JPH079502B2 - グレ−テイングレンズ光学系 - Google Patents

グレ−テイングレンズ光学系

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JPH079502B2
JPH079502B2 JP61301716A JP30171686A JPH079502B2 JP H079502 B2 JPH079502 B2 JP H079502B2 JP 61301716 A JP61301716 A JP 61301716A JP 30171686 A JP30171686 A JP 30171686A JP H079502 B2 JPH079502 B2 JP H079502B2
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【発明の詳細な説明】 〔概要〕 本発明は、コヒーレント光源から発せられた光を第1,第
2のインライン型グレーティングレンズを用いて1点に
集束させるグレーティングレンズ光学系であって、上記
第1,第2のインライン型グレーティングレンズに所定の
周波数分布を持たせて、両レンズ間の透明体内部で光軸
に関して対称な2光線を交差させ、その後に1点に集束
させるようにしたことにより、入射光の波長変動に対し
ても、収差のない良好なビームスポットと、ずれのない
安定した焦点位置とを得ることができるようにし、従っ
てグレーティングレンズの幅広い実用化を可能にしたも
のである。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、グレーティングレンズを組み合わせて集束機
能を持たせたグレーティングレンズ光学系に関する。
昨今、コヒーレント光源からの光を1点に集束させる機
能を必要とする光学系、例えば光ディスク装置の光ピッ
クアップ等においては、(i)装置の小型化、(ii)ア
クセス時間の短縮化、(iii)低価格化等を実現するた
めに、従来の光学素子と比較して薄型、軽量、小型であ
って、しかも量産性に富んでいるグレーティングレンズ
の使用が検討されている。
〔従来技術〕
従来のインライン型グレーティングレンズを第12図に示
す。このレンズは、同図(a)に示すように、例えばあ
る特定の波長λの平行光束のみを1点に集束させる機
能を有している。そのため、上記λよりも長い波長λ
(>λ)の光に対しては、同図(b)に示すように収
差が発生し、良好な集束性能が得られなくなるとともに
焦点位置が光軸方向に変化する。また、λよりも短か
い波長に対しても、同様に収差が発生し、焦点位置変動
が起こる。
このような現象は、光を回折により曲げるレンズにおい
て共通で、例えば第13図に示す体積型ホログラムレンズ
(同図(a))、表面レリーフ型グレーティングレンズ
(同図(b))、ブレーズ化グレーティングレンズ(同
図(c))のいずれにおいてもあてはまる。また、第14
図に示すようなオフアクシス型のグレーティングレンズ
の場合は、同図(a)に示すように波長がλのときに
無収差であって、も波長が変化すると同図(b)に示す
ように、収差が発生するばかりでなく、焦点位置が光軸
からずれてしまう。
このようにグレーティングレンズは、薄型、軽量、小型
である等の利点を有する反面、使用波長が所定の値(λ
)からずれると収差が発生して集束性能が劣化すると
ともに、焦点位置もずれてしまうという性質を持ってい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
光ディスク装置の光ピックアップにおいては、コヒーレ
ント光源として半導体レーザを用いている。半導体レー
ザには、一般に単一モードレーザと多モードレーザとが
あり、その発振波長の様子をそれぞれ第15図(a),
(b)に示した。従来の一般的な光ピックアップでは、
通常の光学レンズを用いているため、レーザ光の波長変
化によっては光ディスクに対する読取り、書込み等に影
響するようなビームスポット変化は生じない。よって、
上記単一モードレーザと多モードレーザのいずれも使用
可能である。これに対して、光ピックアップにグレーテ
ィングレンズを用いようとした場合は、上述したように
波長変動による影響が大きいので、単一モードの半導体
レーザしか使用できない。
ところが、単一モードの半導体レーザであっても、その
発振波長が温度に応じて変化するという特性を持ってい
る。第16図に、単一モード半導体レーザにおける発振波
長と周囲温度との関係(ただし、レーザ出力は一定条件
下)を示す。同図に明らかなように、(a)波長が温度
変化とともに徐々に連続して変化する、(b)ある温度
T1で不連続的に波長が変化する(いわゆるモードホッ
プ)、(c)ある温度T2においては2つ以上の波長が存
