JPH079312A - 小径深穴の加工方法およびその加工工具およびその加工工具を有する加工機械 - Google Patents

小径深穴の加工方法およびその加工工具およびその加工工具を有する加工機械

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JPH079312A
JPH079312A JP15166893A JP15166893A JPH079312A JP H079312 A JPH079312 A JP H079312A JP 15166893 A JP15166893 A JP 15166893A JP 15166893 A JP15166893 A JP 15166893A JP H079312 A JPH079312 A JP H079312A
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JP
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hole
tool
diameter
workpiece
cutting tool
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JP15166893A
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Inventor
Kiyozumi Fukui
清純 福井
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Nabtesco Corp
Original Assignee
Teijin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、小径深穴の加工方法およびその加工
工具およびその加工工具を有する加工機械に関し、ボー
リングや研削加工によって真円で真っ直ぐな穴を高精度
に加工することができる小径深穴の加工方法およびその
加工工具およびその加工工具を提供することを目的とし
ている。 【構成】被加工物52の穴Aの入口側に、穴Aとガイドプ
レート53の穴53aとの軸中心が略一致するようにしてガ
イドプレート53を取付け、次いで、刃具2および油溜ま
り4、5をガイドプレート53の穴53aに挿入した後、流
体を油溜まり部4、5に供給し油溜まり部4、5とガイ
ドプレート53の穴53aとの間に静圧軸受を構成し、次い
で、刃具2を被加工物52の穴Aに進入させて該穴Aを最
終形状の加工穴Bに加工する際に該穴Bと油溜まり4、
5の間に静圧軸受を構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小径深穴の加工方法お
よびその加工工具およびその加工工具を有する加工機械
に関し、詳しくは、被加工物に直径が小さく、深さが該
直径よりも大きい小径深穴を高精度に加工することがで
きる小径深穴の加工方法およびその加工工具およびその
加工工具を有する加工機械に関する。
【0002】
【従来の技術】被加工物に直径が小さく、深さが該直径
よりも大きい小径深穴、例えば、直径6〜12mmで、該直
径の10〜20倍の深さを有し、真円度が数ミクロン以下の
穴を加工する方法としては、以下に示すような種々の方
法が採用されている。 被加工物に下穴を形成した後、リーマ通しを行ない、
次いで、被加工物を焼き入れ焼き戻しした後、ホーニン
グまたはハンドラップ仕上加工をする。 先端部に刃具を有する長尺の工具を用いてボーリング
あるいは研削加工を行なう。 さらに、の工具の内部に刃具または刃具近傍に連通
する流体穴を設け、穴の加工時に該流体穴を通して刃具
または刃具近傍に流体を供給することにより、非穴の内
周部を冷却するとともに、潤滑性を向上させながら被加
工物に穴を加工する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
によって小径深穴を加工する方法にあっては、基本的に
遊離砥粒を使用する加工法であるから、穴の出入口、段
さ部等では相当なダレが発生して円筒度が充分に出ず、
穴の加工精度が非常に悪化してしまうという問題があっ
た。
【0004】また、上記によって小径深穴を加工する
方法にあっては、長尺の工具を用いてボーリングあるい
は研削加工を行なっていたため、工具の剛性が非常に低
く、加工穴の真円度および円筒度が悪化して穴の加工精
度が非常に悪化してしまうという問題があった。さら
に、上記によって小径深穴を加工する方法にあって
は、工具の内部に刃具または刃具近傍に連通する流体穴
