JPH0792157A - 炭化水素の検出方法及び基材又は基板表面の汚染防止方法と装置 - Google Patents

炭化水素の検出方法及び基材又は基板表面の汚染防止方法と装置

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JPH0792157A
JPH0792157A JP5207005A JP20700593A JPH0792157A JP H0792157 A JPH0792157 A JP H0792157A JP 5207005 A JP5207005 A JP 5207005A JP 20700593 A JP20700593 A JP 20700593A JP H0792157 A JPH0792157 A JP H0792157A
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敏昭 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気体中に含まれる微量の炭化水素を簡単な手
段で検出できる方法と、その方法を用いて捕集材の寿命
を検出する汚染防止方法と装置を提供する。 【構成】 気体中に微量含まれる炭化水素を検出する方
法において、気体中の炭化水素をヨウ素の遊離に伴う色
調の変化で検出するものであり、また基材又は基板と接
触する気体2を、除塵手段7と、吸着及び/又は吸収手
段4とにより浄化し、前記気体中の微粒子濃度をクラス
1000以下、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm 以下
となした後、前記気体を基材又は基板表面10に暴露す
ることによる基材又は基板表面の汚染を防止する方法に
おいて、前記気体中の炭化水素をヨウ素の遊離に伴う色
調の変化で検出してモニターしながら行うこととしたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化水素の検出方法と
空間中の基材又は基板表面の汚染を防止する方法及び装
置に関し、特に半導体製造や液晶製造などの先端産業に
おける原材料、半製品、製品の基材や基板表面の汚染防
止において、汚染物質である炭化水素をヨウ素の遊離で
検出することにより、基材又は基板表面の汚染防止を適
正に行うものである。
【0002】本発明の適用分野は例えば、(1)半導体
製造工程におけるウエハの汚染防止、(2)液晶製造工
程におけるガラス基板の汚染防止、(3)精密機械製造
工程における基材の汚染防止、である。本発明の汚染防
止方法及び装置の適用箇所の例としては、半導体製造工
場、液晶製造工場、精密機械製造工場などにおけるクリ
ーンルーム内の空間、例えば安全キャビネット、クリー
ンボックス、貴重品の保管庫、ウエハ保管庫、貴重品の
密閉搬送空間、各種気体の存在下あるいは減圧下や真空
下でのクリーンな密閉空間、搬送空間、洗浄装置への供
給気体を含む空間、エアーナイフ用供給空気を含む空
間、がある。
【0003】
【従来の技術】従来の技術を、半導体製造工場における
クリーンルームの空気清浄を例にとり、以下説明する。
クリーンルームにおいては、微粒子(粒子状物質)や、
自動車の排気ガスなどに起因する空気中のメタン以外の
極低濃度の炭化水素(H.C)などのガス状物質が汚染
物質として問題となる。特にH.Cはガス状有害成分と
して通常の空気(室内空気及び外気)中の極低濃度のも
のが汚染をもたらすので、除去する必要がある。また、
クリーンルームにおける作業で生じる各種の溶剤(アル
コール、ケトン類など)も汚染物質として問題となる。
【0004】すなわち、上述の汚染物質(微粒子及びガ
ス状汚染物質)がウエハ、半製品、製品の基板表面へ沈
着すれば基板表面が破損しやすくなり、半導体製品の生
産性(歩留り)を低下させる原因となるため、汚染物質
