JPH079474A - 成形装置および成形方法 - Google Patents

成形装置および成形方法

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JPH079474A
JPH079474A JP15586893A JP15586893A JPH079474A JP H079474 A JPH079474 A JP H079474A JP 15586893 A JP15586893 A JP 15586893A JP 15586893 A JP15586893 A JP 15586893A JP H079474 A JPH079474 A JP H079474A
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Mitsuru Kayukawa
満 粥川
Hiroyuki Yoshida
浩之 吉田
Kenichi Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形にかける樹脂材料から発生する腐食性ガ
ス成分や堆積性ガス成分の悪影響を簡単に回避すること
のできる成形装置ないし成形方法を提供する。 【構成】 この発明では、金型内に樹脂材料を供給して
樹脂成形を行うにあたり、前記金型内で樹脂材料より発
生する腐食性ガス成分または堆積性ガス成分の発生量を
ガス検出部により測定し、この測定結果に基づいて前記
樹脂成形の際の成形条件の調整を行うという構成をとっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金型内に樹脂材料を
供給して樹脂成形を行う成形装置および成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金型内(金型のキャビィティ)に
樹脂材料を供給・充填して成形し樹脂成形品を製造する
ということが盛んに行われている。ただ、金型内に供給
充填した樹脂材料からは材料の種類に応じて様々な腐食
性ガス成分が発生する。金型内に発生した腐食性ガス成
分が滞留したままだと、金型の内壁面が腐食して、得ら
れる樹脂成形品の表面に腐食の影響が現れて不良品とな
るなどの問題を招来する。
【0003】そこで、金型にガス成分排出用の孔を設け
て発生した腐食性ガス成分を吸引・排出し、金型内に腐
食性ガス成分が滞留することを防止することが提案され
ている(特開昭61−244518号公報および特開昭
63−82714号公報参照)。しかしながら、腐食性
ガス成分を金型のガス成分排出用の孔より吸引・排出す
る方法の場合、高性能の真空ポンプや腐食性ガス成分を
溜めておく真空タンクを準備しておく必要があり、成形
は大がかりで高コストのものとなり、製造される樹脂成
形品の単価がアップしてしまうし、腐食性ガス成分の発
生量が多い場合には腐食性ガス成分の排出を十分に行え
ない恐れもある。
【0004】また、樹脂材料からは上記のような腐食性
ガスの他に、金型の内壁面に堆積物を生成する堆積性ガ
ス成分が腐食性ガス成分と一緒に又は単独で発生するこ
ともある。金型の内壁面に堆積物が一定以上の量積もる
と、金型の内壁面が損なわれた状態となり、やはり、得
られる樹脂成形品の表面が損なわれ不良品となるなどの
問題を招来する。
【0005】勿論、腐食性ガス成分の場合と同様、堆積
性ガス成分を金型のガス成分排出用の孔より吸引・排出
することも可能ではあるが、やはり、高性能の真空ポン
プや堆積性ガス成分を溜めておく真空タンクを準備して
おく必要があり、成形は大がかりで高コストのものとな
り、結果的に得られる樹脂成形品の単価がアップしてし
まう。堆積性ガス成分の発生量が多い場合には堆積性ガ
ス成分の排出を十分に行えない恐れもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記事情
に鑑み、成形にかける樹脂材料から発生する腐食性ガス
成分や堆積性ガス成分の悪影響を簡単に回避することの
できる成形装置ないし成形方法を提供することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明では、金型内に樹脂材料を供給して樹脂成