を設けていたため、流体穴の加工が困難であることから
流体穴の径や長さに制限があり、小径で深い加工穴を充
分に加工することができないという問題があった。
【0005】そこで、請求項1記載の発明は、刃具の近
傍を静圧軸受で支持しながら被加工物に穴を加工するこ
とにより、ボーリングや研削加工によって真円で真っ直
ぐな穴を高精度に加工することができる小径深穴の加工
方法を提供することを目的としている。請求項2記載の
発明は、流体を供給する溝を芯部材に形成し、この芯部
材を中空部材に嵌入するとともに、刃具の近傍に被加工
物との間に静圧軸受を構成する油溜まり部を設けること
により、工具の剛性を低くしても小径で深い穴を高精度
に加工することができるとともに、工具を小径で長尺に
して穴の加工の自由度を向上させることができる小径深
穴の加工工具を提供することを目的としている。
【0006】請求項3記載の発明は、主軸装置の非回転
部に加工工具の溝に流体を供給する回転継手を取付け、
また、主軸装置を上下方向に移動させるとともに、微細
に往復動させるように該主軸装置を支持することによ
り、工具の油溜まり部に容易に流体を供給することがで
きるとともに、加工穴の内周部を精度良く仕上げること
ができる小径深穴の加工機械を提供することを目的とし
ている。
【0007】請求項4記載の発明は、加工工具の刃具が
砥石から構成される場合にはツルーイング装置により砥
石のツルーイングを行なうことにより、砥石形状を修正
して加工穴の加工精度を向上させることができるととも
に、穴の内周部を確実に鏡面で、高精度に仕上げること
ができる小径深穴の加工機械を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明は、被加工物に直径が小さく、深さが
該直径よりも大きい下穴を有する小径深穴を加工する方
法において、先端部に刃具を有するとともに、該刃具の
近傍で被加工物の加工穴に対して静圧軸受を構成する1
つ以上の油溜まり部を有する工具と、被加工物の最終加
工穴径と同径の穴を有するガイドプレートと、を準備
し、先ず、被加工物の加工穴の入口側にガイドプレート
を置き、次いで、刃具および油溜まり部をガイドプレー
トの穴に挿入した後、流体を油溜まり部に供給して油溜
まり部とガイドプレートの穴との間に静圧軸受を構成
し、次いで、刃具によって被加工物に穴を加工する際に
該穴と油溜まり部の間に静圧軸受を構成することによ
り、刃具を支持しながら被加工物の下穴を加工すること
を特徴としている。
【0009】上記目的達成のため、請求項2記載の発明
は、被加工物に直径が小さく、深さが該直径よりも大き
い下穴を有する小径深穴を加工する加工工具において、
先端部に刃具が形成されるとともに、基端部が加工機械
の主軸装置に脱着される中空部材と、該中空部材の内周
部に焼きばめまたはロー付けによって嵌入固定された芯
部材と、を備え、中空部材の刃具近傍に少なくとも1つ
以上の油溜まり部を形成するとともに、芯部材の外周部
に油溜まり部に連通する溝を芯部材に沿って形成し、中
空部材の所定箇所に形成された貫通孔から該溝を通して
油溜まり部に流体を供給することにより、加工穴と油溜
まり部の間に静圧軸受を構成することを特徴としてい
る。
【0010】上記目的達成のため、請求項3記載の発明
は、請求項2記載の加工工具を有する加工機械におい
て、被加工物および被加工物の最終加工穴径と同径の穴
を有するガイドプレートを有し、被加工物を位置決め把
持する取付具と、該取付具を回転駆動するモータと、該
取付具の上方に対向配置され、加工工具を把持して回転
させる主軸装置と、該主軸装置の非回転部に取付けら
れ、中空部材の貫通孔を通して溝に流体を供給する回転
継手と、主軸装置を上下方向に移動させるとともに、微
細に往復動させるように支持する送り装置と、を備えた
ことを特徴としている。
【0011】上記目的達成のため、請求項4記載の発明
は、請求項3記載の発明において、ツルーイング装置を
有し、加工工具の刃具が砥石から構成される場合には該
ツルーイング装置により砥石のツルーイングを行なうこ
とを特徴としている。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、先ず、被加工物の加
工穴の入口側に最終加工穴径と同径の穴を有するガイド
プレートが取付けられ、次いで、刃具および油溜まり部
がガイドプレートの穴に挿入された後、流体が油溜まり
部に供給されて油溜まり部とガイドプレートの穴との間
に静圧軸受が構成され、次いで、刃具によって被加工物
に穴を加工する際に該穴と油溜まり部の間に静圧軸受を
構成することにより、刃具を静圧軸受によって支持しな
