JPH0792121A - 青果物の内部品質検査方法 - Google Patents

青果物の内部品質検査方法

Info

Publication number
JPH0792121A
JPH0792121A JP26186693A JP26186693A JPH0792121A JP H0792121 A JPH0792121 A JP H0792121A JP 26186693 A JP26186693 A JP 26186693A JP 26186693 A JP26186693 A JP 26186693A JP H0792121 A JPH0792121 A JP H0792121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vegetables
fruits
internal quality
sample
eddy current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26186693A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisaichi Shibazaki
久市 柴崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP26186693A priority Critical patent/JPH0792121A/ja
Publication of JPH0792121A publication Critical patent/JPH0792121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 青果物の内部品質を切断したりして傷付ける
ことなく検査することができる青果物の内部品質検査方
法を提供する。 【構成】 本発明の青果物の内部品質検査方法は、ま
ず、電源供給手段1から交番磁界発生手段2に通電する
ことによって交番磁界を発生させる。そして、この交番
磁界内に試料青果物を配置し、この試料青果物の内部品
質の状態によって異なる電気抵抗に応じて変化する上記
通電電流の大きさと位相とを測定することによって渦電
流を求め、この渦電流の大きさによって上記試料青果物
の内部品質の判断を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、青果物の熟度,鮮度及
び内部欠陥等を、青果物の電気抵抗値にもとづいて検査
する方法に関し、特に、青果物に接触したり、青果物を
切断したりすることなく検査できるようにした青果物の
内部品質検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生産地から市場に供給される青果物の検
査は、主に収穫時期に行われる。具体的には、青果物の
大きさや重量、外見的な形や色合い、及び熟度等の内部
品質により、青果物の良否が判断され、選別仕分けが行
われる。このような選別仕分けにおいて、青果物の大き
さや重量及び外見的な形や色合いは目視等で外見から判
断することができるが、熟度等の内部品質については当
然に目視等で外見から判断することはできない。
【0003】ところで、近年、青果物を収穫期でない時
期にも収穫期と同様の状態で出荷する目的で、温度や雰
囲気ガスを制御して青果物を長期間保存する技術が確立
されつつある。このような技術を用いると、青果物の保
存中に発生する鮮度低下によって、内部不良や過熟の生
じることがある。例えば、リンゴは、翌年の収穫時期近
くまで保存され、通年販売されるが、このようなリンゴ
の中には、外見的な色合いや接触的な硬度は正常である
のに、果肉の果芯部から褐色に変色して味覚が落ちるい
わゆる「褐変」を生じたものが散見される。また、キー
ウイフルーツは収穫したままの状態では、果肉が硬く酸
味が強いので、温度や雰囲気ガスを制御調整する追熟処
理を行い、美味になるようにしてから出荷されるが、過
熱により食に耐えない内部不良品の発生する場合があ
る。このため、このような内部品質不良を、青果物を切
断したりして傷付けることなく検査できる技術が望まれ
ている。そこで、糖度及び酸度などについては、青果物
を切断等したりすることなく測定する技術が提案されて
いる。
【0004】内部褐変したリンゴと正常なリンゴとを比
較し、これらの糖度と酸度とを検査した結果を図6の図
表に示した。この図表に示すように、正常品と内部褐変
品との間で酸度の平均値には明らかな相違を生じている
が、糖度にはこのような著しい相違は認められない。し
たがって、糖度の相違に基づいて、リンゴの内部品質の
