JPH0797190A - ステップ作動式持ち上げ装置のための油圧制御装置 - Google Patents

ステップ作動式持ち上げ装置のための油圧制御装置

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JPH0797190A
JPH0797190A JP26966893A JP26966893A JPH0797190A JP H0797190 A JPH0797190 A JP H0797190A JP 26966893 A JP26966893 A JP 26966893A JP 26966893 A JP26966893 A JP 26966893A JP H0797190 A JPH0797190 A JP H0797190A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 持ち上げ体3へ上下複数設けた係合部4に、
持ち上げシリンダ1の上昇作動時にはその可動側6に設
けた受け止め部材7を、下降作動時には、固定側11に
設けた受け止め部材8を係合させ、持ち上げ体3をステ
ップに持ち上げる装置で、受け止め部材7、8が持ち上
げ体3の荷重を受けた状態で係合部4から離脱作動しな
いようにする。 【構成】 受け止め部材7、8を離脱作動されるシリン
ダの供給油圧を減圧弁44、45で制限して荷重受け止
め状態で離脱作動しないようにし、また、持ち上げシリ
ンダ1の上昇側作動室1Aの圧力変化を検出して、各受
け止め部材7、8は互いに他の受け止め部材に持ち上げ
体3の荷重が移行した後に離脱作動させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧シリンダを利用し
て、持ち上げ体をこの油圧シリンダのストロークよりも
大きく持ち上げることができるステップ作動式持ち上げ
装置のための油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】実公昭61−21603号公報には、こ
のような持ち上げ装置に利用できる流体シリンダが記載
されている。すなわち、シリンダの筒体には、そのピス
トンを貫通してロッドが貫通され、ピストンと筒体に
は、それぞれロッドとの相対移動を阻止、許容するロッ
ク機構が備えてある。このロック機構は、ロッドが挿通
した板体を、それがばねによる押圧力で位置するノーマ
ル位置では、ロッドの移動を許容したアンロック状態と
し、板体に流体圧を付与しばねの押圧力に抗し揺動させ
て得られる作動位置で、板体がロッド外周に押し付けら
れ、ロッドの移動を阻止するロック状態を得るようにし
ている。そして、筒体側のロック機構をアンロック状態
に、ピストンのロック機構をロック状態にして、ピスト
ンを一方向に移動させ、次いで、ピストンのロック機構
をアンロック状態に、筒体のロック機構をロック状態に
してピストンを他方向へと復帰させる動作を反復して、
ロッドを一方向へとステップ的に移動させるのである。
【0003】しかしながら、このような流体シリンダを
起立状に設けてロッドで重量物を持ち上げるステップ作
動式持ち上げ装置としたとき、板体がロッド外周に押し
付けられて得られるロック状態ではロック力が十分でな
くロッドが下降してしまったり、あるいは、板体のロッ
ドへの押し付け個所が摩耗してロック状態が得られなく
なる事態が考えられ、安全確保のうえから、本発明者ら
は、図1に一例を原理的に示した如きステップ作動式の
持ち上げ装置を採用することにした。
【0004】すなわち、1は筒体2を固定支持した持ち
上げシリンダで、3は上下方向に係合部となる係合穴4
を複数設けた持ち上げ体である。持ち上げシリンダ1の
ロッド5に連結して設ける可動部6と、持ち上げシリン
ダ1の固定支持側には、第1受け止め部材7と、第2受
け止め部材8とが、これらを作動する第1係脱シリンダ
9と、第2係脱シリンダ10とともに配設されている。
【0005】各シリンダ1、9、10は複動形の油圧シ
リンダを二つ用いて形成され、第1、第2受け止め部材
7、8は、それぞれ係合孔4に嵌入されて可動部6ある
いは持ち上げシリンダ1の固定支持側に対し、持ち上げ
体3が下降しないよう持ち上げ体3の荷重を受けること
ができる係合位置と、係合穴4から離脱した退避位置と