の除去が必要である。微粒子とガス状物質はともに基板
表面の接触角を増大させるが、特に通常のクリーンルー
ム内ではH.Cが接触角を増大させる傾向が高い。ここ
で、接触角とは水によるぬれの接触角のことであり、基
板表面の汚染の程度を示すものである。すなわち、基板
表面に疎水性(油性)の物質が付着すると、その表面は
水をはじき返してぬれにくくなる。すると基板表面と水
滴との接触角は大きくなる。従って接触角が大きいと汚
染度が高く、逆に接触角が小さいと汚染度が低い。
【0005】従来のクリーンルームの空気浄化方法ある
いはそのための装置には、大別して、(1)機械的ろ過
方法(HEPAフィルターなど)、(2)静電的に微粒
子の捕集を行う、高電圧による荷電あるいは導電性フィ
ルターによるろ過方式(HESAフィルターなど)、が
ある。これらの方法は、いずれも微粒子の除去を目的と
しており、メタン以外の炭化水素(H.C)のような、
接触角を増大させるガス状の汚染物質の除去に対しては
効果がない。一方、ガス状の汚染物質であるH.Cの除
去法としては、燃焼分解法、O3 分解法などが知られて
いる。しかし、これらの方法は、クリーンルームへの導
入空気中に含有する極低濃度のH.Cの除去には効果が
ない。
【0006】また、H.C以外のガス状有害成分として
は、SOx、NOx、HCl、NH3 などがあり、これ
らの除去法としては、適宜のアルカリ性物質や酸性物質
を用いた中和反応や酸化反応を利用する方法などが知ら
れている。しかし、これらの方法は、やはり成分濃度が
クリーンルームへの導入空気中に含有するような極低濃
度の場合には、効果が少ない。H.C以外のSOx、N
Ox、HCl、NH3 などの有害成分は通常の大気濃度
では、一般には影響が少ない。ガス状汚染物質としての
H.Cはいかなる現場においても共通に存在し、かつ通
常の大気濃度で影響を及ぼすので、主たる汚染物質とい
える。
【0007】本発明者らは、基材又は基板表面の汚染を
防止する方法及び装置として、上記接触角の増大を防止
するために吸着材や吸収材などを用いる方法及び装置
を、すでに提案した(特願平3−341802号、特願
平4−180538号)。これらの方法及び装置は適用
分野によっては有効であるが、更に実用性を増すために
一層の改善を行う必要がある。実用性を増すためには、
接触角を増加させる汚染物質を検出してモニターし、該
汚染物質が原材料、半製品、製品に接触することを未然
に防ぎ、また、基材又は基板表面の汚染防止材(汚染防
止に用いる汚染物質の捕集材)の有効利用を十分に図る
必要がある。
【0008】すなわち、従来、汚染物質の捕集は前記し
た方法及び装置などにより実施されるが汚染物質の捕集
材の寿命が予備試験で決定した設計値しか分からず、現
場では汚染物質濃度や種類が相当変動しているため、運
転条件によっては、汚染物質が後方へ流出し、原材料、
半製品、製品が破損する場合があったし、また寿命が正
確に分からないので、早期に捕集材の交換を行ってい
た。このためコスト高及び作業が煩雑となっており、改
良の必要があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決したもので、気体中に含まれる微量の炭化水
素を簡単な手段で検出できる方法と、その方法を用いて
捕集材の寿命を検出する基材又は基板表面の汚染方法と
装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、気体中に微量含まれる炭化水素を検出す
る方法において、気体中の炭化水素をヨウ素の遊離に伴
う色調の変化で検出することとしたものである。
【0011】また、本発明では、基材又は基板と接触す
る気体を、除塵手段と、吸着及び/又は吸収手段とによ
り浄化し、前記気体中の微粒子濃度をクラス1000以
下、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm 以下となした
