JPH0792577B2 - 導波型光スイッチ - Google Patents

導波型光スイッチ

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JPH0792577B2
JPH0792577B2 JP24476690A JP24476690A JPH0792577B2 JP H0792577 B2 JPH0792577 B2 JP H0792577B2 JP 24476690 A JP24476690 A JP 24476690A JP 24476690 A JP24476690 A JP 24476690A JP H0792577 B2 JPH0792577 B2 JP H0792577B2
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waveguide
waveguides
optical switch
crosstalk
electrode
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秀彰 岡山
俊正 石田
一成 浅林
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ディジタル的に光の出力制御を行なえる導
波型光スイッチに関する。
(従来の技術) 近年、Y分岐型光スイッチは作成条件が緩くまたディジ
タル的なON・OFF動作が行なえるので使用し易いという
利点を有するため、注目されている。この種の光スイッ
チとしては、例えば文献I:「Integrated and Guided−W
aveOptics(インテグレーテッド アンド ガイデッド
−ウエーブ オプティクス)」OSA 1989 Technical Dig
est Series(テクニカルダイジェスト シリーズ),Vo
l.4 pp.225−228や、文献II:「IEEE Journal of Quantu
m Electronics(アイ イーイーイー ジャーナル オ
ブ エレクトロニクス」QE−16,446(1980)に開示され
ているものがある。これら光スイッチは、固有モードを
保存する導波路系を形成する2つの導波路を備え、駆動
電圧を一定以上の電圧にして導波路間の屈折率差或は伝
搬定数差を制御すると、2つの導波路の一方から光が出
力され他方からは光が出力されない状態、或は、2つの
導波路の他方から光が出力され一方からは光が出力され
ない状態を形成でき、従ってディジタル的なON・OFF動
作が行なえる。
第22図は文献Iに開示されている導波型光スイッチの構
成を概略的に示す平面図である。
文献Iの導波型光スイッチ1は、Y分岐を形成する導波
路2、3及び4と、分岐する導波路3、4に対して設け
た電極部材5a、5b及び5cとを基板6に設けて成る。導波
路3及び4は直線状の形状を有し固有モードを保存する
導波路系を構成する。電極部材5a、5b及び5cによりこれ
ら導波路3、4に電界を及ぼして電気光学効果により導
波路3、4間の屈折率差又は伝搬定数差を制御する。動
作につき一例を挙げて簡単に説明する。ここで導波路
3、4が形成する導波路系の固有モード光を偶モード光
とする。このとき、導波路2に偶モード光L1を励起して
光L1を導波路3、4の分岐部に入力し、一方の導波路3
の屈折率が他方の導波路4の屈折率よりもある一定量以
上高くなるように導波路3、4間の伝搬定数差を制御す
る。すると、光L1の光パワーは導波路3の終端部に集中
し、この終端部から偶モード光L2が出力される。
一方文献IIの従来の導波型光スイッチでは、固有モード
を保存する導波路系を形成する2つの導波路を、特定の
駆動電圧でのみ実用に適したクロストーク特性が得られ
るように、設計しその導波路形状を特殊な形状としてい
る。尚、文献IIの光スイッチの実験報告については文献
III:European Conference on Optial Communication '8
9(ヨーロピアン コンファレンス オン オプティカ
ル コミュニケーション1989年)講演番号WeA13を参照
されたい。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、文献Iの従来の光スイッチでは上述の導
波路系を形成する2つの導波路が直線導波路であるの
で、低い動作電圧で実用上充分なクロストーク特性を得
るためには交差角を小さくしてデバイス長(電極長)を
非常に長くすることが必要であり、また短いデバイス長
で実用上充分なクロストーク特性を得るためには動作電
圧を非常に高くする必要があった。
また文献IIの従来の光スイッチでは、特定の駆動電圧の
み実用に適したクロストーク特性が得られるように導波
路を設計することによって駆動電圧を低減しているもの
の、駆動電圧がその特定電圧からはずれると実用に適し
たクロストーク特性が得られなくなり、従って実用に適
したクロストーク特性が得られる駆動電圧の範囲が非常
に狭いという問題点があった。
この発明の目的は上述した従来の問題点を解決し、駆動
電圧又はデバイス長を従来と同一として従来と比較した
場合に実用に適したクロストーク特性を従来よりも短い
デバイス長で又は低い駆動電圧で実現でき、しかも実用
に適したクロストーク特性を従来よりも広い駆動電圧の
範囲で実現することができる導波型光スイッチを提供す
ることにある。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するため、この発明の導波型光スイッチ
は、 分岐する2つの導波路と、2つの導波路間の屈折率差又
は伝搬定数差を制御する電極とを備え、2つの導波路間
の間隔を導波路の分岐部から終端部へ向けて広げて成る
導波型光スイッチにおいて、 2つの導波路それぞれの少なくとも一部に曲り部を設
け、 曲り部の始端の側での2つの導波路の開き角を大きく
し、曲り部の終端の側での2つの導波路の開き角を小さ
くしたことを特徴とする。
(作用) この出願の発明者が、導波路系を形成する2つの導波路
を直線導波路とし、これら2つの導波路に関してモード
変換の指標γの値の変化を数値解析により調べてみたと
ころ、この数値解析によれば指標γの値は2つの導波路
の分岐部及び終端部の間で山なりに分布することがわか
った。しかも駆動電圧の増加に伴ない、指標γの最大値
の位置が2つの導波路の終端部の側から分岐部の側へと
移行すると共に指標γの最大値が減少することを見い出
した。
指標γはモード変換の大きさの目安を表すもので指標γ