在する、といった現象が存在する。
従って、例えばグレーティングレンズを用いた光ピック
アップにおいては、たとえ単一モードの半導体レーザを
光源として使用した場合であっても、その温度が変化し
た時には、上記の現象により波長も変化するため、グレ
ーティングレンズによる集光スポット品質が劣化し、し
かも焦点位置が変化してしまう場合も生じる。これらの
ことは、光ディスク媒体上におけるスポットのビーム径
拡大、トラックずれの発生、フォーカスずれの発生等に
つながる。特に、第16図に示したモードホップによって
波長が変化した場合は、その変化が不連続的であるた
め、現状のサーボ機構では全く追従できないという問題
がある。
そのため、外部に温度調整機能を設けて半導体レーザの
温度を適切値に維持しようとする試みもあるが、光ディ
スクに対する書込み時と読取り時とでは半導体レーザの
駆動電流が異なるので、ジャンクション部の温度が急激
に変化してしまい、よって外部の温度調整機構では精度
よく制御することはできない。
本発明は、上記問題点に鑑み、入射光の波長変動に対し
ても、収差の生じない良好なビームスポットと、所定点
からずれることのない安定した焦点位置とを得ることが
出来、従って光ディスク装置の光ピックアップを初めと
する各種分野への応用を可能にするグレーティングレン
ズ光学系を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のグレーティングレンズ光学系は、コヒーレント
光源からの光が入射するインライン型の第1のグレーテ
ィングレンズと、これを透過した回折光を光軸上の所定
の1点に集束させるインライン型の第2のグレーティン
グレンズとを、相対する平行な2面を有する透明体の上
記2面上に形成したものであって、第1,第2のグレーテ
ィングレンズはいずれも光軸に関して回転対称な所定の
空間周波数分布を有し、第1のグレーティングレンズが
光軸に関して対称な任意の2点からの回折光を上記透明
体内の光軸上で交差させると共に、光軸から離れた位置
への入射光ほど第2のグレーティングレンズの光軸に近
い位置へ入射させるべく回折させ、その回折光を第2の
グレーティングレンズが上述した所定の1点に集束させ
るようにしたものである。なお、ここで“光軸”とは、
“レンズの中心を通り、レンズの入射面に対して垂直な
軸”のことである。
〔作用〕
上記構成において、第1のグレーティングレンズの任意
の1点に同一方向から入射した、互いに異なる波長λ0,
λ(λ<λ)の2つの光の進路を考えてみる。まず、
第1のグレーティングレンズによって、波長λの光は波
長λの光よりも大きな角度で回折されるとともに、こ
れらの回折光はいずれも透明体内で光軸と交わった後
に、第2のグレーティングレンズ上に到達する。これら
の光の到達点の光軸からの距離は波長λの光の方が波長
λの光よりも遠い。次に、これらの光は上記第2のグ
レーティングレンズによって回折されるが、この時、波
長λの光が波長λの光よりも大きな角度で回折される
ので、2つの光の間隔は次第に狭まっていき、最終的に
は1点で交わる。よって、上記2つのグレーティングレ
ンズに所定の空間周波数分布を持たせておくことによ
り、上記2つの光の交わる点を上記光軸上の所定の1点
に置くことができる。
以上のことは第1のグレーティングレンズのどの点に入
射した光についても言うことが出来、しかも上記空間周
波数分布は光軸に関して回転対称としてあるので、入射
した光はその波長が変化したとしても、光軸上の上記所
定の1点に集束され、従って収差や焦点位置ずれを生じ
ることはなくなる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説
明する。
第1図は、本発明の第1の実施例を示す構成図である。
本実施例は、インライン型の第1,第2のグレーティング
レンズ1,2を同一光軸(一点鎖線)上に位置するよう
に、透明体(例えばガラス板等)3の互いに平行な2面
上に形成した構成であり、光軸上の半導体レーザLDから
の発散光を第1のグレーティングレンズ1で光軸側に回
折させ、透明体3内部の光軸と一旦交差させた後に、第
2のグレーティングレンズ2によって光軸上の所定の点
Pに集束させるようにしたものである。
上記第1のグレーティングレンズ1は、光軸に関して回
転対称の所定の空間周波数分布を有しており、光軸に関
して対称な任意の2点からの回折光が透明体3内部の光
軸上で交差するようにしてある。また、上記第2のグレ
ーティングレンズ2は、光軸に関して回転対称の所定の
空間周波数分布を有しており、上記交差した回折光が光
軸上の1点(点P)に集束するようにしてある。
次に、上記グレーティングレンズ1,2の空間周波数分布