良否判断をすることは困難である。また、上記図表に示
すように、酸度の平均値は二倍近い相違が認められる
が、元々酸度自体は微量であり、かつ正常なリンゴの最
小値と褐変したリンゴの最大値とがオーバーラップして
いるので、酸度を内部品質の良否判断の指標にすること
ができない。
【0005】このように、青果物の内部品質は外見的に
判断することができず、しかも、青果物の種類によって
は、糖度や酸度を指標にして内部品質の良否判断するこ
とができなかった。このため、従来は、青果物の保存開
始前に仕分けした外観上の等級,収穫時期,栽培農場,
保存庫内の位置等のロット毎に、多数の青果物の中から
少数の標本を抜き取り、抜き取った標本青果物の内部を
切断して目視判断することにより、青果物全体の内部品
質の良否判断を行なっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の青果物の内部品質検査方法は、青果物の抜き取り検査
という確率的な検査で行なうので、個々の青果物すべて
の良否を示すものではない。したがって、不良であると
判断されたロットにおいても、多数の正常な青果物が含
まれており、そのロットの青果物全部が、等級の低い加
工用青果物にされたり、家畜の飼料にされてしまうこと
になるので、青果物経済上、極めて損失が大きい。
【0007】本発明は上記問題点にかんがみてなされた
もので、個々の青果物の内部品質を電気抵抗値の大きさ
で検査するようにし、特に青果物を切断したりして傷付
けることなく、非破壊,非接触で検査することができる
ようにした青果物の内部品質検査方法の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の青果物の内部品質検査方法は、試料青果物
の内部品質の状態によって異なる電気抵抗を測定し、こ
の測定した電気抵抗の大きさにもとづいて青果物の内部
品質の検査を行なうようにしてある。
【0009】そして、具体的には、電源供給手段から交
番磁界発生手段に通電することによって交番磁界を発生
させ、この交番磁界内に試料青果物を配置し、この試料
青果物の内部品質の状態によって異なる電気抵抗に応じ
て変化する上記通電電流の大きさと位相とを測定するこ
とによって渦電流を求め、この渦電流の大きさによって
上記試料青果物の内部品質を検査するようにしてある。
【0010】また、必要に応じて、青果物の種類ごと
に、内部品質が未熟,適熟,過熟,腐敗のうちの少なく
とも一つの状態にあるときの渦電流値をあらかじめ求め
ておき、測定した渦電流値とあらかじめ求めた渦電流値
を比較することによって試料青果物の内部品質の状態を
判断するようにしてある。
【0011】
【作用】例えば、リンゴの褐変品を食味してみると、リ
ンゴ特有の酸味がなく、異様に甘ったるい。さらに、果
肉がサラサラと崩れ、正常品が有する「パリッ」とした
歯ごたえがなく、「粉っぽい」感覚がする。褐変品にお
いて、甘みが増えたように感じるのは、鮮度低下の過程
で酸が消費され、図6に示したように、酸度が低下した
ためと考えられる。また、「粉っぽい」歯ごたえがする
のは、果肉細胞同士の結合が弱化し、個々の細胞が離散
したことによるものであると考えられる。
【0012】次に、褐変に至る過程を、切断した試料リ
ンゴにより時を追って観察した。この観察によると、先
ず、リンゴの果芯部と果肉との境界部分に「蜜症状」と
いわれる半透明な部分が発生し、やがて褐色に変化し
た。この蜜症状は、細胞内の液状物質が細胞間に浸み出
した状態であり、褐変は細胞が壊死したものであると考
えられる。さらに時を経ると、やがて腐敗してしまっ
た。したがって、上記蜜症状と褐変に関する推測は正し
いと考えられる。以上の観察から、高鮮度を保持した正
常な果肉の細胞は、互に強く結合した状態にあり、細胞
間に液状物質の浸み出しがないものであると考えられ
る。
【0013】ところで、青果物の細胞壁はセルロースを
主成分としているので、細胞壁自体の電気抵抗は大き
い。また、細胞内の液状成分は電解質であるが、生きた
細胞の細胞壁は、その生理的活性によって、電気伝導を
担うイオンを透過させないように作用する。したがっ
て、高鮮度の正常品は、電気を通し難いという性質を有
している。これに対して、不良品では、細胞間に浸み出
した液体と細胞が壊死した褐変部分に、細胞の生体活性
がない。また、電解質液体が、離散した細胞の間をぬっ
て連続した状態にある。このため、不良品では、電気が
通り易くなっていると考えられる。
【0014】かかる考察を実証すべく、簡単な電気抵抗
試験を行った。この試験は、テスター等の電気抵抗計の
触針を一定間隔で試料の果肉に突き刺し、正常品と褐変