形を行うにあたり、前記金型内で樹脂材料より発生する
腐食性ガス成分または堆積性ガス成分の発生量をガス検
出部により測定し、この測定結果に基づいて前記樹脂成
形の際の成形条件の調整を行うという構成をとってい
る。
【0008】また、堆積性ガス成分の悪影響を簡単に回
避させるため、この発明では、金型内に樹脂材料を供給
して樹脂成形を行うにあたって、前記金型としてガス成
分排出用の孔と昇温機能とを有する金型を用い、樹脂材
料が未供給の状態で前記昇温機能により昇温させること
により前記金型内の堆積物を気化させたのち前記排出用
の孔より排出させておいてから、前記樹脂材料を供給す
る構成をとるようにしている。
【0009】以下、この発明の成形装置および成形方法
を具体的に説明する。図1は、この発明の成形装置ない
し成形方法により樹脂成形品を製造する時の工程のフロ
ー(流れ)をあらわす説明図である。樹脂成形品の製造
工程では、成形装置を使い、成形条件に従って、予備乾
燥した樹脂材料を金型に注入充填し成形したのち金型よ
り取り出すようにする。成形の場合、図2にみるよう
に、制御部10で成形条件を調整し、これに従ってシリ
ンダー等の供給部11から溶融した樹脂材料を金型12
に注入する。金型12は、通常、図3にみるように、固
定型12aと二つの可動型12b1,12b2とからな
り、固定型12aと可動型12b1,12b2とを組み
合わせた状態で成形品の形に対応した形状のキャビティ
12cが作られ、注入口12dから樹脂材料が注入され
るのである。成形がすむと可動型の方を移動させて樹脂
成形品を取り出す。
【0010】成形条件としては、金型12の温度、供給
部11のシリンダー温度、樹脂材料の射出速度、場合に
よっては樹脂材料の射出圧などが挙げられるが、これら
に限らないことは言うまでもない。この発明の場合に
は、ガス検出部13により、金型内、つまりキャビティ
12c内で樹脂材料より発生する腐食性ガス成分または
堆積性ガス成分の発生量を測定する。腐食性ガス成分や
堆積性ガス成分について、各ガス成分の量を測定する
(定量分析する)のである。そして、この発明では、こ
の定量分析結果に基づいて成形条件を調整する点が特徴
となっているのである。
【0011】普通、腐食性ガス成分や堆積性ガス成分の
発生量を基準値と比較する。比較した結果、発生量が適
当な範囲内(発生量の基準値が実質的に0の場合もあ
る)であれば、設定条件をそのまま変更せずにおく。比
較した結果、発生量が多過ぎる場合、金型12の温度、
供給部11のシリンダー温度、樹脂材料の射出圧、樹脂
材料の射出速度などの少なくとも一つを下げる。腐食性
ガス成分や堆積性ガス成分の発生量は理屈の上では少な
いほどよいのであるが、これらのガス成分の発生は不可
避的である場合もあり、この場合、余り少なすぎると成
形条件が不適ということにもなるため、発生量が少な過
ぎる場合は、金型12の温度,供給部11のシリンダー
温度,樹脂材料の射出圧,樹脂材料の射出速度の少なく
とも一つを上げるようにする。勿論、樹脂材料の種類に
よっては、例えば、発生量が多過ぎる場合、樹脂材料の
射出圧や樹脂材料の射出速度を下げるのではなく上げる
ように設定変更がなされることもあり得る。
【0012】腐食性ガス成分や堆積性ガス成分は、樹脂
材料中の樹脂成分や添加剤などより生ずるものである
が、その種類には、無機物、無機酸および有機酸が挙げ
られる。ガス検出部の検出方式は、測定対象のガス成分
に応じて適当なものを選定する。腐食性ガス成分や堆積
性ガス成分の種類とガス検出部の検出方式の具体的な組
み合わせ例を以下に示す。なお、ガス検出部では、ガス
成分を気体のままで測定する方式(気体検知式)の他、
腐食性ガス成分または堆積性ガス成分を液体に予め溶解
せしめてガス成分の発生量を測定する方式(液体検知
式)をとるものもある。
【0013】−腐食性ガス成分の場合− 検出成分: ハロゲン,水素化ハロゲン 発生原因物質: 塩化ビニール,フッ素樹脂,臭素系難
燃剤,塩素系難燃剤 ガス検出部: 隔膜電極(気体検知式),イオン電極
(液体検知式),イオンクロマトグラフ(液体検知式) 検出成分: イオウ化合物,硫酸 発生原因物質: ポリフェニレンオキサイド,イオウ系
酸化防止剤 ガス検出部: 質量分析(気体検知式),イオン電極