の間を対応する第1係脱シリンダ9あるいは第2係脱シ
リンダ10により往復移動できるようにされている。ま
た、係合穴4は、所定間隔で設けられている。
【0006】そして、図1のように持ち上げシリンダ1
のロッド5が下方端にあり、第1受け止め部材7を係合
位置に、第2受け止め部材8を退避位置にそれぞれ位置
させた状態より、持ち上げシリンダ1のロッド5を上昇
させ、次いで第2受け止め部材8を係合位置に、第1受
け止め部材7を退避位置に位置させて再び持ち上げシリ
ンダ1のロッドを図1の如き下方へ移動させる動作を反
復して、持ち上げ体3をステップ的に持ち上げるのであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのもので
は、第1あるいは第2受け止め部材7、8の一方が、持
ち上げ体3の荷重を受け止めている状態から退避位置に
移動してしまうと、受け止め部材の他方8、7が退避位
置にある場合には、持ち上げ体3は、持ち上げられた高
さを落下して危険な事態をまねいたり、また他方の受け
止め部材8、7が係合穴4に挿入された係合位置にある
場合でも、持ち上げ体3の荷重を受け止めている結果、
大きな摩擦を受けて係合穴4や受け止め部材8、7が早
期に大きく摩耗し、持ち上げ体3を初期の位置まで正確
に持ち上げできなくなったり、あるいはこのような摩耗
が各部で不均一に生じて各受け止め部材7、8と係合穴
4とが整合しなくなってこれら受け止め部材7、8を係
合位置へ移動できなくなってしまって持ち上げ装置の寿
命が短くなったりする問題点がある。
【0008】本発明は、これら第1あるいは第2受け止
め体が、持ち上げ体の荷重を受けている状態で退避作動
されないようにして、このような問題点を解消したステ
ップ作動式持ち上げ装置のための油圧制御装置を得よう
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため請求項1に記載
の油圧制御装置では、第1及び第2係脱シリンダが、対
応する第1あるいは第2受け止め部材を退避位置へ移動
させる方向へ作動する際の圧油供給径路中に、持ち上げ
体の荷重を受け止めた状態の受け止め部材を移動させる
に足る圧力より小さい圧力の圧油をこれら係脱シリンダ
へ供給する減圧弁を設置している。
【0010】また、請求項2に記載の油圧制御装置で
は、持ち上げシリンダには、これを一方向、および他方
向へ作動するよう両作動室のどちらか一方へ圧油を供給
し他方をタンクへ導くとともに、停止作動させるため両
作動室への圧油の供給を阻止する切換弁を接続し、この
切換弁から持ち上げシリンダの一方向への作動時に圧油
が供給される流路にはメータイン制御をはかる流量制御
弁を設置するとともにメータアウト制御をはかる流量制
御弁を設置した排出流路を分岐接続し、持ち上げシリン
ダが一方向の作動端に達することに伴い第2受け止め部
材を係合位置に移動させるよう切換作動する切換弁を第
2係脱シリンダに接続し、持ち上げシリンダが他方向の
作動端に達することに伴い第1受け止め部材を係合位置
に移動させるよう切換作動する切換弁を第1係脱シリン
ダに接続し、排出流路には持ち上げシリンダの一方向へ
の作動時には閉じ第2受け止め部材が係合位置に達する
ことに伴って開く開閉弁装置を設置し、持ち上げシリン
ダの一方向作動時に圧油が供給される側の作動室圧力を
検出して、これが低から高へ変化することに応じ第2係
脱シリンダに接続の切換弁を、また、高から低へ変化す
ることに応じ第1係脱シリンダに接続の切換弁を、それ
ぞれこれら係脱シリンダによって対応する受け止め部材
が退避位置へ移動されるよう切換作動させるための圧力
検出器を設置している。
【0011】
【作用】請求項1に記載の油圧制御装置では、第1及び
第2係脱シリンダが、対応する第1あるいは第2受け止
め部材を退避位置へ移動するよう作動される際、これら
係脱シリンダへ供給される圧油は、持ち上げ体の荷重を
受け止めた状態の受け止め部材を移動させるに足る圧力
よりも小さい圧力であるので、係脱シリンダは、受け止
め部材が持ち上げ体を受け止めた状態にあるときにこれ
を退避位置へ移動できず、このような受け止め部材の退
避位置への移動が防止される。
【0012】そして、請求項2に記載の油圧制御装置で
は、持ち上げシリンダが一方向への作動端に達すると、
第2係脱シリンダが作動されて第2受け止め部材が係合