がら小径深穴を最終形状に加工するようになっている。
【0013】したがって、加工穴の入口部の仕上げ加工
をする際、ガイドプレートの穴によって刃具近傍が静圧
軸受で支持されているので、外部荷重や自重によって穴
の曲りやダレが発生することがない。そして、この状態
で穴の加工が進むと、刃具近傍の油溜りと既に自らが仕
上げた穴が静圧軸受となり、細い深い穴の奥でも次々と
同じような剛性の高い支持条件のもとで加工が続けられ
るので、ボーリングや研削加工によって真円で真っ直ぐ
な穴が高精度に加工される。
【0014】請求項2記載の発明では、先端部に刃具が
形成されるとともに、基端部が加工機械の主軸装置に脱
着される中空部材と、該中空部材の内周部に焼きばめ等
によって嵌入固定された芯部材とから加工工具を構成
し、中空部材の刃具近傍に1つ以上の油溜まり部を形成
するとともに、芯部材の外周部に油溜まり部に連通する
溝を芯部材に沿って形成し、中空部材の所定箇所に形成
された貫通孔から該溝を通して油溜まり部に流体を供給
することにより、加工穴と油溜まり部の間に静圧軸受を
構成している。
【0015】したがって、穴の加工時に静圧軸受で刃具
が回転自在に支持されるので、工具の剛性を低くしても
小径で深い穴が高精度に加工される。また、従来のよう
に工具の内部に溝を加工する必要がないので、工具の小
径で長尺にすることができ、穴の加工の自由度を向上さ
せることができる。請求項3記載の発明では、加工工具
の溝に流体を供給する回転継手が主軸装置の非回転部に
取付けられ、また、主軸装置を上下方向に移動させると
ともに、微細に往復動させるように該主軸装置を支持し
ている。したがって、油溜まり部に流体が容易に供給さ
れるとともに、加工穴の内周部が鏡面に仕上げられ、加
工穴の加工性能の向上する。
【0016】請求項4記載の発明は、加工工具の刃具が
砥石から構成される場合にはツルーイング装置により砥
石のツルーイングが行なわれる。したがって、砥石形状
が修正されて加工穴の加工精度が向上されるとともに、
穴の内周部が確実に鏡面に仕上げられる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1〜5は請求項1〜4記載の発明に係る小径深穴の加工
方法およびその加工方法を達成するための加工工具およ
びその加工工具を有する加工機械の構成図である。
【0018】まず、構成を説明する。図1〜3におい
て、1は中空部材であり、該中空部材1の先端部にはC
BNあるいはダイヤモンド等の超砥粒から構成された砥
石からなる刃具2が形成されている。また、中空部材1
の基端部は主軸装置31の主軸32に脱着されるようになっ
ており、基端部側に成形されたフランジ1aが主軸32の
先端側に係止されるようになっている。なお、この中空
部材1は、超鋼ダイスと手製簡易ベンチによる引き抜き
加工により、最大外径が直径6〜12mm、内径が直径4〜
6mmで長さその10〜20倍程度になるように製造されてい
る。
【0019】また、中空部材1の内部には芯部材3が焼
きばめあるいはロー付けによって嵌入固定されており、
この芯部材3は手製簡易ドローベンチによる引き抜き加
工によって製造され、中空部材1との間で約0〜15μm
の温めばめにより嵌入固定されている。一方、中空部材
1の刃具2近傍には、後述するワークおよびガイドプレ
ートとの間に静圧軸受を構成する2つの油溜まり部4、
5が中空部材1の軸線方向に沿って成形されており、こ
の油溜まり部4、5は中空部材1の内部を貫通する複数
の貫通孔4a、5aおよび該貫通孔4a、5aを取り囲
むように形成された壁部4b、5bとからなっている。
【0020】また、芯部材3の外周部には複数の溝3a
が形成されており、この溝3aは芯部材3に沿って形成
され、貫通孔4a、5aに連通している。また、貫通孔
4aは油溜り4の数と同数の複数箇、貫通孔5aは油溜
り5の数と同数箇設けられている。また、中空部材1の
上部には複数の貫通孔1b、1cが形成されており、こ
の貫通孔1b、1cには加工機械30の回転継手33から油
等の流体が供給されるようになっている。そして、この
流体は溝3aを通して油溜まり部4、5に供給されるよ
うになっている。また、上述した中空部材1および芯部
材3は加工工具6を構成している。
【0021】一方、加工機械30は、中空部材1の基端部
を脱着可能な主軸32と、該主軸32を回転自在に支持する
非回転部としての支持部材34と、主軸32の上部に取付け
られたプーリ35と、該プーリ35に巻回されるとともに、
モータ41の出力軸に接続されたベルトと36と、から構成
されている。また、主軸装置31は図示しない送り装置が