(液体検知式) 検出成分: チッ素化合物,硝酸 発生原因物質: 光線安定剤,酸化防止剤 ガス検出部: 化学発光(気体検知式),質量分析(気
体検知式),イオン電極(液体検知式) 検出成分: ギ酸 発生原因物質: ポリアセタール ガス検出部: イオンクロマトグラフ(液体検知式) −堆積性ガス成分の場合− 検出成分: ホルマリン 発生原因物質: ポリアセタール ガス検出部: 半導体センサー(気体検知式),質量分
析(気体検知式) 酸類に関して、水に溶解した場合、pHや導電率が変化
するため、これを巧く利用してガス成分発生量を簡単に
知るということも出来る。
【0014】金型12のキャビティ12cで発生した腐
食性ガス成分や堆積性ガス成分は、金型12のガス成分
排出用の孔16から通路22を通ってガス検出部13へ
入る。このガス成分排出用の孔16は、図3にみるよう
に、キャビティ12cの充填末端側の位置にあることが
好ましい。注入口12dと反対の側にガス成分排出用の
孔16があるのが好ましいのである。このガス成分排出
用の孔16はベント兼用であることが望ましい。
【0015】液体検知式のガス検出部の場合、つまり、
ガス成分の発生量を腐食性ガス成分または堆積性ガス成
分を液体に予め溶解せしめてから測定する方式の場合、
図4にみるように、通路22の絞り形状の先端22aを
液体21中に浸漬させ、液体21中へガス成分を導入・
溶解させ、検出プローブ23で測定するようにする。液
体21中に超音波振動子24を配設しておいてガス成分
の溶解を促進することは正確かつ迅速な測定を行う上で
有効である。図3の場合、可動型12b1と可動型12
b2の間に樹脂流入が不可能な狭いクリアランスを設
け、これをガス成分排出用の孔16としている。
【0016】金型12とガス検出部13の間の通路22
には、図5にみるように、加熱手段27を設けておいて
通路22の内面を加熱するようにしておくのがよい。加
熱手段27により通路22を加熱することにより、腐食
性ガス成分や堆積性ガス成分が付着したり再重合し堆積
したりすることを防ぐことが出来るからである。加熱手
段27の設定温度は、供給部11のシリンダーノズル温
度に準ずる温度範囲が適当である。通路22の加熱範囲
は、キャビティ12cの直後からガス検出部13の直前
までの間が好ましい。加熱手段27にはバンドヒータと
温度センサを組み合わせたものが使用できる。
【0017】また、金型12とガス検出部13の間の通
路の少なくとも内面をガス成分を吸着し難い材料で形成
することも、腐食性ガス成分や堆積性ガス成分が付着し
たり再重合し堆積したりすることを防ぐ上で有効であ
る。具体的には、例えば、通路22のうち金型12とガ
ス検出部13を接続する管路はテフロンチューブで構成
し、金型12内の通路にはニッケルフッ素複合メッキを
施した構成が例示される。
【0018】金型12とガス検出部13の通路には、図
6にみるように、開閉弁29を設けておくことが好まし
い。金型12の開時は開閉弁29を閉じてガス検出部1
3への空気の侵入を防ぎ、金型12の閉時は開閉弁29
を開いてガス検出部13へガス成分を導入するようにす
る。非測定時の空気の侵入は、ガス検出部を汚染するな
どの不都合を招くからである。なお、開閉弁29は、普
通、金型12とガス検出部13の間を接続する管路に設
けるのが設置が容易なのであるが、金型12内の通路に
開閉弁を設ける(ビルトイン)ようにしてもよい。開閉
弁29の開閉タイミングは図7に示す通りである。
【0019】普通、測定対象の腐食性ガス成分や堆積性
ガス成分は複数成分ある。ひとつのガス検出部のみで種
類の異なる複数のガス成分を精度よく検出することは難
しい。そのため、ガス検出部を複数個設けて、各ガス検
出部が種類の異なるガス成分の発生量をそれぞれ測定す
るようにしておくことは正確な測定結果を得る上で有効
である。この時、図8にみるように、金型12よりのガ
ス通路22に対し各ガス検出部13を切り換え弁31を
介して選択的に接続させられるようにしておくと、各ガ
ス検出部13に十分なガス量を順に流せるため、測定結
果がより正確となるという利点がある。
【0020】また、金型12で生じた腐食性ガス成分ま
たは堆積性ガス成分は、ガス検出部を介して金型外ヘ強
制的に排出する構成も測定精度を向上させる上で有効で
