JPH0796228A - 塗装処理装置及び塗装処理方法 - Google Patents

塗装処理装置及び塗装処理方法

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JPH0796228A
JPH0796228A JP23992893A JP23992893A JPH0796228A JP H0796228 A JPH0796228 A JP H0796228A JP 23992893 A JP23992893 A JP 23992893A JP 23992893 A JP23992893 A JP 23992893A JP H0796228 A JPH0796228 A JP H0796228A
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wet
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装表面における塗膜破壊やごみの付着など
の不具合が発生することなく、塗装直後の塗装表面の塗
装膜厚や鮮映性の検出を精度よく行う。 【構成】 塗装ガン56は、被塗装物Wに対して一定の
距離を保持しながら移動して塗料を噴出する。ウェット
膜厚用センサ57は、塗装ガン56に対してその外周部
を回転可能に装着され、塗装ガン56の移動方向後方側
に常に位置するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車の車体
などの被塗装物表面を塗装した直後の塗装面の状態を検
出する機能を備えた塗装処理装置及び塗装処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の車体に対する塗装処理装
置については、昭和55年4月20日株式会社山海堂発
行 自動車工学全書19巻「乗用車の製造法」に記載さ
れている。
【0003】このような塗装処理装置においては、例え
ば塗料を噴出する塗装ガンが、被塗装物である車体に対
して車体前後方向,車幅方向及び上下方向に移動して車
体表面全域に塗装を行うものがある。この場合、塗装ガ
ンは被塗装面に対して常に一定の距離を保持しながら塗
料を噴出する。そして、塗装後の塗装表面の状態が所定
の塗装膜厚を備えているか、あるいは所定の鮮映性、つ
まり平滑性,肉持ち性,光沢性を備えているかを判定す
る必要がある。
【0004】塗装膜厚の判定には、従来から知られてい
る例えば針ゲージを利用した接触式タイプ、電磁式また
渦電流式を利用した非接触式タイプの塗装膜厚測定装置
がある。図36はこのような従来の塗装膜厚測定装置の
うち、塗料の非磁極性を利用した非接触式ウェット塗装
膜厚測定装置を示す説明図である。この従来のウェット
塗装膜厚測定装置は、同図(a)に示すように鋼板から
なる被塗装体81の塗装表面に対向して非接触膜厚セン
サ82を近接距離ho に予め位置決めしておいてから、
該非接触膜厚センサ82内に設けられている受発信コイ
ルによって被塗装体81と非接触膜厚センサ82との間
に磁界を生成する。そして、同図(b)に示すように、
被塗装体81の表面上にウェット塗料83を塗装する
と、塗装後の被塗装体81と非接触膜厚センサ82との
間の磁界は塗装膜厚による電磁気抵抗により減衰して受
信コイルに感知される。従って、膜厚に反比例した磁束
の変化を検出することにより、塗装膜厚を測定すること
ができる。
【0005】上述した塗装膜厚測定装置のうち、針ゲー
ジ式のように接触式のものは塗装面への傷によって塗装
品質に影響があるという問題がある。
【0006】これに対し、非接触式のもののうち、図3
6に示したような測定装置は、塗装面に傷が付かないも
のの、塗装前に被塗装体と非接触膜厚センサとの間の距
離を所定の近接距離に設定しておく必要がある。
【0007】一方、塗装表面の鮮映性の判定には、上記
した非接触膜厚センサと同様に塗装表面との間に一定の
距離を保つ塗装表面を測定する撮像手段を使用し、測定
した鮮映性から塗装した表面が所望の鮮映性を有してい
るか否かを判定し、所望の鮮映性になっていない場合に
は、所望の鮮映性が得られるように塗装工程をフィード
バック制御するために行うものである。このため、迅速
なフィードバック制御を行うには、塗装直後に鮮映性を
測定し得ることが望ましい。これは、塗装膜圧の測定に
ついても言えることで、塗装直後の膜厚を測定すること
で、塗装条件への早期の対応が図られる。
【0008】このような塗装膜厚測定装置あるいは鮮映
性測定装置を用い、塗装表面に対して非接触状態でウェ
ット塗装膜厚あるいはその鮮映性を測定する際には、非
接触膜厚センサあるいは撮像手段と被塗装面との距離を
一定に保つ必要があるため、例えば作業者が非接触膜厚
センサあるいは撮像手段を持って被塗装面との距離を一
定に保ち測定する必要があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、作業者が非
接触膜厚センサあるいは撮像手段を持って被塗装面との
距離を一定に長時間保つことは困難であり、被塗装面
(被測定面)が完全にドライでなくウェット状態なた
め、接触による塗膜破壊、ごみ付着などの不具合が発生
しやすいという問題がある。
【0010】さらに、塗装後のある一定の時間経過によ
り膜厚あるいは鮮映性が変動するため測定タイミングが
重要であり、これを達成するには上記したような作業者
が非接触膜厚センサあるいは撮像手段を持って行う方式
では無理がある。
【0011】そこで、この発明は、塗膜破壊やごみ付着
などの不具合が発生することなく、塗装直後の塗装表面
の状態の検出を精度よく行うことを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、第1に、被塗装面に対し一定の距離を
保持しつつ被塗装面上を相対移動するように移動装置に
取付けられ塗料を噴出する塗装手段と、この塗装手段に
装着され塗装手段より塗装された直後の被塗装面の未乾
燥塗装表面を検出する未乾燥塗装表面検出手段とを備え
た構成としてある。
【0013】第2に、第1の構成において、上記移動装
置は、塗装手段を被塗装面上を前後方向上下方向に相対
移動可能に支持しており、未乾燥塗装表面検出手段は、
被塗装面に対し一定の距離を保持した状態で塗装手段に
移動可能に装着されている構成としてある。
【0014】第3に、被塗装面に対し一定の距離を保持
しつつ被塗装面上を相対移動する塗装手段より塗料を噴
出せしめて被塗装面に塗装を行った直後に、前記塗装手
段に装着した未乾燥塗装面検出手段により塗装手段の後
方で被塗装面の未乾燥塗装表面を検出する塗装処理方法
としてある。
【0015】第4に、第1の構成または第2の構成にお
いて、未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装した直後の
未乾燥塗装表面の粗さを測定する粗さ測定手段で構成
し、該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報の時間
変化量を算出する時間変化量算出手段と、前記塗料の成
分情報を入力する入力手段と、前記塗料の成分情報およ
び前記表面粗さ情報の時間変化量に基づいて塗装膜厚を
算出する塗装膜厚算出手段とを設けた構成としてある。
【0016】第5に、第1の構成または第2の構成にお
いて、未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装した直後の
未乾燥塗装表面の粗さを測定する粗さ測定手段で構成
し、該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報から表
面の凹凸のピークツゥピーク値および波長を算出する演
算手段と、前記表面の凹凸のピークツゥピーク値の時間
変化量を算出する時間変化量算出手段と、前記塗料の成
分情報を入力する入力手段と、前記塗料の成分情報、前
記表面凹凸のピークツゥピーク値の時間変化量および前
記表面凹凸の波長に基づいて塗装膜厚を算出する塗装膜
厚算出手段とを設けた構成としてある。
【0017】第6に、第1の構成または第2の構成にお
いて、未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装した直後の
未乾燥塗装表面の粗さを測定する粗さ測定手段で構成
し、該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報から表
面の粗さ度および波長を算出する演算手段と、前記表面
の粗さ度の時間変化量を算出する時間変化量算出手段
と、前記塗料の成分情報を入力する入力手段と、前記塗
料の成分情報、前記表面粗さ度の時間変化量および前記
表面粗さの波長に基づいて塗装膜厚を算出する塗装膜厚
算出手段とを設けた構成としてある。
【0018】第7に、第1の構成または第2の構成にお
いて、未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装した直後の
未乾燥塗装表面の粗さを測定する粗さ測定手段で構成
し、該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報から表
面の粗さ度および波長または表面の凹凸のピークツゥピ
ーク値および波長を算出する演算手段と、前記塗料の成
分情報および塗装条件を入力する入力手段と、前記塗料
の成分情報および塗装条件、前記表面粗さ度および波長
または前記表面の凹凸のピークツゥピーク値および波長
に基づいて平滑化初期値を推定する推定手段と、前記表
面粗さ度および波長または前記表面の凹凸のピークツゥ
ピーク値および波長、および前記平滑化初期値に基づい
て塗装膜厚を算出する塗装膜厚算出手段とを設けた設け
た構成としてある。
【0019】第8に、第1の構成または第2の構成にお
いて、未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装した直後の
未乾燥塗装表面の粗さを撮像する撮像手段で構成し、該
撮像手段で撮像した表面粗さ情報をパワースペクトル解
析し、パワースペクトルデータとして出力するパワース
ペクトル解析手段と、該パワースペクトル解析手段から
のパワースペクトルデータから表面粗さ相当のパワース
ペクトル積分値および波長を算出する演算手段と、前記
塗料の成分情報および塗装条件を入力する入力手段と、
パワースペクトル解析値を使用した平滑化理論式を用い
て、前記パワースペクトル積分値、波長、前記塗料成分
情報および塗装条件から塗装膜厚を算出する塗装膜厚算
出手段とを設けた構成としてある。
【0020】第9に、第1の構成または第2の構成にお
いて、未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装した直後の
未乾燥塗装表面の粗さを撮像する撮像手段で構成し、前
記塗料の成分情報を含む塗装条件を入力する入力手段
と、前記塗装条件および前記撮像手段で撮像した表面粗
さ情報から表面粗さの平滑化理論を用いてウェット塗装
膜厚を算出するウェット塗装膜厚算出手段と、該ウェッ
ト塗装膜厚算出手段で算出したウェット塗装膜厚および
前記塗装条件の塗着塗料固形分割合情報に基づいてドラ
イ塗装膜厚を算出するドライ塗装膜厚算出手段とを設け
た構成としてある。
【0021】第10に、第1の構成または第2の構成に
おいて、未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装した直後
の未乾燥塗装表面の粗さを撮像する撮像手段で構成し、