位置へ移動され、また、持ち上げシリンダはその切換弁
が中立位置に切換わって停止される。そして排出流路の
開閉弁装置が開作動することにより持ち上げシリンダが
他方向へ作動し、これにより持ち上げ体がわずか下降す
ると、係合位置に位置した第2受け止め部材が係合部に
係合し持ち上げ体の荷重を受け止めて第1受け止め部材
への持ち上げ体の荷重負荷が解消される。そして、この
事態は、圧力検出器により、持ち上げシリンダの一方向
作動時に圧油が供給される側の作動室の圧力低下として
検出され、この検出信号によって第1係脱シリンダは第
1受け止め部材を退避位置へ移動させる。
【0013】また、持ち上げシリンダが他方向の作動端
に達すると、第1係脱シリンダにより第1受け止め部材
が係合位置へ移動される。そして持ち上げシリンダが他
方向へ作動されると、これによる可動部のわずかの上昇
で、第1受け止め部材が係合部に係合して持ち上げ体の
荷重を受け止め、第2受け止め部材への持ち上げ体の荷
重負荷が解消される。この事態が圧力検出器により圧力
上昇として検出され、この検出信号により第2係脱シリ
ンダが第2受け止め部材を退避位置へ移動させる。この
ように、各受け止め部材は、持ち上げ体の荷重を受け止
めている状態から、他方の受け止め部材へ荷重が移行し
た後に退避位置へ移動されて、持ち上げ体の荷重を受け
止めた状態での各持ち上げ体の退避作動が防止される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。なお、図2は、図1で原理的に構成を示したステッ
プ式持ち上げ装置を具体化した一例であり、先に図1で
説明した部分について、重複する説明は省略する。11
は固定支持部を形成する下枠であって持ち上げシリンダ
1の筒体2を固定支持しており、図示しない基盤部分に
適宜着脱可能に固定されるようになっている。そして、
下枠11と、可動部となる上枠6には、それぞれ持ち上
げ体3が挿通する通し穴12、13を設けている。持ち
上げ体3は、係合穴4を径方向に貫通させた丸棒状を呈
しており、上枠6と下枠11には、それらの通し穴1
3、12に達するよう案内穴14、15が形成されて、
これら案内穴14、15には、それぞれ第1受け止め部
材7と、第2受け止め部材8とが案内されてその内端側
を通し穴12、13に出没し、これによってこの内端側
が、係合穴4に嵌入する係合位置と係合穴4から離脱す
る退避位置との間を摺動自在に移動するよう設置されて
いる。なお、これら受け止め部材7、8は同径で、係合
穴4はこれより若干大径である。16、17は、第1係
脱シリンダ9のロッド9Xと第1受け止め部材7、第2
係脱シリンダ10のロッド10Xと第2受け止め部材8
を、それぞれ連結する連結片である。
【0015】また、図3に示すように、持ち上げシリン
ダ1のロッド5が、上枠6を上昇させる前進側の作動端
に達したことを検出するリミットスイッチ16と、上枠
6を下降させる後退側の作動端に達することを検出する
リミットスイッチ17、さらに、第2係脱シリンダ10
のロッド10Xが前進側作動端に達することにより第2
受け止め部材8が退避位置に達することを検出するリミ
ットスイッチ18と、このロッド10Xが後退側作動端
に達することにより第2受け止め部材8が係合位置に達
することを検出するリミットスイッチ19とが、下枠1
1に設けてある。
【0016】同様に、上枠6には、第1係脱シリンダ9
のロッド9Xが前進側作動端に達することにより第1受
け止め部材7が退避位置に達することを検出するリミッ
トスイッチ20と、このロッド9Xが後退側作動端に達
することにより、第1受け止め部材7が係合位置に達す
ることを検出するリミットスイッチ21とが設けてあ
る。
【0017】持ち上げシリンダ1のヘッド側の作動室1
A同志は流路22により、またロッド側の作動室1B同
志は流路23により、電磁切換弁24に接続されてい
る。この切換弁24は、中立位置で流路22、23を油
圧源Pと遮断しタンクTへ接続するとともに、流路2
2、23の一方を油圧源P、他方をタンクTへ選択接続
する二つの作動位置を有した3位置弁である。流路22
には、メータインの流量制御をはかる流量制御弁とな
る、逆止め弁内蔵の流量調整弁25と、メータアウトの
流量制御をはかる、逆止め弁内蔵の絞り弁26と、作動