の具体的な決定方法について、第2図を用いて以下
(i)〜(iv)で述べる。なお、半導体レーザLDとグレ
ーティングレンズ1との距離をl1、2つのグレーティン
グレンズ1,2間の距離をd、グレーティングレンズ2と
点Pとの距離をl2とする。
(i)まず、半導体レーザLDを発してグレーティングレ
ンズ1の最外周の点R1に達する、波長λの光線を考え
る。この光線は、点R1で回折され、透明体3を通過して
グレーティングレンズ2の中心の点r1(=0)に達し、
ここで更に回折されて点Pに達するものとする(第2図
中の実線a)。すると、上述した光路(LD→R1→r1
P)を仮定することにより、点R1,r1における空間周波
数F1,f1が決定される。
(ii)次に、上記光線の波長がλからλ(>λ)に
変った場合について考える。半導体レーザLDから点R1
と進んだ波長λの光線は、点R1において、波長がλ
ときよりも大きな角度で回折され、透明体3を介してグ
レーティングレンズ2上の点r2に達する(破線b)。こ
こで、波長がλであるときでも点Pに集束するという条
件から、点r2における空間周波数f2が決定される。
(iii)波長がλの場合に戻り、点r2で回折されて点
Pに達する波長λの光線がグレーティングレンズ1上
のどこの点から来るのかを逆に求める(実線c)。その
グレーティングレンズ1上の点をR2とすると、点R2での
回折光が半導体レーザLDに達するという条件から、点R2
における空間周波数F2が決定される。
(iv)再び波長がλになった場合を考え、上記(ii)と
同様にしてグレーティングレンズ2上の点r3(不図示)
とその空間周波数f3を求める。そして波長をλに戻
し、上記(iii)と同様にしてグレーティングレンズ1
上の点R3(不図示)とその空間周波数F3を求める。この
ようにして点Rn(n=1,2,3,・・・)がグレーティング
レンズ1の中心に達するまで上記(ii)及び(iii)の
過程を繰り返すことにより、グレーティングレンズ1,2
における半径方向の空間周波数分布が決定される。な
お、第2のグレーティングレンズ2の径は点rnの位置で
決定され、通常はl2≧l1のときは|rn|≧|R1|、l2<l1
ときは|rn|<|R1|となる。
以上のようにしてグレーティングレンズ1,2の空間周波
数分布を決定することにより、半導体レーザLDからの発
散光が、基準となる波長λとは異なる波長λであって
も、これを実用上無収差で点Pに集束させることが出来
る。更に、λ=830nmを固定し、λを種々の値に変え
て同じように空間周波数分布を計算すると、λ=λ±
20nmの場合においてもλ=830.3nmの場合とほぼ完全に
一致した空間周波数分布が得られることがわかった。こ
のことから、例えばλ=830nm及びλ=830.3nmの光に
対して空間周波数分布を決定すれば、λ=830±20nmの
光に対しても上記所定の一点に集束させることができる
ようになる。
次に、上述したようにして決定された空間周波数分布の
特徴を明確にするため、第3図に示すように、グレーテ
ィングレンズ1,2の回折機能を、それらの間側と外側と
に分割して考える。するとグレーティングレンズ1,2
は、光軸方向に進む平面波によって、それぞれ等価的に
2つのグレーティングレンズ1a,1b;2a,2bに分割するこ
とが出来る。それとともに、グレーティングレンズ1,2
の空間周波数をF,fとすれば、F,fがそれぞれFa,Fb;fa,f
bに分割され、F=Fa+Fb,f=fa+fbなる関係が成りた
つ。ここで、グレーティングレンズ1a,2aは、平面波を
1点に集束させるインライン型のグレーティングレンズ
であって、第12図に示した従来のものと同等である。こ
れに対しもう一方の側のグレーティングレンズ1b,2bで
はその空間周波数Fb,fbが、レンズ中心とレンズ外周と
の間の領域に極大値(MAX)を持つ特殊な分布を有して
いる。
これらのことから、グレーティングレンズ1,2の特徴は
第4図に示すような説明できる。すなわち、平面波を集
束させる一般的なインライン型グレーティングレンズ1
a,2aの空間周波数分布に、レンズ中心とレンズ外周との
間で極大値を持つ軸対称の空間周波数分布(グレーティ
ングレンズ1b,2bの空間周波数分布)を補償要素として
加え合わせたものが、それぞれグレーティングレンズ1,
2の空間周波数分布であると言える。
本実施例において、第2図に示した方法を用い、例えば
波長830nmと830.3nmの光に対して無収差となるようにグ
レーティングレンズ1,2の空間周波数分布を決定した場
合、実用上無収差とみなせる条件(収差のRMS値<0.07
λ、最大値<0.25λ)より、例えば830±20nm程度の波
長に対しても無収差を維持できることがわかった。しか