該撮像手段からの画像情報を画像処理する画像処理手段
と、塗装条件を入力する入力手段と、前記画像処理手段
で画像処理された画像情報および前記塗装条件に基づい
てウェット塗装面の鮮映性を算出するウェット鮮映性算
出手段と、前記ウェット塗装面の鮮映性からドライ塗装
面の鮮映性を推定するドライ鮮映性推定手段と、前記塗
装条件および前記撮像手段で撮像した表面粗さ情報から
表面粗さの平滑化理論を用いてウェット塗装膜厚を算出
するウェット塗装膜厚算出手段と、該ウェット塗装膜厚
算出手段で算出したウェット塗装膜厚および前記塗装条
件の塗着塗料固形分割合情報に基づいてドライ塗装膜厚
を算出するドライ塗装膜厚算出手段と、前記ウェット塗
装面およびドライ塗装面の鮮映性および前記ウェット塗
装膜厚およびドライ塗装膜厚に基づいて塗装性を判断し
て、最適塗膜厚を算出し、該最適塗膜厚に対する前記ド
ライ塗装膜厚の偏差を算出する塗装性判断手段と、前記
最適塗膜厚に対するドライ塗装膜厚の偏差に基づいて前
記塗装条件を制御する制御手段とを設け構成としてあ
る。
【0022】第11に、第1の構成または第2の構成に
おいて、未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装した直後
の未乾燥塗装表面の粗さを撮像する撮像手段で構成し、
該撮像手段からの画像情報を画像処理する画像処理手段
と、塗装条件を入力する入力手段と、前記画像処理手段
で画像処理された画像情報に基づいてウェット塗装面の
鮮映性を算出するウェット鮮映性算出手段と、前記ウェ
ット塗装面の鮮映性および前記塗装条件からドライ塗装
面の鮮映性を推定するドライ鮮映性推定手段とを設けた
構成としてある。
【0023】
【作用】第1,第2の構成または第3の方法によれば、
被塗装面に対し一定の距離を保持した塗装手段より塗料
を噴射せしめて被塗装面に塗装が行われる。この塗装が
行われた直後に、前記塗装手段に装着された未乾燥塗装
表面検出手段が、塗膜破壊やごみ付着などの不具合を発
生させることなく被塗装面に塗装された未乾燥塗装表面
を検出する。
【0024】第4の構成によれば、塗装直後の未乾燥塗
装表面の粗さを測定し、この表面粗さ情報の時間変化量
を算出し、塗料の成分情報および表面粗さ情報の時間変
化量に基づいて塗装膜厚を算出する。
【0025】第5の構成によれば、塗装直後の未乾燥塗
装表面の粗さを測定し、この表面粗さ情報から表面の凹
凸のピークツゥピーク値および波長を算出し、表面の凹
凸のピークツゥピーク値の時間変化量を算出し、塗料の
成分情報、表面凹凸のピークツゥピーク値の時間変化量
および表面凹凸の波長に基づいて塗装膜厚を算出する。
【0026】第6の構成によれば、塗装直後の未乾燥塗
装表面の粗さを測定し、この表面粗さ情報から表面の粗
さ度および波長を算出し、表面の粗さ度の時間変化量を
算出し、塗料の成分情報、表面粗さ度の時間変化量およ
び表面粗さの波長に基づいて塗装膜厚を算出する。
【0027】第7の構成によれば、塗装直後の未乾燥塗
装表面の粗さを測定し、この表面粗さ情報から表面の粗
さ度および波長または表面の凹凸のピークツゥピーク値
および波長を算出し、塗料の成分情報および塗装条件、
表面粗さ度および波長または表面の凹凸のピークツゥピ
ーク値および波長に基づいて平滑化初期値を推定し、表
面粗さ度および波長または表面凹凸のピークツゥピーク
値および波長、および平滑化初期値に基づいて塗装膜厚
を算出する。
【0028】第8の構成によれば、塗装直後の未乾燥塗
装表面の粗さを撮像した表面粗さ情報をパワースペクト
ル解析し、そのパワースペクトルデータから表面粗さ相
当のパワースペクトル積分値および波長を算出し、パワ
ースペクトル解析値を使用した平滑化理論式を用いて、
パワースペクトル積分値、波長、塗料成分情報および塗
装条件から塗装膜厚を算出する。
【0029】第9の構成によれば、塗装直後の未乾燥塗
装表面の粗さを撮像した表面粗さ情報と塗装条件から表
面粗さの平滑化理論を用いてウェット塗装膜厚を算出
し、このウェット塗装膜厚および塗装条件の塗着塗料固
形分割合情報に基づいてドライ塗装膜厚を算出してい
る。
【0030】第10の構成によれば、塗装直後の未乾燥
塗装表面の粗さを撮像した画像情報および塗装条件に基
づいてウェット塗装面の鮮映性を算出し、このウェット
塗装面の鮮映性からドライ塗装面の鮮映性を推定し、塗
装条件および前記撮像した表面粗さ情報から表面粗さの
平滑化理論を用いてウェット塗装膜厚を算出し、このウ
ェット塗装膜厚および塗装条件の塗着塗料固形分割合情
報に基づいてドライ塗装膜厚を算出し、ウェット塗装面
およびドライ塗装面の鮮映性およびウェット塗装膜厚お
よびドライ塗装膜厚に基づいて塗装性を判断して、最適
塗膜厚を算出し、最適塗膜厚に対するドライ塗装膜厚の
偏差を算出し、この偏差に基づいて塗装条件を制御して
いる。
【0031】第11の構成によれば、塗装直後の未乾燥
塗装表面の粗さを撮像した画像情報を画像処理し、この
画像処理された画像情報に基づいてウェット塗装面の鮮
映性を算出し、このウェット塗装面の鮮映性および塗装
条件からドライ塗装面の鮮映性を推定している。
【0032】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0033】図1(a)、図2及び図3を参照するに、
塗装装置51は、被塗装物である自動車の車体Wの表面
に対して塗装を行うと共に、塗装面における塗装直後の
塗装膜厚あるいは鮮映性を測定する機能を備えており、
前後方向(図1において左右方向、図2において紙面に
対して直交する方向、図3において上下方向)へ移動自
在な本体フレーム52を備えている。この本体フレーム
52は例えばサイドフレーム52L、52Rで構成され
ている。このサイドフレーム52L、52Rは、前後方
向へ延設されたガイドレール上を同期をとって移動可能
となっている。
【0034】前記サイドフレーム52Lと52Rとの間
において上下方向(図1、図2において上下方向、図3
において紙面に対し直交する方向)並びに左右方向(図
1において紙面に対して直交する方向)へ移動自在な支
持フレーム53が設けられている。すなわち、この支持
フレーム53は左右方向へ延伸された第1支持フレーム
53Aとこの第1支持フレーム53Aに対して左右方向
へ移動自在な第2支持フレーム53Bとで構成されてい
る。第1支持フレーム53Aは、サイドフレーム52L
と52Rに設けられた図示しないガイド部に対して上下
動可能となっている。
【0035】前記支持フレーム53の第2支持フレーム
53Bには、支持アーム54L、54Rを介して塗装ガ
ン用取付けブラケット55が取付けられている。この塗
装ガン用取付けブラケット55には左右方向へ適宜な間
隔で複数(ここでは3つ)の塗装手段としての塗装ガン
56が垂下して装着されている。これらの塗装ガン56
は、前記本体フレーム52の前後動,本体フレーム52
に対する第2支持フレーム53Bの左右動及び上下動に
よって、車体Wの塗装表面に対して常に一定の距離が保
持され、この状態で塗料を噴出し塗装がなされる。すな
わち、上記本体フレーム52と支持フレーム53とで、
塗装ガン56を移動させる移動装置を構成している。
【0036】上記3つの塗装ガン56のうちの中央の塗
装ガン56には、図1(a)に示すように、詳細を後述
する未乾燥塗装面検出手段としてのウェット膜厚用セン
サ57が設けられている。この中央の塗装ガン56の外
周には塗装ガン56と同軸上に塗装ガン56に対して回
転可能なセンサ支持管71が設けられ、このセンサ支持
管71の下部外周には取付アーム72を介してウェット
膜厚用センサ57が取付けられている。センサ支持管7
1は、塗装ガン56に対して上下方向には移動不能であ
り、このためセンサ支持管71に取付けられるウェット
膜厚用センサ57の車体表面との距離は、塗装ガン56
と同様に一定に保持される。
【0037】センサ支持管71の上部外周には従動歯車
73が装着され、従動歯車73にはモータ74によって
回転駆動する駆動歯車75が噛合している。つまり、ウ
ェット膜厚用センサ57は、モータ74の駆動によりセ
ンサ支持管71とともに塗装ガン56の周囲を回転可能
である。
【0038】モータ74は、マイクロコンピュータなど
からなる制御回路76により、ウェット膜厚用センサ5
7が塗装ガン56の移動方向後方位置となるよう駆動制
御される。つまり、ウェット膜厚用センサ57は、塗装
ガン56による車体Wの塗装された直後のウェット状の
塗装表面に対する塗装膜厚を測定することになる。
【0039】制御回路76には、本塗装処理装置による
塗装動作が行われる状態を示す塗装稼働信号S1 が入力
されるとともに、本体フレーム52の前後動,本体フレ
ーム52に対する支持フレーム53の左右動及び上下動
による塗装ガン56の移動方向を示す移動方向信号S2
が入力される。この移動方向信号S2 に基づき制御回路
76は、ウェット膜厚用センサ57が塗装ガン56の移
動方向後方位置となるようモータ74を駆動制御する。
【0040】ウェット膜厚用センサ57は、図4に詳細
を示すように、センサボディ57Bの下端に、車体Wの
表面に対向するセンサヘッド57Hが設けられている。
また、センサボディ57Bの下端には、前記センサヘッ
ド57Hに隣接して洗浄ノズル58が取付けられてい
る。さらに、前記センサボディ57Bの上部には、ウェ
ット膜厚用センサ57の動作をオン、オフせしめる測定
スイッチ59が設けられていると共に、この測定スイッ
チ59の脇におけるセンサボディ57Bの上部には前記
洗浄ノズル58を作動せしめる洗浄スイッチ62が設け
られている。この洗浄スイッチ62の脇におけるセンサ
ボディ57Bの上部にはシンナーエアを供給せしめる供
給口63が設けられている。この供給口63と前記洗浄
ノズル58とは前記センサボディ57B内に設けられた
例えば配管を経て連結されている。
【0041】塗装ガン56から塗料を噴出せしめて塗装
を行う塗装稼動時には、測定スイッチ59がオンされて
ウェット膜厚用センサ57で未乾燥塗装表面が測定され
ることになる。塗装稼動が停止したときには測定スイッ
チ59がオフされるようになっている。
【0042】制御回路76は、センサヘッド57Hの汚
れによる測定不能信号をウェット膜厚用センサ57より
受信した場合には、洗浄スイッチ62をオンに切り換
え、供給口63から供給されて洗浄ノズル58から噴射
されるシンナーエアを、センサヘッド57Hに吹き付け
その汚れを落とす。また、洗浄スイッチ62の切り換え
は、手動でも行えるようになっている。
【0043】上記構成により、本体フレーム52におけ
るサイドフレーム52Lと52Rとの間に、例えば自動
車の車体などの被塗装物Wを載置固定し、この被塗装物
Wの被塗装面WS に塗装を行う際には、支持フレーム5
3の第1支持フレーム53Aをサイドフレーム52L,
52Rに対して下降せしめて塗装ガン56の下端と被塗
装物Wの被塗装面WS との距離Hを常に一定に保持す
る。これと同時に、支持フレーム53の第2支持フレー
ム53Bを左右方向へ移動せしめ、さらに本体フレーム
52を前後方向例えば図1において左方へ移動せしめる
ことによって、塗装ガン56は被塗装面WS に対して一
定の距離Hを保持しつつ被塗装面WS 上を移動すること
になる。塗装ガン56は、この移動過程において、塗料
を噴出して車体表面を均一に塗装する。
【0044】このような塗装ガン56の塗装動作に追随
するように、ウェット膜厚用センサ57は、制御回路7
6からの指令によるモータ74の駆動により、常に塗装
ガン56の移動方向後方に位置しており、塗装ガン56
