JPH0794389B2 - 異化機能障害の治療方法 - Google Patents

異化機能障害の治療方法

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JPH0794389B2
JPH0794389B2 JP61504867A JP50486786A JPH0794389B2 JP H0794389 B2 JPH0794389 B2 JP H0794389B2 JP 61504867 A JP61504867 A JP 61504867A JP 50486786 A JP50486786 A JP 50486786A JP H0794389 B2 JPH0794389 B2 JP H0794389B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ザ・ナショナル・インスティチュート・ヘル
ス(トローマ・センター認可番号GM29327−05)および
ザ・ユナイテッド・ステーツ・デパートメント・オブ・
ジ・アーミイ(契約番号DAMD−17−81−C−1201)から
の研究認可による基金を受けて行なわれたものであり、
この発明のある権利をアメリカ合衆国政府に提供するも
のである。
関連出願との関係 本件は1985年9月12日付出願の出願番号第775214号の一
部継続出願である。
発明の背景 発明の分野 本発明は、異化機能障害を有する動物における組織損傷
を治療または予防する方法に関する。
先行技術の開示 異化機能障害とは、解剖学的構造の崩解を生じるような
生理的状態である。このような状態に罹る解剖学的構造
は骨格筋および腸内層である。そのような異化作用はし
ばしば外科手術、敗血症、火傷、癌治療、放射線治療/
傷害、副腎皮質ステロイド治療に伴って生じ、またしば
しば不適当な飼料摂取をもたらす。このような異化機能
傷害は、死亡および廃疾の主原因であり、グルタミン代
謝異常を特徴とする。
グルタミンはほとんどの組織で合成されうる非必須アミ
ノ酸である。ほとんどのアミノ酸と違ってグルタミンは
2個のアミン基:α−アミノ基およびアミド基を有して
いる。アミド基の存在により、グルタミンは体内の末梢
組織からアンモニアを除去し、窒素を内臓器官に移送す
る機能を有する。更に、グルタミンを循環系から除き、
その炭素骨格をエネルギーに利用することが組織に共通
して行なわれる。
グルタミナーゼおよびグルタミン合成酵素がグルタミン
代謝の調節に関与する基本的な2つの酵素である。グル
タミナーゼはグルタミンを加水分解してグルタメートと
アンモニアにする場合に触媒作用を示し、一方、グルタ
ミン合成酵素はグルタメートとアンモニアからグルタミ
ンを合成する場合に触媒作用を示す。ほとんどの組織は
これら両方の酵素を有するが、通常、一方が他方より、
より高活性であって、それは組織によって異なる。
グルタミンの合成および放出は主として骨格筋および脳
で行なわれる。ついで、グルタミンは、線維芽細胞、リ
ンパ球、腫瘍細胞、腸上皮細胞などの複製細胞(replic
ating cells)で消費される。これらの細胞は高いグル
タミナーゼ活性と低濃度の細胞内グルタミンを有するこ
とが特徴である。これは、また、ひどい傷や、感染症を
伴う炎症、または平常の経腸飼料投与を妨げる胃腸機能
不全などを有する患者における臨床的特徴でもある。何
故ならば、これらの細胞系では、このような状態にある
細胞の所望の増殖は充分な量のグルタミンが利用できる
かどうかにかかっているからである。
胃腸管内では、グルタミンは呼吸燃料として利用され
る。グルタミンを内服投与すると腸粘膜による経口グル
タミンの摂取の増大をもたらし、同時に、循環系からの
グルタミン摂取の減少をもたらす。このように、腸によ
るグルタミンの消費は2つのグルタミン源の間のバラン
スを与える。
胃腸管で取り込まれたグルタミンのほとんどは小腸の上
皮細胞に並んでいる絨毛を介して放出される。小腸にお
けるグルタミン代謝は腸の主エネルギー源となり、他の
組織から窒素および炭素源を得て肝臓での尿素発生およ
び糖質新生の前駆体を生成する。
平常な腸構造および機能を維持するのにグルタミンが基
本的に貢献していることはバスカビルら[Baskerville
et al,British Journal of Experimental Pathology、6
1巻、132頁(1980)]の研究で示唆されている。これら
の研究者達は、赤毛猿、キヌザル、家兎およびマウスに
精製グルタミンを注入して血漿グルタミナーゼを測定不
能濃度まで低下させている。この処置の結果、これらの
動物は嘔吐、下痢、絨毛萎縮、粘膜潰瘍、および腸壊死
を起こした。
マーチンら(Martin et al,米国特許第2283817号)はグ
ルタミン含有組成物を食餌供給としてよりはむしろ解毒
剤として用いることを開示している。この特許では、グ
ルタミンを他のアミノ酸類と組合せて相乗的に毒素に直
接作用して有害な作用を排除させている。
シバら(Shiva et al,米国特許第2868693号)は、グル
タミン含有組成物を消化性潰瘍の治療に用いることを開
示している。
さらに、グルタミンの潜在的保護効果についてオカベら
[Okabe et al,Digestive Disease,20巻、66頁(197
5)]が開示しており、彼等はヒトにおけるアスピリン
誘引胃潰瘍に対してグルタミンが保護効果があることを
見い出している。
この内臓のグルタミン要求性は臨床的疾病の場合により
大きく、小腸によるグルタミン代謝が知られて以来増々
増大している[ソーバら(Souba et al,Surgery、94
(2)、342頁、1983)を参照]。
現在、自身で食事をとれない患者の栄養供給は腸内的ま
たは腸外的な食餌投与により適正に行なわれている。経
腸食餌投与は通常小径チューブを鼻から胃または十二指
腸に通してこれを経由して行なうか、または外科的移
植、例えば胃フィステル形成術または空腸フイテル形成
術によって行なっている。現在用いられているこれら経
腸投与処方は基本的につぎの4つのカテゴリイ:基本成
分(elemental)、重合体成分(polymeric)、調節成分
(modular)および変性アミノ酸類に分けられる。これ
らの処方にはグルタミンが含まれる。しかし、この経腸
食餌における栄養価は正常人の毎日の要求に基づいて一
般に決められており、胃化疾病に罹っている患者のもの
には基づいていない。
基本成分はミネラル消化作用が要求され、基本的に、短
ペプチドおよび/またはアミノ酸類、グルコースオリゴ
サッカライト類、および植物油または中鎖トリグリセラ
イド類からなる。
重合体成分には、複合栄養源、例えば大豆タンパク、ラ
クトアルブミンまたはカゼインをタンパク源として用
い、マルトデキストリンまたは固体コーンシロップを炭
水化物源とし、さらに植物油または乳脂を脂肪源として
用いている。
調節成分はタンパク、炭水化物または脂肪をモノマーま
たはポリマー処方と組合せて特定の栄養要求に適合させ
て調製される。
変性アミノ酸類組成からなる成分は、基本的には、窒素
代謝の発生エラーや窒素蓄積不全などを有する患者に用
いられ、それは有害なある種のアミノ酸を患者が摂取す
るのを制限する。
非経口的(腸外的)食餌は通常静脈内投与される。この
ような静注液は、例えば砂糖、アミノ酸類、電解質など
の容易に同化し得る単純な化学物質からなる滅菌液であ
る。
「全非経口栄養物(TPN)」なる用語は、すべての栄養
要求を満たすための患者に静注にて投与する処方を示す
場合に用いる。この全非経口栄養物の処方は、経腸処方
とは異なり、一般にグルタミンは含まない。この非経口
処方にグルタミンを欠く理由は、それが室温で不安定で
あってアンモニアおよびピログルタミン酸を発生するこ
とによる。さらに、グルタミンからグルタミン酸が発生
し、そのグルタミン酸が神経伝達物質として潜在的毒性
を示すことによる。事実は、このような関係はないよう
に思われる。中性よりすぐ下のpHではグルタミンは非常
にゆっくり分解する[ソーバ(Souba,S.C.D.,Thesis in
Harvard Medical School Library,June,1984)を参
照]。
全非経口栄養物は絨毛萎縮をもたらし、その現象は一般
に経口食事投与を再開するとなくなる。TPN処方はグル
タミンを欠くために、体内でのこのアミノ酸に対する要
求は体の組織内で合成によって満たされなければならな
い。
重篤な疾病の患者では、純粋なタンパク異化は筋肉での
グルタミン貯蔵の著しい消失を伴う[アスカナチら(As
kanazi et al,Annals of Surgery,192巻、78頁、198
0);アスカナチら(Askanazi et al,Annals of Surger
y,191巻、465頁、1980)]、また腸内でのグルタミン利
用が増加するものと推定されている[ソーバら(Souba
et al,Archives of Surgery,120巻、66頁、1985);ソ
ーバら(Souba et al,Surgery,94(2),342頁、198
3)]。副腎皮質ステロイド類は小腸でのグルタミン消
費を増加させることが知られている[ソーバら(Souba
et al,Surgical Forum,34巻、74頁、1983)]。
先行文献での研究では、いずれも、全非経口栄養物投与
中に生じる骨格筋破壊、腸内絨毛萎縮または他の異化機
能障害がグルタミンの高濃度投与によって防止されると
の報告はなされていない。
発明の要約 本発明では、異化機能障害またはその危険のある動物に
治療的有効量のグルタミンを投与する。このグルタミン
の量は、健康な個体の食物中に通常含まれるものより多
量である。この増加した量のグルタミンは、ある種の異
化機能障害中に起こるグルタミンへの多大の要求を補償