備えられており、この送り装置により上下方向に移動さ
れるとともに、微細な往復動を行なうように構成されて
いる。
【0022】また、主軸32の外周部には回転継手33が摺
接されており、この回転継手33は継手止め37によって支
持部材34に固定されている。この回転継手33の内周部に
は、中空部材1の円周方向に延在するとともに、主軸32
に形成された貫通孔32a、32bに連通する環状溝33a、
33bと、一端部がこの環状溝33a、33bに連通するとと
も、他端部が配管38a、38bを介して油圧ポンプ39に連
通する供給孔33c、33dと、が形成され、油圧ポンプ39
から供給される流体は配管38a、38b、供給孔33c、33
d、環状溝33a、33bおよび貫通孔32a、32bを介して
貫通孔1b、1cに供給された後、溝3aを通して油溜
まり部4、5に供給されるようになっている。
【0023】油圧ポンプ39は流体を有するタンク40に接
続されており、モータ41に駆動されてタンク40内の流体
を配管38a、38bに供給するようになっている。このタ
ンク40内にはマグネット42が収納されており、このマグ
ネット42は後述するワークの切り屑を吸引するようにな
っている。また、配管38a、38bの途中にはフィルター
43が設けられており、このフィルター43は配管38a、38
bを通過する流体等に含まれた切り屑をろ過するように
なっている。
【0024】また、主軸装置31の下部には、取付具51が
設けられており、この取付具51は被加工物としての穴が
加工されるワーク52およびガイドプレート53を位置決め
把持するようになっている。ガイドプレート53は、図4
に示すようにワーク51に形成される最終加工穴径と同径
の穴53aが形成されており、この穴53の内径は刃具2の
外周径と略同径に形成されている。
【0025】したがって、ガイドプレート53の穴53aに
刃具2および油溜まり部4、5を挿入し、溝3aを通し
て油溜まり部4、5に流体を供給したときに、油溜まり
部4、5と穴53bとの間には静圧軸受が構成される。ま
た、取付具51はモータ55に取付けられており、このモー
タ55によって回転駆動されるようになっている。また、
図示していないが加工機械30に工具6を取付けたとき
に、刃具2が位置する箇所の近傍には公知のツルーイン
グ装置が設けられており、刃具2はこのツルーイング装
置によりツルーイングされるようになっている。なお、
図3中、56は取付具51の所定箇所とタンク40を接続する
配管であり、ワーク52の加工時の油溜まり4、5から加
工穴の内周部に供給された流体をタンク40に排出するも
のである。
【0026】次に、作用を説明する。まず、ワーク52に
予め小径で深い下穴Aを加工し、このワーク52の下穴A
の中心軸にガイドプレート53の穴53aの中心軸が略一致
するようにしてワーク52にガイドプレート53を当て付け
る。このとき、穴Aと穴53aの中心軸が一致するように
ワーク52とガイドプレート53をインロー位置決めする穴
53bを形成しておけば良い。
【0027】次いで、ワーク52およびガイドプレート53
を取付具51に取付けるとともに、工具6を主軸32を取付
ける。次いで、主軸装置31をガイドプレート53に向かっ
て下降させ刃具2および油溜まり4をガイドプレート53
の穴53aに挿入した後、モータ55および主軸装置31を回
転駆動し、工具6およびワーク52を回転駆動する一方、
モータ41によって油圧ポンプ39を駆動して回転継手33に
流体を供給する。
【0028】このため、油溜まり部4、5からガイドプ
レート53の穴53a内周に流体が供給され、油溜まり部
4、5と穴53a内周と間で静圧軸受が構成される。そし
て、刃具2は静圧軸受によって支持された状態でガイド
プレート53の穴53aによって位置決め案内され、この状
態でさらに下降することにより図5に示すように下穴A
を最終形状の穴Bに加工する。また、下穴Aを加工する
際には主軸装置31を上下方向に微細に往復動させながら
工具2を下穴Aに対して往復動させながら下降させる。
また、穴Bを加工する際に油溜まり4、5から穴Bに供
給される流体は切り屑と共に配管56を通してタンク40に
排出される。
【0029】次いで、加工が終了したときに、ワーク52
をガイドプレート53と共に取付具51から取り外し、次の
加工作業を行なう。そして、このワーク52の加工作業を
所定回数行なったときに、ツルーイング装置により刃具
2のツルーイングを行なう。このように本実施例では、
ワーク52の穴Aの入口側に、穴Aとガイドプレート53の
穴53aとの軸中心が略一致するようにしてガイドプレー
ト52を取付け、次いで、刃具2および油溜まり4、5を