室方向へ自由流れとなるパイロット操作逆止め弁27と
が設置され、この逆止め弁27は流路23の圧力でパイ
ロット操作されて制御流れを生ずるものである。
【0018】28は、流路22の、流量調整弁25の作
動室1A側から分岐してタンクTへ接続する排出流路
で、排出流量制御用の流量制御弁となる流量制御弁29
と、パイロット操作逆止め弁30及び電磁切換弁31に
より形成される開閉弁装置32を設置している。この逆
止め弁30は、排出方向へ制御流れとなり、電磁切換弁
31は、ノーマル位置ではこの制御流れを形成させず、
作動位置で制御流れを形成させるよう、前記逆止め弁に
パイロット圧力を与える2位置弁である。また、33
は、流路22において、流量調整弁25の作動室1A側
に接続した、作動室1Aの圧力検出用の圧力検出器とな
る圧力スイッチである。
【0019】第1係脱シリンダ9は、流路34、35に
より、そのヘッド側、ロッド側の作動室9A、9Bが、
また、第2係脱シリンダ10は、流路36、37によ
り、ヘッド側、ロッド側の作動室10A、10Bが、そ
れぞれ電磁切換弁38、39に接続されている。40、
41は流路34、35に設置されたパイロット操作逆止
め弁であり、作動室9A、9B方向へ自由流れとなり、
互いに他の流路35、34からのパイロット圧力で制御
流れとなるものであり、同様に流路36、37にも、作
動室10A、10B方向へ自由流れとなり、互いに他方
の流路37、36からのパイロット圧力により制御流れ
となるパイロット操作逆止め弁42、43を設けてい
る。
【0020】また、前記電磁切換弁38、39は、電磁
切換弁24と同様の構成の3位置弁であって、油圧源P
との間には、減圧弁44、45がそれぞれ介在設置して
あり、これら減圧弁44、45の設定圧力は、各切換弁
38、39で各係脱シリンダ9、10により各受け止め
部材7、8を退避位置へ移動させる際に、持ち上げ体3
の荷重を受け止めている状態の受け止め部材7、8を移
動させるに足る圧力よりも小さくなっていて、このよう
な荷重受け止め状態の受け止め部材7、8を移動できな
いようにしている。
【0021】次にこの実施例の作動を説明する図3の状
態は、持ち上げシリンダ1は、ロッド5が後退側作動端
にあり、第1係脱シリンダ9はロッド9Xが前進側作動
端にあり、第2係脱シリンダ10はロッド10Xが後退
側作動端にあって、第1受け止め部材7で持ち上げ体3
の荷重が受け止められている。
【0022】ここで電磁切換弁24が左位置に切換えら
れると、持ち上げシリンダ1は、作動室1Aに、流量調
整弁25によるメータイン制御のもとに圧油が供給さ
れ、前進作動して上枠6が持ち上げ体3とともに上昇す
る。このとき、圧力スイッチ33は、作動室1Aの高圧
状態を検出して第1の信号を出力する。持ち上げシリン
ダ1のロッド5が、前進側作動端に達すると、リミット
スイッチ16が作動され、該スイッチ16からの信号に
基づき、切換弁24が中立位置に切換わってパイロット
操作逆止め弁27を閉止させて持ち上げシリンダ1を停
止させるとともに、切換弁39が右位置に切換わる。こ
のとき、下枠11の通し穴12内では、第2受け止め部
材8と同軸状に係合穴4が整合するよう持ち上げシリン
ダ1の停止位置が選定されており、切換弁39の切換え
で、第2係脱シリンダ10が後退作動して第2受け止め
部材8は、この整合関係にある係合穴4に嵌入されて係
合位置をとり、リミットスイッチ19が作動される。
【0023】このスイッチ19の作動による信号に基づ
いて、電磁切換弁39が再び中立位置に切換わり、ま
た、電磁切換弁31が作動位置に切換わり、これによ
り、パイロット操作逆止め弁30が開くことにより、持
ち上げシリンダ1が、流量調整弁29による速度制御を
受けつつ、持ち上げ体3の荷重により下降作動をはじめ
る。これにより持ち上げ体3が上枠6とともに、係合位
置にある第2受け止め部材8と係合穴4との半径方向間
隙に相当する若干量(この例では約20mmとなってい
る)下降すると、係合穴4内面が第2受け止め部材8外
面に当接係合し、第2受け止め部材8が持ち上げ体3の
荷重を受け止め、これに伴なって第1受け止め部材7へ
の持ち上げ体3の荷重負荷が解消されるので、作動室1
Aの圧力が低下し、圧力スイッチ33はこの圧力低下に
応じて第2の信号を出力する。