の値が大きい箇所ではモード変換が多くなりまた指標γ
の値が小さい箇所ではモード変換が小さくなると推定で
きる。従って指標γの最大値が減少することはクロスト
ーク特性が駆動電圧の増加と共に良くなっていくと考え
られるが、導波型光スイッチは、そのクロストーク特性
が一定の水準例えば−15〜−20dBに達していれば実用に
供することができるので、分岐部の側へと移行してきた
指標γの最大値の値をその一定の水準が得られる程度ま
で増加させても実用上問題はない。
そこでこの発明では、2つの導波路それぞれの一部に曲
り部を設け、曲り部の始端の側での2つの導波路の開き
角を大きくし、曲り部の終端の側での2つの導波路の開
き角を小さくする。開き角が大きくなれば、この開き角
が大きくなった箇所での指標γの最大値も大きくなる
が、上述した点からも理解できるように指標γの最大値
をある程度まで増加させても実用に適したクロストーク
特性を得ることができると考えられる。
しかも上述の曲り部を設けることによって、次のi)及
びii)を同時に達成することが可能であると考えらえ
る。
i)駆動電圧を従来と同一として従来と比較した場合に
は、実用に適したクロストーク特性を従来よりも短いデ
バイス長で実現できる。或はデバイス長を従来と同一と
して従来と比較した場合には、実用に適したクロストー
ク特性を従来よりも低い駆動電圧で実現できる。
ii)実用に適したクロストーク特性を従来よりも広い駆
動電圧の範囲で実現することができる。
(実施例) 以下、図面を参照し、この発明の実施例につき説明す
る。尚、図面はこの発明が理解できる程度に概略的に示
されているにすぎず、従って各構成成分の形状、寸法及
び配設位置を図示例に限定するものではない。
第一実施例 第1図はこの発明の実施例の構成を概略的に示す平面図
である。この実施例ではY分岐型の導波路を具える光ス
イッチにつき説明する。同図にも示すように、第一実施
例の導波型光スイッチ10は、基板20と、この基板20に設
けられた分岐する2つの導波路12、14と、基板20に設け
られた、2つの導波路12、14間の屈折率差又は伝搬定数
差を制御する電極16とを備え、2つの導波路12、14間の
間隔Dを導波路12、14の分岐部Iから終端部12b、14bへ
向けて広げて成る。尚、以下の説明において、導波路12
および14のそれぞれの中心線(導波路の幅方向の中心点
を結んだ線)が線対称となる軸Zを考え、Z軸の+方向
を光の入射側から出射側(図の左から右)へ向かう方向
とする。
そして2つの導波路12、14それぞれの少なくとも一部に
曲り部IIを設け、曲り部IIの始端(z=0)の側での導
波路12、14の開き角を大きくし、曲り部IIの終端(z=
L)の側での導波路12、14の開き角を小さくする。しか
し導波路12、14の曲り部IIでの開き角を、曲り部IIでの
導波路形状がスムースに曲る曲線状となるように、曲り
部IIの始端z=0から終端z=Lまで徐々に小さくす
る。尚、曲り部IIでの導波路形状を、多段に折れ曲る折
れ線状とすることも可能である。
より詳細に説明する。この実施例の導波型光スイッチ10
は、Y分岐を構成する導波路18、12、14と、分岐する2
つの導波路12、14に対して設けた電極16とを備えて成
る。
そして導波路18の一方の端部18aを導波路12の一方の端
部12a及び導波路14の一方の端部14aとそれぞれ結合して
Y分岐を構成し、これら導波路18、12、14を基板20に設
ける。従って導波路12、14の終端部12b、14bは導波路1
2、14の他方の端部となる。そして、終端部12b、14bの
先は、通常は直線的な導波路17および19につながって形
成されており、光ファイバ等の接続に用いられている
が、その部分の図示は省略する。
また電極16を電極部材16a、16b、16cから構成し、電極
部材16aを導波路12の導波路14とは反対側の側部に配置
し、電極部材16bを導波路12及び14の間に配置し、さら
に電極部材16cを導波路14の導波路12とは反対側の側部
に配置してこれら電極部材16a、16b、16cを基板20に設
ける。電極始端位置をz=0及び電極終端位置をz=L
とし、各電極部材16a、16b、16cをz=0からz=Lま
で延在させて設ける。
また2つの導波路12、14は、これら導波路12、14の分岐
部Iの終端部(z=0)及び曲り部IIの終端部(z=
L)の間において固有モードを保存する導波路系を形成
し、従ってこの導波路系は少なくとも2つの導波路12、
14の分岐部Iと曲り部IIとを備えて成る。
そして分岐部Iは、この導波路系の固有モードの光パワ
ーを2つの導波路12、14へ等分するための部分であり、
光パワーを等分するため後述するZ軸に関し線対称な形
状を有する。
また2つの導波路12、14の曲り部を終端部(z=L及び
その近傍の導波路部分)は、導波路系の固有モードの光
パワーを2つの導波路12、14のいずれか一方へ集中させ
るための部分である。2つの導波路12、14の曲り部IIの
終端部は、電極16に電圧を印加した状態で固有モードの
界分布が導波路12、14の一方の曲り部IIの終端部に存在
できるが他方の曲り部IIの終端部に存在できないような
距離だけ、互いに離間しており、これと共に導波路12、
14の曲り部IIの終端部から終端部12b、14bまでの間(z
>Lでの導波路部分)における導波路間隔は、曲り部II
の終端部での導波路間隔と同等かそれよりも広くなって
いる。従って電極16に電圧を印加して一方の電極終端部
に光パワーを集中させれば、このときの導波路12、14の
電極終端部における光パワー比と同等の光パワー比で、
一方の導波路の終端部から光を出力させることができ
る。尚、導波路12、14のz>Lの部分を省略するように
してもよい。
例えば、電極16に電圧を印加することによって導波路12
の電極終端部での光パワーと導波路14の電極終端部での
光パワーとの比を1:0又は0:1とすれば、導波路12、14の
終端部12b、14bから出力される光の光パワー比を1:0又
は0:1とすることができ従って理想的なディジタル的動
作が行なえる。
次に、数値解析により得られる曲り部の形状について説
明する。
第2図は第一実施例の導波型光スイッチの導波路形状を
概略的に示す平面図である。
同図においては、導波路12、14の分岐点Pを通るZ軸を
基板20面上に設定し曲り部Iの開始位置z=0からのZ
軸方向における光の伝搬距離zをZ軸上に取って示し
た。またDはZ軸と直交しかつ基板20面に沿う方向にお
いて導波路12の側端縁a1と導波路14の側端縁b1とが離間