ある。ガス検出部13の下流側から測定精度を低下させ
る空気の侵入が防止できるからである。排出口側に小さ
な排気ポンプを設置する程度で腐食性ガス成分や堆積性
ガス成分が排出口側に強制的に流れるようにしておけ
ば、空気の侵入を十分に防止できる。
【0021】この発明の場合、ガス検出部では堆積性ガ
ス成分の発生量を測定することが出来る。上の腐食性ガ
ス成分の場合と同様、堆積性ガス成分の発生量が過度に
ならないように成形条件の調整を行うことが可能となる
他、堆積性ガス成分による堆積物の堆積量を感知するこ
とも可能である。例えば、金型の一部又は全部を加熱す
る加熱機構を設置しておいて、堆積物の分解物(解重合
物)ガスを発生させて、これが基準量を越えていれば、
金型の内壁面の堆積物を除去する必要があることが分か
る。金型清掃の時期なのである。この場合、樹脂材料を
供給しない状態で金型を加熱させる空金型の予備加熱を
成形条件の調整項目として入れることになる。
【0022】金型内の一部を加熱する加熱機構として
は、例えば、図9にみるように、電気ヒータ41と温度
センサ42を金属中に埋め込み外側に断熱層43を設け
たものを作成し、電気ヒータ41と温度センサ42を金
型12の表面に向けて測定するときだけ金型12内に設
置すればよい。金型内の全部を加熱する加熱機構として
は、金型中に電気ヒータを埋め込んだものが例示され
る。
【0023】なお、堆積性ガス成分の悪影響を簡単に回
避するだけでよい場合には、上記の場合とは異なり、以
下のようにしてもよい。すなわち、金型としてガス成分
排出用の孔と昇温機能とを有する金型を用い、樹脂材料
が未供給の状態で前記昇温機能により昇温させることに
より前記金型内の堆積物を気化させたのち前記排出用の
孔より吸引・排出させておいてから、前記樹脂材料を供
給し樹脂成形を行うのである。金型内の堆積物の気化除
去は、その日の成形開始時又は成形終了時あるいは所定
ショット数毎に行う。金型の昇温機能は金型全体を昇温
させるものである必要はなく金型の一部だけを昇温させ
るものであってもよい。金型内の堆積物に対するメンテ
ナンスのフリー化またはメンテナンス頻度の低減が図れ
る。
【0024】
【作用】この発明では、金型内で樹脂材料より発生する
腐食性ガス成分または堆積性ガス成分の発生量をガス検
出部により測定し、この測定結果に基づいて前記樹脂成
形の際の成形条件の調整を行うため、腐食性ガス成分や
堆積性ガス成分の発生量を抑制することができる。高性
能の真空ポンプやガス成分を溜めておく真空タンクを準
備しなくても、腐食性ガス成分や堆積性ガス成分の発生
量を抑えられるのである。使用する樹脂材料より発生す
る腐食性ガス成分や堆積性ガス成分は、それほど複雑な
化合物ではないため、ガス成分の測定は容易であり、腐
食性ガス成分や堆積性ガス成分による不都合の回避は簡
単である。
【0025】また、樹脂材料が未供給の状態で前記昇温
機能により昇温させて金型内の堆積物を気化させたのち
排出用の孔より吸引・排出させておいてから、前記樹脂
材料を供給し樹脂成形を行う場合、金型内の堆積物が除
かれているため、堆積物による成形品の不良発生という
事態が回避できる。金型に排出用の孔き金型の加熱手段
を設ける程度であるから実施も簡単である。
【0026】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。この発
明は、下記の実施例に限らないことは言うまでもない。 −実施例1− 実施例1で用いる成形装置は、図2および図3に示す通
りである。樹脂材料は、熱可塑性塩化ビニル樹脂(信越
化学社製)をベース材料とする樹脂材料である。金型内
で発生するガス成分量を検討し、初期成形条件の決定と
制御条件としてガス発生/抑止作用の大きい条件を選定
した。
【0027】初期成形条件:金型温度25〜30℃、射
出速度80mm/秒、シリンダー温度、ノズル温度は図
10の通りである。ガス発生/抑止作用の大きい条件と
して選定したのは、シリンダー温度とノズル温度であ
る。腐食性ガス成分は塩素ガスであり、ガス検出部は隔
膜ガルバニ電極(バイオニクス機器社製)である。成形
条件の調整は、以下の通りである。
【0028】ガス検出部の塩素ガス量の測定結果が、0.