した不良品との電気抵抗を測定することにより行った。
この試験により、図2の図表に示すような結果を得た。
すなわち、褐変品は、正常品に比して電気抵抗値が明ら
かに低く、さらに、褐変を通り越して腐敗に至った不良
品では、褐変品よりもさらに低い抵抗値を示した。
【0015】かかる実証に基づいて本発明の作用を説明
する。図1は、本発明の構成図である。図1において、
電源供給手段1から交番磁界発生手段2に通電すると、
交流磁界発生手段2から交番磁界が発生する。この交番
磁界内に試料青果物100が配置されていないときに
は、交番磁界発生手段2に通電される電流は少なくかつ
その位相が所定角度遅れた電流となるので、電源供給手
段1の消費電力は少ない。
【0016】このような交番磁界内に試料青果物100
を配置すると、交番磁界の電磁気学的作用によって、試
料青果物100内に渦電流が生じ、試料青果物100内
で電力が消費される。この渦電流の大きさは、試料青果
物100の電気抵抗値の大きさに対応する。すなわち、
試料青果物100の電気抵抗値の大きさによって、試料
青果物100内に発生する渦電流の大きさが変化し、交
番磁界発生手段2への通電電流の大きさと位相が変化す
ることになる。
【0017】したがって、電気抵抗値が大きい正常品の
試料青果物100を交番磁界内に配置した場合と、電気
抵抗値が小さい不良品の青果物100を交番磁界内に配
置した場合とでは、通電電流の大きさ及び位相が各場合
で異なることになる。この通電電流の大きさ及び位相を
測定手段3により測定することで、試料青果物100の
内部品質を検査することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図3は、本発明の一実施例である非破壊,
非接触状態で青果物の内部品質検査を行なう方法のブロ
ック図である。図3において、符号10は、電源供給手
段としての発振器であり、この発振器10に交番磁界発
生手段としての交流ブリッジ回路11が接続され、この
交流ブリッジ回路11に、調整部40を介して、指示計
器50が接続されている。
【0019】発振器10は、交流ブリッジ回路11に電
力を供給するための機器である。この発振器10は、そ
の周波数を最低周波数10Hz(ヘルツ)の低周波から
最高500KHz(キロヘルツ)の高周波まで変化させ
ることができ、発振器10内には、その出力を最大20
Wに増幅可能な電力増幅器が内蔵されている。
【0020】交流ブリッジ回路11は、発振器10から
交流電流が供給される一次コイル21と二次巻線22,
23を持った二次コイルとで形成された変成器20を有
しており、その後段に、コイル部30が接続されてい
る。コイル部30は、二次巻線23側に接続され試料青
果物100に交番磁界を与える検出コイル31と、二次
巻線22側に接続された補償コイル32とで形成されて
いる。
【0021】これら検出コイル31,補償コイル32の
線材,長さ,巻数は同一に設定されており、これら検出
コイル31,補償コイル32のインダクタンス等の電磁
気的特性も同一に設定されていて、ブリッジ平衡が取り
易くなっている。また、検出コイル31,補償コイル3
2の大きさは、試料青果物100を内部に入れたとき
に、試料青果物100全体に均一な磁界が作用し、か
つ、試料青果物100が検出コイル31,補償コイル3
2に接触しない大きさに設定されている。具体的には、
試料リンゴ100の約1.5倍と考え、検出コイル3
1,補償コイル32の直径及び巻長さを、ともに12c
mに設定し、巻数を20回に選定した。
【0022】調整部40は、二次巻線22,23に接続
された可変抵抗としての位相調整抵抗41と、指示計器
50に接続された可変抵抗としての平衡調整抵抗42と
で形成されている。
【0023】指示計器50は、検出コイル31に通電さ
れる交流電流の大きさと位相とを検出表示するためのも
のであり、具体的には、交流ブリッジ回路11からの極
めて微弱な信号を表示する必要があることから、フルス
ケール10μV(マイクロボルト)まで測定できる高増
幅度の交流電圧計が用いられている。そして、この指示
計器50は、検出コイル31内に試料青果物100がな
い状態で、その指示が「0」となるように初期設定され
ている。具体的には、位相調整抵抗41及び平衡調整抵
抗42を互いに調節することにより、このような平衡が
とられている。
【0024】上述した装置において、発振器10から所
定周波数の交流電流が変成器20の一次コイル21に印
加されると、二次巻線22を介して、検出コイル31に
交流電流が通電され、検出コイル31に交番磁界が形成
される。このように交番磁界を形成する交流電流は、調