後、前記気体を基材又は基板表面に暴露することによる
基材又は基板表面の汚染を防止する方法において、前記
気体中の炭化水素をヨウ素の遊離に伴う色調の変化で検
出してモニターしながら行うこととしたものである。
【0012】更に、本発明では、基材又は基板と接触す
る気体中の微粒子をクラス1000以下となるまで除去
するための除塵手段と、非メタン炭化水素を0.2ppm
以下となるまで除去するための吸着手段及び/又は吸収
手段とを備えた基材又は基板表面の汚染防止装置におい
て、前記気体中の炭化水素をヨウ素の遊離に伴う色調の
変化で検出するモニター装置を設けることとしたもので
ある。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、気体中に存在する炭化水素(H.C)を検出す
るのは、H.Cの存在下におけるヨウ素の遊離反応によ
って検出するものであり、それに用いる反応剤は、存在
するH.Cと反応してヨウ素を遊離するものであれば、
何れでも使用できるが、通常、五酸化ヨウ素が効果が高
く、簡単に使用できることから好ましい。
【0014】この反応は、下記式(1)による。 H.C+I2 5 +H2 2 7 →I2 +H2 SO4 +H2 O+CO2 … (1) 式(1)の遊離ヨウ素(I2 )を適宜の方法で色調の変
化を検出することにより行うことができる。例えば、ガ
ラスビーズなどの適宜の母材にI2 5 及びH2 2
7 を含浸させておくと、これにH.Cが反応するとヨウ
素が遊離し、黒褐色を呈し、この黒褐色への変化を目視
や光吸収(吸光度の変化)により検出することによりモ
ニターできる。
【0015】本発明を適用し得る空間とは、上述の大気
圧下の他に、加圧下、減圧下、真空下を指し、同様に実
施できる。空気中のH.C成分は数百種あるいは数千種
以上の成分の混合物と言われていて、このような多種類
のH.C成分のうち接触角の増大にどの成分がどの程度
関与するのか不明である。そのため、吸着材及び/又は
吸収材による接触角の増大を防止する機構についての詳
細は不明な点が多いが、次のように考えられる。すなわ
ち、接触角の増大に対してはH.C成分のうち特に分子
量の大きい物質や活性の高い物質の影響が大きいと推定
され、これらが吸着材や吸収材によって効果的に吸着・
捕集される。
【0016】次に、基材又は基板表面の汚染防止を行う
ための汚染物質の捕集材について説明する。ガス状有害
成分を除去するためには、接触角を増大させるこれら成
分を吸着及び/又は吸収する材料を用いる。非メタン炭
化水素は、通常の空気(室内空気及び外気)中の濃度で
汚染をもたらす。また種々の非メタン炭化水素のうち、
接触角を増大させる成分は基材の種類(ウエハ、ガラス
材など)や基板上の薄膜の種類・性状によって異なると
考えられる。
【0017】この汚染物質は、次の捕集材を用いて捕集
することができる。吸着材としては、活性炭、シリカゲ
ル、合成ゼオライト、モレキュラシーブ、高分子化合物
(例えば、スチレン系重合体、スチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体)、ガラス、フッ素化合物、金属などを用
いる。ガラス材としては、酸化物ガラス系、例えばケイ
酸塩ガラス、リン酸塩ガラスが一般的である。ケイ酸塩
ガラスとしては特にホウケイ酸ガラス(主要成分:Na
2 O−B2 3 −SiO2 )が、成形が容易で吸着効果
が高く、かつ安価であることから好ましい。また、ガラ
ス表面にTi、Au、Al、Crなどの金属薄膜を被覆
して用いると、吸着効果が高くなる。
【0018】フッ素化合物としては、四フッ化樹脂、四
−六フッ化樹脂、PFA樹脂、三フッ化エチレン樹脂、
四フッ化エチレン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデ
ン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化黒鉛、テフロンなど
がある。ガラス及びフッ素化合物の使用形状は、フィル
タ状、繊維状、網状、球状、ペレット状、格子状、棒
状、プリーツ状などがある。一般にフィルタ状が吸着効
果が大きいので好ましい。フィルタ状で用いる場合の成
形法の例として、フッ素化合物樹脂をバインダとして用
い、繊維状のガラス材をフィルタ状に固めて用いる方法
がある。このようなフィルタ状で用いるとH.Cの除去
性能に除塵性能が加わるのでフィルタ構成が簡素にな
る。従ってこのような吸着材を汚染防止装置に組み込む
ことは、利用分野、装置規模、装置形状によっては好ま
しい。
【0019】金属としては、例えばFe、Ag、Ni、
Cr、Ti、Au、Ptがあり、粉末状、板状、スポン
ジ状、線状、繊維状、あるいは適宜の担体に付加したも
の、例えばシリカ−アルミナゲルにAgを担持したもの
やリン酸ジルコニウムにAgを担持した形状が好適に使
用できる。上記吸着材のうち、シリカゲル、合成ゼオラ
イト、高分子化合物、ガラス、フッ素化合物、及び金属
が吸着効果が高いのでより好ましい。これらの吸着材
は、単独で又は2種類以上を適宜組み合わせて使用でき
る(特願平3−341802号及び特願平4−1805
38号参照)。後述するように、接触角増大に関与する
H.Cは複数種類と考えられるので、2種類以上の吸着
材を組み合わせて用いると寿命が長くなる。すなわち、
通常1種類の吸着材による捕集によっては接触角増大に
関与する全てのH.Cを捕集するには限界があるので、
吸着特性の異なる吸着材を、実験を行って適宜組み合わ
せて用いると効果的である。
【0020】また、ガラス基板の種類によって、又は基
板の表面状態によってはH.Cの影響の程度が異なるの
で、利用分野、装置規模、形状、装置の使用条件、共存
ガス、要求性能、経済性などにより適宜予備試験を行っ
て、上記吸着材の中から好適なものを選定することがで
きる。また適用分野や装置のタイプによっては、吸着材
に空気を通す前に被処理空気の脱水、除湿又は減湿を行
えば吸着材の吸着性能が向上し、また寿命が延びる。そ
のためには、冷却式、吸着式、吸収式、圧縮式、膜分離
による方式など周知の方式のものを使用することがで
き、本発明の装置の適用分野、規模、形状、使用条件
(例えば大気圧下又は加圧下)などにより適宜予備試験
を行い、1種類又は2種類以上を適宜組み合わせて用い
る。除湿方式は、通常数ヵ月〜半年以上の長期間にわた
って除湿性能が安定して維持されるものを用いるのが好
ましい。
【0021】特に、冷却式及び/又は吸着式のものが簡
易で効果的である。冷却式のものとしては電子除湿方
式、冷却コイル方式が好ましく、吸着式のものとしては
除湿と除湿器自体の再生を行いながら長期間連続して除
湿する方式(固定式、回転式など)が簡易で効果的であ
る。吸着式による除湿材料としては、シリカゲル、ゼオ
ライト、活性炭、活性アルミナ、過塩素酸マグネシウ
ム、塩化カルシウムなどを用いることができる。このう
ち、シリカゲルとゼオライトが、H.C除去効果もあ
り、再生利用でき、また長期間の使用も可能なので好ま
しい。被処理気体中の水分濃度を50%(RH:相対湿
度)以下、好ましくは30%(RH)以下になるように
除湿すれば、吸着材のH.C吸着性能が向上し、性能が
長期間安定して維持される。除湿方式や限界水分濃度
は、適用装置の種類、規模、H.C除去材の種類、要求
性能、経済性などにより、適宜予備試験を行って決める
ことができる。
【0022】一般に、除湿を行えば吸着材のH.C除去
性能が長期間安定して維持される。特に吸着材としてシ
リカゲルやフッ素化合物のような疎水性物質を用いる場
合に性能が顕著に安定する。一方、除湿量が少なくてよ
い場合や、被処理気体の水分濃度が低い場合には除湿を