するために必要である。このような異化機能障害中に外
部からグルタミンを与えないと、グルタミンは筋肉組織
の分解によって供給される。異化機能障害中筋肉から増
大したグルタミン放出にもかかわらず血漿中のグルタミ
ン濃度の低下をもたらし、全身的なグルタミン不足を生
じる。筋肉からの増大したグルタミン放出にもかかわら
ず、腸粘膜細胞はその過剰供給を要求する。このこと
は、ついで、腸内絨毛萎縮を引起こす傾向となる。
このように、本発明は、グルタミンまたはその機能的類
縁体の治療的有効量を動物に投与することからなる動物
の異化機能障害の治療方法を提供するものである。
ストレス患者にグルタミンを外部から提供すると小腸で
の代謝要求を充分に満たし、全身的なタンパク異化速度
を減少し得る。炎症性腸疾病の患者にグルタミンを与え
ることも有用である。
炎症性腸疾患における副腎皮質スイロイド類の治療効果
は、それらの抗炎症作用のみならず腸内裏の腸細胞内の
基質代謝の増大への貢献に関係している。外部からのグ
ルタミンの投与は腸細胞のための基質をより多量に提供
することができ、血漿および骨格筋のグルタミン不足を
防止し得る。同様に、グルタミンは移植された小腸の生
存を促進することができ、また未熟な腸を有する幼児に
おける腸代謝を支持し得る。
図面の説明 い第1図は窒素摂取の関数としての窒素平衡のプロット
を示す。
第2図は人造血中での全分岐鎖アミノ酸(BCAA)濃度と
BCAAの投与率と比較した実施例5で得られたデータのグ
ラフである。データは平均±SEMで示す。食塩投与動物
でのデータは含んでいない。
第3図はBCAA流量(flux)(後脚と臀部)とBCAA注入と
の関連を比較した実施例5で得られたデータのグラフで
ある。
第4図は手術後6時間のBCAA流量(後脚と臀部)とのBC
AAの動脈血中濃度の増大とを比較した実施例5で得られ
たデータのグラフである。
第5図は窒素流量(後脚と臀部)と術後6時間のBCAA流
量(後脚と臀部)を比較した実施例5で得られたデータ
のグラフである。
第6図は術後6時間の窒素流量(後脚と臀部)と術後24
時間に測定した筋肉細胞内アミノ酸窒素の変化を比較し
た実施例5で得られたデータのグラフである。
第7図は部分的小腸切除後の血漿グルタミン濃度に及ぼ
す経口的食餌の効果を示すグラフである。
第8図は部分的小腸切除後の末端回腸重量に及ぼす経口
的食餌の影響を示すデータのグラフである。
第9図は部分的小腸切除後の末端回腸における筋肉の厚
さに及ぼす経口的食餌の影響を示すデータのグラフであ
る。
第10図は部分的小腸切除後の末端回腸の粘膜の厚さに及
ぼす経口的食餌の影響を示すグラフである。
第11図は部分的小腸切除後の末端回腸の絨毛高さに及ぼ
す経口的食餌の影響を示すグラフである。
好ましい態様の説明 本発明者らは異化機能障害を治療するための新規な方法
を発明した。本発明は、異化機能障害に罹ったまたは起
こりつつある動物にグルタミンまたはその機能的類縁体
の治療的有効量を投与することを特徴とする。この治療
的有効量とは通常の食餌中に存在するよりも大きいもの
である。ヒトにおける正常な食餌での摂取量は約2〜4g
/日である。
異化機能障害は、解剖学的構造の崩解が生じる異化生化
学的経路が誘き起こされる状態である。グルタミンの食
餌による投与はこれらの異化作用状態の生化学的要求を
満足させ、生体でのグルタミン合成を不要とし、また骨
格筋の分解によるグルタミンを得る必要性がなくなるよ
うにみえる。
本発明はグルタミンの要求が増すあらゆる異化機能障害
に用いることを意図している、これらの異化機能障害は
腸内的または腸外的のいずれも含まれる。例えば、TPN
食餌を投与した場合に生じる小腸の絨毛萎縮は腸内異化
機能障害である。絨毛萎縮は腸細胞に対する直接的異化
作用によって起こるのではなく、むしろ患者に与える非
経口的食餌中のグルタミン欠損によって通常起こる。
グルタミンに対する増大した要求を示す非経口的な異化
機能障害は、外科手術、敗血症、火傷、食欲不良および
制御されない糖尿病の間またはその後に生じる。
本発明が適用される動物はヒトを含めて一般に哺乳動物
として分類されるものである。
「腸の」なる用語は胃と肛門の間の栄養吸収管の部分を
示す。
「非経口的」なる用語は消化管以外の領域を意味する。
本発明方法が有効な異化機能障害に適用されるときの
「実質的に伴った」なる用語は、グルタミンの生化学的
要求が異化機能障害中またはその後に生じるものまたは
それに関連したものを意味する。
グルタミンの投与は経腸および非経口の両方で行ないう
る。
グルタミンを経腸投与する方法としては、鼻から胃また
は十二指腸に通した小孔チューブを用いるか、または外
科的移植、例えば胃フイテル形成術または空腸フイテル
形成術などによる方法がある。
非経口投与方法としては、皮下注射、筋肉内注射、静脈
内注射、あるいは鼻腔または鼻粘膜吸収、さらには経皮
吸収などがあるが、これらに限定されるものではない。
ほとんどの場合、グルタミンは静脈内注射で投与され
る。静脈内注射では、グルタミンの治療的有効量を溶液
の形で用い、患者の大静脈に針をさし、この針をチュー
ブで貯蔵器に連結し、その貯蔵器に溶液を入れて注入す
る。
用いる投与方法のいかんにかかわらず、グルタミンは単
独でまたは食餌補給の形態のいずれでも投与できる。食
餌補給の形態で用いる場合には、グルタミンを患者に投
与する前に経腸的または非経口的食餌と混合する。混合
せずに食餌成分と共に直接グルタミンを投与することも
でき、例えば、静脈内注入の場合、グルタミンを主静注
瓶中に直接入れないで[ピギイバック(piggyback)」
瓶を用いた通常の貯蔵器に入れて用いる。
グルタミンの特性を保持しているグルタミンの機能的類
縁体、誘導体、置換体、異性体または同族体は均等物と
みなされる。好ましいものは、アミン基を与えることが
できかつクレブスサイクルにて代謝されうる類縁体であ
る。最も好ましいものは、炭素鎖の一端にアミノ酸残基
を有し、その他端にアミン基を有する化合物である。
グルタミン投与のための治療的有効量の範囲は、代謝の
動的平衡を維持するために体内組織の異化作用または萎
縮を防止するのに充分大きな量である。経腸食餌の場合
には、グルタミンは0.3g/kg(体重)/日またはそれ以
上の割合で投与される。そのような投与割合は0.3〜2.0
g/kg/日、好ましくは0.3〜1.5g/kg/日、さらに好ましく
は0.4〜1.0g/kg/日である。静脈内投与の場合のグルタ
ミン投与割合は0.1g/kg/日またはそれ以上である。その
ような投与割合は0.2〜3.0g/kg/日、好ましくは0.3〜2.
5g/kg/日、さらに好ましくは0.4〜2.0g/kg/日である。
本発明方法によれば、グルタミンは既存の食餌処方に適
当量のグルタミン濃度を含むように変えるだけで投与す
ることができる。最も好ましくは、グルタミンを固体形
態のままで含まれるもので、例えば、滅菌凍結乾燥粉末
を投与時に無菌的に水和し、食餌組成物の他の成分と適
当な濃度で混合して用いる。別法としては、グルタミン
を乾燥形態の処方の他成分と予め乾燥しておき、投与時
に無菌的に再水和するか、あるいは凍結濃縮物として貯
蔵し、用時解凍して適当な濃度で混合する。
本発明方法によってグルタミンを用いれば組成物の調製
に理想的である。これらの組成物は、グルタミンを単独
または他の化学物質と併用して含有する。これらの他の
化学物質は医薬的に許容し得る担体、さらに他の食餌用
活性物質、例えば遊離アミノ酸類、タンパク加水分解
物、油類などである。
非経口的投与製剤としては滅菌水性または非水性溶液、
懸濁液および乳化液が含まれる。皮膚透過性の増大およ
び吸収促進のために賦形剤または吸収調節剤を用いても
よい。
本発明はまた本発明の成分および異化機能障害抑制用医
薬からなる医薬または医薬用組成物に関する。
本発明はさらに異化機能障害の予防または改善のための
グルタミンを多く含んだ組成物にも関する。グルタミン
を多く含んだ組成物は、通常の食餌中にあるよりも多量
の治療的に有効な濃度でグルタミンを含有している。
本発明の組成物を含んだ容器を本発明方法によるグルタ
ミン投与のために用いることができる。このような容器
は、例えば、患者に投与すべきグルタミンの1日投与量
を含むように調節している。
グルタミン単独または他のアミノ酸類と組み合わせて静
脈内投与するのに適したように調製した容器がとくに有
用である。そのような容器は、液状グルタミン含有組成
物用の入れものおよび針に接続できる液体伝達手段から
なる。
その液体伝達手段は、その入れものに含まれている液状
組成物を針に輸送し得るもの、例えばプラスチック製チ
ューブである。
その伝達手段に接続される針はヒトの血管中に直接挿入
できるものまたは患者に投与する前に他の溶液と混合し
得る貯蔵器に挿入できるもののいずれでもよい。
上記の説明は本発明を一般的に記述したものである。よ
り完全な理解は下記実施例によって得られるであろう。
これら実施例は説明のためのものであってとくに断らな
い限り本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1 動物の世話および処置方法 体重が20〜40kgである雑種犬22匹を、規則正しく運動さ
せ、寄生虫をスクリーニングしておいた農場から入手し
た。雌の動物はすべて妊娠していなかった。犬舎にいる
間は、ハーバード・メディカル・スクール(Harvard Me
dical School)の動物委員会、ならびに実験動物供給源
研究所、ナショナル・リサーチ・カウンシル(National
Research Council)の実験動物の世話および使用委員
会のガイドラインに従って動物を飼育した(DHEW出版、
#NIH、78−23、1978)。動物を個々の犬舎中、20℃の
一定温度、24時間の光照射下で飼育した。動物を毎朝2