によって塗装された直後の塗装面のウェット状の塗装膜
厚を測定する。この測定時おいては、ウェット膜厚用セ
ンサ57は塗装ガン56に支持されて塗装面に対して常
に一定の距離を保持しているので、センサヘッド57H
の塗装面への接触は回避され、塗装面における塗膜破壊
及び、ごみの付着などの不具合の発生が防止されるう
え、測定データのばらつきを小さくできて測定精度が向
上する。
【0045】また、ウェット膜厚用センサ57は、塗装
ガン56の近傍に位置していることから、測定にあたり
塗装後の時間経過による塗装膜厚の変動の影響を受ける
ことはないことから測定精度が向上するとともに、塗装
条件への早期対応が図られる。
【0046】ウェット膜厚用センサ57は、塗装ガン5
6に対しセンサ支持管71及び取付アーム72を介して
連結されているので、静電塗装時の塗料と同電位をセン
サヘッド57Hに持たせることができ、これによりセン
サヘッド57Hに塗料ミストが付着するのを防止するこ
とができる。
【0047】なお、前述した実施例では被塗装物Wを固
定し、本体フレーム52を前後方向へ移動せしめる例で
説明したが、本体フレーム52を固定し、被塗装物Wを
前後方向へ移動せしめるようにしても構わない。
【0048】次に、ウェット膜厚用センサ57の具体例
及び、ウェット膜厚用センサ57を使用したウェット塗
装膜厚測定装置及びウェット鮮映性測定装置について説
明する。
【0049】図5は、その第1の実施例で、ウェット膜
厚用センサ57を非接触光干渉式表面粗さ計4とした場
合のウェット塗装膜厚測定装置の全体構成を示すブロッ
ク図である。このウェット塗装膜厚測定装置は、塗料を
塗装した直後の未乾燥状態の、すなわちウェット状態の
塗装表面の平坦化現象に着目して塗装膜厚を測定するも
のである。具体的には、図6(a)に示すように、塗装
直後のウェット状態の塗装表面は凹凸状態になってお
り、初期うず流動が存在している。そして、このような
状態の凹凸は同図(b)に示すようにレベリング力によ
り時間とともに平坦化され、最終的には同図(c)に示
すように平坦化状態になるが、このウェット塗膜厚測定
装置はこのような平坦化現象に着目し、塗装表面の凹凸
状態を測定することによりウェット状態の塗装表面が乾
燥した後の塗装膜厚を非接触で的確に算出することがで
きるとともに、塗料塗布後のみの測定で算出することが
できるものである。
【0050】図5に示すウェット塗装膜厚測定装置の構
成を説明する。図5において、塗装を施される被塗装物
Wには対向して粗さ測定手段を構成している非接触光干
渉式表面粗さ計4が設けられている。なお、本実施例で
は、被塗装物Wには上塗り塗料を塗布している。
【0051】表面粗さ計4は、図7に示すように、光源
13から発生する光がピンホールおよび開口部を通り、
ハーフミラーに当たって下方に反射され、対物レンズ1
5、参照面16、ビームスプリッタを通り、被塗装物1
の表面に当たって上方に反射され、ビームスプリッタ、
参照面16、対物レンズ15を通った後、ハーフミラー
を上方に通過し、フィルタを通ってCCDセンサ12で
受信され、これにより被塗装物1の表面の粗さ情報を得
るように構成されている。
【0052】表面粗さ計4からの被塗装物1の表面粗さ
情報は、コントローラ9を構成する画像処理装置5に供
給され、ここで座標化、座標変換が行われた後、塗膜粗
さ平滑性演算処理装置6に供給される。
【0053】塗膜粗さ平滑性演算処理装置6は、画像処
理装置5から供給される表面粗さ画像情報から表面粗さ
平滑性情報、すなわち凹凸のピークツゥピーク(p−
p)値aおよび凹凸の波長λを演算し、膜厚演算処理装
置7に供給する。また、この膜厚演算処理装置7には入
力装置8から揮発成分等の含有量等を含む塗料の成分情
報が入力され、これにより膜厚演算処理装置7は後述す
るウェット塗装膜厚計測法に基づいて塗装膜厚を算出
し、この算出した塗装膜厚を表示器10およびプロッタ
11に出力する。なお、前記画像処理装置5、塗膜粗さ
平滑性演算処理装置6および膜厚演算処理装置7がコン
トローラ9を構成している。
【0054】次に、図8に示すフローチャートを参照し
て、図5に示す実施例の作用を説明する。
【0055】図8においては、まず表面粗さ計4によっ
て塗料を塗布された直後の時間t1において被塗装物1
の表面に光を照射し、その反射光を受光して、被塗装物
1の表面の粗さ情報を得るが、この処理は表面粗さ計4
において光源13から光を発生し(ステップ110)、
分光部で分光し(ステップ120)、被塗装物1の塗装
表面を照射し(ステップ130)、該塗装表面からの反
射光を測光部で測光し(ステップ140)、これにより
時間t1 における画像情報、すなわち被塗装物1の表面
粗さ情報を入手し(ステップ150)、この画像情報を
メモリに記憶する(ステップ160)という手順にて行
われる。
【0056】図9(a)は表面粗さ計4で測定された被
塗装物1の表面粗さを示す光干渉縞データの一例を示す
図である。また、図9(b)は表面粗さ3次元の解析例
を示しているものである。
【0057】この表面粗さ情報の入手は、時間t1 に続
いて、時間Δt後の時間t2 (=t1 +Δt)において
も繰り返して行われ、これにより時間t1 ,t2 におけ
る被塗装物1の表面粗さ情報が測定され、画像情報とし
てメモリに記憶される。この画像情報は画像処理装置5
に供給され、該画像処理装置5において座標化および座
標変換が行われる(ステップ170)。
【0058】次に、画像処理装置5において座標化およ
び座標変換された画像情報である被塗装物1の表面粗さ
情報は、塗膜粗さ平滑性演算処理装置6に供給され、こ
こで被塗装物1の表面粗さ情報から前記時間t1 ,t2
における表面の凹凸のピークツゥピーク値a、波長λが
算出される(ステップ180)。そして、この算出され
た時間t1 ,t2 における表面凹凸のピークツゥピーク
値aおよび波長λは、前記入力装置8から入力される塗
料の成分等の塗装条件とともに(ステップ190)、膜
厚演算処理装置7に入力され、塗装膜厚hが算出され
(ステップ200)、この算出された塗装膜厚hは前記
表示器10に表示されるとともに、プロッタ11で印刷
される(ステップ210)。
【0059】次に、前記ステップ180における塗膜粗
さ平滑性演算処理装置6による被塗装物1の表面の凹凸
のピークツゥピーク値aおよび波長λの算出処理および
ステップ200における膜厚演算処理装置7による塗装
膜厚hの算出処理について図以降を参照して説明する。
【0060】図6で説明したように、被塗装物1の表面
に塗料を塗布した直後のウェット状態の塗装表面は粗さ
の大きい凹凸状であり、この表面状態は図10(a),
(b)に示すように表面の凹凸aおよび波長λで表すこ
とができる。
【0061】図10(a)に示す塗布直後のウェット状
態の表面凹凸は、上述したように、時間とともに平滑化
されていくが、この表面平滑化の動特性は、図10
(a)のようにこのウェット状態における塗装膜厚の平
均値をh、塗料の粘度をη、塗膜の表面張力をγ、表面
の凹凸初期値をao とすると、次式で一般に表される。
【0062】
【数1】 da/dt=(−h3 γ)/(3η)×(2π/λ)4 a …(1) a=ao ・exp −t/τ …(2) τ=3ηλ4 /(16π4 ×γh3 ) …(3) 実際には塗料塗布後の塗膜粘度は霧化エア圧、溶剤、塗
布前粘度、温度等が一定の条件のもとに図11のように
一例として表される。なお、図11において、横軸は塗
料塗布後の経過時間であり、縦軸は塗膜粘度ηを示し、
η0 およびη1はそれぞれ塗布前の粘度値および塗料付
着直後の初期粘度値を示す。
【0063】従って、図11に示すように、塗料塗布直
後の粘度は時間とともに変化するため上式(1)〜
(3)の粘度ηは次式のような補正値を使用する必要が
ある。
【0064】 η=η1 +Kt …(4) なお、η1 >η0 であり、Kは1.0よりはるかに小さ
な係数である(K《1.0)。
【0065】図12のウェット膜厚の平滑化動特性に示
すように、塗料塗布直後の時間t1,t2 における塗装
表面の凹凸のピークツゥピーク値がそれぞれa1 ,a2
であり、凹凸の波長がλ12である場合、次式のようにな
る。
【0066】
【数2】 a1 =a0 exp (−t1 /τ1 ) …(5) τ1 ={3×η(t1 )×λ12 4 }/(16π4 ×γ×h3 ) …(6) a2 =a0 exp (−t2 /τ2 ) …(7) τ2 ={3×η(t2 )×λ12 4 }/(16π4 ×γ×h3 ) …(8) 上式(5)〜(8)から塗装膜厚hを求めると、(5)
式を(7)式で割って、次のようになる。
【0067】
【数3】 a1 /a2 =exp (−t1 /τ1 +t2 /τ2 ) …(9) 1na1 /a2 =(−t1 /τ1 +t2 /τ2 ) …(10) そして、(6),(8),(10)式から塗装膜厚hが
次式のように求まる。
【0068】
【数4】 h={(1na1 /a2 )/(−t1 /τ1 ’+t2 /τ2 ’)}1/3 …(11) τ1 ’=(3η1 ×λ12 4 )/(16π4 γ) …(12) τ2 ’=(3η2 ×λ12 4 )/(16π4 γ) …(13) これらの式(11)〜(13)から、塗料塗布直後の時
間t1 ,t2 における塗装表面の粗さa1 ,a2 および
波長λ0 を測定することにより、塗装膜厚hを算出する
ことができる。
【0069】同様に、(1)式をda/dt=(a2
1 )/(t2 −t1 )とし、(4)式を加えて、塗装
膜厚hを算出することも可能である。
【0070】
【数5】 なお、測定系により(11)式または(14)式のいず
れを使用するかの選択が必要である。
【0071】図13は上塗り塗料での測定値を理論値と
比較したグラフである。塗布後60〜100秒における
平滑化動特性は理論値と測定値がかなり近い値となって
おり、膜厚値も(11)式から求めると、約38〜40
μであり、実測値にほぼ近い値となっている。
【0072】図14は、ウェット塗装膜厚測定装置の第
2の実施例を示すブロック図である。この実施例は、図
5に示したコントローラ9を構成する塗膜粗さ平滑性演
算処理装置6の代わりに表面粗さ度演算処理装置17を
使用している点が異なるのみで、その他の構成および作
用は同じである。そして、この実施例のウェット塗装膜
厚測定装置は、表面粗さ度演算処理装置17を使用し
て、第1の実施例における表面凹凸のピークツゥピーク
値aおよび波長λの代わりに表面粗さ度および表面粗さ
波長を算出し、これによりこの表面粗さ度およびその波
長を使用することにより、比較的短い測定時間で平均塗
装膜厚を算出できるとともに、特定の凹凸の選定処理を
不要となるという利点を有するものである。なお、表面
粗さ度および波長としては、平均粗さ度Ra および平均
波長λa 、または2乗平均平方根Rq および2乗平均平
方根波長λq を使用している。
【0073】また、図15は図14の実施例の作用を示
すフローチャートであるが、このフローチャートは図8
に示した実施例のフローチャートにおいてステップ18
0におけるピークツゥピーク値および波長の算出の代わ
りにステップ182として表面粗さ度および表面粗さ波
長を算出するようになっている点が異なっているのみで
ある。
【0074】図14及び図15に示す実施例のウェット
塗装膜厚測定装置において、表面粗さ度演算処理装置1
7は画像処理装置5から供給される表面粗さ画像情報か
ら時間t1 およびt2 における表面の粗さ度および波
長、すなわち平均粗さ度Ra およびその平均波長λa
たは2乗平均平方根Rq および2乗平均平方根λq を算