する距離(導波路間隔)を表す。側端縁a1は導波路12の
導波路14の側の側端縁及び側端縁b1は導波路14の導波路
12の側の側端縁である。
導波路12及び14は光パワー比fは次式(1)により定量
的に表せる(文献II参照)。
f=−X+(X2+1)1/2 ……(1) 但し、X=Δβ/(2・K)であり、ΔBは導波路間の
伝搬定数差及びKは導波路間の結合係数を表す。
導波路12、14のz=0においてf→1となるとき光パワ
ーは等分されたこのとき(1)式よりX→0、または導
波路12、14のz=Lにおいてf→0となるとき光パワー
が一方の導波路に集中して固有モードの界分布は一方の
導波路のみ存在しこのとき(1)式よりX→∞となる。
結合係数K及び伝搬定数差Δβのいずれを変化させても
X→∞又はX→0とすることができるが、伝搬定数差Δ
βは電極16に印加する電圧に応じて変化しまた結合係数
Kは導波路間隔Dに応じて変化するので、駆動電圧を低
減するためには、伝搬定数差Δβを大きくしてX→∞と
するよりも結合係数Kを小さくしてX→∞とするほうが
有利である。
従って結合係数Kを変化させることによって光パワーを
等分しまた集中させる場合を考えると、導波路12、14の
z=0においてはK→∞とすればX→0となりf→1が
得られ、及び導波路12、14のz=LにおいてはK→0と
すればΔβ>0のときX→∞となりf→1/(2X)→0が
得られる(尚、Δβ<0のときはf→∞となる)。
このように導波路12、14のz=0からz=Lまでの間で
XがX=0からX=∞まで変化するように導波路12、14
を形成しなければならない。しかも導波路12、14のいず
れか一方から光を選択的に出力させるためには、導波路
12、14のz=0の側においては導波路間隔Dを狭く、ま
た導波路12、14のz=Lの側においては導波路間隔Dを
広くする必要がある。尚、ここではDはZに直交する方
向に測った導波路の対向する内側の端縁間の距離を表
す。従ってz=0からz=Lまでの間でX=0からX=
∞まで変化させながら導波路間隔Dを広げてゆかなけれ
ばならないが、この際実用に適したクロストーク特性を
得るためには固有モードの変換をできるだけ低く抑えて
導波路12、14の導波路系で固有モードを保存することが
必要である。尚、固有モードの変換率の指標をγで表す
とすると、指標γが大きくなれば固有モードの変換は多
くなり、また指標γが小さくなれば固有モードのモード
変換は少なくなると推定できる。
そこでこの固有モードの変換率の指標γにつき考える。
指標γは次式(2)で表せる(文献II参照)。
一方、(1)式で定義したようにX=Δβ/(2・K)
であり、また結合係数Kは次式(3)により表せるの
で、規格化された導波路間隔ωをω=s・(D−Do)と
置けば(4)式が得られる。
K=Ko・e×p{−s・(D−Do)} ……(3) 但し、Koはz=0における導波路間の結合係数及びsは
結合係数の低下率を規定するための定数(導波路からの
光のしみ出し量を表すパラメータであって導波路の断面
形状が定まれば、自ら決まる値)であり、これらKo及び
sは設計に応じて任意好適に設定される。またDoはz=
0での導波間隔である。
X={Δβ/(2・Ko)}・e×pω =Xo・e×pω ……(4) 但しXoはz=0のときのXを表す。
従って(2)式は(4)式を用いて次式(5)に表すよ
うに変形できる。
但し、 である。またdω/dzは導波路12、14の開き角dD/dzを低
下率sにより規格化した規格化された開き角(ラジア
ン)を表す。
ここでX2=10yと置き、Fをyの関数で表せば、F及び
yにつき第3図に示すような関係が得られる。第3図の
横軸にy=2log(Xo・eω)を及び縦軸にFを取って示
した。
第3図にも示すように、ほぼy=0.14のきFが最大とな
る。Fが最大となるとき、X1.2及びω=ln(1.2/
Xo)となり指標γが最大となる。導波路12、14のz=0
からz=Lまでの間においてモード変換を小さくして実
用に適したクロストーク特性を得るためには、近似的に
はこのωでの指標γを小さくすれば良い。
ここでωをω=α・(Z+Zoと表せば、X1.2に
おいて、次式(7)が得られる。α、nは導波路の形状
(曲り具合)を指定するパラメータで正の値である。
但し、γmax及びωは指標γが最大となるときのγ及
びωを表す。
ところで素子終端z=Lでは、Z方向に沿って測った素
子長(電極長)をLとすればω=αLnとなり、次式
(8)が得られる。
X=Xo・e・p(α・Ln)≡Xe ……(8) 従ってαを次式(9)のように表せる。
よって(7)及び(9)式より、 ところでωは次式(11)のようにも表せる。
z=0でX=Xo→0及びz=LでX=Xe→∞であると
き、 となる。
従って(10)及び(11)式より、次式(12)が得られ
る。
よってγmaxを小さくするためにはnは小さい方がよい
ことが理解できる。少なくとも、固有モードを保圧しか
つクロストークを低減するためには、nを0<n<1と
するのがよい。
そこでこの実施例では、規格化された開き角dω/dzが 0<n<1(α、zoは設計上任意好適に設定される定
数)となるように導波路12、14の一方の側端縁a1、b1を
形成し、そして導波路12の他方の側端縁a2を側端縁a1と
平行に及び導波路14の他方の側縁b2を側端縁b1と平行に
形成する。但し、z=0のとき するのが好ましい。
ここでzoは最大開き角(z=0でのdω/dz)を指定す
るパラメータである。zo0であり、上述の解析に影響
しないと考えられる。
尚、導波路12、14が固有モードを保存する導波路系を形
成するためには、z=0からz=Lまでの間で次式を満
足させるのが好ましい。
但し、K(z)は距離zの位置における結合係数を表
す。
第4図に、既に述べたX=Δβ/(2・K)の値を、X
=10-4としたときの、nに対する指標γの変化の様子を
示す。第4図においては、縦軸に指標γ及び横軸にXを
取り、n=0.5、1及び2としたときのγ及びXの関係
を曲線、及びで示した。
これら曲線〜からも理解できるように、nの値が小
さいほど指標γが小さくなり、また指標γが最大となる
X(図中Xmで示した)の位置はほぼ1.2となりnの変化
に対してあまり変化しない。従って上述の近似解析が許
されることが理解できる。
文献IIの従来素子では素子全体にわたりγ=1/(2・Δ
β・L)の固有モード変換があった。しかしこの実施例
では、指標γがω=ln(1.2/Xo)となる素子の部分で
γmaxとなりこれ以外の素子の部分ではγmaxよりも小さ