時間運動させ、任意に水を与え、1日1回、午後1時か
ら3時の間に餌(Agway Respond 2000 Dry Dog ChowR;
少なくともタンパク質を25%、脂肪を10%、そして残り
のカロリーを炭水化物として含有している)を与えた。
5〜7日間、犬を犬舎に馴れさせ、その間に、パブロフ
(Pavlov)台において静かにじっとしているように訓練
した。主薬試料を与える1日前、午後5時にすべての食
物を犬舎から取り除いた。一晩絶食させた後、犬を少な
くとも20分間歩かせ、パブロフ台に乗せ、前脚静脈にカ
ニューレを挿入した。この台で少なくとも20分間犬を休
ませた後、アミノ酸測定用に静脈血液試料を採取した。
チオペンタールナトリウム[アボット・ラボラトリーズ
(Abbott laboratories)]を静脈内投与(5mg/kg体
重)することによって迅速な麻酔を行った後、バーグス
トローム等[Bergstrom et al.,Journal of Applied Ph
ysiology,36:693−697(1974)]の方法によって外側広
筋のバイオプシーを採取した。次いで、動物を台から下
ろし、経皮穿刺により大腿骨動脈から動脈血液試料5ml
を採取した。
標準手術の前の最低2日間は、バイオプシーから動物を
回復させた。手術の前日、午後5時にすべての食物を犬
舎から取り除いた。午前7時に20分間犬を歩かせ、次い
で手術室につれて行き、ペントバルビタールナトリウム
(アボット・ラボラトリーズ)を静脈内投与(30mg/kg
体重)することによって麻酔した。気管内に管を入れ、
動物に酸素と室内空気の混合物を自発的に呼吸させた。
この犬を手術台に仰むけに乗せ、経皮穿刺によりカニュ
ーレを外頚静脈に入れ、上大静脈に導いた。開始時間を
記録した後、このカニューレから一定注入器(IMED pum
pR;San Diego,CA)により注入溶液を4ml/時間/kgで投与
した。ペニシリンG[スクイブ(E.R.Squibb,Princeto
n,NJ);600mg]およびケフリン(KeflinR)[イーライ
・リリー(Eli Lilly,Indianapolis,IN);1g]を静脈内
投与した。膀胱にカテーテルを挿入し、最初の尿試料を
捨て、24時間収集のためにカテーテルを密閉した尿袋に
つないだ。犬の腹および脇腹部を剃り、皮膚を洗剤およ
び水で洗い、ポビドンヨード準備液[クリニパッド社
(Clinipad Corporation,Guilford,CT)]で処置した。
犬に滅菌シートをかぶせ、雌は臍下垂直切開により、雄
は中央右傍切開によって腹腔を処置した。腸を腹上部に
引っ込め、現れた腹膜後腔を切開した。右深腸骨回旋動
脈および静脈、ならびに内側仙骨動脈を鋭い解剖および
鈍い解剖によって分離した。シラスチック(silastic)
で被覆した6cmのポリエチレン管(外径2.08mm)からな
り、外径2.8mmのポリエチレンカテーテルに結合した、
特別に調製したカテーテルを、右深腸骨回旋動脈から大
動脈に挿入した。同様のカテーテルを正中仙骨動脈に挿
入し、その先端が、大動脈の分岐基部の約1cmの所で、
下腸間膜動脈の末端に位置するようにした。3番目のカ
テーテルを、右深腸骨回旋静脈から下大静脈に挿入し、
腎静脈の末端に位置するようにした。すべてのカテーテ
ルを固定し、脇腹の傷から露出させた。次いで腹部を閉
じ、動物をその左側に倒した。露出したカテーテルを適
当な長さに切断し、断続的な注入ポート[JelcoR;クリ
チコン社(Critikon,lnc.,Tampa,FL)]と接続した先の
丸い針で栓をし、食塩水で洗い流し、ヘパリン(1000単
位/ml)で満たし、皮下に埋めた。注入ポートを、動物
の脇腹の上方、脊柱のほぼ近くの皮下に設置した。これ
により、カテーテルの注入ポートの経皮穿刺によって大
動脈および大静脈に近ずくことを可能にした。ケフリン
(1g)をさらに2回、手術の8および24時間後に静脈カ
テーテルから投与した。
手術後、動物を横にし、麻酔から覚める間、加熱ランプ
および毛布で体温を維持した。注入開始から約5時間
後、動物をパブロフ台に乗せ、パラアミノ馬尿酸(PAH;
食塩水中0.5%w/v)溶液を、内側仙骨動脈カテーテルか
ら末端大動脈に、ハーバード(Harvard)ポンプを用い
て0.76ml/分の速度で注入した。染料を注入して40分後
に、動脈および静脈試料を同時にアミノ酸およびPAH濃
度測定用に採取した。10分間隔で20分間かけて3組の試
料を採取した。次いで、カテーテルを洗い流し、ヘパリ
ンで満たし、動物をパブロフの三角布中に保った。実験
開始の23時間後に、後脚とでん部の流量の研究を繰り返
した。24時間後、尿の収集を止めた。上記のようにして
チオペンタールナトリウムを動物に静脈内投与し、先に
バイオプシーを行っていない脚の外側広筋のバイオプシ
ーを行った。静脈注入を停止したのち、24時間、動物を
代謝ケージに入れ、そこで任意に水を与え、餌は与えな
かった。
実施例2 注入溶液 4ml/時間/kgの速度で全動物に注入を行った。5匹の対
照群動物には0.9%食塩水を与えた。その他の動物に
は、市販のアミノ酸溶液[フレアミンIIIR(FreAmineII
IR);アメリカン・マックガウ(American McGaw)]
を、約0.312(N=2)または0.624(N=6)グラム窒
素/24時間/kg体重投与されるよう2種類の異なる濃度で
与えた。高い方の用量は、4gタンパク質/24時間/kg体重
と等しい用量を投与するように意図した。3匹の動物に
はグルタミン含有溶液を0.312g窒素/24時間/kgで与え
た。最後の群(N=6)には、0.624g/24時間/kgで窒素
を与えるグルタミンとフレアミンIIIRの等量混合物を与
えた。グルタミン溶液は、L−グルタミン[シグマ(Si
gma,St.Louis,MO)]を蒸留水に溶解して0.157Mの溶液
とし、次いでこれを水酸化ナトリウムでpH6.8に調整す
ることによって調製した。この溶液を0.22uMメンブラン
で濾過して滅菌し、4℃で24時間以内保存した。使用す
る日の朝、この溶液を2容バッグ(アメリカン・マッ
クガウ)の中で所望の濃度に配合し、使用時まで4℃に
保った。注入終了時にそれぞれのバッグから試料10mlを
採取し、窒素含量分析用に−20℃で保存した。さらに別
の試料10mlを下記のようにしてpH4.75に調整し、グルタ
ミン含量分析用に凍結保存した。
実施例3 試料の調製及び分析 全血および血漿試料を、等容量の氷冷10%(w/v)過塩
素酸と混合し、次いで3000rpm、4℃で20分間遠心して
脱タンパク質処理した。上清の一部2mlを0.2M酢酸ナト
リウム緩衝液(pH4.90)0.2mlで緩衝化し、5N水酸化カ
リウムでpH4.75−4.90に調節し、蒸留水で最終容量4ml
にした。この試料を、ランドの方法[Lund;「グルタミ
ナーゼ及びグルタメートデヒドロゲナーゼによるL−グ
ルタミンの測定」、酵素分析法第4巻、ベルグマイヤー
(Bergmeyer)編、アカデミック・プレス(Academic Pr
ess)、ニューヨーク、1719−1722(1974)]を改良し
た酵素による微量蛍光検定法を用いて、後にグルタミン
およびグルタメート濃度をバッチ分析するために−20℃
で保存した。
筋肉バイオプシー(生検法)の間、組織を切除して直ち
にストップウォッチを作動させた。筋肉を解剖して、脂
肪及び結合組織を含まないようにし、2つの部分(等分
ではない)に分けた。次の2分間に両試料の重量を少な
くとも4回測定し、バイオプシー後の重量および時間を
記録した。時間に対してプロットした重量の最適直線回
帰から時間=0における実際の筋肉湿重量を算出した。
小さい方の試料(約15mg)を90℃のオーブンで一定の重
量になるまで乾燥し、石油エーテルで抽出した後、乾燥
した無脂肪の固形物重量を得た。次いで、この試料を1N
硝酸(250ul)で消化し、半自動滴定装置[ラジオメー
ター(Radiometer)、コペンハーゲン]を用い、硝酸銀
滴定によって塩化物含量を測定した。血漿の塩化物も測
定し、細胞内および細胞外の水分を、ベルグストローム
等[Bergstrom et al.;上記]の方法によって算出し
た。2番目の筋肉試料(約100mg)を、ポリトロン・ホ
モジナイザー[Polytron homogenizer;ブリンクマン(B
rinkmann)、ウェストバーリー、ニューヨーク]を用い
て氷冷過塩素酸(10%w/v)0.5mlにホモジネートした。
このホモジネートを遠心し、酵素によるグルタミンおよ
びグルタメート分析用に上清を調製した。
本研究のはじめに、公知の酵素法[ミュルバッハー等
(Muhlbacher et al.,American Journal of Physiolog
y,247:E75−E83(1984))]によって血漿および細胞内
グルタミンおよびグルタメート濃度を測定した。その他
のアミノ酸濃度は、o−フタールアルデヒドによる予備
カラム誘導後の自動高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)によって測定した。グルタミン、グルタメート、プ
ロリン、システインおよびリジンを除く、タンパク質中
に通常見い出されるすべてのアミノ酸を定量した。研究
の途中で、HPLCを用いるグルタミン−グルタメート測定
用技術を開発した。2つの方法(酵素法およびHPLC)に
よって測定した試料は、同様のグルタミン−グルタメー
ト濃度を与えた。従って、本研究の後段ではHPLC分析だ
けを用いた。動脈および静脈試料中のPAH濃度は、5%
トリクロロ酢酸で除タンパクした後、分光光度分析によ
って測定した(ミュルバッハー等;上記)。
24時間注入の間に排出された尿を密閉した尿収集システ
ムに捕集し、酸性にし、冷却した容器中に保存した。そ