出し(図15のステップ182)、膜厚演算処理装置7
に供給する。
【0075】膜厚演算処理装置7は、表面の粗さ度およ
び波長、すなわち平均粗さ度Ra およびその平均波長λ
a または2乗平均平方根Rq および2乗平均平方根λq
を供給されると、これらの情報と入力装置8から供給さ
れる塗料条件から上述した(11)式に対応する次に示
す(15)〜(20)式に従って塗装膜厚hを算出する
(ステップ200)。
【0076】すなわち、上述した(11)式は表面粗さ
度およびその波長、すなわち平均粗さ度Ra およびその
平均波長λa または2乗平均平方根Rq および2乗平均
平方根波長λq に対しても次に示すように成立する。
【0077】
【数6】 h={(1nRa1/Ra2)/(−t1 /τ1 ’+t2 /τ2 ’)}1/3 …(15) τ1 ’=(3η1 ×λa )/(16π4 γ) …(16) τ2 ’=(3η2 ×λa )/(16π4 γ) …(17) h={(1nRq1/Rq2)/(−t1 /τ1 ’+t2 /τ2 ’)}1/3 …(18) τ1 ’=(3η1 ×λq )/(16π4 γ) …(19) τ2 ’=(3η2 ×λq )/(16π4 γ) …(20) 図16は、表面粗さ度の平滑化動特性を示すグラフであ
り、横軸に示す塗料塗布後の経過時間に対して縦軸に表
面粗さ度Ra ,Rq を示している。同図から、塗布後6
0〜100秒における平滑化動特性は図13に示した場
合と同様に粗さ度(Ra ,Rq )に対しても理論値と測
定値はほぼ一致していることがわかる。また、塗装膜厚
値hもha =40μm,hq =39μmとほぼ一致して
いる。
【0078】なお、この第2の実施例においても、前述
した図9(a)に示した被塗装物1の表面粗さを示す光
干渉縞データが表面粗さ計4で測定されるが、この場合
の平均粗さ度Ra および2乗平均平方根Rq は次式で示
すものであり、平均粗さ度Ra =0.861μm、2乗
平均平方根Rq =0.959μm、波長λ=4.6μm
である。
【0079】
【数7】 図17は、ウェット塗装膜厚測定装置の第3の実施例を
示すブロック図である。この実施例に係わるウェット塗
装膜厚測定装置は、図14に示した第2の実施例におい
て表面粗さ度演算処理装置17と膜厚演算処理装置7と
の間に平滑化初期値推定装置18を設けるとともに、前
記入力装置8からの塗料条件情報をこの平滑化初期値推
定装置18に入力するように構成した点が異なるのみ
で、その他の構成および作用は同じである。そして、こ
の第3の実施例のウェット塗装膜厚測定装置は、平滑化
初期値推定装置18によって平滑化初期値を推定算出す
ることにより、塗料の塗布後t秒後の1回のみの短時間
の粗さ情報の測定のみで塗装膜厚hの算出を可能とし、
これにより本ウェット塗膜厚測定装置のラインへの適応
性を向上しているものである。
【0080】また、図18は第3の実施例の作用を示す
フローチャートであるが、このフローチャートは図15
に示した第2の実施例のフローチャートにおいてステッ
プ182における時間t1 ,t2 における2回の表面粗
さ度および波長の算出の代わりにステップ184として
時間t1 のみの1回の表面粗さ度および波長の算出を行
うとともに、引き続いてステップ186を追加し、この
ステップで平滑化初期値を推定するようになっている点
が異なっているのみである。
【0081】図17及び図18に示す実施例のウェット
塗装膜厚測定装置において、表面粗さ度演算処理装置1
7は時間t1 における表面粗さ度Ra および波長λa
測定し(ステップ184)、この表面粗さ度Ra および
波長λa を平滑化初期値推定装置18に供給する。平滑
化初期値推定装置18は、この表面粗さ度Ra および波
長λa に加えて、入力装置8から入力される塗料成分等
を含む塗料条件から平滑化初期値ao を推定する(ステ
ップ186)。
【0082】この平滑化初期値ao の推定について説明
する。
【0083】前述した(5)式から塗布直後の凹凸ピー
クツゥピーク値ao は、次式のようになる。
【0084】 ao =a1 exp (t1 /τ1 ) …(21) なお、この式におけるτ1 およびη1 (t1 )はそれぞ
れ前述した(4),(6)式に示したものと同じであ
る。
【0085】塗装面平滑化動特性の測定データから塗布
直後(t=0)の凹凸ピークツゥピーク値ao は上式
(21)から求まる(但し、ガン特性は一定として)。
【0086】また、例えば塗装膜厚h=60μm、波長
λ=6mmの場合、凹凸ピークツゥピーク値ao =8.
5〜8.7μm(t=t1 〜t3 )となり、塗装膜厚h
=40μm、波長λ=4.3mmの場合、凹凸ピークツ
ゥピーク値ao =8.4〜8.6μm(t=t1
3 )となるというように初期値は塗装膜厚hおよび波
長λに対してほぼ一定であることがわかる。すなわち、
次式に示す関係があると言える。なお、この関係は図1
9に示す塗布直後の時間に対する塗膜表面凹凸ピークツ
ゥピーク(p−p)値のグラフで示す平滑化動特性理論
値と測定値との比較からも明らかである。
【0087】 λ4 /h3 =Ko (一定) …(22) 従って、塗料成分が予め既知であれば、一定時間tでの
凹凸ピークツゥピーク値aと波長λを計測することによ
り、凹凸ピークツゥピーク値の初期値ao は上述した
(21),(6),(4),(22)式を使用して前も
って求めることができる。また、初期値ao を前もって
測定しておいてもよい。
【0088】以上のようにして、平滑化初期値ao を算
出すると、この平滑化初期値を膜厚演算処理装置7に供
給し、塗装膜厚hが算出される(ステップ200)。
【0089】この塗装膜厚hの算出について説明する。
【0090】上述した平滑化初期値の算出において塗料
成分が既知であり、また塗装条件(ガン特性)が一定で
あれば、塗布直後の凹凸ピークツゥピーク値ao は上述
したように推定可能であるので、塗装膜厚hは、前述し
た(11)〜(13)式においてt1 =0,t2 =t1
とすることにより、次式のように求めることができる。
【0091】
【数8】 h={(1na0 /a1 )/(−0/τ0 +t1 /τ1 ’}1/3 ={(1nao /a1 )/(t1 /τ1 ’)}1/3 …(23) τ1 ’=(3η1 ×λ4 )/(16π4 γ) …(12) η1 =η0 +Kt1 …(4) 以上の(23),(12),(4)式から塗装膜厚hは
時間t1 ,波長λ、時間t1 における凹凸ピークツゥピ
ーク値a1 を測定することにより算出することができ
る。
【0092】なお、上述した第3の実施例では、表面ピ
ークツゥピーク値を使用した場合を説明したが、この代
わりに表面粗さ度およびその波長、すなわち平均粗さ度
aおよび平均波長λa 、または2乗平均平方根Rq
よび2乗平均平方根波長λqを使用しても次式に示すよ
うに成立する。
【0093】
【数9】 h=(1nRa0/Ra1)/(t1 /τ1 ’)}1/3 …(24) τ1 ’=(3η1 ×λa 4 )/(16π4 γ) …(25) h=(1nRq0/Rq1)/(t1 /τ1 ’)}1/3 …(26) τ1 ’=(3η1 ×λq 4 )/(16π4 γ) …(27) 図20は、ウェット塗装膜厚測定装置の第4の実施例を
示すブロック図である。この実施例に係わるウェット塗
装膜厚測定装置は、塗装を施された被塗装物1に対向し
て設けられ、被塗装物1の塗装表面を撮像して、表面の
粗さ情報を得る撮像部2を有する。なお、本実施例で
は、被塗装物1には上塗り塗料が塗布されている。
【0094】前記撮像部2は、図21に詳細に示すよう
に、光源31、明暗パターン板32、反射鏡33、レン
ズ34、CCDカメラ35から構成され、該撮像部2で
撮像された被塗装物1の表面の粗さ情報は画像処理部3
に供給される。
【0095】画像処理部3は、各種画像処理プログラ
ム、画像解析シーケンスプログラム、波形解析プログラ
ム、膜厚演算プログラム等から構成され、撮像部2から
供給された表面粗さ情報を画像処理し、パワースペクト
ルの周波数分析(FFT)および長波の波形分離を行
い、表面粗さ情報をパワースペクトルデータPとしてパ
ワースペクトル積分値演算部21に供給する。
【0096】パワースペクトル積分値演算部21は、画
像処理部3からのパワースペクトルデータから粗さ相当
のパワースペクトル積分値Pi および長波長λを算出
し、膜厚演算部22に供給する。膜厚演算部22は、該
パワースペクトル積分値iおよび長波長λに加えて、入
力装置8から入力される塗装条件に基づき、後述するパ
ワースペクトルPを使用した平滑化理論式を用いて塗装
膜厚hを算出する。そして、この算出された塗装膜厚h
は表示器10に表示されるとともに、プロッタ11で印
刷される。
【0097】次に、パワースペクトルPを使用した平滑
化理論式の導出について説明する。まず、パワースペク
トルPによる平滑化特性を説明すると、表面粗さRa
パワースペクトル積分値Pi とは、図22に示すような
関係にあり、次式の関係を有する。
【0098】 Pi =Po +k×Ra 1/2 …(28) Ra ={(Pi −Po )/k}2 …(29) パワースペクトル解析値による平滑化理論式の導出で
は、まずウェット塗膜平滑化理論式(近似式)として、
表面粗さ度Ra は次式で表される。
【0099】 Ra =Rao・exp (−t/τ) …(30) (29)式を(30)式に代入すると、
【数10】 {(Pi −Po )/k}2 ={(Pio−Poo)/k}2 exp (−t/τ) …(31) なお、ここで、PioはPi の初期値であり、PooはPo
の初期値である。
【0100】従って、 P=Po ・exp (−t/2τ) …(32) 但し、P=Pi −Po ,τ=3ηλ4 /16π4 γhで
ある。
【0101】以上から、パワースペクトル解析値による
塗装膜厚hは次式のようになる。
【0102】
【数11】 但し、τ’i =3ηiλ4 /16π4 γである。
【0103】次に、図20に示す第4の実施例の作用を
説明する。
【0104】撮像部2によって被塗装物1の塗膜表面を
撮像して、塗料塗布後の時間t1 ,t2 における表面粗
さ情報を測定すると、この情報は画像処理部3に入力さ
れて画像処理され、周波数解析(FFT)処理および空
間周波数毎のパワースペクトルデータとしてパワースペ
クトル積分値演算部21に供給される。パワースペクト
ル積分値演算部21では、画像処理部3からのパワース
ペクトルデータを使用し、パワースペクトルの波形分離
および長波パワースペクトル積分値Pi と長波長λの算
出が行われ、粗さ度相当の情報とされ、膜厚演算部22
に供給される。膜厚演算部22には、入力装置8から塗
装条件が入力され、この情報と前記パワースペクトル積
分値演算部21からのパワースペクトル積分値Pi およ
び長波長λから上述したように塗装膜厚hが算出され、
表示器10に表示されるとともに、プロッタ11で印刷
される。
【0105】図23は、横軸に時間を取り、縦軸にパワ
ースペクトル積分値Pi を取って、(32)式を用いた
平滑化理論値と測定値を比較したウェット平滑化動特性
(パワースペクトル値)を示すグラフである。測定は塗
布直後の画像を撮像部2で撮影し、パワースペクトル解
析を行った。図23から、測定値は理論値とほぼ一致し
た平滑化特性となっていることがわかる。
【0106】次に示す表1は、膜厚60μm、54μm
のサンプルに対して上述した(33)式の推定式を用い
て膜厚hを計測した結果を示している。同表から数μm
の精度で計測可能であることがわかる。
【0107】