も、本実施例のグレーティングレンズ光学系では、焦点
位置ずれも無い。従って本実施例によれば、半導体レー
ザの温度変化に伴う連続的な波長変化、モードホップ、
更には多モードレーザ等に対しても、良好なビームスポ
ット及び安定な焦点位置を得ることができる。
まだ、2つのグレーティングレンズ1,2を透明体3の両
面に形成したので、光学系全体が一体化されており、よ
ってグレーティングレンズ1,2間の相対位置を固定する
ことができ、相互の位置ずれが発生することはない。更
に、グレーティングレンズ1,2間が空気である場合(特
願昭61-220870号)と比べ、グレーティングレンズ1,2の
空間周波数を平均的に高くすることができ、よってグレ
ーティングのブレーズ化を図らなくとも光使用効率を一
段と向上させることができる。それと共に、上述したよ
うに波長変動に対して補償し得る範囲(波長範囲)も、
一段と増大する。
更に本実施例は、上述したように第1,第2のグレーティ
ングレンズ1,2が透明体3を介して一体化されており、
しかも軸対称な構成であることから、これらグレーティ
ングレンズ光学系と半導体レーザLDとを容易に一体化す
ることができる。その一体化によって得られる半導体レ
ーザ光集束モジュールの一例を第5図に示す。同図にお
いては、円筒状の外枠部4内に、グレーティングレンズ
1,2の形成された透明体3を嵌め込み、これをリング状
のねじ部材15で固定する。そして、ヒートシンクを兼ね
た、雄ねじの切られたマウント部材6の回転中心に半導
体レーザLDを配置し、マウント部材6を回転させて半導
体レーザLDを光軸上の適当な位置に設定する。このよう
にして一体化された半導体レーザ光集束モジュールは、
寸法的には例えば6mmφ×10mm程度と非常にコンパクト
なものとなる。
次に、本実施例のグレーティングレンズ光学系を光ピッ
クアップの光学系に適用した一例を第6図(a)に示
す。同図では、透明体3の両面に形成された第1,第2の
グレーティングレンズ1,2の他に、部分透過鏡7、リン
グ状のミラー8及び第3のグレーティングレンズ9を備
えている。部分透過鏡7は、第1のグレーティングレン
ズ1と透明体3との間に形成されており、この透過率は
点Pにおいて必要な光強度あるいは半導体レーザLDへの
戻り光量の適正値を考慮して決定される。ミラー8は、
透明体3の内部であって、第1,第2のグレーティングレ
ンズ1,2間の所定位置に配置され、その中央にグレーテ
ィングレンズ1,2間の回折光を透過させ得る大きさの中
空部8aを有すると共に、部分透過鏡7側の面がリング状
の鏡面となっている。第3のグレーティングレンズ9
は、第1のグレーティングレンズ1の外周部であって透
明体3の同一面上に形成されており、光軸に関して回転
対称に光を集束させる空間周波数分布を有している。
上記構成において、半導体レーザLDからの発散光は、第
1図で示したと同様に、第1のグレーティングレンズ
1、透明体3及び第2のグレーティングレンズ2を介し
て、光ディスク媒体M上の点Pに集束される。点Pから
反射された信号光は往路を戻り、すなわち第2のグレー
ティングレンズ2を介しリング状のミラー8の中空部8a
を通過して第1のクレーティングレンジ1に向かうが、
この信号光の一部は部分透過鏡7によって反射される。
ここで反射された信号光は、光軸の外側へ拡がる発散波
となるが、リング状のミラー8によって再び反射され、
第1のグレーティングレンズ1の外周部に達する。この
領域には第3のグレーティングレンズ9が形成されてい
るので、ここに達した信号光は第3のグレーティングレ
ンズ9によって光軸対称に集束され、光検知器Dに入射
する。光検知器Dは半導体レーザLDを囲むリング状の受
光面を持ち、第3のグレーティングレンズ9からの集束
光を無駄無く検知できるようになっている。
このようにして、光ディスク媒体M上からの信号光は、
第2,第3のグレーティングレンズ2,9を介して光検知器
Dに導かれるが、この際、これら第2,第3のグレーティ
ングレンズ光学系においても上記第1,第2のグレーティ
ングレンズ光学系と同様にして波長変動が補償されるの
で、光検知器D上での信号光の収差や焦点位置ずれが抑
制される。
なお、上述した部分透過鏡7は、第1のグレーティング
レンズ1を透明体3に形成する前に、例えばAl蒸着時の
方法で作ることができる。リング状のミラー8は、例え
ば第6図(b)に示すように、透明体3を2つの透明体
3a,3bで構成し、これらが互いに接着されるようにして
おき、その接着前にいずれか一方の接着面にAl蒸着等を
施すことにより形成することができる。その際の接着剤
は、例えば紫外線硬化型光学接着剤のように、硬化後の
屈折率が透明体3の屈折率とほぼ等しくなるものが望ま
しい。