整部40の位相調整抵抗41,平衡調整抵抗42で位相
調整等されて、指示計器50に入力され、その大きさと
位相とに対応した電圧が検出指示される。
【0025】ところで、リンゴは金属等の良導体に比べ
ると、極めて大きな電気抵抗値を有しているので、褐変
の有無による交流電流とその位相の変化を検出するに
は、あまりにも小さすぎて読取りが困難である。しか
し、上述のように交流ブリッジ回路11が設けられてい
るので、交流電流の大きさと位相の変化とが高感度で検
出され、それに対応した電圧が指示計器50に指示され
る。
【0026】このような装置において、試料青果物10
0を検出コイル31内に配置すると、試料青果物100
の電気抵抗値の相違、すなわち、試料青果物100の内
部品質が正常か、不良かによって、検出コイル31の通
電電流の大きさ及び位相が異なり、これらに対応した電
圧が指示計器50に表示される。したがって、この指示
計器50を観察することによって、試料青果物100の
内部品質を検査することができる。
【0027】この指示計器50の検出感度と発振器10
の周波数と関係は、次の通りであった。すなわち、数K
Hz以下の低周波では、褐変の有無による検出感度の差
は認め難く、10KHz以上で僅かに差が認められた。
そして、100KHz以上の高周波でより明瞭な違いが
見られ、200KHz附近より高い周波数では、褐変の
有無による検出感度の差に大きな変化はなかった。な
お、1MHz以上の周波数は上記装置の範囲外である
が、それ以上に特別に高感度となる周波数があるとは考
え難く、あまり高い周波数では却って感度が低下すると
考えられる。
【0028】次に、上述した青果物の内部品質検査方法
でリンゴの褐変と渦電流との関係を測定した。図4は、
リンゴの内部褐変の有無と渦電流を示す図表である。本
測定では、冷蔵保存した正常品グループのリンゴと、温
蔵保存した褐変品グループのリンゴとを試料青果物10
0として測定した。この測定の結果、図4に示すような
データーを得た。同図の図表において、番号1〜10の
正常品グループと番号11〜20の褐変品グループは同
一ロットを無作為に二分したものであり、保存経過日数
の「初期」は購入してきた直後の保存条件を変える以前
のものである。
【0029】同図表に示すように、「初期」の段階で
は、正常品グループと褐変品グループとの間に差は殆ど
ない。しかし、「1日」経過以後には両グループに明瞭
な差が認められる。すなわち、経過日数の増加に従っ
て、褐変品グループの測定値に大きな変化が表れている
に対して、正常品グループにおいてはその変化は僅かで
あり、両グループの変化の相違が明らかになっている。
なお、日を経ずして大きな測定値を示した褐変品グルー
プの19番と20番とのリンゴは、切断による内部観察
をしたところ、明瞭な褐変が確認された。
【0030】上記「経過日数」の5日間経過後に、全て
のリンゴを切断観察したところ、測定値と褐変の有無と
の間に極めて明瞭な関係が見られた。すなわち、測定値
が1.0以上で褐変が認められ、1.0以下のものには
認められなかった。かかる傾向は、正常品グループにお
いても同じであった。
【0031】また、正常品グループに褐変品が存在した
のは、試料のリンゴが収穫後6ヵ月以上の長期冷蔵保管
品であるので、すでに試験開始以前に僅かな褐変が生じ
ていたり、褐変寸前のものが正常品グループに混在して
いたことによるものと考えられる。
【0032】ここで、図4の図表におけるリンゴと図2
の図表におけるリンゴとは同一品であり、番号も同じで
あるが、切断観察による褐変の有無と電気抵抗値とは必
ずしも一致していない。これは、図4の図表がリンゴ全
体の平均的な値をとり、図2の図表が抵抗計の触針の突
き刺し位置の値をとっていることによる。
【0033】次いで、上述した青果物の内部品質検査方
法でキーウイフルーツの過熟進行と渦電流との関係を測
定した。キーウイフルーツは、食べ頃には未だ早い果肉
の硬いものが収穫され、冷蔵保管されて出荷時期が調整
され、適宜室温程度の温度で追熱されて、果肉が柔らか
くされたものが出荷される。したがって、本測定では、
果肉が硬めの同一ロット品のキーウイフルーツを試料青
果物100として20個用意し、これらのキーウイフル
ーツを無作為に二分して、その一方を5℃で冷蔵して追
熱進行を抑え、他方を、ポリエチレンフィルムの袋に入
れて軽く閉じ、25〜27℃の室内に放置して追熱促進
した。そして、このように処理した20個のキーウイフ
ルーツを上記リンゴと同様の条件で測定した。
【0034】このような測定の結果、図5の図表に示す
ようなデーターを得た。同図表によれば、未熟品ないし
適熟品の渦電流値は、1.0〜1.5の範囲にあるが、