【0024】この、圧力スイッチ33による、第1の信
号から第2の信号への変化に応じ、電磁切換弁38が左
位置へ切換作動され、第1係脱シリンダ9が前進作動し
て、第1受け止め部材7が退避位置に移動し、リミット
スイッチ20が作動される。
【0025】そして、このスイッチ20からの信号に応
じ、電磁切換弁38が中立位置に、電磁切換弁31がノ
ーマル位置に切換わるとともに、電磁切換弁24が右位
置に切換わり、持ち上げシリンダ1が絞り弁26による
メータアウト制御を受けつつ後退作動され、上枠6が下
降する。このとき、持ち上げ体3は、第2受け止め部材
8に受け止められて停止状態を保っており、作動室1A
の圧力は、持ち上げ体3を上昇させる場合より低いの
で、圧力スイッチ33からは第2の信号が出力されたま
まである。そして、ロッド5が後退側の作動端に達して
リミットスイッチ17が作動されると、電磁切換弁24
が中立位置に切換わって持ち上げシリンダ1を停止させ
るとともに、電磁切換弁38が右位置に切換わる。この
とき、上枠6の通し穴13内で、係合穴4と第1受け止
め部材7が同軸状に整合するよう持ち上げシリンダ1の
停止位置が選定されており、第1受け止め部材7は、切
換弁38の切換えにより、整合係合にある係合穴4に嵌
入されて係合位置に移動する。これに応じリミットスイ
ッチ21が作動され、該スイッチ21からの信号に応
じ、電磁切換弁38が再び中立位置に切換わり、また、
電磁切換弁24が左位置に切換わって持ち上げシリンダ
1が前進作動を始める。
【0026】これによって上枠6が、係合位置にある第
1受け止め部材7と係合穴4の半径方向間隙に相当した
若干量上昇すると、第1受け止め部材7外面が係合穴4
内面に当接係合し、第1受け止め部材7が持ち上げ体3
の荷重を受け止めることとなり、第2受け止め部材8へ
の持ち上げ体3の荷重負荷が解消される。このため作動
室1Aの圧力が上昇するので、圧力スイッチ33による
出力が第2の信号から第1の信号に変化する。この第2
の信号から第1の信号への変化により、電磁切換弁24
が中立位置に切換わって持ち上げ体3を上枠6とともに
停止保持する一方、電磁切換弁39が左位置に切換わっ
て第2係脱シリンダ10を前進作動させ、第2受け止め
部材8を退避位置へ移動させる。
【0027】第2受け止め部材が退避位置に達してリミ
ットスイッチ18が作動されると、このスイッチ18か
らの信号に応じ、電磁切換弁39が中立位置に切換わ
り、また、電磁切換弁24が再び左位置に切換わって持
ち上げシリンダ1を前進作動し、持ち上げ体3を上枠1
1とともに上昇させる。
【0028】そして以後、このような動作が反復され、
持ち上げ体3は、上枠6が上昇される持ち上げシリンダ
1の前進作動の際に上昇し、上枠6が下降される後退作
動の際には停止状態を保ってステップ的に上昇され、持
ち上げられるのである。
【0029】この作動で、各受け止め部材7、8の退避
位置への移動は、互いに他の受け止め部材8、7へ持ち
上げ体3の荷重が移行した後に行なわれるので、大きな
摩擦が生じなくスムースに行なわれる。そしてこのた
め、各受け止め部材7、8や係合穴4が早期に大きく摩
耗して、正しい位置への持ち上げ体3の持ち上げができ
なくなったり、受け止め部材7、8が係合穴4との整合
関係が得られなくなって係合位置へ移動できなくなる事
態が防止でき、装置の寿命を向上できる。
【0030】また、この互いに他の受け止め体8、7へ
の荷重移行を、持ち上げシリンダ1の作動室1Aの圧力
を検出して行うので、例えば持ち上げシリンダ1のロッ
ド5あるいは上枠6の位置検出による場合と比較する
と、摩耗などで荷重の移行が行なわれる位置が変化して
も、移行した時点が直接的に検出でき、荷重移行の検出
が確実に行なわれる。
【0031】そして、各受け止め部材7、8の一方が退
避位置にあり、他方が持ち上げ体3の荷重を受け止めて
いる状態で、この荷重受け止め状態の受け止め部材7あ
るいは8を退避させるよう、電磁切換弁38あるいは3
9が誤作動により左位置に切換わっても、係脱シリンダ
9あるいは10は、供給される圧油が減圧弁44、45
により制限されてこのような受け止め部材7あるいは8
を退避位置に移動させる程大きな圧力でなくて前進作動
できず、受け止め部材7あるいは8は退避位置に移動し
ないため持ち上げ体3が落下する危険な事態が防止され
