JPH0797320A - 制癌剤 - Google Patents

制癌剤

Info

Publication number
JPH0797320A
JPH0797320A JP20591294A JP20591294A JPH0797320A JP H0797320 A JPH0797320 A JP H0797320A JP 20591294 A JP20591294 A JP 20591294A JP 20591294 A JP20591294 A JP 20591294A JP H0797320 A JPH0797320 A JP H0797320A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
dha
epa
purity
fatty acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP20591294A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuma Sasaki
琢磨 佐々木
Kazuo Kinoshita
一夫 木下
Masakuni Noguchi
昌邦 野口
Motohiro Tanaka
基裕 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP20591294A priority Critical patent/JPH0797320A/ja
Publication of JPH0797320A publication Critical patent/JPH0797320A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 副作用がなく制癌効果が得られる制癌剤を提
供すること。 【構成】 純度95重量%以上の高純度高度不飽和脂肪
酸及びそのエステルからなる群より選択される1種を有
効成分として含む制癌剤。本発明に使用する高純度高度
不飽和脂肪酸及びそのエステルは、高度不飽和脂肪酸類
を含有する原料を高真空下で複数の蒸留塔によって精密
蒸留し、EPA又はDHA留分を取得し、次いでこの留
分を逆相分配系のカラムクロマトグラフィーによって分
画精製して製造する。 【効果】 副作用がほとんどない制癌剤を提供すること
ができる。また手術後の癌細胞の増殖防止及び転移予防
効果を発現し、経口にて簡単に投与可能な制癌剤を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制癌剤に関し、詳細に
は、純度95重量%以上の高純度高度不飽和脂肪酸又は
そのエステルを有効成分として含む制癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ドコサヘキサエン酸(DHA)及びその
エステルからなる群より選択される1種又は2種以上を
有効成分として含むことを特徴とする制癌剤が開発され
ている(特開平1−153629号公報参照)が、そこ
で用いられているDHA又はそのエステルは、純度の高
いものほど好ましいが、通常は他の脂肪酸及び/又はそ
れらのエステルの混合物の形で使用している。この際の
DHA又はそのエステルの含有量は25重量%以上が好
ましいとなっていて、実施例ではせいぜい74.0重量
%のものが使用されているにすぎない。
【0003】魚油中のω−3系脂肪酸であるエイコサペ
ンタエン酸(EPA)に、制癌効果があるという実験結
果(箕浦等、日本癌学会総会記事No.114 198
5)が発表されているが、該実験も、高純度EPAを用
いるものではない。
【0004】最近、純度が95重量%以上である高純度
EPA、DHA、そのエステル等の高度不飽和脂肪酸類
を高純度に製造する技術が確立した。高度不飽和脂肪酸
類を含有する原料を高真空下で複数の蒸留塔によって精
密蒸留し、EPA又はDHA留分を取得し、次いでこの
留分を逆相分配系のカラムクロマトグラフィーによって
分画精製して高純度EPA、DHA、そのエステルを製
造する。
【0005】エイコサペンタエン酸及び/またはその誘
導体を含む天然油脂から得られる脂肪酸またはそのエス
テルの混合物を高真空下で複数の蒸留塔によって精密蒸