省略することができる。すなわち、除湿は、吸着材の種
類、装置の利用分野、被処理気体中の水分濃度、適用装
置の規模、形状、要求性能、経済性などにより、適宜予
備試験を行って決めることができる。吸着材の使用に際
しては、上述の(除湿を伴う)使用方法の他に、PSA
(圧力スウィング吸着)やTSA(熱スウィング吸着)
により吸着材の再生を同時に行うことができる。
【0023】H.C吸収材は、低濃度のH.Cと反応
し、これを固定化できるものであれば何でも使用でき
る。一般には、H2 SO4 共存下でのCr6+との反応
や、H2 2 7 共存下でのI2 5 との反応を用いる
ことができる。前者は低分子量のH.Cに、後者は高分
子量のH.Cに対して有効である。例えば、ガラスビー
ズあるいは適宜の形状(例えばペレット状)のゼオライ
トやアルミナなどの担体表面にH2 SO4 酸性の6価ク
ロムを含む塩水溶液を含浸させて用いる。なお、吸収と
は化学反応により反応吸収することを示す。ここで、H
2 2 7 共存下でのI2 5 との反応は、前述モニタ
ーで用いた反応と同じである。この場合、H.Cの捕集
とモニターが兼用でできるので、適用装置によっては好
ましい。
【0024】吸着材及び/又は吸着材の使用条件は、本
発明の装置の適用分野、装置規模、形状、要求性能など
によって、適宜予備試験を行って決めることができる。
装置中の被処理空気の空間速度(SV)は通常100〜
20000(h-1)、好ましくは100〜5000(h
-1)とする。除塵手段は、空気中の微粒子を低濃度まで
除去できるのであればどのようなものでもよい。通常、
微粒子を低濃度まで効率良く捕集する周知の除塵フィル
タが用いられる。一般に、HEPAフィルタ、ULPA
フィルタ、静電フィルタが簡易でかつ効果的であること
から好ましい。通常、これらのフィルタの1種類又は複
数種類を適宜に組み合わせて用いる。微粒子の除去によ
って、微粒子濃度をクラス1000(1000個/f
t3 )以下、好ましくはクラス100以下とする。ここ
で、クラスとは微粒子濃度の単位であり、1ft3 中の微
粒子の個数を表す。
【0025】一般に基材又は基板表面を汚染し、接触角
を増大させる原因となる物質は、(1)SOx 、NO
x、HCl、NH3 のような有害ガス、(2)微粒子、
(3)H.C、に大別できて、本発明者が検討した結
果、通常の空気中(通常のクリーンルームにおける環境
大気中)や半導体製造工場や液晶製造工場などのクリー
ンルームで使用されるN2 中では、接触角に対して、微
粒子とH.Cの影響が大きい。すなわち、一般にSOx
、NOx、HCl、NH3 は、通常の空気中の濃度レ
ベルでは接触角の増大に対して影響が少ない。従って除
塵とH.Cの除去によって効果が得られる。
【0026】このように、基材又は基板表面へのガス状
汚染物質はH.Cが主成分であるので、該H.Cを本発
明の手段により検出し、モニターすることにより、汚染
物質の捕集材の寿命を正確に知ることができる。ヨウ素
の遊離でモニターできる反応剤の設置位置は、適宜の位
置例えば、中央部などに1個所、又は中央部と後方に複
数個所に設置できる。また、汚染防止装置の内部のごく
1部に、あるいは汚染防止装置とは別の流路を設置し、
又は吸着剤や吸収材に混合して用いることもできる。反
応剤の使用量や設置位置、使用の方法は適用装置、規
模、分野、装置形状、汚染物質の捕集材の種類、要求性
能などにより、適宜予備試験を行い決めることができ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 図1は、本発明の方法を半導体製造工場におけるウエハ
保管庫への供給空気の浄化に適用した例である。図1に
おいて、1はクラス10000のクリーンルームであ
り、クリーンルーム内空気2が、除湿器3、接触角を増
大させるガス状有害成分(本例では主としてH.C)を