の一部をバッチ分析用に−20℃で凍結保存した。尿およ
び注入溶液の窒素含量は、マクロ−ケールダール法[ma
cro−Kjeldahl method;ペーター等(Peter et al.、Qua
ntitative Clinical Chemistry、II巻、ウィリアムスお
よびウィルキンス(Williams&Wilkins)、ボリチモ
ア、MD、516−538(1932)]により同じバッチで測定し
た。
統計学的な計算は、標準統計パッケージ[ミニタブ(Mi
nitab)、ペンシルバニア州立大学、州立カレッジ、P
A、1983]を用い、IBM 4341コンピューターで行った。
結果を、平均±標準誤差(SEM)で表した。対および非
対のスチューデント(Student)のT−検定を適宜用い
た。多数の群の比較には分散解析を用いた。回帰分析は
最小2乗法を用いて行った。0.312g窒素/24時間/kgを投
与した群の試料は小さかったので、ほとんどの統計学的
な比較は、その他の群間でのみ行った。
後脚とでん部の血液流量を公知の方法[ミュルバッハー
等、上記]で算出し、その速度をkg体重あたりで表して
動物の大きさの差異を考慮した。アミノ酸の流動速度
は、血液流量と動脈−静脈濃度差の積として算出した。
3組の試料を採取し、各組の流量を算出し、3つの値の
平均を算出した[ミュルバッハー等、上記]。各アミノ
酸の窒素含量を考慮し、個々の濃度を合算することによ
って、全血、血漿および細胞内水中の全アミノ酸窒素を
算出した。
実施例4 血漿および細胞内のアミノ酸濃度 手術前および標準的な手術の24時間後に血漿アミノ酸濃
度を測定した。食塩水処理した動物においては、血漿の
合計窒素含量は手術によって変化しなかった(表I)。
グルタミンの濃度は一定のままであったが、分岐鎖アミ
ノ酸は上昇し、その濃度総量は326±21から501±9uモル
/l(p<0.01)まで増加した。0.624gN/24時間/kg投与
した動物においては、血漿窒素濃度が上昇する傾向にあ
り、これはアミノ酸とグルタミンの混合物を投与した群
においてのみ統計学上意味あるものであった。この群に
おいては血漿グルタミン濃度も上昇した。分岐鎖アミノ
酸は、アミノ酸注入を受けた動物すべてにおいて上昇し
た。
食塩水注入の間、骨格筋窒素濃度は低下した(表II)。
この合計アミノ酸窒素の減少は、主としてグルタミンが
21.48±3.21uモル/l細胞内水から15.86±3.80(p<.0
5)に低下することによって示された。非必須アミノ酸
の合計濃度は減少するが、細胞内プール(蓄積)におけ
る合計必須アミノ酸は変化しなかった。アミノ酸窒素を
0.624g/24時間/kg投与した動物においては、細胞内窒素
またはグルタミンは変化しなかった(表II)。統計学的
な有意性はアミノ酸とグルタミンの混合物を投与した動
物においてだけ見られたが、より高濃度のアミノ酸を注
入すると分岐鎖アミノ酸の細胞内濃度が上昇する傾向に
あった。手術後のこれら2つの群においては、必須およ
び非必須アミノ酸の合計濃度における有意の変化はなか
った。より高用量の窒素を投与した動物とは対照的に、
0.312gN/24時間/kgで注入した動物5匹は、注入した溶
液とは関係なく、骨格筋細胞内窒素プールを一様には維
持しなかった。細胞内グルタミンは、3動物において減
少し、1動物では変化なく、1動物では増加した(デー
タは示していない)。
このように、グルタミンを含むか、または含まないアミ
ノ酸混合物としてアミノ酸を0.624gN/24時間/kgで投与
すると、骨格筋細胞内アミノ酸プールが維持される。細
胞内グルタミンの減少で特徴づけられる細胞内プールの
減少は、食塩水を投与した動物においては一様に起こ
り、低用量のアミノ酸を投与した動物においては種々変
化した。
個々のアミノ酸の窒素流量の合計として算出される正味
の後脚およびでん部アミノ酸流量は、手術の6時間後に
測定したとき、食塩水を投与した動物においては平均−
19.05±4.06uモルN/分/kgであった。これは、アミノ酸
を0.624g/24時間/kg投与した2群の動物における流出速
度−7.70±5.9および−6.50±1.18uモルN/分/kgより有
意に大きい(表III)。しかし、後脚およびでん部から
のグルタミン流出は、これら3つの群で変わらなかっ
た。対照的に、食塩水だけを投与した犬においては分岐
鎖アミノ酸が流出するが、より高用量のアミノ酸を投与
した両群の動物においては停止した。後脚およびでん部
の分岐鎖アミノ酸の交換は、分岐鎖アミノ酸の投与速度
と関係しているように見えた。すなわち後脚およびでん
部は、食塩水処理した群においては、分岐鎖アミノ酸の
放出、アミノ酸とグルタミンを含有する溶液との平衡、
および最も高用量の分岐鎖アミノ酸を投与した群におい
ては、比較的高い取り込みを示した。0.312gN/24時間/k
g投与した5匹の動物においては、食塩水処理した犬と
比較して、後脚およびでん部の窒素流出に有意の変化は
なかった。しかし、これらの流量データにはかなりのバ
ラツキがあり、研究に供した動物数は少なかった。手術
の24時間後に行った後脚およびでん部のアミノ酸流量の
研究は、各群の間に差がないことを示した(表III)。
食塩水を注入した5匹の動物の窒素排出は0.492±.022g
N/24時間/kgであった。最高用量の市販アミノ酸混合物
を投与した6匹の動物においては、窒素取り込みの測定
値は0.632+0.001gN/24時間/kgであり、平均窒素排出は
0.684±0.031であった(表IV)。半分の市販アミノ酸溶
液および半分のグルタミンで調製した溶液を投与した6
匹の動物においては、窒素の取り込みは類似している
が、排出は大きく、平均0.775±0.019gN/24時間/kg(p
<0.05)であった。これら2つの群における窒素平衡
は、食塩水を投与した動物におけるよりも負の値が有意
に小さく、それぞれ平均−0.052±0.031および−0.140
±0.022gN/24時間/kgであった。約0.312gN/24時間/kg投
与した5匹の動物においては、平均窒素排出は食塩水投
与対照群のものと、より大量の注入窒素を投与した動物
のものとの中間であった。これらの研究を総合すると、
投与窒素量が増加するにつれて窒素バランスが平衡に近
づくことを示した(表I)。市販のグルタミンを含有し
ないアミノ酸溶液とグルタミンを混合すると、窒素バラ
ンスへの影響が付加された。総計すると、市販のアミノ
酸またはグルタミン単独の注入に応答して保たれる窒素
は、溶液を組合わせたときに保たれる窒素となる。
細胞内の骨格筋遊離アミノ酸プール(蓄積)における低
下と関連する、後脚およびでん部からのアミノ酸流出の
増加ならびに負の窒素バランスからわかるように、これ
らの研究は、犬における手術のストレスが正味の骨格筋
タンパク質の分解を刺激することを示している。以前の
研究では、タンパク質の消耗は絶食または麻酔とは関係
していないが、手術のストレスに対する明らかな応答で
あるということを示している[カパジア等(Kapadia et
al.,Surgical Forum,33:19−21(1982))]。食塩水
処理した群における手術6時間後の後脚およびでん部か
らのアミノ酸の放出は、基本的な条件下での長期間カテ
ーテル処置した吸収後の犬におけるデータの約6〜8倍
であった[ミュールバッハー等(Muhlbacher et al.,Am
erican Journal of Physiology,247:E75−E83(198
4))]。この後脚およびでん部の窒素放出速度は、細
胞内遊離アミノ酸プールの消耗によって説明することは
できず、従って正味の骨格筋タンパク質加水分解を示し
ているはずである。
手術中にアミノ酸を供給すると、窒素の損失を相殺し、
血漿アミノ酸濃度を維持または増加させ、骨格筋細胞内
遊離アミノ酸プール(蓄積)の減少を少なくした。これ
らの効果は、注入したアミノ酸窒素の量に関連している
ように見える。全身ならびに後脚およびでん部の窒素損
失は、最も高いアミノ酸用量のときに大きく減少し、こ
のときグルタミンおよびその他のアミノ酸の細胞内プー
ルをも維持した。これらの結果は、アスカナジ等[Aska
nazi et al.,Annals of Surgery,191:465(1980)]が
報告した発見(彼等は、デキストロースおよびアミノ酸
に注入によって逆転させることができない、でん部置換
後の患者におけるグルタミンおよびその他のアミノ酸の
細胞内濃度の低下を記載している)と異なっている。本
発明方法を用いて得た結果は、先の発見が、注入したア
ミノ酸の量および/または注入液中のグルタミンの欠如
に関係しているであろうということを示している。比較
的低濃度のアミノ酸(0.312gN/24時間/kg;グルタミン単
独またはFreAmineRとして)を注入すると、研究に供し
た3群の5匹の動物において細胞内アミノ酸プール(蓄
積)が保持されなかった。対照的に、より高速のアミノ
酸注入は細胞内プールを安定化するか、または増加させ
た。すなわち窒素を適当量投与すると、手術後の骨格筋
細胞内アミノ酸プールを維持することができるようであ
る。
食塩水を注入した動物における細胞内遊離アミノ酸プー
ルの変化(大部分はグルタミンの急速な低下による)
は、適当量の窒素が供給されたときに防止された。これ
は、市販溶液にグルタミンが存在しないときであっても
起こった。おそらくアミノ基転移によってグルタミン合
成のためのグルタミン基質が分岐鎖アミノ酸から誘導さ
れたものと考えられるが、これらの条件下で細胞内グル
タミンが維持されるメカニズムは明確ではない。説明さ
れない理由のため、正味のグルタミン流出はすべての群
において同様であった。後脚およびでん部のグルタミン
放出は、アミノ酸溶液中にグルタミンを供給することに