留して炭素数20の脂肪酸またはそのエステルを主成分
とする留分を取得し、次いでこの留分を逆相分配系のカ
ラムクロマトグラフィーによって分画精製して、高純度
エイコサペンタエン酸またはそのエステルを取得する高
純度EPA又はそのエステルの製造方法が開発されてい
る。その製造方法では純度が95重量%以上の高純度エ
イコサペンタエン酸またはそのエステルが得られている
と報告されている。ドコサヘキサエン酸またはそのエス
テルについてもほぼ同様の操作により得られると報告さ
れている。
【0006】また特開昭61−83122号公報には、
エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸
(DHA)との混合物及びEPAとDHAとガンマリノ
レン酸(GLA)との混合物がシャーレー中での癌細胞
を用いる実験により、癌細胞の増殖を抑制する作用を示
すことが開示されている。しかしながら前記混合物を使
用する場合、食道癌、脳腫瘍、肝臓癌、咽頭癌等に制癌
効果を発現するとしているが、単にエイコサノイドバラ
ンスを正常化するにすぎず、また混合物としての量比も
まだ確定されていない等の欠点を残している。
【0007】
【発明の目的】上記高純度EPA、DHA、そのエステ
ル等は血栓生成の予防や血栓性疾患の治療のための処方
剤として使用されているところ、本発明は、これらを制
癌剤として使用することを目的とする。即ち本発明は副
作用がなく制癌効果が得られる制癌剤を提供することを
目的とする。本発明の別の目的は、手術後の癌細胞の増
殖及び転移を防止する制癌剤を提供することである。本
発明の更に別の目的は、経口投与にて簡単に摂取するこ
とのできる制癌剤を提供することである。本発明の他の
目的は、食品中に添加し搾取することができる制癌剤を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】これまで疫学的調査や種
々の実験により、乳癌の発生や増殖においてω−6型多
価不飽和脂肪酸であるリノール酸(LA)が危険因子で
あることが明らかにされている。一方脂肪酸の中でもω
−3型多価不飽和脂肪酸に属するエイコサペンタエン酸
(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含む
魚油が乳癌の発生および増殖をむしろ抑制するという動
物実験結果も報告されている。人間の生体内では、ω−
6型多価不飽和脂肪酸とω−3型多価不飽和脂肪酸が相
互変換しないことより、これらの報告は脂肪の種類、す
なわち脂肪酸組成の違いが乳癌の発生や増殖に大きく関
与していることを示すものと考えられる。今後乳癌の発
癌予防や治療の一つとしてEPAやDHAの効果が期待
されている。
【0009】本発明の制癌剤は、ほとんど全ての固型癌
及び白血病等に効果を示し、特に乳癌、大腸癌、前立腺
癌、膵臓癌、卵巣癌、肺癌等の治療及び癌再発防止に有
効に使用することができる。
【0010】本発明における制癌剤の投与形態として
は、経口投与が好ましく、例えば、EPAエチルエステ
ルやDHAエチルエステルの剤形、カプセル形で投与す
ることができる。更にEPAグリセリド、DHAグリセ
リドを食品に配合し摂取することが可能である。これ等
の食品を毎日摂取することにより例えば乳癌、大腸癌等
を予防することができる。本発明における制癌剤の投与
量は、対象となる癌の種類又は症状等により異なるが有
効成分であるEPA又はDHAの量が1日当たり1〜5
00mg/kgの範囲にて用いるのが望ましい。
【0011】
【実施例】本願発明を実施例により詳細に説明する。本
願発明は、この実施例により何ら限定されない。
【0012】実施例1 材料と方法 腫瘍の増殖および転移における効果を検討するため、腫
瘍細胞としてリンパ節、肺に自然転移を示すマウス乳癌
細胞株(MM48)を用いた。動物は雌C3H/Heマ
ウスを7〜8週齢より標準飼料CRF1〔チャールズリ
バー社:脂肪5.9%(LA50.2%,EPA1.4
%,DHA1.4%)〕と水道水を全期間を通じ自由に
与えて飼育し、入室後3週より実験を開始した。
【0013】実験1日目にC3H/Heマウス腹腔内に
て継代されたMM48細胞を腹水とともに採取し、2.