2〜0.4ppmの範囲であればシリンダー温度とノズ
ル温度の変更はしない。塩素ガス量の測定結果が0.4p
pmを越した場合、シリンダー温度とノズル温度を共
に5℃下げた。その状態で10分間同じ条件で成形し、
塩素ガス量の測定結果が0.4ppmを越すようであれ
ば、再びシリンダー温度とノズル温度を共に5℃下げ
るようにした。
【0029】図11に成形経過を示す。約150ショッ
ト目で塩素ガス量の測定結果が0.4ppmを越えたが、
シリンダー温度とノズル温度を共に5℃下げたので、
後は問題なかった。事実上、塩素ガスの発生量が0.4p
pm以下で成形を行うことが出来た。 −実施例2− 実施例2で用いる成形装置は、図2および図3に示す通
りである。ガス検出部は、図4に示す通りである。樹脂
材料は、臭素系難燃剤を添加した熱可塑性ポリブタジエ
ンテレフタレート(PBT)樹脂材料(東レ社製 11
14sw093)である。金型内で発生するガス成分量
を検討し、初期成形条件の決定と制御条件としてガス発
生/抑止作用の大きい条件を選定した。
【0030】初期成形条件:金型温度40℃、射出速度
30mm/秒、マニホルド温度270℃、シリンダー温
度、ノズル温度は図12の通りである。ガス発生/抑止
作用の大きい条件として選定したのは、マニホルド温度
である。腐食性ガス成分は臭素ガスであり、ガス検出部
はイオン電極(電気科学計器社製)である。臭素ガスを
水に溶解しイオン量を測る方法で測定した。
【0031】成形条件の調整は、以下の通りである。成
形数10ショット毎に発生ガスを60cm3 の純水に溶
解し、そのイオン濃度を臭素イオン量とする。臭素ガス
が検出された場合、マニホルド温度を5℃下げる。但
し、マニホルド温度の最低温度240℃は下回らないよ
うにする。図13に成形経過を示す。400ショット目
を越えた所で臭素ガスが検出されたが、マニホルド温度
を5℃下げたので、後は問題なかった。事実上、臭素ガ
スの発生のないもとで成形を行うことが出来た。
【0032】−実施例3− 実施例3で用いる成形装置は、図2および図3に示す通
りである。樹脂材料は、熱可塑性ポリアセタール樹脂材
料(デュポン社製 デルリン500)である。金型内で
発生するガス成分量を検討し、初期成形条件の決定と制
御条件としてガス発生/抑止作用の大きい条件を選定し
た。
【0033】初期成形条件:金型温度40℃、射出速度
50mm/秒、シリンダー温度、ノズル温度は図14の
通りである。ガス発生/抑止作用の大きい条件として選
定したのは、ノズル温度である。堆積性ガス成分はホル
マリンであり、ガス検出部は半導体センサー(白井松器
械社製)である。成形条件の調整は、以下の通りであ
る。
【0034】半導体センサーでホルマリン量を測定す
る。ホルマリンが検出された場合、ノズル温度を5℃下
げる。但し、ノズル温度は200℃は下回らないように
し、ノズル温度が200℃まで下がった場合、さらにホ
ルマリンが検出されるようであれば、シリンダー温度
を5℃下げるようにする。図15に成形経過を示す。3
00ショット目を越えた所でホルマリンが検出された
が、ノズル温度を5℃下げたので、後は問題なかった。
事実上、ホルマリンの発生のないもとで成形を行うこと
が出来た。したがって、金型内に堆積物が積もるという
不都合はない。
【0035】
【発明の効果】請求項1〜11の発明では、金型内で樹
脂材料より発生する腐食性ガス成分または堆積性ガス成
分の発生量の測定結果に基づいて樹脂成形条件の調整す
るため、高性能の真空ポンプやガス成分を溜めておく真
空タンクを準備しなくても、腐食性ガス成分や堆積性ガ
ス成分の発生量を抑制することができ、成形にかける樹
脂材料から発生する腐食性ガス成分や堆積性ガス成分の
悪影響を簡単に回避することができる。