【表1】 図24は、ウェット塗装膜厚測定装置の第5の実施例を
示すブロック図である。この実施例に係わるウェット塗
装膜厚測定装置は、塗装を施された被塗装物1に対向し
て設けられ、被塗装物1の塗装表面を撮像して、表面の
粗さ情報を得る撮像部2を有する。なお、本実施例で
は、該撮像部2は静電気対策として防爆仕様のものであ
り、また被塗装物1には上塗り塗料が塗布されている。
【0108】前記撮像部2で撮像された被塗装物1の表
面の粗さ情報は画像処理部3に供給される。画像処理部
3は、各種画像処理プログラム、画像解析シーケンスプ
ログラム、波形解析プログラム等から構成され、撮像部
2から供給された表面粗さ情報を画像処理し、パワース
ペクトルの周波数分析(FFT)および長波の波形分離
を行い、表面粗さ情報をパワースペクトルデータとして
パワースペクトル積分値演算部21に供給する。
【0109】パワースペクトル積分値演算部21は、画
像処理部3からのパワースペクトルデータから粗さ相当
のパワースペクトル積分値Pi および長波長λを算出
し、ウェット膜厚演算部22に供給する。ウェット膜厚
演算部22は、該パワースペクトル積分値Pi および長
波長λに加えて、入力装置8から入力される塗装条件に
基づき、パワースペクトルPを使用した平滑化理論式を
用いてウェット塗装膜厚hを算出する。
【0110】該ウェット膜厚演算部22で算出されたウ
ェット塗膜厚hは、ドライ塗膜厚演算部23に供給され
る。また、ドライ塗膜厚演算部23には、前記ウェット
塗膜厚hに加えて、入力装置8から塗装条件の塗着塗料
固形分割合情報、すなわち塗着NV情報(ノンボラ情
報)を供給される。
【0111】NV情報は、塗料NVと塗着NVがあり、
塗料NVは予め重量の測定されたアルミ箔の上に一定量
の塗料を載せ、乾燥前後の重量を測定することにより算
出される(アルミ重量法)。また、塗着NVは基本的に
は塗料NVと同じアルミ重量法を用いて測定されるが、
塗装ライン上にアルミ箔を載せた試料を流し、塗布直後
t(t=t1 ,t2 ,t3 )の塗装されたアルミ箔の乾
燥前後の重量を測定することにより算出される。
【0112】ドライ塗膜厚演算部23は、ウェット塗膜
厚hおよびNV情報を供給されると、これらの情報に基
づいてドライ塗膜厚h’を推定する。これらのウェット
塗装膜厚hおよびドライ塗膜厚h’は表示器10に表示
されるとともに、プロッタ11で印刷される。
【0113】なお、ドライ塗膜厚演算部23におけるウ
ェット塗膜厚hおよびNV情報に基づくドライ塗膜厚
h’の算出は次式による。
【0114】h’=h×(NV値) パワースペクトルPを使用した平滑化理論式の導出につ
いては、前記第4の実施例における式(28)〜式(3
3)を用いる。
【0115】次に、図24の実施例の作用を説明する。
【0116】撮像部2によって被塗装物1の塗膜表面を
撮像して、塗料塗布後における表面粗さ情報を測定する
と、この情報は画像処理部3に入力されて画像処理さ
れ、周波数解析(FFT)処理および空間周波数毎のパ
ワースペクトルデータとしてパワースペクトル積分値演
算部21に供給される。パワースペクトル積分値演算部
21では、画像処理部3からのパワースペクトルデータ
を使用し、パワースペクトルの波形分離および長波パワ
ースペクトル積分値Pi と長波長λの算出が行われ、粗
さ度相当の情報とされ、ウェット膜厚演算部22に供給
される。ウェット膜厚演算部22には、入力装置8から
塗装条件が入力され、この情報と前記パワースペクトル
積分値演算部21からのパワースペクトル積分値Pi
よび長波長λから上述したようにウェット塗装膜厚hが
算出される。
【0117】このウェット塗膜厚hはドライ塗膜厚演算
部23に供給され、ドライ塗膜厚演算部23は入力装置
8からのNV情報と該ウェット塗膜厚hに基づいて上述
したようにドライ塗膜厚h’を推定する。この推定され
たドライ塗膜厚h’および前記ウェット塗膜厚hは表示
器10に表示されるとともに、プロッタ11で印刷され
る。
【0118】図25は、ウェット塗装膜厚測定装置の第
6の実施例を示すブロック図である。この実施例に係わ
るウェット塗装膜厚測定装置は、図24に示した実施例
におけるウェット塗装膜厚からドライ塗装膜厚を推定す
る塗装膜厚測定装置に対してウェット鮮映性演算部4
1、ドライ鮮映性演算部61、塗装性判断部63および
塗装条件制御システム65を追加し、これによりウェッ
ト塗装面の鮮映性からドライ塗装面の鮮映性を推定し、
これらの鮮映性と前記ドライ塗装膜厚とから塗装性を判
断し、最適塗膜厚を算出するとともに、この最適塗膜厚
に対するドライ塗装膜厚の偏差を算出し、この偏差を塗
装条件としてフィードバックするように構成した点が異
なるものであり、図24に示す構成要素と同じ構成要素
には同じ符号を付している。
【0119】図25の実施例において、撮像部2からの
画像処理された表面粗さ情報はウェット鮮映性演算部4
1およびパワースペクトル積分値演算部21に供給され
る。
【0120】ウェット鮮映性演算部41は、画像処理部
3からの画像処理データおよび入力装置8から供給され
る塗装色等を含む塗装条件に基づいてウェット塗装面の
鮮映性、すなわち平滑性、肉持ち性、光沢性からなる鮮
映性を算出し、この鮮映性をドライ鮮映性演算部61に
供給する。このドライ鮮映性演算部61は、ウェット鮮
映性演算部41から供給されたウェット塗装面の鮮映性
に基づいて最終塗装品質であるドライ塗装面の鮮映性を
推定し、このドライ塗装面の鮮映性およびウェット塗装
面の鮮映性を塗装性判断部63に供給する。
【0121】ここで、ウェット塗装面の鮮映性とドライ
塗装面の鮮映性の比較について説明する。
【0122】鮮映性のうちの平滑性について説明する。
ウェット塗装面の平滑性は図26に示すように塗布直後
は数値は低いが、時間とともに平滑化理論に従って徐々
に数値が上昇する。この傾向は乾燥後においても基本的
に継続する。従って、ウェット塗装面での平滑性目標値
はドライ塗装面の値に対して小さくなり、ウェット塗装
面の平滑性をHw とし、ドライ塗装面の平滑性をHd
すると、次式に示すようになる。
【0123】 Hd =K1 ・Hw …(34) ここで、K1 はウェット平滑係数であり、1より大きな
値である(K1 >1)。また、ウェット塗装面の平滑性
の目標値は次のようになる。
【0124】 Hw ≧0.5 …(35) 次に、肉持ち性について説明する。ウェット塗装面の肉
持ち性は図27に示すように塗布直後から数値が大きく
なっているが、乾燥後は逆に焼付け時の肌荒れのために
肉持ち性は低下する。従って、ウェット塗装面の肉持ち
性の目標値はドライ塗装面の値よりも高くなり、ウェッ
ト塗装面の肉持ち性をNw とし、ドライ塗装面の肉持ち
性をNd とすると、次式に示すようになる。
【0125】 Nd =K2 ・Nw …(36) ここで、K2 はウェット肉持ち性係数であり、1より小
さい値である(K2 <1)。また、ウェット塗装面の肉
持ち性の目標値は次のようになる。
【0126】 Nw ≧1.0 …(37) 光沢性、すなわち艶性について説明する。ウェット塗装
面の艶性は図28に示すように肉持ち性と同様に塗布直
後の方が数値的に大きいが、乾燥後は焼付けによる肌荒
れのために艶性は低下する。ウェット塗装面の艶性をT
w とし、ドライ塗装面の艶性をTd とすると、次式に示
すようになる。
【0127】 Td =K3 ・Tw …(38) ここで、K3 はウェット艶性係数であり、1より小さい
値である(K3 >1)。また、ウェット塗装面の艶性の
目標値は次のようになる。
【0128】 Tw ≧0.6 …(39) 一方、パワースペクトル積分値演算部21は、画像処理
部3からのパワースペクトルデータから粗さ相当のパワ
ースペクトル積分値Pi および長波長λを算出し、ウェ
ット膜厚演算部22に供給する。ウェット膜厚演算部2
2は、該パワースペクトル積分値Pi および長波長λに
加えて、入力装置8から入力される塗装条件に基づき、
パワースペクトルPを使用した平滑化理論式を用いてウ
ェット塗装膜厚hを算出する。このウェット塗膜厚h
は、ドライ塗膜厚演算部23に供給され、入力装置8か
ら塗装条件の塗着塗料固形分割合情報、すなわち塗着N
V情報(ノンボラ情報)とにより、ドライ塗膜厚h’が
推定され、このドライ塗膜厚h’およびウェット塗膜厚
hは塗装性判断部63に供給される。
【0129】塗装性判断部63は、ドライ鮮映性演算部
61から供給されたドライ塗装面の鮮映性およびウェッ
ト塗装面の鮮映性およびドライ塗膜厚演算部23から供
給されたドライ塗膜厚h’およびウェット塗膜厚hに基
づいて、塗装面の塗装性(品質)を判定し、最適塗膜厚
を算出するとともに、この最適塗膜厚に対するドライ塗
膜厚h’の偏差を算出する。そして、この塗膜厚偏差情
報を塗装条件制御システム65に供給するとともに、該
塗膜厚偏差、ドライ塗膜厚、ウェット塗膜厚、ドライ塗
装面の鮮映性、ウェット塗装面の鮮映性に関する情報を
表示器10およびプロッタ11に出力し、それぞれ表示
および印刷する。
【0130】塗装条件制御システム65は、塗装性判断
部63から供給された塗膜厚偏差情報に基づいて例えば
塗装条件を制御し、これにより最適塗膜厚および塗装性
が得られるようにフィードバック制御する。
【0131】なお、ウェット塗装品質の判定は、鮮映性
の平滑性、肉持ち性、光沢性のそれぞれについて前述し
た(35),(36),(37)式の目標値に対して判
定し、塗装品質を鮮映値または良否で判定する。また、
最適塗膜厚値の算出は、実際の製造ラインにおいて図2
6〜図28のような各鮮映性のウェットとドライの相関
を取り、かつその時の塗膜厚を計測することにより、塗
装鮮映性の目標値を確保し、実現可能な最も薄い塗膜厚
を最適塗膜厚ho とする。図26〜図28の例では、目
標とする最適塗膜厚ho =40〜45μm程度である。
従って、目標鮮映性をクリアした塗装面の塗膜厚がhで
ある場合、塗膜厚偏差は次式のようになる。
【0132】 Δh=h−ho …(40) そして、この塗膜厚偏差ho が塗装条件制御システム6
5にフィードバックされることになる。
【0133】図29は、ウェット膜厚用センサ57を撮
像部2としてウェット鮮映性測定装置を構成した第7の
実施例を示すブロック図である。同図に示すウェット鮮
映性測定装置は、塗装を施される被塗装物1に対向して
設けられ、被塗装物1の塗装表面を撮像して、表面の粗
さ情報を得る撮像部2を有する。なお、本実施例では、
該撮像部2は静電気対策として防爆仕様のものであり、
また被塗装物1には上塗り塗料を塗布されている。
【0134】前記撮像部2は、図30に詳細に示すよう
に、光源31、明暗パターン板32、反射鏡33、レン
ズ34、CCDカメラ35から構成され、該撮像部2で
撮像された被塗装物1の表面の粗さ情報は画像処理部3
に供給される。
【0135】前記撮像部2で撮像された被塗装物1の表
面の粗さ情報は画像処理部3に供給される。画像処理部
3は、各種画像処理プログラム、画像解析シーケンスプ
ログラム、波形解析プログラム等から構成され、撮像部
2から供給された表面粗さ情報を画像処理し、ウェット
鮮映性演算部4に供給される。
【0136】ウェット鮮映性演算部41は、画像処理部
3からの画像処理データに基づいてウェット塗装面の鮮
映性、すなわち平滑性、肉持ち性、光沢性からなる鮮映
性を算出し、この鮮映性をドライ鮮映性演算部61に供
給する。このドライ鮮映性演算部61は、ウェット鮮映
性演算部41から供給されたウェット塗装面の鮮映性お
よび入力装置8から供給される塗装色等を含む塗装条件
に基づいて後述するように最終塗装品質であるドライ塗