上述したように本実施例のグレーティングレンズ光学系
を光ピックアップに適用すれば、グレーティングレンズ
の利点(薄型、小型、軽量)を活かして光学系を容易に
一体化できる。第7図は、その一体化された光学系(こ
れをAとする)をアクチュエータBに搭載し、光ピック
アップを構成した場合の一例を示したものである。上記
アクチュエータBは、従来と同様に回転板Cに固定さ
れ、矢印方向にフォーカシング及びトラッキングが可能
である。また、光ディスクのアクセスは、アクチュエー
タBを不図示のVCM等で光ディスクの半径方向に動かす
ことによって行う。
このように本実施例を適用した光ピックアップでは、半
導体レーザLDの波長が変化しても、焦点のスポット品質
が劣化してビーム径が拡大することも、焦点位置が変動
することもないため、従来のサーボ方式で光ピックアッ
プ機能を実現することができる。更に、光学系全体を従
来の対物レンズと同程度の大きさにまとめることができ
るため、軽量かつ小型で、しかも低価格な光ピックアッ
プとなる。
第8図は、本発明の第2の実施例を示す構成図である。
第1図に示した第1の実施例では入射光を発散光とした
が、本実施例は入射光をコヒーレントな平行光(例え
ば、半導体レーザLDからの発散光を平行光に変換した
光)としたものである。すなわち本実施例は、上記平行
光を第1のグレーディングレンズ11で光軸側に回折さ
せ、透明体3内部の光軸と一旦交差させた後に、第2の
グレーティングレンズ12によって光軸上の所定の点Pに
集束させるようにしたものである。
上記の機能を有するグレーティングレンズ11,12の具体
的な空間周波数分布は、第2図の方法において半導体レ
ーザLDを光軸上の無限遠点に置くことにより、同様にし
て決定することができる。このようにして得られたグレ
ーティングレンズ11,12によれば、入射する平行光の波
長が基準となる波長λからずれても、第1の実施例と
同様に上記平行光を実用上無収差で点Pに集束させるこ
とができる。
なお、グレーティングレンズ11,12の空間周波数分布
は、レンズ中心から外周に向かってなめらかに増加する
分布となる。更に、第2のグレーティングレンズ12は、
第9図に示すように光軸方向に進む平面波によって等価
的に2つのグレーティングレンズ12a,12bに分割するこ
とができる。その一方のグレーティングレンズ12aは、
平面波を1点に集束させるインライン型グレーティング
レンズであって、第12図に示した従来のものと同等であ
る。これに対しもう一方のグレーティングレンズ12bの
空間周波数分布は、第1のグレーティングレンズ11の空
間周波数帯域と等しい帯域を有し、レンズ中心から外周
に向かってなめらかに減少する特殊な分布である。
本実施例においても、第1の実施例と同様に、半導体レ
ーザの波長変動に対応でき、良好なビームスポット及び
安定な焦点位置を得ることができると共に、グレーティ
ングのブレーズ化を図らなくとも光使用効率を一段と向
上させることができる。更にまた、本実施のグレーティ
ングレンズ光学系を一体化して光ピックアップの光学系
に用いることも容易であり、このような光ピックアップ
は軽量かつ小型で、しかも低価格なものとなる。
なお、上述した第1の実施例においては、第1,第2のグ
レーティングレンズ1,2の代わりに、第3図のように分
割された全部で4個のグレーティングレンズ1a,1b,2a,2
bを実際に用いてもよく、これと同様に第2の実施例に
おいても、第2のグレーティングレンズ12の代わりに2
個のグレーティングレンズ12a,12b(第9図)を用いて
もよい。
本発明に係るグレーティングレンズの作成方法として
は、電子ビーム描画法によるものが最も確実であり、空
間周波数の計算値をデータとして入力すれば、所望のグ
レーティングレンズが作成出来る。また、所望の波面を
光学素子で作り出すことにより、ホログラフィックに作
成することも可能である。更には、スタンパ等により機
械的に簡単に複製することもできる。
また、本発明では、上記各実施例のように第1,第2のグ
レーティングレンズ1,2もしくは11,12はたった1対であ
る必要はなく、1次元もしくは2次元的に複数対配列さ
れていてもよい。その一例を第10図に示す。これは、第
1図に示した第1の実施例に係るグレーティングレンズ
光学系をアレイ状に複数対配列したものである。
従来のレンズアレイとしては、第17図に示すようにロッ
ドレンズを束にしたロッドレンズアレイや、第18図に示
すように基板に球状の屈折率分布を持たせてレンズとし
た屈折率分布型レンズアレイが知られている。しかし、
ロッドレンズアレイでは、ロッドの長さが約8mmと長
く、かつコストが高いという問題があり、また屈折率分
布型レンズアレイでは、薄くはなるが開口数(NA)が0.