よって減少しないか、または分岐鎖アミノ酸によって促
進されなかった。この手術後モデルにおける結果は、報
告されている正常なヒトにおける分岐鎖アミノ酸の効果
[すなわち該ヒトにおいては、ロイシンの経口投与に次
ぐ分岐鎖アミノ酸の前腕取り込みは促進されたグルタミ
ン放出と関係していた;アオキ等[Aoki et al.,Journa
l of Clinical Investigation,65:1522(1981))]と
異なっている。
0.624gN/24時間/kgの速度で投与した2種類のアミノ酸
溶液の組成には顕著な差異が存在していたが、後脚およ
びでん部の窒素流出は両動物群において類似していた。
これは、バランス溶液における必須アミノ酸および分岐
鎖アミノ酸の量がグルタミン含有溶液中のそれの2倍で
あっても起こった。すなわち、手術ストレスのこの実験
モデルにおいては、バランスされたアミノ酸配合のグル
タミン追加は、後脚およびでん部の損失を減少させるの
に少なくとも標準バランス配合の2倍濃度と同じくらい
効果的であった。
食塩水を投与した犬においては、骨格筋は分岐鎖アミノ
酸を放出した。これらのデータから算出した定量的な転
移速度は、手術後の初期に分岐鎖アミノ酸の顕著な取り
込みが内臓、おそらくは肝臓において起こっているにち
がいないことを示唆している。分岐鎖アミノ酸の供給
は、おそらくは内臓の要求を満たすことおよび骨格筋流
出を逆転させることの両方によって、この移動を相殺す
るように見えた。定量的な関係は、後脚およびでん部の
窒素バランスと細胞内窒素プールの保存との間にも存在
した。細胞内プールが維持されているときには、後脚お
よびでん部はほぼ窒素平衡であった;食塩水が投与され
たときには、細胞内プールにおけるアミノ酸濃度は顕著
に減少し、顕著な後脚およびでん部の窒素損失が存在し
た。遊離アミノ酸プールにおける窒素濃度と骨格筋タン
パク質加水分解の間の関係は知られていないが、これら
のデータは、骨格筋の窒素バランスが細胞内アミノ酸濃
度と関係していること、および身体の恒常性バランスを
維持するのにグルタミンが必須の役割を演じうることを
示唆している。
実施例5 手術後の筋肉に於ける分枝鎖アミノ酸の取り
込み及び筋肉遊離アミノ酸濃度の推定 窒素平衡 骨格筋及び全身タンパク質異化作用を減退させるBCAA注
入の効果を調べるために、この試験では、BCAAの様々な
濃度を含有するアミノ酸組成物を、標準的な切開及び腹
膜後切開を受けている3群のドック(犬)に手術中に投
与した。4番目の群には生理食塩水だけを投与した。後
脚と臀部(hindquarter)流量法により、個々の及び全
体のアミノ酸窒素変換率を測定し、骨格筋タンパク質の
異化作用の検定に利用した。経皮的筋肉バイオプシー試
料中の細胞内遊離アミノ酸濃度を測定した。犬に標準的
手術を施した後、骨格筋アミノ酸代謝の調節に対する、
様々な濃度のBCAAを含有する静脈内のアミノ酸溶液の効
果について調べた。術後の最初の24時間の間、後脚と臀
部アミノ酸流量並びに血漿及び骨格筋中の遊離アミノ酸
濃度を測定することにより、BCAA及びその他のアミノ酸
注入に対する抗異化応答を検定することができた。
原材料と方法 動物の用意及び試験順序 飼育場で管理し、寄生虫をスクリーニングした27匹の雄
及び未妊娠の雌雑種犬を用いた。犬の体重は18〜40kgで
あり、動物の取り扱いを容易にするためにハーバード・
メディカル・スクール(Harvard Medical School)に於
ける試験前の少なくとも1週間、犬舎で飼育した。全て
の方法はハーバード・メディカル・スクールの動物委員
会、及び実験動物供給源、ナショナル・リサーチ・カウ
ンシル(既述)のための実験動物の世話及び使用委員会
のガイドラインに従って、行った。動物を、24時間の光
照射下で各々犬舎に入れ、毎朝運動させた。無制限に水
を与え、一日に一回、プロペットリスポンド(Pro−Pet
Respond)2000乾燥ドックフード[サイラクス(Syracu
se)、ニューヨーク、重量当たり少なくとも25%タンパ
ク質を含有]を午後1時〜3時の間に与えた。試験前
に、動物がパブロフ(Pavlov)の三角布に静かにじっと
しているように訓練した。
基礎実験又は手術の前の夜、午後5時に、全ての飼料を
犬舎から取り除いた。動物を運動させ、三角布に置いた
後、基礎実験を午後8時に行った。これらの実験では、
血漿・アミノ酸を検出するためにカニューレを付けた前
足の静脈から血液試料を採取し、更にチオペンタールNa
麻酔[アボット(Abbott)、ノース・シカゴ、イリノ
イ、5mg/kg体重、静脈注射]した広筋の側面筋肉の経皮
的針バイオプシー(生検)にて、細胞内の遊離アミノ酸
を定量した。その生検後、動物を麻酔し続け、全血アミ
ノ酸を分析するために大腿部動脈の経皮的穿刺法によっ
て動脈血の試料5mgを採取した。
更に実験を行う前に、動物を3日間回復させた。その
後、再び一晩動物を絶食させた後、手術を行う日の午後
7時に、動物を運動させ、手術室に連れていき、前足の
カニューレを介してペントバルビタールNa[アボット
(Abbott)、ノース・シカゴ、イリノイ、30mg/kg体
重、静脈注射]を用いて麻酔をかけた。動物の気管内に
管を取り付け、動物が室内空気と酸素(5l/分)との混
合気体を自発的に呼吸できるようにした。動物を仰臥位
で手術台にのせ、外側の頚静脈を介して経皮的に上大静
脈に16−Fr.カテーテルを導入した。開始時間を記録し
た後、IMEDポンプ(サンジェゴ、カルフォルニア)を使
用してこの中心カテーテルにより、生理食塩水又は適当
な試験アミノ酸溶液のいずれかの注入を開始した。手術
が完了する直前にセファロチン(Cephalothin)[リリ
ー(Lilly)、インディアナポリス、インディアナ、1
g、静脈注射]を投与した。膀胱にカテーテルを取り付
け、残った尿を取り除いた後、注入の開始時に閉鎖ドレ
ナージの採尿を始め、これを24時間続けた。静脈注入が
終了した後も、代謝ケージの動物を用いて更に24時間、
尿を採取した。犬の腹部と脇腹部を剃り、石鹸及び水で
洗浄し、ポビドンヨード溶液を用いて処理した。動物を
無菌シートで覆い、雌は腹部の臍下正中線を、雄は腹部
の近正中線を切開した。内臓を傍らに退け、遠位大動脈
及び下大静脈の回りを完全に切開するために腹膜後腔を
露出させた。右深腸骨回旋動脈及び静脈、並びに右内腸
骨動脈を単離した。この2つの動脈に、外径2.8mmのポ
リエチレン管に結合した6cmのポリエチレン管(外径2.0
8mm)から構成される特別に調製したカテーテルを挿入
した。1つの動脈カテーテルを腸骨回旋動脈から大動脈
中約6cmに位置させ、一方のカテーテルを内腸骨動脈か
ら大動脈分岐部に1cm隣接する所で、尾腸間膜動脈の末
端に位置するようにした。3番目のカテーテルを、深腸
骨回旋静脈から下大静脈に挿入し、腎静脈の末端に位置
するようにした。全てのカテーテルを固定させ、右脇腹
の切開部から露出させた。次いで腹部を重ねて閉じ、動
物をその左側に倒した。露出したカテーテルを適当な長
さに切断し、断続的な注入ポート[Jelco;クリチコン
社、フロリダ]と接続した先の丸い針で栓をし、生理食
塩水を流し、ヘパリン(1000単位/ml)で満たして皮下
に埋めた。注入ポートを脇腹の上部に設置した。このこ
とによって、経皮穿刺による動脈(大動脈)および静脈
(大静脈)血との出入りが容易にできるようにした。
これらの処置(約2時間)の後、動物を横にし、麻酔か
ら覚める間、毛布を用いて体温を維持させた。注入と手
術の開始から約5時間後、動物をパブロフ三角布に乗
せ、パラアミノ馬尿酸(PAH)の0.5%溶液を、末端大動
脈カテーテルに、ハーバード(Harvard)ポンプを用い
て0.7ml/分の速度で注入した。色素を注入して40分後
に、動脈および静脈試料を同時にアミノ酸およびPAH濃
度測定用に10分間隔で採取した。次いで、カテーテルを
流し、ヘパリンで満たした。動物を一定に管理するため
にパブロフの三角布中に保ち、注入開始後の24時間、後
脚と臀部の流量試験を繰り返した。この時点で、初めの
24時間尿の捕集を止め、再び手短に一般的麻酔をかけ、
先に生検を行っていない脚の経皮的な後脚の生検を行っ
た。次いで、静脈注入を止め、次の24時間の試験用に動
物を代謝ケージ中に入れた。
注入用溶液 全溶液を4ml/分/kgの割合で注入した。5匹の対照群動
物には0.9%生理食塩水を与えた。BCCAを3つの異なる
濃度(全アミノ酸に対し11%、22%又は44%)で含有し
たアミノ酸溶液(第V表)を、標準的な8.5%アミノ酸
調製液、フレアミンIII(FreAmineIII)[アメリカン・
マックガウ(American McGaw)、アーヴィン、カルフォ
ルニア]にアミノ酸を加えて調製した。全BCAA注入の投
与速度は、それぞれ0.46、0.92及び1.84g/24時間/kgで
あった。3つのアミノ酸溶液の全ては、バリン、ロイシ
ン、イソロイシンが一定の割合(1:1.38:1.05)のイソ
ニトロ性であり約0.625g/24時間/kgで窒素を与えるもの
であった。9匹の動物に、2.13%フレアミンIII中に非
必須アミノ酸(NEAA)の混合物を溶解し、0.624g/24時
間/kgで窒素を与える溶液にして作成した11%BCAA溶液
を投与した。6匹に於けるNEAAはL−グルタミンだけか
らなり、3匹に於けるNEAAはフレアミンIIIに見い出さ
れるNEAA(アラニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジ
ン、セリン及びプロリン)の全ての混合物(フレアミン
IIIと同じ割合)からなっていた。6匹の動物には4.25
%フレアミンIIIだけ(BCAA22%)を投与した。最後の
7匹の動物に、十分量のBCAAを加えて44%溶液にした2.