装面の鮮映性を推定する。以上の算出されたウェット塗
装面の鮮映性およびドライ塗装面の鮮映性の情報は表示
器10およびプロッタ11に出力されるとともに、最適
塗装システムに供給され、迅速なフィードバック制御が
塗装工程に対して行われる。
【0137】ウェット塗装面の鮮映性とドライ塗装面の
鮮映性の比較については、すでに説明してあるので省略
する。
【0138】次に、図29に示すウェット鮮映性測定装
置の作用を説明する。
【0139】撮像部2によって被塗装物1の塗膜表面を
撮像して、塗料塗布後の時間tにおける塗装表面情報を
測定すると、この情報は画像処理部3に入力されて、2
値化処理、FFT解析等の画像処理を行われ、ウェット
鮮映性演算部41に供給される。
【0140】ウェット鮮映性演算部41は、画像処理部
3からの画像処理情報に基づいてウェット塗装面の鮮映
性を算出する。この算出方法は、ランレングス法(スリ
ット幅の標準の偏差、平均より求める方法)、濃度勾配
法(スリット縦縞の濃淡ベクトルより求める方法)、光
パワースペクトル積分値Pi 等を用いる方法等がある。
【0141】ウェット鮮映性演算部41で算出されたウ
ェット塗装面の鮮映性情報および入力装置8からの色の
指定等を含む塗装条件はドライ鮮映性演算部61に供給
される。ドライ鮮映性演算部61は、このウェット塗装
面の鮮映性から、上述したウェット塗装面の鮮映性とド
ライ塗装面の鮮映性の比較で説明した両者の相関性を利
用して、すなわち上述したウェット塗装面の鮮映性とド
ライ塗装面の鮮映性を記述した(34),(36),
(38)式を利用して、最終塗装品質であるドライ塗装
面の鮮映性を推定する。このように推定されたドライ塗
装面の鮮映性は表示器10、プロッタ11に出力される
とともに、最適塗装システムに供給される。
【0142】図31は、図29で示した第7の実施例に
おける画像処理および鮮映性の検出を高い信頼性で迅速
に行う塗装面性状検査装置を構成した第8の実施例を示
すものである(特願平4−52917号参照)。
【0143】この実施例の塗装面性状とは前述したよう
に塗装面の平滑感、肉持ち感、光沢感からなる鮮映性を
示すものであるが、この3種類の各要素について更に詳
しく説明すると、平滑感は塗装面における比較的大きな
うねり状の歪みがどの程度であるかを示したものであ
り、肉持ち感は塗装面における非常に細かな凹凸の存在
がどの程度であるかを示したものであり、光沢感は塗装
面における明暗差がどの程度の大きさで再現されるかを
示したものである。
【0144】図31に示す実施例では、以下に詳細に説
明するように、塗装面の平滑感および肉持ち感は抽出し
た輪郭線に一次元の画像処理を施すことにより算出し、
光沢感は入力画像の明暗差を検出することにより算出し
ている。このように定量的な測定を行なうことが容易に
できるようになるために、測定の信頼性が向上すること
になる。つまり、たとえ素人がこの装置によって測定を
行なった場合であっても、信頼性の非常に高い評価を行
なうことができるようになる。さらにこの評価を得るた
めの画像処理は輪郭線に基づいて行なっているので、一
次元の処理を行なうのみで良く、その処理の高速化をも
図ることができるようになる。また、メモリ容量が格段
に少なくて済むので、装置の小形化と低コスト化を図る
ことも可能となる。
【0145】以下、図面を用いて第8の実施例を説明す
る。図31はこの第8の実施例の塗装面性状検査装置を
構成する測定ヘッドの構造図で、同図(A)は主にその
内部構造を示す正面図、同図(B)はその底面図であ
る。
【0146】塗装面性状測定装置を構成する測定ヘッド
125は小型軽量のハンディータイプの測定ヘッドであ
って、光の出入口となる開口112をもつケーシング1
11を備えている。このケーシング111内には、投光
側に光源102、半拡散板103、ストライプ格子10
4、鏡110および凸レンズ105が、また受光側には
CCDカメラ106を構成する受光レンズ107、絞り
108およびCCD素子109が順にそれぞれ光軸を基
準として配列収納されている。光源102はハロゲン電
球102aと反射鏡102bで構成され、また、ストラ
イプ格子104は例えばストライプパターンが印刷され
たガラス板からなっている。こうして、投光側からスト
ライプパターンが塗装面101に照射されその反射光が
受光側のCCDカメラ106によって撮像されるように
なっている。なお、CCDカメラ106で撮像された反
射ストライプパターンは内蔵モニター113の画面に表
示されるとともに外部コネクター114を介して鮮映性
を数値化し記録する画像処理装置130に出力されるよ
うになっている。一方、ケーシング111の開口112
は透明板たる透明ガラス115で密閉され、またケーシ
ング111の底面にはそれぞれ伸縮自在で先端が旋回自
在の四本の自由足116が取り付けられている。
【0147】概略以上のような構造をもつ測定ヘッド1
25の各構成要素の詳細について以下に順に説明する。
【0148】まず測定ヘッド112の光学系から説明す
る。絞り108は回折限界まで絞られた直径0.2〜
0.3mm程度のピンホール絞りであって、同じCCDカ
メラ106内の受光レンズ107とCCD素子109の
間に配置されている。この非常に小さい絞り108によ
って、結像がぼける原因となる望ましくない光束がすべ
て遮光されるため、焦点を合わせた被写体面の前後どこ
でも結像として鮮明にとらえることができるようにな
り、被写界深度が飛躍的に大きくなる。そして、この絞
り108による被写界深度の飛躍的増大によって、被写
体の位置がどこであろうとピントが合うようになり、受
光レンズ107を移動させたりその焦点距離を変えたり
することなくストライプ格子104と塗装面101の両
方にピントを合わせることができるようになる。その結
果後述するような塗装面101のうねりの大小に対応す
る鮮映性の三質感(平滑感、肉持感、光沢感)を同時に
精度良く測定することができるようになる。この他、絞
り108により被写界深度が著しく増大したことで、感
度のさらなる向上および感度の調節が可能になり、また
測定ヘッド125を塗装面101から離しての非接触の
測定が可能になる。なお、ピンホール108の直径を回
折限界以下に小さくすると回折現象によって解像度が低
下するため、好ましくない。
【0149】次に投光側の光学系について説明する。こ
の光学系に含まれる凸レンズ105は感度を上げるため
ストライプ格子104を疑似的にできるだけ遠くに置く
ようにするためのものであって、この凸レンズ105を
入れることによってストライプ格子104を無限遠にあ
るように見せかけることが可能になり、感度を上げつつ
装置125を小型化できるようになっている。さらに、
前述のように絞り108によって被写界深度が極めて大
きくピントがどこにでも合うため、凸レンズ105との
関係においてストライプ格子104を任意の適当な位置
に置くことができ、ストライプ格子104の位置を適当
に調節すれば人間にはぼけて見えないけれどもストライ
プ格子104を塗装面101から疑似的に無限遠以上に
離すことが可能になる。これによって感度がさらに一層
向上する。また、本実施例では、鏡110を設けて光路
をかせぎ、より一層装置の小型化を図っている。
【0150】また光源102はハロゲン電球102aを
反射鏡102bの焦点よりも若干遠くに配置し、光がい
ったん集光した後広がる集光型の光源を構成している。
これは、塗装面101は通常曲面であるため、従来の平
行光線を発するスポット型の光源では照射面の端が中心
部に比べて暗くなりがちであるため、照射面の端の光量
を増加させて曲面に対してより安定した明るさを確保す
るためである。この集光型光源102の配光角はたとえ
ば40°以上であり、スポット型のもの(配光角0〜1
0°)に比べ大きくなっている。
【0151】光むらを解消させるための半拡散板103
は、従来使用していた拡散板と違って小さな散乱角の範
囲内で入射光を拡散透過させるもので、例えばすりガラ
スやピントガラス等を使用する。この半拡散板103
は、光源102からの光の集光点Cの手前に配置する。
拡散板と半拡散板との光軸上での光透過率を比較する
と、拡散板で約45%、半拡散板で約85%(ともに実
測値)である。このように、半拡散板は拡散板と異なり
光を直進させる作用をある程度有するため、ストライプ
格子104に照射される光軸方向の光量の減少は比較的
小さくてすむ。そのため、半拡散板103を用いること
によって従来より小さな容量の光源102で測定に必要
な明るさを確保することができる。また、図示するよう
に三枚の半拡散板103を使用してむらを十分になくす
ようにしている。このように適当な枚数の半拡散板10
3を使用することにより、光量を確保しつつむらのない
光をストライプ格子104に照射することができる。
【0152】次にこの測定ヘッド125の構造について
説明すると、まず、光の出入口としてのケーシング11
1の開口112に透明ガラス115が取り付けられ、測
定ヘッド125自体が密閉構造になっている。これによ
り、塵等が測定ヘッド125内部に侵入して光学系を汚
染し装置の性能低下をきたすことが防止される。なお、
このとき、測定ヘッド125は自由足116により塗装
面101から離れた位置に支持されるため、図34に示
すようにガラス面からの反射光はCCDカメラ106に
入射しない。そのため、開口112を透明ガラス115
で塞いでも測定は可能である。この他、直接塗装面10
1に接触させて測定するタイプの装置の場合には、図示
しないが、ガラス面が光軸に対して直角になるようガラ
スを逆V字形に配置して密閉すれば、結像に望ましくな
いガラス面での反射はなくなるため、ガラスで密閉して
も測定することができる。
【0153】また、測定ヘッド125の底面には四本の
自由足116が取り付けられている。この自由足116
は、先端がボールジョイントの旋回自在のスイベル式の
足先で、しかも脚部がばね内蔵の伸縮自在の構造をもっ
ている。先端部にはフェルトが取り付けられており、測
定時に塗装面101を傷つけないように配慮している。
また、ばねは測定ヘッド125を塗装面101の上に置
いただけでは縮まず、ヘッド125の自重より大きな力
が加わったとき、すなわち押したときに縮むようなばね
定数を有している。このように自由足116は足先が旋
回自在のスイベル式でしかも脚部が押すと縮む伸縮自在
のものであるため、塗装面101がどんな曲面であって
も足先の向きと脚部の長さを適当に調節することにより
塗装面101からの反射光を常にCCDカメラ106で
とらえることができる。なお、このように足116を設
けることで測定に際しヘッド125を塗装面101から
離すことができるが、前述のようにCCDカメラ106
内の絞り108は回折限界程度と非常に小さいので、開
口112からの外乱光は絞り108によりほとんど遮断
され、外乱光による影響はなくなり、したがって測定ヘ
ッド125を塗装面101から離して測定することが可
能になる。
【0154】さらに、本実施例では、操作スイッチ取付
基板120にタイマー回路が組み込まれており、一定時
間操作スイッチが操作されないと自動的に光源102や
CCDカメラ106、モニター113等の内部機器への
電源供給が切れ、操作スイッチが操作されると直ちに電
源が入るようになっている。
【0155】以上のように構成されている測定ヘッド1
25のCCDカメラ106によって入力された画像は、
前述の画像処理装置130によって次のようにして処理
されることになる。以下、ここでの処理を図32に示す
フローチャートに基づき図33以降の図を参照しながら