食するに適さない過熟品及び腐敗品の渦電流は2.0以
上及び4.0以上と大きく、適熟品とは明らかに異なる
値を示しているので、過熟品及び腐敗品と適熟品とを判
別することができる。したがって、青果物の種類ごと
に、内部品質が未熟,適熟,過熟,腐敗のうちの少なく
とも一つの状態にあるときの渦電流値をあらかじめ求め
ておき、測定した渦電流値とあらかじめ求めた渦電流値
を比較することによって試料青果物の内部品質の状態を
判断することができる。
【0035】また、試験後に電気テスターで計った電気
抵抗値を比較してみると、未熟品から適熟品までは7.
0〜9.0KΩの範囲にあり、あまり大きな変化はな
い。しかし、過熟品及び腐敗品では、急激に抵抗値が低
下して4.5KΩ以下となり、特に腐敗進行が大きいも
のでは、1.5KΩ以下まで低下している。この電気抵
抗値低下現象は、キーウイフルーツの細胞の壊死による
電解質の漏出、あるいは細胞壁の崩壊と考えられる。
【0036】この考察を次のような測定試験により実証
した。すなわち、図5の図表において冷蔵保管していた
番号1〜10のキーウイフルーツの保温温度を0℃以下
に設定して、いったん凍結した後に、解凍して電気抵抗
値を測定した。この結果、全てのキーウイフルーツが
2.0〜3.0KΩの電気抵抗値を示し、上記図4に示
した試験における腐敗品と同等の電気抵抗値を示した。
すなわち、キーウイフルーツは南方系の果物であるの
で、低温には極めて弱く細胞が壊死してしまい、僅か数
日のうちに全てのキーウイフルーツが腐敗したのであ
る。
【0037】以上のように本実施例によれば、検出コイ
ル31の通電電流の大きさ及び位相を指示計器50で測
定することで、青果物100の内部品質を検査すること
ができるので、個々の青果物100を切断したりして傷
を付けることなく外部から検査することができ、この結
果、青果物検査経済の向上を図ることができる。また、
いったん凍結したために細胞が壊死しており、腐敗しや
すくなっている青果物の検査も容易に行なうことができ
る。
【0038】なお、図3に示した装置に、次のような公
知の電子技術を設けて、本実施例に係る青果物の内部品
質検査方法を適用することができることは勿論である。
すなわち、交流ブリッジ回路11に高周波ブリッジを形
成し、位相検波回路によって交流電流の信号検出し、周
波数フイルターによって指示計器50に入力される信号
のノイズの低減するようにすることがでいる。また、指
示計器50においては、基準電圧との比較によって入力
信号の電圧を判別するようにし、検出された不良判別信
号による排除装置の駆動を行う。さらに、試料青果物1
00搬送用の搬送コンベアーを設けると共に、これを駆
動し、また速度とのタイミング調整を行う調整装置を設
け、かつ装置の各部を機能的に制御する制御回路を設け
ることができる。特に、試料青果物100は、一般に球
形ないしは回転楕円体に近い形が多く、搬送中に転げる
等安定性に欠けるので、公知の光学式自動選果装置と同
様な自動供給装置やポケット付きコンベアー等を試料青
果物100の搬送手段として用いることにより、かかる
試料青果物100の不安定性を是正することができる。
【0039】また、本実施例では、リンゴ,キーウイフ
ルーツについて適用したが、これに限らず、種々の青果
物についても、その内部品質が正常か不良かの測定検査
を行なうことができることは勿論である。さらに、電気
抵抗計等の測定子を青果物に接触させて電気抵抗を測定
し、この電気抵抗の大きさによって内部品質を検査する
ような方法であってもよい。このような場合には、青果
物に測定子を接触させる際に、青果物を傷つけないよう
に注意して行なう。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明の青果物の内部品質
検査方法によれば、交番磁界発生手段の通電電流の大き
さ及び位相を測定することで、青果物の内部品質を検査
することができるので、青果物を切断したりして傷付け
ることなく外部から内部品質を検査することができ、こ
の結果、青果物検査経済の向上を図ることができる。ま
た、いったん凍結した経歴があり、腐敗しやすくなって
いる青果物の検査も容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【図2】リンゴの正常品と褐変品の電気抵抗を示す図表
である。
【図3】本発明の一実施例に係る青果物の内部品質検査
方法を実施する際に用いる装置例のブロック図である。
【図4】本実施例におけるリンゴの内部褐変の有無と渦
電流を示す図表である。
【図5】本実施例におけるキーウイフルーツの追熟進行