13%フレアミンIIIを投与した。この最後の調製液を、
L−グルタミンのみ(n=4)又はフレアミンIIIに見
い出されるNEAAの混合物(n=3)のNEAAを加えること
によりイソニトロ性にした。全ての溶液を0.22uM濾過器
[ミリポア(Millipore)、ミリス、MA]に通して滅菌
し、投与する前に4℃で一晩保存した。各溶液の試料
(10ml)を注入の最後の時点で取り出し、マクロ−ケー
ルダール(macro−Kjeldahl)法による窒素の分析用に
−20℃で保存した。
血液、組織、及び尿の試料の調製及び分析 全血液及び血漿試料を、等量の氷冷10%過塩素酸(PC
A)を加えた後、7000rpm、4℃で20分間遠心分離して脱
タンパク質処理した。上清の標本(2ml)を、0.2M酢酸
ナトリウム緩衝液(0.3ml)を用いて緩衝化し、5N水酸
化カリウムを用いてpH4.75−4.90に調節し、蒸留水で最
終容量4mlにし、再び遠心分離にかけた。得られた上清
を後のバッチ分析するために−20℃で保存した。
筋肉生検(バイオプシー)法の間、組織を切除した時間
にストップウォッチを作動させた。筋肉を切開し、脂肪
及び結合組織を遊離させ、2つの等分でない部分に分割
した。各試料の重量を1分間15秒の間隔で多数回記録
し、時間に対してプロットした重量の最も適当な直線回
帰から時間=0に於ける最初の筋肉の湿重量を算出し
た。小さい方の試料(約15〜20mg)をオーブン(90℃)
で乾燥させ一定の重量にして石油エーテルで抽出した
後、乾燥した無脂肪の固形物重量を算出した。次いで、
試料を1N硝酸(250ml)に浸漬し、半自動滴定装置(ラ
ジオメーター(Radiometer)、コペンハーゲン)を使用
して硝酸銀滴定によって塩化物の含有量を測定した。血
漿の塩化物も同様の方法で測定した。次いで、細胞内及
び細胞外の水分を、公知の塩化物方法で算出した。2番
目の筋肉試料(約80〜100mg)の重量を測定し、氷冷PCA
(5ml)にホモジネートした[ポリトロン細胞粉砕機(P
olytron homogenizer、ブリンクマン(Brinkmann)、ウ
ェストバーリー、ニューヨーク)を使用]。このホモジ
ネートを遠心分離にかけ、血液及び血漿の項で記載した
ように、上清に緩衝液を加えてpH4.75〜4.90に調節する
ことで、分析用に上清を調製した。
全血、血漿、及び筋肉細胞内のグルタミン並びにグルタ
ミン酸濃度を、ランドらの方法[Lund、P.「グルタミナ
ーゼ及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼによるL−グル
タミン検定」、酵素分析法、ベルグマイヤー(Bergmeye
r HU)編、4巻、ニューヨーク:アカデミック・プレス
(Academic Press)1719−1722(1974)]を改良した酵
素的微量蛍光測定法、又はO−フタールアルデヒドを用
いて予備カラム誘導[スミス(Smith,R.J.)らの「逆相
高速液体クロマトグラフィーによる生体液中アミノ酸の
O−フタールアルデヒド誘導体の自動分析」、J.Liq.Ch
romatog、、1783−1795(1985)]させた後、自動高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定した。
この2つの方法により同等の結果が得られた。プロリ
ン、シスチン及びリジンを除く他のアミノ酸を同様のHP
LC法によって測定した。動脈血及び静脈血中のPAH濃度
を、5%トリクロロ酢酸を用いて除タンパクした後、分
光光度分析により測定した[ミュルバッハー(Muhlhach
er F.)らの「骨格筋のグルタミン代謝に対する糖質コ
ルチコイドの効果」、Am.J.Physiol.、247、E75−E83
(1984)]。
24時間の注入の間に排泄された尿を閉鎖尿ドレナージ系
に捕集し、酸性にして冷凍した容器に保存した。マクロ
−ケールダール法によるその後の窒素のバッチ分析用
[ペーター(Peter J.P.)らの「全及び非タンパク質窒
素」、Quantitative Clinical Chemistry、II巻、516−
538、ボルチモア:ウィリアムス&ウィリアムス(Willi
ams&Williams)(1932)]に部分標本を−20℃で保存
した。その他のタンパク質を遠心分離(2000rpm、10分
間)にかけ、後のテクニコン(Technicon)自動分析機
[タリータウン(Tarrytown)、ニューヨーク]による
尿素及びクレアチニンの分析用に凍結した。
算出及び統計的分析 後脚と臀部の血液流量を公知の方法[ミュルバッハー,
F.ら、既述]により算定した。各アミノ酸の流量速度
は、血液流量と動静脈濃度の差との積として算出した。
試料の3セットを各時点で取り出し、各セット毎の流量
を算出し、3つの値の平均を検定した。全アミノ酸窒素
流量、並びに血漿、全血及び細胞内窒素濃度を、測定し
た全アミノ酸の窒素群の和のミリモルとして算出した。
骨格筋遊離細胞内アミノ酸濃度を細胞内水分の1リット
ル当たりで表した。
標準的な統計パッケージ[ミニタブ(Minitab)、ペン
シルバニア州立大学、州立カレッジ、PA、1983]を使用
し、統計的処理を行った。結果を「平均±標準誤差(SE
M)」で表した。対及び非対スチューデント(Student′
s)T−検定を適当に使用した。重群比較には分散解析
を使用した。回帰分析は最小2乗法を使用して行った。
結果 ペントバルビタールNaを投与した直後、即ち静脈注入を
開始する前に死亡した1匹の犬を除いては、全ての動物
がこの手術中に生きていた。手術中の血液損失は一様に
最小であった。22%BCAA群の動物に於ける24時間目の静
脈カテーテルのひとつを除いて、全試料カテーテルを6
及び24時間の時点で開通した。
6時間目の後脚と臀部の血液流量は生理食塩水の対照群
では36.1±6.8ml/分/kgであり、それは処理に作用され
なかった(11%BCAA、33.3±4.9;22%BCAA、42.4±8.8;
44%BCAA;28.7±3.5:有意差なし)。24時間目の流出は
変化無かった(それぞれ57.9±10.2、38.6±8.2、54.9
±6.5、49.7±13.2)。24時間目に於ける高流出率及び
増加したばらつきの傾向は、麻酔から覚めた動物の運動
作用が増大することに原因があるようである。
尿窒素排泄及び窒素平衡 手術後に排泄された尿量は4つの処置群で同様であった
が、生理食塩水だけを投与した犬は比較的少ない量の尿
を排泄する傾向があった(第VI表)。生理食塩水の投与
群に於ける尿窒素排泄は、平均0.492±0.20g/24時間kg
であった。アミノ酸処理動物は、生理食塩水群よりも35
−65%多い窒素を主に尿素の形で排泄した。22%BCAA溶
液を注入した犬は、11%又は44%BCAA群よりも有意に少
ない量の尿素窒素及び有意に少ない総窒素しか排泄しな
かった。クレアチニン及びアンモニアの排泄は、全群同
様であった。
血液尿素窒素及び血漿クレアチニンを、手術前と手術後
に全群から選んだ動物で測定した。術前は、これらの濃
度は全動物で正常であり、術後は若干低下したか又は変
化しなかった。このように、尿素の尿中排泄率は尿素産
生率と類似しており、11%及び44%BCAA溶液を与えた動
物に見られる高度な尿素産生は、バランスのとれたアミ
ノ酸混合物にBCAA又はNEAAを添加することで供された過
剰の窒素と有意に関連していた(p<0.05)。
窒素平衡はアミノ酸投与に対し、それ程、負ではなく、
注入したアミノ酸窒素の約50%が保持されていた。窒素
摂取量はアミノ酸を与えた全動物で同一なので、既述し
た窒素排泄の変動は窒素平衡を反映するものであった
(第VI表)。従って、22%のバランスのとれたアミノ酸
溶液を投与した動物は、11%又は44%BCAAを含有した犬
よりも有意に多い窒素の滞留を示した。
全血中アミノ酸濃度 生理食塩水処理動物では、全血中アミノ酸窒素は術後6
時間で低下したが、24時間までには術前の正常値にまで
回復した(第VII表)。
この一過性の低アミノ酸血症は殆ど非必須アミノ酸(グ
ルタミン、アラニン、アルギニン、セリン及びアスパラ
ギン)濃度の低下に因るものであったが、幾つかの必須
アミノ酸(スレオニン及びチロシン)も有意に低下して
いた。これに対し、アミノ酸注入した動物では、全血中
アミノ酸濃度は術後6時間でも維持された。この濃度
は、24時間までに術後対照群濃度を上回って上昇した
(p<0.05)。
アミノ酸注入した動物の特効あるアミノ酸の血中濃度
は、注入された溶液の組成物を反映していた。例えば、
BCAA濃度は6及び24時間に於けるBCAA投与の速度と相関
した(第2図)。一般に、全血中グルタミン濃度は6時
間では、術前濃度より低下している(第VII表)。例外
はグルタミンを多量に含む11%BCAA溶液を投与した群で
あり、その群では血中グルタミン濃度が維持されてい
た。これらの動物では、グルタミンが非必須窒素の1/2
以上を構成し、全アミノ酸分布の40%以上を占めてい
た。グルタミン含有の注入をした動物は24時間までに、
グルタミンの血中濃度が正常より高い傾向を示した。
骨格筋の細胞内遊離アミノ酸 生理食塩水処理動物に於いて、細胞内遊離アミノ酸窒素
は、術前濃度と比較した場合、術後24時間までに有意に
低下した(第VIII表)。
この変化は、全細胞内遊離アミノ酸プールの大部分を構
成する細胞内グルタミンの顕著な低下に殆ど(65%)原
因があった。アミノ酸注入した動物では、細胞内窒素は
維持されていたが、グルタミンを含まない11%BCAA溶液
を投与した動物に於いては細胞内グルタミンは低下し
た。細胞内グルタミンは、グルタミンを多量に含む溶液
を投与した動物では増加する傾向を示し、BCAA濃度はBC
AA注入速度に比例して増加した。
後脚と臀部のアミノ酸流量 生理食塩水処理動物では、術後6時間に後脚と臀部から
アミノ酸が正味、放出された(第IX表)。この増加した
アミノ酸放出は、BCAAを含む、測定する殆どの全アミノ
酸の促進された放出を反映するものであった。この時点
に於いては、グルタミン酸及びアスパラギン酸だけが、
後脚と臀部に於ける平衡を維持しているアミノ酸であっ
た。術後24時間では、後脚と臀部のアミノ酸窒素の放出
速度が低下したが、非常にばらつきがあり、殆ど全ての
アミノ酸に関する動静脈の差は「0」と区別がつけられ
なかった。この時点でもグルタミンの放出は持続してい
た。
アミノ酸注入した全群の動物では、6時間目の後脚と臀
部のアミノ酸窒素放出は類似しており、生理食塩水処理
動物よりも有意に少なかった(p<0.05)。6時間目に
於けるグルタミン及びアラニン放出は共に、生理食塩水
の対照群よりもアミノ酸投与した動物群のほうが少ない
傾向を示した。生理食塩水注入動物では、6時間目にBC
AAが放出されたが、アミノ酸注入された犬ではこれらの