説明する。
【0156】本実施例の塗装面性状検査装置において
は、塗装面性状の測定に際して最適な画像が得られるよ
うに、測定画像を入力する前処理として入力すべき画像
の大きさと位置とを設定する処理が行われる。このよう
な処理を行なうこととしているのは、塗装面の曲率に応
じて得られる入力画像が異なることに鑑み、この曲率に
影響されないような画像を入力するためである。この処
理は、以下のS1〜S5のステップにおいて行われる。
【0157】まず、CCDカメラ106から入力された
多値化画像は、画像処理装置130に入力されてその装
置130内に設けられているメモリに記憶される。記憶
される画像の一例としては図33(A)に示されるよう
なものである。つまり、塗装面で反射されたストライプ
の反射光に応じた画像が入力される。この画像は、塗装
面が平坦である場合には、出力されたストライプ画像の
相似型の画像がCCDカメラ106に入力されることに
なるが、塗装面が曲面である場合には、入力される画像
はその曲率に応じて拡大、縮小、さらには変型した画像
となってしまう。また、塗装面の曲率が大きい場合に
は、像の位置がCCDカメラ106の視野内を移動して
しまうというようなことも起こりうる。この移動によっ
て像の位置が視野内から外れるというようなことがある
と、測定に必要とされるデータの収集が不十分となって
測定結果の信頼性に悪影響を与えることになる。このた
め、以下に記されているような、ストライプ像の位置を
追跡し、測定窓の大きさを変えるという処理を行なう。
【0158】まず、メモリに記憶された画像を呼び出し
て、図33に示してあるようなカメラ視野Aの楕円度を
演算する。これと同時に、カメラ視野A内に存在してい
るストライプ像の光重心演算を行なう。楕円度の演算
は、測定窓の輪郭線を抽出してこの直径の最大値と最小
値とに基づいて行なっている。また、光重心演算は、従
来から行われている一般的な手法であるのでここではそ
の処理の説明は省略する(S1,S2)。次に、この光
重心演算の結果に基づいてストライプ画像の中心位置を
求める。この演算を行なうのは、次の測定窓の大きさを
決定する処理において、その測定窓の中心位置を決定す
るためである(S3)。そして、上記の処理において求
めた楕円度とストライプ画像の中心位置とに基づいて、
測定窓の大きさと位置とを決定する。例えば以上の測定
の結果、カメラ視野Aが図33(A)のようにほぼ円形
である場合には、測定窓Bは同図のように設定され、一
方、カメラ視野(A)が図34のように楕円である場合
には、測定窓Bは同図のように設定されることになる
(S4)。
【0159】以上の処理が終了すると、塗装面性状検査
処理が行われることになる。
【0160】まず、メモリに記憶されているストライプ
画像を呼び出して、所定の閾値で二値化する。例えばス
トライプ画像の一例としては、図35(A)に示されて
いるような画像である(S5)。平滑感を求めるには、
この二値化された画像から輪郭線を抽出する処理が行わ
れ、図35(B)に示すような画像を得る(S6)。こ
のままでは非常にギザギザした線であるので、これを平
滑化する処理を行なって図35(C)に示すような画像
を得る(S7)。次に、この平滑化した輪郭線の各構成
画素毎に法線の方向を求める。つまり、図35(D)に
示すような方向の算出処理を行なう。さらに詳細には、
輪郭線を構成する画素毎に法線の方向を求める。この方
向は、非常に多くのものとなる(S8)。そして、この
ようにして求められたたくさんの方向を統計処理して、
方向のばらつきが少ないもの、すなわち収束性のあるも
のは平滑感が良好であり、一方、ばらつきの大きなも
の、すなわち発散性の認められるものは平滑感が不良で
あると判断する(S9,S10)。
【0161】一方、肉持ち感を算出するには、この二値
化された画像から輪郭線の幅を抽出する処理が行われ
る。正常であるならば、塗装面を反射したストライプと
同一の幅のものしか検出されないはずであるが、肉持ち
感が悪い場合には、細かな小島がストライプ内に混在す
ることになるので、その小島に対応した幅のものが検出
される。したがって、幅の抽出とは、どの程度大きさの
小島が何個存在しているかを認識させるための前段階の
処理であるといえる(S11)。次に、上記の処理にお
いて抽出されたストライプ幅のデータから、所定値以
下、例えば0.5mm以下のものを取り出してその数の存
在割合を求める。この割合に基づいて肉持ち感を算出す
る(S12〜S14)。
【0162】また、光沢感を測定するには、まず、測定
窓を介して入力した画像の各水平ライン毎に最も明るい
部分と最も暗い部分の輝度差を求める。つまり、画像に
対して、位置と輝度との関係のグラフを作成して、その
グラフ中の輝度の最大のものと最少のものとの差を求め
る(S15)。この処理を全ての水平ラインについて行
なって、測定窓の領域内におけるデータの平均を求める
(S16)。以上の処理によって得られた輝度差に応じ
て光沢感を求める。尚、輝度差と光沢感との関係は、相
関関係が明らかとなっているので、その算出の演算は非
常に単純である(S17)。
【0163】なお、上述した実施例を示す図31におい
て、測定ヘッド125は図29の撮像部2に対応してい
る。また、図31の画像処理装置130は、図29の画
像処理部3及び表示器10に対応している。また、図3
1の画像処理装置130の処理を示す図32の処理フロ
ーのうち、S1〜S5までが図29の画像処理部3の処
理に対応する。更にS6〜S17までが図29の演算部
41の処理に対応する。
【0164】また、画像処理装置130は、ウェット鮮
映性を算出する構成となっているが、前出の図29に示
す演算部61の処理機能を付加することで、ドライ鮮映
性を推定することができる。そして、このようなことか
ら、本実施例を図29に示す第7の実施例への適用も可
能である。
【0165】
【発明の効果】以上説明してきたように、第1の発明ま
たは第3の発明によれば、未乾燥塗装表面検出手段は、
被塗表面に対して一定の距離を保持しながら塗装手段に
より塗装された直後の被塗表面を検出するようにしたの
で、塗装面における塗膜破壊、ごみの付着などの不具合
の発生を防止できるとともに、検出にあたり塗装後の時
間経過による塗装膜厚の変動の影響を受けることはな
く、検出精度を向上させることができる。
【0166】第2の発明によれば、未乾燥塗装表面検出
手段は塗装手段に対して移動可能として塗装直後の塗装
面に常に対向する位置となるので、塗装手段が被塗装面
に対して前後左右に移動した場合でも、塗膜破壊、ごみ
の付着などの不具合の発生を防止できるとともに、高精
度の検出が可能となる。
【0167】第4〜7の発明によれば、塗装直後の未乾
燥塗装表面の粗さ情報から表面の凹凸のピークツゥピー
ク値及び波長または表面の粗さ度及び波長を算出し、塗
料の成分情報、表面凹凸のピークツゥピーク値または粗
さ度の時間変化量及び表面凹凸または表面粗さの波長に
基づいて塗装膜厚を算出したり、または表面粗さ情報か
ら表面の粗さ度及び波長または表面の凹凸のピークツゥ
ピーク値及び波長を算出し、塗料の成分情報及び塗装条
件、表面粗さ度及び波長または表面の凹凸のピークツゥ
ピーク値及び波長に基づいて平滑化初期値を推定し、表
面粗さ度及び波長または表面凹凸のピークツゥピーク値
及び波長及び平滑化初期値に基づいて塗装膜厚を算出し
ているので、塗装直後の未乾燥塗装膜厚を非接触で適確
に測定することができる。
【0168】第8の発明によれば、表面粗さ情報をパワ
ースペクトル解析し、そのパワースペクトルデータから
表面粗さ相当のパワースペクトル積分値及び波長を算出
し、パワースペクトル解析値を使用した平滑化理論式を
用いて、パワースペクトル積分値、波長、塗料成分情報
及び塗装条件から塗装膜厚を算出しているので、塗装直
後の未乾燥塗装膜厚を非接触で適確に測定することがで
きるとともに、撮像手段を含めた装置価格の低減化、塗
装表面との離隔距離の増大化及び接触危険性の低減化、
撮像手段の簡単化及び軽量化、耐振動性の向上等を図る
ことができ、例えば自動車の塗装ラインへの適用に最適
である。
【0169】第9の発明によれば、塗装直後の未乾燥塗
装表面の粗さを撮像した表面粗さ情報と塗装条件から表
面粗さの平滑化理論を用いてウェット塗装膜厚を算出
し、このウェット塗装膜厚及び塗装条件の塗着塗料固形
分割合情報に基づいてドライ塗装膜厚を算出しているの
で、塗装直後のウェット状態の塗装面からドライ塗装面
の塗膜厚を迅速に推定することができ、ドライ塗膜厚の
塗装条件へのフィードバックを迅速に行うことができ、
塗装品質の安定性を向上することができる。
【0170】第10の発明によれば、塗装直後の未乾燥
塗装表面の粗さを撮像した画像情報及び塗装条件に基づ
いてウェット塗装面の鮮映性を算出し、このウェット塗
装面の鮮映性からドライ塗装面の鮮映性を推定し、塗装
条件及び前記撮像した表面粗さ情報から表面粗さの平滑
化理論を用いてウェット塗装膜厚を算出し、このウェッ
ト塗装膜厚及び塗装条件の塗着塗料固形分割合情報に基
づいてドライ塗装膜厚を算出し、ウェット塗装面及びド
ライ塗装面の鮮映性及びウェット塗装膜厚及びドライ塗
装膜厚に基づいて塗装性を判断して、最適膜厚を算出
し、最適塗膜厚に対するドライ塗装膜厚の偏差を算出
し、この偏差に基づいて塗装条件を制御しているので、
塗装直後のウェット状態の塗装面からドライ塗装面の塗
膜厚を迅速に推定することができ、ドライ塗膜厚の塗装
条件へのフィードバックを迅速に行うことができ、塗装
品質の安定性を向上することができるとともに、また過
剰品質、すなわち塗料の無駄を防止し、経済化を図るこ
ともできる。
【0171】第11の発明によれば、塗装直後の未乾燥
塗装表面の粗さを撮像した画像情報を画像処理し、この
画像処理された画像情報及び塗装条件に基づいてウェッ
ト塗装面の鮮映性を算出し、このウェット塗装面の鮮映
性からドライ塗装面の鮮映性を推定しているので、塗装
直後のウェット塗装面の鮮映性からドライ塗装面の鮮映
性を迅速に推定することができ、塗装条件へのフィード
バックを迅速に行うことができ、塗装品質の安定性を向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の一実施例を示す塗装ガンへ
のウェット膜厚用センサの取付け状態を示す説明図、
(b)は(a)の拡大されたA−A断面図である。
【図2】図1の塗装ガン及びウェット膜厚用センサを使
用した塗装装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図1におけるウェット膜厚用センサの詳細図で
ある。
【図5】図1のウェット膜厚用センサを使用したウェッ
ト塗装膜厚測定装置の第1の実施例に係わる構成を示す
ブロック図である。
【図6】塗装直後のウェット状態の塗装表面の凹凸状態
の平坦化現象の説明図である。
【図7】図5のウェット塗装膜厚測定装置に使用されて
いる表面粗さ計の構成を示す図である。
【図8】図5のウェット塗装膜厚測定装置の作用を示す
フローチャートである。
【図9】図5のウェット塗装膜厚測定装置において表面
粗さ計で測定された被塗装物の表面粗さを示す光干渉縞
データの一例を示す図である。
【図10】塗装直後のウェット状態の塗装表面の凹凸状
態を示す図である。
【図11】塗膜粘度とセット時間との関係を示すグラフ
である。
【図12】ウェット膜厚の平滑化動特性を示すグラフで
ある。
【図13】上塗り塗料での測定値を理論値と比較したグ
ラフである。
【図14】ウェット塗装膜厚測定装置の第2の実施例に
係わる構成を示すブロック図である。