く、しかもγmaxは式(12)で表せるので、0<n<1
では、文献IIの従来素子よりもモード変換が少なくな
り、従ってクロストーク特性を改善することができる。
次に結合方程式を解くことにより、この実施例及び文献
Iの従来例のクロストーク特性につきシミュレートす
る。この実施例のクロストーク特性は最小、最大結合係
数比R=Xo/Xeと、Δβ・Lと、素子長結合長比=素子
長/結合長とを用いて一義的に表すことができる。
第5図(A)及び(B)はR=0.01及び10-4としたとき
の文献Iの従来例のクロストーク特性を示す図であり、
これら図の縦軸はクロストーク及び横軸は素子長/結合
長を表す。
第5図(A)の曲線、、及びはΔβ・L/π=
3、2、1.5及び1としたときのクロストーク特性を表
し、第5図(B)の曲線、、及びはΔβ・L/π
=4、3、2及び1としたときのクロストーク特性を表
す。
従来の場合、図には示していないがR=0.1では素子長
/結合長によりクロストークが大きく変動し実用上充分
なクロストーク特性が得られない。
また第5図に示すように、最小・最大結合係数比RがR
=0.01ではΔβ・L=1.5でようやく平均約−15dBのク
ロストークが得られる。R=10-4では平均約−15dBのク
ロストークを得るためにはΔβ・L/πを3以上に増大さ
せる必要がある。
第6図(A)及び(B)はR=0.01とし、n=1/3及び1
/2としたときの第一実施例のクロストーク特性を示す図
であり、同図の縦軸はクロストーク及び横軸は素子長/
結合長を表す。但し、第6図(A)及び(B)のいずれ
の場合も規格化された開き角dω/dzの最大角度(z=
0におけるdω/dz)を とし、zo=0.1×Lとした。
第6図(A)の曲線、、、及びは、Δβ・L/
π=4、3、2、1.5及び1としたときのクロストーク
特性、同様に第6図(B)の曲線、、、及び
はΔβ・L/π=4、3、2、1.5及び1としたときのク
ロストーク特性を表す。尚、図には示していないが、従
来及びこの実施例においてはR=0.1では素子長/結合
長によりクロストークが大きく変動し実用上充分なクロ
ストーク特性が得られない。好ましくはこの最小・最大
結合係数比Rを0.003<R<0.03特に好ましくはR0.0
1とするのよい。
文献Iの従来の光スイッチ及びこの実施例の光スイッチ
を比較すれば、従来の場合には、第5図に示すように、
R=0.01ではΔβ・L=1.5でようやく平均約−15dBの
クロストークが得られる。R=10-4では平均約−15dBの
クロストークを得るためにはΔβ・L/πを3以上に増大
させる必要がある。
一方、この実施例においては、第6図(A)及び(B)
からも理解できるように、n=1/3(このとき 及びn=1/2(このとき のいずれの場合も、ほぼΔβ・L/π=1.5で平均クロス
トーク−20dBを得ることができる。
従ってこの実施例ではほぼΔβ・L=1.5において素子
長/結合長によらず−20dBのクロストークが得られ、文
献Iの従来例に比べ5dB以上のクロストークの改善が得
られる。
次に、この第一実施例に関し上述の解析とは別の解析を
行なう。尚、各パラメータの定義は特に断わりがない限
り、上述したの解析の場合と同様である。
規格化された導波路間隔ωを次式(13)のように表す。
但し、mは1より大きい実数であり前述のnとはn=1/
mの関係を有する。またτは距離zを素子長(電極長)
Lで規格化した規格化距離でありτ=0は曲り部IIの始
端位置(z=0に対応する位置)及びτ=1は曲り部II
の終端位置(z=Lに対応する位置)を表す。
(13)式のように表した場合、指標γは次式(14)のよ
うに表せる。
指標γの値は のときピークとなる。
Xpは次式(15)のようにも表せる。
(14)及び(15)式より、ピークでの指標γ(γ)は
次式(16)のように表せる。
但し、Koはτ=0での結合係数(最小結合係数)及びKe
はτ=1での結合係数(最大結合係数)を表す。Rは最
小最大結合係数比を表し、R=Xo/Xe=Ke/Ko、Xo=Δβ
/(2・Ko)及びXe=Δβ/(2・Ke)である。
ここで、Ko・L及びRを最適化することを考える。
第7図はRの最適化のための数値解析から得た解析結果
の一例を示す図である。第7図において縦軸はクロスト
ーク及び横軸は最小最大結合係数比Rを表し、曲線i1及
びi2は曲り部終端の導波路での固有モードの片寄り(光
パワー比)から計算されるクロストーク特性を、また曲
線ii1及びii2はγから予想されるクロストーク特性
(このクロストーク特性はあくまで目安であって正確な
ものではない)を表す。第7図の数値解析では、m=2
及びKo・L=60とし、Δβ・L/π=1としたときのクロ
ストーク特性を曲線i1及びii1でまたΔβ・L/π=2と
したときのクロストーク特性を曲線i2及びii2で表し
た。
Rの増加とともに、γは小さくなり従ってγから予
想されるクロストークは第7図にも示すように良くな
る。一方、Rの増加とともに、導波路12、14の曲り部終
端における固有モードの光パワー比を1:0又は0:1とする
ことは難しくなり従ってこの曲り終端部における光パワ
ー比から求められるクロストークは第7図にも示すよう
に悪くなる。従ってRには最適値が存在することが理解
できるが、数値解析によれば、0.003<R<0.03より好
ましくはR0.01とするのがよいことがわかった。
第8図はKo・Lの最適化のための数値解析から得た解析
結果の一例を示す図である。第8図において、縦軸はΔ
βmax/Δβmin及び横軸は最小最大結合係数比Rを表
す。第8図の数値解析では、m=2とし、Ko・L=30と
したときのΔβmax/ΔβminとRとの関係を曲線ivでま
たKo・L=60としたときのΔβmax/ΔβminとRとの関
係を曲線vで表した。
駆動電圧「0」から駆動電圧を印加して駆動電圧を増加
させるとクロストークは良くなってゆくが、Δβmin
この良くなってゆく過程においてクロストークが最初に
−15dBとなったときのΔβを表す。そしてΔβminから
さらに駆動電圧を増加させてゆくとΔβの増加に伴なう
電解の分岐側境界でのモード変換が大きくなりクロスト
ークは悪くなってゆくが、Δβmaxはこの悪くなってゆ
く過程において最初に−15dBとなったときのΔβを表
す。従ってΔβmax/Δβminが大きくなるほど、実用に
適したクロストーク特性が得られる駆動電圧の範囲が広
くなる。数値解析によれば、0.003<R<0.03より好ま
しくはR0.01としかつKo・L>40とするのがよいこと