アミノ酸は取り込まれた。BCAAの後脚と臀部に於ける取
り込みは、BCAA投与の速度(第3表)、及び全BCAA濃度
(第4表)と相関していた。
24時間目に於ける後脚と臀部のアミノ酸窒素の放出は、
全アミノ酸注入群と類似しており、6時間目と変わらず
同様であった。24時間目の後脚と臀部の変化は、若干、
正であり、22%及び44%BCAA群において大きい傾向を示
した。この時点ではBCAAの取り込みはBCAAの血中濃度及
びその投与速度とは相関がなかった。
BCAA注入、BCAAの後脚と臀部に於ける取り込み及び後脚
と臀部に於けるアミノ酸窒素放出との関係 生理食塩水注入犬に於ける6時間目の後脚と臀部BCAA放
出は、促進したアミノ酸流量と関連があった。アミノ酸
注入した動物では、後脚と臀部に於ける窒素平衡はBCAA
の取り込みと相互に関連していた(第5図)。生理食塩
水の対照群は、窒素を投与していなかったので、この分
析には加えなかった。対照群動物を加えると、より大き
な正の勾配の回帰線になったであろう。この相互関係
は、BCAA流量を後脚と臀部に於けるアミノ酸窒素流量の
合計に加えなくても維持していた(p<0.02、r=0.4
9)。このように、BCAA流量を抜いた窒素流量もBCAAの
取り込みと関連していた。窒素流量は、全BCAAの血中濃
度又はBCAA投与の速度と相互に関連しなかった。これら
の関係は24時間の時点には起こらなかった。
6時間目の後脚と臀部に於けるアミノ酸窒素放出も、細
胞内の遊離アミノ酸窒素プールの変化と相関していた
(第6図)。細胞内グルタミンの変動は、全遊離アミノ
酸窒素プールの変化と緊密に関連しており(p<0.00
1、r=0.09)、従ってグルタミン・プールの変化も、
後脚と臀部に於ける窒素流量と有意に関連していた(p
<0.05、r=0.66)。これらの数学的関係は、後脚と臀
部のアミノ酸窒素流量を細胞内窒素プールの変化に対し
補正すれば維持された。流量及びプールの測定を異なる
時点で行ったので、細胞内アミノ酸プールの2つの異な
る変化率を仮定してこの補正を行った。最初に、細胞内
プールの変化は術後6時間目にまず起こるものと仮定し
た。又は、この変化は24時間にわたり一定の割合で起こ
るものと仮定した。これらの補正はいづれも、細胞内窒
素プール及びアミノ酸窒素流量間の変化の関係を崩さな
かった。
BCAA取り込みは、6又は24時間目に於ける後脚と臀部か
らの増加したグルタミン放出に関係しなかった。また、
BCAA取り込みは、骨格筋の細胞内遊離アミノ酸プールに
起こる変化とも関係しなかった(r=0.11、有意差な
し)。後脚と臀部に於ける窒素流量は推定できず、デー
タのばらつきの殆どは、BCAA6時間目の流量、及び遊離
アミノ酸窒素プールの変化を使用した場合に起こると考
えられた。この関係は、以下の式で示される: Y=−9.58+0.27X1+3.02X2 [式中、Y=6時間目に於けるアミノ酸窒素流量(umol
/分/kg) X1=6時間目に於けるBCAA流量(umol/分/kg) X2=骨格筋の細胞内遊離アミノ酸窒素に於ける変化(術
後−術前、mmol/L/24時間)を示す。
n=22、p<0.05、r=0.86] ディスカッション 麻酔イヌでの標準化された腹式結腸切開術では、重篤な
病気のヒトにおいてみられる異化応答の多くが開始して
いることが示された。尿中窒素排出量によって測定され
る総体内タンパク質異化(分解代謝)作用が増大する。
生理食塩水を摂取した対照動物では、術後、最初の24時
間以内に、約12〜15gの窒素が排泄される。このモデル
よりも以前に行われた研究では、食物を摂取しているに
も拘わらず、外科手術を行った後3日間は、窒素バラン
スが負(ネガティブ)になっていることが示された。カ
パディアら(Kapadia,C.R.)「手術のストレスおよび食
物はく奪に対する応答におけるグルタミン代謝の変化
(Alterations in glutamine metabolism in response
to operative stress and food deprivation)」、Sur
g.Forum,33:19−21(1982)。他方、一対の擬給食術を
受けた(pair−fed−sham−operated)動物において
は、術後第1日目に窒素平衡が得られた。尿中窒素量の
減少と一致し、また、その一因として、後脚および臀部
からの総アミノ酸窒素放出量は、術後6時間目で、一夜
絶食させた対照動物の6〜8倍に達することが認められ
た[ムールバッカーら(Muhlbacker,F.)、前掲]。生
理食塩水処理イヌでのその他の変化(例えば血中および
骨格筋中のアミノ酸濃度の減少)は、既報の、ヒトにお
ける異化状態にみられる変化と同様である[アスカナジ
ら(Askanazi,J.)、「外傷後の筋肉および血漿中アミ
ノ酸:介入性感染の影響(Muscle and plasma amino ac
ids following injury:influence of intercurrent inf
ection)」、Ann.Surg.,192:78−85(1980)]。この様
に、イヌを用いたモデルは、重篤な状態のヒトにおける
変化と同様の術後応答を示すので、このモデルは、外因
性アミノ酸の、窒素代謝および骨格筋でのアミノ酸交換
に対する作用を調べる上で適切なものといえる。
生理食塩水処置動物での後脚および臀部からのアミノ酸
窒素放出は、術後6時間で著しく増加した。これは、骨
格筋の全てのBCAAの総放出量と関連していた。同時に、
全血中BCAA濃度が変化していないことは、内臓器官での
BCAAの消費が、骨格筋からの放出の増加と、ほぼ等量で
あることを示唆している。アミノ酸を摂取している動物
では、後脚および臀部からの総アミノ酸放出量は減少
し、全血および全骨格筋中の窒素プールは維持され、後
脚および臀部は、BCAA放出器官から、取り込み器官に変
換された。BCAA、さらに詳しくはロイシン、の取り込み
は、骨格筋からのグルタミン放出と関連していなかっ
た。
本研究は、骨格筋からのアミノ酸の放出、即ち、筋タン
パク質の総ターンオーバー(代謝回転)が、2種の独立
した測定によって予測し得ることを明らかにするもので
ある。それは、骨格筋の血管床を通過するBCAAの異常流
出速度、並びに、骨格筋における遊離アミノ酸プール中
の窒素濃度である。グルタミンは遊離プール中に最も多
量に存在するアミノ酸である故に、その中での濃度変化
で、全プールにおける変化を大体、決定できる。実際、
遊離グルタミンにおける変化から全遊離アミノ酸の変化
と同様、筋肉の窒素バランスが予測される。
実施例6 小腸切除後の、グルタミン豊富化飼料の小腸
に及ぼす影響 緒言 部分切除後の小腸の補償的成長には、腸壁の全外膜の増
殖も含まれるが、最も顕著なのは絨毛の過形成である。
残存腸管の拡大および伸長には、絨毛の長さと凹窩の深
さの増加を伴う[ウィリアムソン(Williamson,R.C.
N.)、「腸のアダプション(Intestinal Adaptio
n)」、N.Engl.J.Med,298:1393−1444(1978)]。小腸
切除術は、適応性の形態上および機能上の変化をもたら
す。経口摂取が、小腸切除後の過形成に対する重大な刺
激となることが分かった[レビンら(Levine,G.M.)、
「小腸切除、経口摂取が過形成の刺激剤(Small−bowel
resection,oral intake is the stimulus for byperpl
asia)」、Dig.Dis.,21:542−545(1976)]。粘膜の正
常な成長を維持する上で内臓の栄養が重要であり、小腸
切除後に経口摂取が維持されなければ、残りの腸は重量
減少と形成不全を来す。小腸切除後で、短い腸を有する
患者は非経口的な栄養によって支えられている;彼らの
生存は、残存する腸システムの適応能力にかかってい
る。基本食(エレメンタルダイエット)と非経口的栄養
物の使用は、腸の適応性が発達するまでに長時間を要
し、経口摂取の完全な回復を遅れさせる[ウエスター
(Wester,E.)「小腸切除患者の管理(The management
of patients after small bowel resection)」、Gastr
oenterology,71:146−150(1976)]。
グルタミンは腸細胞にとって重要な燃料であり、外科的
ストレスを受けた後に、その腸による利用の増加がみら
れる[ソウバら(Souba,W.W.)、胃腸管を横切るアミノ
酸の動静脈交換の、術後における変化(Portoperative
alteration of arteriovenus exchange of amino acids
across the gastrointestinal tract)」、Surgery,94
(2):342(1983)]。グルタミンは局所栄養因子とし
て作用し、腸の過形成の発展に際して粘膜の増殖を促進
するよう作用するのかもしれない。本研究では、基本食
に対するグルタミンの添加が、小腸の準、全切除後にお
ける適応および回復に何らかの利益をもたらすものであ
るか否かを調べた。本研究は、2/3の小腸を除去した
後、グルタミンを豊富化した基本食でラットを飼育する
ことで企画された。残存する腸の粘膜適応性を、対照食
群と、擬似給食術(sham−operated)を受けた群におけ
るそれと比較した。
材料および方法 体重175〜200gの雄性ウイスター(wistar)ラットを、
チャールス・リバー・ブリーディング・ラボラトリィ
(Charles River Bleeding Laboratories)、Inc.から
購入し、5日間順応させた。ラットには、水およびプリ
ナ・チャウ(Purina chow)食を自由に摂らせた。個別
の鑑に入れ、隔日に重さを測定した。順応期間経過後、
正常な体重増を示すラットを無作為に4群に割当てた。
研究初日に、ペントバルビタール(50mg/kg)の腹腔内
注入によりラットを麻酔した。正中切開で開腹し、トラ
イツ靭帯から回盲弁までの、全長に亙る小腸を取り出
し、伸長させずに、黒糸で2回、その長さを測った。2
回の測定の平均値を求めた。次いで、ランベルト(Lamb
ert,R.)の方法[「ラットにおける消化系の外科学(Su
rgery of the digestive system of the rats)」、チ
ャールズ(Charles)C.トーマス(Thomas)、スプリン
グフィールド、イリノイス、pp32〜35、413−416(196
5)]に従ってトライツ靭帯から5cm離れて始まる小腸の
2/3を切除した。切除した縁を、6−0プロレン(prole
ne)で、端と端の吻合で処置した。腸を腹部に戻し、2
−0プロレンで腹壁を閉じた。対照群は、トライツ靭帯
から5cm離れた位置を始点として測定される小腸の全長