【図15】図14のウェット塗装膜厚測定装置の作用を
示すフローチャートである。
【図16】表面粗さ度の平滑化動特性を示すグラフであ
る。
【図17】ウェット塗装膜厚測定装置の第3の実施例に
係わる構成を示すブロック図である。
【図18】図17のウェット塗装膜厚測定装置の作用を
示すフローチャートである。
【図19】平滑化動特性理論値と測定値との比較を塗布
直後の時間に対する塗膜表面凹凸ピークツゥピーク(p
−p)値で示すグラフである。
【図20】ウェット塗装膜厚測定装置の第4の実施例に
係わる構成を示すブロック図である。
【図21】図20のウェット塗装膜厚測定装置に使用さ
れている撮像部の構成を示す図である。
【図22】表面粗さRa とパワースペクトル積分値Pi
の関係を示すグラフである。
【図23】横軸に時間を取り、縦軸にパワースペクトル
積分値Pi を取って、平滑化理論値と測定値を比較した
ウェット平滑化動特性(パワースペクトル値)を示すグ
ラフである。
【図24】ウェット塗装膜厚測定装置の第5の実施例に
係わる構成を示すブロック図である。
【図25】ウェット塗装膜厚測定装置の第6の実施例に
係わる構成を示すブロック図である。
【図26】ウェット平滑性とドライ平滑性の比較を示す
グラフである。
【図27】ウェット肉持ち性とドライ肉持ち性の比較を
示すグラフである。
【図28】ウェット艶性とドライ艶性の比較を示すグラ
フである。
【図29】ウェット塗装膜厚測定装置の第7の実施例に
係わる構成を示すブロック図である。
【図30】図29のウェット塗装膜厚測定装置に使用さ
れている表面粗さ計の構成を示す図である。
【図31】塗装面性状検査装置の測定ヘッド部の第8の
実施例に係わる構成を示す図である。
【図32】図31に示した装置の処理フローチャートで
ある。
【図33】図32に示したフローチャートにおいて測定
窓の大きさと位置との決定を行なう動作説明に供する図
である。
【図34】図32に示したフローチャートにおいて測定
窓の大きさと位置との決定を行なう動作説明に供する図
である。
【図35】図32に示したフローチャートにおいて平滑
感の評価を算出する処理の動作説明に供する図である。
【図36】従来の塗膜厚測定装置を示す説明図である。
【符号の説明】
51 塗装処理装置 56 塗装ガン(塗装手段) 57 ウェット膜厚用センサ(未乾燥塗装表面検出手
段) W 被塗装物 WS 被塗装面

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装面に対し一定の距離を保持しつつ
    被塗装面上を相対移動するように移動装置に取付けられ
    塗料を噴出する塗装手段と、この塗装手段に装着され塗
    装手段より塗装された直後の被塗装面の未乾燥塗装表面
    を検出する未乾燥塗装表面検出手段とを備えたことを特
    徴とする塗装処理装置。
  2. 【請求項2】 上記移動装置は、塗装手段を被塗装面上
    を前後方向上下方向に相対移動可能に支持しており、未
    乾燥塗装表面検出手段は、被塗装面に対し一定の距離を
    保持した状態で塗装手段に移動可能に装着されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の塗装処理装置。
  3. 【請求項3】 被塗装面に対し一定の距離を保持しつつ
    被塗装面上を相対移動する塗装手段より塗料を噴出せし
    めて被塗装面に塗装を行った直後に、前記塗装手段に装
    着した未乾燥塗装面検出手段により塗装手段の後方で被
    塗装面の未乾燥塗装表面を検出することを特徴とする塗
    装処理方法。
  4. 【請求項4】 未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装し
    た直後の未乾燥塗装表面の粗さを測定する粗さ測定手段
    で構成し、該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報
    の時間変化量を算出する時間変化量算出手段と、前記塗
    料の成分情報を入力する入力手段と、前記塗料の成分情
    報および前記表面粗さ情報の時間変化量に基づいて塗装
    膜厚を算出する塗装膜厚算出手段とを設けたことを特徴
    とする請求項1または2記載の塗装処理装置。
  5. 【請求項5】 未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装し
    た直後の未乾燥塗装表面の粗さを測定する粗さ測定手段
    で構成し、該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報
    から表面の凹凸のピークツゥピーク値および波長を算出
    する演算手段と、前記表面の凹凸のピークツゥピーク値
    の時間変化量を算出する時間変化量算出手段と、前記塗
    料の成分情報を入力する入力手段と、前記塗料の成分情
    報、前記表面凹凸のピークツゥピーク値の時間変化量お
    よび前記表面凹凸の波長に基づいて塗装膜厚を算出する
    塗装膜厚算出手段とを設けたことを特徴とする請求項1
    または2記載の塗装処理装置。
  6. 【請求項6】 未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装し
    た直後の未乾燥塗装表面の粗さを測定する粗さ測定手段
    で構成し、該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報
    から表面の粗さ度および波長を算出する演算手段と、前
    記表面の粗さ度の時間変化量を算出する時間変化量算出
    手段と、前記塗料の成分情報を入力する入力手段と、前
    記塗料の成分情報、前記表面粗さ度の時間変化量および
    前記表面粗さの波長に基づいて塗装膜厚を算出する塗装
    膜厚算出手段とを設けたことを特徴とする請求項1また
    は2記載の塗装処理装置。
  7. 【請求項7】 未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装し
    た直後の未乾燥塗装表面の粗さを測定する粗さ測定手段
    で構成し、該粗さ測定手段で測定した前記表面粗さ情報
    から表面の粗さ度および波長または表面の凹凸のピーク
    ツゥピーク値および波長を算出する演算手段と、前記塗
    料の成分情報および塗装条件を入力する入力手段と、前
    記塗料の成分情報および塗装条件、前記表面粗さ度およ
    び波長または前記表面の凹凸のピークツゥピーク値およ
    び波長に基づいて平滑化初期値を推定する推定手段と、
    前記表面粗さ度および波長または前記表面の凹凸のピー
    クツゥピーク値および波長、および前記平滑化初期値に
    基づいて塗装膜厚を算出する塗装膜厚算出手段とを設け
    たことを特徴とする請求項1または2記載の塗装処理装
    置。
  8. 【請求項8】 未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装し
    た直後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像する撮像手段で構
    成し、該撮像手段で撮像した表面粗さ情報をパワースペ
    クトル解析し、パワースペクトルデータとして出力する
    パワースペクトル解析手段と、該パワースペクトル解析
    手段からのパワースペクトルデータから表面粗さ相当の
    パワースペクトル積分値および波長を算出する演算手段
    と、前記塗料の成分情報および塗装条件を入力する入力
    手段と、パワースペクトル解析値を使用した平滑化理論
    式を用いて、前記パワースペクトル積分値、波長、前記
    塗料成分情報および塗装条件から塗装膜厚を算出する塗
    装膜厚算出手段とを設けたことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の塗装処理装置。
  9. 【請求項9】 未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装し
    た直後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像する撮像手段で構
    成し、前記塗料の成分情報を含む塗装条件を入力する入
    力手段と、前記塗装条件および前記撮像手段で撮像した
    表面粗さ情報から表面粗さの平滑化理論を用いてウェッ
    ト塗装膜厚を算出するウェット塗装膜厚算出手段と、該
    ウェット塗装膜厚算出手段で算出したウェット塗装膜厚
    および前記塗装条件の塗着塗料固形分割合情報に基づい
    てドライ塗装膜厚を算出するドライ塗装膜厚算出手段と
    を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の塗装
    処理装置。
  10. 【請求項10】 未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装
    した直後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像する撮像手段で
    構成し、該撮像手段からの画像情報を画像処理する画像
    処理手段と、塗装条件を入力する入力手段と、前記画像
    処理手段で画像処理された画像情報および前記塗装条件
    に基づいてウェット塗装面の鮮映性を算出するウェット
    鮮映性算出手段と、前記ウェット塗装面の鮮映性からド
    ライ塗装面の鮮映性を推定するドライ鮮映性推定手段
    と、前記塗装条件および前記撮像手段で撮像した表面粗
    さ情報から表面粗さの平滑化理論を用いてウェット塗装
    膜厚を算出するウェット塗装膜厚算出手段と、該ウェッ
    ト塗装膜厚算出手段で算出したウェット塗装膜厚および
    前記塗装条件の塗着塗料固形分割合情報に基づいてドラ
    イ塗装膜厚を算出するドライ塗装膜厚算出手段と、前記
    ウェット塗装面およびドライ塗装面の鮮映性および前記
    ウェット塗装膜厚およびドライ塗装膜厚に基づいて塗装
    性を判断して、最適塗膜厚を算出し、該最適塗膜厚に対
    する前記ドライ塗装膜厚の偏差を算出する塗装性判断手
    段と、前記最適塗膜厚に対するドライ塗装膜厚の偏差に
    基づいて前記塗装条件を制御する制御手段とを設けたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の塗装処理装置。
  11. 【請求項11】 未乾燥塗装面検出手段は、塗料を塗装
    した直後の未乾燥塗装表面の粗さを撮像する撮像手段で
    構成し、該撮像手段からの画像情報を画像処理する画像
    処理手段と、塗装条件を入力する入力手段と、前記画像
    処理手段で画像処理された画像情報に基づいてウェット
    塗装面の鮮映性を算出するウェット鮮映性算出手段と、
    前記ウェット塗装面の鮮映性および前記塗装条件からド
    ライ塗装面の鮮映性を推定するドライ鮮映性推定手段と
    を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の塗装
    処理装置。
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