がわかった。しかし導波路幅ωを(13)式のように表し
た場合、Ko・Lの特性変化に与える影響は弱いので必ず
しもKo・L>40としなくともよい。
第9図は指標γのピークγのmに対する依存性の説明
に供する図であり、第9図の縦軸にピークγの値を及
び横軸にXp/Xeを取って示した。第9図の解析では、R
=0.01とし、m=1、2及び3とした場合のピークγ
の変化の様子を曲線vi、vii及びviiiで表した。尚、Xp/
Xeは駆動電圧の逆数に比例する量である。
m=1の場合導波路12、14のτ=0からτ=1までの部
分を直線導波路とした場合に相当し、m=2及び3の場
合導波路12、14のτ=0からτ=1までの部分を曲線導
波路とした場合に相当する。曲線vi、vii及びviiiから
も理解できるように、導波路12、14のτ=0からτ=1
の部分を曲線導波路としたほうが、低い動作電圧でもピ
ークγを小さくでき全体的にピークγを小さくでき
るので、クロストーク特性の向上を期待できる。
m=2、3とした場合Xp/Xe=R近傍で開き角が大きく
なりこれによりγが大きくなるので、 とするのが好ましい。
とした場合に関して上述の解析が近似的に許されいると
考えられる。
この解析では、導波路間隔ωを (但し、mは1より大きな実数)とすればよいことがわ
かった。α、τは設計に応じて任意好適に設定される
定数であり、τ=zo/Lとも表せる。好ましくは0.003
<R<0.03より好ましくはR0.01とするのがよい。ま
た好ましくは次式を満足するように、固有モードを保存
する導波路系の導波路を形成するのがよい。
導波路12、14の形成では、導波路12の側縁a1及び導波路
14の側縁b1をZ軸に関して対称な位置に配置すればよ
く、従って導波路12の側縁a1の位置及び導波路14の側縁
b1の位置をそれぞれZ軸からZ軸に垂直な方向にD/2離
れた位置とすればよい。
第10図はm=1として導波路のτ=0からτ=1までの
部分を直線導波路とした場合のクロストーク特性の一例
を示す図である。第10図は第7図と同様の図であり、曲
線i×1及びi×2は電極終端の導波路での固有モード
の片寄りから計算されるクロストーク特性を、また曲線
×1及び×2はγから予想されるクロストーク特性を
表す。第10図の数値解析では、m=1及びKo・L=60と
し、Δβ・L/π=1としたときのクロストーク特性を曲
線i×1及び×1でまたΔβ・L/π=2としたときのク
ロストーク特性を曲線i×2及び×2で表した。
第7図及び第10図からも理解できるように、τ=0から
τ=1までの導波路形状を直線状とするよりも曲線状と
したほうがクロストーク特性を向上できると考えられ
る。
第二実施例 第11図はこの発明の第二実施例の構成を概略的に示す平
面図である。尚、第一実施例の構成成分に対応する構成
成分については同一の符号を付して示す。
以下、第一実施例と相違する点につき説明し、第一実施
例と同様の点についてはその詳細な説明を省略する。
第一実施例ではY分岐構造の光スイッチにこの発明を適
用した例を示したが、この第二実施例ではX分岐構造の
光スイッチにこの発明を適用した例を示す。
第11図にも示すように、第二実施例の導波型光スイッチ
64ではX分岐の一方の直進導波路22を一方の端部同志を
結合した導波路12及び導波路26から、及びX分岐の他方
の直進導波路24を一方の端部同志を結合した導波路14及
び導波路28から構成する。これら直進導波路22及び24が
交差してX分岐を構成する。
この実施例では、導波路26幅より細くし、構造的にΔβ
を生じさせる。導波路1の導波路幅を導波路28の導波路
2及び14の導波路幅は等しくする。導波路28の導波路26
の側の側縁c1及び導波路26の導波路28の側の側縁d1は、
導波路12及び14の側縁a1及びb1と同様にして配置されて
おり、導波路28の導波路2とは反対側の側縁c2及び導波
路26の導波路28とは反対側の側縁d2はそれぞれ、側縁c1
及びd1と平行に配置されている。
第三実施例 第12図はこの発明の第三実施例の構成を概略的に示す平
面図である。尚、上述した実施例の構成成分に対応する
構成成分については同一の符号を付して示す。
第三実施例の導波型光スイッチ66は、導波路26及び28を
直線導波路としている他は、第二実施例と同様の構成を
有する。
第四実施例 第13図はこの発明の第四実施例の構成を概略的に示す平
面図である。
第四実施例の導波型光スイッチ60は、Y分岐する2つの
導波路40、42と、2つの導波路40、42間の屈折率差又は
伝搬定数差を制御する電極46とを備え、2つの導波路4
0、42間の間隔Dを導波路40、42の分岐部Iから終端部4
0b、42bへ向けて広げて成る。
そして2つの導波路40、42それぞれの少なくとも一部に
曲り部IIを設け、曲り部IIの始端(τ=0)の側での導
波路40、42の開き角を大きくし、曲り部IIの終端(τ=
1)の側での導波路40、42の開き角を小さくする。そし
て、この実施例の場合、導波路40、42の曲り部IIでの開
き角を、曲り部IIでの導波路形状がスムースに曲る曲線
状となるように、曲り部の始端(τ=0)から終端(τ
=1)まで徐々に小さくすることもできるが、この実施
例ではτ=γまでの開き角を徐々に小さくし、τ=γか
らτ=1まではτ=0またはその近傍での開き角よりは
小さいが、τ=γまでの領域での開き角よりも大とする
例を示している。
より詳細に説明する。この実施例の導波型光スイッチ60
は、Y分岐を構成する導波路44、40、42と、分岐する2
つの導波路40、42に対して設けた電極46とを備えて成
る。
そして導波路44の一方の端部を導波路40及び42の一方の
端部とそれぞれ結合してY分岐を構成し、これら導波路
44、40、42を基板48に設ける。基板48は電気的に屈折率
を変化させることができる基板例えばZカットLiNbO3
板である。
また電極46を電極部材46a、46b、46c、46dから構成し、
電極部材46aを導波路40の導波路42とは反対側の側部に
配置し、電極部材46bを導波路40上に配置し、電極部材4
6cを導波路42上に配置し、さらに電極部材46dを導波路4
2の導波路40とは反対側の側部に配置し、これら電極部
材46a〜46dを基板48に設ける。電極始端位置をτ=0及
び電極終端位置をτ=1とし、各電極部材46a〜46dをτ
=0からτ=1まで延在させて設ける。
また2つの導波路40、42は、これら導波路40、42の分岐
部Iの終端部(τ=0)及び曲り部IIの終端部(τ=