の2/3を、離れた部位で横断面切断し、再吻合すること
からなる擬似給食術で処置された。ラットを個別に鑑に
入れ、術後第1日目には水を吸わせた。
術後第2日から経口食物摂取を開始した。第I群のラッ
トには、グルタミン豊富化(4.18%)基本食を経口的に
与え、第II群のラットには、グリシンを豊富化(4.18
%)した基本食を与えた。第I群のラット(切除ラッ
ト)と第IV群のラット(擬似給食術ラット)には、通常
のチャウ(Chow)食を与えた。7日間飼育を続け、収穫
の日まで毎日、体重を記録した。
グルタミン基本食およびグリシン基本食の調製 基本食[NBCo バイオケミカルス(Biochemicals),In
c.、クリーブランド、オハイオ]は、コリンクロライド
0.2%、コーン油10%、デキストリン−ホワイト46.9
%、スクロース23.4%、塩類混合物5%、ビタミンミッ
クス0.5%並びに17種類の必須および非必須アミノ酸9.8
2%を含有している。グルタミン末またはグリシン末を
この基本食に加えてグルタミンまたはグリシンが41.8%
豊富化された基本食を作る(即ち、全アミノ酸の28
%)。
収穫法 飼育7日後にラットを殺した。ラットにペントバルビタ
ール(50mg/kg)を腹腔内投与して麻酔した。開腹し、
胸部腔まで切開部を広げた。血中アンモニア量と血漿中
グルタミンレベルを測定するために、左心室から5mlの
血液を穿刺採取した。血液採取直後に腸を取った。注意
深く腸の漿膜に接近させながら腸間腹を除いて小腸を全
摘出した。摘出した腸を4.5gの固定した張力で吊り下
げ、9点にマークをつけた。腸切除術を受けたラットに
ついては、吻合部から近位へ5、10および12.5cmの位置
(近位空腸と遠位十二指腸を表わす)、吻合部から遠位
へ2、5および10cmの位置(残存する吻合部に近接した
回腸を表わす)、並びに回盲弁から近位へ5、10および
15cmの位置(残存する遠位回腸を表わす)に、腸を通過
する真直なピンで印を付けた。6個の腸セグメントを分
離した。擬似給食術を受けたラットについては、トライ
ツ靭帯から遠位1cmの接近した2セグメントにマークを
付し、上方に向けて測定した。セグメント1a、2aおよび
3aを冷たい生理食塩水で洗浄し、10%緩衝化ホルマリン
中に4時間浸漬した後、70%エタノール中に移して固定
化した。セグメント1b,2bおよび3bを生理食塩水で洗浄
し、内腔を開いて湿重量を秤量した。腸セグメントを冷
生理食塩水5ml中に移し、鋭利なハサミで細かく切り刻
んだ。ポリトロン(Polytron)ホモジナイザー[ブリン
クマン・インスツルメンツ(Brinkman Instruments)ウ
ェストバレィ、NY]を用い、50秒間の処理を2回行った
後、ソニケーター[ヒートシステムラボラトリィズ(He
at system Laboratories)プレーンビュー、NY]を用
い、出力のセッティングスで30秒間音波処理することに
より、ホモジネートを調製した。DNA分析およびタンパ
ク質分析のための生理食塩水ホモジネートは−30℃で保
存された。
分析法 ローリーらの方法[Lowry,O.H.「フオリンフェノール試
薬を使ったタンパク質の測定」、J.Biochem.193:265−2
75(1951)]に従って腸ホモジネートの総タンパク質を
分析した。DNAはバートンの方法に従って測定した[Bur
ton,K.「デオキシリボ核酸の比色定量のためのジフェニ
ルアミン反応の条件とメカニズムの研究」、Biochem,6
2:315−323(1965)]。組織片をパラフィンに包埋し、
ヘマトキシリンとエオシンで染色し、40倍の光学顕微鏡
下で検査した。20本の代表的な、高い、良好な方向性の
完全な絨毛を選び、接眼レンズマイクロメーターを使っ
て粘膜の厚さおよび絨毛の高さを測定し、平均値を求め
た。40倍倍率視野の中央水平線に置いた腸について絨毛
の数をカウントした。
結果 第7図は、グルタミンを補充した食餌により、高い血漿
中グルタミン濃度が得られることを示している。重量/c
mの測定に基づく(第8図)と、グルタミン補充食餌
(+GLN)とグルタミンを含まない食餌の間にはわずか
しか差異がなく、共に通常の食餌より腸の肥大は少ない
ようであった。しかしながら、粘膜の厚さ(第10図)お
よび絨毛の高さ(第11図)の測定により腸粘膜を調べた
ところ、グルタミン補充食餌の方が優れていることがわ
かった。
実施例7 グルタミン強化した非経口的栄養物を使用する小腸粘膜
の保存 非経口的栄養は、小腸の粘膜萎縮を来す[ジョンソン等
(Johnson,L.R.et al.)、Gastroenterology68:1177−1
183(1975)]。この応答は、胃腸分泌液および栄養ホ
ルモンの減少、そしてまた腸細胞の増殖に必要な特異栄
養物の相対的欠如に関連している。グルタミンは小腸の
ための主要な酸化燃料であるが、通常の非経口溶液には
含まれていない。食餌グルタミンの影響を調べるため
に、種々の濃度のこのアミノ酸を強化した非経口溶液の
投与に対する小腸の応答を評価した。
材料および方法 管理した雄性ウイスター・ラット(n=42、体重210−2
30g)に頚静脈カテーテル挿入し、非拘束動物に長期間
注入することを可能とする回り継ぎ手部品を取り付けた
[バート等(Burt,M.E.et al.)、J.Phisiol.238:p599
−603(1980)]。全てのラットを別個の代謝ケージに
入れ、飲み水を自由にとらせた。対照群動物に0.9%生
理食塩水を注入し、ピュリナのラット用食餌を自由にと
らせた。3群のラットに静脈内栄養を投与した。全ての
栄養溶液は、等窒素含有量(0.9g窒素/100ml)および等
カロリー(98kcal/100ml)であり、等濃度の必須アミノ
酸、非必須アミノ酸およびデキストロースを含有してい
た。0.2または3g/100mlのグルタミン濃度を得るため
に、各溶液の非必須アミノ酸成分を調節した。非経口溶
液を48ml/24時間の速度で注入した。尿排出量および窒
素の排出を毎日調べた。非経口栄養の7日後に動物を殺
し、グルタミンおよびアンモニアの濃度を測定するため
に血液を採取した。腸の限定された部分から共に最大厚
さの空腸切片および粘膜試料を採取した。全ての試料を
秤量し、ホモジネートのDNAとタンパク質を分析した。
5μm厚さの組織パラフィン切片を調製した。空腸の絨
毛の高さ、数および粘膜厚さを無作為に測定した。
結果およびディスカッション 経口的に食餌を与えた対照群に比較すると、静脈内栄養
を投与した全てのラットにおいて湿重量、DNA、タンパ
ク質および絨毛高さが減少した(第10表)。グルタミン
を含有している溶液の注入後、血漿中グルタミン濃度は
増大した。グルタミンを含有していない溶液を与えたラ
ットに比較すると、空腸粘膜重量は有意に増加した。最
大厚さの空腸重量はグルタミン摂取につれて増加する傾
向があったが、この応答は統計的に有意ではなかった。
2および3%濃度でグルタミン注入した後、粘膜および
最大厚さの空腸のDNAは共に増加した。これらの変化
は、粘膜生長の組織学的微候を伴った。絨毛高さおよび
粘膜厚さは、投与量に依存し、投与されたグルタミンの
量に比例して増大した。全ての動物は正の窒素平衡にあ
ったが、2%グルタミン溶液を投与したラットは試験を
通して最大量の窒素を保持していた。
動物に静脈内栄養を維持する場合、非経口溶液にグルタ
ミンを添加すると、空腸粘膜重量、DNA含量および絨毛
高さの増大を生じる。小腸の粘膜量の増加は小腸機能を
改善し、腸内栄養の取り込みを促進し得る。グルタミン
は、従来の通常非経口溶液中に含まれていない粘膜支持
に必要な栄養物となり得る。
実施例8 5−フルオロウリシル処理後のグルタミン強化非経口的
栄養の影響 非経口的食餌の間、栄養溶液にアミノ酸、グルタミン
(GLN)を添加すると、腸の細胞充実性を有意に高め
る。損傷後の粘膜再生に対するGLNの影響を評価するた
めに、非経口的栄養(PN)を与えているラットに5フル
オロウリシル(5FU)を投与した。頚静脈カテーテル挿
入した後、雄性ウイスター・ラット(n=40、体重200
−230g)にGLN含有(+)または不含(−)の等窒素含
有等カロリー溶液を連続注入した。PNの開始時(短期)
の24匹の動物および処置までに5日間PNを与えた(長
期)別の16匹の動物(150mg/kg)に漸増用量(0、10
0、150mg/kg i/p)で5FUを投与した。収穫時、即ち5FU
投与の4日後に、WBC、Hb、血小板および血漿中GLNを測
定し、空腸試料を秤量し、DNAおよびタンパク質につい
て分析し、組織切片を調製した。結果の1部を示す(平
均値±SEM、*p<0.05、**p<0.025、−GLNと比
較)。
5FU処置は、腸重量、DNAおよびタンパク質を減少させ
た。通常溶液を与えた動物に比較すると、GLNを与えた
ラットは有意に大きい粘膜量を有していた。GLNの添加
は、長期の動物において生存が増すことに関連してい
た。栄養溶液にGLNを添加することは、小腸の細胞充実
性を改善し、5FUの胃腸毒性を緩和する。この様な治療
は、胃腸壁防御を害している患者の罹病率および死亡率
を減少させることができる。
本発明を十分記述してきたので、当業者には今や本発明
の精神または範囲を逸脱することなく多数の変法および
改良法を行い得るということが容易に明らかとなるであ
ろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィルモア,ダグラス・ダブリュ アメリカ合衆国マサチュ−セッツ02146、 ブルックライン、ロックウッド・ストリー ト125番 (56)参考文献 特開 昭59−27822(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】_グルタミンまたはその類縁体を必須成分
    として含有する、骨格筋および腸粘膜の萎縮症の_治療
    用医薬組成物。
  2. 【請求項2】非経腸投与または経腸投与用である第1項
    に記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】静脈投与用である第2項に記載の医薬組成
    物。
  4. 【請求項4】皮下投与用である第2項に記載の医薬組成
    物。
  5. 【請求項5】筋肉内投与用である第2項に記載の医薬組
    成物。
  6. 【請求項6】鼻咽頭内投与用である第2項に記載の医薬
    組成物。
  7. 【請求項7】粘膜吸収用である第2項に記載の医薬組成
    物。
  8. 【請求項8】経皮吸収用である第2項に記載の医薬組成
    物。
  9. 【請求項9】食餌添加物として投与される第2項に記載
    の医薬組成物。
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