5×10個を右下肢footpatに移植した。2日
目に1群20匹、5群に分け、無処置群(対照群)を除
き、2日目より実験終了まで週3回、ココナッツ脂(コ
コナッツ脂群)、リノール酸エチルエステル(LA
群)、EPAエチルエステル(EPA群)、DHAエチ
ルエステル(DHA群)0.2mlを金属製給餌チュー
ブを用いて胃内投与した。
【0014】ココナッツ脂はトリグリセリド型であり、
リノール酸エチルエステル(純度97.7%)、EPA
エチルエステル(純度99.3%)、DHAエチルエス
テル(度98.4%)はいずれもエチルエステル型で高
度に精製されたものであり、抗酸化剤として0.05%
dl−α−トコフェロールを添加したものである。
【0015】実験17日目に腫瘍を移植した右下肢を切
断し、原発巣の腫瘍の増殖を評価するとともに原発巣に
よる癌死を予防した。そしてこの時の手技や侵襲に起因
したと考えられた死亡例は不適格として除外し、残りを
さらに2群に分け、一つは術後の生存期間を観察し、も
う一つは29日目に屠殺し、肺転移の個数と肺の重量か
ら肺転移を評価した。図1にスケジュールを示す。また
実験経過中の薬剤の毒性の現れとして体重の変化を測定
し、対照群と比較した。なお統計学的解析として平均値
の有意差の検定にはT検定、生存率の差の検定にはログ
ランク テストを用いた。
【0016】結果は次のとおりである。 (脂肪酸の毒性について)表1(体重の変化)に示すと
おり、ココナッツ脂群、LA群、EPA群、DHA群の
各投与群の平均体重は実験開始時22.4〜22.7
g、2週間後20.3〜21.5gであり、実験中わず
かに体重の減少を認めたが、各群においては有意な差は
認められなかった。また飼料摂取量は実験開始前平均
3.2g/day・マウス、2週間後2.3gであり、
飼料中のLAと処置に用いた各油脂の重量比は前で1:
0.9、2週間後で1:1.2であった。
【0017】
【表1】
【0018】(原発腫瘍の増殖抑制効果について)17
日目に切断した右下肢より求めた原発腫瘍の重量は、E
PA,DHA群で他の三群に比べ有意な減少(p<0.
005)を示しており、その抑制率はEPA群で52
%、DHA群で40%であった。図2に原発腫瘍の腫瘍
増殖の抑制効果について示す。
【0019】(肺転移の抑制効果について)転移個数を
各群で比較するとEPA群とDHA群およびココナッツ
脂群で減少、LA群で増加傾向を認めた。抑制率はEP
A群で42%、DHA群で35%であった。図3に肺転
移個数からみた肺転移の抑制効果について示す。また肺
重量の体重比から検討すると、DHA群とココナッツ脂
群およびEPA群で減少、LA群で増加傾向を認めた。
抑制率はDHA群で25%、ココナッツ脂群14%、E
PA群で10%であった。図4に肺重量の体重比からみ
た肺転移の抑制効果について示す。
【0020】(生存期間について)原発巣切除後の生存
期間をカプラン マイヤー法で表し、ログランク テス
トで検定を行った。図5に右下肢切断後の生存期間を示
す。全体的に生存期間の延長が顕著に認められたのはE
PA群であり、逆に予後不良であったのは対照群であっ
た。対照群と比較するとEPA群は有意に生存期間が延
長していた。一方DHA群はp=0.07であり、有意
とはいえないが延長の傾向を認め、予後の向上が期待さ
れた。表2に術後生存期間に対する効果を示す。これを
生存期間中央値で比較すると、EPA,DHA群では対
照群に比し、各々44%,33%の生存期間の延長を認
めた。対照群の生存期間を100とした場合の各群の生
存期間を比較すると、LA群は生存期間に関しては対照
群よりも良好な結果を示し、予後不良の危険因子とはい
えなかった。
【0021】
【表2】
【0022】考察及び小総括 マウス乳癌高転移性腫瘍を用いた本実験において、EP
AとDHAは腫瘍の増殖及び肺転移を抑制、減少させ
た。またさらにEPAにおいては生存期間の延長も明ら
かにされた。一方LAは腫瘍の増殖及び転移に対し増悪
因子であったが、生存期間の短縮は認められなかった。
これまでの報告ではLAが乳癌の発生や増殖に対し増悪
因子であることが種々の動物実験で明らかにされ、また
その機序についてもプロスタグランジンEの産生やエ
ストロゲン等のホルモンの変化、免疫能の低下などが論
じられているが、一方EPA,DHAの癌の増殖抑制に
関してはいまだ不明な点が多い。
【0023】
【発明の効果】魚油中に多量に存在するエイコサペンタ
エン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)を有
効成分とする副作用がほとんどない制癌剤を提供するこ
とができる。また手術後の癌細胞の増殖防止及び転移予
防効果を発現し、経口にて簡単に投与可能な制癌剤を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のスケジュールを示した説明
図である。
【図2】原発腫瘍の腫瘍増殖の抑制効果について示した
説明図である。図中ココナッツ脂群はcoconut、
LA群はLA、EPA群はEPA、DHA群はDHAと
表した。
【図3】肺転移個数からみた肺転移の抑制効果について
示した説明図である。
【図4】肺重量の体重比からみた肺転移の抑制効果につ
いて示した説明図である。
【図5】右下肢切断後の生存期間について示した説明図
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度95重量%以上の高純度高度不飽和
    脂肪酸及びそのエステルからなる群より選択される1種
    を有効成分として含む制癌剤。
  2. 【請求項2】 高度不飽和脂肪酸がエイコサペンタエン
    酸である請求項1記載の制癌剤。
  3. 【請求項3】 高度不飽和脂肪酸がドコサヘキサエン酸
    である請求項1記載の制癌剤。
JP20591294A 1993-08-04 1994-07-27 制癌剤 Withdrawn JPH0797320A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20591294A JPH0797320A (ja) 1993-08-04 1994-07-27 制癌剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-229726 1993-08-04