吸着する吸着材4、H.Cをヨウ素の遊離でモニターで
きる反応剤5、該遊離ヨウ素の捕集材6、及び除塵フィ
ルタ7よりなる汚染防止装置8によって、クリーンルー
ム1内で処理される。装置8を通過した空気9は、除塵
されてかつガス状有害成分が除去された清浄な空気とな
っており、ウエハ(基板)を保管するためのウエハ保管
庫10へ供給される。
【0028】次に、図1を用いて処理方法を説明する。
クリーンルーム1内に前の外気11は、まず粗フィルタ
12と空気調和器13で処理される。次いで空気はクリ
ーンルーム1に入る際にHEPAフィルタ14によって
除塵されて、極低濃度のH.Cが共存するクラス100
00の濃度の空気15となる。すなわち、主に自動車か
ら発生する極低濃度のH.Cは粗フィルタ12、空気調
和器13、及びHEPAフィルム14で除去されないた
め、クリーンルーム1内に導入されてしまう。空気11
中のH.Cの濃度は非メタンH.Cで0.5〜0.8pp
m である。
【0029】水分(RH40〜60%)、微粒子(クラ
ス10000)、及び極低濃度のH.Cを含むクリーン
ルーム1内の空気2は、まず除湿器(除湿装置)3によ
って水分が一定濃度以下になるように除湿される。本例
の除湿器は電子除湿方式によるもので、クリーンルーム
1内の上記湿度(RH40〜60%)が25RH%以下
になるように運転される。除湿後の空気は、次いでH.
C吸着材4によって処理され、これにより極低濃度H.
Cが除去される。H.C吸着材4は、通常大気中にある
極低濃度のH.Cを除去するものであればどのようなも
のでもよい。本例では吸着材4としてシリカゲルを使用
している。これにより、空気中の非メタンH.Cが0.
1ppm の濃度まで除去される。シリカゲルは導入空気2
中の水分が高い場合、水分をも吸着して性能が低下して
しまうので、上述のように除湿器3によって予め水分の
除去を行うのである。
【0030】5はH.C捕集材4の寿命(劣化)を検出
するための反応剤であり、H.Cが流出した場合にヨウ
素の遊離により検出し、モニターできるものである。該
反応剤は、捕集材4からの流出H.Cと反応してヨウ素
を遊離するもの、例えば、ガラスビーズなど適宜の母材
にI2 5 及びH2 2 7 を含浸したものが使用で
き、これにH.Cが反応するとヨウ素(I2 )が遊離
し、黒褐色を呈する。この黒褐色への変化は、目視や光
吸収(吸光度の変化)により簡単にモニターすることが
でき、H.C捕集材4の寿命を簡単に知ることができ
る。6は、遊離ヨウ素の後方への流出を防ぐための遊離
ヨウ素の捕集材であり、ここでヨウ素が捕集される。該
捕集材6は、遊離ヨウ素が捕集できるものであれば何れ
でも良く、通常活性炭が好適に使用できる。
【0031】7は除塵フィルタであり、空気中の微粒子
を除塵フィルタ(除塵装置)7によって除去する。除塵
フィルタ7の位置は、H.C吸着材4よりも上流側、又
は本例のようにH.C吸着材よりも下流側、又は上流側
と下流側の両方とすることができる。しかし、吸着材4
からの微粒子の流出がある場合を想定して安全のため
に、通常本例の様に少なくとも一つは下流側に設置する
のが好ましい。除塵フィルタ7は、クリーンルーム内の
クラス10000の濃度の微粒子及び吸着材からの流出
微粒子を効率良く捕集できるものであれば、どのような
ものでもよい。本例ではULPAフィルタを使用してい
る。ULPAフィルタによって微粒子がクラス10以下
まで除去される。
【0032】本例ではH.C除去は吸着材により行って
いるが、吸着材の代わりに吸収材(極低濃度のH.Cと
の反応剤)を用いてもよい。また吸着材と吸収材を同時
に使用してもよい。また、本実施例における除塵フィル
タと吸着材の除湿器に対する位置は、H.Cの除去にあ
たり予め除湿を行うという目的が達成される限り、何ら
限定されるものではない。
【0033】上述の本発明者がすでに提案した方法(装