3程度しかとれず、しかも収差が生じるという問題があ
った。これに対し第10図に示したグレーティングレンズ
アレイでは、まずレンズ直径を小さくできるために密度
を上げることができ、よって解像度を向上させることが
できる。しかも、開口数(NA)を0.5以上と大きくとれ
るので、ビームを非常に小さく絞れる。更に、前述した
ように波長による色収差が少ない(±20nm程度まで可
能)ため、半導体レーザだけではなくLED(波長半値幅2
0〜40nm)を光源として用いることもできる。
第10図のグレーティングレンズアレイを、例えばファク
シミリやプリンタ等に使用されるLEDアレイ用レンズア
レイに適用した一例を第11図に示す。これは、千鳥状に
アレイ化された個々のグレーティングレンズ光学系に対
応する位置に、それぞれLED(波長半値幅30nm程度のも
の)を配置して一体化したものである。このような構成
においては、例えばレンズピッチp=170μm、実効ピ
ッチq=85μmと小さくできる。レンズ列を増やせば、
実効ピッチqを更に小さくできる。また、LEDと第1の
グレーティングレンズ1との距離l1を200μm、第1,第
2のグレーティングレンズ1,2間の距離dを400μmと
し、第2のグレーティングレンズ2と結像対象(例えば
静電ドラム)面Rとの距離l2を解像度により適宜さだめ
ることができる(例えば数μmのビーム径の場合はl2
200μm、数10μmのビーム径の場合はl2≒2000μ
m)。
なお、このようなレンズアレイは、プラスチック基体を
用いて形状複製により作成することができる。具体的に
は、上述したような寸法に基づき電子ビームにより第1,
第2のグレーティングレンズに係るグレーティングパタ
ーンを描画し、この描画したレジストパターンから通常
の方法でNiスタンパを作成し、プラスチック基体に対し
てインジェクションを施すことにより、グレーティング
レンズアレイを複製する。
このようにして得られたレンズアレイは、開口数(NA)
を大きくとるためにLED光の集光効率が良く、またビー
ム径を小さくできるために高解像印字が可能になる。
〔発明の効果〕
本発明のグレーティングレンズ光学系によれば、入射光
の波長変動に対しても、収差の生じない良好なビームス
ポットと、所定の1点からずれることのない安定した焦
点位置とを得ることができ、従って光ピックアップやLE
Dアレイ用レンズアレイを初めとする各種分野への実用
化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例を示す構成図、 第2図は同実施例に係る第1,第2のグレーティングレン
ズ1,2の空間周波数の決定方法を示す図、 第3図は上記第1,第2のグレーティングレンズ1,2の空
間周波数分布特性の説明図、 第4図は上記第1,第2のグレーティングレンズ1,2の空
間周波数分布の特徴を示す図、 第5図は上記実施例のグレーティングレンズ光学系と半
導体レーザとを一体化してなる半導体レーザ光集束モジ
ュールの一例を示し、同図(a)は断面図、同図(b)
は外観斜視図、 第6図(a)は上記実施例のグレーティングレンズ光学
系を光ピックアップの光学系に適用した一例を示す構成
図、 第6図(b)は同図(a)に示したミラー8の埋込み方
法の一例を示す図、 第7図は上記実施例のグレーティングレンズ光学系を用
いて構成した光ピックアップの一例を示す斜視図、 第8図は本発明の第2の実施例を示す構成図、 第9図は同実施例に係る第1,第2のグレーティングレン
ズ11,12の空間周波数分布特性の説明図、 第10図は上記第1の実施例をアレイ状に配列したグレー
ティングレンズアレイの一例を示し、同図(a)は平面
図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、 第11図は上記グレーティングレンズアレイを適用したLE
Dアレイ用レンズアレイの一例を示し、同図(a)は平
面図、同図(b)は同図(a)のB−B断面図、同図
(c)は同図(a)のC−C断面図、 第12図(a)及び(b)は従来のインライン型グレーテ
ィングレンズの機能及びその欠点を示す図、 第13図(a)〜(c)は従来の各種のグレーティングレ
ンズを示す概略構成図、 第14図(a)及び(b)は従来のオフアクシス型グレー
ティングレンズの機能及びその欠点を示す図、 第15図(a),(b)はそれぞれ単一モード半導体レー
ザと多モード半導体レーザの発振波長の様子を示す図、 第16図は単一モード半導体レーザにおける発振波長の温