と渦電流を示す図表である。
【図6】リンゴの内部褐変と酸度及び糖度を示す図表で
ある。
【符号の説明】 1 電源供給手段 2 交番磁界発生手段 3 測定手段 10 発振器 11 交流ブリッジ回路 20 変成器 21 一次コイル 22,23 二次巻線 30 コイル部 31 検出コイル 32 補償コイル 40 調整部 41 位相調整抵抗 42 平衡調整抵抗 50 指示計器 100 試料青果物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料青果物の内部品質の状態によって異
    なる電気抵抗を測定し、この測定した電気抵抗の大きさ
    にもとづいて青果物の内部品質の検査を行なうことを特
    徴とした青果物内部品質検査方法。
  2. 【請求項2】 電源供給手段から交番磁界発生手段に通
    電することによって交番磁界を発生させ、この交番磁界
    内に試料青果物を配置し、この試料青果物の内部品質の
    状態によって異なる電気抵抗に応じて変化する上記通電
    電流の大きさと位相とを測定することによって渦電流を
    求め、この渦電流の大きさによって上記試料青果物の内
    部品質の検査を非破壊,非接触状態で行なう青果物の内
    部品質検査方法。
  3. 【請求項3】 青果物の種類ごとに、内部品質が未熟,
    適熟,過熟,腐敗のうちの少なくとも一つの状態にある
    ときの渦電流値をあらかじめ求めておき、測定した渦電
    流値とあらかじめ求めた渦電流値を比較することによっ
    て試料青果物の内部品質の状態を判断するようにした請
    求項2記載の青果物の内部品質検査方法。
JP26186693A 1993-09-24 1993-09-24 青果物の内部品質検査方法 Pending JPH0792121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26186693A JPH0792121A (ja) 1993-09-24 1993-09-24 青果物の内部品質検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26186693A JPH0792121A (ja) 1993-09-24 1993-09-24 青果物の内部品質検査方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0792121A true JPH0792121A (ja) 1995-04-07

Family

ID=17367850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26186693A Pending JPH0792121A (ja) 1993-09-24 1993-09-24 青果物の内部品質検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0792121A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004271182A (ja) * 2003-03-04 2004-09-30 Osaka Sealing Printing Co Ltd センシング材料、センシングシールおよびセンシングシステム
JP2011237444A (ja) * 2011-07-15 2011-11-24 Takara Scale Co Ltd 果菜類の非破壊品質評価装置及び非破壊品質評価方法
CN103954681A (zh) * 2014-04-28 2014-07-30 深圳市柳迪科技有限公司 水果内部品质检测装置及检测方法
JP2018048906A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 川辺食品 株式会社 異物検出装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004271182A (ja) * 2003-03-04 2004-09-30 Osaka Sealing Printing Co Ltd センシング材料、センシングシールおよびセンシングシステム
JP2011237444A (ja) * 2011-07-15 2011-11-24 Takara Scale Co Ltd 果菜類の非破壊品質評価装置及び非破壊品質評価方法
CN103954681A (zh) * 2014-04-28 2014-07-30 深圳市柳迪科技有限公司 水果内部品质检测装置及检测方法