ガイドプレート53の穴53aに挿入した後、流体を油溜ま
り部4、5に供給し油溜まり部4、5とガイドプレート
53の穴53aとの間に静圧軸受を構成し、次いで、刃具2
をワーク52の下穴Aに進入させて該穴Aを最終形状の加
工穴Bに加工する際に該穴Bと油溜まり4、5の間に静
圧軸受を構成することにより、刃具2を静圧軸受によっ
て支持しながら小径深穴を加工するようにしているた
め、下穴Aの入口部をガイドプレート53の穴53aによっ
て予め最終形状に加工することができ、この際に該入口
部にダレが発生するのを防止することができる。そし
て、ワーク52に穴Bを加工する際に刃具2近傍を静圧軸
受で支持し、この状態で刃具2により加工穴B全体を最
終形状に加工することができるため、ボーリングや研削
加工によってワーク52に真円で真っ直ぐな穴Bを高精度
に加工することができる。
【0030】また、穴Bの加工時に穴Bの内周部に油溜
まり部4、5から流体を供給しているため、切り屑を配
管56を介してタンク40に排出することができるととも
に、ワーク52を流体により冷却および潤滑することがで
き、加工性能を向上させることができる。また、先端部
に刃具2が形成されるとともに、基端部が加工機械30の
主軸装置31に脱着される中空部材1と、該中空部材1の
内周部に焼きばめによって嵌入固定された芯部材3と、
から加工工具6を構成し、中空部材1の刃具2近傍に2
つの油溜まり部4、5を形成するとともに、芯部材3の
外周部に油溜まり部4、5に連通する溝3aを芯部材3
に沿って形成し、中空部材1の所定箇所に形成された貫
通孔1b、1cから該溝3aを通して油溜まり部4、5
に流体を供給することにより、加工穴Bと油溜まり部
4、5の間に静圧軸受を構成するようにしているため、
穴Bの加工時に静圧軸受で刃具2を回転自在に支持する
ことができ、加工工具6の剛性を低くしても小径で深い
穴Bを高精度に加工することができる。また、従来のよ
うに工具の内部に溝を加工する必要がないので、加工工
具6を小径でかつ長尺にすることができ、穴Bの加工の
自由度を向上させることができる。
【0031】また、芯部材3の溝3aに流体を供給する
回転継手33を主軸装置31の支持部材34に取付け、また、
主軸装置31を上下方向に移動させるとともに、微細に往
復動させるように該主軸装置31を支持しているため、油
溜まり部4、5に流体を容易に供給することができると
ともに、加工穴Bの内周部を鏡面に仕上げることがで
き、加工穴Bの加工性能を向上させることができる。
【0032】また、ツルーイング装置により砥石のツル
ーイングを行なうようにしているため、砥石形状を維持
することができ、加工穴Bの加工精度を向上させること
ができるとともに、穴Bの内周部を確実に鏡面に仕上げ
ることができる。なお、本実施例では、刃具に砥石を用
いているが、これに限らず、超硬等の切り刃から構成す
るようにしても良い。この場合には、ツルーイング装置
を省略しても構わない。また、本実施例では、油溜まり
部4、5を2つ設けているが、これに限らず1つ以上で
あれば良い。但し、本実施例のように油溜まりを2つ設
ければ、1つの油溜まり部が何等かの原因で静圧軸受と
して機能しない場合、または加工穴に切欠きミゾがあ
り、1つが静圧軸受として機能しない場合、残りの1つ
によって静圧軸受としての機能を発揮させることがで
き、加工作業の作業性が悪化するのを防止することがで
きる。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、加工穴の
入口部をガイドプレートの穴によって予め最終形状に加
工することができ、この際に該入口部にダレが発生する
のを防止することができる。そして、この状態で被加工
物に穴を加工する際に刃具近傍を静圧軸受で支持しなが
ら刃具により加工穴全体を最終形状に加工することがで
きる。この結果、ボーリングや研削加工によって真円で
真っ直ぐな穴を高精度に加工することができる。
【0034】請求項2記載の発明によれば、穴の加工時
に静圧軸受で刃具を回転自在に支持することができ、工
具の剛性を低くしても小径深穴を高精度に加工すること
ができる。また、従来のように工具の内部に穴を加工す
る必要がないので、工具を小径で長尺にすることがで
き、穴の加工の自由度を向上させることができる。請求
項3記載の発明によれば、油溜まり部に流体を容易に供
給することができるとともに、加工穴の内周部を鏡面に
仕上げることができ、加工穴の加工性能を向上させるこ
とができる。
【0035】請求項4記載の発明によれば、砥石形状を
維持することができ、加工穴の加工精度を向上させるこ