度依存性を示す図、 第17図は従来のロッドレンズアレイを示す斜視図、 第18図は従来の屈折率分布型レンズアレイを示す斜視図
である。 1,11……第1のグレーティングレンズ、 2,12……第2のグレーティングレンズ、 3……透明体.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 弘之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 稲垣 雄史 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−160166(JP,A) 特開 昭59−192207(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コヒーレントな平面波光が入射するインラ
    イン型の第1のグレーティングレンズ(1,11)と、 該第1のグレーティングレンズを透過した回折光を光軸
    上の所定の1点に集束させるインライン型の第2のグレ
    ーティングレンズ(2,12)とを、 相対する平行な2面を有する透明体(3)の該2面に形
    成したグレーティングレンズ光学系であって、 前記第1のグレーティングレンズは、前記光軸に関して
    回転対称の所定の空間周波数分布を有し、前記光軸に関
    して対称な任意の2点からの回折光を前記透明体内の前
    記光軸上に交差させると共に、前記光軸から離れた位置
    への入射光ほど前記第2のグレーティングレンズの前記
    光軸に近い位置へ入射させるべく回折させることと、 前記第2のグレーティングレンズは、前記光軸に関して
    回転対称の所定の空間周波数分布を有し、前記第1のグ
    レーティングレンズによる回折光を前記所定の1点に集
    束させることとを特徴とするグレーティングレンズ光学
    系。
  2. 【請求項2】前記第1のグレーティングレンズ(1)に
    入射する光は発散光であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のグレーティングレンズ光学系。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2のグレーティングレンズ
    (1,2)の空間周波数分布は、平面波を集束させるイン
    ライン型グレーティングレンズの空間周波数分布に、レ
    ンズ中心とレンズ外周との間で極大値を持つ軸対称の空
    間周波数分布を加え合わせた分布であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第2項記載のグレーティングレンズ光
    学系。
  4. 【請求項4】前記第1のグレーティングレンズ(11)に
    入射する光は平行光であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のグレーティングレンズ光学系。
  5. 【請求項5】前記第1及び第2のグレーティングレンズ
    (11,12)の空間周波数分布は、レンズ中心から外周に
    向ってなめらかに増加する分布であることを特徴とする
    特許請求の範囲第4項記載のグレーティングレンズ光学
    系。
  6. 【請求項6】前記第2のグレーティングレンズ(12)の
    空間周波数分布は、平面波を集束させるインライン型グ
    レーティングレンズの空間周波数分布に、レンズ中心か
    ら外周に向ってなめらかに減少する空間周波数分布を加
    え合わせた分布であることを特徴とする特許請求の範囲
    第5項記載のグレーティングレンズ光学系。
  7. 【請求項7】前記なめらかに減少する空間周波数分布の
    帯域が前記第1のグレーティングレンズ(11)の空間周
    波数分布の帯域に等しいことを特徴とする特許請求の範
    囲第6項記載のグレーティングレンズ光学系。
  8. 【請求項8】前記第1,第2のグレーティングレンズはア
    レイ状に複数対配列されることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項乃至第7項のいずれか1つに記載のグレーテ
    ィングレンズ光学系。
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