JP22972693 1993-08-04
JP20591294A JPH0797320A (ja) 1993-08-04 1994-07-27 制癌剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0797320A true JPH0797320A (ja) 1995-04-11

Family

ID=26515328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20591294A Withdrawn JPH0797320A (ja) 1993-08-04 1994-07-27 制癌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0797320A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004502732A (ja) * 2000-07-13 2004-01-29 ティア、メディカ、アクチスカベット 癌治療のための脂肪酸類似体
JP2005289817A (ja) * 2004-03-09 2005-10-20 Daicho Kikaku:Kk 抗癌剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004502732A (ja) * 2000-07-13 2004-01-29 ティア、メディカ、アクチスカベット 癌治療のための脂肪酸類似体
JP2005289817A (ja) * 2004-03-09 2005-10-20 Daicho Kikaku:Kk 抗癌剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2810916B2 (ja) 脂肪酸を含有する医薬用組成物
Noguchi et al. Chemoprevention of DMBA-induced mammary carcinogenesis in rats by low-dose EPA and DHA
EP0782827B1 (en) Use of a balancing agent for omega-6 and omega-3 unsaturated fatty acids
EP1237545B1 (en) Use of stearidonic acid in the manufacture of a medicament for the treatment or prevention of cancer
SE462701B (sv) Farmaceutisk komposition foer saenkning av kolesterol- och triglyceridhalterna i blodet, samt anvaendning daerav i en livsmedelsprodukt
EP0611569A2 (en) Triglycerides
JPH10504016A (ja) サポニンをできれば他の化合物と組合せて含む炎症及び感染症の治療のための腸溶性配合物
EP1489915A1 (en) Treatment and prevention of inflammatory disorders
Danbara et al. Conjugated docosahexaenoic acid is a potent inducer of cell cycle arrest and apoptosis and inhibits growth of colo 201 human colon cancer cells
EP0416743B1 (en) Antivirale Verwendung von Zusammensetzungen bestehend aus EFAs und Interferon
JPS61171419A (ja) 銅と脂肪酸との組成物
US20210330625A1 (en) Lipid formulations containing bioactive fatty acids
JP2024023267A (ja) Dhaが豊富な多価不飽和脂肪酸組成物
WO1987004926A2 (en) Method of modifying the lipid structure of cell membranes and pharmaceutical compositions for use therein
CA2436650A1 (en) Conjugated linolenic acid (clnatm) compositions: synthesis, purification and uses
EP0409559B1 (en) Pharmaceutical uses of fatty acids
JPH01153629A (ja) 制癌剤
JPH11269456A (ja) 高度不飽和脂肪酸組成物
JPH0797320A (ja) 制癌剤
EP3560342B1 (en) Dha enriched polyunsaturated fatty acid compositions
Suchner et al. Immune modulation by polyunsaturated fatty acids during nutritional therapy: interactions with synthesis and effects of eicosanoids
EP1696741B1 (en) Use of hydroxyoleic acid and related compounds as functional food additives
AU2002216498B2 (en) Shark meat extract
EP3986387A1 (en) Composition comprising polar lipids and method of making same
WO2020028263A1 (en) 5,11,14-eicosatrienoic acid compositions and methods for their production

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20011002