とができるとともに、穴の内周部を確実に鏡面に仕上げ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜4記載の発明に係る小径深穴の加工
方法の一実施例を示す図であり、その加工方法を達成す
るための加工工具の断面図である。
【図2】その加工工具の刃具近傍の構成図である。
【図3】その加工工具を備えた加工機械の構成図であ
る。
【図4】そのワークに取付けられたガイドプレートの穴
に工具および油溜まりを挿入した状態を示す図である。
【図5】そのワークに最終形状の穴を加工する状態を示
す図である。
【符号の説明】
1 中空部材 1b 貫通孔 2 刃具 3 芯部材 3a 溝 4、5 油溜まり部 6 加工工具 30 加工機械 31 主軸装置 33 回転継手 34 支持部材(非回転部) 51 取付具 52 ワーク(被加工物) 53 ガイドプレート 53a 穴 55 モータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物に直径が小さく、深さが該直径よ
    りも大きい下穴を有する小径深穴を加工する方法におい
    て、 先端部に刃具を有するとともに、該刃具の近傍で被加工
    物の加工穴に対して静圧軸受を構成する1つ以上の油溜
    まり部を有する工具と、 被加工物の最終加工穴径と同径の穴を有するガイドプレ
    ートと、を準備し、 先ず、被加工物の加工穴の入口側にガイドプレートを置
    き、 次いで、刃具および油溜まり部をガイドプレートの穴に
    挿入した後、流体を油溜まり部に供給して油溜まり部と
    ガイドプレートの穴との間に静圧軸受を構成し、 次いで、刃具によって被加工物に穴を加工する際に該穴
    と油溜まり部の間に静圧軸受を構成することにより、刃
    具を支持しながら被加工物の下穴を加工することを特徴
    とする小径深穴の加工方法。
  2. 【請求項2】被加工物に直径が小さく、深さが該直径よ
    りも大きい下穴を有する小径深穴を加工する加工工具に
    おいて、 先端部に刃具が形成されるとともに、基端部が加工機械
    の主軸装置に脱着される中空部材と、 該中空部材の内周部に焼きばめまたはロー付けによって
    嵌入固定された芯部材と、を備え、 中空部材の刃具近傍に少なくとも1つ以上の油溜まり部
    を形成するとともに、芯部材の外周部に油溜まり部に連
    通する溝を芯部材に沿って形成し、 中空部材の所定箇所に形成された貫通孔から該溝を通し
    て油溜まり部に流体を供給することにより、加工穴と油
    溜まり部の間に静圧軸受を構成することを特徴とする小
    径深穴の加工工具。
  3. 【請求項3】請求項2記載の加工工具を有する加工機械
    において、 被加工物および被加工物の最終加工穴径と同径の穴を有
    するガイドプレートを有し、被加工物を位置決め把持す
    る取付具と、 該取付具を回転駆動するモータと、 該取付具の上方に対向配置され、加工工具を把持して回
    転させる主軸装置と、 該主軸装置の非回転部に取付けられ、中空部材の貫通孔
    を通して溝に流体を供給する回転継手と、 主軸装置を上下方向に移動させるとともに、微細に往復
    動させるように支持する送り装置と、を備えたことを特
    徴とする加工機械。
  4. 【請求項4】ツルーイング装置を有し、加工工具の刃具
    が砥石から構成される場合には該ツルーイング装置によ
    り砥石のツルーイングを行なうことを特徴とする請求項
    3記載の加工機械。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6062116A (en) * 1997-06-13 2000-05-16 Honda Giken Kogyo K.K. Method of manufacturing hollow shaft and mandrel for holding cylindrical hollow shaft blank
CN105215394A (zh) * 2015-10-23 2016-01-06 西安航空动力股份有限公司 一种采用不同落差刀头加工深孔型面的方法
JP2016010845A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 穴加工工具
JP2019069481A (ja) * 2017-10-06 2019-05-09 株式会社Ihi 孔内面切削加工ヘッド

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