る。
【0032】なお、この実施例では、各シリンダ1、
9、10のロッド5、9X、10Xの位置をリミットス
イッチ16、17、18、19、20、21により検出
しているが、例えばポテンショメータ等を利用して、各
ロッドの位置を連続的に検出できる検出器を用いること
もできる。また、開閉弁装置32は、パイロット操作逆
止め弁30と電磁切換弁31で形成しているが、図4に
例示する如き、ポペット式の弁部を有した2ポート切換
弁32Aを開閉弁装置として用いることもできる。
【0033】さらに、実施例では持ち上げシリンダ1
が、筒体2を固定支持し、ロッド5を可動部である上枠
6にこれを移動するよう連結して用いる如き構成とされ
ているが、これを、ロッドを固定支持し、筒体で上枠を
作動する如く用いることができるとともに、各減圧弁4
4、45は、タンクへの排出流れを自由流れとする逆止
め弁機構を内蔵して流路34、36に設置することもで
きる。また、係合穴4で係合部を形成したが、これにか
えて切欠や、突起を設けて係合部とすることもできる
し、各シリンダ1、9、10はそれぞれ2本の油圧シリ
ンダとしたが、必要に応じ1本や3本以上としてもよ
い。
【0034】
【発明の効果】このように請求項1に記載した発明によ
ると、持ち上げ体の荷重を受け止めた状態の受け止め部
材を退避位置へ移動するよう係脱シリンダが作動された
としても、減圧弁によりこの係脱シリンダに供給される
圧油は、荷重受け止め状態の受け止め部材を移動させる
程大きくないので受け止め部材は退避位置に移動せず、
持ち上げ体が落下する危険な事態が防止できる。また、
請求項2に記載した発明によると、各受け止め部材は、
互いに他方の受け止め部材に持ち上げ体の荷重が移行し
た後に退避位置へ移動されるので、この退避動作の際係
合部や各受け止め部が早期に大きく摩耗することがな
く、寿命が向上するとともに、このような荷重の移行の
検出を、一方向に作動する際に圧油が供給される持ち上
げシリンダの作動室の圧力を圧力検出器で検出すること
により行なうので、例えば可動部の位置を検出して行な
う場合と比較すれば、簡単な構成で確実な検出ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が対象とするステップ作動式持ち上げ装
置の一例を示した構成原理図。
【図2】図1のものの具体化の一例を示す正面図。
【図3】本発明の一実施例を示す油圧回路図。
【図4】図3における開閉弁装置の別例をシンボル表示
した図。
【符号の説明】
1持ち上げシリンダ 2筒体 3持ち上げ体 4係合部(係合穴) 5ロッド 6可動部(上枠) 7第1受け止め部材 8第2受け止め部材 9第1係脱シリンダ 10第2係脱シリンダ 24、38、39切換弁 25、29流量制御弁 32開閉弁装置 44、45減圧弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向に複数の係合部を設けた持ち上
    げ体と、起立配置される複動形の油圧シリンダで形成さ
    れてロッドと筒体の一方を固定支持するとともに他方に
    上下方向へ往復動する可動部を配設した持ち上げシリン
    ダとを備え、係合部に係合して持ち上げ体の荷重を受け
    止めることにより可動部に対する持ち上げ体の下降を阻
    止する第1受け止め部材と、複動形の油圧シリンダで形
    成され第1受け止め部材を係合部に係合する位置とそこ
    から退避する位置との間で移動させる第1係脱シリンダ
    とを可動部に配設し、係合部に係合して持ち上げ体の荷
    重を受け止めることにより持ち上げシリンダの固定支持
    側に対する持ち上げ体の下降を阻止する第2受け止め部
    材と、複動形の油圧シリンダで形成され第2受け止め部
    材を係合部に係合する位置とそこから退避する位置との
    間で移動させる第2係脱シリンダとを持ち上げシリンダ
    の固定支持側に配設し、第1受け止め部材を係合部に係
    合させ第2受け止め部材を退避位置に置いた状態で持ち
    上げシリンダを一方向へ作動させて持ち上げ体を上昇さ
    せ、また、第1受け止め部材を退避位置に置き第2受け
    止め部材を係合部に係合させた状態で持ち上げ体を停止
    させたまま持ち上げシリンダを他方向へと復帰作動させ