1)の間において固有モードを保存する導波路系を形成
し、従ってこの導波路系は少なくとも2つの導波路40、
42の分岐部I及び曲り部IIを備えて成る。
そして分岐部Iは、この導波路系の固有モードの光パワ
ーを2つの導波路40、42へ等分するための部分であり、
光パワーを等分するため後述するτ軸に関し分岐部Iの
それぞれの導波路部分の中心線が線対称な形状を有す
る。
また2つの導波路40、42の曲り部IIの終端部(τ=1及
びその近傍の導波路部分)は、導波路系の固有モードの
光パワーを2つの導波路40、42のいずれか一方へ集中さ
せるための部分である。2つの導波路40、42の曲り部II
の終端部は、電極46に電圧を印加した状態で固有モード
の界分布が導波路40、42の一方の電極終端部に存在でき
るが他方の電極終端部に存在できないような距離だけ、
互いに離間しており、これと共に導波路40、42の電極終
端部から終端部40b、42bまでの間(τ>1となる導波路
部分)における導波路間隔は、曲り部IIの終端部での導
波路間隔と同等かそれよりも広くなっている。尚、τ>
1となる導波路部分を省略するようにしてもよい。
次に数値解析により、この実施例の曲り部IIの形状につ
いて説明する。
導波路間隔Dを規格化距離τの関数と考える。規格化距
離τは距離zを素子長(電極長)Lで規格化した距離で
ありτ=0は曲り部IIの始端位置(z=0に対応する位
置)及びτ=1は曲り部IIの終端位置(z=Lに対応す
る位置)を表す。以下の解析では0≦τ≦1の範囲につ
いて考える。τ軸は分岐点Pを通り基板面上に設定した
軸であり、このτ軸に関して導波路の中心線が対称とな
る。
クロストーク特性を良くするためには、偶モード及び奇
モード間の変換を小さく抑える必要がある。そこで、導
波路間隔Dを規格化距離τの関数と考えた場合の指標γ
を次式(17)のように表す。
ここでs・(D−Do)=ωであり、Doはτ=0での導波
路間隔を表す。
Δβは曲り部IIにおいて導波路40、42間で電気的に生じ
させる伝搬定数差、Lは曲り部IIの始端から終端まで
(τ=0からτ=1まで)の距離、X=Δβ/(2・K
(τ))、及びK(τ)は規格化距離τにおける導波路
40、42間の結合係数を表す。K(τ)を次式(18)のよ
うに表現する。
K(τ)=Ko・e×p{−s・(D(τ)−Do)}……
(18) (17)式からも理解できるように指標γは開き角dω/d
τ、位相差の逆数 及び で表される。
FはK(τ)を含みτの関数であるが にピークを有する。Xpの位置τは電圧に比例して変化
する。
と表せるので位置τはΔβの変化とともに で表されるように変化する。尚K-1はKの逆関数であ
る。
ここで、2つの直線導波路の一方の端部同士を結合して
分岐と成すと共に分岐から遠ざかるにつれて導波路間隔
Dを開くし、これら直線導波路により固有モードを保存
する導波路系を形成した場合(例えば第22図に示す導波
路3及び4の場合)のモード変換の指標γの変化の様子
について説明する。
第14図は指標γの変化の様子の説明に供する図である。
第14図の作成に当っては、例えば第22図に示す導波路3
及び4の場合のモード変換の指標γの分布状態が、駆動
電圧の増加と共にどのように変化するかを数値解析によ
り調べた。そしてその解析結果を縦軸に指標γ及び横軸
にこれら直線導波路の導波路間隔Dを取って第14図に示
した。但し、数値解析では固有モードの波長1.3μm、
導波路と基板の相対的な屈折率差:Δ=0.1%及び導波
路幅7μmとし、駆動電圧の印加により2つの導波路間
に生じる屈折率差ΔnをΔn=5×10-5、1×10-4、2
×10-4及び5×10-4とした場合の導波路間隔Dの位置に
おける導波路での指標γの値をプロットして示した曲線
をそれぞれ符号×i、×ii、×iii及び×ivを付して示
した。尚、Δβ=(2・π/固有モードの波長)・Δn
である。
第14図にも示すように、指標γの値は2つの導波路の分
岐部及び終端部の間で山なりに分布し、指標γは特定の
導波路間隔Dでピークγを有する。しかも駆動電圧の
増加とともにΔnが増加すると、ピークγの位置が導
波路間隔Dの広い側から導波路間隔Dの狭い側へと移行
すると共にピークγの値が減少する。
一方、指標γは開き角dω/dτに比例するので(式(1
7)参照)、導波路間隔Dの小さいところ、すなわち2
つの導波路の分岐部で開き角を大とするようにすればピ
ークγの値をΔβが増加しても一定とすることができ
る。
であるので(18)式より、ピークγが生じる位置での
導波路間隔Dpは次式(19)で表せる。
そこで、この実施例ではピークγをΔβによらずに一
定とすることを考える。
ピークγとなる位置(ピーク位置)では、Δβ=Xp
2・K(τ)となるので、(17)式より次式(19)を得
る。
(18)式を用いて(191)式を変形して次式(20)を得
る。
(20)式の左辺=const.と考えれば、(20)式の両辺を
積分して次式(21)を得る。
ここでτ=0でK=Koとして、Co=1である。
従ってωをτの対数関数で表せば、Δβの大きさにかか
わらず、従って駆動電圧の大きさにかかわらず、γ
値を一定することができ、モード変換の量を一定とする
ことができると考えられる。
光スイッチ作成上、γ以外に重要なパラメータとし
て、τ=0及びτ=1における結合係数の比(最小最大
結合係数比)Rがある。τ=0で固有モードの界分布を
一方の導波路に集中させる度合を大きくして導波路40、
42のτ=1での、固有モードの光パワー比を1:0又は0:1
に近づけ、しかも、電圧印加により生じるΔβの影響に
よりτ=0で生じるモード変換を小さくするためにはR
を小さくする必要がある。τ=0ではモード変換を小さ
くするため、Xo=Δβ/Ko(Xoはτ=0でのX)を小さ
くする必要がありτ=1ではモードの集中を大きくする
ためXe=Δβ/Ke(Xeはτ=1でのX)を大きくする必
要があり、従ってXo/Xe=Ke/Ko=Rを小さくする必要が
ある。
しかし光がτ=0からτ=1まで伝搬するときモード変
換はRが小さくなるにつれて増大しゆくため、Rを最適
化する必要がある。Rの好適範囲は導波路の形状を表す
関数型によらず0.003<R<0.03より好ましくはR=0.0
01である。
またKe/Ko=e×p[−{s・D(1)−s・Do}]=
Rであるので、(21式より、 従って次式(22)が得られる。
この(22)式と、上述した(21)とから、ωはω=l
n[(R-1+1)・τ+1]となる。
τ=0からτ=1までを直線導波路とした場合にはγ