置)と本発明の方法との組み合わせや、H.C以外の有
害ガスを除去する材料の使用や組み合わせは、適宜選択
して用いることができる。また、除塵フィルタや吸着材
及び/又は吸収材の使用条件は、適宜に決めることがで
きる。すなわち、これらは、使用するクリーンルーム内
の汚染物質(微粒子、H.C、その他の有害ガス)の濃
度、種類、適用装置の種類、構造、規模、要求性能、効
率、経済性などによって、適宜に予備試験を行って決め
ることができる。本実施例では媒体が空気の場合につい
て説明したが、窒素やアルゴンなど他の気体中に微粒子
やガス状有害物質が不純物として含まれる場合も、本発
明を同様に実施できることは言うまでもない。
【0034】実施例2 図1に示した装置によって、クリーンルーム内の空気か
ら水分と微粒子とH.Cを除去した。これによって得ら
れた清浄化空気にガラス基板を暴露し、接触角を測定
し、反応剤の色変化との対応を調べた。試験条件 処理前のクリーンルーム内での水分の濃度:40〜60
% 処理前のクリーンルーム内での微粒子濃度:クラス10
000 処理前のクリーンルーム内での非メタンH.Cの濃度:
0.51ppm 除湿器:電子除湿器(Peltier effect方式)(伸栄産業
(株)製) 除塵フィルタ:ULPA(日本ポール(株)製、ガスク
リーンフィルタSGLF6101)
【0035】H.C吸着材:シリカゲル(中粒、SV:
1000h-1)(富士デビソン(株)製) 反応剤:ガラスビーズにI2 5 及びH2 2 7 を含
浸したもの(白色、粒状) 遊離ヨウ素の捕集材:活性炭素繊維(東洋紡(株)製) 接触角測定器:協和界面科学(株)製、CA−D型接触
角計 水分測定器:電子式湿度センサ、色変化:目視観察 ガラス基板の前処理:洗剤とアルコールで洗浄後、O3
発生下で紫外線照射
【0036】結 果 空気へのガラス基板の暴露時間と測定された接触角θ及
び色変化の関係を図2に示す。図2において、本発明の
もの(除湿器、除塵フィルタ、シリカゲル、反応剤、活
性炭素繊維を使用)は、−−で示し、比較として接触角
の変化について、クリーンルーム内の処理前の空気にガ
ラス基板を暴露した場合についても測定し、−●−で示
す。用いた接触角計の接触角を検出し得る係数(接触角
の検出下限)は3〜4度であり、除湿器、除塵フィル
タ、シリカゲル、反応剤、活性炭素繊維を同時使用した
本発明の場合、初期において検出限界(↓)を示した。
暴露時間160時間までの装置の出口での微粒子濃度
は、クラス10以下(測定器:光散乱式パーティクルカ
ウンター)で、非メタンH.Cの濃度は0.1ppm 以下
(測定器:ガスクロマトグラフ)であった。また除湿器
出口での水分の濃度は25〜30%であった。
【0037】実施例3 実施例2のクリーンルームにおいて、図3に示した装置
(ただし除塵フィルタと吸着材は下記のものを使用)に
よって、クリーンルーム内の空気から水分と微粒子と
H.Cを除去した。これによって得られた清浄化空気に
ガラス基板を暴露し、接触角を測定し、反応剤の色変化
との対応を調べた。試験条件 処理前のクリーンルーム内での水分の濃度:40〜60
% 処理前のクリーンルーム内での微粒子濃度:クラス10
000 処理前のクリーンルーム内での非メタンH.Cの濃度:
0.64ppm 除湿器:電子除湿器(Peltier effect方式)(伸栄産業
(株)製)
【0038】H.C吸着材:シリカゲル(中粒、SV:
1000h-1)(富士デビソン(株)製)と、このシリ
カゲルの下流側に繊維状ホウケイ酸ガラスを四フッ化樹
脂をハインダとしてフィルタ状に成形したもの(SV:
10000h-1)を装着したもの 除塵フィルタ:上記の繊維状ホウケイ酸ガラスをフィル
タ状に成形したもので兼用 反応剤:ガラスビーズにI2 5 及びH2 2 7 を含
浸したもの(白色、粒状) 遊離ヨウ素捕集材:活性炭素繊維(東洋紡(株)製) 接触角測定器:協和界面科学(株)製、CA−D型接触