【0036】無機物、無機酸および有機酸などの腐食性
ガス成分は、公知のガス検知方法で簡単に定量分析が可
能であるという利点がある。液体検知方式のガス検出部
は、気体検知方式では定量分析が困難な腐食性ガス成分
または堆積性ガス成分を容易に定量分析できるという利
点がある。ガス検出部により発生量を測定する堆積性ガ
ス成分が金型堆積物の分解物である場合、確実に金型堆
積物の原因である堆積性ガス成分を分析しているという
利点がある。
【0037】金型堆積物の分解物を金型の加熱により得
る場合、堆積性ガス成分である分解物を得ることが簡単
であるという利点がある。金型とガス検出部との間の通
路を加熱する加熱手段が設けられていれば、通路に腐食
性ガス成分や堆積性ガス成分が付着・堆積し難いという
利点がある。金型とガス検出部との間の通路の少なくと
も内面がガス成分を吸着し難い材料からなっていれば、
通路に腐食性ガス成分や堆積性ガス成分が付着・堆積し
難いという利点がある。
【0038】金型とガス検出部との通路に開閉弁が配設
されている場合、ガス検出部に不都合な空気が流入する
ことが回避できるという利点がある。ガス検出部が複数
個設けられていれば各ガス検出部の測定結果がより確か
なものとなるという利点がある。腐食性ガス成分または
堆積性ガス成分がガス検出部を介して金型外ヘ強制的に
排出されるようになっていれば、ガス検出部に不都合な
空気が流入することが回避できるという利点がある。
【0039】請求項12の発明の場合、樹脂材料が未供
給の状態で前記昇温機能により昇温させて金型内の堆積
物を気化させたのち排出用の孔より吸引・排出させてお
いてから、前記樹脂材料を供給し樹脂成形を行うため、
金型内の堆積物が除かれており、金型の堆積物による成
形品の不良発生という事態が簡単に回避できるから、非
常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明により樹脂成形品を製造する時の工程
の流れを示す説明図である。
【図2】この発明の成形装置の構成例を示すブロック図
である。
【図3】この発明の成形装置に用いる金型の構成例を示
す断面図である。
【図4】この発明で用いるガス検出部の構成例を示す説
明図である。
【図5】この発明の成形装置の他の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図6】この発明の成形装置の他の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図7】図6の成形装置の開閉弁の時間と弁開閉の関係
を示す説明図である。
【図8】この発明の成形装置の他の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図9】この発明で用いる加熱手段の構成例を示す斜視
図である。
【図10】実施例1でのシリンダー温度とノズル温度の初
期状態を示す説明図である。
【図11】実施例1での成形経過をあらわす説明図であ
る。
【図12】実施例2でのシリンダー温度とノズル温度の初
期状態を示す説明図である。
【図13】実施例2での成形経過をあらわす説明図であ
る。
【図14】実施例3でのシリンダー温度とノズル温度の初
期状態を示す説明図である。
【図15】実施例3での成形経過をあらわす説明図であ
る。
【符号の説明】
10 制御部 11 供給部 12 金型 13 ガス検出部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内に樹脂材料を供給して樹脂成形を
    行う成形装置において、前記樹脂成形の際の成形条件を
    調整するための制御部と、前記金型内で樹脂材料より発
    生する腐食性ガス成分または堆積性ガス成分の発生量を