JP2018048906A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 川辺食品 株式会社 異物検出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
El Khaled et al. Cleaner quality control system using bioimpedance methods: a review for fruits and vegetables
Marcone et al. Diverse food-based applications of nuclear magnetic resonance (NMR) technology
US5189366A (en) Method and apparatus using a varying electromagnetic field for determining the nature, or a property of a non-metallic material
Kader et al. and Maturity at Harvestº
Dyer et al. Storage of frozen plaice fillets
Nelson et al. Historical development of grain moisture measurement and other food quality sensing through electrical properties
Finney Jr Dynamic elastic properties and sensory quality of apple fruit
Chowdhury et al. Electrical impedance variations in banana ripening: an analytical study with electrical impedance spectroscopy
NO135383B (ja)
Ma et al. Storage disorder and ripening behavior of ‘Doyenne du Comice’pears in relation to storage conditions
Kantor et al. Electronic tongue for sensing taste changes with apricots during storage
Jamaludin et al. Dielectric based sensing system for banana ripeness assessment
Bourne Textural changes in ripening peaches
Døving et al. Methods of testing strawberry fruit firmness
Bhosale et al. Firmness prediction of the apple using capacitance measurement
JPH0792121A (ja) 青果物の内部品質検査方法
Quiñola et al. Non-Invasive Sweetness Classification for Citrus Maxima
Raja et al. Development of capacitance based nondestructive ripening indices measurement system for sapota (Manilkara zapota)
Spyros Application of NMR in food analysis
JPH0949817A (ja) 青果物の内部品質検査方法
JPS63259452A (ja) 青果物の接触および非接触による鮮度判定方法
Barrett Quality Assurance for Processed Fruit & Vegetable Products
O'Toole et al. Bioimpedance Measurement of Avocado Fruit Using Magnetic Induction Spectroscopy
Sankhe Ripeness inspection system for banana
Larsen et al. Optimising package perforation and headspace gas atmosphere in carrot packages stored under chilled and abused temperature conditions