    る動作を交互に反復して、持ち上げ体をステップ的に持
    ち上げるステップ作動式持ち上げ装置のための油圧制御
    装置において、第1及び第2係脱シリンダが、対応する
    第1あるいは第2受け止め部材を退避位置へ移動させる
    方向へ作動する際の圧油供給経路中に、持ち上げ体の荷
    重を受け止めた状態の受け止め部材を移動させるに足る
    圧力より小さい圧力の圧油をこれら係脱シリンダへ供給
    する減圧弁を設置したことを特徴とするステップ作動式
    持ち上げ装置のための油圧制御装置。
  2. 【請求項2】上下方向に複数の係合部を設けた持ち上げ
    体と、起立配置される複動形の油圧シリンダで形成され
    てロッドと筒体の一方を固定支持するとともに他方に上
    下方向へ往復動する可動部を配設した持ち上げシリンダ
    とを備え、係合部に係合して持ち上げ体の荷重を受け止
    めることにより可動部に対する持ち上げ体の下降を阻止
    する第1受け止め部材と、複動形の油圧シリンダで形成
    され第1受け止め部材を係合部に係合する位置とそこか
    ら退避する位置との間で移動させる第1係脱シリンダと
    を可動部に配設し、係合部に係合して持ち上げ体の荷重
    を受け止めることにより持ち上げシリンダの固定支持側
    に対する持ち上げ体の下降を阻止する第2受け止め部材
    と、複動形の油圧シリンダで形成され第2受け止め部材
    を係合部に係合する位置とそこから退避する位置との間
    で移動させる第2係脱シリンダとを持ち上げシリンダの
    固定支持側に配設し、第1受け止め部材を係合部に係合
    させ第2受け止め部材を退避位置に置いた状態で持ち上
    げシリンダを一方向へ作動させて持ち上げ体を上昇さ
    せ、また、第1受け止め部材を退避位置に置き第2受け
    止め部材を係合部に係合させた状態で持ち上げ体を停止
    させたまま持ち上げシリンダを他方向へと復帰作動させ
    る動作を交互に反復して、持ち上げ体をステップ的に持
    ち上げるステップ作動式持ち上げ装置のための油圧制御
    装置において、持ち上げシリンダには、これを一方向、
    および他方向へ作動するよう両作動室のどちらか一方へ
    圧油を供給し他方をタンクへ導くとともに、停止作動さ
    せるため両作動室への圧油の供給を阻止する切換弁を接
    続し、この切換弁から持ち上げシリンダの一方向への作
    動時に圧油が供給される流路にはメータイン制御をはか
    る流量制御弁を設置するとともにメータアウト制御をは
    かる流量制御弁を設置した排出流路を分岐接続し、持ち
    上げシリンダが一方向の作動端に達することに伴い第2
    受け止め部材を係合位置に移動させるよう切換作動する
    切換弁を第2係脱シリンダに接続し、持ち上げシリンダ
    が他方向の作動端に達することに伴い第1受け止め部材
    を係合位置に移動させるよう切換作動する切換弁を第1
    係脱シリンダに接続し、排出流路には持ち上げシリンダ
    の一方向への作動時には閉じ第2受け止め部材が係合位
    置に達することに伴って開く開閉弁装置を設置し、持ち
    上げシリンダの一方向作動時に圧油が供給される側の作
    動室圧力を検出して、これが低から高へ変化することに
    応じ第2係脱シリンダに接続の切換弁を、また、高から
    低へ変化することに応じ第1係脱シリンダに接続の切換
    弁を、それぞれこれら係脱シリンダによって対応する受
    け止め部材が退避位置へ移動されるよう切換作動させる
    ための圧力検出器を設けたことを特徴とするステップ作
    動式持ち上げ装置のための油圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011178568A (ja) * 2011-04-14 2011-09-15 Tadano Ltd ブーム伸縮機構の制御装置
JP2016016982A (ja) * 2014-07-11 2016-02-01 太平電業株式会社 ジャッキ装置用油圧回路構造

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