角計 水分測定器:電子式湿度センサ、色変化:目視観察 ガラス基板の前処理:洗剤とアルコールで洗浄後、O3
発生下で紫外線照射
【0039】結 果 空気へのガラス基板の暴露時間と測定された接触角θ及
び色変化の関係を図4に示す。図4において、本発明の
もの(除湿器、除塵フィルタ、H.C吸着材、反応剤、
活性炭素繊維を使用)は、−−で示し、比較として、接
触角の変化についてクリーンルーム内の処理前の空気に
暴露したものを−●−で示す。装置の出口での微粒子濃
度はクラス10以下で、非メタンH.Cの濃度は0.1
ppm 以下であった。また除湿器出口での水分の濃度は2
5〜30%であった。なお、図3の記号は、図1の同一
記号と同じ意味を示す。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果を奏する
ことができる。 (1)基材又は基板表面の汚染防止において、主たる汚
染物質であるH.Cをヨウ素の遊離でモニター(検出)
することにより、 汚染物質による吸着材及び/又は吸収材の寿命(劣
化)の状況を、モニター(検出)することができた。す
なわち、緊急時に高濃度のH.Cが発生し、吸着材及び
/又は吸収材が当初の予想以上に劣化してもこの劣化の
状況が簡易に把握できた。
【0041】 により、汚染物質が原材料、半製
品、製品に接触することを未然に防ぐことができた。 により、汚染物質の吸着材及び/又は吸収材を寿
命の限界まで使用できたので、該材料が有効利用でき
た。 (2)(1)により、吸着材及び/又は吸収材を用いる
基材又は基材表面の汚染防止方法及び装置の実用性が向
上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を説明するための概略構成図。
【図2】暴露時間と接触角及び色変化を示すグラフ。
【図3】図1における他の汚染防止装置の概略構成図。
【図4】暴露時間と接触角及び色変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1:クリーンルーム、2:空気、3:除湿器、4:吸着
剤、5:反応剤、6:捕集剤、7:除塵フィルタ、8:
汚染防止装置、9:清浄空気、10:ウエハ保管庫、1
1:外気、12:粗フィルタ、13:空気調和器、1
4:HEPAフィルタ、15:空気

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体中に微量含まれる炭化水素を検出す
    る方法において、気体中の炭化水素をヨウ素の遊離に伴
    う色調の変化で検出することを特徴とする炭化水素の検
    出方法。
  2. 【請求項2】 基材又は基板と接触する気体を、除塵手
    段と、吸着及び/又は吸収手段とにより浄化し、前記気
    体中の微粒子濃度をクラス1000以下、非メタン炭化
    水素濃度を0.2ppm 以下となした後、前記気体を基材
    又は基板表面に暴露することによる基材又は基板表面の
    汚染を防止する方法において、前記気体中の炭化水素を
    ヨウ素の遊離に伴う色調の変化で検出してモニターしな
    がら行うことを特徴とする基材又は基板表面の汚染防止
    方法。
  3. 【請求項3】 基材又は基板と接触する気体中の微粒子
    をクラス1000以下となるまで除去するための除塵手
    段と、非メタン炭化水素を0.2ppm 以下となるまで除
    去するための吸着手段及び/又は吸収手段とを備えた基
    材又は基板表面の汚染防止装置において、前記気体中の
    炭化水素をヨウ素の遊離に伴う色調の変化で検出するモ
    ニター装置を設けたことを特徴とする基材又は基板表面
    の汚染防止装置。
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