    測定するガス検出部とを備え、前記制御部による成形条
    件の調整が前記ガス検出部による測定結果に基づいて行
    われるようになっていることを特徴とする成形装置。
  2. 【請求項2】 金型内に樹脂材料を供給して樹脂成形を
    行う成形方法において、前記金型内で樹脂材料より発生
    する腐食性ガス成分または堆積性ガス成分の発生量をガ
    ス検出部により測定し、この測定結果に基づいて前記樹
    脂成形の際の成形条件の調整を行うようにすることを特
    徴とする成形方法。
  3. 【請求項3】 腐食性ガス成分が、無機物、無機酸、お
    よび、有機酸のうちの少なくとも一つである請求項1記
    載の成形装置、または、請求項2記載の成形方法。
  4. 【請求項4】 ガス検出部が、腐食性ガス成分または堆
    積性ガス成分を液体に予め溶解せしめてからガス成分発
    生量を測定する方式のガス検出部である請求項1と3の
    いずれかに記載の成形装置、または、請求項2と3のい
    ずれかに記載の成形方法。
  5. 【請求項5】 ガス検出部により発生量を測定する堆積
    性ガス成分が金型堆積物の分解物である請求項1,3,
    4のいずれかに記載の成形装置、または、請求項2,
    3,4のいずれかに記載の成形方法。
  6. 【請求項6】 金型堆積物の分解物が金型の加熱により
    発生したものである請求項5記載の成形装置または成形
    方法。
  7. 【請求項7】 金型とガス検出部とが通路で接続されて
    いるとともに、前記通路を加熱する加熱手段が設けられ
    ている請求項1,3,4,5,6のいずれかに記載の成
    形装置、または、請求項2,3,4,5,6のいずれか
    に記載の成形方法。
  8. 【請求項8】 金型とガス検出部とが通路で接続されて
    いるとともに、この通路の少なくとも内面がガス成分を
    吸着し難い材料からなる請求項1,3,4,5,6,7
    のいずれかに記載の成形装置、または、請求項2,3,
    4,5,6,7のいずれかに記載の成形方法。
  9. 【請求項9】 金型とガス検出部とが通路で接続されて
    いるとともに、この通路に開閉弁が配設されている請求
    項1,3,4,5,6,7,8のいずれかに記載の成形
    装置、または、請求項2,3,4,5,6,7,8のい
    ずれかに記載の成形方法。
  10. 【請求項10】 ガス検出部が複数個設けられていて、各
    ガス検出部が種類の異なるガス成分の発生量を測定する
    請求項1,3,4,5,6,7,8,9のいずれかに記
    載の成形装置、または、請求項2,3,4,5,6,
    7,8,9のいずれかに記載の成形方法。
  11. 【請求項11】 腐食性ガス成分または堆積性ガス成分が
    ガス検出部を介して金型外ヘ強制的に排出されるように
    なっている請求項1,3,4,5,6,7,8,9,1
    0のいずれかに記載の成形装置、または、請求項2,
    3,4,5,6,7,8,9,10のいずれかに記載の
    成形方法。
  12. 【請求項12】 金型内に樹脂材料を供給して樹脂成形を
    行う成形方法において、前記金型としてガス成分排出用
    の孔と昇温機能とを有する金型を用い、樹脂材料が未供
    給の状態で前記昇温機能により昇温させることにより前
    記金型内の堆積物を気化させたのち前記排出用の孔より
    排出させておいてから、前記樹脂材料を供給するように
    する成形方法。
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