を次式(23)のように表せる。
第15図はXp/Xeに対するγの変化の様子を示す図であ
って、縦軸にγ及び横軸にXp/Xeを取って示す。曲線x
v及びxviは(22)式及び(23)式から求められるγ
変化を表す曲線である。
Xp/Xe=(2・Ke・Xp)/Δβであり駆動電圧の逆数に
比例する。Xp/Xe=1のときピークγの位置はτ=1
の位置にあり、Xp/Xe=Rのときピークγの位置は、 となるのでγの位置はτ=0の位置にある。
曲線xv及びxviからも理解できるように、τ=0からτ
=1までの間を直線導波路とするよりも導波路幅をτの
対数関数で表した導波路(対数型の導波路)とするほう
が、γで小さくなり、従ってより低い駆動電圧でモード変換を
小さくでき実用に適したクロストーク特性を得ることが
できると考えられる。
ピークγ以下としないとモータ変換を十分小さくしたとは言えな
い。ここで 以下となるピークγをγneedと表す。
導波路作成では、通常Ko・Lが30〜60程度になるがこの
場合には、(22)式によれば、τ=0からτ=1までの
間を対数型の導波路のみから構成したものでは十分小さ
いγを得るのは若干無理がある。
そこでτ=0の側で対数型の導波路を及びτ=1の側で
直線導波路を用い、開き角を大きくしてもγを小さく
できるτ=0の側、特にτ=0の近傍で開き角を大きく
することによって、所望のR=Ke/Koが得られる間隔ま
で導波路間隔Dを開き、τ=1の側では直線導波路によ
って所望のR=Ke/Koが得られる間隔まで導波路間隔D
を開くことを考える。
デバイス長(電極長)を短くするには対数型の導波路を
用いるのが非常に効率が良い。γγneedとするよう
な対数型の導波路で導波路間隔Dを開げてから、残りの
τ=1までの間で直線導波路を用いて所望の間隔まで導
波路間隔Dを広げる。このようにτ=0からτ1までの
間の導波路形状をした場合の、γの変化の様子を、第
15図中に曲線xviiで表す。曲線xviiの、 がRからTまで変化する間及びTから1まで変化する間
がそれぞれ、対数型の導波路及び直線導波路でのγ
変化の様子を表す。
デバイス長を短くするには対数型の導波路を用いるのが
有利であることの説明を行なう。
例えば、K/Ko=Riとなるまで導波路間隔を開くに要する
距離Liを考えれば、対数型の導波路では(22)式から、 また直線導波路では(23)式から、 であるが、Xp/Xiは最大で1となるため、直線導波路で
は、 となり、従って対数型の導波路の場合の距離Liを直線導
波路の場合の距離Liの約(−lnRi-1倍とすることがで
きる。
次にτ=0からτ=1までの間のどこまでを対数型の導
波路としどこまでを直線導波路とするかについて考え
る。
ひとつの考えは、直線導波路の傾きを最小にするもので
ある。この場合、対数型の導波路の素子内での長さの割
合rは、近似的に、 と表せる。第13図にも示すように、τ=0からτ=rま
でを対数型の導波路及びτ=rからτ=1までを直線導
波路とすればよい。
第16図にこの場合のクロストーク特性について解析した
結果の一例を示す。第16図においては縦軸にクロストー
ク及び横軸にΔβ・L/πを取り、第16図(A)の解析で
はR=0.01、 として、Ko・L=30及び60とした場合のクロストーク特
性を曲線xviii及びxixで、また第16図(B)の解析では
R=0.01、 として、Ko・L=30及び60とした場合のクロストーク特
性を曲線xx及びxxiで表した。
またもうひとつの考えは、固有モードの界分布を一方の
導波路へ集中させるのに、理想的にはτ=1において導
波路40、42の光パワー比を0:1又は1:0とするのに最低限
必要な値のXeを求め(このときのXeをXefと表す)、Xe
をXefとしたときのピークγの位置を求め、τ=0か
らこのときのピーク位置までを対数型導波路としこのと
きのピーク位置からτ=1までを直線導波路とするとい
うものである。XeをXefとしたときのピークγの位置
での結合係数Kpは、 Ri・Ke=Kpとすれば、 となる。
第17図にこの場合のクロストーク特性について解析した
結果の一例を示す。第17図の解析では、R=0.01、 として、Ko・L=30及び60とした場合のクロストーク特
性を曲線xxii及びxxiiiで表した。
第18図はτ=0からτ=1までを直線導波路とした場合
のクロストーク特性について解析した結果の一例を示す
図である。第18の解析ではR=0.01として、Ko・L=30
及び60とした場合のクロストーク特性を曲線xxiv及びxx
vで表した。
第16図〜第18図において、τ=0からτ=1までを直線
導波路とした場合に実用に適したクロストーク特性を得
るためのΔβ・L/πは、τ=0からτ=rまでを対数型
の導波路及びτ=rからτ=1までを直線導波路とした
場合のほぼ1.5倍となり、従ってこの実施例によれば駆
動電圧を従来に比して70%以上低減することができると
考えられる。
この実施例では、10dB以上の消光比となる場合のΔβ・
L/πは、1以下であり従来の場合の60〜70%程度とな
る。従ってその分駆動電圧を低減できる。また第16図及
び第17図にも示すように、−20dB以下のスロクトークを
得られる駆動電圧の範囲を広くできる。
尚、上述した実施例の説明において、第13図に示した実
施例では、直線導波路の開き角をτ=rにおける対数型
の導波路の開き角よりも広くしているが、より好ましく
は直線導波路の開き角をτ=rにおける対数型の導波路
の開き角と等しくするのがよい。
(第四実施例の変形例) 第19図は第四実施例の変形例の構成を概略的に示す平面
図である。この変形例の導波型光スイッチ62では、基板
48として例えばXカットLiNbO3基板を用い、電極46を電
極部材46e、46f及び46gから構成する。電極部材46eを導
波路40の導波路42とは反対側の側部に配置し、電極部材
46fを導波路40、42の間に配置し、電極部材46gを導波路
42の導波路40とは反対側の側部に配置する。このように
電極構造は基板材料に応じて任意好適に変更することが
できる。
第五実施例 第20図はこの発明の第五実施例の構成を概略的に示す平
面図である。尚、上述した構成成分に対応する構成成分
については同一の符号を付して示す。
第五実施例の光スイッチ68は、X分岐型導波路を構成す
る導波路40および42とそれぞれの入力側導波路50及び52
と、電極部材46h、46i、46jから成る電極46とを備えて
成る。
導波路40及び42の全体を上述の(22)式で表される対数
