ硫酸ナトリウムを
その濃度が2mMとなるように添加したものを、室温で
28時間放置した後、実施例9と同様の方法でペーパー
クロマトグラフィーに付すことによって、99mTc−D
TPAの分解の程度を調べた。また、対照として、チオ
硫酸ナトリウムを添加しなかった99mTc−DTPAに
ついても同様に分解の程度を調べた。 この結果を表3
に示す。
加することにより、99mTc−DTPAの放射化学的純
度の劣化が抑制され、著しく安定性が高まることが明ら
かとなった。
(3):発熱性物質を含まない無菌生理食塩液に、窒
素、アルゴン等の不活性ガスを吹き込んで溶存酸素を除
去した。 この生理食塩液14mlにメチレンジホスホ
ン酸(MDP)150mg、チオ硫酸ナトリウム溶液
(4mg/ml)0.8および3.2ml、並びに塩化第
一スズ塩酸溶液(15mg/ml)0.5mlを加えた
後、6規定水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを5.
4に調製し、溶存酸素を除去した生理食塩液で全量を2
0mlとし、キレート組成物液を得た。
で得られたキレート組成物液 1mlと、99mTc(1
4.8GBq)を過テクネチウム酸ナトリウムの形で含
む生理食塩液 1mlとを混合、撹拌し、テクネチウム
標識MDP溶液(以下、「99mTc−MDP」と略称す
る)を得た。
得た99mTc−MDPを、薄層クロマトグラフィー(メ
ルク社製TLCプラスチックシートシリカゲル60:メ
チルエチルケトン)に付し、目的の99mTc−MDPの
展開位置を調べた。
酸ナトリウムはRf1.0の位置に展開され、目的物で
ある99mTc−MDPは原点に留っていることがわかっ
た。したがって、調製される99mTc−MDPの放射化
学的純度は次式から求められる。 放射性化学的純度(%)= A/B×100 A: 原点付近のピークの放射能量 B: 薄層板上の総放射能量
99mTc−MDP製剤のうち、チオ硫酸ナトリウムをそ
の濃度が0.5mMとなるように添加したものを、室温
で24時間放置した後、実施例13と同様の方法で薄層
クロマトグラフィーに付すことによって、99mTc−M
DPの分解の程度を調べた。また、対照として、チオ硫
酸ナトリウムを添加しなかった99mTc−MDPについ
ても同様に分解の程度を調べた。 この結果を表4に示
す。
ことにより、99mTc−MDPの放射化学的純度の劣化
が抑制され著しく安定性が高まることが明らかとなっ
た。
保存後の分解状態を示すラジオクロマトグラフ。
の分解状態を示すラジオクロマトグラフ。 以 上
Claims (4)
- 【請求項1】 放射性テクネチウム標識キレート化合物
とチオ硫酸又はその塩を含有する放射性テクネチウム標
識診断用組成物。 - 【請求項2】 放射性テクネチウム標識キレート化合物
が、放射性テクネチウム標識と、メルカプトアセチルグ
リシルグリシルグリシン、ジエチレントリアミン五酢酸
およびメチレンジホスホン酸から選ばれる化合物の反応
により得られたものである請求項1記載の放射性テクネ
チウム標識診断用組成物。 - 【請求項3】 放射性テクネチウム標識キレート化合物
が、次式 【化1】 で表される化合物である請求項第1項記載の放射性テク
ネチウム標識診断用組成物。 - 【請求項4】 イメージング剤である請求項1記載の放
射性テクネチウム標識診断用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6124711A JP2864448B2 (ja) | 1993-06-03 | 1994-05-16 | 安定な放射性テクネチウム標識診断用組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-156313 | 1993-06-03 | ||
JP15631393 | 1993-06-03 | ||
JP6124711A JP2864448B2 (ja) | 1993-06-03 | 1994-05-16 | 安定な放射性テクネチウム標識診断用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0797341A true JPH0797341A (ja) | 1995-04-11 |
JP2864448B2 JP2864448B2 (ja) | 1999-03-03 |
Family
ID=26461336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6124711A Expired - Lifetime JP2864448B2 (ja) | 1993-06-03 | 1994-05-16 | 安定な放射性テクネチウム標識診断用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2864448B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-16 JP JP6124711A patent/JP2864448B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2864448B2 (ja) | 1999-03-03 |
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