型の、分岐する導波路とし、同様に導波路50、52の全体
を上述の(22)式で表される対数型の、分岐する導波路
とする。
また導波路40、42の導波路幅を等しくし、導波路40及び
この導波路40よりも導波路幅の広い導波路50の一方を端
部同士を結合し、導波路42及びこの導波路42よりも導波
路幅の狭い導波路52の一方の端部同士を結合する。導波
路40、50の結合部分に符号p及び導波路42、42の結合部
分に符号qを付して示す。
そして結合部分p及びqを互いに離間させる。
さらに電極部分46hを導波路40の、導波路42とは反対側
の側部に、電極部材46iを導波路40、42の間に、及び電
極部材46jを導波路42の導波路40とは反対側の側部に配
置し、これら電極部材46h〜46jを曲り部の始端から終端
まで延在させて設ける。
次にこの実施例の光スイッチの動作につき簡単に説明す
る。
導波路50に光が入力されると導波路50に偶モード光が励
起され、この偶モード光は結合部分p、qの部分でパワ
ーを等分され分岐部Iの導波路40、42にそれぞれ等しい
パワーの偶モード光が入力する。この場合には、電極46
に電圧を印加して導波路40、42の曲り部IIにおいて屈折
率差を生じさせると、偶モード光を、屈折率の高い方の
導波路から出力させ屈折率の低い方の導波路からは出力
させないようにすることができる。
また導波路52に光が入力されると奇モード光が励起さ
れ、この奇モード光は結合部分p、qの部分でパワーを
等分され導波路40、42の分岐部Iに等しいパワーの奇モ
ード光が入力する。この場合には電極46に電圧を印加し
て導波路40、42の曲り部IIにおいて屈折率差を生じさせ
ると、奇モード光を、屈折率の低い方の導波路から出力
され屈折率の高い方の導波路からは出力させないことで
きる。
導波路50或は52に光を入力すると、Y分岐の逆過程が生
じ、結合部分p、qにおいてパワーが等分された界分布
をもつ偶モード或は奇モードを励起することができる。
第21図にこの実施例のクロストーク特性について解析し
た結果の一例を示す。
尚、曲り部IIでの導波路40、42の導波路幅を曲り部II以
外での導波路40、42の導波路幅よりも広くしたり狭くし
たりしてもよい。
この発明は上述した実施例にのみ限定されるものではな
く、従って各構成成分の形状、寸法、配設位置、数値的
条件そのほかの条件を任意好適に変更できる。
(発明の効果) 上述した説明からも明らかなように、この発明の導波型
光スイッチによれば、分岐する2つの導波路それぞれの
一部に曲り部を設け、曲り部の始端の側での2つの導波
路の開き角を大きくし、曲り部の終端の側での2つの導
波路の開き角を小さくするので、次のi)及びii)を同
時に達成することが可能になると考えられる。
i)駆動電圧を従来と同一として従来と比較した場合に
は、実用に適したクロストーク特性を従来よりも短いデ
バイス長で実現できる。或はデバイス長を従来と同一と
して従来と比較した場合には、実用に適したクロストー
ク特性を従来よりも低い駆動電圧で実現できる。
ii)実用に適したクロストーク特性を従来よりも広い駆
動電圧の範囲で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第一実施例の構成を概略的に示す部
分的平面図、 第2図は第一実施例の導波路形状の説明に供する図、 第3図はパラメータF及びyの関係を示す図、 第4図はパラメータnに対するモード変換率の指標γの
変化の様子を示す図、 第5図(A)〜(B)は従来素子のクロストーク特性を
示す図、 第6図(A)〜(B)は第一実施例のクロストーク特性
を示す図、 第7図は最小最大結合係数比Rの最適化のための解析結
果の一例を示す図、 第8はKoLの最適化のための解析結果の一例を示す図、 第9図はピークγのm依存性の説明に供する図、 第10図は導波路のτ=0からτ=1までの部分を直線導
波路とした場合のクロストーク特性の一例を示す図、 第11図はこの発明の第二実施例の構成を概略的に示す部
分的平面図、 第12図はこの発明の第三実施例の構成を概略的に示す部
分的平面図、 第13図はこの発明の第四実施例の構成を概略的に示す部
分的平面図、 第14図はモード変換の指標γの変化の様子の説明に供す
る図、 第15図はXp/Xeに対するピークγの変化の様子を示す
図、 第16図(A)〜(B)及び第17図は第四実施例のクロス
トーク特性を示す図、 第18図は導波路のτ=0からτ=1までの部分を直線導
波路とした場合のクロストーク特性の一例を示す図、 第19図はこの発明の第四実施例の変形例の構成を概略的
に示す部分的平面図、 第20図はこの発明の第五実施例の構成を概略的に示す部
分的平面図、 第21図はこの発明の第五実施例のクロストーク特性の一
例を示す図、 第22図は従来の導波型光スイッチの構成を概略的に示す
平面図である。 10……導波型光スイッチ 12、14、18、26、28、40、42、44、50、52……導波路 16、46……電極、20……基板 22、24……直進導波路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分岐する2つの導波路と、2つの導波路間
    の屈折率差又は伝搬定数差を制御する電極とを備え、2
    つの導波路間の間隔を導波路の分岐部から終端部へ向け
    て広げて成る導波型光スイッチにおいて、 前記2つの導波路それぞれの少なくとも一部に曲り部を
    設け、 該曲り部の始端の側での2つの導波路の開き角を大きく
    し、曲り部の終端の側での2つの導波路の開き角を小さ
    くしたことを特徴とする導波型光スイッチ。
  2. 【請求項2】前記曲り部の開き角を、曲り部の始端から
    終端へ向けて徐々に小さくしてゆくことを特徴とする請
    求項1に記載の導波型光スイッチ。
  3. 【請求項3】前記2つの導波路は、これら導波路の分岐
    部の終端及び曲り部の終端の間において固有モードを保
    存する導波路系を形成することを特徴とする請求項1に
    記載の導波型光スイッチ。
  4. 【請求項4】前記2つの導波路の分岐部を、固有モード
    の光パワーを2つの導波路へ等分するための部分とし、 前記2つの導波路の曲り部の終端部を、固有モードの光
    パワーを2つの導波路のいずれか一方へ集中させるため
    の部分としたことを特徴とする請求項1に記載の導波型
    光スイッチ。
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